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栃ノ心、手汗「パサパサ」で大関目安33勝クリア

大栄翔(手前)を激しく攻める栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇両国国技館


 関脇栃ノ心が万全の右四つ。土俵中央から大栄翔をつり上げ、豪快に寄り切った。「捕まえたら、もうね」と自信満々の9連勝。

 「直近3場所を三役で合計33勝以上」とされる大関昇進の目安で、33勝には到達した。場所入り時に聞こえる「大関、頑張れ」の声援が、この2日は「優勝、頑張れ」に変わったとか。初優勝の初場所は緊張で「手汗ビショビショ」だったが、今場所は「パサパサだよ」とニンマリしていた。

全勝を守り懸賞の束を手に引き揚げる栃ノ心(撮影・小沢裕)
全勝を守り支度部屋で笑顔を見せる栃ノ心(撮影・小沢裕)

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鶴竜の原動力、愛するわが子のため“パパっと”快勝

正代(右)を激しく攻める鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇両国国技館


 自身初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)が1敗を守り、勝ち越しを決めた。対戦成績7戦全勝だった正代を早い相撲で押し出した。今日22日は長男アマルバイスガラン君の1歳の誕生日で、場所後の29日は長女アニルランちゃんの3歳の誕生日。愛するわが子の存在が、強いパパの原動力だ。横綱白鵬と平幕の千代の国も1敗を堅持。大関とりの関脇栃ノ心が9連勝で単独トップを守った。

 パパは強い。低く強く当たった鶴竜が、正代を後退させた。勢いあまって土俵外をのぞいたが、素早く体勢を整えなおし、体の崩れた正代を押し出した。「ヒヤッとした?」と問われて「それはなかった。しっかり(相手を)見ていたし、体も反応したので」と涼しげだ。自宅通勤ができる東京開催の夏場所は、しかも5月だけに、パワー倍増だ。

 今日22日は長男アマルバイスガラン君の誕生日だ。左足首負傷で5日目から休場した昨年夏場所9日目に生まれた。周囲が進退をささやく中、愛息の寝顔を見ると、闘志がわいた。

 千秋楽2日後の29日は長女アニルランちゃんの誕生日だ。左肩を痛めて全休した15年夏場所千秋楽の5日後に生まれた。鶴竜によると、モンゴルでは男なら2歳、女なら3歳になって初めて髪を切る。「頭は大事ですから、それを守るためでしょう」。家族、親類、親しい知人が少しずつハサミを入れ、最後はバリカンで頭を丸める。

 アニルランちゃんは、その3歳になる。インターナショナルの幼稚園に通い、物心もつき始めた。その女児が丸刈りに…。「そりゃ泣くでしょうね。でも、仕方ないでしょ? 1度刈った方が髪もきれいに伸びると思いますし」と、くすくす笑った。

 自身初の2場所連続優勝へ。「この子たちのためにも、と思ってきた。そういう思いがないと(相撲を)やってる意味がない」。当たり前のように言い切るパパが、頼もしい。トップを走る栃ノ心を1差で追う。鶴竜はもう負けるつもりはない。【加藤裕一】

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白鵬なりふり構わず勝ち越し、立ち合いに物言いも

立ち合いで琴奨菊(右)を土俵際へ追い込む白鵬(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇両国国技館


 2場所連続休場明けの横綱白鵬が、琴奨菊を下して勝ち越しを決めた。1度目の立ち合いは嫌な雰囲気を感じて手をつかず。2度目の立ち合いは相手よりもかなり早く先に立って、上手投げで転がした。

 大相撲中継の解説をしていた鏡山親方(元関脇多賀竜)からは「フライング気味ですよ。ちゃんと両手をついて欲しい」と2度目の立ち合いに“物言い”をつけられた。だが白鵬は、勝ち越しについて「かど番脱出」と言うほど、なりふり構わず白星を取りにいっている証しでもあった。10日目の今日は、途中休場から再出場する遠藤と対戦する。やりにくさがあるかを問われるも「ないですよ」と即答。単独トップの栃ノ心と対戦するまで、是が非でも1敗を守りたい。

立ち合いで待ったを掛ける白鵬。右は琴奨菊(撮影・小沢裕)

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栃ノ心9連勝で計33勝、22日親方誕生日に2桁だ

全勝を守り支度部屋で笑顔を見せる栃ノ心(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇両国国技館


 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が豪快に9連勝を決めた。

 必殺の左上手でまわしを引き、万全の右四つになると、土俵中央から平幕の大栄翔を大きくつり上げ、土俵際まで持っていって寄り切った。「立ち合いがよかった。捕まえたら、もうね。負けないよ」。

 大関昇進の目安は「直近3場所を三役で、合計33勝以上」とされ、数字上「33勝以上」の部分だけはクリアした。「目標は2ケタ(白星)だったんでね。近づくのは気持ちいいよ。あと1丁やな」。10日目の22日は師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)の56歳の誕生日。「知ってるよ」と10連勝のプレゼントを贈るつもりだ。

大栄翔(手前)に激しく攻める栃ノ心(撮影・鈴木正人)

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栃ノ心が大関昇進目安33勝「申し分ない」理事長

大栄翔を担ぎ上げた栃ノ心はそのまま土俵際まで寄り切り全勝を守った(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇東京・両国国技館


 関脇栃ノ心(30=春日野)の快進撃が止まらない。小兵の押し相撲で、前日には大関豪栄道(境川)を破った東前頭3枚目の大栄翔(24=追手風)を右四つ、左上手の万全の体勢でつかまえると、一呼吸置いて、つり寄りでねじ伏せた。

 土俵下から目を光らせる幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)も「立ち合いでスピードがあり、押っつけも強い大栄翔を問題にしなかった。つかまえた時点で(相手は)どうにもならないでしょう」と強さを評価した。大関昇進の目安とされる直近3場所合計33勝にも到達。昇進に関しては常々、話しているように「審判部長(阿武松親方=元関脇益荒雄)に聞いてください」と明言は避けたが「今場所(全力士を通して)一番、安定しているでしょう。ごまかしで勝っている相撲ではない。圧倒的に勝っている。誰が見ても強いと思うし(大関昇進の声も)説得力があるのでは」と話した。

 協会トップの八角理事長(54=元横綱北勝海)も、栃ノ心の力強さについて「つったというより、まわしを引きつけたら(大栄翔が)浮いたという感じだろう。引きつけられたら相手は何もできない」と説明。対戦相手の立場にたって「壁にぶち当たっている感じだろう。脚から力が伝わっている」と解説した。ここまでの相撲を「内容は申し分ない。2ケタ(勝利)というより(栃ノ心の目標は)優勝だろう」と読み取っていた。

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栃ノ心9連勝、1敗で白鵬、鶴竜、千代の国 夏場所

白鵬

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇東京・両国国技館


 単独トップの関脇栃ノ心(30=春日野)は前頭3枚目大栄翔(24=追手風)をつりながら寄り切って初日から9連勝を飾り、大関昇進に王手をかけた。10日目は4勝5敗の前頭4枚目千代大龍(29=九重)と対戦する。

 1敗で追う3人もそろって勝った。2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は前頭5枚目琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)を右からの上手投げで下した。初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)は前頭4枚目正代(26=時津風)を押し出した。前頭11枚目千代の国(27=九重)は同14枚目豪風(38=尾車)を突き出した。

 3勝5敗だった大関豪栄道(32=境川)は左足首の負傷で休場した。関脇逸ノ城(25=湊)は不戦勝で5勝目を挙げた。

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白鵬1敗守り折り返し、疲れは「ないね」と涼しい顔

白鵬は豊山(左)を寄り倒しで下す(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館


 横綱白鵬が、初顔合わせの豊山を退けて1敗を守った。立ち合いから、豊山の激しい突き押しをのど元に何発ももらった。それに応えるように白鵬も突き押しで対抗。1度土俵際に追い込みながらも引いてしまいのど輪をもらったが、こらえてもろ差しになると、一気に土俵際まで運んで寄り倒した。めまぐるしい攻防戦を制して「いい相撲だったかな」と充実の表情を浮かべた。

 初顔合わせとなった6日目の阿炎戦で、今場所初黒星を喫した。「完全に見すぎた。守りすぎた」と警戒心が強かったと分析。だから「(今日は)受けてやる、という反省が多少出た。引きは中途半端だったけど前に出られた」と気持ちも体も攻めの姿勢を見せた。中日折り返しも、疲れは「ないね」と涼しい顔。自身初の2場所連続休場明けからの優勝へ、1差の栃ノ心を追う。

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栃ノ心、夕食2度の暴食でパワー 逸ノ城も食べた

逸ノ城(手前)を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館


 大関昇進を目指す関脇栃ノ心(30=春日野)が8戦全勝で勝ち越しを決めた。幕内最重量225キロの逸ノ城を寄り切りで仕留め、怪物対決に3連勝だ。ただ1人全勝を守り、V戦線でもトップを走る。初場所以来2場所ぶり2度目の優勝も視界に入ってきた。白鵬、鶴竜の両横綱と平幕の千代の国が1敗を守った。

 体が真っ赤になるほど全力で、栃ノ心が寄った。絶対的な武器の左上手を捨て、前みつを狙った左手が深く入り、もろ差しへ。1、2…5度と力を込め、逸ノ城の巨体を土俵の外へ持ち出した。対戦成績は3連勝。「前より重かったよ。もろ差しじゃないとダメだったね」。途中でつられて、両足が宙に浮いた。館内大熱狂の力勝負。だが、ガス欠の心配はなかった。

 遠藤休場で不戦勝となった前日夜は“暴食”した。「何でかわかんないけど、腹が減って、減って。それまでは(食欲がいまひとつで)頑張って食べてたのにな」。緊張がほぐれたのか。最初に出前のすしを3人前といくら丼を平らげたが、物足りない。午後10時から2度目のディナー。作り置きのジョージア料理と、納豆3パック+卵5個の卵焼きを作り、パンと一緒に食べた。この日の朝稽古後に「きょうは体が重かった」と苦笑いするほど、力はありあまっていた。

 初の8連勝で、中日の勝ち越しを決めた。絶好調の栃ノ心に、八角理事長は「優勝争いに加わるぐらいの気持ちで、それ(大関とり)は通過点ぐらいでやってほしい」と話した。大関昇進の目安は「直近3場所を三役で計33勝以上」とされ、栃ノ心は初場所14勝、春場所10勝。初場所が平幕のため「最低10勝以上」が必要になりそうだが、ペースはそれを軽く上回る。大関とりへ、2場所ぶり2度目の優勝へ、残り7日。何が大事か聞かれると「白星や、白星」と、関西弁でいたずらっぽく笑って見せた。【加藤裕一】

 ◆大関昇進前3場所での優勝 年6場所制が定着した58年(昭33)以降に昇進した大関59人中、達成者は19人いるが、優勝2度はない。初場所優勝の栃ノ心が今場所優勝で昇進を決めれば“3場所で優勝2度”という初のケースになる。

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栃ノ心が中日勝ち越し「重かった」最重量逸ノ城下す

逸ノ城(手前)を寄り切りで破り、全勝を守った栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館


 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が関脇逸ノ城とのスーパーヘビー対決を制し、自身初の中日勝ち越しを決めた。

 立ち合いから幕内最重量225キロの相手とがっぷり右四つになり、先に攻められ、1度は両足が宙に浮いた。しかし、左上手から巻き返し、もろ差しの体勢に持ち込むと、こん身の力でじりじり相手を寄り切った。

 過去の合口は10勝5敗。この日の朝稽古後に「やりづらさはないけど、重たい」と苦笑いでこぼしていたが、取組後は「前より重かった。もろ差しじゃないとダメだったよ」と、朝から輪を掛けたような苦笑いを浮かべた。勝ち越しの感想を聞かれると「勝ち越しが目標じゃないからね」ときっぱり答えた。「今はうれしいけど、あと半分。これからが大事だからね」。白鵬、鶴竜の両横綱、大関豪栄道という上位陣との対戦を含む残り7番。大関昇進、そして2場所ぶり2度目の賜杯を目指す。「目標は1日1番です」とすぐに気を引き締め直していた。

逸ノ城を寄り切りで破り、全勝を守った栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

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栃ノ心が無傷8連勝、1敗で白鵬、鶴竜ら 夏場所

栃ノ心

<大相撲夏場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館


 関脇同士の一番は、大関とりのかかる栃ノ心(30=春日野)が、逸ノ城(25=湊)を寄り切って無傷の8連勝と星を伸ばし、勝ち越しを決めた。逸ノ城は4勝4敗。

 2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は前頭3枚目豊山(24=時津風)を寄り倒して7勝目を挙げた。

 初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)は、前頭4枚目千代大龍(29=九重)を上手出し投げで下し7勝目。千代大龍は4勝4敗。

 大関豪栄道(32=境川)は、前頭3枚目大栄翔(24=追手風)に押し出され3勝5敗と苦しい星勘定となった。大栄翔は2勝7敗。

 8日目を終わって、勝ちっ放しは栃ノ心。1敗で鶴竜、白鵬、前頭11枚目千代の国(27=九重)の3人が追う展開となった。

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栃ノ心が遠藤戦不戦勝で7連勝、1敗白鵬ら4人追う

千代大龍を寄り切りで破り、式守勘太夫(左)の背中に触れる白鵬(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館


 2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は前頭4枚目千代大龍(29=九重)を危なげなく寄り切り6勝目を挙げた。

初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)も前頭3枚目豊山(24=時津風)を突き落として6勝1敗とした。

 大関豪栄道(32=境川)は前頭2枚目阿炎(24=錣山)にはたき込まれて4敗目を喫し、黒星が先行した。阿炎は前日の白鵬戦に続く殊勲の星で3勝目を挙げた。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は右上腕を負傷した小結遠藤(27=追手風)の休場による不戦勝で7連勝とした。

 関脇逸ノ城(25=湊)は前頭2枚目松鳳山(34=二所ノ関)に下手投げで敗れ4連勝から3連敗となった。

 7日目を終わって、勝ちっ放しの栃ノ心を1敗で鶴竜、白鵬、前頭9枚目大翔丸(26=追手風)同11枚目千代の国(27=九重)の4人が追っている。

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遠藤が右腕負傷で休場 師匠「手術するなら早めに」

御嶽海の上手出し投げで敗れた遠藤(2018年5月18日撮影)

<大相撲夏場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館


 西小結の遠藤(27=追手風)が、夏場所7日目から休場することが決まった。「右上腕二頭筋遠位部断裂」で約3週間の加療を要する見込みとの診断書を提出した。小結御嶽海に敗れた前日6日目に受傷した。診断書には、治療方針決定後に治療期間が変更になる可能性もあると、併せて記されている。

 師匠の追手風親方(元前頭大翔山)は「肘に近いところの断裂。1日、2日で痛みがどうなるか。現状では本人と話していないので、何とも言えない。痛みを我慢できるのか。つなげるものはつなげないと。手術するなら早めにしないと」と話した。痛めたのは御嶽海戦といい、師匠は「本人もどこで痛めたのか分からない。昨日、差してはたかれた時なのか」と続けた。

 三役の今場所は6日目まで3勝3敗だった。遠藤の休場は、昨年7月の名古屋場所以来5度目。今場所の十両以上の休場者は横綱稀勢の里、大関高安、十両照ノ富士に続いて4人目。

 7日目に遠藤と対戦する予定だった関脇栃ノ心は不戦勝となる。大関昇進を目指す栃ノ心は6日目まで6連勝で単独トップに立っており、思わぬかたちで勝ち星を重ねることになった。

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遠藤が右上腕二頭筋遠位部断裂で休場 3週間の加療

遠藤(18年5月撮影)

<大相撲夏場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館


 西小結の遠藤(27=追手風)が、夏場所7日目から休場することが決まった。

 「右上腕二頭筋遠位部断裂」で約3週間の加療を要する見込みとの診断書を提出した。小結御嶽海に敗れた前日6日目に受傷した。診断書には、治療方針決定後に治療期間が変更になる可能性もあると、併せて記されている。

 新三役の今場所は6日目まで3勝3敗だった。遠藤の休場は、昨年7月の名古屋場所以来5度目。今場所の十両以上の休場者は横綱稀勢の里、大関高安、十両照ノ富士に続いて4人目。

 7日目に遠藤と対戦する予定だった関脇栃ノ心は不戦勝となる。大関昇進を目指す栃ノ心は6日目まで6連勝で単独トップに立っており、思わぬかたちで勝ち星を重ねることになった。

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7連勝決まった大関とり栃ノ心、休場の遠藤思いやる

栃ノ心

<大相撲夏場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館


 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が、休場届を出した遠藤を案じた。栃ノ心はこの日、遠藤と対戦予定で、朝稽古中に休場の一報を受けたという。

 朝稽古後には「かわいそうだね。足? 膝?」と報道陣に逆取材。自身は不戦勝で難なく7連勝となり、勝ち越しに王手がかかることになるが「お客さんも(自分との相撲を)見たかったでしょうね」と語った。自分も右膝などの負傷に苦しんできた。同じくケガに苦しみ続ける力士の心境を思いやっていた。

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「目立ったッス」白鵬破る初金星に阿炎トーク全開!

インタビュールームから笑顔で出てピースする阿炎(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇6日目◇18日◇東京・両国国技館


 西前頭2枚目の阿炎(あび、24=錣山)が横綱白鵬を破り、初金星を挙げた。師匠の錣山親方(元関脇寺尾)譲りの突っ張りから、前に出続けて押し出し。初顔合わせで、全勝の第一人者を破る番狂わせを演じた。取組後は「目立ったッス」や「もう勝ち越した気分」などと、持ち前の明るい性格で報道陣を笑わせる“アビトーク”全開だった。平幕正代も敗れ、全勝は関脇栃ノ心1人となった。

 ぼうぜんと目が点になったまま、32本もの懸賞をつかんだ。無数に舞う座布団の1つが膝に当たり、やっと実感がわいた。阿炎は支度部屋に戻った直後に「ヤッター! うれしすぎて早く帰りたい」とさけび、付け人とグータッチ。“アビトーク”は絶好調で「目立ったッス。最高です。相撲人生で1番。大金星です」と、喜びを表現する言葉が続いた。ここまですべて三役以上を相手に2勝4敗だが「もう勝ち越した気分」と、充実感を口にした。

 立ち合いは、もろ手で突いた。白鵬の上体を起こすと、休まず突き、頭をつけて押し出した。白鵬に何もさせなかった。13年5月の初土俵の時、白鵬はすでに横綱。歴代最多40度優勝という雲の上の存在と初めて本場所で向き合い「心臓が口から出てきそうだった」と、極限の緊張を味わったからこそ喜びが爆発した。

 「小細工して勝てる人じゃない」と腹をくくった。4月27日に行われた、地元埼玉・越谷市での巡業で、初めて稽古をつけてもらい1勝12敗。その1勝も地元の声援に配慮した、お情けのようなものと自覚する。1月の初場所で新入幕後、2場所連続10勝。前日5日目は、かつて付け人を務めた横綱鶴竜との横綱戦で結びの一番も初体験した。敗れたが緊張は「1回目より2回目の方が」と和らいだ。

 テレビ解説で錣山親方は「(弟子が)誰も横綱に勝ったことがないので僕が元気なうちに」と期待していた。師匠譲りの取り口での金星は何よりの恩返しだ。もう1人、恩返ししたいのが母早苗さん。前日は母の54歳の誕生日だっただけに「すぐ電話したいから早く帰りたいんです。母の日も何もできなかったから」と心優しい一面も。優しくておもしろい待望の新スターが誕生した。【高田文太】

白鵬(右)を押し出しで破る阿炎(撮影・鈴木正人)

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栃ノ心ホッ「負けてたら最悪」自己最長タイの6連勝

豊山を土俵際、突き落としで破って6連勝とした栃ノ心(撮影・丹羽敏通)

<大相撲夏場所>◇6日目◇18日◇東京・両国国技館


 関脇栃ノ心が初優勝した初場所以来、自己最長タイの6連勝で単独トップに立った。

 支度部屋で阿炎が白鵬を破る一番を見て「すごいね」。その時点でただ1人の全勝となり、話題を振られたが、苦笑いで右手を振っただけ。この日は初顔合わせの豊山に押し込まれ、土俵際にきわどく残り星を拾った。「ちょっと受けたね。勝ってよかった。負けてたら、最悪だったよ」とホッとしていた。

豊山を突き落としで破った栃ノ心(撮影・鈴木正人)

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栃ノ心6連勝で単独トップ、右肩に痛みも「大丈夫」

豊山(右)を突き落としで破った栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇6日目◇18日◇東京・両国国技館


 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が単独トップに立った。稽古場でも手合わせしたことがない西前頭3枚目豊山の突きに後退、土俵際まで押し込まれ、最後は左手で相手の頭を引き込むようにして、間一髪の突き落としを決めた。

 初優勝した初場所以来、自己最長タイの6連勝としたが、内容はヒヤヒヤ。「立ち合いで当たった瞬間、ビッと来た」と、春場所で痛めた右肩に一瞬痛みが走ったという。支度部屋で一息ついて「もう大丈夫。でも、勝って良かった。負けてたら、最悪だったよ」と安堵(あんど)の表情だった。

 取材を受けている途中、阿炎が白鵬を破り、勝ちっ放しが自分だけになった。テレビ画面でその一番を見て「すごいな。うれしいだろうな」と話したが、全勝については苦笑いでノーコメント。平常心を保とうとしているようだった。

豊山を土俵際、突き落としで破って6連勝とした栃ノ心(撮影・丹羽敏通)

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前頭2枚目阿炎が横綱白鵬から初金星、白鵬は初黒星

阿炎(2018年1月28日撮影)

<大相撲夏場所>◇6日目◇18日◇東京・両国国技館


 2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は前頭2枚目阿炎(24=錣山)に押し出され、初黒星を喫し、無傷の6連勝を逃した。阿炎は初の金星で2勝目。

 初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)は前頭三枚目大栄翔(24=追手風)をはたき込んで5勝1敗とした。

 大関豪栄道(32=境川)は前頭四枚目千代大龍(29=九重)に敗れ3勝3敗の五分。

 関脇逸ノ城(25=湊)は前頭筆頭玉鷲(33=片男波)に押し出され2敗目。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は前頭三枚目豊山(24=時津風)を突き落として無敗を守った。今場所6連勝とした。

 新三役の小結遠藤(27=追手風)は小結御嶽海(25=出羽海)に上手出し投げで敗れ3敗目。

 6日目終了時点での勝ちっ放しは栃ノ心のみとなった。


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栃ノ心“締め”に特製納豆丼、驚異のパワーで5連勝

栃ノ心(右)は魁聖を寄り切りで下す(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇5日目◇17日◇東京・両国国技館


 関脇栃ノ心が驚異の納豆パワーで巨漢の魁聖を寄り切り、5連勝を飾った。「暑いから食欲が…」とこぼすが、前夜はマメと野菜でジョージア料理を自炊し、締めに納豆を食べたとか。

 驚くのは納豆の量。ご飯に生卵の黄身をのせ、上から市販5パック分の納豆をぶっかけ、刻みネギと生卵の黄身1個を追加した“栃ノ心丼”。「それ締めですか?」と驚く周囲に「我慢して食べてるんだけどなあ」と涼しい顔だった。

支度部屋で笑顔を見せる栃ノ心(撮影・小沢裕)

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タンパク王!栃ノ心、納豆5パック黄身2個で5連勝

支度部屋で笑顔を見せる栃ノ心(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇5日目◇17日◇両国国技館


 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が平幕の魁聖を寄り切り、5連勝を飾った。

 192センチの自分より2センチ大きい巨漢相手に立ち合いで右下手まわしを取りつつ頭をつけ、左上手も引いた。まわしをとれば、怪力を出す。両まわしを取り直し、体勢を整え直してから危なげなく勝負を決めた。

 取組後は「暑いから、食事がね…」とポツリ。汗っかきとあって、朝稽古には大量の水分をとるが、夕食は極力水分を抑えている。前夜は趣味でもある自炊で、マメ、野菜を使った故郷のジョージア料理でメインディッシュを作って食べたというが、驚くのは“締めの一品”だ。昔は「大嫌いだった」という納豆を何と5パック分、卵の黄身1個を乗せたご飯の上にぶっかけ、さらにきざみネギと卵の黄身1個を乗せて、平らげたという。とても食欲のない人の締めと思えぬボリュームだが「オリジナル? そうですよ」と涼しい顔でレシピを説明していた。

初日から5連勝し気合の入った表情で花道を引き揚げる栃ノ心(撮影・小沢裕)

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白鵬、栃ノ心、正代の3力士が無傷の5連勝 夏場所

大栄翔を上手投げで下した白鵬(撮影・丹羽敏通)

<大相撲夏場所>◇5日目◇17日◇東京・両国国技館


 初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)は前頭2枚目阿炎(24=錣山)を下し、4勝目を挙げた。

 2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は、前頭三枚目大栄翔(24=追手風)を上手投げ。無傷の5連勝とした。

 大関豪栄道(32=境川)は前頭三枚目豊山(24=時津風)を押し出し、3勝2敗とした。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は前頭筆頭魁聖(31=友綱)を寄り切って5連勝。

 新三役の小結遠藤(27=追手風)は勝ちっ放しの関脇逸ノ城(25=湊)を寄り切った。3勝2敗とした。

 5日目終了時点での勝ちっぱなしは白鵬、栃ノ心、前頭四枚目正代(26=時津風)の3力士。

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元水戸泉の錦戸親方、初幕内後半戦の審判長務め緊張

<大相撲夏場所>◇5日目◇17日◇両国国技館


 3月の職務変更に伴い、審判部の副部長に就任した元関脇水戸泉の錦戸親方(55)が、初めて幕内後半戦の審判長として、正面土俵下から目を光らせた。

 やや緊張の面持ち? のようだったが、結びの一番を含め20番を見守り審判部に戻ると、ホッとひと息ついた様子。初日は十両、3日目は幕内前半戦で、それぞれ審判長を務めたが、やはり華のある幕内後半戦のそれとは違うようで「怖かったですよ、(力士が)落ちてこないかね」とドキドキ感を味わう一方で、熱戦続きの取組に「みんな、いい相撲を取ってました。楽しかったですよ」と、いい緊張感の中で任務を果たした充実感に包まれていた。

 目いっぱいの塩まきと、平幕優勝も果たした人気力士として現役時代は活躍した錦戸親方。もちろん、観戦者として“楽しんだ”わけではなく、各取組も的確に分析。結びの一番は「鶴竜は(前日の負けの)尾を引いてなく、いい相撲でした。阿炎の方が気負ってました」と横綱初挑戦だった若武者の表情から心情を読み取った。大関とりのかかる関脇栃ノ心の表情も「仕切っている時は緊張していました」と察したが、相撲については「相手によって考えて相撲を変えられる。相撲に迷いがないのが、いちばん良いところ」と的確に分析していた。

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栃ノ心「負けるとか全然思わない」秒殺4連勝

御嶽海を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇4日目◇16日◇東京・両国国技館


 栃ノ心は小結御嶽海を一気に寄り切った。

 朝稽古に「速い相撲でいきたい」と望んでいた通り“秒殺”の4連勝に、「水がうまいね」とのどを潤した後「立ち合いが良かったね」とニンマリした。内容を伴った結果続きの序盤戦。「勝つイメージしかない。こうやったら、こうされて負けるとか全然思わないよ」と豪語するほど自信満々で、連勝街道を突っ走る。

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栃ノ心&逸ノ城4連勝 両関脇に八角理事長も評価

御嶽海を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇4日目◇16日◇両国国技館


 関脇が強い場所は盛り上がる-。角界に古くから伝わる言葉通り、今場所は両関脇が、初日から白星を並べ場所を引き締めている。協会トップも、その強さを認めている。

 東の栃ノ心(30=春日野)、西の逸ノ城(25=湊)ともに4戦全勝。幕内後半戦の審判長を務めた、審判部の阿武松部長(56=元関脇益荒雄)は、大関とりのかかる栃ノ心を「(大関が)近づいているのではないでしょうか」と話した。今場所初日には、大関とりに関して「毎日の相撲の内容と流れを見て(審判部内の)みんなで声が上がっていくもの」と、昇進に必要な白星のラインなど具体的な数字の明言は避けているが、ここまでは合格点のようだ。

 また逸ノ城についても「強いですね。1つ上を目指せる力士になった」と評価。前頭筆頭、小結で10勝、9勝と好成績を続けているだけに、今場所後の成績次第では、7月の名古屋は大関とりの場所になってもおかしくない。

 協会トップの八角理事長(54=元横綱北勝海)も栃ノ心の一番について「お互い(御嶽海と)立ち合いが合わなかったように見えたが、集中力を切らさなかった」と精神面の充実ぶりも評価。逸ノ城に対しても「どっしりしていた」と安定した相撲っぷりを感じ取っていた。

豊山を寄り切りで下す逸ノ城(撮影・横山健太)

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連覇狙う鶴竜に土!白鵬、栃ノ心ら4連勝 夏場所

魁聖(左)を上手出し投げで下す白鵬(撮影・横山健太)

<大相撲夏場所>◇4日目◇16日◇東京・両国国技館


 初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)に土がついた。前頭2枚目松鳳山(34=二所ノ関)に押し込まれ、引いたところを押し倒された。松鳳山は5個目の金星となった。

 2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は、前頭筆頭魁聖(31=友綱)を上手出し投げで下し4連勝を飾った。

 大関豪栄道(32=境川)は前頭筆頭玉鷲(33=片男波)に押し出され、2連勝のあと2連敗となった。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は小結御嶽海(25=出羽海)を危なげなく寄り切って4連勝とした。5日目は初日から4連敗の魁聖と対戦する。

 関脇逸ノ城(25=湊)も前頭3枚目豊山(24=時津風)を寄り切って4連勝をマークした。

 新三役の小結遠藤(27=追手風)は前頭2枚目阿炎(24=錣山)の回転のいい突っ張りに突き出されて2勝2敗となった。

 4日目を終わって勝ちっ放しは白鵬、栃ノ心、逸ノ城、前頭4枚目正代(26=時津風)の4人となった。

松鳳山に押し倒しで敗れ肩を落とし土俵を後にする鶴竜(撮影・横山健太)
御嶽海を破り、多くの懸賞金を得る栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

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栃ノ心、4連勝に自信満々「勝つイメージしかない」

御嶽海(右)を寄り切りで下す栃ノ心(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇4日目◇16日◇東京・両国国技館


 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が小結御嶽海を一蹴した。立ち合いから一気に前に出て、一瞬で寄り切った。

 場所前の出稽古で何度も肌を合わせているが、稽古に比べて本番でめっぽう強く“別人”になる相手だけとあって、この日の朝稽古後は「早い相撲で決めたい」と話していた。思惑通りの結果に「突いてくると思ったけど、もろ差し狙いで来た。立ち合いが良かったね」と満足そう。内容を伴う勝ちっ放しの4連勝。「勝つイメージしかないよ」と豪語するほど、自信満々だった。

御嶽海を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

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栃ノ心3連勝 玉鷲戦「めちゃくちゃ気合入る」理由

玉鷲(右)と激しい取組をする栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇3日目◇15日◇東京・両国国技館


 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が平幕の玉鷲を下し、3連勝を飾った。ともに08年初場所が新十両だったライバルの激しい突き押しをしのぎ、はたき込んだ。右膝負傷からカムバックした14年11月の再入幕後、3連勝は過去2場所あり、11勝と14勝。大関昇進に求められる最低限の10勝以上がはっきり見えてきた。勝ちっ放しは白鵬、鶴竜の両横綱を含む8人となった。

 栃ノ心は鼻息が荒かった。「下がってないね、後ろに。よく攻めたし、立ち合いも良かった。まわしは取れなかったけどね」。支度部屋の風呂から上がると、自分から切り出した。角界屈指の突き押しをしのぎ、はねのけ、前に出た。気づけば、玉鷲が倒れていた。

 「めちゃくちゃ気合が入る」というライバルだ。新十両が同じ08年初場所。当時の巡業では“かわいがられ仲間”だった。玉鷲が朝青龍なら、自分は白鵬と日馬富士…。朝、顔を合わせると「今日も一緒にぶつかり稽古、頑張ろう」と励まし合った“戦友”なのだ。

 時には一緒に食事に行くほど仲もいいが、相撲となれば話は別だ。この日で対戦成績13勝4敗と合口はいい。ただし「アイツ、いつも土俵に上がる前からニラんでくる。だから、絶対にニラみ返す。目そむけたら負けだから」。先場所は2日目に負けた。その後1週間は、支度部屋ですれ違うと「弱かったな~」と言われた。「もういいだろって思うのに」とこぼしつつ、うれしそうだ。

 大関へ。データも栃ノ心の背中を押す。昇進目安は「直近3場所を三役で計33勝以上」とされ、栃ノ心は初優勝の初場所14勝、春場所10勝。ただ、初場所は西前頭3枚目の平幕だったため、最低限「10勝以上」が必要になりそうだが、その“ライン”は見えた。14年九州場所の再入幕後、3連勝は過去2度あり、ともに2ケタ白星。また三役での3連勝は11場所目で初めてだ。先場所痛めた右肩も「大丈夫、勝ってるからね」と笑い飛ばす。夢へ、着実に近づいている。【加藤裕一】

栃ノ心は口から流血しながら土俵を下りる(撮影・小沢裕) 

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鶴竜、白鵬、栃ノ心ら3連勝 豪栄道1敗 夏場所

魁聖(左)を寄り切りで下す鶴竜(撮影・横山健太)

<大相撲夏場所>◇3日目◇15日◇東京・両国国技館


 2横綱が3連勝を飾った。

 初の2場所連続優勝を目指す鶴竜(32=井筒)は前頭筆頭魁聖(31=友綱)をもろ差しから寄り切った。2場所連続休場から復活を目指す白鵬(33=宮城野)は、前頭2枚目松鳳山(34=二所ノ関)を立ち合いから一気に押し出した。

 大関豪栄道(32=境川)は新三役の小結遠藤(27=追手風)に肩透かしで敗れ土がついた。遠藤は2連勝で白星が先行した。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は前頭筆頭玉鷲(33=片男波)を右からはたき込んで3連勝を飾った。4日目は2勝1敗の小結御嶽海(25=出羽海)と対戦する。

 関脇逸ノ城(25=湊)は前頭3枚目大栄翔(24=追手風)をはたき込んで3連勝とした。

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栃ノ心、節目の500勝 大関とりへ気持ちが燃える

阿炎(左)を攻める栃ノ心(撮影・河野匠)

<大相撲夏場所>◇2日目◇14日◇東京・両国国技館


 関脇栃ノ心が大関とりへ、初顔合わせの阿炎を退け、2連勝だ。

 長い腕で回転の速い突っ張りに十数発耐えた後、左手でまわしをつかんで動きを封じると寄り切った。「引かれることだけ気をつけて、絶対に捕まえようと思った。組んだら、動けないでしょ?」。白星を重ね、節目の通算500勝。「内容は、今日の方がいい。(2連勝に)気持ちが燃えますね」と満足そうだった。

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遠藤三役初白星にも多く語らず、一喜一憂しない強さ

豊山(右)を攻める遠藤(撮影・河野匠)

<大相撲夏場所>◇2日目◇14日◇東京・両国国技館


 新小結遠藤(27=追手風)が、西前頭3枚目豊山との突き合いを制して三役初白星を挙げた。相手は金沢学院東高の3年後輩だが意識せず。普段はあまり笑顔は見せないポーカーフェースだが、言葉の端々から喜びがにじみ出た。2場所連続休場明けの横綱白鵬、大関とりの関脇栃ノ心は初日から2連勝した。

 館内に鳴り響く声援に祝福の声。それを一身に浴びても遠藤は、表情を緩めることなく支度部屋に戻ってきた。上がり座敷に腰をかけて、髪を結ってもらう間はずっと目を閉じ続けた。いつもとなんら変わらない様子。記者への質問にも多くは語らない。そんな遠藤が「良かったですね。勝ったのでうれしいですね」と小声でもらした。連日の声援に対して「うれしいですし、ありがたいですね」と感謝の言葉を並べた。

 立ち合いから、激しい突き合いの応酬となった。豊山が得意の突きに最初は引いたが、土俵際で踏ん張った。隙を見て懐に入り、土俵際に追い込んで冷静に引き落とした。後輩相手には、絶対に負けられない。そんな思いが表れた相撲内容だったが「特に」と意識はしなかった。

 一喜一憂しないのが強さでもある。場所前の新三役会見でも笑顔を見せることなく、淡々と質問に答え続けた。なぜ笑顔を見せないのか、と問われると「隙を見せないように」と真剣に返した。だから普段から表情を崩さないし、質問に口を開かない時もしばしばある。師匠の追手風親方(元前頭大翔山)も「相撲で勝って証明するしかないですから」と多くを語らない弟子の思いをくみ取った。

 待望の初日に、喜びの感情が出たのもつかの間。「いつもと変わらないですよ」とすぐに引き締めた。まだ2日目が終わったばかり。喜びは心の内にしまい込み、今日からまた無心で土俵に上がる。【佐々木隆史】

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