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照ノ富士悲痛「ゼロから…」昭和以降4人目十両陥落

大奄美(左)に寄り切りで敗れ無念の表情を見せる照ノ富士(撮影・野上伸悟)

<大相撲初場所>◇12日目◇25日◇東京・両国国技館


 照ノ富士の、来場所の十両陥落が確実となった。かつての力強さをまるで見せることができないまま、大奄美に寄り切りで敗れて0勝5敗7休となった。「見ての通り。気持ちは思い切ってやりたいけど…」と、193センチ、178キロの大きな体をすぼめて話した。遠い1勝についてはしばらく黙った後に「頑張ります」と、必死で前を向いた。

 今場所は2型糖尿病で3日目から休場し、その後インフルエンザにかかってさらに休場が長引いた。前日11日目に9日ぶりに再出場したが連敗。幕内に残るために必要最低限の4勝に届かなかった。昭和以降で大関から十両まで番付を落としたのは大受、雅山、把瑠都と過去3人。「もう1回体をゼロから鍛え直したい」と前を向いた。

十両へ陥落した元大関

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元大関の照ノ富士、来場所の十両陥落が確実に 

大奄美(左)に寄り切りで敗れ無念の表情を見せる照ノ富士(撮影・野上伸悟)

<大相撲初場所>◇12日目◇25日◇両国国技館


 元大関で東前頭10枚目の照ノ富士(26=伊勢ケ浜)が、来場所の十両陥落が確実となった。かつての力強さをまるで見せることができないまま、大奄美に寄り切りで敗れて0勝5敗7休となった。

 2型糖尿病とインフルエンザから、前日11日目に9日ぶりに再出場したが連敗。幕内に残るために必要最低限の4勝に届かなかった。

 昭和以降では大受、雅山、把瑠都に次いで4人目となる元大関の十両陥落ということになった。

大奄美(左)に寄り切りで敗れる照ノ富士(撮影・野上伸悟)

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栃ノ心1敗守る、鶴竜は遠藤に敗れて2敗目 初場所

玉鷲(左)を寄り切りで下す栃ノ心(撮影・野上伸悟)

<大相撲初場所>◇12日目◇25日◇東京・両国国技館


 7場所ぶり4度目の優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)は、前頭5枚目の遠藤(27=追手風)に押し出され2連敗となった。遠藤は7勝5敗で勝ち越しに王手をかけた。

 大関同士の一番は高安(27=田子ノ浦)が、豪栄道(31=境川)を突き出して9勝3敗。豪栄道は6勝6敗となった。

 前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)は、関脇玉鷲(33=片男波)をもろ差しから寄り切って11勝1敗と星を伸ばした。1敗で並んでいた横綱鶴竜が敗れたため、平幕栃ノ心が優勝争いの単独トップに立った。玉鷲は8敗目で負け越し。

 関脇御嶽海(25-出羽海)は、前頭5枚目隠岐の海(32=八角)に突き出され5敗目を喫した。隠岐の海は4勝8敗。

 11日目から再出場の前頭10枚目照ノ富士(26=伊勢ケ浜)は、同17枚目大奄美 (25=追手風)に寄り切られ5敗7休となった。

 10日目から再出場の西前頭10枚目安美錦(39=伊勢ケ浜)は、同13枚目豪風(38=尾車)に突き出され8敗目(1勝3休)を喫した。豪風は4勝8敗。

 優勝争いは1敗で平幕の栃ノ心、2敗で鶴竜、3敗で高安が続く展開となった。

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鶴竜が初黒星、栃ノ心1敗守りトップ並ぶ 初場所

鶴竜は1敗を喫し座布団の舞う中、がっくりした表情を見せる(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇11日目◇24日◇東京・両国国技館


 単独トップに立っていた横綱鶴竜(32=井筒)に土がついた。関脇玉鷲(33=片男波)と突っ張り合いになり、引いたところを押し出された。

 1敗で追っていた前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)は、前頭6枚目宝富士(30=伊勢ケ浜)に土俵際での逆転の突き落としで勝ってトップに並んだ。物言いがつく微妙な一番だった。

 2敗だった前頭13枚目大栄翔(24=追手風)は、同16枚目竜電(27=高田川)に寄り切られて3敗に後退した。

 大関高安(27=田子ノ浦)は前頭5枚目隠岐の海(32=八角)を突き出して勝ち越しを決めた。大関豪栄道(31=境川)は前頭4枚目荒鷲(31=峰崎)に小手投げで敗れ6勝5敗となった。

 人気力士の前頭5枚目遠藤(27=追手風)は同9枚目千代丸(26=九重)にはたき込まれて6勝5敗となった。

 糖尿病などで3日目から休場していた前頭10枚目照ノ富士(26=伊勢ケ浜)が再出場したが、前頭15枚目石浦(26=宮城野)の変化で送り出され4敗7休となった。

 優勝争いは1敗で鶴竜、栃ノ心、2敗はいなくなった。

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照ノ富士が再出場 親方「稽古もしている」

照ノ富士


 大相撲初場所3日目から休場していた、東前頭10枚目の照ノ富士(26=伊勢ケ浜)が、11日目から再出場することが決まった。照ノ富士は当初「2型糖尿病」で休場し、その後、インフルエンザを発症していた。

 10日目まで、3日目の不戦敗を含めて3敗7休となっており、再出場がなければ3月の春場所は十両陥落が確実だった。11日目の相手は石浦に決まった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)はこの日「(古傷の)ひざはもともと良くなってきていた。血糖値が急激に上がっていたが、今は薬などで下がってきた。稽古もしている。出るからには、どこが痛いとかは言っていられない」と話していた。

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安美錦が休場、骨にヒビも再検査で再出場の可否判断

安美錦が休場し、魁聖は不戦勝となる(撮影・狩俣裕三)

<大相撲初場所>◇6日目◇19日◇東京・両国国技館


 西前頭10枚目安美錦(39=伊勢ケ浜)が19日の6日目から休場した。

 「右脛骨(けいこつ)骨挫傷、右関節血症により約2週間の安静を要する見込み」との診断書を提出。5日目の平幕の千代の国戦で右膝を負傷した。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)によると骨にひびが入っているが、医師からは炎症が治まれば出場できると言われたという。「本人は『出たい』と言っている」といい、22日(月曜日)に再検査をして再出場するかどうかを決める。さらに、糖尿病で休場中の東前頭10枚目照ノ富士(26=伊勢ケ浜)が、インフルエンザにかかったことも明かし「血糖値は下がっている。来週の火曜日に検査して安定すれば出る可能性はある」と話した。

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鶴竜6連勝“無給場所”でも「人生かけてやってる」

鶴竜は琴奨菊(右)を寄り切りで下し初日から6連勝を飾る(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇6日目◇19日◇東京・両国国技館


 白鵬に続き、稀勢の里も消えたが、横綱鶴竜(32=井筒)は6連勝だ。元大関の琴奨菊の強烈な押し込みを巧みにしのぎ、寄り切った。4場所連続休場明けの“進退場所”で、元横綱日馬富士関の暴行事件に関連し、無給となった場所で大奮闘。2度目の優勝を飾った15年秋場所以来の1人横綱で、16年九州場所以来4度目の賜杯に突き進む。関脇御嶽海、平幕の栃ノ心と朝乃山も全勝を守った。

      ◇       ◇

 琴奨菊のがぶりを、突進を、鶴竜が3度しのいだ。立ち合いすぐつかんだ右上手の1枚まわし。伸びてたわみ、ぐらぐらしても、自分より23キロ重い巨体を操った。最後は左下手でまわしをつかみ、勝負どころで体をくっつけ、寄り切った。時間のかかった6勝目。早い勝負が理想だが「悪い中でも自分の相撲を取るのが大事だから」。激しい1番を平然と振り返った。

 元横綱日馬富士関の貴ノ岩への暴行現場に居合わせながら、騒ぎを止められなかったため、1場所無給の処分を受けた。しかし、気にするはずもない。「自分の人生をかけてやっていることだから」。お金はプロの値打ちであって、生きがいではない。

 昨年は全6場所中、春以外の5場所を休んだ。自分以外の3横綱が優勝を独占した。蚊帳の外だった悔しさ。「それはもちろんある。それを今年にぶつけたいと思う」。両足首負傷から復活の手応えを得た、昨年九州場所の直前に腰痛を発症。「また休まなきゃダメなのか?」。まともに動けぬ10日間で気持ちを切り替え、体を絞った。今は食後で155キロ。3キロ減で腰に優しい体になった。

 前日の白鵬に次いで、この日は稀勢の里が休場を決めた。「そういうのは気にしないようにね」。1人横綱になるのは、15年秋場所以来。日馬富士(当時)が全休、白鵬が3日目から抜けて、12勝3敗で照ノ富士との決定戦を制し、優勝した。場所前“最も危ない”と目された男の6連勝。風は鶴竜に吹き始めた。【加藤裕一】

懸賞の束を手に引き揚げる鶴竜(撮影・狩俣裕三)

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安美錦休場 右足骨にヒビも再出場の可能性あり

5日目に千代の国に敗れ、足をケガした安美錦(右)は付け人の背中を借りて引き揚げる(撮影・狩俣裕三)


 大相撲の西前頭10枚目安美錦(39=伊勢ケ浜)が、初場所を6日目の19日から休場することが決まった。

 「右脛骨(けいこつ)骨挫傷、右膝関節血症により約2週間の安静を要する見込み」との診断書を提出し、16年名古屋場所以来10度目の休場となった。

 前日5日目に平幕の千代の国に敗れた際に「『ゴリゴリ』といった」と痛めていた。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「靱帯(じんたい)ではなく骨にヒビが入った」と説明。ただ重度のヒビではなく医師からは「炎症が止まれば出られないこともない」と言われたという。22日(月曜)に再検査し、炎症が治まれば再出場の可能性もあるという。

 さらに伊勢ケ浜親方は、糖尿病により大相撲初場所を3日目から休場している東前頭10枚目の照ノ富士(26=伊勢ケ浜)が、5日目の18日にインフルエンザにかかったことも明かした。血糖値も下がり、膝の状態も良くなっているといい「(来週の)火曜日に血糖値も安定すれば」と11日目から再出場する可能性をほのめかした。

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照ノ富士は糖尿病で休場、入院の可能性 十両陥落も

照ノ富士の休場により大翔丸の不戦勝が告げられる(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇3日目◇16日◇東京・両国国技館


 初日から2連敗した東前頭10枚目の照ノ富士(26=伊勢ケ浜)が16日の3日目から休場した。

 「2型糖尿病で約1週間程度の療養を要す」との診断書を提出し4場所連続5度目の休場となった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「場所中に血糖値が高くなり今も高い。落ち着けば再出場するかもしれない」とする一方で「入院の可能性もある」と説明。再出場しなければ来場所の十両陥落は確実で、昭和以降で元大関の十両陥落は大受、雅山、把瑠都に続き4人目となる。この日の対戦相手の大翔丸は不戦勝。今場所の幕内の休場者は初で、十両以上では4人目。

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元大関の平幕照ノ富士が休場 古傷の左膝痛で不振

照ノ富士


 大相撲の元大関で東前頭10枚目の照ノ富士(26=伊勢ケ浜)が、東京・両国国技館で行われている初場所を休場することが16日、決定した。照ノ富士は、大関から陥落した昨年11月の九州場所を、古傷の左膝負傷の影響から1勝もできないまま途中休場。初場所も初日から2連敗しており、昨年9月の秋場所3日目以来、白星から遠ざかっている。

 師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)はこの日、今回の休場がひざの影響ではなく、体調不良によるものだと明かした。「ひざは大丈夫。おととい(14日)から相談があって、体調が悪いと言っていた」と話し、この日午前から病院で検査していると説明した。

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鶴竜無言、稀勢の里「自覚持って行動していきたい」

研修会に臨む、手前右から大関豪栄道、鶴竜、稀勢の里、白鵬の横綱たち(撮影・小沢裕)


 大相撲の元横綱日馬富士関の暴行事件を受けて日本相撲協会は21日、東京・両国国技館で、暴力問題再発防止の研修会を開いた。

 白鵬同様に暴行現場に同席しながら、元日馬富士関を止められなかったとして、1月の給料不支給となった横綱鶴竜は、研修会に参加したが無言で引き揚げた。同席していて、注意を受けた関脇照ノ富士は「何も言えない」とだけ返答。十両石浦は事件についての言及は避けて「お客さんに喜んでもらえる相撲を取りたいです」と話した。

 稀勢の里のコメント 1人1人の自覚というのが大事だと思った。こういうことが2度と起きないように自覚を持って行動していきたい。

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白鵬無給場所「大相撲の信用の失墜招いた」八角親方

両国国技館から戻り、宮城野部屋を出る白鵬(撮影・滝沢徹郎)


 横綱白鵬(32=宮城野)に重い処分が下された。日本相撲協会は20日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、元横綱日馬富士関の暴行現場に同席していた白鵬らの処分を決定。白鵬には1月の給料を全額不支給、2月は50%カットの処分を科した。横綱への処分は、07年の元横綱朝青龍以来。横綱審議委員会(横審)からは張り手などを多用する取り口の改善も指摘された。

 臨時理事会に先立って行われた横審の臨時会合で、白鵬に対して厳しい評価が出た。約1時間半の会合後、横審の北村正任委員長が会見を開き、白鵬と鶴竜について「横綱白鵬、横綱鶴竜は現場に同席していながら、事件の発生及び進展を抑えられなかった。このことの責任は軽く見るべきではない。両横綱に厳重に注意すべきである」と厳しい口調で言及した。

 その後行われた臨時理事会で、処分が決まった。1月の給料を全額不支給、2月は50%カット。処分理由について八角理事長は「最高位の横綱でありながら、目の前で起きた同じ横綱の暴力を防ぐことができなかった。白鵬は第一人者でありながら、暴力を防げず、大相撲の信用の失墜を招いた。その責任は軽くないと考えました」と説明。横綱の減俸処分は、07年に夏巡業を休場しながら母国モンゴルでサッカーに興じ、4カ月の給料30%カットとなった朝青龍以来となった。また、横綱鶴竜は1月の給料を全額不支給、関脇照ノ富士、十両石浦は鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)からすでに注意を受けたことも発表した。

 白鵬は横審の臨時会合後、危機管理委員会の高野利雄委員長に呼び出されていた。弁明の機会が与えられたが、白鵬は「いかなる処分も受け入れます」と潔く言ったという。白鵬はその後、東京・墨田区の所属部屋に戻り、処分内容を鏡山部長から通達された。夕方にジャージー姿で部屋を出たが、無言を貫いて車に乗り込んだ。

 今回は処分だけでなく、相撲内容にも“物言い”が付いた。横審の北村委員長は、白鵬の取り口について批判する投書が、委員会宛てに相当量届いたという。張り手やかち上げをする白鵬に対して「美しくない、見たくないという意見だった」と明かした。「横審のメンバーがいろいろな会合などで相撲の話をする時に、ほとんどの人がそう言っているということでありました。白鵬自身の自覚を促すか、協会としても工夫、努力してほしいと。こういう話がありました」と指摘した。

 ◆力士給与メモ 白鵬の現在の給料は282万だがそれとは別に、本場所があるごとに場所手当として771万8000円が支給される。また給与以外にも、懸賞金(初場所は手取り960万)、優勝賞金(1000万)などがある。

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八角理事長は「統率する立場」434万円報酬返上

日馬富士暴行事件の相関図と処分


 協会トップと傷害事件を起こした元横綱の師匠が、厳正な処分を受けた。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、理事長として残り任期3カ月の月給144万8000円の3カ月分、434万4000円を返上する。伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は理事を辞任し、役員待遇委員に降格となった。

 危機管理委員会が作成した調査結果報告書によると、八角理事長の処分は「国技たる大相撲の評価を著しく毀損(きそん)するもの」「統率する立場にある以上、相応の責任がある」と理由付けされた。社会的反響や悪質性など事件そのものはもちろん、事件の情報入手から調査実施の決定まで後手を踏んだことも「協会を代表する八角理事長に相応の責任がある」と記された。理事会後の記者会見では「早期解決に向け全力で取り組んだが決着しておらず責任を痛感している」と苦悩の表情を浮かべた。

 先月29日、元日馬富士関の引退届を提出に八角理事長の元を訪れた際、伊勢ケ浜親方は自らの理事辞任を申し出たという。調査中だったため同理事長に慰留されていたが、この日の理事会出席を最後に、理事から役員待遇委員へと降格となった。理事として部長を務めていた大阪場所担当から、職務は監察副委員長となる。

<危機管理委員会 結果報告要旨>

【発端】

 9月中旬の夜、東京・錦糸町のモンゴルカラオケバーで休場中のモンゴル出身力士が飲酒しているのを貴ノ岩が注意。その言葉遣いなどが乱暴だったと注意した白鵬の友人と口論。

【本件】

 10月25日夜の食事会(1次会)で白鵬が前記の貴ノ岩の言動を説教。「そんなことは言ってません」と貴ノ岩は答え日馬富士がその場をおさめる。2次会は同日午後11時過ぎから約3時間。白鵬と日馬富士が照ノ富士と貴ノ岩らに説教。一段落したと思った貴ノ岩が彼女からきたLINEを見ようとスマホを操作。日馬富士の叱責(しっせき)に「すみません」と謝罪するも、逆ににらみつけるような表情に見えた日馬富士が、貴ノ岩の頭部や顔面を平手やカラオケのリモコンで殴打。その回数は十数回で数分と推定。白鵬を差し置いて止めることにためらいがあったと話す者もいた。

【協会の対応など】

 11月1日に鳥取県警から協会事務局に被害届が提出されている連絡が入る。3横綱と照ノ富士を聴取したい旨を伝えられた協会は「可能であれば場所後に」と返答し同県警も了承。貴乃花巡業部長ら関係者からの報告がない一方、双方が握手で和解したなど情報が入ったため両師匠間で話し合いが持たれるであろうと考えるなど、緊急事態発生の認識を持たなかった。

【発覚など】

 同11日の理事会も緊急に対応すべき案件とは認識せず報告はなし。鏡山危機管理部長が両師匠間で話し合うよう要請。九州場所3日目の同14日に一部報道で表面化。同委員会で調査することを決めた。

 ◆日本相撲協会の危機管理委員会 相撲協会が不祥事の予防や発生した場合の適切な対応などを目的として2012年に設置。関係者への聴取などの調査を行い、協会への報告や処分案をまとめる役割を担う。協会の元外部理事の宗像紀夫氏(元東京地検特捜部長)が初代委員長を務め、16年に高野利雄外部理事(元名古屋高検検事長)が委員長に就任。力士出身者では尾車(元大関琴風)鏡山(元関脇多賀竜)春日野(元関脇栃乃和歌)の各理事もメンバー。

臨時の理事会を終えた八角理事長(中央)は厳しい表情で会見に臨む。左は尾車理事、右は高野外部理事(撮影・足立雅史)

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伊勢ケ浜親方は理事辞任、八角理事長3カ月報酬返上

臨時の理事会を終え会見に臨む、左から鏡山危機管理部長、尾車理事、八角理事長、高野外部理事(撮影・足立雅史)


 日本相撲協会の八角理事長は20日、理事会後の会見で横綱元日馬富士の師匠、伊勢ケ浜親方が理事を辞任したことを発表した。

 「日馬富士が引退届を出したときに、師匠としての監督責任を取り、辞任したいと申し出がありました。しかし、危機管理委員会の調査が途中だったので、理事長の私から慰留していました。先日、日馬富士が書類送検されて、危機管理委員会の聴取も済んだことから、私と伊勢ケ浜親方で協議しまして、伊勢ケ浜親方が本日の理事会終了を持って辞任しました」と説明した。

 伊勢ケ浜親方の階級は前例を踏まえ役員待遇委員で、職務は監察副委員長となる。

 一方で、八角理事長は自らの処分について、残り任期3カ月の報酬を全額返上。「今回の問題では、早期に解決するよう、全力で取り組んできましたが、まだ決着がついていないことの責任を痛感しております」と詫びた。

 また、暴行現場に同席していた照ノ富士と石浦の2人については「既に危機管理部長から注意をしております」と話した。

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白鵬悔し宮古島巡業V逃す 脅迫文書は協会が対応へ

横綱土俵入りを行う白鵬


 大相撲冬巡業の沖縄・宮古島巡業最終日が14日、JTAドーム宮古島で行われ、横綱白鵬(32=宮城野)が悔しさをあらわにした。

 最後に行われた幕内トーナメントに出場し、1回戦で小結阿武咲、2回戦で平幕の栃煌山、準決勝で関脇照ノ富士を下して決勝に進出したが、平幕の千代大龍に負けて優勝を逃した。支度部屋では「あー優勝したかったなー」と悔しがった。

 冬巡業も移動日を含めて残り3日となった。前半は九州場所の疲れが取れなかったというが「少しはね」と徐々に取れてきたという。初場所(来年1月14日初日、両国国技館)まで残り1カ月となり「早いなー」とつぶやいた。

 帰り際に報道陣から、11日の福岡・北九州市の巡業で脅迫する封書が届いたことは相撲協会に任せるか、と問われると「そうだね」と話した。

横綱土俵入りを行う白鵬

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白鵬、客観的に語る「2度とないよう願うしかない」

大勢のファンに囲まれながらサインする白鵬


 元横綱日馬富士関の書類送検を受けて、暴行現場にいた横綱白鵬、鶴竜、関脇照ノ富士が11日、冬巡業が行われた北九州市で口を開いた。白鵬は「2度とこういうことがないように願うしかない。精いっぱい与えられたことをやる。信頼というのを再びね。長引いているけど、いずれはいい方向に向かえばいい」と神妙な表情で語った。

 鶴竜は「自分が何かを言えるものではない」と慎重。多くのファンが巡業に来ている状況に「相撲で喜んでもらいたい」と土俵の上に集中する。元横綱日馬富士関の弟弟子の照ノ富士は「何もコメントできない」と表情は暗く、引退については「(寂しさは)もちろん。一番かわいがってもらったから」とつぶやいた。

暴行問題の経過

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春日野親方「聞いていない」貴ノ岩の冬巡業休場理由

貴ノ岩(17年9月20日撮影)


 大相撲の冬巡業が、今日3日から始まる。参加する力士らは2日、福岡市から巡業地の長崎・大村市へバス移動した。元日馬富士関に暴行された平幕貴ノ岩の師匠、貴乃花親方(元横綱)に代わり、巡業部長代理を務める春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は、休場者13人を発表。貴ノ岩の休場理由について同部長は「まだ何も聞いていない」と困惑した表情を浮かべた。

 さらに、力士らに節度ある私生活を要求した。具体的に行動の制限は設けなかったが「襟を正してやらないといけない。私生活面も厳しくする」と宣言。酒席については「深夜はいただけない。度が過ぎたことはさせないように言っていく。常識のある範囲でね」と話した。

 暴行問題の現場にいた横綱白鵬、鶴竜、関脇照ノ富士らも姿を現した。しかし報道陣の質問には無言を貫き、バスの中でも表情は険しいままで、ピリピリムードが漂った。人気力士の休場や暴行問題など、不安が多い中で始まる巡業。春日野広報部長は「特別なことはやらなくていい。真剣にやってくれればお客さんにも伝わるから」と力士らの気持ちの入った稽古に期待した。

 ◆冬巡業休場者 稀勢の里、千代の国、千代翔馬、貴ノ岩、碧山、朝乃山、妙義龍、宇良、旭秀鵬、千代ノ皇、千代鳳、青狼、大成道。

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日馬富士問題「相当程度、事実解明に」概要を説明

引退を発表した横綱日馬富士の暴行問題などが議題となる大相撲の理事会が大勢の報道陣が詰め掛けるなか行われた。貴乃花親方(奥列左)と八角理事長(手前左から2人目)は向き合う形で座っていた。手前左から4人目は伊勢ケ浜親方(撮影・小沢裕)


 日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で理事会を開き、横綱日馬富士の暴行問題について、危機管理委員会から中間報告が行われた。

 以下、理事会後の会見における、高野利雄・危機管理委員長(元名古屋高検検事長)の説明。

 危機管理委員会委員長の高野でございます。本日、理事会におきまして、本件に関する中間報告をいたしました。この場で中間報告の要旨について、ご説明いたします。

 現時点では残念ながら、貴ノ岩の聴取ができておりません。しかし、日馬富士始め、白鵬、鶴竜ら多数の関係者ほとんどの者の聴取を終えました。従いまして、中間報告の段階ではありますが、相当程度、事実解明に至っていると考えております。なお、この場でご報告する内容につきましては、まだ警察捜査が終わっていませんので、細かな、誰がどういうことを言ってというのは、お話ししかねる部分があると、ご容赦願いたいと思います。

 始めに、これまで当委員会が把握した本件の概要について、ご説明いたします。本年10月25日の食事会、1次会としますが、これは鳥取城北高校の関係者が秋巡業に参加しました卒業生の力士を激励するために開いたものであります。1次会には白鵬、日馬富士、鶴竜の3横綱のほか、照ノ富士、貴ノ岩、石浦、そして高校の関係者も参加しております。従いまして、モンゴル出身者だけの集まりではありません。

 (貴ノ岩が)9月の場所中に都内の飲食店で当時、休場していた力士がその飲食店にいたということで苦言を呈しました。その苦言の呈し方によって(貴ノ岩の言い方が)これは粗暴な言い方だと、その場にいた客と口論になりました。1次会の終わりごろに、そのことについて白鵬が説教を始めましたが、その場は日馬富士が「休場している力士にそういう注意をすることは正しいことですよ」「間違っていませんよ」と話して貴ノ岩をかばい、その場は収まっています。

 日馬富士は父を亡くしています。貴ノ岩も両親を亡くしている。そういう境遇を知っておりますので、日馬富士は日頃から貴ノ岩をかわいがり、また、礼儀、しつけ、そういう指導をしたり、相談に乗り、あるいは食事をする関係にありました。

 続いて2次会に行くわけですが、これは1次会を主催した高校関係者が企画し、横綱を誘って、2次会の会場に行きました。この2次会は事前から決まっていたわけではなく、1次会が終わった後に決まった話であります。1次会に参加した者約20名ぐらいだと思いますが、ほとんどが、この2次会の会場に行きました。もっとも、この事件が起きた現場の個室には白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士、貴ノ岩、石浦のほか、高校の関係者ら約10名が入りました。

 2次会が始まったのちに白鵬が貴ノ岩と照ノ富士…この2人は鳥取城北高出身者でありますので、この2人に「お前さんたちがこうやって相撲を取って生活できるようになっているのは、高校の先生方にお世話になったからだ」「その恩を忘れないように、社会人としてきちんとした行動を取れ」と、このような説諭をしました。

 その際、日馬富士のそばにいた貴ノ岩がスマートフォンをいじっておりました。これに対して日馬富士が注意したところ、貴ノ岩は「彼女からのメールです」と言いました。日馬富士は、大横綱の白鵬が、今申し上げたような説教をしているさなかにスマホをいじったことに腹を立てると同時に…これまでかわいがってきた貴ノ岩ですので…なんでお前はそういう態度を取るんだと、謝罪させようとして顔を殴りました。そこですぐ貴ノ岩がすみませんと謝れば、その先にいかなかったと思われますが、貴ノ岩はそうせずににらみ返した上、謝罪もしなかった。そのため、日馬富士は貴ノ岩に対し「謝れ」と言うようなことを言いながら平手で十数回なぐり、さらにそばにあったカラオケのリモコンで頭を数回なぐっています。

 日馬富士はこの間にシャンパンのボトル(瓶)をつかんで、本人はおどすつもりだと言っていますが、振り上げています。ところが冷たい瓶だったため、水滴がついていて、するっと落ちました。従ってビール瓶とか、今申したシャンパンの瓶で貴ノ岩の頭部を殴打したという事実は、認められる状況にはありません。また、ほかの物、たとえば灰皿を投げるとか、そういうような行動にも至っておりません。その暴行の状況を見ていた白鵬がすぐに止めに入り、物を持ってやってはいけないと静止し、その暴行は終わりました。

 ところで、日馬富士は当日、日本酒を飲んでおりましたが、もともと酒は強い体質であることから、泥酔している状況ではなく、当時の記憶は比較的よく残っておりました。また、酒癖が悪いというようなことを言う者もおりませんでした。

 次にけがを追った貴ノ岩の負傷の状況ですが、頭部に裂傷があります。ステープラーと呼ばれる医療用ホチキスで縫うけがであります。相撲協会に提出されていた診断書を出した病院に確認したところ、頭蓋底骨折、髄液漏れの疑いと書いてあり、確認しましたが、それはあくまで疑いで、髄液が漏れていたということはないということでした。

 傷は全治2週間と診断書に書いてありましたが、これはこれは負傷した10月26日から11月8日までの2週間という意味でありまして、病状は状態が安定したと判断し、翌9日に退院させています。

 最後にモンゴル力士の交流について、若干のご説明をします。「モンゴル力士会」という、いわゆる生活互助会がかなり前からありまして、横綱がいくら、幕内がいくら、十両がいくらということで、場所後の力士会の後に集めて、これを病気になった力士のお見舞金とか、冠婚葬祭の費用、あるいはモンゴルの子どもが病気になった、支援を求められたときに支援金を出すというボランティア活動をしています。そういう意味でこの会は、言われているようなアスリート間で食事をするような会ではありません。ここ数年間はがんになった力士がいたこともあり、以前は残ったお金で忘年会もしたことはあったようですが、ここ数年間はしていないということも確認いたしました。

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白鵬7時間半聴取後、女性から「おめでとう」に笑み

鳥取県警の事情聴取後、報道陣に囲まれる横綱白鵬(撮影・菊川光一)


 暴行問題の現場にいた横綱白鵬(32=宮城野)は28日、福岡市内のホテルで鳥取県警から参考人として聴取を受けた。聴取は約7時間半にも及び「知っていることを全て伝えた」と語った。

 鳥取県警によるホテル内での参考人聴取を終え、白鵬は報道陣ら約100人の前に姿を見せた。「自分の知っているものを全て伝えました。後は(日本相撲)協会と警察の皆様に全てお任せしたいと思います」と話した。一般人女性から「(優勝)おめでとう」と声を掛けられると、笑みを浮かべ、乗用車で八角理事長による講話の会場に向かった。

 白鵬は同じく暴行現場に同席していた横綱鶴竜、関脇照ノ富士らに続く聴取で、午前9時過ぎからスタート。正確を期するため、モンゴル語の通訳を介して行われた模様で、捜査関係者によると「ビール瓶ではなく、カラオケのリモコンで殴っていた。自分が制止した」など、日馬富士とほぼ同じ説明をしたという。ホテルを出たのは午後4時半。聴取は日馬富士が約8時間だったが、白鵬も約7時間半にも及んだ。

 白鵬は九州場所千秋楽の26日に土俵上のインタビューで「場所後に真実を話し、うみを出し切って、日馬富士関と貴ノ岩関を再びこの土俵に上げてあげたいと思います」と訴えた。今日29日には協会の危機管理委員会による聴取を受ける。

日馬富士の全成績
12年10月、日馬富士(左)が横綱昇進後、白鵬と初めて綱を締めて並ぶ

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八角理事長、暴力問題再発防止へ講話 白鵬らも参加

八角理事長の講話に参加した幕内、十両力士。左から照ノ富士、阿武咲、高安(撮影・菊川光一)


 日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は28日、福岡市内で十両以上の関取を集めて「暴力問題の再発防止について」と題して、講話を行った。

 九州場所中に発覚した、横綱日馬富士の平幕の貴ノ岩への暴力問題を受けて行われた。

 冒頭で八角理事長は「本場所中にこういう問題が起きてしまったことについて、皆さんに対して申し訳なく思っています」と集まった約60人の力士らに謝罪した。そして「今回の問題をみんなに知っていただき、みんなで一丸となって乗り越えていくためにはどうしたらいいか、皆さんにも考えていただきたい」とあいさつした。

 講話にはこの日、鳥取県警からの事情聴取を終えたばかりの横綱白鵬、暴行現場にいた横綱鶴竜、関脇照ノ富士らが参加したが、日馬富士と貴ノ岩の姿はなかった。講話はわずか15分で終了した。

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白鵬、鳥取県警からの事情聴取に「見たまま話す」

優勝一夜明けの会見に臨んだ白鵬(撮影・岡本肇)


 大相撲の横綱日馬富士の暴行問題で現場にいた横綱白鵬(32=宮城野)が、今日28日にも参考人として鳥取県警からの聴取を受けることが27日、捜査関係者への取材で分かった。白鵬はこの日、福岡市内のホテルで40度目の優勝を果たした一夜明け会見を行い、聴取に臨むにあたり「見たものを見たまま話す。後は結果を待つだけ。協会と関係者に任せていきたい」と胸中を明かした。

 本場所中にも、日馬富士が貴ノ岩を「ビール瓶で殴っていない」などと証言し、26日の優勝インタビューで暴行問題を謝罪するなど、公の場で口を開いてきた。その真意について「力士代表として自分の言葉をしっかり伝えたかった」と明かした。日馬富士や関脇照ノ富士ら、現場にいて今場所休場した力士の聴取はすでに終わっている。また十両石浦も、今日28日にも参考人として聴取を受ける予定となっている。

 今日28日には八角理事長(元横綱北勝海)が福岡市内で、十両以上の全力士を集めて再発防止の講話を行う。その前に聴取が行われるとみられる。

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モンゴル出身水戸龍が新十両「入れ替え戦」照強下す

<大相撲九州場所>◇14日目◇25日◇福岡国際センター


 東幕下4枚目の水戸龍(23=錦戸)が、来年初場所(1月14日初日、東京・両国国技館)での新十両昇進を確実にした。

 東十両9枚目の照強(22=伊勢ケ浜)との“入れ替え戦”にはたき込みで勝って6勝目を挙げた。「緊張して何も分からなかった。勝てば…というのも分かっていたので、緊張しました。体が動いてくれたのが良かったです」と喜んだ。

 モンゴル出身で、照ノ富士、逸ノ城と一緒に鳥取城北高へ留学した仲。進学した日大では3年時に外国出身者として初めてアマチュア横綱に輝き、4年時には学生横綱のタイトルを獲得。幕下15枚目格付け出し資格を得て、今年夏場所で初土俵を踏んだ。

 だが、期待されたその場所では「思ったよりもきつかった。思ったよりもみんな強いし」と、3勝4敗でまさかの負け越しを味わった。そこから少しずつ「雰囲気にもなれて、良くなってきた」と力を発揮できた。

 初土俵から4場所目。まだまだ、まげは結えない。「親方が言うには(結えるのは)来年の真ん中ぐらいだそうです。髪が伸びるのが遅くて」。ざんばら髪で、十両の土俵に立つ。

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貴乃花親方「急ぐことない」協会サイドと溝埋まらず

日馬富士暴行事件相関図


 大相撲の貴乃花親方(45=元横綱)が九州場所13日目の24日、日本相撲協会執行部から異例の1日2度の呼び出しを受けた。横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)による、弟子の平幕貴ノ岩(27)への暴行問題について、会場の福岡国際センター入り直後と引き揚げる直前、八角理事長(元横綱北勝海)らと話し合ったが、滞在時間はそれぞれ3分、2分程度と短かった。問題の早期解決を目指す協会サイドと、長期化も辞さない貴乃花親方サイドは平行線をたどったままのもようだ。

 会場入りした貴乃花親方は、部長を務める巡業部室へ迷いなく入室した。2分後、部屋を出て再び姿を現すと、向かったのは相撲協会役員室だった。22日も呼び出され、暴行問題の被害者である貴ノ岩への危機管理委員会による事情聴取を要請されながら「お断りします」と拒否してから中1日。午後1時55分に役員室に入室したが3分後に退室。巡業部室に戻った。

 会場から引き揚げる前には再び役員室を訪れた。ゆっくりと胸を張りながら午後5時21分に入室し、今度はさらに短く2分程度で退室。協会執行部から異例の1日2度の呼び出しを受けた。その間、報道陣の質問には答えず無言。打ち出し後、危機管理委員会の鏡山部長(元関脇多賀竜)は「何も進展はない」と話すにとどめた。春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「何も言えない。いろいろと言ったら大変なことになる」と中途半端な情報公開は混乱を招くと判断した。

 午前中には日馬富士の師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も役員室を訪れ、約20分間滞在したが、この内容も明かされなかった。

 問題の全容解明へ、暴行現場を管轄する鳥取県警の捜査を優先する姿勢は、協会も貴乃花親方も変わらない。だが、危機管理委への対応は対照的。同委員会は県警の直後に当該者の事情聴取を行ってきた。暴行現場の酒席に同席した横綱鶴竜と関脇照ノ富士も21日に県警、前日23日に都内で同委員会の聴取を受けた。日馬富士も同様に中1日と素早く双方から事情聴取された。

 一方の貴ノ岩は、被害届を提出した10月29日に県警から聴き取りを受けたが、危機管理委との接触は師匠が拒否した。関係者によると、役員室に入室した際に貴乃花親方は「急ぐことではないですから」と話し、全容解明を県警に委ねる姿勢を再び示したという。長期化も辞さない構えで、協会との決裂はさらに浮き彫りとなった格好だ。

役員室に再び出向いた後、鶴竜、白鵬の看板前を通って引き揚げる貴乃花親方(撮影・岡本肇)

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鶴竜も「ビール瓶」否定 せいぜい15発程度と証言

日馬富士暴行事件相関図


 横綱日馬富士の暴行問題で、現場の酒席に同席していた横綱鶴竜(32=井筒)も、ビール瓶での殴打を否定していることが22日、関係者の話で分かった。

 鶴竜と、同じく同席していた関脇照ノ富士(25=伊勢ケ浜)は21日に福岡市内で、参考人として鳥取県警の事情聴取を受けた。関係者によると、鶴竜は「ビール瓶を持とうとしたが、すり抜けるようにして落とした。もし、ビール瓶で殴っていたら、ガラスの破片が飛んでいるはず。ないことが、使っていない証明」などと話しているという。

 素手で20~30発と報じられた殴打数についても「そんなに殴っていない。せいぜい、その半分」と説明。一方で、騒動の発端とされる貴ノ岩の「あなたたちの時代は終わった」などという言葉は、酒席の場ではなかったと主張しているという。貴ノ岩が以前に発言したその言葉を聞いた白鵬が、たしなめた形のようだ。

 師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)は鶴竜が帰京することを明かし、相撲協会危機管理委員会の聴取が行われることを示唆した。照ノ富士と2人の聴取は、早ければ今日23日にも行われる。

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日馬富士、年内にも書類送検 貴ノ岩はスマホ没収か

福岡行きの航空機に搭乗する日馬富士(撮影・野上伸悟)


 大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、平幕貴ノ岩(27=貴乃花)に暴行した問題で、鳥取県警が年内にも、傷害容疑で書類送検する方針を固めたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。県警は日馬富士が、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことなどから、逮捕はせず捜査を進める判断をしたもよう。実態解明が進む中、日馬富士はこの日、福岡・太宰府市に構える九州場所の伊勢ケ浜部屋に戻った。

 2日ぶりに公の場に姿を見せた日馬富士は、終始無言だった。東京・羽田空港を出発する際はわずかだった報道陣が、福岡空港に到着した際には、あふれ返っていた。暴行問題発覚から1週間。事態は新たな展開を迎えた。日馬富士に対し、鳥取県警は、年内にも傷害容疑で書類送検する方針を固めた。

 10月下旬に鳥取市内のラウンジで起きた暴行について、県警の事情聴取に応じた日馬富士は「素手やカラオケのリモコンで殴った」と説明している。一方の貴ノ岩は事情聴取で殴られた際に「目をつぶっていた」と、当時の様子は全ては分からないと証言している。一部から証言の出ている、日馬富士がビール瓶や、ビール以外のアルコール類の瓶で殴打したかどうか、ラウンジの個室で既に現場検証が実施されたことも判明。今後、聴取を行う横綱白鵬ら同席者の証言、室内にいた9人の座っていた場所などと照らし合わせて検証、分析し、詰めの捜査を進める。

 県警はこの日、福岡市内で現場のラウンジで同席していた横綱鶴竜と関脇照ノ富士を任意で事情聴取した。日本相撲協会の危機管理委員会は一両日中にも、2人を聴取する見通し。また、貴ノ岩については、県警への聴取には応じたが、危機管理委が貴ノ岩の聴取を要請しても、貴乃花親方(元横綱)が応じていないという。福岡・田川市内の部屋に滞在しているとされるが、詳細は不明。力士だけでなく、日本で生活するモンゴル人コミュニティーの関係者も「一切連絡が取れない。スマホを没収されたのかもしれない」と、頻繁に連絡を取り合っていた以前との違いを明かす。一部証言が食い違ったままなら、県警は当事者の日馬富士、貴ノ岩に再聴取する可能性もある。

 ◆書類送検 送検は警察が検察に事件を送致すること。逮捕し、身柄を拘束する必要がある場合は書類、証拠とともに身柄も検察に送られるが(身柄送検)、拘束の必要がない場合、書類、証拠のみが送られる(書類送検)。検察は起訴するかどうか判断するが、書類送検の場合、簡易裁判所が略式命令を出す略式起訴か不起訴のいずれかになる。元検事の大沢孝征弁護士は「鳥取県警は鳥取地検に書類送検するが、(事件関係者は東京に居住するため)鳥取地検は東京地検に移送することになると思う。東京地検が暴行の内容、傷害の程度を調べることになる。普通は略式起訴で10万~20万円の罰金だが、今回の場合、起訴猶予(不起訴)もあり得る」と話している。

午後7時半ごろ、福岡・太宰府市内の伊勢ケ浜部屋に到着した日馬富士(撮影・鈴木正人)

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白鵬説教中に貴ノ岩メール「誰だ?」に「彼女です」

怒る白鵬の話し中にメールチェック


 日本相撲協会の危機管理委員会は19日、平幕貴ノ岩(27=貴乃花)への暴行問題を起こした横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)に対し、東京・両国国技館で初めて事情聴取を実施した。関係者の話を総合すると、暴行現場はモンゴル人による飲み会ではなく、日本人3人を含む鳥取の相撲関係者による懇親会だったことが判明。日馬富士は、ビール瓶は否定したが、カラオケのリモコンと素手でたたいたことを認めたという。

 日馬富士への聞き取りは約2時間、協会側は危機管理委の高野委員長ら5人が担当した。日本相撲協会は当初、本格的な調査を九州場所後としていたが、当事者の聴取に着手。高野委員長は「彼(日馬富士)は淡々と事実関係に沿って話をした。きちんと粛々とお聞きした」と話した。

 同席した鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は福岡に戻って会見。日馬富士が暴力をふるった事実は認められたが「今後は鳥取県警の捜査に支障をきたさないよう配慮しつつ、関係者の聴取を進めていきますので、本日の日馬富士の供述内容についてはまだ詳しく申し上げられません」とした。

 詳細は明かされなかったが、17日に任意で聴取した鳥取県警の捜査員らによると、10月25日夜の暴行現場に居合わせた顔触れが明らかになってきた。ちゃんこ店で1次会を終え、一行は2次会へ。飲食店の個室には、日馬富士と貴ノ岩のほか、白鵬、鶴竜、照ノ富士、石浦のほか、地元相撲関係者2人(日本人とモンゴル人が1人ずつ)と石浦の後援者が同席していた。個室の外では関取衆の付け人が飲食し、女性店員が接客していたという。

 この会合は、秋巡業が鳥取市で行われるため、地元関係者が力士をもてなした激励会のようなもの。モンゴル人同士の懇親会ではなく、1次会も2次会も地元相撲関係者が飲食代を支払った模様だ。

 協会関係者によれば、日馬富士はこの日の聴取でも暴行は認めたが、ビール瓶で殴ったことは否定。白鵬が説教している時に、貴ノ岩がスマートフォンでメールをいじり始め、「誰とだ?」と聞くと「彼女です」と答えたところでキレた。カラオケのリモコンや素手で頭などを数発たたいたという。

 鏡山部長は、鳥取の酒席に同席した力士のうち、九州場所に出場している力士への聴取は本場所後の27日以降に実施することを明かした。証言者によって食い違いが生じており、詳細な内容を調べる方針だ。これを受けて白鵬は「それができたなら、よかったんじゃないですか。残り、集中できる」と話した。

キレた日馬から数発
貴ノ岩の経過

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日馬富士の貴ノ岩暴行問題、始まりは錦糸町での口論

日馬富士暴行事件の顛末


 大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が平幕の貴ノ岩(27=貴乃花)を殴打した問題で、事態の発端が18日までに明らかになってきた。捜査関係者らの話を総合すると、発端は秋場所後に東京・錦糸町のバーで貴ノ岩が元幕内の先輩力士らと口論になったことがきっかけ。これを10月25日に鳥取市内の飲食店で横綱白鵬(32)がたしなめたが、この時の貴ノ岩の態度に日馬富士が激怒し、暴行につながった。貴ノ岩の休場理由など不明点は多く残るが、徐々に当時の状況が分かってきた。

 鳥取で起きた日馬富士の暴行問題は、その約1カ月前に起きた東京・墨田区の錦糸町での貴ノ岩のトラブルが根底にあった。鳥取県警の捜査関係者らの話を総合すると、暴行に至るきっかけや動機が分かってきた。

 9月下旬の錦糸町のバーで、酒に酔った貴ノ岩はモンゴル出身の若い衆を説教していた。声を荒らげるなどヒートアップしたため、同席していたモンゴル出身の元幕内力士、元十両力士(いずれも現在は引退)らが「ほかにお客さんもいる。力士が大声出したら怖がられるからやめなさい」などとなだめようとした。しかし、貴ノ岩はおさまらず、モンゴルから来日した白鵬の友人もいる中「俺は白鵬に勝った」「あなたたちの時代は終わった」「これからは俺たちの時代」などと言い、口論になった。

 同席していた元幕内力士は「注意したつもりが、貴ノ岩はでかい声で返してきた。横綱の友人もいたのに…」と振り返る。白鵬を否定されたように受け止めた白鵬と懇意にしている友人は、気を悪くしていたという。後日、同席者によって、事情は白鵬に伝わった。

 そして迎えた10月25日の夜。ちゃんこ店での1次会を終えた力士ら一行は、2次会に向かった。白鵬は9月の錦糸町での出来事を口にし、貴ノ岩の態度を叱った。先輩力士への口の利き方などをあらためるように言い聞かせた。だが、貴ノ岩は話の最中にテーブルの下でスマートフォンを操作。これを見た日馬富士が「お前、大横綱が話してる時に何してんだ」と頭をたたいたが、反抗的な態度をとったため、さらなる暴行につながったという。

 捜査関係者によれば、日馬富士は聴取に対し、暴行を認めた上で「ビール瓶では殴っていない」とし、止めに入った照ノ富士もたたいたと説明したという。飲食店には3横綱、照ノ富士、貴ノ岩、石浦のほか地元関係者らが同席。ビール瓶については一部出席者による証言の食い違いもある。

 貴ノ岩は負傷したが、診断書によれば本場所前に相撲を取れる状態だったとされている。なぜ休場したのか、鳥取県警に被害届を提出しながら、貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(元横綱)は日本相撲協会からの聴取になぜ説明しなかったのか。まだまだ疑問は残るが、暴行に至るまでの全容は判明してきた。

貴ノ岩の経過
場所入りする貴乃花親方(撮影・岡本肇)

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御嶽海「白星は白星」不戦勝で年間トップ49勝

照ノ富士の休場で出された不戦勝の垂れ幕

<大相撲九州場所>◇5日目◇16日◇福岡国際センター


 御嶽海は照ノ富士休場による不戦勝で4勝目となり、今年通算49勝。年間最多勝争いで並んでいた高安が敗れたため、汗もかかずに1歩抜け出した。

 直近の対戦成績は4連敗と分が悪かっただけに「前に出ないと、と考えてたんですけどね」と言いつつ「まあ白星は白星です」。序盤戦は4勝1敗。「まだ下としかやってない。気を引き締めていきます」。年間最多勝よりもまず、V戦線に食らいつく。

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日馬富士暴行に揺れる部屋で…安美錦が奮闘5連勝

大奄美を破った安美錦(撮影・今浪浩三)

<大相撲九州場所>◇5日目◇16日◇福岡国際センター


 昭和以降、最年長再入幕の安美錦(39=伊勢ケ浜)が平幕でただ1人、初日から5連勝を飾った。新入幕の大奄美に寄り立てられ、絶体絶命のピンチとなりながらも、すくい投げで逆転勝ちした。39歳での無傷5連勝は昭和以降、最年長記録。横綱日馬富士の暴行騒動で揺れる部屋で、ベテランが気を吐いている。

 俵にかかったのは、アキレス腱(けん)を切っていた左足。上体も起こされていた。まさに絶体絶命。その時だった。安美錦の脚に、今までにない力が宿った。「両脚ともミシミシ言いながら力が入った。稽古で感じたことのない力」。

 耐えた。「我慢だ」と言い聞かせて、上手を引く左は命綱だと離さない。そして、右に回りながら右からすくった。左指のつめは割れ、血がにじんでいた。39歳の体には、まだこんなにも未知なる力が宿っていた。「よく残ったね。頑張りました」と自らをほめた。

 初日からの5連勝は15年春以来、自身3度目。ただ、39歳での5連勝は昭和以降、誰もいない。それは、1人での快進撃ではない。

 福岡・太宰府の宿舎には妻絵莉さんの手作りの食事が届く。「子どもが3人いて大変だから、しなくていいと言っているけど」。バランスを考えられた数種類の食事が今年も3回ほど届いた。冷え込む季節を考えて、そこに体が温まるよう自らしょうがを入れる。「何でもうまいよ。結婚して良かった。今の妻と」。

 日馬富士の暴行騒動が起き、照ノ富士は休場。厳しい状況の部屋で1人、気を吐く。「とにかく目いっぱい、自分のことを考えてやるしかない。必死に」。それが今の自分の役割だと、39歳は知っている。【今村健人】

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白鵬、豪栄道ら5連勝、稀勢の里702勝で単独8位

栃煌山(左)を押し出しで破り5連勝の白鵬(右)(撮影・今浪浩三)

<大相撲九州場所>◇5日目◇16日◇福岡国際センター


 40度目の優勝を目指す横綱白鵬(32=宮城野)は前頭2枚目の栃煌山(30=春日野)を押し出して5連勝を飾った。

 横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)は、前頭3枚目松鳳山(33=二所ノ関)を右からの逆転の突き落としで下し3勝2敗とした。幕内通算702勝とし、貴乃花を抜いて歴代単独8位となった。

 かど番大関高安(27=田子ノ浦)に土がついた。前頭筆頭の玉鷲(33=片男波)の左おっつけから右のど輪で背中を向かされ送り出された。大関豪栄道(31=境川)は、新小結阿武咲(21=阿武松)をはたき込んで5連勝とした。

 初日から4連敗だった関脇照ノ富士(25=伊勢ケ浜)は左膝のケガで、この日から休場した。今場所10勝以上なら大関に復帰できたが、再出場しない方針で、1場所での大関復帰の可能性が消えた。

 39歳で再入幕の前頭13枚目安美錦(伊勢ケ浜)は、同14枚大奄美(24=追手風)に土俵際まで寄り立てられたが右へ回り込みながらのすくい投げで5連勝をマークした。人気力士の前頭9枚目遠藤(27=追手風)は、同11枚目の朝乃山(23=高砂)を寄り切って連敗を止め、3勝目を挙げた。

松鳳山(右)を突き落としで破り3勝目を挙げた稀勢の里(撮影・岡本肇)

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