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照ノ富士“再”大関へ異例の挑戦「やっと近づいた」

大関復帰を目指す春場所の番付発表を受けてオンラインでの会見に臨む照ノ富士(日本相撲協会提供)

大相撲春場所(14日初日、東京・両国国技館)の新番付が発表され、17年秋場所以来の大関復帰に挑む照ノ富士(29=伊勢ケ浜)は2場所連続で関脇に就いた。昨年11月場所に小結で13勝、先場所は関脇で11勝を挙げ、大関昇進の目安となる「三役で直近3場所33勝」まで残り9勝。大関陥落の翌場所に10勝を挙げられず、後に大関に返り咲いたのは77年初場所後に昇進した魁傑だけ。44年ぶり2度目の快挙に挑戦する。

     ◇     ◇     ◇

照ノ富士が満を持して“再”大関とりの場所に臨む。都内の部屋でオンラインでの会見に出席。「やっと近づいてきた。本当にこの日が来たらなと思っていた」。5場所連続休場から序二段で復帰したのが19年春場所。丸2年で返り咲きを懸ける位置に戻ったことについて「予定通りです」と強気に語った。

異例の挑戦になる。「大関陥落の翌場所に10勝以上した場合は復帰できる」と改正された69年名古屋場所以降、1場所での復帰は6人7例あるが、平幕以下に陥落して復帰したのは77年初場所後の魁傑ただ1人。十両以下に落ちて大関に復帰すれば史上初だ。

場所前には私生活でも節目を迎え、結果へのこだわりも強まった。2月11日に3年前に結婚していた同じモンゴル出身のツェグメド・ドルジハンドさん(26)と挙式。「(コロナ禍で)挙げたことはありがたいと思って次に進もうと思う」と、周囲への感謝と決意を示した。勝負の場所まで残り2週間。「とりあえず33勝を達成しないと始まらない」と、あえて数字を口に出す。「それを目標にして全力を出していい相撲を取りたい」。重圧と闘う15日間に向けて、気持ちを高めた。【佐藤礼征】

大関復帰を目指す春場所の番付発表を受けてオンラインでの会見に臨む照ノ富士(日本相撲協会提供)
大関復帰を目指す春場所の番付発表を受けてオンラインでの会見に臨む照ノ富士(日本相撲協会提供)

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照ノ富士会見「予定通りです」大関復帰へのチャンス

大関復帰を目指す春場所の番付発表を受けてオンラインでの会見に臨む照ノ富士(日本相撲協会提供)

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)の、大関復帰の挑戦が始まる。日本相撲協会が春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した1日、照ノ富士が都内の部屋でオンライン会見に参加。現在の心境について「やっと(大関が)近づいてきたかなと思います」と話した。

小結だった昨年11月場所で13勝、関脇だった初場所で11勝を挙げ、大関昇進の目安「三役で3場所33勝」まで、あと9勝と迫った。「内容が1番大事」と数字は気にしなかったが「とりあえず33勝は達成しないと始まらない。それを目標にして全力を出していい相撲を取りたいと思います」と気合を入れた。

想像通りの道のりだ。15年名古屋場所で新大関に昇進するも、両膝の負傷や内臓疾患などにより17年九州場所で関脇に陥落。その後も休場が続き、幕下に陥落した18年名古屋場所からは4場所連続全休。復帰した19年春場所では、序二段からの再出発となった。

しかし、そこから1度も負け越しはなし。19年九州場所で幕下優勝、20年初場所で十両優勝、幕内に返り咲いた20年7月場所では復活を印象づける2度目の幕内優勝を果たした。そしてつかんだ大関復帰へのチャンス。理想通りの2年間での復活劇も「予定通りです」とさらりと振り返った。

冷静な気持ちで土俵に上がる。報道陣から、1度目の大関昇進を決めた6年前と今の気持ちの変化を問われても「大した深い思いはない。土俵に上がったら一緒」「その時よりいい部分は特に考えていない。その時もいい部分があったと思うし、今もあると思う。冷静にやれているとは思う。特に変わったことはない」と淡々と話した。

ただ、今場所に懸ける思いは強く持っている。「本当にこの日が来たらなと思っていた。今場所でやっぱり決めておかないと。また最初から、ということになる。頑張らないとな、と思っています」と今場所で大関復帰を決める覚悟を口にした。

2月下旬に両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古には参加せず、「ヘトヘトになるまで」部屋で稽古を重ねた。平幕の宝富士、照強、翠富士らと連日「20番から25番ぐらいやっている」という。ケガする前に比べると稽古量は減っているというが「ちょっとずつ増やさないとスタミナもつかない。できる範囲でやっている」と今できることに全力で取り組んでいる。また「どうやって体を強くしていくかしか考えていないので、その辺を相談しながらアドバイスを頂いている」と部屋付きの安治川親方(元関脇安美錦)にアドバイスを求めるなど、まだまだ成長段階だ。

運命の春場所まで2週間を切った。周囲からは過去と比べられがちだが「過ぎたことは過ぎたこと。考えてもしょうがない。目の前のことを精いっぱいやっているから今の結果に出ている。それに落ちているからこそ注目されていると思う」。しっかりと地に足をつけて土俵に上がる。

大関復帰を目指す春場所の番付発表を受けてオンラインでの会見に臨む照ノ富士(日本相撲協会提供)

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高安、御嶽海、大栄翔が小結 幕内十両一覧/新番付

高安(2020年11月9日撮影)

日本相撲協会は1日、新型コロナウイルス感染防止の観点から、通常の大阪から東京開催に変更した大相撲春場所(14日初日、東京両国国技館)の新番付を発表した。十両以上の番付は以下の通り。

<東>  <西> 

 【横  綱】   

白  鵬    鶴  竜

 【大  関】

正  代    朝乃山

貴景勝

 【関  脇】   

照ノ富士    隆の勝

 【小  結】

高  安    御嶽海 

        大栄翔

 【前  頭】   

宝富士  <1>  阿武咲 

北勝富士 <2>  若隆景 

明  生 <3>  志摩ノ海

霧馬山  <4>  妙義龍 

遠  藤 <5>  隠岐の海

玉  鷲 <6>  逸ノ城 

栃ノ心  <7>  輝   

琴ノ若  <8>  翔  猿

千代の国 <9>  豊昇龍 

翠富士  <10>  竜  電

千代大龍 <11>  琴勝峰 

明瀬山  <12>  碧  山

照  強 <13>  千代翔馬

琴恵光  <14>  剣  翔

豊  山 <15>  英乃海 

魁  聖 <16>  大奄美 

 【十  両】   

徳勝龍  <1>  天空海 

石  浦 <2>  大翔丸 

千代丸  <3>  千代ノ皇

炎  鵬 <4>  佐田の海

美ノ海  <5>  旭秀鵬 

若元春  <6>  千代鳳 

宇  良 <7>  東  龍

旭大星  <8>  松鳳山 

水戸龍  <9>  白鷹山 

貴源治  <10>  矢  後

東白龍  <11>  貴健斗 

千代の海 <12>  錦富士 

常幸龍  <13>  錦  木

武将山  <14>  一山本 

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貴景勝3度目かど番、2年ぶり小結3人以上/新番付

貴景勝(2021年1月18日撮影)

日本相撲協会は1日、新型コロナウイルス感染防止の観点から、通常の大阪から東京開催に変更した大相撲春場所(14日初日、東京両国国技館)の新番付を発表した。

横綱は7場所連続で東に白鵬(35=宮城野)、西に鶴竜(35=陸奥)が就いた。ともに4場所連続休場(全休は3場所連続)明けで、復調を示す土俵となる。5場所ぶり45回目の優勝を目指す白鵬は、新たな金字塔を打ち立てた。新入幕から幕内連続在位が前人未到の100場所となった(2位は元関脇高見山=先々代東関親方=97場所)。幕内連続在位としても、史上最多の元大関魁皇(現浅香山親方)の106場所に次いで100場所に到達。幕内在位も魁皇の107場所に次いで史上2位の100場所となった。昨年の名古屋場所以来9場所ぶり7回目の優勝を目指す鶴竜は、進退をかける場所になる。

大関は、ともに先場所、かど番を脱出した正代(29=時津風)が東、この日27歳の誕生日を迎えた朝乃山(高砂)が西に。綱とりの先場所、途中休場した貴景勝(24=常盤山)は、東の序列2番目で、昨年7月場所以来、3度目のかど番として迎える。

両関脇は東西変わらず。東は2場所連続の照ノ富士(29=伊勢ケ浜)で三役は3場所連続。今場所は大関復帰をかける場所となる。西は3場所連続関脇となる隆の勝(26=常盤山)で三役も3場所連続の在位になる。

小結も東西は、東が3場所連続小結の高安(30=田子ノ浦)、西が2場所連続小結(三役は5場所連続)の御嶽海(28=出羽海)で変わらず。新たに先場所、初優勝した大栄翔(27=追手風)が4場所ぶりに西の序列2番目の小結に復帰(三役は3場所ぶり復帰)。なお小結が3人以上、名を連ねるのは19年九州場所(阿炎、遠藤、北勝富士、朝乃山)以来となる。

大相撲春場所は、12日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。14日の初日を迎える。

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阿武咲「楽しかった」白鵬と三番稽古10勝20敗

合同稽古で白鵬の指名を受けて三番稽古を行う阿武咲(左)(代表撮影)

大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に向けた合同稽古が25日、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われ、平幕の阿武咲(24=阿武松)が横綱白鵬の指名を受けた三番稽古で計30番相撲を取り、10勝20敗だった。

鋭い出足を生かして、何度も横綱を引かせた。白鵬もあえて相手を呼び込む場面もあったものの、持ち味を存分に発揮。白鵬と稽古するのは昨年12月の前回の合同稽古以来で「しっかり当たることだけを意識して、いい稽古をしていただきました。楽しかったです! ありがたい気持ちと楽しい気持ちと。プラスな感情しかなかったです」と笑顔を見せた。

西前頭3枚目だった初場所では大関貴景勝、照ノ富士、隆の勝の両関脇を破るなど存在感を示し、9勝6敗の好成績を収めた。白鵬、鶴竜の両横綱が出場を目指す春場所では、上位総当たりが予想されるだけに「上位が久しぶりなのでワクワクしていますし、焦らずに地に足をつけて稽古をやっていければいい」と意気込んだ。

合同稽古で阿武咲と三番稽古を行う白鵬(右)(代表撮影)

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照ノ富士2度目の大関とりへ「1日1日の積み重ね」

照ノ富士(21年1月撮影)

大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)で、17年秋場所以来の大関復帰を目指す関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が16日、東京・江東区内にある部屋での稽古後、報道陣の電話取材に応じた。

この日は宝富士や照強の関取衆らと「まあ20~30番ぐらい」(照ノ富士)の申し合い稽古で汗を流し「初日がまだ全然、遠いのでちょっとずつ調整していければいい」と話した。2度目の大関とりにも「いつも通りに、ちゃんと準備して出れば、1日1日の積み重ねで結果は後からついてくる。ダメだったら自分の力不足だし、良かったら良かったな、という感じ。別にどうこうという深い思いはないです」と気負うことなく話した。20日から関取衆が集まる合同稽古も、誰が来るかなどに関心は寄せるものの、現状では「まだ特に考えていない。そのときによります」と未定だ。

励みになることもある。初場所の大栄翔(27=追手風)の初優勝だ。自分が大関昇進を果たした23歳のころを思い起こすように「大関だった頃は自分が一番(上位陣で)若かった。やっと自分の近い年の人たちが(今は)上位にいて励みになる。そのときに自分の方が(番付が)上だったわけだから、その思いもプライドを持ってやっている」と自負心を示した。

11日には同区内の富岡八幡宮で、3年前の2月15日に婚姻届を提出し結婚したツェグメド・ドルジハンドさん(26)と挙式。“結婚記念日一夜明け”に「ちゃんとした式とか披露宴をしてあげたいな、と思っていた。コロナの影響で披露宴はできなかったけど、ちゃんとした式を挙げられて、ちょっとでも喜んでくれたかなと思います。これだけ騒がせているんだから、ちゃんと結果を出さないと」と“一家の主”の顔ものぞかせた。

糖尿病も患ったことから、新婦の手料理も「医者から言われた通りのもの(メニュー)」だという。そんな伴侶の支えもあって臨む大関とりの春場所。両横綱の出場も待望されるが「別に誰とやりたいとかはない。誰が相手だろうと精いっぱい、ぶつかっていくだけ」と勝負師の顔に戻り力強く語った。

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照ノ富士が挙式「変わらず支えてくれた」思い語る

結婚式を行った照ノ富士(左)と夫人(代表撮影)

大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)で17年秋場所以来の大関復帰を目指す関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が11日、東京・江東区の富岡八幡宮で、モンゴル出身で18年2月に結婚したツェグメド・ドルジハンドさん(26)と挙式した。

師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)ら関係者十数人が出席。照ノ富士は「この日を楽しみにしていたので、迎えることができて良かった」と笑顔。夫人との出会いは7年前の知人を介した会食で「(大関陥落後も)変わらず支えてくれた。ありがたい気持ちでいっぱい」と思いを語った。

結婚式に臨む照ノ富士と夫人(手前)(代表撮影)
結婚式を行った照ノ富士(中央)と夫人(代表撮影)
結婚式を終えて記念撮影をする照ノ富士(左)と夫人(代表撮影)

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照ノ富士が挙式、夫人と初デートは隅田川/一問一答

結婚式を終えて記念撮影をする照ノ富士(左)と夫人(代表撮影)

大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)で、17年秋場所以来の大関復帰を目指す関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が11日、東京・江東区の富岡八幡宮で、モンゴルからの留学生で15年夏場所後の新大関昇進前から交際していた、ツェグメド・ドルジハンドさん(26)と挙式した。既に3年前に結婚届は提出している。

幸せいっぱいの2人のコメントは以下の通り。

Q晴れの日を迎えた気持ちは

照ノ富士(以下「照」) この日を楽しみにしてました。迎えることが出来て良かったなと思います。(快晴で)本当に運が良い。

夫人 緊張してます(笑い)。うれしいですね。

Q親しくなったきっかけは

照 初めて会ったのは7年前で、共通の知り合いの方がいて、その方の紹介、紹介と言ったらおかしいんですけど、一緒にたまたまご飯食って、知り合って、そこからですね。

Q第一印象は

照 美しい女性だなと。

夫人 すごいいろんな面白い話してくれて、その時はずっと笑ってて、あっ面白い方だなと思っていました。明るくて。

Qどのように照ノ富士関を支えてきたのか

夫人 普通通りに前と変わらない(ように)。

Qデートなどは

照 近いのが隅田川なんで、初めてデートしたのもそこ。たまにその初めての頃を思い出すために、そこに行きますね。

Q共通の趣味は

照 う~ん、ドライブとか。自分は運転できないので、奥さんが運転してくれてドライブする。あと観光ぐらいですかね。

Qドライブはどこへ

夫人 一番遠くて九州まで行きました(笑い)。初めて。

Q奥様が九州まで

夫人 そうですね、休みながら。

照 巡業や地方場所とか、仕事でいろいろな所を回るので、いい所があれば奥さんにも見せたいと思っています。

Qプロポーズの言葉は

照 いや、やっぱりもう、2人で幸せな家庭を築きたいもので、自分が幸せにする努力をしますから、ということで、はい。

Qどんな家庭を築きたい

照 明るく幸せな家庭を築きたいなと思っています。

夫人 穏やかで暖かい家庭を築いていきたいですね。

Q奥様の晴れ着は

照 派手ですね(笑い)。

Q来場所の意気込みは

照 やっぱり大事な場所ですから、この結婚式を挙げて、来場所もいい成績で終わらせたいなと思います。

結婚式に臨む照ノ富士と夫人(手前)(代表撮影)

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照ノ富士が挙式「復活のきっかけはやっぱり奥さん」

結婚式を行った照ノ富士(左)と夫人(代表撮影)

大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)で、17年秋場所以来の大関復帰を目指す関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が11日、東京・江東区の富岡八幡宮で、モンゴルからの留学生で15年夏場所後の新大関昇進前から交際していた、ツェグメド・ドルジハンドさん(26)と挙式した。既に3年前の18年2月に婚姻届は提出している。

出席者は伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)夫妻と新婦の親族、後援会関係者ら十数人で式は30分ほどで終えた。伊勢ケ浜親方も三十数年前に同じ場所で挙式していることから、富岡八幡宮での挙式となった。照ノ富士は「この日を楽しみにしていた。(前夜は)奥さんに良い一日にしてあげたいな、と思っていました」と柔和な表情で話した。

2人のなれ初めは7年前。共通の知人の紹介で食事をしたことに始まる。「美しい女性だなと思った」と照ノ富士が言えば、隣で新婦も「明るくて面白い方だなと。そのときはずっと笑っていました」と、うれしそうに話した。その頃、照ノ富士は新入幕した後で、新婦は高校から留学のため来日していた。

14場所在位した大関から陥落後、両膝の手術や糖尿病を患い連続休場したことで、序二段まで番付を落としたが、伴侶のサポートもあり関取に復帰した。「自分1人じゃ出来ないことがたくさんありますし、だからこそ周りの支えが本当に大きかった。その中で一番、やっぱり近くで本当に復活するきっかけになったのは、やっぱり奥さんのおかげだなと思っています」と感謝しきりの照ノ富士。プロポーズしたのは3年前のバレンタインデー(2月14日)で、その翌日には婚姻届を提出するという“早業”だった。

ケガなどで苦しい時期だったが、結婚を転機に、病気やケガを克服。「(番付が)落ちても変わらず支えてくれたのが、本当にありがたい気持ちでいっぱい。この人とずっと歩んでいきたいなと思いました」と振り返る照ノ富士は、再入幕の昨年7月場所では13勝2敗で2度目の優勝。返り三役を果たした同11月場所から13勝2敗、11勝4敗の成績で、3月の春場所は2度目の大関とりを目指す。

式を挙げた富岡八幡宮は、江戸勧進相撲発祥の地。境内には横綱力士碑、超五十連勝力士碑など、多数の角界ゆかりの石碑などが建立され、角界と縁の深い神社。新横綱が奉納土俵入りを行うのも慣例となっている。2度目の大関とりを成就した後、再度の綱とりに挑戦したい照ノ富士にとっては、格好の舞台となったはずだ。

結婚式を行った照ノ富士(中央)と夫人(代表撮影)
結婚式に臨む照ノ富士と夫人(手前)(代表撮影)
結婚式を終えて記念撮影をする照ノ富士(左)と夫人(代表撮影)

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朝乃山が頭脳派へ脱皮?「どう攻めるか頭使うべき」

朝乃山(2021年1月21日撮影)

体も頭もフル回転させて角界の頂点を目指します-。昇進を決めた昨年の春場所から1年。先の初場所で11勝を挙げ、かど番を脱出した在位5場所目の大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)を迎える大関朝乃山(26=高砂)が9日、稽古後の報道陣の電話取材に応じ「頭脳派」への脱皮? を誓った。

部屋の稽古は、初場所後の休みを経て1日に再開。基礎運動や土俵に入っても、ぶつかり稽古にとどめていたが、この日から申し合いを開始。幕下以下の若い衆と15番ほど取った。「約2週間ぶりだったけど特に悪かったところもなく鈍ってもいない。ここから番数を増やしたいと思う」と今後を見据え「部屋には幕下(以下)しかいない。立ち合いとか、その後の流れとかも全然違うので、いろいろな関取衆と(稽古)できるチャンス」という、関取衆との合同稽古に備えるという。

そんな朝乃山が、自分への変化を求めたのが「苦手」と自認する頭を使うこと。立ち合いで思い切り頭からぶちかます-ではない。「15日間(本場所で)やる相手は全員、タイプが違う。その中で相手に対して、どうやって攻めるとかを変えていかないといけない。出稽古が出来ない分、頭を使わないといけない」と説明した。自分の武器である得意の形も「そう簡単に(相手が)右四つにさせてくれない。させてくれない時の対処法、右四つになるまでどう攻めるか工夫しないといけない。出稽古が出来ない状況で、やっぱり頭を使うべき」と何度も「頭」を繰り返した。

それは4連敗中の“天敵”ともいえる関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)対策にも通じる。ちょうど1年前は、自分が大関を目指した時期で、その1年後の今は照ノ富士が大関復帰にリーチをかけた状況。この1年間で4連敗した相手には、相四つの「右四つがっぷりになれば相手の方が一回り大きいから胸を合わせると勝てない。下から下から攻めるとか、上手を取らせないとか」と、自分本位でなく相手の得意にさせない体勢作りを頭でイメージ。当たって土俵際まで押し込んだ昨年9月の秋場所を頭に思い描きながら話した。一方で自分が左上手を取れず上体が起き胸を合わされ、さらに相手に先に上手を取られ敗れたシーンも脳裏に残る。「そう簡単にはいかない。勝てないと言うことは何かが弱い、足りないということ」と話しつつ「自分の相撲を貫き通すしかない」と気丈さは失わなかった。

こう熱っぽく話す相撲いちずな朝乃山にも、ほっと心和ますひとときがある。ファンからの応援だ。昨年は段ボール2箱のチョコレートやプレゼントが届いたバレンタインデーが近づく。そこは本場所になぞらえ「(2月に入って)まだ9日目なんで。まだ時間があります」と、プレゼント攻勢もすっかり慣れたもの? 最近では受験を控えた女子校生から「朝乃山関の取組を見ると元気が出るので私も受験頑張ります」というファンレターが印象に残っているという。「自分の相撲を見ていただいて元気がもらえるなら、自分もより一層、頑張りたい。お客さんが頑張れるならうれしい」と、これからも土俵からメッセージを伝えるつもりだ。春場所の番付発表日(3月1日)が27歳の誕生日。「年でいうと中堅の部類に入る。大関として優勝したい気持ちが一番、強い」と“中堅頭脳派”を目刺し力強く締めくくった。

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熱海富士デビュー2場所で序ノ口V 決定戦を制す

優勝決定戦を制し序ノ口優勝した熱海富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

熱海富士(18=伊勢ケ浜)は、序ノ口6勝1敗の3人による決定戦を制して優勝。昨年11月の前相撲デビューからわずか2場所目で1冠目を得た。

東序ノ口25枚目の熱海富士は、本割で敗れた荒馬(24=伊勢ノ海)を押し出し、東照錦(22=錦戸)を寄り倒して初優勝。「1勝目で緊張がほぐれて、2番目は自分の相撲を取れた」。兄弟子の照ノ富士から「緊張しないでいけば大丈夫」と言われ、「それで気合が入った」と振り返った。今春に卒業式を控える高校3年生は「来場所も、その次も優勝して、関取になりたい」と力を込めた。

序ノ口優勝の熱海富士(代表撮影)

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審判部長「当然」照ノ富士の春場所での大関とり明言

大栄翔(左)に優勝旗を渡す伊勢ケ浜審判部長(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

関脇照ノ富士が、春場所での大関とりへ勢いをつけた。右上手を取って明生の動きを止め、左を差して豪快なすくい投げで11勝目。白星が条件だった技能賞を獲得し「良かったと思う。うれしいです」と話した。先に獲得を決定させていた大栄翔と翠富士に続く獲得となり、史上初となる3人の技能賞獲得を演出した。

小結だった昨年11月場所で13勝し、計24勝。大関昇進の目安「三役で3場所33勝」に9勝と迫った。伊勢ケ浜審判部長は、春場所が大関とりの懸かる場所になることを明言。内臓疾患や両膝の負傷により、大関から序二段にまで番付を落とした苦労人が、再び大関の座を射止めようとしている。「来場所も1日一番集中したい」と引き締めた。

明生(右)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

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“地味キャラ”大栄翔テッポウで大きな手鍛え初賜杯

優勝インタビューで笑顔を見せる大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が初優勝を果たした。勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる可能性もあった大一番で、隠岐の海を突き出して13勝目。埼玉県出身では初、追手風部屋としても初めての優勝となった。3度目の殊勲賞、初の技能賞も獲得。“地味キャラ”とも呼ばれた実力者が、両横綱不在、綱とりに挑んだ大関貴景勝が不振となった場所で主役を張った。初場所は6年連続で初優勝力士誕生となった。

   ◇   ◇   ◇

歓喜の瞬間を迎えても、険しい表情はあえて崩さなかった。大栄翔の顔は、自身の赤い締め込みのように紅潮したまま。勝ち名乗りを受けて花道に引き揚げると、師匠の追手風親方(元前頭大翔山)が待っていた。「うれしさよりも緊張感があった。(師匠に)『おめでとう』と言われてうれしかった」。張り詰めていた感情の糸が、緩んだ瞬間だった。

勝てば優勝が決まる大一番で、会心の相撲を見せた。立ち合いから隠岐の海の差し手をはね上げ、左右ののど輪で一方的に引かせた。「自分の相撲を取りきるしかない。迷いなくいった」。初日から7日連続で役力士を破った突き押しは、千秋楽も健在だった。

脚光を浴び続ける相撲人生ではなかった。むしろ、実績の割には地味な印象が先行していたかもしれない。同部屋には幕内屈指の人気を誇る遠藤がいて、仲のいい貴景勝や、同学年の朝乃山は看板力士に成長。身近な存在が先を行くことが多かった。新十両会見では師匠の追手風親方に「声をもっと張れよ」と怒られるなどシャイな一面もあるが、地道に稽古を重ねる我慢強さはあった。

高校相撲の名門、埼玉栄高でレギュラーをつかんだのは3年で、2年までは補欠でちゃんこ番。同校相撲部の山田道紀監督は「文句を言わず黙々と稽古していた。芯が強い。控えの後輩の教材になっていた」と振り返る。「うちは弱い子にはテッポウをさせる。大栄翔もずっとテッポウをやっていた」と同監督。地道にテッポウ柱を打ち続けた手のひらは分厚い。もともと手は大きく、中2でサイズの合う手袋がなくなった。母恵美子さんによると、古い友人に「キャッチボールの時はグローブがいらないね」とからかわれたことも。突き押しの威力は大きな手を介して確実に伝えた。

自身を含めて関取6人を誇る部屋では、稽古相手に不足はなかった。感染対策で出稽古が禁止され、調整の難しさを漏らす関取もいる一方で「恵まれていると思う。(突っ張りの)回転の良さは申し合いで積み重ねることが大事なので」。コロナ禍だからこその“アドバンテージ”が生きた。

昨年は全5場所で優勝力士が異なり、新年最初の場所も6年連続で初優勝力士が誕生した。“戦国時代”まっただ中の角界で、大関昇進の期待もかかる。「期待に応えられるように頑張りたい」。資質は証明済み。磨いた突き押しの威力を、これからも信じ続ける。【佐藤礼征】

<大栄翔アラカルト>

◆埼玉初 埼玉県出身の力士では初めて。他に優勝がないのは宮城、福井、岐阜、静岡、滋賀、京都、和歌山、島根、徳島、宮崎、沖縄で11府県。

◆平幕優勝 昨年7月場所の照ノ富士以来、平成以降では13例目。

◆アベック優勝 十両で同部屋の剣翔が優勝。幕内、十両のアベックVは05年九州場所の高砂部屋(幕内朝青龍、十両闘牙)以来。1場所15日制が定着した49年夏場所以降では19例目。

◆埼玉栄高 豪栄道、貴景勝に続いて3人目。

◆平成生まれ 照ノ富士、御嶽海、貴景勝、朝乃山、正代に続き6人目。

大栄翔(左)は隠岐の海を突き出しで破り幕内優勝を決める(撮影・小沢裕)
隠岐の海(後方左)を突き出しで破り幕内優勝した大栄翔(撮影・鈴木正人)
隠岐の海(左)を激しく攻める大栄翔(撮影・河田真司)
花道を引き揚げる大栄翔(撮影・鈴木正人)

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大栄翔、埼玉県勢で初優勝決める!/千秋楽写真特集

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔が、悲願の初優勝を果たした。単独先頭で迎えた千秋楽、勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる大一番で。隠岐の海を突き出して13勝目。立ち合いから圧倒する完璧な相撲内容で、歓喜の瞬間を迎えた。埼玉県勢では初、追手風部屋勢でも初めての優勝。昨年は全5場所で異なる優勝力士が誕生したが、2021年も“角界戦国時代”を象徴するような幕開けとなった。大栄翔は殊勲賞、技能賞も獲得。両横綱が不在、綱とりに挑んだ大関貴景勝が不振だった場所で主役を張った。

正代は結びで朝乃山との大関対決に敗れ、11勝4敗で今場所を終えた。2度目の優勝こそ逃したものの、初のかど番場所で千秋楽まで優勝争いに絡んで存在感を示した。同じく初めてのかど番を乗り越えた朝乃山は、11勝4敗で今場所を終えた。

大関復帰を目指す関脇照ノ富士は、明生を退けて11勝目を挙げた。返り三役の昨年11月場所では13勝。大関とりが懸かる3月の春場所に向けて、弾みをつける1勝となった。

三賞受賞者は大栄翔以外では、照ノ富士と新入幕の翠富士の2人が技能賞を獲得した。

場所直前に約900人を大将に実施した新型コロナウイルスのPCR検査の結果、力士65人を含む協会員83人が初日から休場。白鵬と鶴竜の両横綱が3場所連続で初日から不在となるなど、混沌(こんとん)とした場所が終わった。

八角理事長(手前)から内閣総理大臣杯を受け取る大栄翔(撮影・鈴木正人)

優勝インタビューで笑顔を見せる大栄翔(撮影・河田真司)

表彰式に臨む大栄翔(左)

千秋楽の熱戦を写真で振り返ります。

幕内

朝乃山押し出し正 代

朝乃山(手前)との取組中、式守伊之助(左)にぶつかる正代(撮影・鈴木正人)

朝乃山(奥)に押し出される正代(左)を回避できず接触してしまう行司の式守伊之助(撮影・河田真司)

朝乃山(左から2人目)は正代を押し出しで破る。行司の式守伊之助(左)は土俵に押し出されたが、履いていた草履は残っていた(撮影・小沢裕)

正代 相手の圧力に負けて下がってしまった。そこがいけなかった。(大栄翔が先に優勝を決めたが)先に決められた方が気は楽だった。何とか勝てるように気持ちを作っていったが、最後の一番としては後味が悪い。また頑張ります。

照ノ富士すくい投げ明 生

明生(右)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

高 安はたき込み隆の勝

高安(左)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・河田真司)

高安(後方)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・鈴木正人)

隆の勝 最後の相撲に勝ててよかった。(大栄翔の優勝は)刺激になります。

霧馬山押し出し御嶽海

霧馬山(左)を押し出す御嶽海(撮影・河田真司)

御嶽海 来場所につながる一番と思ったんで、しっかり勝ててよかった。15日間、何とか体がもったかなと思います。目標の2桁にあと1番が遠かったが、来場所に向けてまた頑張ります。

北勝富士押し出し逸ノ城

逸ノ城(左)を押し出しで破る北勝富士(撮影・河田真司)

隠岐の海突き出し大栄翔

隠岐の海(左)を激しく攻める大栄翔(撮影・河田真司)

隠岐の海(左)を突き出しで破り、幕内優勝を決める大栄翔(撮影・河田真司)

隠岐の海を突き出しで破り、勝ち名乗りを受ける大栄翔(撮影・河田真司)

大栄翔 (優勝インタビュー)自分の相撲を取りきるしかない。悔いがないよう、思い切りいこうと迷わずいきました。本当うれしさしかない。よかったです、本当に。(賜杯は)あんなに重いとは思わなかった。びっくりしている。

宝富士寄り倒し志摩ノ海

宝富士(奥)を寄り倒しで破る志摩ノ海(撮影・河田真司)

志摩ノ海 根負けしなかった。頭上げず、我慢していけと稽古場で師匠(木瀬親方)に言われるが、それを実行できたと思う。

琴勝峰勇み足佐田の海

琴勝峰(右)は佐田の海の勇み足で白星(撮影・鈴木正人)

豊昇龍寄り倒し阿武咲

豊昇龍(下)を寄り倒しで破る阿武咲(撮影・河田真司)

阿武咲 終始落ち着いて相撲がとれた。最後のいい相撲で締めくくれてよかった。

栃ノ心寄り切り照 強

照強(左)は寄り切りで栃ノ心を破る(撮影・小沢裕)

琴恵光押し出し玉 鷲

玉鷲(左)に押し出される琴恵光(撮影・河田真司)

玉鷲 (歴代7位タイの通算連続1316回出場を白星で飾り)記録は気にしていないし考えていない。しっかりやり続ければこういう感じになる。人がどう思うかで、自分からはあまり言えない。

遠 藤寄り切り琴ノ若

琴ノ若(右)を寄り切りで破る遠藤(撮影・河田真司)

琴ノ若 (勝てば敢闘賞の一番に敗れ)自分の力不足なので、しっかり受け止めたまた稽古を積みたい。

竜 電押し出し碧 山

竜電(左)を押し出し出しで破る碧山(撮影・河田真司)

明瀬山押し出し

1回目の取組で同体となる輝(左)と明瀬山(撮影・河田真司)

明瀬山と輝の一番で物言いがつき協議する審判団(撮影・小沢裕)

明瀬山(右)を押し出しで破る輝(撮影・鈴木正人)

 (物言いで同体取り直しの末に勝利)どっちかなという感じで、もう一番あってもいいように気持ちを切らさずにいった。2番目の相撲は自分らしく攻めていけた。ああいう相撲をとれたら来場所につながる。

翠富士肩透かし翔 猿

翔猿(右)を肩すかしで破る翠富士(撮影・河田真司)

翔猿 (6勝9敗で終わり)ちょっとダメだったスね。まだまだ安定していない。自分の相撲を磨いていきたいです。

徳勝龍押し出し大翔丸

徳勝龍(右)を押し出しで破る大翔丸(撮影・鈴木正人)

豊 山押し出し妙義龍

豊山(左)を押し出しで破る妙義龍(撮影・河田真司)

妙義龍 いつもより緊張しましたね。(千秋楽)7勝7敗は何回もあるが、勝つと負けるでその後が全然違う。勝ち越せたのは大きい。

天空海押し出し英乃海

天空海(左)を押し出しで破る英乃海(撮影・鈴木正人)

英乃海に押し出しで敗れた天空海(撮影・河田真司)

大相撲初場所千秋楽の幕内土俵入り(撮影・河田真司)

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照ノ富士「1日一番」大関とりへ弾みの11勝も淡々

明生(右)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

大関復帰を目指す関脇照ノ富士は、明生を退けて11勝目を挙げた。返り三役の昨年11月場所では13勝。大関とりが懸かる3月の春場所に向けて、弾みをつける1勝となった。

   ◇   ◇   ◇

照ノ富士は明生を下して自身3度目の技能賞を獲得した。右上手を取って相手の動きを止め、左を差して豪快なすくい投げで11勝目。

大関とりへの足固めを作った春場所に向けて、さらに勢いに乗る白星となったが「来場所も1日一番に集中したい」と引き締めた。技能賞獲得も「良かったと思う。うれしいです」と淡々と話すなど、浮かれることはなかった。

明生(左)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・河田真司)

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大栄翔が悲願のV “角界戦国時代”象徴する幕開け

大栄翔(左)は隠岐の海を突き出しで破り幕内優勝を決める(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔が、悲願の初優勝を果たした。

単独先頭で迎えた千秋楽、勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる大一番で。隠岐の海を突き出して13勝目。立ち合いから圧倒する完璧な相撲内容で、歓喜の瞬間を迎えた。埼玉県勢では初、追手風部屋勢でも初めての優勝。昨年は全5場所で異なる優勝力士が誕生したが、2021年も“角界戦国時代”を象徴するような幕開けとなった。大栄翔は殊勲賞、技能賞も獲得。両横綱が不在、綱とりに挑んだ大関貴景勝が不振だった場所で主役を張った。

正代は結びで朝乃山との大関対決に敗れ、11勝4敗で今場所を終えた。2度目の優勝こそ逃したものの、初のかど番場所で千秋楽まで優勝争いに絡んで存在感を示した。同じく初めてのかど番を乗り越えた朝乃山は、11勝4敗で今場所を終えた。

大関復帰を目指す関脇照ノ富士は、明生を退けて11勝目を挙げた。返り三役の昨年11月場所では13勝。大関とりが懸かる3月の春場所に向けて、弾みをつける1勝となった。

三賞受賞者は大栄翔以外では、照ノ富士と新入幕の翠富士の2人が技能賞を獲得した。

場所直前に約900人を大将に実施した新型コロナウイルスのPCR検査の結果、力士65人を含む協会員83人が初日から休場。白鵬と鶴竜の両横綱が3場所連続で初日から不在となるなど、混沌(こんとん)とした場所が終わった。

明生(左)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・河田真司)

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大栄翔Vに花添えた…役力士総なめで殊勲賞と技能賞

大栄翔(左)は隠岐の海を突き出しで破り幕内優勝を決める(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

日本相撲協会は24日、両国国技館内で大相撲初場所の三賞選考委員会を開き、千秋楽の全取組が終了したことで受賞力士が確定した。

殊勲賞は、13勝2敗で初優勝を遂げた西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が受賞した。役力士総なめなど最後まで優勝争いを引っ張ってきたことが評価され、昨年の7月場所以来、3度目の受賞(三賞通算も3回目)となった。

敢闘賞は該当者なしに終わった。西前頭15枚目の琴ノ若(23=佐渡ケ嶽)と、同16枚目の明瀬山(35=木瀬)は、千秋楽で勝てば初受賞だったが、ともに敗れて受賞を逃した。

技能賞の候補3人も、いずれも条件付きだったが、いずれも勝って受賞した。大栄翔は優勝した場合の条件付きだったが、本割で自力Vを決め初の技能賞を受賞(三賞は殊勲賞3回を含め通算4つ目)。関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)は勝てば受賞の条件をクリアし2場所連続3回目の技能賞を受賞(三賞は殊勲賞2回、敢闘賞3回を含め通算8つ目)。新入幕で西前頭14枚目の翠富士(24=伊勢ケ浜)も千秋楽の翔猿戦で、今場所5回目となる肩透かしで勝ち9勝目をマーク。技能相撲が評価され初の三賞となる技能賞を受賞した。なお技能賞を3人が受賞するのは初めてとなった。

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熱海富士が序ノ口V、兄弟子らと取組見直し実を結ぶ

優勝決定戦を制し序ノ口優勝した熱海富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

熱海富士(あたみふじ、18=伊勢ケ浜)が6勝1敗で序ノ口優勝を果たした。

優勝決定ともえ戦で、荒馬と東照錦を連破して初の各段優勝。「荒馬には本割で負けたけど、決定戦で勝てて良かった」と笑顔。部屋の兄弟子らと一緒に、本割で負けた取組を何度も見直して臨んだという。静岡・飛龍高出身の有望株は、兄弟子の関脇照ノ富士を目標にしている。「将来の目標は横綱」と意気込んだ。

◆東25枚目 本名・武井朔太郎。静岡県熱海市出身。20年11月場所初土俵。185センチ、166キロ。右四つ、寄り。

序ノ口優勝決定戦のともえ戦で2勝し、優勝を決めた熱海富士(撮影・河田真司)
序ノ口優勝の熱海富士(代表撮影)

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衰え知らぬ大栄翔の押し、結果自ず/大ちゃん大分析

玉鷲(左)を勢いよく攻める大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇14日日◇23日◇東京・両国国技館

あの玉鷲を慌てさせた大栄翔の押しの強さは、衰え知らずで千秋楽を迎えそうだ。

土俵際まで押し込んだ後、引いて呼び込んだが悪い引きではない。流れの中の引きで、逆に玉鷲は上体だけの反撃だから足が十分に送れず、押し込んでいた分、大栄翔には後ろの土俵に余裕があった。引き足も弾むような運びで体が動いている証拠だ。優勝争い最終盤で体がガチガチになっている様子もない。

一方の正代は悪い癖があだとなったな。照ノ富士相手に引いては、終盤で見せた神懸かり的な逆転勝利は無理だ。立ち合いも高く起きているし、中に入って攻めきれなかった。というより照ノ富士の執念が見事だった。

単独トップで千秋楽を迎える大栄翔の相手は隠岐の海。同じ左四つの宝富士に負けている。そこの攻防もポイントになるが、変に意識して右を固めて…などと思わないことだ。ここまで貫いた突き押しに徹すれば自ずと結果はついてくる。(元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

懸賞金を受け取る大栄翔(撮影・鈴木正人)

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宇良はクルリ、霧馬山まわしが…/14日目写真特集

<大相撲初場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭大栄翔が、単独首位に立って初優勝に王手をかけた。過去6勝8敗と合口の悪い玉鷲相手に、得意とする強烈な突き押しで勝負。土俵際に追い込むも、玉鷲の押しに引いてしまった。土俵際に追い込まれる形となったが、慌てることなくはたき込みではわせた。自己最多の12勝目を挙げた。

結びの一番前に登場した大関正代は、関脇照ノ富士と白熱した取組を披露。何度も土俵際に追い込み、照ノ富士の体勢を何度も崩したが、あと1歩及ばず。最後は照ノ富士のはたき込みに屈した。3敗に後退し、1差で大栄翔を追いかける展開となった。

大関復帰を目指す照ノ富士は、10勝目を挙げて2場所連続の2桁白星。春場所での大関とりに向けて、足固めを作った。結びの一番では、大関朝乃山が明生を下して10勝目を挙げた。

14日目の熱戦を写真で振り返ります。

幕内

朝乃山(10勝4敗)突き落とし明生(8勝6敗)

明生(左)を突き落としで破る朝乃山(撮影・河田真司)


照ノ富士(10勝4敗)叩き込み正代(11勝3敗)

★正代「何度か土俵際でチャンスがあったが、そこで決めきれなかった。最後はスタミナ負けというか、足から崩れてしまった。まだまだ課題はいっぱいある。終わったことなので引きずらないようにできたらいい。(千秋楽は1差)とりあえずあと2番取るくらいの気持ちで、ここで集中を切らさないようにしたい。(優勝を逃した昨年初場所も14日目に幕尻優勝の徳勝龍に黒星)初場所の14日目は鬼門ですね」

正代(後方)の攻めを耐える照ノ富士(撮影・鈴木正人)

正代(右)をはたき込みで破る照ノ富士(撮影・河田真司)

照ノ富士に敗れ3敗目を喫し、険しい表情で土俵から引き揚げる正代(撮影・河田真司)


隠岐の海(7勝7敗)叩き込み隆の勝(8勝6敗)

☆隆の勝「落ち着いて回り込めたかなと思う。危なかった。今場所そんなに気持ちが落ちることなく白星が先行できていた。余裕があった。(勝ち越しは)自信になる。うれしく思います」

正代(右)をはたき込みで破る照ノ富士(撮影・河田真司)


遠藤(6勝8敗)寄り切り御嶽海(8勝6敗)

翠富士(左)を寄りきりで破る遠藤(撮影・鈴木正人)


高 安(9勝5敗)寄り切り輝(5勝9敗)

輝(左)を寄り切りで破る高安(撮影・河田真司)


玉鷲(5勝9敗)叩き込み大栄翔(12勝2敗)

☆大栄翔「今日も立ち合いが良かった。前に出られて良かった。(結果ははたき込みでの勝利だが)前には出られている。流れの中のはたき。そこは自分の中では大丈夫。(優勝争いの重圧)いい感じの緊張感でやれている。その中で取るのは大変なことだけど頑張っていきたい。(千秋楽へ)あした最後なので思い切り自分の相撲を取ることが一番。気持ちを強く持って、自分の相撲を取りきりたい。変にかたくなって負けてしまうことは後悔が残る。取るなら思い切り自分の相撲を取った方が悔いはない」

玉鷲(手前)をはたき込みで破る大栄翔(撮影・河田真司)

玉鷲(右)をはたき込みで破る大栄翔(撮影・鈴木正人)

玉鷲をはたき込みで破り、勝ち名乗りを受ける大栄翔(撮影・河田真司)


北勝富士(6勝8敗)押し出し碧山(5勝9敗)

☆北勝富士「本当に負け越して吹っ切れた。本来の動きができるようになった。しっかり前に圧力をかけて、我慢して我慢して取れた」

碧山(左)を押し出しで破る北勝富士(撮影・鈴木正人)


宝富士(9勝5敗)寄り切り逸ノ城(9勝5敗)

宝富士(奥)に寄り切りで敗れる逸ノ城(撮影・河田真司)


志摩ノ海(8勝6敗)寄り切り阿武咲(8勝6敗)

★阿武咲「気持ちでは思い切って先手、先手でいきたかったが、低さ負けですかね」

阿武咲(左)を寄り切りで破る志摩ノ海(撮影・河田真司)


琴勝峰(1勝13敗うっちゃり照強(6勝8敗)

琴勝峰(奥)をうっちゃりで破る照強(撮影・河田真司)

琴勝峰(左)をうっちゃりで破る照強(撮影・河田真司)

琴勝峰(左)をうっちゃりで破る照強(撮影・河田真司)


栃ノ心(4勝10敗)寄り切り明瀬山(9勝5敗)

☆明瀬山「胸借りるつもりで思い切り当たりました。相手はずっと幕内張って、優勝経験して、大関にもなったんで格上じゃないですか。ダメだったらしょうがないと目いっぱい、いきました」

栃ノ心(右)を寄り切りで破る明瀬山(撮影・河田真司)


竜電(4勝10敗)小手投げ天空海(5勝9敗)

☆天空海「圧力がちょっとは伝わったかな。差されても落ち着いて考えて動けた。(千秋楽は幕内に)残るとか残れないは関係なく、いい相撲をとりたい」

竜電(左)を小手投げで破る天空海(撮影・河田真司)


豊昇龍(9勝5敗)送り出し翔猿(6勝8敗)

翔猿(左)を送り出しで破る豊昇龍(撮影・河田真司)


翠富士(8勝6敗)押し出し霧馬山(8勝6敗)

☆霧馬山「(まわし待ったもあり)長かったですね。我慢してとって勝ってよかった」

霧馬山(右)のまわしが外れ、締め直す行司の式守勘太夫(撮影・河田真司)

霧馬山(中央)のまわしを締めあげる式守勘太夫(撮影・鈴木正人)

翠富士(右)を押し出しで破る霧馬山(撮影・河田真司)


徳勝龍(3勝11敗)押し出し佐田の海(5勝9敗)

☆徳勝龍「(9連敗から脱出し)調子が悪いなら調子が悪いなりにやらないとダメ。気持ちだけは切れないように、強い気持ちを持ってどんどんやるしかないという感じだった」

佐田の海(右)を押し出しで破る徳勝龍(撮影・鈴木正人)


琴恵光(6勝8敗)寄り切り妙義龍(7勝7敗)

妙義龍(左)は寄り切りで琴恵光を破る=(撮影・小沢裕)


豊山(7勝7敗)押し倒し琴ノ若(10勝4敗)

☆琴ノ若「休まず動いたのがよかった。(2桁10勝目は)一番一番しっかり力を出し切ることだけを考えてやっている。その中でしっかり体が動いたのが、少しずつつながったのかなと思う」

★豊山「止まったところが全てだった。止まる前に勝負を決めたかった。あと一番なので全部出し切って終わりたいと思う」

豊山(左)を押し倒しで破る琴ノ若(撮影・河田真司)

十両

東龍(6勝8敗)押し出し宇良(10勝4敗)

宇良(左)は居反り狙いのような体勢で東龍の下に潜り込む(撮影・小沢裕)

東龍(左)に居反りを仕掛ける宇良(撮影・鈴木正人)

東龍(奥)を攻める宇良(撮影・河田真司)

東龍(左)を押し出しで破る宇良(撮影・河田真司)

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