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栃ノ海さん死去 歴代横綱最高齢は北の富士氏78歳

北の富士氏(2020年1月8日撮影)

大相撲の第49代横綱栃ノ海の花田茂広(はなだ・しげひろ)さんが29日未明、誤嚥(ごえん)性肺炎のため亡くなった。存命の歴代横綱では最年長の82歳だった。

これで歴代横綱の最高齢は、78歳で北の富士の竹沢勝昭氏となった。現在もテレビなど大相撲中継での硬軟織り交ぜた的確な名解説で活躍中だ。北の富士に次ぐのは、日本相撲協会元理事長で三重ノ海の石山五郎氏。相撲博物館長を務め、2月4日に73歳となる。これに2代目若乃花の下山勝則氏が67歳で続く。歴代最長寿は明治時代中期に綱を張った初代梅ケ谷で、83歳で死去した。

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春日野親方「育ての親は栃ノ海」先代花田氏を悼む

春日野親方(2019年12月19日撮影)

先代春日野親方の花田茂広氏の死去を、現春日野親方(元関脇栃乃和歌)がしのんだ。

85年春場所で初土俵を踏んだ際は、元横綱栃錦の先々代春日野親方が師匠だった。指導などで迷うことがあれば、今も2人の師匠を思い浮かべるという。「稽古場で厳しくご指導いただいたことや、ご本人がけがで早く引退されたこともあり、私たちの体のケアにも注力してくださったことが思い出される。『生みの親は栃錦、育ての親は栃ノ海』だと思っております」とコメントした。

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元横綱栃ノ海が死去 小兵の技巧派横綱として活躍

土俵入りする栃ノ海(1965年7月撮影)

大相撲の第49代横綱栃ノ海、花田茂広さんが29日未明、誤嚥(ごえん)性肺炎のため死去した。存命の歴代横綱では最年長の82歳だった。青森県南津軽郡出身で現役時代は技巧派横綱として活躍。身長は180センチに届かない小兵だったが、優勝3度、横綱を2年10カ月務めた。引退後は横綱栃錦の後継者として春日野部屋の師匠を務めた。葬儀・告別式は家族葬で営まれる。

花田さんは17年に第50代横綱の佐田の山が79歳で死去し、存命の横綱経験者としては最年長となっていた。年6場所制に移行した58年以降の入幕力士でも、横綱経験者としては最高齢だった。

小兵の横綱として活躍した。弘前商高(現弘前実高)時代は2年生まで野球部で、いくつかの運動部をへて相撲部に入部。弘前に巡業に来た力士一行の中に小学校時代の友人を見つけたことが、角界入りのきっかけとなった。第27代横綱栃木山の春日野親方が師匠を務める春日野部屋に入門し、初土俵は55年秋場所。入門当時の体格は175センチ、75キロ程度だったが、前さばきのうまさや変幻自在の取り口で順調に出世し、関脇だった62年夏場所で初優勝を果たすと、場所後に大関昇進した。

64年初場所後に待望の横綱昇進を果たしたが、体格のハンディゆえか故障に苦しんだ。右上腕の筋断裂や椎間板ヘルニアなど、度重なるけがの影響もあり昇進後の優勝は1回のみ。昇進から2年10カ月後の66年11月、九州場所を最後に引退した。横綱在位は17場所。それでも技能賞は通算6度など、ファンを魅了する力士として人気を集めた。

現役引退後は年寄中立を襲名して春日野部屋付き親方として後進の指導にあたっていたが、当時部屋の師匠だった元横綱栃錦の春日野親方が定年を目前にして急逝。90年に栃ノ海が春日野部屋を継承し、名門部屋の師匠として関脇栃乃洋や小結栃乃花らを育てた。

訃報を受けて、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「突然の訃報に接し、思いがけないことゆえ、驚いております。生前は、春日野部屋の師匠として多くの関取を育てられ、理事としても相撲道の継承と発展にご尽力いただきました。ご生前のご功績を偲び、心よりご冥福をお祈り申し上げます」とコメントを発表した。

栃ノ心大関昇進伝達式を終えて記念撮影に臨む、先代春日野親方で元横綱栃ノ海の花田茂広氏(中央)。前列左から栃ノ心、春日野親方(2018年5月28日撮影)

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第49代横綱栃ノ海の花田茂広さん死去 82歳

土俵入りする栃ノ海(1965年7月撮影)

大相撲の第49代横綱栃ノ海、花田茂広さんが亡くなったことが29日、分かった。

存命の歴代横綱では最年長の82歳だった。青森県南津軽郡出身で現役時代は技巧派横綱として活躍。身長は180センチに届かない小兵だったが、優勝3度、横綱を2年10カ月務めた。引退後は横綱栃錦の後継者として春日野部屋の師匠を務めた。

花田さんは17年に第50代横綱の佐田の山が79歳で死去し、存命の横綱経験者としては最年長となっていた。年6場所制に移行した58年以降の入幕力士でも、横綱経験者としては最高齢だった。

小兵の横綱として活躍した。弘前商高(現弘前実高)時代は2年生まで野球部で、いくつかの運動部をへて相撲部に入部。弘前に巡業に来た力士一行の中に小学校時代の友人を見つけたことが、角界入りのきっかけとなった。第27代横綱栃木山の春日野親方が師匠を務める春日野部屋に入門し、初土俵は55年秋場所。入門当時の体格は175センチ、75キロ程度だったが、前さばきのうまさや変幻自在の取り口で順調に出世し、関脇だった62年夏場所で初優勝を果たすと、場所後に大関昇進した。

64年初場所後に待望の横綱昇進を果たしたが、体格のハンディゆえか故障に苦しんだ。右上腕の筋断裂や椎間板ヘルニアなど、度重なるけがの影響もあり昇進後の優勝は1回のみ。昇進から2年10カ月後の66年11月、九州場所を最後に引退した。横綱在位は17場所。それでも技能賞は通算6度など、ファンを魅了する力士として人気を集めた。

現役引退後は年寄中立を襲名して春日野部屋付き親方として後進の指導にあたっていたが、当時部屋の師匠だった元横綱栃錦の春日野親方が定年を目前にして急逝。90年に栃ノ海が春日野部屋を継承し、名門部屋の師匠として関脇栃乃洋や小結栃乃花らを育てた。

栃ノ心大関昇進伝達式を終えて記念撮影に臨む、先代春日野親方で元横綱栃ノ海の花田茂広氏(中央)。前列左から栃ノ心、春日野親方(2018年5月28日撮影)

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稀勢の里このまま引退なら歴代最低の勝率5割

稀勢の里(右)は寄り切りで栃煌山に敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇3日目◇15日◇東京・両国国技館

進退が懸かる横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が崖っぷちに追い込まれた。東前頭筆頭で同学年の栃煌山に、いいところなく寄り切られ、2日連続の金星配給となる3連敗。昨年9月の秋場所から3場所にわたる連敗は、横綱では貴乃花を抜いてワーストの8連敗となった。横綱が2場所連続で初日から3連敗するのも宮城山以来88年ぶり。日本相撲協会の幹部から“横綱失格”の声も漏れた。

3連敗した稀勢の里は、がっくりとうなだれた後、何かを確認したように、うなずいた。直後の結びの一番の間、控えに座ると、口を真一文字に結び、悔しさを押し殺した。負けたのは成長著しい若手ではなく、かつてともに大関昇進を目指した同学年の栃煌山。しかも昨年11月の九州場所で最後に取った相手に2場所連続で負けた。同世代にも後れを取る、顕著な衰えを示す残酷な結果だった。

立ち合いは左足で踏み込み、低い姿勢で当たって左から攻める相撲人生の集大成をという気概が見えた。だが休場続きと稽古量不足による相撲勘の衰えから、あっさりと栃煌山にもろ差しを許した。左からの下手投げに体をよろめかせ寄り切られた。横綱としては単独ワーストとなる8連敗で、88年ぶりとなる2場所連続の3連敗発進。2日連続で配給した金星は、在位12場所目で計18個目だ。全休の4場所を除けば、出場1場所ごとに2~3個の金星を配給していることになる。支度部屋では、腕組みしながら終始無言を貫いた。

芝田山親方(元横綱大乃国)は、同じ二所ノ関一門をまとめる理事として、先輩横綱として、苦言を呈した。取組後、開口一番「もうダメでしょう」と、引退もやむなしの見解。続けて「横綱としては厳しい。どうしようもない。誰にも勝てない状況だもの」と、横綱失格のレッテルを貼った。

3日連続で負けても座布団が舞わなかった。場内には悲鳴は響いたが、番狂わせとは思われておらず、同情さえ買っている。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は取組前に「信じるしかない」と、進退については稀勢の里の意向を尊重する考え。兄弟子の西岩親方(元関脇若の里)も「勝っても負けても横綱として、堂々と胸を張ってほしい」と、自分の思うように行動すれば良いとの考えだ。休場を除く横綱在位中の成績は36勝35敗となった。このまま引退なら不戦敗が加わり、年6場所制となった1958年以降の横綱では歴代最低の勝率5割(2番目は栃ノ海の5割9分6厘)。衰えを露呈し、すでに進退は窮まっているのかもしれない。【高田文太】

3連敗の稀勢の里は報道陣の前で腕を組み沈黙を貫く(撮影・垰建太)
稀勢の里の横綱昇進後成績
勝率の低い横綱5傑

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栃ノ心が大関昇進披露会「番付も番付…」患部大丈夫

大関昇進披露パーティーで小川直也氏(右)から花束を贈呈される栃ノ心

今年5月の夏場所後に昇進を果たした栃ノ心(30=春日野)の大関昇進披露パーティーが1日、東京・文京区の東京ドームホテルに、関係者約1300人を集めて盛大に開かれた。

パーティーには八角理事長(元横綱北勝海)ら親方衆、力士では鶴竜(33=井筒)、白鵬(33=宮城野)、稀勢の里(32=田子ノ浦)の3横綱、豪栄道(32=境川)と高安(28=田子ノ浦)の両大関らが出席。八角理事長らがあいさつした後、栃ノ心が壇上に立ち「お疲れさんでございます」の発声の後、感謝のあいさつ。「日本の心、(出身地)ジョージアの心、相撲の心、春日野部屋の心を大切に、日本とジョージアのみなさんのために、さらに上を目指して稽古に精進、努力します」と謝意を示した。

鏡開きでは、先代春日野親方(元横綱栃ノ海)の花田茂広氏と八角理事長にはさまれて、豪快に木槌を振り下ろし、たるのふたを割った。また乾杯の後には、同じ明大出身で師匠と親交のある、92年バルセロナ五輪柔道男子95キロ超級銀メダリストで小川道場の小川直也道場長から花束を贈呈された。

大勢の関係者の前で晴れの席に臨んだ栃ノ心だが、新大関の名古屋場所では右足親指を負傷し途中休場。8日後に初日を迎える大相撲秋場所(両国国技館)は、負け越せば関脇陥落のかど番で迎える。パーティー前に取材に応じた栃ノ心は「プレッシャーもあるけど番付も番付だし、頑張らないといけない。3、4日前に申し合い(稽古)も始めたし、しっかり場所が始まるまで稽古して今場所を迎えたい。(患部は)それほど痛くはないし、稽古できないわけじゃない。大丈夫、頑張るしかない」と気丈に話した。披露パーティーには「こんなにたくさんの人が集まるとは思わなかった。すごくうれしい。もっともっと頑張らないといけない」と奮起を誓った。

大関昇進披露パーティーで鏡割りする栃ノ心(中央)と八角理事長(右)
大関昇進披露パーティーであいさつする栃ノ心

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栃ノ心が新大関に、豪栄道と高安はかど番 新番付

大関昇進伝達式を終えた栃ノ心(中央)はジョージア国旗を掲げ笑顔を見せる(2018年5月30日撮影)

 日本相撲協会は25日、大相撲名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)の新番付を発表した。

 上位陣の顔ぶれに、新大関として西の2番目に栃ノ心(30=春日野)が加わった。新大関は、ちょうど1年前の高安(28=田子ノ浦)以来、平成以降では25人目で、春日野部屋からは62年名古屋場所で同時昇進した栃光、栃ノ海以来となる。ジョージア出身の大関は初めてで、外国出身では15年名古屋場所の照ノ富士(26=伊勢ケ浜)以来、11人目。スロー昇進として、新入幕から所要60場所は史上1位タイ、初土俵から所要73場所は史上10位タイ。また30歳7カ月での新大関は4位の高齢昇進となった。

 横綱は夏場所と同じ序列で、東→西→東の順で3場所連続優勝を目指す鶴竜(32=井筒)、今年初となる41回目の優勝を狙う白鵬(33=宮城野)、新横綱翌場所から7場所連続で休場が続く稀勢の里(31=田子ノ浦)となった。

 東西の両大関は、ともにかど番で迎える。東の豪栄道(32=境川)は5場所ぶり7度目、西の高安は4場所ぶり2度目。ともに負け越せば大関陥落となる。

 三役陣は、関脇が2場所連続(三役は3場所連続)の逸ノ城(25=湊)と2場所ぶり復帰(三役は9場所連続)の御嶽海(25=出羽海)。小結は5場所ぶり(三役は3場所ぶり)復帰の玉鷲(33=片男波)と、26場所ぶりとなる松鳳山(34=二所ノ関)。昭和以降、7位のスロー三役復帰となる。

 平幕上位(5枚目まで)は東が正代、勢、阿炎、魁聖、大翔丸。西は琴奨菊、千代の国、貴景勝、輝、嘉風で、夏場所で新三役の小結ながらケガで途中休場(その後、再出場)の遠藤(27=追手風)は東前頭6枚目に番付を落とした。

 新入幕は2人。東前頭14枚目の琴恵光(26=佐渡ケ嶽)は、現師匠(元関脇琴ノ若)が部屋継承以降では3人目の新入幕。宮崎県出身の新入幕は戦後3人目、幕内在位は85年初場所の栃光以来となる。西前頭16枚目の明生(22=立浪)は現師匠(元小結旭豊)の部屋継承後では3人目の新入幕で、鹿児島県出身では戦後24人目。西前頭11枚目の阿武咲(21=阿武松)は2場所ぶりの幕内復帰となった。

 新十両も2人。西十両12枚目の千代の海(25=九重)は現師匠(元大関千代大海)の部屋継承後としては初めての関取誕生。高知県出身では土佐豊以来、戦後11人目、日体大からは北勝富士(25=八角)以来9人目の新十両だ。西十両14枚目の木崎改め美ノ海(25=木瀬)は、現師匠(元前頭肥後ノ海)が03年12月に部屋を創設してから12人目の関取。沖縄県出身では02年九州場所の琉鵬以来、戦後5人目で、日大からは51人目の新十両昇進となった。また千代の海は日体大、美ノ海は日大出身で、学生相撲出身の関取も128人となった。

 東十両13枚目の希善龍(33=木瀬)は3場所ぶりの十両復帰で、通算9度目の十両昇進は8度で並んでいた須磨ノ富士を抜き史上単独1位の“エレベーター記録”となった。なお、昨年秋場所まで大関だった照ノ富士は、東十両8枚目だった夏場所で負け越し(0勝9敗6休)たため、西幕下6枚目まで陥落。大関経験者、幕内優勝経験者の幕下陥落は初めてとなった。

 また新十両だった3月の春場所中、付け人に暴力をふるい同場所は途中休場(3勝6敗6休)、西幕下9枚目に陥落した夏場所は出場停止処分を受けた貴公俊(21=貴乃花)は、西幕下49枚目の今場所から土俵復帰する。

 名古屋場所は、7月6日の取組編成会議で初日、2日目の対戦相手が決定。8日の初日を迎える。

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ジョージア大使は「今年中に横綱になって欲しい」

栃ノ心の大関昇進伝達式に臨んだツィンツァゼ駐日ジョージア全権特命大使(撮影・小沢裕)

 新大関栃ノ心(30=春日野)が誕生した。日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、栃ノ心の大関昇進を満場一致で承認した。

 栃ノ心の周囲からは、もう1つ上の地位を期待する声が上がった。会見を見守ったツィンツァゼ駐日ジョージア全権特命大使は「今年中に横綱になって欲しい。力、スタミナ、精神は持っている」。先代春日野親方で元横綱栃ノ海の花田茂広氏も「手綱を緩めず一気に上を期待します」と、昇進を待ち遠しそうにした。

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新入幕から所要60場所/栃ノ心昇進アラカルト

大関昇進伝達式を終えた栃ノ心(奥)はジョージア国旗を掲げて、笑顔を見せる(撮影・小沢裕)

 新大関栃ノ心(30=春日野)が誕生した。日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、栃ノ心の大関昇進を満場一致で承認した。

   ◇   ◇   ◇

 ▽スロー昇進 新入幕から所要60場所での昇進は2代目増位山と並び史上最も遅い。初土俵から73場所は高安と並んで史上9番目の遅さ。最も遅いのは霧島の91場所。

 ▽年長昇進 30歳7カ月は年6場所制となった1958年以降初土俵で4番目の年長。31歳3カ月の琴光喜が最年長。

 ▽欧州出身 琴欧洲(ブルガリア)把瑠都(エストニア)に続く3人目。ジョージア出身は初。

 ▽外国出身 欧州勢2人と、小錦、曙、武蔵丸の米国勢、朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士のモンゴル勢を含め11人目。

 ▽春日野部屋 元横綱栃木山が25年に引退して部屋の礎を築いてから、栃錦、栃ノ海、栃光に次いで56年ぶり、4人目。

 ▽出羽海一門 同一門の大関は2014年名古屋場所後の豪栄道以来。

 ▽カムバック 三役経験者が幕下転落後、大関に昇進するのは昭和以降では琴風以来2人目。

 ▽3場所前は平幕 3場所前に平幕だった力士の昇進は年6場所制となって以降、栃光、豊山、朝潮、北尾、照ノ富士に続いて6人目。

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栃ノ心、異例の口上 こだわった「自分の気持ち」

大関昇進伝達式に臨む、左から春日野親方の紀子夫人、栃ノ心、春日野親方、使者の出羽海理事、大鳴戸委員(撮影・小沢裕)

 新大関栃ノ心(30=春日野)が誕生した。日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、栃ノ心の大関昇進を満場一致で承認。栃ノ心は伝達式で「親方の教えを守り、力士の手本となるように稽古に精進します」。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)への感謝を織り込む異例の口上で、決意を表現した。

 協会の使者、出羽海理事(元幕内小城ノ花)と大鳴戸審判委員(元大関出島)を前に、栃ノ心が頭を下げた。「親方の教えを守り、力士の手本となるように稽古に精進します」。春日野部屋として、62年夏の栃ノ海、栃光のダブル昇進以来となる56年ぶりの大関誕生。当時の床柱、掛け軸などを持ち込み、写真などを参考に極力、歴史を“再現”した伝達式で、異例の口上が際立った。

 文言に「親方」の2文字を入れた。「自分の気持ちが言いたかった」。故郷ジョージアから17歳で入門。相撲界どころか、日本語も全然わからない自分を導いてくれた感謝の思い。最初は反対し、折れた師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)は照れくさそうだ。2人で話して決めた中身。多くのキーワードを出し、日本語が苦手な栃ノ心が理解していない言葉を削除した。「言いたいことあるんです」とこだわったのが「親方」、そして「稽古」だ。

 同親方は「稽古に稽古を重ねてってことはなかなか言えないけど、栃ノ心はまさに稽古で上がってきた力士。ピッタリな言葉」と喜び、口上の出来に「最高だよ」と満点を与えた。

 初場所の初優勝から、とんとん拍子の昇進劇。真価はこれから問われる。同親方は「協会の看板の1人になる。さらに頑丈な体を作って、常に優勝戦線に残れる力士になって欲しい」と激励した。当の栃ノ心に浮かれた様子はない。「稽古に精進して、強い体を作って、力強い相撲をとりたい」-。今後は弟ラシャさんが7日に行う結婚式出席のため、ジョージアに1週間ほど帰国。再来日後に稽古を本格化させる。名古屋場所の目標は「まず2ケタ勝ちたい」と控えめに掲げた。マイペースを崩さず、怪力大関が、熱い7月場所に突入する。【加藤裕一】

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春日野親方「頑張った」栃ノ心“大関昇進”に感無量

勢(右)を力強く攻める栃ノ心(撮影・河野匠)

<大相撲夏場所>◇千秋楽◇27日◇東京・両国国技館

 関脇栃ノ心(30=春日野)の大関昇進が事実上、決まり、師匠の春日野親方(56=元関脇栃乃和歌)も感無量の様子だった。

 初日から12連勝しながら連敗で迎えた千秋楽。この日の朝稽古後、師匠は愛弟子に向かって「3連敗したら(大関候補に)名前が挙がらないぞ」とハッパをかけた。この日の勢戦は、本来の右四つ、左上手の形で寄り切ったが「(腰が)高いといえば高い。見ててヒヤヒヤした」という。13日目の正代戦で右肘を痛め、苦しい最終盤。連敗ショックもあったが「痛いだろうけど、よく頑張った」と目を細めた。

 2003年に先代春日野親方(元横綱栃ノ海)の定年に伴い、竹縄から春日野に名跡変更し名門の部屋を継承。「引き継いだ頃は(重圧は)もちろんあった。ただ、どこにも負けない稽古をやらせたつもり」という自負がある。栃ノ心の大関昇進は、部屋にとっては62年(昭和37)夏場所後の栃光&栃ノ海のW昇進以来、56年ぶりの慶事。「稽古はうそをつかないということを、さらに思った」と実感を込めた。

 自らも現役時代、大関とりのチャンスはあった。「だいぶ前のことで忘れたけど、気合が入りすぎてケガをした」という苦い思いから栃ノ心には「もうちょっと稽古をしたかっただろうけど、止めさせた抑え気味にやらせた」という。今後に向けては「ここぞ、という相撲で(星を)落とさないこと。どちらかといえばカーッとなる性格だから(感情を)表に出さず冷静にね」と話した。

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72年初場所の平幕栃東以来/春日野部屋の優勝

初優勝を決め、春日野部屋に戻った栃ノ心は、若い衆らの拍手で迎えられ、笑顔を見せる(撮影・狩俣裕三)

<大相撲初場所>◇14日目◇27日◇東京・両国国技館

 西前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)が念願の初優勝を飾った。勝てば優勝の一番で東前頭9枚目松鳳山を寄り切り、13勝1敗とした。13年名古屋場所の右膝前十字、内側側副靱帯(じんたい)断裂から4年半。東欧のジョージアからやって来て12年。12年夏場所の旭天鵬以来となる平幕優勝を果たした。

 ▼春日野部屋の優勝 1972年初場所の平幕栃東以来、46年ぶりの制覇。10度優勝の栃錦、3度の栃ノ海を含めて4人目で、計15度目。出羽海一門からは16年秋場所の豪栄道以来。

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春日野親方「お前はまだこれから」栃ノ心へ大関託す

初優勝を決め、春日野親方(左)と乾杯をする栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

<大相撲初場所>◇14日目◇27日◇東京・両国国技館

 西前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)が念願の初優勝を飾った。勝てば優勝の一番で東前頭9枚目松鳳山を寄り切り、13勝1敗とした。13年名古屋場所の右膝前十字、内側側副靱帯(じんたい)断裂から4年半。東欧のジョージアからやって来て12年。12年夏場所の旭天鵬以来となる平幕優勝を果たした。

 鬼の目にも涙-。そんな言葉で形容されようとも、慶事だから大目に見てくれるだろう。栃ノ心の師匠、春日野親方(55=元関脇栃乃和歌)は“日本の父”として感慨にふけった。約46年ぶりに部屋から優勝力士を輩出した。「自分の時にこんなことができるなんて思わなかった。やんちゃ坊主だったのがね…。よくやってくれた」。愛弟子の快挙は協会事務所のテレビで見届けた。その瞬間、おえつを漏らし号泣した-。その姿を協会関係者は遠めで見守り、喜びを共有した。

 場所中に元弟子の暴行事件が発覚し、その対応に追われた。「(自分を)反面教師によく頑張った」と自虐の苦笑いもあったが、思い出すのは栃ノ心の苦労した姿。「ケガをして正直、ダメかなと。頑張れ、の言葉も度を越すと本人の苦痛になる。『もうやめる』と言ってくるかなと思った時もあったけど自分でも闘っていたろう」。

 ケガで幕下まで転落。悔しくて泣いていた栃ノ心の姿が思い浮かぶ。「三段目まで落ちたらモチベーションが…と思って出した」。復帰し幕下で2場所連続、関取に戻り2場所連続で十両優勝。42勝2敗で返り咲いた幕内復帰場所で敢闘賞を受賞した。取組で足の親指が外れ、花道で自らはめ直す栃ノ心の根性に「あのファイティングスピリットはすごい。うちの力士みんなが尊敬し慕っている」と褒めちぎった。

 望外の優勝を足がかりに今度は、部屋として栃光以来、約52年ぶりの大関誕生に期待したい。「自分の経験上、まだ力は出る。『お前はまだ、これからだぞ』と言い続けてきたからね」と師匠。さらなる夢の実現を、愛弟子に託す。【渡辺佳彦】

 ◆春日野部屋 名門出羽海部屋から独立。1925年に引退した横綱栃木山が部屋の礎をつくった。厳しい稽古で知られ栃錦、栃ノ海の両横綱、大関栃光らを輩出した。35年夏場所から関取が途絶えておらず、現在の全45部屋で最も長い。現在の師匠、元関脇栃乃和歌は2003年2月に部屋を継承した。初場所の番付では幕内栃ノ心、栃煌山、十両碧山、栃飛龍の4人の関取を含め、21人の力士が所属する。所在地は東京都墨田区両国。

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豪栄道、痛恨1敗 口から流血も「また明日から」

玉鷲(後方)に突き落としで敗れ、悔しげな豪栄道(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇6日目◇18日◇福岡国際センター

 初の綱とりに挑む大関豪栄道(30=境川)が、手痛い初黒星を喫した。小結玉鷲に突き落としで敗れ、初優勝した秋場所初日から続いていた連勝も「20」でストップした。1場所15日制が定着した49年夏場所以降、6日目までに敗れながら綱とりを成就させた大関は31人中14人。気持ちを切り替え、集中するしかない。

 口から、鮮血が2滴落ちた。支度部屋のテレビモニター前。息を荒らげた豪栄道が、腰に手を当てVTRを見つめた。土俵で打った額の皮はそげ、食いしばった歯でかんだ唇の内側は切れていた。激闘の末に喫した今場所初黒星。「立ち合いが軽かった。もっと踏み込まなきゃだめ」。先場所からの連勝も「20」で止まった。

 今場所初めて、守勢に回った。頭から強烈にぶちかましてきた玉鷲の突っ張りで、体を起こされた。我慢しきれず、引いてしまう。俵を伝って何とか回り込み、振り返った相手と一瞬見合う。舌打ちして悔やんだのは、そこだった。「あそこがね。もっと早く攻めれば良かった」。攻め返して前に出たが、土俵際で粘る玉鷲に突き落とされた。

 大目標へ、手痛い1敗だ。ただ、15日制が定着した49年夏以降、6日目までに敗れて綱とりを成就させた大関は31人中14人いる。4日目に敗れた大鵬、初日に敗れた千代の富士も、気持ちを切らすことなく綱をつかんだ。師匠で九州場所担当部長の境川親方(元小結両国)は「引きずらないように。また明日から」と言った。豪栄道も「悔しいけど仕方ない。また明日からですよ」。結びで白鵬も遠藤に苦杯をなめて、優勝争いは混戦ムード。集中して仕切り直す。【木村有三】

 ◆6日目までに1敗以上して綱とりに成功 49年夏以降に誕生した31人の横綱のうち、鏡里<1>、栃錦<1>、朝汐<2>、柏戸<1>、大鵬<4>、栃ノ海<1>、玉の海<6>、北の富士<6>、三重ノ海<1>、千代の富士<1>、旭富士<3>、若乃花(3代目)<4>、武蔵丸<6>、鶴竜<3>の14人。※<>内は綱とり場所で1敗目を喫した日。

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過去の幕内優勝経験力士99人/一覧

◆大相撲の幕内優勝経験力士◆

 人 力 士 年齢      初優勝 地位 優勝回数 最高位

(1)高見山(35)    09 夏 前7  1回  関脇

(2)常陸山(36)    10 春 横綱  1回  横綱

(3)太刀山(32)    10 夏 大関  9回  横綱

(4)鳳(25)      13 春 大関  2回  横綱

(5)両国(22)     14 夏 前14 1回  関脇

(6)2代西ノ海(35)  16 春 大関  1回  横綱

(7)大錦(25)     17 春 大関  5回  横綱

(8)栃木山(25)    17 夏 大関  9回  横綱

(9)常ノ花(24)    21 夏 大関  10回 横綱

(10)鶴ケ浜(28)   22 春 前4  1回  小結

(11)3代西ノ海(34) 25 夏 横綱  1回  横綱

(12)大蛇山(28)   26 夏 前8  1回  前1

(13)宮城山(31)   27 春 横綱  2回  横綱

(14)常陸岩(27)   28 春 大関  1回  大関

(15)能代潟(32)   28 3 大関  1回  大関

(16)玉錦(25)    29 春 関脇  9回  横綱

(17)豊国(35)    29 3 大関  2回  大関

(18)山錦(32)    30 夏 前5  1回  関脇

(19)武蔵山(21)   31 夏 小結  1回  横綱

(20)綾桜(33)    31 10 前4 1回  関脇

(21)清水川(32)   32 春 関脇  3回  大関

(22)沖ツ海(21)   32 3 小結  1回  関脇

(23)男女ノ川(29)  33 春 別席  2回  横綱

(24)双葉山(24)   36 夏 関脇 12回  横綱

(25)出羽湊(31)   39 春 前17 1回  関脇

(26)安芸ノ海(25)  40 夏 関脇  1回  横綱

(27)羽黒山(26)   41 夏 大関  7回  横綱

(28)佐賀ノ花(26)  44 春 小結  1回  大関

(29)前田山(30)   44 秋 大関  1回  横綱

(30)備州山(25)   45 夏 前1  1回  関脇

(31)東富士(26)   48 夏 大関  6回  横綱

(32)1代増位山(28) 48 秋 関脇  2回  大関

(33)千代ノ山(23)  49 秋 大関  6回  横綱

(34)照国(31)    50 秋 横綱  2回  横綱

(35)栃錦(27)    52 秋 関脇  10回 横綱

(36)鏡里(29)    53 初 大関  4回  横綱

(37)時津山(28)   53 夏 前6  1回  関脇

(38)吉葉山(33)   54 初 大関  1回  横綱

(39)三根山(32)   54 春 大関  1回  大関

(40)朝汐(26)    56 春 関脇  5回  横綱

(41)1代若ノ花(28) 56 夏 大関 10回  横綱

(42)安念山(23)   57 夏 小結  1回  関脇

(43)玉乃海(34)   57 九 前14 1回  関脇

(44)若羽黒(24)   59 九 大関  1回  大関

(45)若三杉(22)   60 夏 前4  1回  関脇

(46)大鵬(20)    60 九 関脇 32回  横綱

(47)柏戸(22)    61 初 大関  5回  横綱

(48)佐田の山(23)  61 夏 前13 6回  横綱

(49)栃ノ海(24)   62 夏 関脇  3回  横綱

(50)北葉山(28)   63 名 大関  1回  大関

(51)富士錦(27)   64 名 前9  1回  小結

(52)北の富士(24)  67 春 大関 10回  横綱

(53)若浪(27)    68 春 前8  1回  小結

(54)玉乃島(24)   68 夏 大関  6回  横綱

(55)琴桜(27)    68 名 大関  5回  横綱

(56)清国(27)    69 名 大関  1回  大関

(57)1代栃東(27)  72 初 前5  1回  関脇

(58)長谷川(27)   72 春 関脇  1回  関脇

(59)輪島(24)    72 夏 関脇 14回  横綱

(60)高見山(28)   72 名 前4  1回  関脇

(61)北の湖(20)   74 初 関脇 24回  横綱

(62)魁傑(26)    74 九 小結  2回  大関

(63)1代貴ノ花(25) 75 春 大関  2回  大関

(64)金剛(26)    75 名 前1  1回  関脇

(65)三重ノ海(27)  75 九 関脇  3回  横綱

(66)若三杉(24)   77 夏 大関  4回  横綱

(67)千代の富士(25) 81 初 関脇 31回  横綱

(68)琴風(24)    81 秋 関脇  2回  大関

(69)隆の里(29)   82 秋 大関  4回  横綱

(70)北天佑(22)   83 夏 関脇  2回  大関

(71)若嶋津(27)   84 春 大関  2回  大関

(72)多賀竜(26)   84 秋 前12 1回  関脇

(73)朝潮(29)    85 春 大関  1回  大関

(74)保志(22)    86 春 関脇  8回  横綱

(75)大乃国(24)   87 夏 大関  2回  横綱

(76)旭富士(27)   88 初 大関  4回  横綱

(77)小錦(25)    89 九 大関  3回  大関

(78)霧島(31)    91 初 大関  1回  大関

(79)琴富士(26)   91 名 前13 1回  関脇

(80)琴錦(23)    91 秋 前5  2回  関脇

(81)貴花田(19)   92 初 前2 22回  横綱

(82)曙(23)     92 夏 関脇 11回  横綱

(83)水戸泉(29)   92 名 前1  1回  関脇

(84)若花田(22)   93 春 小結  5回  横綱

(85)武蔵丸(23)   94 名 大関 12回  横綱

(86)貴ノ浪(24)   96 初 大関  2回  大関

(87)千代大海(22)  99 初 関脇  3回  大関

(88)出島(25)    99 名 関脇  1回  大関

(89)武双山(27)   00 初 関脇  1回  大関

(90)貴闘力(32)   00 春 前14 1回  関脇

(91)魁皇(27)    00 夏 小結  5回  大関

(92)琴光喜(25)   01 秋 前2  1回  大関

(93)2代栃東(25)  02 初 大関  3回  大関

(94)朝青龍(22)   02 九 大関 25回  横綱

(95)※白鵬(21)   06 夏 大関 24回  横綱

(96)※琴欧洲(25)  08 夏 大関  1回  大関

(97)※日馬富士(25) 09 夏 大関  5回  横綱

(98)※把瑠都(27)  12 初 大関  1回  大関

(99)※旭天鵬(37)  12 夏 前7  1回  関脇

【注】優勝制度が設定された1909年夏場所以降。※は現役。朝汐は朝潮、45人目の若三杉は大豪、玉乃島は玉乃海、66人目の若三杉は2代目若乃花、保志は北勝海、貴花田は貴乃花、若花田は3代目若乃花

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日馬ぶざま…5個目の金星配給/夏場所

妙義龍に敗れ初黒星を喫した日馬富士に座布団が乱れ飛んだ(撮影・岡本肇)

<大相撲夏場所>◇2日目◇13日◇東京・両国国技館

 横綱日馬富士(29=伊勢ケ浜)が、ぶざまな黒星を喫した。結びの一番で東前頭筆頭の妙義龍(26)に張り手をかわされて、中に入られて押し出された。これで横綱4場所で5個目の金星配給。東京場所の連勝は「32」でストップした。勝てば、在位する6人以上の横綱、大関が連勝発進となり、64年夏場所以来49年ぶりの快記録となるはずだった。横綱白鵬(28)と4大関は連勝した。

 興奮するより、あきれた観客の方が多かったのか。それとも見慣れた光景だからなのか。2日目での横綱の黒星。にもかかわらず、乱れ飛んだ座布団の数は、それほど多くなかった。首をかしげて立ちつくす日馬富士。昇進から4場所で、早くも5個目の金星配給に「流れで引いてしまった」と、言葉をしぼりだした。

 悪癖が、自らの身を苦しめた。立ち合い鋭く踏み込むも、相手が右に回った。その瞬間、とっさに出たのが左の張り手。1発、2発…。だが、3発目をかわされると、甘くなった脇を突かれた。低く頭を下げた妙義龍に入り込まれ、なすすべなく土俵の外へ。北の湖理事長(元横綱)は「手が雑になった。張り手みたいに行くと下に入られる。良くない」と正した。

 横綱昇進後、9勝6敗と全勝が交互に続く不安定な成績。今場所も1ケタに終われば、進退が騒がれる。汚名をすすがなければいけないことは、誰より自身が分かっていた。けがを抱える両足首は万全でないが、朝稽古ではサポーターを外した。「癖になるといけないから。筋肉をつけないと」。ぶつかり稽古が足りないとみるや、もう一番要求した。そうした思いも、自然と出た癖で壊れた。

 勝てば大鵬と並んだ史上3位タイの「東京場所」33連勝に届かず、49年ぶりとなる6人以上の横綱、大関による連勝発進も、最後に崩れた。そして5個目の金星配給。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)からは「4場所で5つ目はひどい。ダメだよね。協会に迷惑をかけている」と突き放された。信頼を取り戻すには結果しかない。それが横綱の務め。「明日からまた頑張ります」。支度部屋を出る最後、自分に言い聞かせるようにつぶやいた。【今村健人】

 ◆金星 平幕力士が横綱を破ることをいう。三役以上(小結以上)が勝っても金星にはならない。場所ごとに支給される力士褒賞金(給金)も10円アップし、実際には4000倍した4万円の昇給となる。角界では美人のことも金星と呼ぶ。

 ◆6人以上の横綱・大関在位場所での全力士連勝スタート 64年夏場所以来なし。当時は横綱が大鵬、柏戸、栃ノ海。大関は北葉山、豊山、佐田の山、栃光の計7力士で達成。日馬富士勝利なら、49年ぶりの記録達成となっていた。日本相撲協会に記録が残る限りでは過去4回しかない。

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