上へ戻る

au版ニッカン★バトル

記事検索

阿武咲「昔から見ていた大横綱」白鵬から初の金星

白鵬(左)と頭をぶつけあう阿武咲(撮影・上田博志)

<大相撲春場所>◇10日目◇17日◇エディオンアリーナ大阪

西前頭5枚目阿武咲(23=阿武松)が、恩返しの1勝で優勝争いを混沌(こんとん)とさせた。無敗の横綱白鵬を初めて破り、17年秋場所以来2年半ぶりの金星を挙げた。白鵬が主催する少年相撲「白鵬杯」の第1回大会で団体優勝し、メダルをかけてもらってから10年、成長した姿を見せつけた。平幕の碧山が1敗を守って白鵬に並び、横綱鶴竜、朝乃山ら2敗勢4人が追いかける。

  ◇    ◇    ◇

阿武咲が、横綱白鵬のかち上げを攻略した。相手の前腕を左ではね上げ、横綱を大きくのけ反らせた。密着を避けるように回り込み、引いた瞬間を逃さず前に出た。「何をしてくるか分からないけど、来たのに対応しようとした」。

前半戦は張り差しを多用するなど、選択肢の多い相手の立ち合いを警戒しつつ、体の反応に任せて対応した。取組を見守った八角理事長(元横綱北勝海)は「白鵬に勝つにはこういう相撲だというお手本。距離を空けて、しぶとく足を出しながら取った」と賛辞を贈った。

11年越しの因縁があった。白鵬が相撲普及のため主催する少年相撲「白鵬杯」で、10年に行われた第1回大会で青森県代表として出場。団体戦で優勝し、表彰式ではメダルをかけてもらった。当時は中学2年生。「昔から見ていた大横綱。10年前はこうなるとは思ってなかった」。18年初場所以来、3度目の対戦での殊勲星だった。

前師匠にも成長した姿を示したい。昨年9月、入門時から指導を受けてきた先代阿武松親方(元関脇益荒雄)が、体調不良などを理由に日本相撲協会を退職。「押し相撲の自分をつくってくれたのは先代。その押し相撲で勝てたのは恩返しになった」。18年初場所に右膝を負傷するまで、出世争いで同学年の貴景勝らをリードしていた。「けがして2年になる。そろそろ復活しないといけない」。決意を固めた23歳の三役経験者が、優勝争いを面白くした。【佐藤礼征】

▽白鵬(阿武咲に金星を配給)「ようやく、そういう日が来たなという感じ。ここまでしっかりと育っているなという感じ」

白鵬を破り笑顔で記者の質問に答える阿武咲(撮影・前岡正明)

関連するニュースを読む

徳勝龍、初日は先場所V争いの正代 2日目は朝乃山

徳勝龍(20年1月撮影)

日本相撲協会審判部は6日、新型コロナウイルスの感染防止のため無観客開催として8日に初日を迎える、大相撲春場所の取組編成会議を開催する大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪で開き、初日と2日目の取組を発表した。

今場所12勝すれば、大関昇進目安とされる三役で3場所通算33勝に到達する関脇朝乃山(26=高砂)は初日が隠岐の海(34=八角)、2日目は先場所優勝の徳勝龍(33=木瀬)の平幕相手のスタートとなる。

両横綱は東の白鵬(34=宮城野)が、先場所敗れた小結遠藤(29)、2日目は平幕の大栄翔(26)と追手風勢との対戦が組まれた。西の横綱で、今場所は番付上で大関も兼ねる「横綱大関」の鶴竜(34=陸奥)は、初日が大栄翔、2日目は小結北勝富士(27=八角)の挑戦を受ける。

38年ぶりの一人大関となる貴景勝(23=千賀ノ浦)は、初日が高安(30=田子ノ浦)、2日目は隠岐の海と戦う。1月の初場所で20年ぶりの幕尻優勝を果たし、西前頭17枚目から同2枚目へと一気に番付を上げた徳勝龍(33=木瀬)は、初日が19場所ぶり関脇復帰の正代(28=時津風)戦。先場所は千秋楽まで優勝争いを演じた注目カードが組まれた。2日目は近大の後輩にあたる朝乃山と対戦する。

小兵の人気力士で今場所は上位総当たりが予想される東前頭4枚目の炎鵬(25=宮城野)は、初日が御嶽海(27=出羽海)、2日目は竜電(29=高田川)と平幕勢との対戦で滑り出す。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)との史上9組目の「親子幕内」を果たした、東前頭18枚目の琴ノ若(22=佐渡ケ嶽)は初日に大奄美(27=追手風)、2日目は明生(24=立浪)と対戦する。

十両以上の初日からの休場力士は、西十両13枚目の友風(25=尾車)だけ。また、前任の阿武松部長(元関脇益荒雄)の退職で空席となっていた審判部長は、引き続き九州場所担当部長の境川理事(元小結両国)が代理で務める。

7日は同所で無観客、さらに通常なら三役以上が対象となっている力士の出席も見合わせた中で土俵祭が執り行われ、8日の初日を迎える。

関連するニュースを読む

12年ぶり無投票で理事決定 相撲協会の役員候補選

日本相撲協会の理事候補、副理事候補が出そろい、掲示された

日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で、1期2年の任期満了に伴う役員候補選挙の立候補を受け付けた。定員10人の理事候補に10人、定員3人の副理事候補に3人がそれぞれ立候補。前回当選者のうち阿武松親方(元関脇益荒雄)はすでに退職しており、現職では山響親方(元幕内巌雄)が立候補せず、新たに伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と花籠親方(元関脇太寿山)が出馬した。

定員を超えなかったため、無投票での就任が確実になった。無投票での理事、副理事の決定は、2008年以来6期12年ぶりになる。候補者は、評議員会の承認を経て、3月の春場所後に就任。新たな理事メンバーで、理事長を互選する。

候補者は以下の通り。

▽理事候補 八角(元横綱北勝海)、春日野(元関脇栃乃和歌)、出羽海(元幕内小城ノ花)、境川(元小結両国)、高島(元関脇高望山)、伊勢ケ浜(元横綱旭富士)、尾車(元大関琴風)、芝田山(元横綱大乃国)、花籠(元関脇太寿山)、鏡山(元関脇多賀竜)

▽副理事候補 若松(元幕内朝乃若)、藤島(元大関武双山)、高田川(元関脇安芸乃島)

関連するニュースを読む

朝乃山は御嶽海、白鵬は大栄翔と対戦 初日取組

本場所で使用する紫の締め込みを締めて稽古する新関脇の朝乃山

日本相撲協会審判部は10日、東京・両国国技館で取組編成会議を開き、同所で開催される大相撲初場所(12日初日)の、初日と2日目の取組を発表した。

成績次第で大関昇進の声がかかりそうな注目の新関脇朝乃山(25=高砂)は初日、17場所連続で在位した三役から陥落の西前頭2枚目の御嶽海(27=出羽海)と対戦する。過去の対戦成績は御嶽海の3勝1敗となっている。2日目は東前頭3枚目の玉鷲(35=片男波)と対戦する。

両横綱は、白鵬(34=宮城野)が新三役の小結大栄翔(26=追手風)の挑戦を受ける。先場所は2日目に対戦し、大栄翔が金星を奪っている。2日目は東前頭筆頭の遠藤(29=追手風)戦だ。鶴竜(34=陸奥)は、東前頭筆頭の遠藤(29=追手風)と対戦。2日目は4場所連続小結の阿炎(25=錣山)と当たる。

9度目のかど番で迎える大関豪栄道(33=境川)は、東前頭2枚目の北勝富士(27=八角)戦で初日を迎える。先場所、在位3場所目で大関として初めて勝ち越した貴景勝(23=千賀ノ浦)は西前頭筆頭の妙義龍(33=境川)と当たる。また大関から陥落し、今場所10勝以上で復帰できる関脇高安(29=田子ノ浦)は玉鷲と対戦する。

十両以上の初日からの休場力士は、西前頭3枚目の琴勇輝(28=佐渡ケ嶽)と東十両筆頭の友風(25=友風)の2人。また、前任の阿武松部長(元関脇益荒雄)の退職で空席となっていた審判部長は、九州場所担当部長の境川理事(元小結両国)が代理で務める。11日は同所で土俵祭が執り行われ、12日の初日を迎える。

関連するニュースを読む

境川理事も「面白い取組になるのでは」熱戦を期待

本場所で使用する紫の締め込みを締めて稽古する新関脇の朝乃山

日本相撲協会審判部は10日、東京・両国国技館で取組編成会議を開き、同所で開催される大相撲初場所(12日初日)の、初日と2日目の取組を発表した。

前任の阿武松部長(元関脇益荒雄)の退職で空席となっていた審判部長を、代理で務めることになった九州場所担当部長の境川理事(元小結両国)も会議に出席。「横綱、大関にとっては(三役以下の)上位が元気だから、初日からたいへんでしょう。面白い取組になるのでは」と熱戦を期待した。次期大関候補と目される新関脇の朝乃山(25=高砂)については「誰と当たっても力は拮抗(きっこう)している。頭1つ、2つ抜けているのはいない」と若手成長株とはいえ、飛び抜けた存在でないことで混戦にも期待。「いかに上手に出だしを行く(滑り出す)かがカギ」と見通しを示した。9度目のかど番で臨む愛弟子の大関豪栄道(33)については「尻上がりに良くなっている」と期待を込めた。

関連するニュースを読む

土佐緑、豊浪、大辻 序ノ口は3人で優勝決定戦に

<大相撲九州場所>◇13日目◇22日◇福岡国際センター

序ノ口の優勝争いは、6勝1敗で並んだ3人による千秋楽の優勝決定戦に持ち込まれた。

この日、ただ1人、6戦全勝で臨んだ西15枚目の土佐緑(23=阿武松)が、西序二段106枚目で幕内経験者の宇良(27=木瀬)に押し出しで敗れた。これで、この日の7番相撲で勝ち6勝1敗となった豊浪(18=立浪)、大辻(16=高田川)と並び、千秋楽の十両取組後に行われる各段の優勝決定戦で今場所の優勝力士が決まることになった。

土佐緑は、埼玉栄高時代は大関貴景勝(千賀ノ浦)と同期生で、主将も務めた。だが、中学時代に左肩、角界入り後は右肩を脱臼し長期休場の憂き目にあった。復帰し序ノ口、序二段と2場所連続各段優勝したが、今年春場所の4番相撲で右膝を負傷。前十字靱帯(じんたい)断裂、内側靱帯(じんたい)部分断裂、半月板損傷という重傷を負い、ほぼ半年、稽古場にも下りられなかった。

そんなこともあり「6番勝っているからいいです。今場所は4番ぐらい取れればいいと思っていましたし、これまでのことを考えたら上出来です」と完敗したこともあり、サバサバした様子。ともえ戦になる優勝決定戦は「ケガなく終えること。ただ先代には勝っていい報告ができれば」と、病気のため退職を余儀なくされた先代阿武松親方(元関脇益荒雄)への恩返しも心に秘めた。

関連するニュースを読む

栃ノ心は西関脇、豊ノ島、貴源治、栃煌山ら十両降格

大関栃ノ心(2019年1月16日)

日本相撲協会は28日、大相撲九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。降下、改名、引退などの力士、年寄は以下の通り。

【降下】

<大関から三役>

栃ノ心(32=春日野)東大関から西関脇

<幕内から十両>

東龍(32=玉ノ井)西前頭15枚目→東十両筆頭

栃煌山(32=春日野)西前頭16枚目→東十両2枚目

貴源治(22=千賀ノ浦)東前頭17枚目→東十両6枚目

豊ノ島(36=時津風)西前頭14枚目→西十両8枚目

<十両から幕下>

朝玉勢(26=高砂)東十両14枚目→東幕下2枚目

貴ノ富士(22=千賀ノ浦)西十両5枚目→西幕下5枚目

千代の海(26=九重)西十両11枚目→東幕下6枚目

青狼(31=錣山)東十両12枚目→西幕下6枚目

【改名<1>】(しこ名の上の部分)

<十両>

琴手計→琴勝峰(ことしょうほう=佐渡ケ嶽)

<三段目>

越錦→越乃花(えつのはな=立浪)

<序二段>

小浜海→佐田の龍(さだのりゅう=境川)

森田→雅(みやび=二子山)

塩谷→木瀬ノ海(きせのうみ=木瀬)

上田→藤乃波(ふじのなみ=藤島)

海波→瑞光(ずいこう=立浪)

<序ノ口>

光内→土佐緑(とさみどり=阿武松)

大国旭→大國旭(おおくにあさひ=中川)

【改名<2>】(しこ名の下の部分も含める)

琴手計富士紀→琴勝峰吉成(ことしょうほう・よしなり)

越錦政虎→越乃花友弥(えつのはな・ともや)

光内洸太→土佐緑清太(とさみどり・きよた)

【年寄襲名】

嘉風→中村

誉富士→楯山

【退職(年寄)】

理事・音羽山広生(前阿武松、元関脇益荒雄)

参与・武隈敏正(元前頭蔵玉錦)

【死亡】

副理事・井筒好昭(元関脇逆鉾)

【引退】

入江、佐田ノ里、武蔵國、春日国、藤大成、明石隆、大喜鵬、天司、鬨龍、若佐竹、駿河富士、琴隅田、福轟力

豊ノ島(2018年9月14日)
栃煌山(2016年9月11日撮影)

関連するニュースを読む

阿武咲は阿武松部屋新体制も精進、先代の言葉忘れず

阿武咲(2019年1月18日撮影)

先代阿武松親方(元関脇益荒雄)の退職に伴い、部屋が新体制となる前頭阿武咲は「やることは変わらない」と、変わらず稽古に精進することを誓った。

厳しい指導で有名だった先代は、退職前に部屋の力士1人1人と話し合っており、阿武咲も「人として成長しなさい」と言われた。「口酸っぱく言われてきたこと。感謝の気持ちを忘れず次に進みたい」と話した。

関連するニュースを読む

元阿武松親方は退職 音羽山が阿武松襲名し部屋継承

阿武松親方(元関脇益荒雄)(2019年1月16日撮影)

日本相撲協会は26日の理事会で、年寄阿武松(58=元関脇益荒雄)の年寄音羽山の継承・襲名と、年寄音羽山(37=元前頭大道)の年寄阿武松の継承・襲名を承認。その上で阿武松部屋を継承することを承認した。また名跡交換した音羽山親方の退職も決まった。いずれも9月26日付。

先代の阿武松親方は、理事として審判部の部長を務めていたが、高血圧などの病気を理由に7月の名古屋場所から休場していた。

37歳の若さで部屋を継承した阿武松親方は「(阿武松は)師匠とおかみさんの魂が入った名跡。それに恥じないように、師匠やおかみさんの教えを糧に横綱、大関を育てたい」と引き締まった表情で話した。また「師匠から『協会関係者の皆さまへ、たいへんご迷惑をかけました。長い間、現職中はお世話になりました』とお伝えください」と報道陣を通じて先代の言葉を話した。

部屋継承の意志を伝えられたのは名古屋場所前だったという。8月下旬から先代が力士1人1人に退職の意向を伝え、入退院していたこともあり、稽古場の指導は自分と、同じ部屋付きの不知火親方(35=元小結若荒雄)の2人に任されていたという。

部屋付きだったこれまでは、自宅から部屋に通っていたが、師匠になったことから家族で千葉・習志野市内の部屋に引っ越し、先代一家は退室するという。その引っ越しなど、慌ただしい日々が続きそうだが「厳しい方だったけど(同時に)優しさ、思いやりのある師匠だった。自分もそうしたいと思う。(先代の)やり方で、さらに部屋を大きく飛躍させたいです」と抱負を語った。

関連するニュースを読む

阿武松部屋を継承予定の音羽山親方は多くを語らず

阿武松親方(2018年5月14日撮影)

日本相撲協会審判部長の阿武松親方(58=元関脇益荒雄)が、22日までに退職の意向を固めたことを受けて、部屋を継承予定の音羽山親方(37=元前頭大道)は23日、千葉・習志野市の部屋を訪れたが多くは語らなかった。

阿武松親方は高血圧などで7月の名古屋場所から2場所連続全休。22日の千秋楽パーティーで、体調不良を理由に辞める旨を、出席者らに報告したという。その件を含めて音羽山親方は「今は何も言えません。すみません」とだけ話した。現職理事が任期途中で角界を去るとなれば異例。今後は26日の理事会で議題に挙がる見込みだ。

関連するニュースを読む

阿武松審判部長は秋場所も休場 代理に高島理事

日本相撲協会は6日、審判部が東京・両国国技館で、8日に初日を迎える大相撲秋場所(両国国技館)の取組編成会議を開き、初日と2日目の取組を決めた。また大関高安(29=田子ノ浦)の休場も発表された。

十両以上で高安を含めた休場力士は、十両の嘉風(尾車)と、暴行で謹慎する貴ノ富士(千賀ノ浦)を合わせた3人。

また、高血圧治療に専念するため7月の名古屋場所を全休した阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は、秋場所も休場する。審判部長代理は、大阪場所担当部長の高島理事(元関脇高望山)が務める。

関連するニュースを読む

休場の阿武松審判部長に代わり境川親方が審判長

熱田神宮での公式参拝に臨んだ境川親方(左)と藤島親方(撮影・高田文太)

大相撲名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)前恒例の奉納土俵入りが29日、参拝客ら約5000人が詰めかけた名古屋市熱田区の熱田神宮で行われた。

奉納土俵入り前の協会参拝には、八角理事長(56=元横綱北勝海)と審判部の幹部が出席。高血圧の治療に専念するため、名古屋場所を休場する阿武松審判部長(58=元関脇益荒雄)に代わり、境川理事(56=元小結両国)が出席。同場所では審判部長代理として、審判長を務めることが分かった。昨年春場所でも、療養中だった当時の二所ノ関審判部長(62=元大関若嶋津)の部長代理を務めている。報道陣の問いかけに「よろしくお願いします」と応じていた。

関連するニュースを読む

異例の6分協議 なぜか日刊スポーツにも抗議電話が

物言いについて審議する審判団。右は結果を待つ栃ノ心(撮影・柴田隆二)

<大相撲夏場所>◇13日目◇24日◇東京・両国国技館

西前頭8枚目の朝乃山(25=高砂)が再び優勝争いの単独トップに立った。優勝を争う関脇栃ノ心との直接対決で、1度は相手に軍配が上がったが物言いがつき、6分近くの異例の長さの協議に発展。行司軍配差し違えで11勝目をつかんだ。物議を醸す判定に救われた形となった。

6分近く続いた協議の末、結果は軍配差し違え。日本相撲協会には直後から10分以上、ファンからの抗議電話が続いた。「栃ノ心の勝ちだろう」「協議時間が長すぎる」が大半だ。日刊スポーツ東京本社にまで抗議電話が。それほど微妙だった。

勝負が決したのは向正面西寄りの白房下で、物言いをつけたのは角度的に栃ノ心の足が見えた西の放駒審判(元関脇玉乃島)。「栃ノ心のかかとが砂を連れてきたと見えた」と報道陣に説明。俵の外の砂を払ったと見えた。ビデオ室への確認では、上から見た角度のカメラで栃ノ心のかかとは見えない。結局、その部分が見えたのは同審判しかおらず「目の前で見た人の判断が一番(優先される)」と阿武松審判長(元関脇益荒雄)がまとめた。場内説明で同審判長が「西方力士(栃ノ心)の勝ちと決定致しました」と言い間違える声は、館内の大歓声にかき消された。

関連するニュースを読む

朝乃山が単独トップ!13日目以降の対戦予想は?

佐田の海を破り、懸賞金を手に土俵から引き揚げる朝乃山(撮影・河田真司)

<大相撲夏場所>◇11日目◇22日◇東京・両国国技館

西前頭8枚目の朝乃山(25=高砂)が、幕内で10勝一番乗りを果たし、単独トップに立った。佐田の海をわずか2秒9で寄り切ったが、取組後に物言い。朝乃山の左足が先に土俵を割っているのではないかと、約2分半もの長い協議の末、1敗を守った。阿武松審判長(元関脇益荒雄)が言い間違え、場内騒然のハプニングがありながらも、平幕力士では07年秋場所の豪栄道以来、12年ぶりに11日目での単独トップとなった。この日は出場した関脇以上が全員敗れる、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では初の波乱となった。

▼報道対応した尾車事業部長(元大関琴風)のコメント 優勝ラインは3敗まで下がる可能性もある。朝乃山は北天佑が(36年前に)大関に上がってきたころに似ていて、貴景勝のように変身する可能性が大いにある。まじめに稽古もするし出世する要素がそろっている。

物言いが付き、協議結果を待つ朝乃山(撮影・河田真司)
物言いが付き、協議結果をアナウンスする阿武松親方(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む

朝乃山150秒待ち10勝!元ハンドGK敏捷性発揮

佐田の海(右)を寄り切りで破る朝乃山(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇11日目◇22日◇東京・両国国技館

西前頭8枚目の朝乃山(25=高砂)が、幕内で10勝一番乗りを果たし、単独トップに立った。佐田の海をわずか2秒9で寄り切ったが、取組後に物言い。朝乃山の左足が先に土俵を割っているのではないかと、約2分半もの長い協議の末、1敗を守った。阿武松審判長(元関脇益荒雄)が言い間違え、場内騒然のハプニングがありながらも、平幕力士では07年秋場所の豪栄道以来、12年ぶりに11日目での単独トップとなった。この日は出場した関脇以上が全員敗れる、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では初の波乱となった。

   ◇   ◇   ◇

勝ったのか負けたのか。朝乃山は取組後、土俵下で落ち着かない時間を約2分半も過ごした。相撲内容は圧倒。立ち合いから右を差し、一方的に寄り切った。だが勇み足の可能性を指摘された。場内が静まる中、協議の説明が始まった。

阿武松審判長 行司軍配は朝乃山に挙がりましたが、佐田の海のかかとが先に出ているのではないかと物言いがつき、協議した結果、佐田の…。朝乃山のかかとが先に出ており、朝乃山の勝ちと決定致しました。

観衆からは「どっち?」の声やブーイングまで起きた。朝乃山も険しい表情のまま土俵下で立ち尽くしていると「佐田の海のかかとが先に出ており、朝乃山の勝ちと決定しちゃ…、いちゃ…、致しました」と、しどろもどろで訂正された。ようやく勝ち名乗りを受けると、大歓声に包まれた。

支度部屋に戻ると「俵に足がついたのが分かってパッと足を戻した」と際どい差を分けた勝因を明かした。小学4年から相撲と並行して3年間続けたハンドボールで、GKとして富山県の強化選手にも選出された反応の速さは健在。取りこぼさなかった。協議結果の説明も「どっちか分からなかった」と笑い飛ばした。

取組前まで1敗で並んでいた栃ノ心、鶴竜が相次いで敗れ、単独トップに立った。師匠の高砂親方(元大関朝潮)は「タイは干物を用意しているよ」と冗談で返すが、優勝の際に部屋が用意する縁起物の名称も飛び出した。名門高砂部屋にとって、優勝となれば元横綱朝青龍が最後に制した10年初場所以来9年ぶり。それでも当の本人は「余計なことは考えず、いかに自分の相撲を取れるか。明日がカベ」と玉鷲戦だけを見据えた。来場所は一気に令和初の新三役の可能性も。にわかに周辺が騒がしくなってきた。【高田文太】

佐田の海と朝乃山の取組に物言いが付き、協議結果をアナウンスする阿武松審判長(撮影・河田真司)
佐田の海を破り、懸賞金を手に土俵から引き揚げる朝乃山(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む

物言い説明で国技館大混乱、V争い朝乃山1敗死守も

朝乃山と佐田の海の一番に物言いが付き、集まる審判の親方たち(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇11日目◇22日◇両国国技館

1敗で横綱鶴竜、関脇栃ノ心とともに優勝争いのトップを走る平幕の朝乃山(25=高砂)が、佐田の海(32=境川)を寄り切りで破り、白星を10勝に乗せた。

この一番は、朝乃山が圧倒して寄り立て、東土俵で勝負を決めたかに見えた。行司軍配は朝乃山に上がったが、土俵際で朝乃山の左足つま先が、先に土俵外に出たのではないかと物言いがついた。ビデオでみる限り、佐田の海の左足かかとが出るのと微妙な差で、朝乃山は出かかった左足つま先を浮かせたように見えた。

長い協議の末、結果は朝乃山の勝ち。ただ、この場内説明で、審判長を務めていた阿武松審判部長(元関脇益荒雄)の説明に誤認があり、場内は騒然とした。「行司軍配は朝乃山に上がりましたが、佐田の海のかかとが先に出ているのではないかと物言いがつき協議した結果、佐田の…朝乃山のかかとが先に出ており、朝乃山の勝ちと決定いたしました」。

この文言では矛盾がある。まず「佐田の海のかかとが先に出ている」のであれば、行司軍配通りに朝乃山の勝ちとなるわけだから、物言いはつかない。さらに「朝乃山のかかと」は「佐田の海のかかと」であり、また「先に出た力士の勝ち」とするのも間違い。両力士のしこ名と、つま先やかかとの部位が混同され、混乱を招く説明となった。

この、つじつまが合わない説明に、場内は不満の声が渦巻いた。両力士も、どうしていいか分からず土俵下に控えたまま。この状況に、同審判部長が再度のアナウンス。「佐田の海のかかとが先に出ており、朝乃山の勝ちとします」の説明で、ようやく騒然とした場内も収まり、両力士も土俵に上がり朝乃山が勝ち名乗りを受けた。

朝乃山と佐田の海の一番に物言いが付き説明する阿武松親方(撮影・鈴木正人)
佐田の海(左)を寄り切りで下す朝乃山(撮影・中島郁夫)

関連するニュースを読む

通説覆す可能性 貴景勝は白鵬助言も武骨に押し相撲

大関昇進の伝達式で口上を述べる貴景勝(撮影・清水貴仁)

押し相撲の大関は大成しない-。貴景勝はそうした通説を覆す可能性を秘めている。

同じく突き、押しが武器だった八角理事長(元横綱北勝海)は「珍しい大関が誕生した」と、角界の歴史を顧みながら評する。「横綱、大関は相撲の型で言えば、まわしを取って、が多かった。(貴景勝は)一切取らずに押していく。これしかないという気持ちが見える。だからこそ、魅力的で印象的」と期待を寄せた。

貴景勝の身長175センチは、平成以降の新大関26人で最も低い。だが、それを逆手に取り、下から突き上げ、相手がまわしを狙うと体を開く機敏さで白星を積み重ねてきた。審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)も「独特な押し相撲の力士になるんじゃないですか」と、過去に例のないタイプとみる。

春場所千秋楽から一夜明けた25日、横綱白鵬は「押し相撲1本だけじゃなくて、四つになる相撲も覚えた方がいい」と発言した。それに対し、貴景勝は「その通りだと思う」といったんは受け止めた。しかし、この日貴景勝は「もっと長所を伸ばしたい。押し相撲も何種類かある」とこれからも自慢の突き、押しを貫く姿勢を示した。武骨に押し相撲一筋で横綱を狙う。

大関昇進の伝達式を終え騎馬で祝いを受ける貴景勝(撮影・清水貴仁)

関連するニュースを読む

協会も期待する貴景勝の取り口「魅力的で印象的」

大関昇進の伝達式を終え騎馬で祝いを受ける貴景勝(撮影・清水貴仁)

貴景勝の大関昇進を決めた日本相撲協会の幹部らは27日、大阪市内で開かれた番付編成会議後に取材に応じ、貴景勝の突き押し1本やりの取り口を「すごくおもしろい」「独特」「ブレない」などと評価、大きな期待をかけた。

八角理事長(元横綱北勝海)は「珍しい大関が誕生した。横綱、大関は相撲の型で言えば、まわしを取って、が多かった。(貴景勝は)一切取らずに押していく。大受さんのような感じなのではないか」と、70年代に徹底した押し相撲で鳴らした大関を例えに挙げた。

「これしかないという気持ちが見える。だからこそ、魅力的で印象的。今後出るかどうかわからない(型の)大関」とひたむきな姿勢を評価。また、22歳という年齢に触れて「幕内で一番若いでしょ? (昨年名古屋場所の)御嶽海の優勝から“俺もやればできる”という空気が出てきたけど、今回も“年下が上がったんだから、俺も”となってくるんじゃないか」と、周囲への刺激剤としても期待した。

阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「独特な押し相撲の力士になるんじゃないですか」と言い、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「1本に徹した相撲。またどんな状況でも気持ちがぶれない。その姿勢がいい」と話した。

一方で、さらに上の横綱を目指すために必要なものは何か? 八角理事長は「立ち合いに磨きをかけてほしい。白鵬戦、豪栄道戦がそうだったように、当たられると苦しい。破壊力で押し込むための馬力がもっと必要になる」と話した。

芝田山広報部長は「上(横綱)に上がるために、人の2倍も3倍も稽古して欲しい」と話した。

大関昇進の伝達式を終えタイを手にする貴景勝(撮影・清水貴仁)

関連するニュースを読む

貴景勝が満場一致で大関昇進、34勝&上位戦を評価

栃ノ心を押し出しで破り10勝目を挙げ、ホッと一息つく貴景勝(19年3月24日撮影)

日本相撲協会は27日午前、大阪市内で夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)の大関昇進を、満場一致で承認した。

貴景勝は昨年11月の九州場所で、13勝2敗の好成績を収めて初優勝を飾った。今年に入り1月の初場所は11勝、今月の春場所は10勝。大関昇進の目安とされる、直近3場所の合計33勝を上回る34勝(11敗)をマークした。この間、稀勢の里(現荒磯親方)、白鵬、鶴竜の3横綱から、それぞれ1勝ずつ挙げて計3勝(1敗)など、上位戦の好内容も評価され、異論はなかった。

春場所千秋楽の24日に、審判部の阿武松審判部長(元関脇益荒雄)が八角理事長(元横綱北勝海)に、貴景勝の大関昇進を諮る臨時理事会の招集を要請。これを受諾され、この日の臨時理事会開催となった。

貴景勝は兵庫県芦屋市出身で、埼玉栄高から当時の貴乃花部屋に入門。14年秋場所で初土俵を踏み、16年夏場所で新十両、17年初場所新入幕と、順調に出世してきた。幕内在位は14場所で、過半数の8場所で2ケタ白星を挙げている。

日本相撲協会は千賀ノ浦部屋関係者が待つ大阪市内のホテルに、審判部から使者を派遣し、昇進を伝達する。伝達式では、貴景勝が口上を述べる予定となっている。

関連するニュースを読む

貴景勝が大関昇進へ「ゴールじゃない。さらに上を」

貴景勝が書いた小学校の卒業文集

<大相撲春場所>◇千秋楽◇24日◇エディオンアリーナ大阪

平成最後の大関が誕生する。関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)が、事実上の大関昇進を決めた。

かど番脱出へあと1勝としていた大関栃ノ心を押し出し、“入れ替え戦”を制して白星を2桁に乗せた。

直近3場所の合計勝利数が、昇進の目安とされる33勝を1つ上回り、阿武松審判部長(元関脇益荒雄)が大関昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請して了承された。27日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議を経て正式決定する。

顔は紅潮し、口元が小刻みに震える。今場所10度目の勝ち名乗りを受け、土俵下に座った。額から落ちる汗が、貴景勝の頬を伝う。涙ではない。「だって、これで終わりじゃないし、おやじと約束したから」。幼少期、父一哉さんに口酸っぱく「人前では涙を見せない」と言われた。その父が2日連続で観戦に訪れる中、14日目はあっけなく敗戦。「親の前で、情けない子どもだと感じていた。最後に勝てて良かった」と、胸をなで下ろした。

緊張と集中のはざまにいた。「(取組内容は)あまり覚えていない」。大関昇進の目安は10勝以上。勝利が絶対条件だった。相手はかど番脱出に王手をかけていた栃ノ心。惨敗した14日目の逸ノ城戦では、力ないもろ手突きで立ったが、この日は本来のスタイルに立ち返った。頭からぶつかり、3発で押し出す電車道。「昨日の夜から自分と向き合う時間が長かった。何とか、自分の体を武器にしてやってきたことを思い出した」。

究極の押し相撲を磨いてきた。幕内で2番目に小さい身長175センチ。14年秋場所に初土俵を踏んで角界に足を踏み入れた時は、幕内力士の巨体を見て「こんなところでやっていけるのか」と不安が募った。四つ相撲では、体格で勝る相手に歯が立たない。「自分はまわしを与えたら勝てない」。押しといなしを巧みに使い分け、絶妙な距離感で勝負してきた。昇進決定と同時に、技能賞を2場所連続で獲得。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)も「今までにいないタイプ」と評価する独自のスタイルで、周囲を認めさせた。

日本人の誇りを胸に、次は最高位の番付を目指す。「ゴールじゃない。さらに上を目指さなきゃ(大関は)務められないと思う」。小中学生の頃、相撲界を席巻していたのは元横綱朝青龍や白鵬ら外国人力士。さらに八百長などの不祥事で相撲人気が低下する中、小学校の卒業文集では「角界に入り日本人横綱になり人気を取り戻したい」と誓った。その思いはプロに入っても変わらない。「日本代表という言い方はおかしいけど、武士道精神。外国人力士に負けない、日本の心を持った力士になりたい」。勝っても負けても、感情を表に出さない。和の心を持った幕内最年少の22歳が、階段をさらに駆け上がる。【佐藤礼征】

栃ノ心を押し出しで破り10勝目を挙げ、ホッと一息つく貴景勝(撮影・渦原淳)
栃ノ心に勝ち支度部屋に引き揚げる貴景勝(撮影・奥田泰也)

関連するニュースを読む