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貴景勝3度目かど番、2年ぶり小結3人以上/新番付

貴景勝(2021年1月18日撮影)

日本相撲協会は1日、新型コロナウイルス感染防止の観点から、通常の大阪から東京開催に変更した大相撲春場所(14日初日、東京両国国技館)の新番付を発表した。

横綱は7場所連続で東に白鵬(35=宮城野)、西に鶴竜(35=陸奥)が就いた。ともに4場所連続休場(全休は3場所連続)明けで、復調を示す土俵となる。5場所ぶり45回目の優勝を目指す白鵬は、新たな金字塔を打ち立てた。新入幕から幕内連続在位が前人未到の100場所となった(2位は元関脇高見山=先々代東関親方=97場所)。幕内連続在位としても、史上最多の元大関魁皇(現浅香山親方)の106場所に次いで100場所に到達。幕内在位も魁皇の107場所に次いで史上2位の100場所となった。昨年の名古屋場所以来9場所ぶり7回目の優勝を目指す鶴竜は、進退をかける場所になる。

大関は、ともに先場所、かど番を脱出した正代(29=時津風)が東、この日27歳の誕生日を迎えた朝乃山(高砂)が西に。綱とりの先場所、途中休場した貴景勝(24=常盤山)は、東の序列2番目で、昨年7月場所以来、3度目のかど番として迎える。

両関脇は東西変わらず。東は2場所連続の照ノ富士(29=伊勢ケ浜)で三役は3場所連続。今場所は大関復帰をかける場所となる。西は3場所連続関脇となる隆の勝(26=常盤山)で三役も3場所連続の在位になる。

小結も東西は、東が3場所連続小結の高安(30=田子ノ浦)、西が2場所連続小結(三役は5場所連続)の御嶽海(28=出羽海)で変わらず。新たに先場所、初優勝した大栄翔(27=追手風)が4場所ぶりに西の序列2番目の小結に復帰(三役は3場所ぶり復帰)。なお小結が3人以上、名を連ねるのは19年九州場所(阿炎、遠藤、北勝富士、朝乃山)以来となる。

大相撲春場所は、12日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。14日の初日を迎える。

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正代の新親方は東農大先輩「頑張らないと」決意新た

豊山(右)と三番稽古を行う正代(代表撮影)

大相撲の大関正代(29=時津風)が25日、新時津風親方(元前頭土佐豊)が部屋を継承後、初めて取材に応じ「『親方が変わったから成績に響いた』と言われるのはしゃく。言われないように頑張らないといけない」と決意を示した。

初場所中にマージャン店に出入りするなど、日本相撲協会作成の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反した前師匠(元前頭時津海)は、22日に日本相撲協会から退職勧告処分を受けて協会を去った。新師匠のもとで春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に向けて調整する。

新師匠は、この日もまわしを締めて指導。力士に混じって腕立て伏せに参加するなど、弟子との距離は近い。正代にとっては東農大の先輩でもあるだけに、師弟関係の実感については「(まだ)現実味が湧かないけど、おいおい感じられる」と話した。

まわしを締めて泥着を羽織った姿で弟子の指導にあたる新師匠で元前頭土佐豊の時津風親方(代表撮影)
豊山(左)と三番稽古を行う正代(代表撮影)

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正代「成績響いたと言われるのはしゃく」親方交代で

師匠が交代して新体制となった部屋で稽古を行う正代(代表撮影)

大相撲の大関正代(29=時津風)が25日、新体制となった部屋を活気づける決意を示した。

初場所中にマージャン店に出入りするなど、日本相撲協会作成の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反した前師匠(元前頭時津海)が22日に退職。この日、都内の部屋で稽古を行った正代は、新時津風親方(元前頭土佐豊)が部屋を継承後、初めて取材に応じ「今のところまだ分からないけど、特別な感じはない。落ち着いて対応できたらいい」と淡々と意気込んだ。

新師匠はまわしを締めて泥着を羽織り指導にあたっている。東農大の先輩でもある新時津風親方は、前師匠と同じく弟子たちの自主性を重んじている。「そこは前師匠と変わらない。自分は自分なりに考えてやっていけたら」と正代。部屋が新体制となって初めて迎える春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に向けて「親方が変わったから成績に響いたとか言われるのはしゃくなので、言われないように頑張らないといけないですね」と力を込めた。

この日は弟弟子で平幕の豊山と三番稽古を行い、8勝1敗。番数は徐々に増やしていくつもりで、昨年11月場所で負傷した左足首については「痛みはない。けがをしたんだなという不安、ちょっとした意識はあるけど」と説明した。

師匠が交代して新体制となった部屋で稽古を行う正代(左)(代表撮影)

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新時津風親方「勢い継続しいい雰囲気で」継承へ思い

部屋を継承した時津風親方(元前頭土佐豊)(左)と退職処分となった前時津風親方(16年1月22日)

大相撲の時津風部屋を継承した時津風親方(元前頭土佐豊)が24日、代表取材に応じ、新師匠としての意気込みを語った。

前師匠(元前頭時津海)が初場所中にマージャン店に出入りするなど日本相撲協会作成の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反し、退職勧告処分となって協会を退職した。部屋を継承した新師匠は「緊張感はすごくあります。伝統のある部屋なので、その重みを感じているところです。(元横綱)双葉山関の興した部屋でもありますし」と現在の心境を明かした。

昨年は秋場所後に正代が大関昇進を果たすなど、部屋の力士は波に乗っている。「うちの部屋は今、すでに勢いがあると思います。大関もいるし豊山もいる。幕下も上位にたくさん上がってきている。部屋の雰囲気もいいですし、それを継続しつつ、いい雰囲気でやっていければ」。

今後の新弟子のスカウト活動については「試合会場を回っていくところから始めようと思います。1人じゃ何もできないので、いろんな人から意見を聞きつつやっていこうという気持ちです」とした。

時津風親方(19年1月31日)
結婚披露宴でケーキを食べさせ合う時津風親方(当時は安治川親方)とアイドルマジシャンの小泉エリ(16年10月2日)

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正代「正直、怖い」初日からの合同稽古参加は見送り

幕下を相手に相撲を取る正代(右)(日本相撲協会提供)

大相撲の大関正代(29=時津風)が19日、都内の部屋で幕下を相手に相撲を取って調整した。電話での代表取材に応じ「(番数は)15番くらい。出足と形、幕下相手でも自分の形を決めて出る(ことを意識した)」と振り返った。

20日から東京・両国国技館内の相撲教習所で計6日間の合同稽古が始まるが、初日からの参加は見送る意向を明かした。弟弟子の前頭豊山と相撲を取る段階に至っていないだけに「とりあえずトレーニングに専念する。もしかしたら(後半参加も)あるかもしれない。参加できたら一番いいんですけど。本来だったら(関取衆と相撲を取るのは)時期的に少し早い。豊山とも稽古していない状態で正直、怖いというのはある」。春場所(3月14日初日、両国国技館)まで1カ月弱と期間があるだけに、慎重な姿勢を示した。

初場所中にマージャン店に出入りするなど日本相撲協会作成の新型コロナウイルス感染対策のガイドラインに違反した師匠の時津風親方(元前頭時津海)は、22日の臨時理事会で処分が最終決定する見通し。協会のコンプライアンス委員会は、同親方が退職する方向で処分意見をまとめている。正代によると、時津風親方はこの日も稽古場で弟子たちを指導。正代は「なるべく自分たちにあんまり不安にさせないように、配慮されていると思う。自分たちとしては処分が決まるのをじっくり待つしかできないので。特別、稽古の内容を変えるのもおかしい話。やってきたことをこれまで通りやっていけたらいい」と話した。

渦中にあるが正代を含めて時津風部屋の力士は好調で、初場所では最後まで出場した15人中12人が勝ち越した。部屋頭の正代も「若い衆が番付が上がると、自分たちもうれしいですし、自分たちの稽古にもなる。いい流れは来ているので続けていけたらいい」と、部屋の活気を感じていた。

幕下を相手に相撲を取る正代(右)(日本相撲協会提供)

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正代「あまり無理はしたくない」合同稽古参加に慎重

正代(2021年1月22日撮影)

大相撲初場所でかど番脱出を果たした大関正代(29=時津風)が16日、朝稽古後に報道陣の電話取材に応じた。この日は相撲を取る稽古は行わずに、基礎運動で汗を流したと説明。20日から東京・両国国技館で始まる合同稽古への参加意思を問われると「どうしましょう。番数をそんなに取れていない。そっちが不安」と話した。

部屋では相撲を取る稽古を再開しているというが、弟弟子で平幕の豊山とはまだ相撲を取っていないという。また、昨年11月場所で負傷した左足首の状況は「とりあえずは問題はない」と話すも「あまり無理はしたくない。1度ケガをして慎重になりました」と説明。3月14日に初日を迎える春場所まで約1カ月あることや、現段階ではまだ稽古量が十分でないことなどから、合同稽古参加へは慎重な姿勢を見せた。

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正代「いつも通りに」師匠進退問題揺れるも泰然自若

ぶつかり稽古で若い衆に胸を出す正代(右)(日本相撲協会提供)

大関正代(29=時津風)が、師匠の進退問題で揺れる中、部屋頭としての自覚を示した。

日本相撲協会の新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反した師匠の時津風親方(元前頭時津海)の処遇が定まらない中、この日も通常通りに基礎運動中心の稽古。その師匠や部屋付き親方も見守る中、稽古で汗を流した。

稽古後に正代は報道陣の電話取材に対応。既に初場所後の稽古休み中に、師匠から全員に謝罪と詳細な説明があったが、その後は「その時よりだいぶ(部屋の雰囲気は)落ち着いています。報道が出たときは、みんなソワソワしていたけど、今は落ち着いて稽古できている。今のところ大丈夫かなと思っている」と部屋の様子を説明。「これからどうなるか分からないけど、とりあえず(協会処分という)結果がでるまで(は)。報道が出てから気合を入れるのもおかしいので、いつも通りに」と、現役力士の大黒柱として、泰然自若の姿勢で部屋をまとめることになりそうだ。

不要不急の外出を自粛する中、ささやかな? 願いが「付け人と少し話したんですけど、明治神宮がいいんじゃないですかと。横綱土俵入り以外では行ったことがないので」と話す初詣だ。「いいね~」と付け人に言ったきり、行けていない。いつか、実現することを願うばかりだ。

大阪から東京開催になった大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)では、今度こそ両横綱の出場が待たれるところ。対戦で成長をぶつける楽しみは? の問い掛けに「楽しみはないです(笑い)。楽しみではないけど、とりあえずやれるだけのことは、やっていきたい」と、ここでも正代らしく自然体を強調していた。

ぶつかり稽古で若い衆に胸を出す正代(左)(日本相撲協会提供)

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時津風親方が正代らに謝罪 間垣親方が部屋継承方針

元前頭時津海の時津風親方(2019年1月17日撮影)

大相撲初場所中にマージャン店に出入りするなど、日本相撲協会作成の新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反した時津風親方(47=元前頭時津海)が、弟子らに謝罪していたことが1日、分かった。報道陣の電話取材に応じた弟子の大関正代が明かした。また、協会退職の意向がある時津風親方に代わり、部屋付きの間垣親方(元前頭土佐豊)が時津風部屋を継承する方針であることが判明した。

   ◇   ◇   ◇

報道陣の電話取材に応じた正代は、時津風親方からあった謝罪について説明した。「謝罪込みの詳しい説明というか。今はまだ処分が出てないですよね? だからそれが出るのを持っている状況だ、みたいな感じでしたけど」。時津風親方は初場所後の稽古休み期間中に、大部屋に弟子らを招集。報道があった初場所中の行動についての説明とともに謝罪の言葉を並べ、協会からの何らかの処分を待っている状況にあることを説明したという。

部屋の稽古再開となったこの日、時津風親方は稽古場に姿を現したという。正代は師匠に見守られながら、基礎運動で汗を流したと説明。自身初のかど番ながらも11勝して優勝争いに加わった初場所を、あらためて「かど番を脱出できたのが一番大きい」と振り返った。一方で、同場所中の師匠の違反行為について「とても残念に思う。どんな結果であろうと協会の決定に従って頑張っていけたらなと。協会の方針に従うだけなので」と自身に言い聞かせるように話した。

部屋関係者によると、時津風親方は協会退職の意向を固めている。また、同じ東農大OBで後輩にあたる間垣親方が、時津風部屋を継承する方針で準備を進めているという。時津風親方の処分については、事実関係を調査したコンプライアンス委員会が検討した処分内容を理事会に答申し、これを受けて理事会が処分を決める。今月開催される臨時理事会で、処分が決まる見込みとなっている。

名門部屋の師匠による、コロナ禍での違反行為。正代は「どういう処分でも僕らがやることは変わらない」と前を向こうとする一方、「とりあえず、結果が出ないとですね。どうしたものかと」とポツリ。時津風部屋が大きな転機を迎えようとしている。

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正代が退職意向の師匠に言及「とても残念に思う」

春場所に向けて稽古する正代(日本相撲協会提供)

大相撲の大関正代(29=時津風)が1日、初場所中にマージャン店に出入りするなど新型コロナウイルスのガイドライン違反が判明し、日本相撲協会を退職する意向だという師匠の時津風親方(元前頭時津海)について言及した。

都内の部屋で初場所後初めての稽古を終えて報道陣の電話取材に応じ、一連の騒動について「とても残念に思いますけど。(時津風親方の処分など)それはもう、協会の方針に従うだけなんで。どんな結果であろうと協会の決定に従って頑張っていけたら」と受け止めた。

時津風親方の処分は今後、事実関係を調査したコンプライアンス委員会が処分案を理事会に答申し、それを受けて理事会で決まる。昨年9月には友人と宮城県に旅行。ゴルフコンペに参加しガイドライン違反となり「委員」から「年寄」への2階級降格処分を協会から科された。

今回が2度目のガイドライン違反で解雇を含めた厳罰は必至とみられるが、関係者の話によると同親方は処分内容にかかわらず協会を去る姿勢という。

正代によると、師匠はこの日の稽古にも顔を出したという。初場所後に大部屋で正代ら力士が集められ、時津風親方から直接謝罪を受けた。「謝罪込みの詳しい説明というか。それ(処分)が出るのを待っている状況だ、みたいな感じでした」。

初場所で千秋楽まで優勝争いに加わった正代を含む時津風部屋の力士は、場所中に師匠が部屋にウイルスを持ち込んでいれば、健康面や初場所の出場可否に影響しかねなかった。

部屋の雰囲気について正代は「1月場所も、みんな結構成績が良かったので、みんな稽古以外でも自主的にトレーニングだったりとか、みんなで取り組んできている。その(処分の)結果は分からないですけど、いい方向に流れはきているので。(師匠の騒動による部屋の雰囲気は)変わりないとは思うんですけどね。とりあえず、結果が出ないとですね。どうしたものか」と、複雑な心境を明かした。

師匠の処分なども気になる一方、自身は春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に向けて稽古を重ねるしかない。

前日1月31日は17年に37歳で亡くなった、当時間垣親方の時天空(元小結)の命日。東農大の先輩で、正代は付け人も務めていた。「胸を出してもらった経験は、今の相撲にも生きている。厳しかったですね。その当時は口うるさく感じたが、今、関取になると、ああそうだったんだなと感じています。(時)天空関が病気と闘っているところを見て、自分たちも天空関に教えてもらった者として、成績を残そうというか、守ろうという気持ちは、自分も含めて他(の力士)もなった」と兄弟子をしのんだ。

初場所では11勝を挙げて初めてのかど番を乗り越えた。来場所に向けて「かど番にならないように頑張りますよ。いや、もう、あの経験は、病みそうになったので」と冗談を交えて苦笑い。「(かど番の経験は)全然マイナスではないし、絶対にプラスに働いてくれるとは思う。けがとかも11月場所で初めて経験した。ケアをして、けがが少ない体を作っていけたら」と意気込んだ。

春場所に向けて稽古する正代(日本相撲協会提供)

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時津風親方「雀荘は行ったがマージャン打ってない」

元前頭時津海の時津風親方(2019年1月17日撮影)

日本相撲協会が、コンプライアンス違反の疑いがある時津風親方(47=元前頭時津海)への調査を始めていたことが27日、分かった。初場所中にマージャン店に出入りするなど、協会作成の新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反した同親方に対し、26日に聴取していた。同親方は日刊スポーツの取材に対し、雀荘を訪れたことは認めたが、マージャンを打っていないと否定した。

時津風親方は27日、当社の電話取材に応じた。

-初場所中、マージャン店に出入りしていたか

時津風 チケットを届けに行ったりはしたけどね。どっからそういう情報が出たの?

-雀荘に行って、マージャンはしなかったのか

時津風 マージャンはしてないよ。

-マージャンをしていないなら、協会にもそう言った方がいいのでは

時津風 言いましたよ。昨日、協会で聞かれたので言いました。

-場所中、風俗店に行っていたとの情報もある

行ってない。マッサージには行ってた。

時津風親方によると、26日のうちに協会に呼び出された。ガイドライン違反の真偽を聞かれ、否定した。だが複数の関係者によれば、初場所中に限らず、雀荘に出入りしていたという。

平時なら問題のない行動だが、日本相撲協会は昨年から新型コロナウイルス対策のガイドラインを作成し、不要不急の外出を禁じている。協会員の感染は本場所の中止にもつながりかねないため、力士、親方らは細心の注意を払ってきた。後援者らへのチケット受け渡しも対面でなく、郵送に切り替えた親方も多い。ウイルスを持ち込めば、優勝争いをしていた弟子の正代ら力士の健康面にも影響しかねなかった。

時津風親方は昨年9月、友人と宮城県に旅行してゴルフコンペに参加。ガイドライン違反となり、「委員」から「年寄」への2階級降格処分を協会から科されていた。この経緯があるため、今回のようなマージャン店に行きながらマージャンをしていないという説明について「そんなの通じるわけない」と指摘する親方もいる。

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「調査はするという話を聞いた」としながら、コンプライアンス委員会による調査については「コンプライアンス(委員会)の事案になるのかどうか、本人がどこまで、認めたのかどうか、ということもあるから」と慎重に話した。感染予防対策はどこまで本気なのか。協会の組織力が問われる問題に直面した。

◆今後どうなる まずは日本相撲協会のコンプライアンス委員会(青柳隆三委員長=弁護士)が事実関係を調査する見通し。時津風親方には弁明の機会も与えられる。コンプラ委は検討した処分案を日本相撲協会理事会に答申。これを受けて理事会が処分を決める。協会員への処分は軽い順にけん責、報酬減額、出場停止、業務停止(協会事業への従事を停止)、降格、引退勧告、解雇の7項目。

◆時津風正博(ときつかぜ・まさひろ)本名は坂本正博。元前頭時津海で、最高位は東前頭3枚目。1973年(昭48)11月8日、長崎県五島市生まれ。東農大を卒業後、96年春場所で幕下付け出しデビュー。翌97年夏場所で新十両。98年秋場所新入幕。幕内在位50場所で幕内通算322勝385敗43休場。07年秋場所後、序ノ口力士暴行死事件発覚で、当時の師匠が日本相撲協会を解雇。現役引退し、時津風部屋を継承した。

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時津風親方また違反で解雇も 場所中にマージャン店

元前頭時津海の時津風親方(2019年1月17日撮影)

大相撲の時津風親方(47=元前頭時津海)が初場所中、日本相撲協会作成の新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反したことが26日、分かった。

関係者によると、同親方はマージャン店のほか歓楽街に出向いていたという。協会は近日中に理事会を開き、処分を決める方針。同親方は昨年9月にもゴルフコンペに参加していたことが判明して2階級降格処分を受けており、違反は2度目になる。解雇を含めた厳罰は避けられない見通しだ。

   ◇   ◇   ◇

大栄翔の初優勝などで初場所が盛り上がった直後、水を差すような行為が判明した。時津風親方が本場所中にもかかわらず複数回、雀荘でマージャンに興じていたことが分かった。また、マージャンだけでなく、歓楽街にも繰り出していた。関係者によれば、同親方は今場所に限らず、雀荘に出入りしていたという。

日本相撲協会は、新型コロナウイルス感染拡大を予防するためのガイドラインを作成し、力士、親方らに不要不急の外出を禁じている。初場所前に協会員878人全員がPCR検査を受け、力士5人が陽性となった。このほか直近で力士らの感染が判明した計5部屋に所属する親方や力士らの全休を決定。力士65人が休場して、初場所を実施した。

多くの協会員は、感染予防を徹底しながら15日間を過ごした。その結果、出場した力士らに感染者は1人も出ず、無事に完走。八角理事長(元横綱北勝海)は観客に感謝しつつ「外出できない中、力士も行司も呼出も床山も、そして親方衆も、その家族もよく頑張ってくれた。医療従事者にも感謝」と話したばかりだった。

時津風親方は昨年9月、友人に誘われて宮城県に旅行し、ゴルフコンペに参加。さらに、密状態ながら居酒屋にて会食していた。これが発覚して秋場所を謹慎し、場所後に「委員」から「年寄」への2階級降格処分を科された。出直しを期したはずが、違反を繰り返す事態になった。

手本を示すはずの親方の2度目の行為に対してあきれる親方は多く「クビは避けられないでしょう」と指摘する声もある。時津風部屋は今場所、正代が優勝争いに加わり、弓取りの幕下将豊竜が新十両に迫るなど、最後まで出場した15人中12人が勝ち越し。同じ屋根の下に暮らす親方の行為は、彼らの頑張りを台なしにしかねなかった。千秋楽からわずか数日、熱戦の余韻が消えていく。

◆時津風正博(ときつかぜ・まさひろ)本名は坂本正博。元前頭時津海で、最高位は東前頭3枚目。1973年(昭48)11月8日、長崎県五島市生まれ。東農大を卒業後、96年春で幕下付け出しデビュー。翌97年夏場所で新十両。98年秋場所新入幕。通算466勝485敗43休、幕内通算322勝385敗43休。07年10月に現役引退し、時津風部屋を継承。昨年9月、日本相撲協会のガイドライン違反で秋場所を謹慎。委員から年寄に2階級降格処分を受けていた。

◆時津風部屋 1941年(昭16)10月に、不滅の69連勝を記録した横綱双葉山が立浪部屋から独立し「双葉山道場」を設立。45年11月の引退後に年寄時津風を襲名した。68年12月の死去後は一時、立田川(元横綱鏡里)が引き継ぎ、69年2月に元大関豊山が継承。98年には理事長に就任。02年8月、元大関豊山の定年に伴い元小結双津竜が継承。07年10月、新弟子死亡問題から先代時津風親方が日本相撲協会を解雇。前頭の時津海が現役を引退して名跡と部屋を継承した。横綱鏡里や大内山、北葉山、豊山の3大関を輩出した名門。昨年は秋場所で優勝した正代が大関に昇進したばかりだった。

◆日本協会のコロナ対策ガイドライン 「日常生活における感染予防」の項目の1つに「外出の自粛」がある。「不要不急の外出を自粛する。近隣以外への緊急な外出や必要な外出は、師匠が協会に相談した上で行う」と書かれている。また「協会員の移動」の項目の中にも「基本的に外出禁止とし、不要不急の外出をしない」「人との接触の機会を減らす」とある。なお外出する場合は「マスクを着用し『いつ、だれと、どこに』を明確にし、師匠に報告する」と明記している。

◆今後どうなる まずは日本相撲協会のコンプライアンス委員会(青柳隆三委員長=弁護士)が事実関係を調査する。時津風親方には弁明の機会も与えられる。コンプラ委は検討した処分案を日本相撲協会理事会に答申。これを受けて理事会が処分を決める。協会員への処分は軽い順にけん責、報酬減額、出場停止、業務停止(協会事業への従事を停止)、降格、引退勧告、解雇の7項目。

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朝乃山が大関対決制す「来場所につながる相撲を」

正代(右)を土俵際へ押し込む朝乃山(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

大関朝乃山(26=高砂)自身初のかど番場所を白星で締めた。右を差すことはできなかったが、逃げる正代をはず押しで攻め続けて押し出した。

「来場所につながる相撲をと思った。相手が逃げる方に出られた」と納得の一番。今場所はかど番ながら優勝争いに加わり「初のかど番ということは考えずに自分の相撲を取り続けた。それが結果につながった」と無心で土俵に上がっていた。

懸賞を手にする朝乃山(撮影・小沢裕)

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“地味キャラ”大栄翔テッポウで大きな手鍛え初賜杯

優勝インタビューで笑顔を見せる大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が初優勝を果たした。勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる可能性もあった大一番で、隠岐の海を突き出して13勝目。埼玉県出身では初、追手風部屋としても初めての優勝となった。3度目の殊勲賞、初の技能賞も獲得。“地味キャラ”とも呼ばれた実力者が、両横綱不在、綱とりに挑んだ大関貴景勝が不振となった場所で主役を張った。初場所は6年連続で初優勝力士誕生となった。

   ◇   ◇   ◇

歓喜の瞬間を迎えても、険しい表情はあえて崩さなかった。大栄翔の顔は、自身の赤い締め込みのように紅潮したまま。勝ち名乗りを受けて花道に引き揚げると、師匠の追手風親方(元前頭大翔山)が待っていた。「うれしさよりも緊張感があった。(師匠に)『おめでとう』と言われてうれしかった」。張り詰めていた感情の糸が、緩んだ瞬間だった。

勝てば優勝が決まる大一番で、会心の相撲を見せた。立ち合いから隠岐の海の差し手をはね上げ、左右ののど輪で一方的に引かせた。「自分の相撲を取りきるしかない。迷いなくいった」。初日から7日連続で役力士を破った突き押しは、千秋楽も健在だった。

脚光を浴び続ける相撲人生ではなかった。むしろ、実績の割には地味な印象が先行していたかもしれない。同部屋には幕内屈指の人気を誇る遠藤がいて、仲のいい貴景勝や、同学年の朝乃山は看板力士に成長。身近な存在が先を行くことが多かった。新十両会見では師匠の追手風親方に「声をもっと張れよ」と怒られるなどシャイな一面もあるが、地道に稽古を重ねる我慢強さはあった。

高校相撲の名門、埼玉栄高でレギュラーをつかんだのは3年で、2年までは補欠でちゃんこ番。同校相撲部の山田道紀監督は「文句を言わず黙々と稽古していた。芯が強い。控えの後輩の教材になっていた」と振り返る。「うちは弱い子にはテッポウをさせる。大栄翔もずっとテッポウをやっていた」と同監督。地道にテッポウ柱を打ち続けた手のひらは分厚い。もともと手は大きく、中2でサイズの合う手袋がなくなった。母恵美子さんによると、古い友人に「キャッチボールの時はグローブがいらないね」とからかわれたことも。突き押しの威力は大きな手を介して確実に伝えた。

自身を含めて関取6人を誇る部屋では、稽古相手に不足はなかった。感染対策で出稽古が禁止され、調整の難しさを漏らす関取もいる一方で「恵まれていると思う。(突っ張りの)回転の良さは申し合いで積み重ねることが大事なので」。コロナ禍だからこその“アドバンテージ”が生きた。

昨年は全5場所で優勝力士が異なり、新年最初の場所も6年連続で初優勝力士が誕生した。“戦国時代”まっただ中の角界で、大関昇進の期待もかかる。「期待に応えられるように頑張りたい」。資質は証明済み。磨いた突き押しの威力を、これからも信じ続ける。【佐藤礼征】

<大栄翔アラカルト>

◆埼玉初 埼玉県出身の力士では初めて。他に優勝がないのは宮城、福井、岐阜、静岡、滋賀、京都、和歌山、島根、徳島、宮崎、沖縄で11府県。

◆平幕優勝 昨年7月場所の照ノ富士以来、平成以降では13例目。

◆アベック優勝 十両で同部屋の剣翔が優勝。幕内、十両のアベックVは05年九州場所の高砂部屋(幕内朝青龍、十両闘牙)以来。1場所15日制が定着した49年夏場所以降では19例目。

◆埼玉栄高 豪栄道、貴景勝に続いて3人目。

◆平成生まれ 照ノ富士、御嶽海、貴景勝、朝乃山、正代に続き6人目。

大栄翔(左)は隠岐の海を突き出しで破り幕内優勝を決める(撮影・小沢裕)
隠岐の海(後方左)を突き出しで破り幕内優勝した大栄翔(撮影・鈴木正人)
隠岐の海(左)を激しく攻める大栄翔(撮影・河田真司)
花道を引き揚げる大栄翔(撮影・鈴木正人)

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大栄翔、埼玉県勢で初優勝決める!/千秋楽写真特集

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔が、悲願の初優勝を果たした。単独先頭で迎えた千秋楽、勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる大一番で。隠岐の海を突き出して13勝目。立ち合いから圧倒する完璧な相撲内容で、歓喜の瞬間を迎えた。埼玉県勢では初、追手風部屋勢でも初めての優勝。昨年は全5場所で異なる優勝力士が誕生したが、2021年も“角界戦国時代”を象徴するような幕開けとなった。大栄翔は殊勲賞、技能賞も獲得。両横綱が不在、綱とりに挑んだ大関貴景勝が不振だった場所で主役を張った。

正代は結びで朝乃山との大関対決に敗れ、11勝4敗で今場所を終えた。2度目の優勝こそ逃したものの、初のかど番場所で千秋楽まで優勝争いに絡んで存在感を示した。同じく初めてのかど番を乗り越えた朝乃山は、11勝4敗で今場所を終えた。

大関復帰を目指す関脇照ノ富士は、明生を退けて11勝目を挙げた。返り三役の昨年11月場所では13勝。大関とりが懸かる3月の春場所に向けて、弾みをつける1勝となった。

三賞受賞者は大栄翔以外では、照ノ富士と新入幕の翠富士の2人が技能賞を獲得した。

場所直前に約900人を大将に実施した新型コロナウイルスのPCR検査の結果、力士65人を含む協会員83人が初日から休場。白鵬と鶴竜の両横綱が3場所連続で初日から不在となるなど、混沌(こんとん)とした場所が終わった。

八角理事長(手前)から内閣総理大臣杯を受け取る大栄翔(撮影・鈴木正人)

優勝インタビューで笑顔を見せる大栄翔(撮影・河田真司)

表彰式に臨む大栄翔(左)

千秋楽の熱戦を写真で振り返ります。

幕内

朝乃山押し出し正 代

朝乃山(手前)との取組中、式守伊之助(左)にぶつかる正代(撮影・鈴木正人)

朝乃山(奥)に押し出される正代(左)を回避できず接触してしまう行司の式守伊之助(撮影・河田真司)

朝乃山(左から2人目)は正代を押し出しで破る。行司の式守伊之助(左)は土俵に押し出されたが、履いていた草履は残っていた(撮影・小沢裕)

正代 相手の圧力に負けて下がってしまった。そこがいけなかった。(大栄翔が先に優勝を決めたが)先に決められた方が気は楽だった。何とか勝てるように気持ちを作っていったが、最後の一番としては後味が悪い。また頑張ります。

照ノ富士すくい投げ明 生

明生(右)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

高 安はたき込み隆の勝

高安(左)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・河田真司)

高安(後方)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・鈴木正人)

隆の勝 最後の相撲に勝ててよかった。(大栄翔の優勝は)刺激になります。

霧馬山押し出し御嶽海

霧馬山(左)を押し出す御嶽海(撮影・河田真司)

御嶽海 来場所につながる一番と思ったんで、しっかり勝ててよかった。15日間、何とか体がもったかなと思います。目標の2桁にあと1番が遠かったが、来場所に向けてまた頑張ります。

北勝富士押し出し逸ノ城

逸ノ城(左)を押し出しで破る北勝富士(撮影・河田真司)

隠岐の海突き出し大栄翔

隠岐の海(左)を激しく攻める大栄翔(撮影・河田真司)

隠岐の海(左)を突き出しで破り、幕内優勝を決める大栄翔(撮影・河田真司)

隠岐の海を突き出しで破り、勝ち名乗りを受ける大栄翔(撮影・河田真司)

大栄翔 (優勝インタビュー)自分の相撲を取りきるしかない。悔いがないよう、思い切りいこうと迷わずいきました。本当うれしさしかない。よかったです、本当に。(賜杯は)あんなに重いとは思わなかった。びっくりしている。

宝富士寄り倒し志摩ノ海

宝富士(奥)を寄り倒しで破る志摩ノ海(撮影・河田真司)

志摩ノ海 根負けしなかった。頭上げず、我慢していけと稽古場で師匠(木瀬親方)に言われるが、それを実行できたと思う。

琴勝峰勇み足佐田の海

琴勝峰(右)は佐田の海の勇み足で白星(撮影・鈴木正人)

豊昇龍寄り倒し阿武咲

豊昇龍(下)を寄り倒しで破る阿武咲(撮影・河田真司)

阿武咲 終始落ち着いて相撲がとれた。最後のいい相撲で締めくくれてよかった。

栃ノ心寄り切り照 強

照強(左)は寄り切りで栃ノ心を破る(撮影・小沢裕)

琴恵光押し出し玉 鷲

玉鷲(左)に押し出される琴恵光(撮影・河田真司)

玉鷲 (歴代7位タイの通算連続1316回出場を白星で飾り)記録は気にしていないし考えていない。しっかりやり続ければこういう感じになる。人がどう思うかで、自分からはあまり言えない。

遠 藤寄り切り琴ノ若

琴ノ若(右)を寄り切りで破る遠藤(撮影・河田真司)

琴ノ若 (勝てば敢闘賞の一番に敗れ)自分の力不足なので、しっかり受け止めたまた稽古を積みたい。

竜 電押し出し碧 山

竜電(左)を押し出し出しで破る碧山(撮影・河田真司)

明瀬山押し出し

1回目の取組で同体となる輝(左)と明瀬山(撮影・河田真司)

明瀬山と輝の一番で物言いがつき協議する審判団(撮影・小沢裕)

明瀬山(右)を押し出しで破る輝(撮影・鈴木正人)

 (物言いで同体取り直しの末に勝利)どっちかなという感じで、もう一番あってもいいように気持ちを切らさずにいった。2番目の相撲は自分らしく攻めていけた。ああいう相撲をとれたら来場所につながる。

翠富士肩透かし翔 猿

翔猿(右)を肩すかしで破る翠富士(撮影・河田真司)

翔猿 (6勝9敗で終わり)ちょっとダメだったスね。まだまだ安定していない。自分の相撲を磨いていきたいです。

徳勝龍押し出し大翔丸

徳勝龍(右)を押し出しで破る大翔丸(撮影・鈴木正人)

豊 山押し出し妙義龍

豊山(左)を押し出しで破る妙義龍(撮影・河田真司)

妙義龍 いつもより緊張しましたね。(千秋楽)7勝7敗は何回もあるが、勝つと負けるでその後が全然違う。勝ち越せたのは大きい。

天空海押し出し英乃海

天空海(左)を押し出しで破る英乃海(撮影・鈴木正人)

英乃海に押し出しで敗れた天空海(撮影・河田真司)

大相撲初場所千秋楽の幕内土俵入り(撮影・河田真司)

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正代「大関として何とか存在感」千秋楽まで優勝争い

朝乃山(左)は正代を土俵際へ攻め込む(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

正代が最後は力尽きたように朝乃山に押し出された。

先に大栄翔が勝って優勝を決めた後の土俵。「何とか勝てるように気持ちを作っていったが、最後の一番としては後味悪い。また頑張ります」と言った。新大関場所で初の休場。かど番をクリアし、千秋楽まで優勝争いをつないだ。「大関として何とか存在感を示せたと思う」。両横綱不在、貴景勝も途中休場の中で大関の責任と戦い抜いた。

朝乃山(奥)に押し出される正代(左)を回避できず接触してしまう行司の式守伊之助(撮影・河田真司)
協会あいさつで土俵に上がる、前列左から照ノ富士、朝乃山、八角理事長、正代、隆の勝、後列左から高安、御嶽海(撮影・河田真司)

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大栄翔が悲願のV “角界戦国時代”象徴する幕開け

大栄翔(左)は隠岐の海を突き出しで破り幕内優勝を決める(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔が、悲願の初優勝を果たした。

単独先頭で迎えた千秋楽、勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる大一番で。隠岐の海を突き出して13勝目。立ち合いから圧倒する完璧な相撲内容で、歓喜の瞬間を迎えた。埼玉県勢では初、追手風部屋勢でも初めての優勝。昨年は全5場所で異なる優勝力士が誕生したが、2021年も“角界戦国時代”を象徴するような幕開けとなった。大栄翔は殊勲賞、技能賞も獲得。両横綱が不在、綱とりに挑んだ大関貴景勝が不振だった場所で主役を張った。

正代は結びで朝乃山との大関対決に敗れ、11勝4敗で今場所を終えた。2度目の優勝こそ逃したものの、初のかど番場所で千秋楽まで優勝争いに絡んで存在感を示した。同じく初めてのかど番を乗り越えた朝乃山は、11勝4敗で今場所を終えた。

大関復帰を目指す関脇照ノ富士は、明生を退けて11勝目を挙げた。返り三役の昨年11月場所では13勝。大関とりが懸かる3月の春場所に向けて、弾みをつける1勝となった。

三賞受賞者は大栄翔以外では、照ノ富士と新入幕の翠富士の2人が技能賞を獲得した。

場所直前に約900人を大将に実施した新型コロナウイルスのPCR検査の結果、力士65人を含む協会員83人が初日から休場。白鵬と鶴竜の両横綱が3場所連続で初日から不在となるなど、混沌(こんとん)とした場所が終わった。

明生(左)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・河田真司)

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千秋楽どうなる?大栄翔、正代 優勝の行方を解説

大栄翔(左)と正代

<大相撲初場所>◇千秋楽◇23日◇東京・両国国技館

大相撲初場所は23日に千秋楽を迎える。幕内優勝の可能性が残る力士は、14日目まで12勝2敗の西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)と、11勝3敗の大関正代(29=時津風)の2人。千秋楽の取組は、次のようになっている。

大栄翔-隠岐の海(過去の対戦成績は大栄翔の8勝10敗)

正代-朝乃山(同4勝4敗)

先に取組がある大栄翔は、勝てば初優勝が決まる。負けた場合は、正代の勝敗次第。本割で大栄翔負け→正代勝ちなら2人による優勝決定戦、大栄翔負け→正代負けなら大栄翔の優勝が決まる。

大栄翔が優勝した場合、埼玉県出身力士として初めてになる。初場所は過去5年、初優勝力士が続いた(16年=琴奨菊、17年=稀勢の里、18年=栃ノ心、19年=玉鷲、20年=徳勝龍)。大栄翔は顔触れに加われるか。また、昨年は5場所連続(夏場所は中止)で異なる力士が優勝したため、年をまたいで6場所連続になるかもしれない。

11月場所をケガで途中休場した正代は、初場所をかど番で迎えた。負け越せば大関から陥落する危機に直面していたが、勝ち越しどころか優勝争いに加わってきた。かど番大関が優勝すれば、16年秋場所の豪栄道以来になる。正代が優勝すれば2場所ぶり2度目で、次の本場所に横綱昇進がかかる。

千秋楽の最大の注目は幕内優勝になるが、十両以下、三段目を除く各段の優勝も決まる。中でも、9人による幕下の優勝決定戦は、熱い戦いが必至だ。

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衰え知らぬ大栄翔の押し、結果自ず/大ちゃん大分析

玉鷲(左)を勢いよく攻める大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇14日日◇23日◇東京・両国国技館

あの玉鷲を慌てさせた大栄翔の押しの強さは、衰え知らずで千秋楽を迎えそうだ。

土俵際まで押し込んだ後、引いて呼び込んだが悪い引きではない。流れの中の引きで、逆に玉鷲は上体だけの反撃だから足が十分に送れず、押し込んでいた分、大栄翔には後ろの土俵に余裕があった。引き足も弾むような運びで体が動いている証拠だ。優勝争い最終盤で体がガチガチになっている様子もない。

一方の正代は悪い癖があだとなったな。照ノ富士相手に引いては、終盤で見せた神懸かり的な逆転勝利は無理だ。立ち合いも高く起きているし、中に入って攻めきれなかった。というより照ノ富士の執念が見事だった。

単独トップで千秋楽を迎える大栄翔の相手は隠岐の海。同じ左四つの宝富士に負けている。そこの攻防もポイントになるが、変に意識して右を固めて…などと思わないことだ。ここまで貫いた突き押しに徹すれば自ずと結果はついてくる。(元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

懸賞金を受け取る大栄翔(撮影・鈴木正人)

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宇良はクルリ、霧馬山まわしが…/14日目写真特集

<大相撲初場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭大栄翔が、単独首位に立って初優勝に王手をかけた。過去6勝8敗と合口の悪い玉鷲相手に、得意とする強烈な突き押しで勝負。土俵際に追い込むも、玉鷲の押しに引いてしまった。土俵際に追い込まれる形となったが、慌てることなくはたき込みではわせた。自己最多の12勝目を挙げた。

結びの一番前に登場した大関正代は、関脇照ノ富士と白熱した取組を披露。何度も土俵際に追い込み、照ノ富士の体勢を何度も崩したが、あと1歩及ばず。最後は照ノ富士のはたき込みに屈した。3敗に後退し、1差で大栄翔を追いかける展開となった。

大関復帰を目指す照ノ富士は、10勝目を挙げて2場所連続の2桁白星。春場所での大関とりに向けて、足固めを作った。結びの一番では、大関朝乃山が明生を下して10勝目を挙げた。

14日目の熱戦を写真で振り返ります。

幕内

朝乃山(10勝4敗)突き落とし明生(8勝6敗)

明生(左)を突き落としで破る朝乃山(撮影・河田真司)


照ノ富士(10勝4敗)叩き込み正代(11勝3敗)

★正代「何度か土俵際でチャンスがあったが、そこで決めきれなかった。最後はスタミナ負けというか、足から崩れてしまった。まだまだ課題はいっぱいある。終わったことなので引きずらないようにできたらいい。(千秋楽は1差)とりあえずあと2番取るくらいの気持ちで、ここで集中を切らさないようにしたい。(優勝を逃した昨年初場所も14日目に幕尻優勝の徳勝龍に黒星)初場所の14日目は鬼門ですね」

正代(後方)の攻めを耐える照ノ富士(撮影・鈴木正人)

正代(右)をはたき込みで破る照ノ富士(撮影・河田真司)

照ノ富士に敗れ3敗目を喫し、険しい表情で土俵から引き揚げる正代(撮影・河田真司)


隠岐の海(7勝7敗)叩き込み隆の勝(8勝6敗)

☆隆の勝「落ち着いて回り込めたかなと思う。危なかった。今場所そんなに気持ちが落ちることなく白星が先行できていた。余裕があった。(勝ち越しは)自信になる。うれしく思います」

正代(右)をはたき込みで破る照ノ富士(撮影・河田真司)


遠藤(6勝8敗)寄り切り御嶽海(8勝6敗)

翠富士(左)を寄りきりで破る遠藤(撮影・鈴木正人)


高 安(9勝5敗)寄り切り輝(5勝9敗)

輝(左)を寄り切りで破る高安(撮影・河田真司)


玉鷲(5勝9敗)叩き込み大栄翔(12勝2敗)

☆大栄翔「今日も立ち合いが良かった。前に出られて良かった。(結果ははたき込みでの勝利だが)前には出られている。流れの中のはたき。そこは自分の中では大丈夫。(優勝争いの重圧)いい感じの緊張感でやれている。その中で取るのは大変なことだけど頑張っていきたい。(千秋楽へ)あした最後なので思い切り自分の相撲を取ることが一番。気持ちを強く持って、自分の相撲を取りきりたい。変にかたくなって負けてしまうことは後悔が残る。取るなら思い切り自分の相撲を取った方が悔いはない」

玉鷲(手前)をはたき込みで破る大栄翔(撮影・河田真司)

玉鷲(右)をはたき込みで破る大栄翔(撮影・鈴木正人)

玉鷲をはたき込みで破り、勝ち名乗りを受ける大栄翔(撮影・河田真司)


北勝富士(6勝8敗)押し出し碧山(5勝9敗)

☆北勝富士「本当に負け越して吹っ切れた。本来の動きができるようになった。しっかり前に圧力をかけて、我慢して我慢して取れた」

碧山(左)を押し出しで破る北勝富士(撮影・鈴木正人)


宝富士(9勝5敗)寄り切り逸ノ城(9勝5敗)

宝富士(奥)に寄り切りで敗れる逸ノ城(撮影・河田真司)


志摩ノ海(8勝6敗)寄り切り阿武咲(8勝6敗)

★阿武咲「気持ちでは思い切って先手、先手でいきたかったが、低さ負けですかね」

阿武咲(左)を寄り切りで破る志摩ノ海(撮影・河田真司)


琴勝峰(1勝13敗うっちゃり照強(6勝8敗)

琴勝峰(奥)をうっちゃりで破る照強(撮影・河田真司)

琴勝峰(左)をうっちゃりで破る照強(撮影・河田真司)

琴勝峰(左)をうっちゃりで破る照強(撮影・河田真司)


栃ノ心(4勝10敗)寄り切り明瀬山(9勝5敗)

☆明瀬山「胸借りるつもりで思い切り当たりました。相手はずっと幕内張って、優勝経験して、大関にもなったんで格上じゃないですか。ダメだったらしょうがないと目いっぱい、いきました」

栃ノ心(右)を寄り切りで破る明瀬山(撮影・河田真司)


竜電(4勝10敗)小手投げ天空海(5勝9敗)

☆天空海「圧力がちょっとは伝わったかな。差されても落ち着いて考えて動けた。(千秋楽は幕内に)残るとか残れないは関係なく、いい相撲をとりたい」

竜電(左)を小手投げで破る天空海(撮影・河田真司)


豊昇龍(9勝5敗)送り出し翔猿(6勝8敗)

翔猿(左)を送り出しで破る豊昇龍(撮影・河田真司)


翠富士(8勝6敗)押し出し霧馬山(8勝6敗)

☆霧馬山「(まわし待ったもあり)長かったですね。我慢してとって勝ってよかった」

霧馬山(右)のまわしが外れ、締め直す行司の式守勘太夫(撮影・河田真司)

霧馬山(中央)のまわしを締めあげる式守勘太夫(撮影・鈴木正人)

翠富士(右)を押し出しで破る霧馬山(撮影・河田真司)


徳勝龍(3勝11敗)押し出し佐田の海(5勝9敗)

☆徳勝龍「(9連敗から脱出し)調子が悪いなら調子が悪いなりにやらないとダメ。気持ちだけは切れないように、強い気持ちを持ってどんどんやるしかないという感じだった」

佐田の海(右)を押し出しで破る徳勝龍(撮影・鈴木正人)


琴恵光(6勝8敗)寄り切り妙義龍(7勝7敗)

妙義龍(左)は寄り切りで琴恵光を破る=(撮影・小沢裕)


豊山(7勝7敗)押し倒し琴ノ若(10勝4敗)

☆琴ノ若「休まず動いたのがよかった。(2桁10勝目は)一番一番しっかり力を出し切ることだけを考えてやっている。その中でしっかり体が動いたのが、少しずつつながったのかなと思う」

★豊山「止まったところが全てだった。止まる前に勝負を決めたかった。あと一番なので全部出し切って終わりたいと思う」

豊山(左)を押し倒しで破る琴ノ若(撮影・河田真司)

十両

東龍(6勝8敗)押し出し宇良(10勝4敗)

宇良(左)は居反り狙いのような体勢で東龍の下に潜り込む(撮影・小沢裕)

東龍(左)に居反りを仕掛ける宇良(撮影・鈴木正人)

東龍(奥)を攻める宇良(撮影・河田真司)

東龍(左)を押し出しで破る宇良(撮影・河田真司)

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照ノ富士の執念白星を理事長賞賛「よく膝がもった」

正代(左)の攻めをかわす照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館

優勝争いで平幕の大栄翔(27=追手風)とトップを並走していた大関正代(29=時津風)が、関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)の執念に屈した。

照ノ富士を得意のもろ差しで攻め立て、土俵際まで詰め、背後を取る絶対優位な体勢になりながら攻めきれず、我慢できずに最後は引いてバランスを崩し、はたきこまれ3敗目を喫した。

館内を沸かせた熱戦に、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「内容ある相撲でお客さんも喜んでいるでしょう。お互いにいい相撲だった。照ノ富士の粘り、辛抱勝ち。よく膝がもった」と大関返り咲きを目標にする照ノ富士の執念をほめた。正代の相撲については戦前に「もろ差しで圧力をかけたいだろう。かけないと二本は差せない。止まると照ノ富士(有利)だから常に動きたいところ」との読み通り、先手を取って動いていただけに「正代も悪くはなかった。(照ノ富士の)小手投げがあるから慎重にいったし、動いて(まわしを)ふりほどいた」と評価。だが、最後に攻めきれず「出ないといけないところで引いてしまった。辛抱しきれず引いてバランスを崩した」と説明した。

再び1差をつけられての千秋楽。大栄翔有利な状況になったが「まだまだ、明日でしょう。大栄翔は勝てば優勝となれば、いろいろ考えてしまう。初めて(の優勝)だから、そこは難しいところだろう」と千秋楽の展開に期待を寄せた。

正代(後方)の攻めを耐える照ノ富士(撮影・鈴木正人)
正代(右)をはたき込みで破る照ノ富士(撮影・河田真司)

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