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高砂ジム会長山下容疑者の処遇はJBCの判断待ち

西日本ボクシング協会の山下正人会長(58=真正ジム会長)は3日、住居侵入の疑いで逮捕された高砂ジム会長の(兵庫県高砂市)の山下忠則容疑者(55)の処遇に関し、日本ボクシングコミッション(JBC)の判断を受けて、協会として対応する意向を示した。

兵庫県警高砂署は2日、山下容疑者が経営する高砂ボクシングジムに所属する女性(37)の自宅に無断で侵入したとして、住居侵入の疑いで逮捕した。署によると、女性がアパートの自室に設置した防犯カメラに山下容疑者の姿が写っていた。女性は1月、身に覚えのないICレコーダーを室内に設置される被害を受けており、警戒のためカメラを取り付けていた。

山下容疑者は過去にも逮捕歴があり、JBC、協会ともに今回の事態を重く見ている。

電話取材に応じた山下・西日本協会会長は「JBCの判断結果を受けて、緊急の理事会を開催する。以前から問題があり、重く受け止めている。こちらとしては何より、所属している選手の処遇をちゃんとやらないといけない」。

今後の捜査状況、JBCの動向を見据え、西日本協会としても厳しく対処する。

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久保隼の真正ジム必勝祈願 3月から月1回興行目指す

神戸・湊川神社で必勝祈願を行ったボクシングの真正ジムの選手ら。前列左が山下会長

ボクシングの真正ジムは16日、神戸市の湊川神社で恒例の必勝祈願を行った。

新型コロナウイルスの影響で興行の見通しがたたない中、山下正人会長(58)は3月28日に神戸市内で行う興行を皮切りに、関西で月1回の開催を目指すとした。有観客でも制限がかけられる中、興行に踏み切れないジムが多数。厳しい状況下、関西のボクシングの火を消すわけにはいかないという決意を示した。

3月は元WBA世界スーパーバンタム級王者・久保隼(30)をメインに計画。契約58・5キロでの8回戦を予定している。久保は「人混みを避ける時間帯で練習している。(国内で活性化している)フェザー級の争いの中に入っていきたい」と意気込んだ。

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元世界王者の久保隼が再起戦「誇りを持って頑張る」

久保隼(17年撮影)

ボクシングの真正ジムは25日、元WBA世界スーパーバンタム級王者久保隼(30)の再起戦を9月26日、神戸市立中央体育館で行うと発表した。対戦相手は五十嵐嵩視(トコナメ)。契約58・0キロの8回戦で行う。

久保は昨年5月、2階級制覇を狙って中国でWBA世界フェザー級王座に挑戦も6回TKO負け。以来の試合となる。

ジムを通じ、「今の世の中になり、あらためて思うのは、好きなことをやっていいのが単純に幸せだということ。『ファミコン』をやっている子どもと同じなんですよね。やる時に『よし、何時間でやめる』なんて思っていないはず。親に『やめろ』と言われるまでやってやるぜと思ってるはずです。自分がボクシングを続けると下した決断に、誇りを持って頑張りたいと思います」とコメントした。

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頭部陥没させたドネア左フック/山下正人会長の一撃

ノニト・ドネア(19年11月撮影)

<ボクシング、忘れられない一撃~14>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。

元世界3階級王者の長谷川穂積らを育てた、真正ジムの山下正人会長(58=西日本ボクシング協会会長)があげた一撃は「戦慄(せんりつ)の左フック」。11年2月のWBO、WBC世界バンタム級タイトルマッチで、挑戦者ノニト・ドネア(フィリピン)が、統一王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)を沈めた一撃。倒す要素が詰まった理想の1発を振り返る。(取材・構成=実藤健一)

▼試合VTR 11年2月19日、米ラスベガスでのWBO、WBC世界バンタム級タイトルマッチ。3階級制覇の統一王者モンティエルと2階級制覇王者のドネアが激突。軽量級屈指の好カードは、挑戦者のドネアが圧倒した。立ち上がりから右ストレートからの左フックのコンビネーションで主導権を奪い2回、強烈な左フックでキャンバスに沈んだモンティエルは大の字で動けず2分25秒TKO負け。モンティエルの右側頭部は陥没していた。

◇ ◇ ◇

最もインパクトあったんがドネアの左フック。モンティエルが衝撃的な倒れ方やった。パンチというのは当てるだけやない。大事なのは呼吸、タイミング。それをあらためて思い知らされた一撃やった。

選手を指導する上で、常に選手に教え込むのがタイミング。言葉にするのは難しいけど、そこは0コンマ何秒の世界。たいがいはタイミングが早かったり遅かったり。ここで打たなあかん! というのは練習で体に覚え込ますしかない。その点でドネアの左フックはすごい、完璧なパンチやった。

ドネアの場合、あの左フックにたどり着くまで、いっぱいの伏線があった。右ストレート、ジャブ、いろんな伏線を張り巡らして、最後だけは左フックで仕留めると決めている。

1発で、狙い澄まして、というのは難しい。自分が最も自信があるパンチをいかに効果的に打てるか。そういう視点からも、あの試合から学ぶものは少なくなかった。

選手には「半呼吸」を教えている。打たれてすぐに打ち返しがちだが、そこで半呼吸ためることができれば、相手もタイミングがとれずに隙が生まれやすい。倒すのは決して力ではない。ドネアの左フックは、自分が指導する上で理想としている。

◆山下正人(やました・まさと)1962年(昭37)4月30日、兵庫県伊丹市生まれ。伊丹東中から村野工へ。野球部で俊足巧打の1番打者として活躍。3年夏の県大会ではベスト4と甲子園に迫った。卒業後、兵庫県警で暴力団対策の刑事。99年に民間の警備会社に移り、千里馬神戸ジムでトレーナー。長谷川穂積を世界王者に育て、05年度にトレーナーのMVP「エディ・タウンゼント賞」。07年に真正ジムをたち上げる。昨年度から西日本ボクシング協会会長。

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真正ジムの山下会長「来るべき時に頑張ったらええ」

18年7月、山中竜也(左)と笑顔を見せる山下正人会長

<もしもし日刊です>

元世界3階級王者の長谷川穂積らを育てた真正ジムの山下正人会長(57)が19日までに、日刊スポーツの電話取材に応じた。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、日本ボクシングコミッション(JBC)は5月末までの興行自粛を要請。各ジムは休業と厳しい経営状況をしいられる中、西日本ボクシング協会会長を務める山下会長は「今は我慢。くるべき時に向けて力をためたい」と語った。

   ◇   ◇   ◇

今月10日、西日本ボクシング協会は大阪市内で理事会を開催した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で興行中止、各ジムは休業せざるをえない。先に日本プロボクシング協会が全国の加盟ジムに助成金10万円の給付を発表したが、西日本協会も独自にプラスで5万円の給付を決めた。苦しいジム経営を少しでも救いたいと計15万円となる。

西日本協会の会長でもある山下会長が経営する神戸市内の真正ジムも、8日から休館した。元世界3階級王者の長谷川に久保隼、山中竜也ら多くの世界王者を育てた名指導者はその際、選手を集めて話した。

山下会長 「また試合できる」。選手のモチベーションが落ちるんが一番心配やった。ただ、選手は意外とみんな楽観視してた感じやったけど。現状に関しては仕方ないよ。(4月中ごろには収束すると)みんなそう思ってたと思うけど、悪い方向にいってるわね。でも仕方ない、こればかりは。見えない敵が相手やし、今は我慢するしかないんちゃう。

JBCは6日、当初は5月15日までとしていた国内の興行自粛要請を5月末まで延長した。予定していた多くの興行が中止となり、西日本協会の理事会でも「せっぱ詰まった声もあがった」という。

山下会長 今はとにかく、自粛要請を守って(感染拡大を)妨げるしかないと思っている。(ジムを)再開できるなら1日でも早くと思っているが、どんな仕事でも同じ。やりたいことを取り戻すには、みんなで乗り越えるしかない。1人1人が我慢することが、大事やと思うよ。

厳しい状況もプラスにとらえたい。

山下会長 今はゆっくりしようと。来るべき時に頑張ったらええんやと。自分も今は時間あるからね。何でも知恵つけていこうと。今できるんは、そういうことちゃうかな。

戻ってくる日常を見据え、力と知恵を蓄える。【聞き手=実藤健一】

◆山下正人(やました・まさと)1962年(昭37)4月30日、兵庫県伊丹市出身。伊丹東中から村野工へ。野球部で俊足巧打の1番打者として活躍。3年夏の県大会ではベスト4と甲子園に迫った。卒業後、兵庫県警で暴力団対策の刑事。99年に民間の警備会社に移り、千里馬神戸ジムでトレーナー。長谷川穂積を世界王者に育て、05年度にトレーナーのMVP「エディ・タウンゼント賞」。07年に真正ジムをたち上げる。昨年度から西日本ボクシング協会会長。

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山中竜也さん妹菫がプロ挑戦 狙うは兄妹世界王者

20年の必勝祈願を行う真正ジムの所属ボクサーたち(撮影・加藤雄一)

ボクシングの元WBO世界ミニマム級王者山中竜也さん(25)の妹菫(相生学院高3年)がプロ挑戦を決めたことが21日、分かった。

真正ジムの山下正人会長(57)が明らかにしたもので「先週、ウチに来て“プロでやりたい”と。うれしいですね。まだスパーリングもさせていないので、しばらく様子を見たい」と言い、時期を見てプロテストを受験することになりそうだ。

菫は兄の背中を追ってボクシングを始め、同高ボクシング部へ。しかし、山中さんが18年7月の2度目の防衛戦で硬膜下血腫を負い、引退を余儀なくされると、ショックを受けてか、約1年半、ボクシングから遠ざかっていた。今後は“兄妹世界王者”を目指す。

また同ジムの元WBO世界女子ミニマム級王者佐伯霞(23)が昨年7月に一般人男性と結婚、5月に第1子を出産予定であることも分かった。山下会長は「出産後、カムバックする意欲を見せている」と言い、こちらは“ママさん世界王者”を目指すことになりそうだ。

同ジムではこの日、所属ボクサーが集合して、神戸市の湊川神社で今年の必勝祈願を行った。山下会長は「春にはいろいろアクションを起こしたい」と言い、長谷川穂積、久保隼、山中など多くの世界王者を輩出した名門ジムとしての飛躍を誓った。

20年の必勝祈願を行う真正ジムの所属ボクサーたち(撮影・加藤雄一)

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10連勝狙う佐々木蓮「KOD冠大会負けられない」

計量をクリアした若松竜太(左)と山内祐季

ボクシングKNOCK OUT DYNAMITE賞金マッチトーナメントの前日計量が、18日に都内で行われた。3階級6試合の準決勝に出場する12人全員が計量をクリアした。

56キロ級山内祐季(24=真正)はデビュー3連勝中(2KO)で、4戦目で初の日本人相手となる。「ずっとフィリピン人相手。日本人は新鮮で怖さもあるが、経験も積めるので」と出場を決めた。

3歳で空手、小1でボクシングを始め、相生学院時代に高校3冠を獲得した。芦屋大では主将で国体を制し、世界選手権2位。東京オリンピック(五輪)を目指していたが、昨春卒業と同時にプロ入りした。

手ほどきから指導を受けてきたのは、元日本スーパーフェザー級2位だった父雄三トレーナー(55)。「父と2人を受け入れてくれ、世界を目指すためにも」と真正ジムに入門した。「倒すことにこだわらないが、ビシッと決めたい。優勝して結果を出し、上に上がっていきたい。3年で世界挑戦できるレベルに」と抱負を話した。

同級もう1試合では佐々木蓮(24=ワタナベ)が10連勝(6KO)を狙う。「一番の仕上がり。流れの中で倒せればいい」と話した。中学まではサッカーも長続きせず。盛岡から上京して、格闘技好きからキックボクシングを体験も肌が合わず。テレビで見たワタナベジムに入門した。

フェザー級で17年全日本新人王に輝き、昨年にはB級優勝とトーナメントには強い。元世界王者内山氏が経営する四谷のKODラボで、トレーナーとして働いている。オーナーが大会の冠に負けるわけにはいかない。優勝賞金50万円に加え、KOラウンドにより上乗せがある。連続1回KOなら合計150万円も「お金より勝ちたい」と必勝を期した。

10連勝を狙う佐々木蓮

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王者京口戦前に久田哲也が異例「興行内」公開スパー

WBAスーパー世界ライトフライ級タイトルマッチを前に、異例の“興行内公開練習”を行う同級1位久田哲也(撮影・加藤裕一)

WBA世界ライトフライ級1位久田哲也(34=ハラダ)が23日、スーパー同級王者京口紘人(25=ワタナベ)との世界戦(10月1日、エディオンアリーナ大阪)を前に同第2競技場で異例の“興行内公開練習”を行った。

神戸・真正ジムの興行の中で観衆約800人を前に、リングアナ、レフェリー付きという本番さながらのスタイル。ヘッドギアを装着してジム仲間相手に2ラウンドのスパーリングを行った。終了後にはリング上で「京口選手とは打ち合いになると思うけど、熱い気持ちでいきます。左フックで倒して、僕が世界をとります」と決意表明した。

久田は「試合ぐらい集中できて、いいリハーサルになりました」と喜んだ。デビュー46戦目。国内ジム所属選手として、平成以降ではリック吉村の45戦目を上回る“最も遅い世界初挑戦”へ、チケットの売れ行きも好調の様子。自らさばいたのは約600枚。過去最高は「日本タイトル戦で250ぐらい」というから、すでに2倍以上の“応援団”を確保した。デザイン事務所などを経営する兄祐輝さん(38)に「GET THE GLORY(栄光をつかめ)」というロゴ入りTシャツをデザインしてもらうなど、準備万全だ。

今回の仕掛け人、西日本ボクシング協会長の真正ジム・山下正人会長は「彼は世界初挑戦で経験が少ない。ちょうど世界戦の1週間前にウチの興行があったんでね。西日本の仲間やし、頑張ってほしいからね」と企画理由を語った。

WBAスーパー世界ライトフライ級タイトルマッチを前に、異例の“興行内公開練習”を行った同級1位久田哲也(撮影・加藤裕一)

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久保隼2階級制覇ならず ジム後輩の悔しさ晴らせず

久保隼(17年撮影)

<プロボクシング:WBA世界フェザー級王座戦12回戦>◇26日◇中国・撫州

WBA世界フェザー級10位久保隼(29=真正)が敵地中国で王者徐燦(25=中国)に6回TKO負けを喫し、2階級制覇を逃した。17年4月にWBA世界スーパーバンタム級王座を獲得したが、同年9月の初防衛に失敗。2年越しの雪辱を目指したが、日本に吉報を届けることはできなかった。

   ◇   ◇   ◇

2年越しで目指した頂に届かず、久保が散った。敵地の重圧、王者の粘り腰を想定した上で「いろいろな人にメッセージをいただき『日本でも試合をしてほしい』と言われた。勝って、日本で試合ができるようにしたい」と乗り込んだ中国のリング。だが、輝くベルトは遠かった。

相手の徐燦は試合前時点で16勝2敗。そのうちKO勝ちは2試合と、粘り強さが数字にも表れていた。「気持ちが強い選手だが、ボクシングでも、気持ちでも負けない」。昨年10月にはスパーリングで、右目を負傷するアクシデントにも見舞われた久保だが「いつもと変わらない。いつも通り45日前から準備をしてきた。調整についても深く考えていない」と冷静だった。

2年前に世界王座から陥落。山下会長は「この間の負けまでは『これでいい』と流してきた部分があった」と振り返る。防御時に体が起き上がってしまう部分を修正し、カウンターへ持ち込む形を落とし込んだ。同会長が「これまでで一番いい仕上がり」と評し、調整は万全だった。

今や「世界の顔」となったWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(大橋)ら、昨今のボクシング界の話題は関東から多く発信される。所属の真正ジムは長谷川穂積氏(38)が巣立った関西の名門だが、昨年7月に山中竜也さん(24)がWBO世界ミニマム級王座から陥落し、急性硬膜下血腫で無念の現役引退。今月には小西伶弥(25)が2度目の世界戦に挑み、地元神戸で散った。その戦いを見守り「気持ちの面でいいものを見せてもらったと思うし、そこは負けずに頑張りたい」と誓った兄貴分だったが、またしても悔しさが残った。

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異例の現役王者移籍が決定、伊藤雅雪が横浜光ジムへ

伊藤雅雪(18年11月7日撮影)

ボクシングWBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪(28)の現役王者としては異例の移籍が決まった。これまでの伴流ジムから横浜光ジムに移籍したことが22日、日本ボクシングコミッションから発表された。現役世界王者のジム間移籍は、07年に当時のWBC世界バンタム級王者長谷川穂積が千里馬神戸ジムから新設された真正ジムに移籍して以来2例目となる。

18年7月、米キシミーで同級王座決定戦に臨み、クリストファー・ディアス(プエルトリコ)に判定勝利を挙げて世界王者になった伊藤は海外志向が高い。4月には米プロモート大手トップランク社と3年契約を結び、週末25日には米キシミーで元五輪代表の同級11位ジャメル・ヘリング(33=米国)と2度目の防衛戦を控えている。

試合が決まった後の練習拠点は米ロサンゼルスに構えており、同地ではルディ・エルナンデス・トレーナーの指導を受けている。同トレーナーは横浜光の石井一太郎会長を現役時代に指導していた縁があり、現在も両者の交流が続いている。伊藤が日米で練習、試合の情報交換がスムーズにできるため、横浜光ジムに移籍したとみられる。

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2度目も散った小西伶弥、想像超えた世界王者の拳

フェリックス・アルバラードに負けクローブを外す小西伶弥(撮影・奥田泰也)

<プロボクシング:IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>19日◇神戸ポートピアホテル

挑戦者の同級3位小西伶弥(25=真正)が、2度目の世界挑戦も完敗で散った。同級王者フェリックス・アルバラード(30=ニカラグア)に最大8ポイント差の判定0-3で敗れた。昨年3月に世界初挑戦も惨敗。リベンジを期したが世界の壁にまたも阻まれた。

完敗の弁しか出てこなかった。傷だらけの顔をしっかり上げた小西は「レベルが違う。思った以上に相手が上。自分はまだ、世界というレベルじゃなかった」と現実を認めた。

34勝30KOのキャリアを誇る王者アルバラードの巧みさは、想像を超えた。「思った以上に効いた」というボディー攻めに攻め手を失った。2度目の世界挑戦に向けて120回超のスパーリング。沖縄のメーカーの薄い練習用グローブを取り寄せた。拳でどの部分が当たるか、感覚でつかむため。「最高の仕上がり」と自信を持って臨んだが、世界の壁は厚かった。

陸上100メートルを11秒台で走るアスリート。元3階級世界王者の長谷川穂積にあこがれ、真正ジムの門をたたいた。世界王者も通過点。しかし、その壁の厚さを思い知った。「(世界初挑戦の)前回よりショックは大きい」。巨大な壁に阻まれた悔しさは必ずぶち壊す。【実藤健一】

2回、アルバラード(右)にパンチを放つ小西(撮影・奥田泰也)
12Rを終え、判定でフェリックス・アルバラードが勝利する、敗れた小西伶弥(右)はフェリックス・アルバラードを見つめる(撮影・奥田泰也)

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小西伶弥相手のアルバラード 異例の「スマホ会見」

スマートホンの翻訳アプリを使って質問に答える王者アルバラード(撮影・実藤健一)

IBF世界ライトフライ級3位小西伶弥(25=真正)が19日に神戸ポートピアホテルで挑む同級王者フェリックス・アルバラード(30=ニカラグア)は14日、神戸市内の真正ジムで練習を公開した。

とはいえ、前日に来日したばかりで時差ボケもあってか、ミット打ちは、わずか1ラウンドで終了。滞在約1時間でジムを立ち去った。

練習前に行った会見も超異例となった。通訳不在で王者陣営は英語を介してのやりとりも拒否したため、スマートフォンの翻訳アプリを利用した「スマホ会見」となった。

アルバラードは減量も残り約1キロで順調と明かし、小西について「中に入ってくる侍のよう。タフで強い対戦相手は分かっているが、自分もタイトルを国に持ち帰れるよう準備してきた。非常にいい戦いを見せられると願っている」と自信を示した。

34勝30KOのキャリアを誇り、最近10連続KO中と30歳にして勢いに乗る。視察した江藤トレーナーは「減量も問題なさそうだし、動きは軽快。減量に失敗したから倒したと言われたくない。バッチリ仕上げてほしい」と好勝負を描いて奮い立った。

スマートホンの翻訳アプリを使って記者会見する王者アルバラード(撮影・実藤健一)

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元王者の山中竜也さん、あだ名がつないだ第2の人生

大阪・北新地のおにぎり店店主として再出発する元WBO世界ミニマム級王者山中竜也さん(撮影・加藤裕一)

ボクシングの元WBO世界ミニマム級王者山中竜也さん(24)が店主を務めるおにぎり専門店「おにぎり竜」は19日、大阪・北新地にオープンする。

その試食会が17日に行われた。

山中さんは「場所が新地でしょ? 怖いです。人生をかけてるという意味では、世界戦と同じ。みんながくつろげて、お客さんの途絶えない店にしていきたい。今度はおにぎりのチャンピオンを目指します」と、緊張気味に抱負を語った。

山中さんは昨年7月、2度目の防衛戦で硬膜下血腫を負い、現役を引退。第2の人生を探していた昨年10月に神戸・真正ジムの先輩、元世界3階級王者長谷川穂積さんがインスタグラムに、山中さんの画像を「おにぎりマン」としてアップ。これを見た山中さんの後援者から「おにぎり店はどう?」とオファーを受けて「現役の時から、頭の形や顔の感じで周りに『おにぎり』と言われていたし…。ぜひやりたいと思った」。そこから、とんとん拍子で話が進んだ。

開店に当たっては飲食店を運営・サポートする「RETOWN」炊飯器メーカー「タイガー魔法瓶」米穀卸メーカー「幸南食糧」が運営する「おにぎりで向上委員会」がサポート。山中さんは約半年前から“修業”をはじめた。

「包丁の持ち方から勉強しました。僕は本当に不器用やし、人よりも覚えが悪くて大変でした。一番、苦労したのは、おにぎりの握り加減ですね」。今では、店のおにぎりメニュー23種類のほとんどの具材を自分で準備できるまで腕を磨いた。

使用する米は、おにぎりに最適な山形県産「つや姫」。山中さんのイチオシは「乱王しょうゆ漬け」(1個300円)。現役時代から高タンパクな食材として卵黄をよく食べていたといい、店では濃い黄身が特長の大分県産「蘭王」を4日間、だししょうゆにつけ込んだ具材を使っている。またメニューにはおでん、季節ものもある。

「おにぎり竜」の所在地は大阪市北区曽根崎新地1丁目1-16 クリスタルコートビル103号。営業時間は午後6時半~深夜、定休日は日曜・祝日。

大阪・北新地のおにぎり店店主として再出発する元WBO世界ミニマム級王者山中竜也さん(撮影・加藤裕一)

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世界初挑戦の佐伯霞「自分の距離で」低身長の相手に

WBC世界女子ミニマム級挑戦者決定戦に臨む多田悦子、WBO女子ミニマム級王座に挑む佐伯霞(左から、撮影・加藤裕一)=2019年3月28日、神戸市のチサンホテル神戸

ボクシングの真正ジムは28日、神戸市内で会見を開き、WBO世界女子ミニマム級王座決定戦への佐伯霞(22=真正)の出場と、元WBO、WBA、IBF女子同級王者多田悦子(37=真正)が日本女子史上初の主要4団体制覇に向け、WBC同級挑戦者決定戦に臨むことを発表した。2人は4月27日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で試合を行い、その興行は全7試合中6試合が女子ボクシングとなる。

佐伯は世界女子ジュニア48キロ級金メダルなどアマチュアで実績を積み、近大を中退して昨年5月にプロ転向した。プロキャリア1年、同4戦目での世界挑戦で「こんなに早く、自分の夢の世界タイトルに挑戦できるとは思わなかった」という。相手のエリザベス・ロペス(26)は身長145センチで、154センチの自分より9センチも小さい。「自分の距離で強いパンチを打つことを心掛けます」と話した。

多田は主要4団体で唯一ベルトを奪っていないWBCに照準を合わせ、今回、佐伯が挑むWBOのベルトを3月20日に返上した。相手のカニャラット・ヨーハンゴー(20=タイ)を「正直、力の差があるのでKOで倒したい。ここは通過点と思ってます」と話した。

女子ボクシングの超新星と、歴史を支えた大ベテラン。佐伯は多田を「ふだんはちょけて(ふざけて)ばっかりやのに、ボクシングの話になると何でも教えてくれる。心強い先輩です」という。多田は佐伯を「素質のかたまり、センス抜群です。ただ厳しく言えば、その才能に溺れず、体のメンテナンスなどにもしっかり取り組んでほしい」と評価。同ジムの山下会長は女子ボクシングの普及に力を注いでおり、2人の活躍が起爆剤になることを期待している。

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IBFライトフライ級3位小西伶弥5月神戸で世界戦

IBF世界ライトフライ級王座に挑む同級3位小西伶弥(撮影・加藤裕一)=2019年3月28日、神戸市のチサンホテル神戸

ボクシングの真正ジムが28日、神戸市内で会見を開き、世界タイトルマッチ2試合と世界タイトル挑戦者決定戦の開催を発表した。

IBF世界ライトフライ級3位小西伶弥(25=真正)が5月19日、神戸ポートピアホテルで同級王座フェリックス・アルバラード(30=ニカラグア)に挑戦。小西は昨年3月のWBA同級王座決定戦でカニサレスに0-3で判定負けして以来2度目の世界戦になる。

またWBO世界女子ミニマム級王座決定戦に佐伯霞(22=真正)が出場。元WBO、WBA、IBF女子ミニマム級王者多田悦子(37=真正)が日本女子史上初の主要4団体制覇に向け、WBC同級挑戦者決定戦に臨む。佐伯、多田は4月27日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で試合を行う。

IBF世界ライトフライ級王座に挑む小西伶弥、WBO女子ミニマム級王座に挑む佐伯霞、WBC女子ミニマム級挑戦者決定戦に臨む多田悦子(左から、撮影・加藤裕一)=2019年3月28日、神戸市のチサンホテル神戸

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小西伶弥判定負け世界失敗「完敗」16戦目で初黒星

カルロス・カニサレス対小西伶弥 3回、ダウンを喫する小西(撮影・清水貴仁)

<プロボクシング:WBA世界ライトフライ級王座決定戦12回戦>◇18日◇神戸ポートピアホテル

 世界初挑戦のWBA世界ライトフライ級2位小西伶弥(24=真正)は善戦及ばず、同級1位カルロス・カニサレス(25=ベネズエラ)に0-3の判定で敗れた。

 わずかに期待した判定結果は無情だった。ジャッジ3人に支持されたカニサレスは跳びはねて喜び、小西はうなだれてリングを下りた。「試合内容は相手が上回っていた。完敗。僕の負けです」。潔かった。

 世界初挑戦の重圧か。3回30秒過ぎ、右カウンターでキャンバスにひざまずいた。人生初のダウンに「パニクってしまった」。4回からは左ボディーを軸に主導権を奪ったかに見えた。しかし相手の試合巧者ぶりは一枚上。「思ったより逃げるのがうまくて単発で終わってしまった」。

 5歳から空手、中学では100メートル11秒台前半で走る短距離選手。ボクシングで頂点を極めるためで、高校から憧れの元世界3階級王者長谷川が所属する真正ジムに入門した。珍しい左利きの右構え。1日腹筋900回などで体幹を鍛え、課題の右を克服。その効果は指導する江藤トレーナーが「(小西の)手が折れるんじゃないかと心配したぐらい」。それほど磨き上げたパンチ力も、夢の舞台では不発に終わった。

 ただ、世界は夢じゃないと実感できた。「楽しかった。まだまだ自分に厳しく練習しないと。絶対はい上がります」。16戦目の初黒星は小西に大きな悔いと財産を残した。【実藤健一】

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山中竜也が初防衛成功、慎介引退…新・山中時代へ

2回、相手の腹にパンチを当てる山中(撮影・清水貴仁)

<プロボクシング:WBO世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦>◇18日◇神戸ポートピアホテル

 WBO世界ミニマム級王者山中竜也(22=真正)が、8回終了TKO勝ちで初防衛に成功した。同級4位モイセス・カジェロス(28=メキシコ)を8回中盤以降に多彩なパンチで追い詰め、挑戦者の棄権でベルトを守った。同姓の元WBCバンタム級王者山中慎介が今月初めに引退を表明する中で「新・山中時代」への第1歩を刻んだ。

 ロープに挑戦者を追い詰めながら、山中の頭は冷静だった。小刻みなボディー攻めで前進し、強烈な左フックを打ち込んだ8回。「自分、まだまだやな。長谷川(穂積)さんならきれいにまとめたはず」とジムの先輩である元世界3階級王者の顔が頭に浮かんだ。それでもこの回限りでカジェロスがギブアップ。「(試合に向けて)動いてくれる人の多さが違う。うれしかったし、ホッとした」と初防衛の重みをあらためてかみしめた。

 国内2例目となるホテルでの世界戦に、満員の2500人が集まった。2回の右アッパーで相手が鼻血を出し「食らっている」と自信を得て、積極的に攻めた。アッパーを有効に使い、上下バランスよくパンチを散らす。言葉は謙虚だが、努力の跡は冷静な戦いぶりに宿っていた。

 大阪・美原西中の卒業文集に「ボクシングだけで生活できるのは、世界チャンピオンだけだ。人間どうせ1度は死ぬんだから、後で後悔するようなことはしたくない」と記した。女手ひとつで育てられた6人きょうだいの長男は、中学卒業後に神戸市内で自活。昨秋、同中で講演を依頼された際には「自転車で行きます! ベルトもかごに入れればいいので」と言い、教員を「世界王者なのに、そりゃいかん」と驚かせた。実家の団地へと車で向かった尾崎康之教諭(43)は「5分前に行ったら山中くんは既に家の前でスーツ姿。人に対して丁寧なのは変わりません」とほほ笑む。

 周囲の心を動かす真っすぐで穏やかな人柄とは対照的に、自己評価は厳しい。IBF王者京口紘人との統一戦に色気を見せながらも「どっちもが強い王者と認められてからやりたい」。その隣で山下会長が「関西のジムで唯一の王者。まだまだ強くなる」と言い切った。12度防衛を誇った絶対王者山中慎介に続く「新・山中時代」のうねりが、遠いようで近いところに見え始めた。【松本航】

 ◆山中竜也(やまなか・りゅうや)1995年(平7)4月11日、堺市生まれ。漫画「はじめの一歩」に影響され八上小4年でボクシングを始める。美原西中2年で真正ジム入門。12年6月プロデビュー。6人きょうだいの長男で次男大貴(19)も同ジムでプロ、高校生の次女菫(すみれ、17)は同ジムのアマボクサー。好きなタイプは篠田麻里子。身長165センチの右ボクサーファイター。

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ダブル世界戦「ボクシングモバイル」が生配信

前日計量をともに1発でクリアした山中(左)とカジェロス(撮影・清水貴仁)

 ボクシングのダブル世界戦(18日、神戸ポートピアホテル)が生で楽しめる! スマートフォン専用サービス「ボクシングモバイル」を運営する株式会社キュービックス(東京・千代田区)は17日、ダブル世界戦を生配信すると発表した。

 カードはWBO世界ミニマム級王者山中竜也(22=真正)が同級4位モイセス・カジェロス(28=メキシコ)の挑戦を受ける初防衛戦と、WBA世界ライトフライ級2位小西伶弥(24=真正)が同級1位カルロス・カニサレス(25=ベネズエラ)とベルトを争う王座決定戦。今回の配信はカンテレとの協業によるもので、業界初の試みとなる。地上波で生放送されない映像を見られるタイアップ企画で、選手情報を閲覧しながら見る「ながら見機能」も採用している。

 有料配信となるが、ボクシングモバイル会員は150円、一般は250円(いずれも税込み)で視聴可能だ。解説は山中と小西が所属する真正ジムの元世界3階級王者の長谷川穂積氏で、ゲストはタレントの武井壮。

 カンテレでは試合翌日の19日24時25分から録画放送を行う。

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カニサレスが異例の4日前公開計量「僕が勝つ」

自信満々で体重計に乗るカニサレス(撮影・松本航)

 WBA世界ライトフライ級1位のカルロス・カニサレス(25=ベネズエラ)が異例の“公開計量”で調整の順調さを証明した。

 18日に神戸ポートピアホテルで行われる同級2位小西伶弥(24=真正)との王座決定戦に向けて14日、神戸市内の旧真正ジムで公開練習を行った。実戦をイメージしながらのシャドーなどで汗を流したが、上半身は厚着。さらには手袋を身につけ、フードをかぶるなど、見ためは減量に疑問符がつく様子だった。

 周囲のその空気を察知したのか、陣営は「トレーニングが終わったら、目の前で体重計に乗る」と突然宣言。カニサレスはシャワーを浴び、堂々と体重計に乗ってポーズを決めた。その数字は49・0キロ。同級のリミットは48・9キロで、試合4日前ながら100グラムオーバーでまとめてみせた。

 その後は「ありがとう」と口にしながら報道陣1人1人に握手し、紳士な対応。試合に向けては「とてもいいコンディションでいい試合になる。大事なのは勝つこと。KOでも判定でも、僕が勝つ」と笑顔だった。

厚着のままファイティングポーズを取るカニサレス(撮影・松本航)

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山中竜也の相手カジェロス調整OK「ネリじゃない」

山中竜也との世界戦に向けて公開練習に臨んだカジェロス(撮影・松本航)

 ボクシングのWBO世界ミニマム級4位モイセス・カジェロス(28=メキシコ)が14日、神戸市内の旧真正ジムで公開練習に臨んだ。18日に神戸ポートピアホテルで行われる同級王者山中竜也(22=真正)との世界戦に向けて、同国のボクサーで話題のルイス・ネリ(23)との違いを強調した。

 1日のWBC世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介(帝拳)を体重超過による王座剥奪の末に破ったネリ。所属こそ違うが、カジェロスは先月、ネリと3ラウンドのスパーリングを行ったという。その際にスマートフォンに納めた写真を披露しながらも「体重(調整)はうまくいっている。僕はネリじゃないから」と笑わせた。

 公開した約30分間の練習では軽めの調整に終始。今回の世界戦を行う両者が“因縁の一戦”との直接的な関係はないものの、偶然にも「ヤマナカ」対「メキシコ勢」の顔合わせだ。山中竜との大一番に向けて「彼はいいボクサーだが、勝つために日本に来た。KOで勝ちたい」と力強く言い切った。

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