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阿炎、引退寸止め 再犯即処分の誓約書など条件科す

阿炎(2020年7月24日撮影)

日本相撲協会は6日、東京・両国国技館で理事会を開き、新型コロナウイルス禍の中でキャバクラに出入りするなどして引退届を提出していた幕内阿炎(26=錣山)について、引退届を受理せず、出場停止3場所と5カ月の報酬減額50%の処分を決めた。引退届については、再び問題を起こした場合に受理することや、それを了承する誓約書の提出、住居を錣山部屋に移すことを条件として、預かりのままとする極めて異例の処分。引退の意向を固めていたという阿炎は「戻りたい気持ちがある」などと話したという。

  ◇   ◇   ◇  

阿炎のコロナ禍でのキャバクラ通いに端を発した引退届は、受理されなかった。力士生命は、土俵際で救われた。5月には、新型コロナウイルスに感染した三段目力士の勝武士さんが28歳の若さで死去している。不要不急の外出自粛が求められていた7月場所中の愚行。師匠の錣山親方(元関脇寺尾)を通じて同場所14日目の1日に引退届を提出していた。関係者によると阿炎は角界を去る決意を固めていたが、協会は受理しなかった。<1>今後、程度を問わずに協会に迷惑をかける行為を行ったら受理<2>そのことを了承する誓約書の提出<3>住居を錣山部屋に移すという条件をつけた。

理事会ではまず、引退届を受理するかどうかの話し合いが行われたという。「感染症を軽く考えている。残す余地はない」という意見もあれば「何とか処分を重くして残す方法はないか」という声もあった。八角理事長(元横綱北勝海)が意見をまとめ、多数決(票数は非公表)で未受理が決定。温情も働き、引退届を協会が預かったままという異例の形となった。

コンプライアンス委員会の調査に阿炎は、7月場所前と場所中に4度キャバクラに出入りしたが、そのうち1度は行っていないとうそをついた。同行した幕下の極芯道には、口裏合わせを働き掛けていた。過去にも軽率な言動があった。昨年11月に会員制交流サイト(SNS)への不謹慎な動画投稿、今年2月の日本相撲協会研修会後には不適切な発言。いずれも厳重注意を受けている。理事会に呼び出され、あらためて事情を聴かれた阿炎は「戻りたい気持ちはある。やったことに責任を感じている」と謝罪したという。

引退はせず、角界に残ることとなったが、いばらの道は続く。3場所出場停止で幕下への陥落が濃厚。6月に結婚したばかりだが、幕下に落ちれば無給で、しばらくは愛妻と離れ、錣山部屋での生活が続き、行動も厳しく制限される。長い手足を生かした突き押しを武器に三役も経験。ユーモアあふれるキャラクターで人気もあり、将来有望な力士だが、最後通告を突き付けられた形。とにかく、相撲だけに向き合い再起を期すしかない。

◆阿炎政虎(あび・まさとら)本名は堀切洸助。1994年(平6)5月4日、埼玉・越谷市生まれ。千葉・流山南高から錣山部屋へ。13年夏場所初土俵。15年春場所新十両。18年初場所新入幕。19年名古屋場所新小結。最高位は東小結。敢闘賞2回。金星2個。通算成績は260勝202敗8休。得意は突き、押し。6月に結婚を表明。188センチ、150キロ。

◆日本相撲協会の処分 賞罰規定の第3章「懲戒」に定められている(イラスト参照)。近年の解雇は15年10月、マネジャーの男性を暴行して傷害罪で起訴された熊ケ谷親方(元十両金親)。業務停止は処分期間中、弟子の指導もできない。旧規定で最も重い除名は、公益財団法人移行後の現行規定からなくなった。暴力禁止規定による処分でも同じ7項目が定められている。

相撲協会の懲戒処分

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阿炎とキャバクラ同行は極芯道、2場所出場停止処分

極芯道(19年1月13日)

日本相撲協会は6日、東京・両国国技館で理事会を開き、4日までに引退届を提出していた阿炎(26=錣山)について、引退届を未受理とし、出場停止3場所および5カ月50%の報酬減額の懲戒処分を決定し、本人に通知したことを発表した。

   ◇   ◇   ◇

阿炎とキャバクラに出入りしていた幕下力士が極芯道であると発表され、2場所の出場停止となった。3日までに進退伺を提出していたが、過去の処分歴がないことも考慮された。十両経験者の極芯道は右膝の負傷で初場所から休場中。5月に手術を受け、師匠の錦戸親方(元関脇水戸泉)の配慮で幕下でありながら療養のため個室が与えられていたが、夜間に部屋を抜け出して不要不急の外出を繰り返していた。錦戸親方は「けん責」処分に。

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阿炎の引退届を受理せず…今後迷惑かけたら即引退

阿炎(2020年7月24日撮影)

日本相撲協会は6日、東京・両国国技館で理事会を開き、4日までに引退届を提出していた阿炎(26=錣山)について、引退届を未受理とし、出場停止3場所および5カ月50%の報酬減額の懲戒処分を決定し、本人に通知したことを発表した。

今後、程度を問わず協会に迷惑をかける行為を行った場合には、預かっている引退届を受理することと、またそのことを了承する旨の誓約書を提出すること、住居を錣山部屋に移し、師匠の錣山親方(元関脇寺尾)の監督下に入ることを条件とした。阿炎は当面日常生活に支障のある場合をのぞき、外出禁止とした。

師匠の錣山親方は指導監督に重大な不足があったとして、6カ月20%の報酬減額となった。

阿炎は不要不急の外出自粛が求められている中、7月場所中にキャバクラに出入りしていたことが発覚。師匠の判断で7日目から休場していた。阿炎はさらにコンプライアンス委員会の聴取に対して「場所前と場所中に2回」と報告していたが、実際は場所前から複数回出入りしており、虚偽の報告をしていた。また同席していた幕下以下の力士に、出入りした回数などについて口裏合わせを指示していた。

また、阿炎に同行してキャバクラに出入りした幕下極芯道(錦戸)には出場停止2場所の処分が決定した。極芯道は3日までに協会に進退伺を提出していた。師匠の錦戸親方(元関脇水戸泉)にはけん責の処分が通知された。

◆阿炎の不適切行動と発言 昨年11月に十両若元春の手足をテープで縛った動画を自身のインスタグラムに投稿。“悪ふざけ”動画はSNSで拡散され、ネット上で「暴力を連想させる」など批判を浴びた。協会から口頭で厳重注意を受け、反省文を提出。さらに今年2月の全協会員を対象とした研修会終了後、会場を引き揚げる際に報道陣の取材に対して「爆睡していた」「寝ていたので何も聞いていない」と発言。翌日に師匠と協会を訪れて謝罪し、鏡山コンプライアンス部長から厳重注意を受けた。

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大鵬の孫納谷が今場所初黒星「雑に当たった」反省

納谷(奥)は極芯道に押し出しで敗れる(撮影・柴田隆二)

<大相撲初場所>◇5日目◇16日◇東京・両国国技館

来場所の新十両昇進を目指す元横綱大鵬の孫、東幕下5枚目納谷(19=大嶽)が今場所初黒星を喫した。関取経験者の西幕下8枚目極芯道(23=錦戸)の両腕を抱えて前に出たが、左に逃れられると体勢を崩し、押し出され2勝1敗となった。

相手は頭をつけて長い相撲に持ち込む展開が得意で「(極芯道と組まれた)割を見てやりづらいなと思ってしまった。今日はちょっと雑に当たってしまった」と反省した。

成績次第では新十両昇進の可能性がある今場所。「今場所はもともと調子がいい。(残り4番で)自分の相撲を取りきりたい」と力を込めた。

納谷(右)は極芯道の押しに耐える(撮影・山崎安昭)

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幕下北の若が白星デビュー「自分らしい相撲取れた」

<大相撲初場所>◇初日◇12日◇東京・両国国技館

元高校横綱の東幕下57枚目北の若(19=八角)が、幕下デビューを白星で飾った。1番相撲で西幕下57枚目鳴滝(21=伊勢ノ海)を上手投げ。小柄で動きのいい相手に対し「バタバタせずに取れた。自分らしい相撲が取れた」と納得の表情を見せた。

昨年夏場所の序ノ口デビューから4場所連続の勝ち越しで、今場所が新幕下。「強い相手の方がワクワクする。楽しいと言うと語弊があるけど、思い切って相撲が取れている」と何度もうなずいた。

埼玉栄高3年だった18年に全国高校総体の個人で優勝した実績を持つ。場所前には部屋からほど近い錦戸部屋の十両水戸龍、関取経験者の幕下極芯道と肌を合わせたという。「いろんな人と相撲を取ることが増えてきた。貴重な経験だった」。焦らず出世街道を歩む。「日々の積み重ねが大事。早いとか遅いとかはない」と、地に足をつけていた。

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降下、改名、引退などの力士ら/初場所新番付

御嶽海

日本相撲協会は25日、来年1月の大相撲初場所(13日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。降下、改名、引退などの力士、年寄は以下の通り。

【降下】

<関脇から降下>

御嶽海(25=出羽海)東関脇→西小結

逸ノ城(25=湊)西関脇→西前頭筆頭

<三役から平幕>

魁聖(32=友綱)西小結→東前頭8枚目

<幕内から十両>

隆の勝(24=千賀ノ浦)西前頭13枚目→西十両2枚目

千代丸(27=九重)西前頭16枚目→西十両6枚目

荒鷲(32=峰崎)東前頭16枚目→東十両10枚目

<十両から幕下>

極芯道(22=錦戸)西十両13枚目→東幕下4枚目

千代ノ皇(27=九重)西十両9枚目→東幕下5枚目

【改名<1>】(しこ名の上の部分)

<幕下>

貴公俊→貴ノ富士(たかのふじ=千賀ノ浦)

碧の正→小城ノ正(おぎのしょう=出羽海)

<序二段>

光宗→土佐栄山(とさえいざん=阿武松)

今野→佐田剛(さだつよし=境川)

中西→阿蘇錦(あそにしき=境川)

迅風→綾風(あやかぜ=尾車)

【改名<2>】(しこ名の下の部分も含める)

貴公俊剛→貴ノ富士三造(たかのふじ・さんぞう)

【改名<3>】(読み方の変更)

小力龍太郎(こぢから・りゅうたろう→こちから・りゅうたろう=田子ノ浦)

【出身地変更】

小城ノ正(岡山県備前市→大阪府豊中市=出羽海)

井上(熊本県大津町→熊本市東区=木瀬)

【引退年寄襲名】

里山→佐ノ山

【引退】

神嶽、桜児竜、雲仙岳、中谷、隆ノ竜、武拳

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極芯道、鶴竜と初のぶつかり稽古 来場所への活力に

ぶつかり稽古で初めて鶴竜(手前左)に胸を借りた、元付け人の極芯道(同右)。右奥は白鵬(撮影・高田文太)

大相撲の冬巡業は22日、茨城・土浦市で行われ、約3週間の全日程を終えた。

朝稽古では、十両極芯道(22=錦戸)が、かつて付け人を務めた横綱鶴竜に約5分間、ぶつかり稽古で初めて胸を出してもらい「うれしかった」と感謝する一幕もあった。

極芯道は、11月の九州場所で新十両昇進を果たしたが、同場所を4勝11敗と大きく負け越し。初場所(来年1月13日初日、東京・両国国技館)での幕下陥落は避けられないような状況だ。そんな中、20日から今回の巡業に合流した鶴竜に、この日の申し合い稽古の後「オレが胸を出す」と切り出された。

極芯道は「激励のメッセージだと思った。また(十両以上が着ける)白まわしで胸を出してもらえるように頑張りたい」と、来場所への活力にしていた。鶴竜も「大事なことだと思って。幕下に落ちたとしても、また関取として頑張ってほしいから」と語った。今月19日には、全関取衆を対象に、付け人に対する接し方などを八角理事長(元横綱北勝海)らが説く研修会が行われた。その研修会で目指すべき姿として説明された、関取衆と付け人が、互いに感謝し合う関係がすでに実践されていた。極芯道は、鶴竜のことを語る時に、終始満面の笑みを見せていた。

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臥牙丸が勝ち越し再十両濃厚「ちょっと心配してた」

極芯道(左)を寄り切りで下す臥牙丸(撮影・栗木一考

<大相撲九州場所>◇11日目◇21日◇福岡国際センター

東幕下筆頭臥牙丸(31=木瀬)が勝ち越しを決め、関取復帰をほぼ手中に収めた。

長い取組が得意な西十両13枚目極芯道(22=錦戸)に対し、スタミナ勝負に持ち込まれる前に左差し、右上手で寄り切った。2場所ぶりの十両昇進が濃厚。09年九州場所で新十両を決めてから、53場所連続で関取の地位を堅持していたが、東十両12枚目だった先場所で9敗を喫し幕下に陥落していた。「落ちてちょっと心配していたけど、戻れてうれしい」と顔を真っ赤にしてよろこんだ。

場所前の巡業では、同じ出羽海一門の春日野親方(元関脇栃乃和歌)に気にかけてもらい、稽古で厳しく指導された。「あれがなかったらこんな結果は出なかった。春日野親方やファンの人に感謝したい」。ジョージア出身で最高位は小結。212キロの巨体を揺らしながら、支度部屋で笑顔を振りまいた。

臥牙丸は寄り切りで極芯道を下す(撮影・小沢裕)

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豊ノ島4勝目、前日初黒星後3時のラーメンで験直し

極芯道(左)に押し倒しで勝利する豊ノ島(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

疲労困憊(こんぱい)と引き換えに、今度は我慢比べに勝った。13場所ぶりの関取復帰場所となった東十両13枚目の豊ノ島(35=時津風)が、4勝目を挙げた。

東西13枚目同士の対戦で、新十両の極芯道(22=錦戸)と当たった。幕下時代の今年夏、秋場所と2度の対戦では、最初が2分半を超し、次も2分近い相撲の末に「あり地獄にはまった」と表現するような、長い相撲の末に敗れ「苦手なタイプ」と話していた。

この日も頭をつけ合う手四つの体勢から、何度も打開しようと突き放したり、もろ差しを狙おうとして“時短相撲”で勝負を決めようとした。だが、そのたびに極芯道も重い腰で粘り、3分近い相撲になった。何度目かの仕掛けで、右おっつけから相手を突き上げ、体を崩して右から「これでもか」とばかりに強烈な突き。上体が浮いた158キロを、最後は押し倒した。

開口一番「疲れた~」と、ため息をついた。長い相撲を取った上に、負ければ連敗となる一番を制し、前半5日間を終え4勝1敗。勝と負けるとでは大違いの相撲をものにした安堵(あんど)感で、冗舌ないつもの口ぶりも戻った。

「よく我慢した。いや、我慢したと言うより、我慢できなくて攻めたらという感じかな。(最後は)押したとき、相手がグッと下がって体が流れたから、ここぞとばかりに行きました」。

今場所初黒星を喫した前日は取組後、部屋に戻る前に験直しの、3時のおやつならぬ“3時のラーメン”を食した。その験直しもこの日は無用。ただし疲労感はたっぷり残った。「今日が千秋楽ならいいのになぁ。あと10日もあるのか…」とボヤきつつ「まあその10日間、喜びをかみしめながら」と35歳の体にむち打って中盤戦に臨む。

極芯道(右)に押し倒しで勝利する豊ノ島(撮影・栗木一考)

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白鵬が東の正位、転属初陣の貴景勝は東小結 新番付

土俵入りを行う横綱白鵬

日本相撲協会は29日、大相撲九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。

横綱は、秋場所で41回目の優勝を全勝で飾った白鵬(33=宮城野)が今年初場所以来となる東の正位に就いた。西に鶴竜(33=井筒)、東の2枚目に秋場所で10勝を挙げ復活を遂げた稀勢の里(32=田子ノ浦)が就いた。

今年まだ優勝がない大関陣は、東に豪栄道(32=境川)、西に高安(28=田子ノ浦)と栃ノ心(31=春日野、今年初場所は平幕で優勝)の陣容で変わらない。

関脇は東に3場所連続の御嶽海(25=出羽海)で、三役は昭和以降7位タイの11場所連続となる(1位は若の里=現西岩親方=の19場所連続)。西は今年全5場所で勝ち越している4場所連続在位となる逸ノ城(25=湊)で、三役は5場所連続。

小結は、東に2場所連続となる貴景勝(22=千賀ノ浦)で、消滅した貴乃花部屋から転属しての“初陣”となる。西は、13場所ぶり復帰の魁聖(31=友綱)が就いた。

新入幕は不在で、再入幕は3人。大奄美(25=追手風)は3場所ぶり、明生(23=立浪)と荒鷲(32=峰崎)は2場所ぶりの幕内復帰となった。

十両昇進は3人で新十両は2人。幕下で7戦全勝優勝した極芯道(22=錦戸)は、錦戸部屋からは現師匠(元関脇水戸泉)が02年12月に創設してからは水戸龍(24、九州場所は東十両12枚目)に続き2人目の関取誕生。兵庫県からは照強(23=伊勢ケ浜、九州場所は西十両5枚目)以来、戦後34人目の新十両となった。また友風は、現師匠(元大関琴風)が87年3月に創設以降、矢後(24、九州場所は東十両筆頭)に続き10人目の関取誕生。神奈川県からは朝弁慶(29=高砂、九州場所は西三段目25枚目)以来、戦後18人目の新十両。なお日体大からは、千代の海(25=九重、九州場所は東十両11枚目)以来10人目、学生相撲出身としては129人目の関取となった。

再十両の豊ノ島(35=時津風)は16年秋場所以来、13場所ぶりの十両復帰。35歳4カ月での再十両は、戦後6位の高齢昇進となった(1位は大潮の39歳5カ月)。

九州場所は、11月9日の取組編成会議で初日、2日目の対戦相手が決定。11日の初日を迎える。

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友風が新十両「嘉風関みたいな元気な相撲を」

新十両に昇進した友風は、師匠の尾車親方(右)と握手を交わす

日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で大相撲九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)の番付編成会議を開き、3人の十両昇進を決めた。新十両は極芯道(22=錦戸)と友風(23=尾車)。13場所ぶりの再十両で関脇経験者の豊ノ島(時津風)は、35歳4カ月で戦後6番目の年長となる関取復帰となった。

秋場所は西幕下4枚目で5勝2敗だっただけに、友風は「上がるとは思わなかった。いまだに気持ちの整理ができていません」と驚いた。昨年夏場所で初土俵を踏み序ノ口スタートとなった翌名古屋場所から8場所連続で勝ち越し。その間に、兄弟子で平幕の嘉風の付け人も務めており「関取になるための準備を9場所でしてきた。嘉風関みたいな若々しい元気な相撲を取りたい」と鼻息荒くした。

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新十両の極芯道が感謝、鶴竜に師事し「姿勢学んだ」

十両昇進が決まり会見で笑顔を見せる極芯道(撮影・小沢裕)

日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で大相撲九州場所(11月11日初日・福岡国際センター)の番付編成会議を開き、十両昇進力士3人を決めた。新十両は極芯道(22=錦戸)と友風(23=尾車)で再十両は関脇経験のある豊ノ島(35=時津風)だった。

極芯道は、この日正午から両国国技館内で、師匠の錦戸親方(56=元関脇水戸泉)同席の元、記者会見に臨んだ。東幕下5枚目で臨んだ秋場所は、7戦全勝の優勝で、文句なしの昇進を決めた。決定後、兵庫・尼崎市の実家に電話で報告。「やっと上がったから、これで親孝行できるよ」と伝えたところ「『そんなのいらないから、どんどんいい相撲を取りなさい』と言われました」と会見場の笑いを誘った。

東幕下2枚目で臨んだ先場所は、7番相撲で敗れ3勝4敗で負け越し。勝てば新十両だった一番を落とし「悔しかった」と振り返り、今場所前は「しっかり稽古したので自信はあった」と言う。

2年前の九州場所から、横綱鶴竜(33=井筒)の付け人を務めた。それが成長の一因となったのは自他ともに認めるところで「勝っても負けても表情が変わらない横綱から、相撲に対する姿勢を学んだ」と感謝した。その鶴竜に「おかげさまで優勝できました」と秋場所で報告すると「これでやっと付け人を卒業できるな」と、ねぎらいの言葉をかけられた。平幕の阿炎(錣山)もやはり鶴竜の付け人を務めて出世。2度目の対戦となった7月の名古屋場所で金星を挙げた。「自分も恩返しできるのは土俵上しかない。『これぐらい強くなった』と認められたいです」と、幕内での対戦を夢見るように話した。また同世代の貴景勝(貴乃花)や阿武咲(阿武松)にも「早く番付で追いついて対戦したい。巡業(の移動バス)でも自分は補助席で(関取の2人は)普通席。早く追いついて同じ土俵に上がりたい」とライバル心を燃やしていた。

十両昇進が決まり師匠の錦戸親方(右)とがっちり握手する極芯道(撮影・小沢裕)

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豊ノ島が13場所ぶり十両、戦後6番目年長返り咲き

再十両を決め沙帆夫人、長女希歩ちゃんに祝福される豊ノ島

日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で大相撲九州場所(11月11日初日・福岡国際センター)の番付編成会議を開き、十両昇進力士3人を決めた。新十両は極芯道(22=錦戸)と友風(23=尾車)で再十両は関脇経験のある豊ノ島(35=時津風)だった。

豊ノ島は幕内だった2年前の16年7月に左アキレス腱(けん)を断裂し、同年11月の九州場所から幕下に陥落し、13場所ぶりの再十両。戦後6番目の年長となる35歳4カ月での関取返り咲きとなった。

豊ノ島はこの日、所用で訪れた都内の時津風部屋で取材対応。秋場所を6勝1敗で終え、既に再十両は確実な状況だった。この日朝、番付編成会議に出席していた師匠の時津風親方(元前頭時津海)から「戻った」と電話で聞き「新十両の14~15年前も、めちゃめちゃうれしかったけど、泣くほどうれしかったかと言えばそうでもない。今回は、いろいろな思いがあったから(新十両の時より)うれしい」と話した。

今年3月の春場所から毎場所「負け越したら引退」と覚悟して臨んでいた。その春場所から6勝、5勝、5勝、6勝と大きな勝ち越しを続け、はい上がってきただけに喜びもひとしお。「プライドもあったけど地位がついてこない情けなさもあった。励ましてくれた周りの人に感謝したいし、ここまで支えてくれた家族に申し訳ないから、どうしても結果がほしかった」と目頭を熱くした。

その家族もこの日、部屋を来訪。報道陣の要請で、スリーショットの写真撮影にも応じた。途中で涙ぐんだ沙帆夫人は「あっという間といえばあっという間、長かったといえば長かった2年でした。関取に戻れると信じていましたが、土俵に上がり続けてくれた豊ノ島のおかげです」と感謝の言葉。長女で6歳の希歩ちゃんは、豊ノ島の「大きくなったら何になるの?」の問いかけに「看護師!」と即答。「何で?」の問いかけには「お父さんの足を治すの」と返すなど、一家だんらんの温かなムードに包まれていた。

18年9月22日の大相撲秋場所14日日、豊ノ島(左)はすくい投げで鏡桜を下す

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極芯道、初の各段Vで新十両昇進「攻める相撲を」

幕下優勝の極芯道(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇両国国技館

6戦全勝同士による、勝った方が幕下優勝という一番は、東5枚目の極芯道(22=錦戸)が西43枚目の対馬洋(25=境川)を突き倒しで破り、初の各段優勝を飾るとともに、11月の九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)での、待望の新十両昇進を決めた。

元々、相撲が遅くジックリと相手の出方を見極めて、勝機とみるや一気に攻める相撲が持ち味。この日も立ち合いからの攻防の後、土俵中央で頭を付け合う手四つの体勢で1分半近い長い相撲に。対馬洋が、いなしや手繰っても無理して出ず、相手が根負けしたかのように手繰って離れたスキを見逃さず、前に出て突き倒した。

待ちに待った関取の座を確実にし「うれしいです」と話した後、すぐに「慎重すぎたかな」と、長い相撲になった一番を振り返った。前夜は、さすがに寝付けず「眠れなかった」という。勝負が遅いことには「(今場所は)攻めどころは、しっかり攻められた。しっかり出る時は出ようと思って、今日も“ここしかない”と思って出た」と納得ずくだった。

もっとも十両力士として臨む来場所は、これまでの1場所7番から15番に増える。当然、スタミナ消耗も考えなければならない。そんなことも考え「自分より大きい人との対戦が増えてくる。今の相撲を15日間となると、大変なことになるので、もっと攻める相撲を。腰が重いという自分のいいところを生かしながら攻めようと思います」と来場所を見据えた。

相撲そのものというより、人間性も含め目標とする力士は横綱鶴竜(33=井筒)。2年前の11月から鶴竜の付け人を務め、健康管理や集中力など、力士としてあるべき姿を学んだという。「相撲に対する、向き合う姿勢」を学び、また付け人についたことで巡業も参加し、力のある他部屋の力士との稽古も積んで、力をつけてきた。元関脇水戸泉が率いる現在の錦戸部屋からは、十両水戸龍(24)に続く2人目の関取誕生となった。

幕下優勝を決め笑顔を見せる極芯道(撮影・小沢裕)
對馬洋(左)を突き倒しで下す極芯道(撮影・河田真司)

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豊ノ島5勝で再十両確信!絶口調「泣きましょうか」

蒼国来(右)を寄り切りで破る豊ノ島(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇両国国技館

2年間の苦労が報われそうだ。13場所ぶりの関取復帰を有力にしている、関脇経験者で西幕下筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、今場所の6番相撲に登場。4勝1敗同士の対戦で、やはり幕内経験者で東幕下9枚目の蒼国来(34=荒汐)と対戦。一気の出足で左を差し、最後は右を抱えながら寄り切りで勝ち、貴重な5勝目を挙げた。

再十両には、十両からの陥落者と、幕下上位の星取の兼ね合いになる。11日目を終え、十両から幕下への陥落は2人となりそうだ。一方、幕下から十両への昇進で、豊ノ島を上回る可能性があるのは、東幕下5枚目で6戦全勝の極芯道(錦戸)ただ1人。取組後、再十両を確信したのか、豊ノ島は「これで決まりですかね」とホッとひと息つきながら発した。

4戦全勝とした時に、思わず涙を流してしまい、5番相撲で初黒星。この時は「有力」止まりの状況で、フライング気味の早合点を猛省。気持ちを切り替えて臨んでいた。「本来は、ここで泣くべきでしたね。泣きましょうか」とタオルを顔にあてるジョークで笑った。余裕からか、しばし談笑の後、幕下生活が続いたこの2年間を振り返り「自分自身を強くさせてくれた2年間だった。惨めな姿もあったし、やめたらどうだ、という時期もあった。この2年でやめなかったんだから、これから先も簡単にはやめたくないなと強く思うようになった」と、しみじみ話した。

帰り際の通路で取材に応じている時、思わず来客が。共通の知人を通して知り合った、元ドイツ代表でサッカーJ1神戸のFWポドルスキだった。通訳を挟んで旧交を温めた後、ドイツ代表のサイン入りユニホームをプレゼントされた豊ノ島。「お返しをしないと」という問いかけに「(この日の)白星」と、胸を張って答えていた。再十両は、秋場所後の26日に開かれる大相撲九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)の番付編成会議で正式に決まる。

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豊ノ島が初黒星、極芯道に夏場所の再現「あり地獄」

極芯道(右)に押し倒しで敗れる豊ノ島(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇9日目◇17日◇東京・両国国技館

13場所ぶりの関取復帰を有力にしている、関脇経験者で西幕下筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、今場所の5番相撲に登場。4戦全勝同士の対戦で東幕下5枚目の極芯道(22=錦戸)に押し出しで敗れ、今場所初黒星を喫した。

くしくも、極芯道とは今年5月の夏場所、やはり4戦全勝同士で9日目に対戦。その場所、東幕下14枚目だった豊ノ島は、残り3連勝なら再十両だったが押し出しで敗れ、その場所での昇進決定はお預けにされていた。

その時は2分半を超す相撲で、なかなか攻めてこない相手に焦れ、引いたところで押し出された。その一番を再現するかのように、この日も互いに頭を付け、手四つの体勢で1分半を超えた。同じように攻め手を欠き、体勢を起こされたところで押し出された。

夏場所と同じ相撲で…と問われると、苦虫をかみしめるように「向こうの相撲を取ってしまった。苦手な相撲だから…」と呼吸を整えながら話した。「長くなったら無理だなと、取る前に思ってたのに長くなっちゃった。ああなったら行ける方法が…。中に入ろうと思っても向こうも重いし、あり地獄」と苦杯をなめた一番を表現した。

6日目に4連勝を決めた際、再十両が決まったわけではないと知りながら、思わず花道を引き揚げながら号泣してしまった。自宅に帰ると沙帆夫人から「まだ決まったわけじゃないのに、涙は早い」と言われた。「それが、こういうこと(この日の黒星)なんです。あんなに泣いている場合じゃなかった。叱咤(しった)激励されました」と豊ノ島。気を抜いたわけではないが「少し緊張感が和らいだ」と話すように、ほんの少しの心のスキと、苦手意識も加わり黒星につながってしまった。

本人が重々承知のように、再十両は確定していない。最近5年の西幕下筆頭で4勝3敗だった力士は13人いたが、十両昇進は11人。残る2人は翌場所、東幕下筆頭に番付“半枚”上がっただけで、昇進は見送られた。いずれも昇進枠が2で、他に星を伸ばした力士が優先された。今後の十両下位や、幕下上位の星取もあり気は抜けない。逆に5勝2敗だった西幕下筆頭の5人は、いずれも上がっており「昇進確率100%」。何としても残り2番で1つは勝って、昇格確実ランプをともしたいところだ。

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常幸龍が十両復帰濃厚、息子激励で3連敗から4勝目

<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇22日◇ドルフィンズアリーナ

 三役経験者で東幕下5枚目の常幸龍(29=木瀬)が16年夏場所以来の十両復帰を濃厚にした。

 新十両を目指す極芯道と3勝3敗同士の7番相撲に勝って、4勝3敗とした。「最後に自分の相撲が取れました」と目を赤くした。3連勝し、3連敗した後の4勝目。「3連勝した時は少し気持ちが楽になりました」というが、幼稚園に通う長男に「あと4勝で優勝だね」と電話で励まされたといい「ほんと、そんな簡単に言うなよ」と苦笑いで、苦労の末の勝ち越しを振り返った。

 日大相撲部出身で2年の時に学生横綱に。プロでは11年名古屋場所の序ノ口デビューから27連勝を飾るなど、14年秋場所には小結として新三役。ところが、16年初場所で右膝を負傷、同年夏場所後に手術に踏みきり、2場所連続休場後に復帰した同年九州場所では西三段目23枚目まで番付を落とした。

 「手術した時は勇気がいったし“戻ってこれなかったら…”と不安でいっぱいでした。この2年間、きつかったですが、僕よりきつい人は社会にいくらでもいると思い、我慢してきた」。幕内土俵入りをテレビで見るなど悔しさを胸に刻み、復活の階段を上った。

 今年2月には次男日彩(ひいろ)君が誕生。守る家族が増えた。十両で迎えることが濃厚な来場所へ。「(関取が締める)白まわしを買いに行かないと。手術の後、験が悪いから捨てたんです」。15年名古屋場所では、今場所優勝の御嶽海を十両で破った男が、次は幕内復帰を目指していく。

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千代の海、新十両昇進を見据え巨体力士対策を解説

<大相撲夏場所>◇11日目◇23日◇東京・両国国技館

 西幕下筆頭の千代の海(25=九重)が、念願の関取の座を、さらに有力にした。

 既に勝ち越しを決めて臨んだこの日の6番相撲は、東幕下7枚目の村田(23=高砂)に上手出し投げで敗れ4勝2敗。白星の上積みはならなかったが、幕下15枚目以内でただ一人、全勝だった西幕下7枚目の極芯道(21=錦戸)が敗れ5勝1敗となった。幕下上位は残り1番を残すが、最後の7番相撲で千代の海が敗れても、昇進の優先順位で現状、1番手の千代の海を上回る力士は不在。来場所の新十両が確実視される。

 そんな状況から「それもあって今日は思い切り行こうと思いました。左から、かち上げてくるのは分かっているから、右をこうやって固めて」と身ぶり手ぶりで解説。大学(千代の海は日体大、村田は東洋大)時代とプロで通算1勝2敗だった相手に、押し込もうと飛び込んだ。だが、相手の四つ相撲に組まされ、左上手からの出し投げで土俵外へ放り出された。

 既に十両昇進を見据えた心の備えはある。「あれぐらい大きい(村田は約160キロ)人は、十両にいっぱいいる。そんな力士に、どう自分の力が伝わるか。来場所のためにもと思って」(千代の海)臨んだ一番だった。最後の7番相撲を締めくくり、昇進の吉報を待ちたいところだ。

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豊ノ島の関取復帰お預け「力みすぎた」今場所初黒星

極芯道(左)に押し出しで敗れる豊ノ島(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇東京・両国国技館

 人気力士の関取復帰は、来場所以降にお預けとなった。

 関脇経験者で東幕下14枚目の豊ノ島(34=時津風)が、土つかずできた今場所の5番相撲に登場。全勝同士の一番で、西幕下7枚目の極芯道(21=錦戸)に敗れ今場所初黒星を喫した。幕下15枚目以内なら7戦全勝で十両へ昇進するが、その夢は消えた。

 「今場所一番、悪い立ち合いだった。力みすぎて踏み込めなかったのかな」。陥落から10場所目で、幕下生活から脱出するチャンスだっただけに、余計な意識が立ち合いを乱した。左は入ったが、こじ入れた窮屈な形のその左腕に頭を付けられ、左半身で右前まわしを許す苦しい体勢。ある意味、その形は長年の土俵生活で「この形でも取れる」と染みこんだ体勢だったが、相手も無用には出ずにジッと我慢。右を強引にこじ入れて出ようとしたが、2分半が経過したところで我慢しきれず、引いて相手を呼び込み土俵を割ってしまった。

 相手の極芯道とは初対戦。ただ、自分が関取の頃から「対戦したら嫌な相撲を取るなと見ていた」という。「攻めが遅いし思った通りの相撲を取られた。研究されてたかもしれない」と図らずも嫌な予感が的中してしまった。

 帰り際、ポツリと「また延びるな、幕下生活が…」と無念な思いを口にした。ただ、幕下に陥落してもケガで番付を落とすなど、何度も挫折を味わってきた。そのたびにはい上がり、今は幸い、ケガも癒え精神的にも引退を覚悟した後は、開き直れている。関取復帰は逃したが、まだ1敗。来場所につなげるためにも「あと2番も大事。6勝したら、いいところまで戻れるし、しっかり勝って来場所につなげたい」と切り替えを言い聞かせていた。

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