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宇良が速攻、勝ち越し王手「自分の相撲取れた」

徳田(右)を足取りで破る宇良(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇6日目◇16日◇福岡国際センター

東三段目33枚目宇良(26=木瀬)が、三番相撲で西三段目34枚目徳田(18=武蔵川)を下し、勝ち越しに王手をかけた。

低く鋭い踏み込みから左を差して速攻劇。「自分の相撲が取れて良かった。(戦略など)やっていることは言えないけど、勝ったから良かった」と振り返った。

三段目を経験したのは、自身3場所目の15年秋場所。たった1場所しか経験していないが「あのときとは全然違う。体も違う」と当時を振り返った。

172センチと小柄な体格で昨年の名古屋場所では前頭4枚目まで昇進した。「プロに入ってからずっと試行錯誤をしてきた。(相撲を)やめるまで試行錯誤じゃないですか」。

工夫に工夫を重ねて「角界の業師」とまで言われた26歳。4連勝で早々と勝ち越しを決めたい。

徳田(右)を足取りで破る宇良(撮影・鈴木正人)
徳田を足取りで破った宇良(左)(撮影・今浪浩三)
徳田を足取りで破った宇良(左)(撮影・今浪浩三)

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稀勢の里「もう1回チャンスを」引退かける初場所

険しい顔で休場を発表する稀勢の里(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

初日から4連敗していた一人横綱の稀勢の里(32=田子ノ浦)が、5日目から休場した。この日朝、福岡・大野城市の部屋で自ら報道陣に対応して表明。「右膝挫傷捻挫で全治1カ月の休業加療を要する」との診断書を提出した。5日目の西前頭2枚目玉鷲戦は不戦敗となり、横綱史上初の初日から5連敗。不名誉な記録に名を残した和製横綱は、来年1月の初場所での進退問題は避けられない状況となった。

一人横綱の責任を果たせず、1勝もできずに稀勢の里の九州場所が終わった。部屋の稽古終了後、まわしを着けずに報道陣の前に現れると、前日4日目までの3日連続の無言から一転。初日の貴景勝戦で右膝を痛めたと明かし、ファンに謝った。「やり切りたい、務め上げたい気持ちはありましたけど、なかなか体が続かなかった」と唇をかんで話した。前夜は1人で進退問題と向き合った。「魂はまだ燃えている。負けた悔しさも当然ある。許されるならば、もう1度勝負したい」。休場し、けがを治して再起を図る道を選んだ。

一足早く今年の本場所を終えたが、皆勤はわずか1場所、6場所合計で11勝しか挙げられなかった。今場所の残り10日間を休場すると、今年は11勝15敗64休。一人横綱以前に、横綱の責任を果たしたとは言えない成績となる。今場所も不戦敗を除き、横綱としては87年ぶり2人目となる初日から4連敗。それでも師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は、前夜の稀勢の里との話し合いの一部を明かし「本人から『このままでは終われない。もう1回チャンスをください』と言われた。次に向けて全力でいきたいという考え」と、復活にかける思いを代弁した。

一方で横綱審議委員会の北村委員長は、10勝5敗だった9月の秋場所後「来場所、また前半戦で負けが込んで休場ということになれば、やっぱり何か考えなければいけない」と、進退問題は消滅していない状態だと話していた。この日の休場についても、同委員長は「横綱の第一の条件である強さが満たされない状態が長期にわたっており、これを取り戻す気力と体力が持続できるか心配している」と、横綱の地位に見合う力量に、懐疑的とも受け取れるコメントを発表した。

稀勢の里は今後について「いい相撲を取っていきたい気持ちはある」と話し、初場所で進退を懸けるかどうかは「しっかり考えていきたい」と明言しなかった。だが同じ二所ノ関一門の芝田山親方(元横綱大乃国)が「もう後はない」と言えば、兄弟子でもある西岩親方(元関脇若の里)は「横綱のプライドを捨てて、稽古場で泥だらけに必死にやるしかない」と断言。進退問題が“待ったなし”であることへの、自覚を促すように厳しく話していた。【高田文太】

11日、貴景勝にはたき込みで敗れる稀勢の里

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栃煌山が上位陣撃破5連勝、三役復帰に「気合入る」

取材に笑顔を見せる栃煌山(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)が、大関高安との全勝対決を制し、勝ちっ放しの5連勝とした。幕内屈指の強い当たりに負けず、押し込み、流れの中ですくい投げを決めた。

「低い体勢のまま当たって、圧力をかけて、中に入れた。ただ、欲を言えば、中に入った時に体を寄せてそのままいければ…。まだ腰が引けてます」。

初日は御嶽海、2日目は逸ノ城と2関脇、3日目は大関豪栄道で4日目は横綱稀勢の里を破った。上位陣を総なめにする勢いの5連勝。しかし、通算25場所の三役経験を誇る実力者は白星を手放しで喜ばない。

相次ぐ故障に泣いてきた。小結だった昨年秋場所を最後に平幕暮らしが続き、西前頭7枚目だった先場所も腰椎椎間板ヘルニアに苦しんだ。「ここ数年、体に重みがなくなっている感じがあって。軽くなったというか」。しかし、万全でない体調の中で試行錯誤を重ねた。「腹だけに力を入れるんじゃなく、体全体に芯を通す。まだできたり、できなかったりですが…」。先場所は終盤を5連勝フィニッシュ。取り戻しつつあった昔の“重み”が、確信に変わりつつある。

20歳の誕生日直後の07年春場所が新入幕の“早熟派”も、もう31歳。かつての「大関候補」という肩書もご無沙汰になりつつあるが、諦めなんて全然ない。「三役復帰? もちろん。部屋に栃ノ心もいたり、頑張れます。気合入りますよ」。序盤戦で3大関に土がつき、横綱が消えた九州場所で“帰ってきた男”が輝き出した。

高安(手前)をすくい投げで破る栃煌山(撮影・栗木一考)

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阿武咲4勝目「良い感覚」同い年で全勝貴景勝に刺激

隠岐の海(左)に押し出しで勝利する阿武咲(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

東前頭13枚目阿武咲(22=阿武松)が、西前頭11枚目隠岐の海(33=八角)を押し出しで破り、4勝1敗とした。

ベテラン相手に盤石の相撲を見せた。のど輪で相手の上体を起こし、左ハズも効いた。「しっかり下から、下からの意識ですね。やっと良い感覚になってきた」。1度も止まらず、隠岐の海に何もさせなかった。

若手の期待株が1敗をキープして前半戦を終えた。西前頭6枚目だった先場所では4勝11敗と苦しんだが、今場所は「集中力をしっかり維持できている」と話す。

小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が全勝中。仲の良い同い年が好調な状況を「幸せなこと」と存分に刺激を受けている。前半戦を4勝以上で終えるのは、2度目の敢闘賞を受賞した昨年の秋場所以来。「(1敗を守っている)意識はそんなにしていない。とりあえず、しっかり楽しめている」と、落ちついた口調で語った。

阿武咲(左)は押し出しで隠岐の海を下す(撮影・菊川光一)

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栃煌山、連日の上位陣撃破 感謝の気持ちで5連勝

高安(左)をすくい投げで破る栃煌山(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)が大関高安(28=田子ノ浦)をすくい投げで破り、小結貴景勝(22=千賀ノ浦)とともに勝ちっ放しの5連勝を飾った。

立ち合いから低く当たると、その後の攻防でも低い態勢を保つ。最後は土俵際で大関をすくい投げで転がした。

前日4日目は稀勢の里を逆転のすくい投げで破り、休場に追い込んだ。これで1横綱、2大関、2関脇と上位陣撃破。横綱不在、勝ちっ放しの消えた大関陣の中で、優勝争いの主役として期待される。

「今日も立ち合いから低い位置で、我慢して相撲がとれた。低かったから巻き返えもできた。これからも一番一番しっかり集中したい」。

関脇を11場所、小結を14場所も務めた“大関候補”が、昨年から左膝、腰、左大胸筋など相次ぐ故障に見舞われ、今年夏場所では東前頭15枚目へ。07年春場所の新入幕後、自己ワーストタイまで番付を落とした。ケガなどに苦しんだ時期もあっただけに「ここで上位と相撲が取れてありがたい」と感謝の思いもプラスに働いているようだ。

小結だった昨年秋場所以来となる三役復帰へ、念願の初優勝へ、快進撃を続けていく。

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豊ノ島4勝目、前日初黒星後3時のラーメンで験直し

極芯道(左)に押し倒しで勝利する豊ノ島(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

疲労困憊(こんぱい)と引き換えに、今度は我慢比べに勝った。13場所ぶりの関取復帰場所となった東十両13枚目の豊ノ島(35=時津風)が、4勝目を挙げた。

東西13枚目同士の対戦で、新十両の極芯道(22=錦戸)と当たった。幕下時代の今年夏、秋場所と2度の対戦では、最初が2分半を超し、次も2分近い相撲の末に「あり地獄にはまった」と表現するような、長い相撲の末に敗れ「苦手なタイプ」と話していた。

この日も頭をつけ合う手四つの体勢から、何度も打開しようと突き放したり、もろ差しを狙おうとして“時短相撲”で勝負を決めようとした。だが、そのたびに極芯道も重い腰で粘り、3分近い相撲になった。何度目かの仕掛けで、右おっつけから相手を突き上げ、体を崩して右から「これでもか」とばかりに強烈な突き。上体が浮いた158キロを、最後は押し倒した。

開口一番「疲れた~」と、ため息をついた。長い相撲を取った上に、負ければ連敗となる一番を制し、前半5日間を終え4勝1敗。勝と負けるとでは大違いの相撲をものにした安堵(あんど)感で、冗舌ないつもの口ぶりも戻った。

「よく我慢した。いや、我慢したと言うより、我慢できなくて攻めたらという感じかな。(最後は)押したとき、相手がグッと下がって体が流れたから、ここぞとばかりに行きました」。

今場所初黒星を喫した前日は取組後、部屋に戻る前に験直しの、3時のおやつならぬ“3時のラーメン”を食した。その験直しもこの日は無用。ただし疲労感はたっぷり残った。「今日が千秋楽ならいいのになぁ。あと10日もあるのか…」とボヤきつつ「まあその10日間、喜びをかみしめながら」と35歳の体にむち打って中盤戦に臨む。

極芯道(右)に押し倒しで勝利する豊ノ島(撮影・栗木一考)

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休場稀勢の里は唇かみしめ…初場所復帰を目指す姿勢

大相撲九州場所 報道陣に険しい顔で休場を発表する横綱稀勢の里(撮影・菊川光一)

大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が15日、福岡・大野城市の部屋で取材に応じ、九州場所5日目から休場することを表明した。

初日の小結貴景勝戦で右膝を捻挫し、1カ月の加療を要する状態であることが判明。初日から4連敗と、不戦敗を除けば、横綱としては31年1月場所の宮城山以来、実に87年ぶり。1場所15日制が定着した49年夏場所以降では初めて、初日から4連敗を喫していた。

「非常に場所前は調子よくできていたけど、初日の相撲で、また新しく痛めてしまった。2日目以降、本来の相撲とは違った。応援してくださった方々には申し訳ない気持ちでいっぱい。最後まで取りたかった」などと、何度も唇をかみしめながら話した。

今後については「しっかりと治して、そこから考えたい」と、当面は治療を最優先する。12月の冬巡業については「状態次第で。稽古するにはいい環境だと思う」と、あくまで来年1月の初場所での、本場所復帰を目指していく姿勢をかいま見せた。

横綱としては単独で史上最長となる8場所連続休場から、進退を懸けて臨んだ9月の秋場所を10勝5敗で乗り切った。その後は調整も順調で、今場所を迎えたが、1勝もできずに休場することとなり、再び進退問題が浮上することは避けられない情勢となった。厳しい声については「またしっかりと考えたいと思います」と、受け止める覚悟を見せた。

師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は、14日の夜に、宿舎で約15分話し合ったことを明かした。同親方は「本人から『このままでは終われない。チャンスをください』ということを言われた。そういうことを話すタイプではないけど、話したので、次に向けて全力でいきたいという考えだと思う」と、気力は衰えていない様子を説明していた。

大相撲九州場所 報道陣に休場を発表する横綱稀勢の里(撮影・菊川光一)

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栃煌山4連勝 三役の常連復活へ「もっと良くなる」

稀勢の里(右)は栃煌山に敗れ4連敗を喫した(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇4日目◇14日◇福岡国際センター

東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)が、横綱稀勢の里に逆転のすくい投げを決めた。2関脇、大関に続く上位陣撃破。昨年夏場所と同じ稀勢の里を破って以来、通算5個目の金星を手にし、勝ちっぱなしの4連勝だ。かつて25場所で三役を務め「大関候補」と呼ばれた男が、昨年秋場所以来7場所ぶりの結びの一番で健在ぶりを見せた。

横綱に押し込まれた土俵際で、栃煌山が起死回生を狙った。左からこん身のすくい投げ。「横綱がグラッとして体が浮いた感じになった。絶対に(右)足が先に着かないようにと」。もつれて倒れ、軍配は稀勢の里に上がったが、物言いがついた。行司差し違えで白星を手にした。

金星は昨年夏場所の稀勢の里戦以来5個目だが、そこに大きな喜びはない。同秋場所の日馬富士戦以来の結びの一番で、同九州場所の稀勢の里戦以来の横綱戦に臨めたことが「素直にうれしい」と笑った。かつて三役の常連だった男が、相次ぐ故障で今年夏場所には東前頭15枚目へ。「十両に落ちそうなところまで行った」。

31歳。横綱稀勢の里と同学年。「まだまだ、もっと良くなる段階だと思っています」。復活へ。いや、さらなる進化へ。同部屋の栃ノ心に先を越されたが、大関とりの夢は続いている。【加藤裕一】

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4連敗稀勢の里、初めての一人横綱に重圧…選択迫る

栃煌山(手前)にすくい投げで敗れる稀勢の里(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇4日目◇14日◇福岡国際センター

稀勢の里(32=田子ノ浦)が、横綱としては実に87年ぶり2人目となる、初日から4連敗を喫した。東前頭2枚目の栃煌山を攻めて1度は軍配が上がったが、物言いの末、軍配差し違え。相手が死に体とも受け取れる微妙な判定だったが、運が味方することはなかった。横綱の初日からの4連敗は、31年1月場所の宮城山以来で、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では初。5日目は先場所敗れた玉鷲との対戦が組まれた。

立ち合いで頭からぶつかった稀勢の里が、一気に攻め込んだ。左を差して前に出る、今場所随一の内容だったが、土俵際での栃煌山のすくい投げに、左肩から落ちて土俵上で裏返った。対する栃煌山は土俵下まで転がった。行司軍配が稀勢の里に上がると物言いがついた。稀勢の里の肩が先についたが、栃煌山の両足が宙に浮く、いわゆる死に体となった方が早いと判定もできる微妙な一番。場内から初白星を期待する拍手が起きる中、協議の結果、行司軍配差し違え。また負けた。

支度部屋では報道陣の質問に3日連続で無言を貫いた。報道陣を遠ざけて着替える前には、赤いタオルをたたきつけるように投げつけ「チッ」と舌打ち。何よりも取組直後に、髪を洗って風呂から上がってきた。相撲界では翌日に向けた験直しとされる行動で、闘志がまだ消えていないことを、ほのめかしていた。

かつて稀勢の里が付け人を務めた兄弟子の西岩親方(元関脇若の里)は、取組前ながら「ひとつ勝てば元通りの稀勢の里になってくれると思う。状態は悪くない。諦めるのは早い」と、本人の思いを代弁するように話した。場所前に優勝宣言したように、状態は悪くないと自覚して臨んだ場所。白鵬、鶴竜の2横綱が休場し、初めて経験する一人横綱の重圧が日を追うごとにのしかかる。

横綱が休場による不戦敗を除き、初日から4連敗するのは宮城山以来、87年ぶり2人目の不名誉な記録となった。1場所15日制では初。3連敗から4日目の土俵に立った横綱も、88年秋場所の大乃国以来、30年ぶりで平成では初めてだ。元大乃国の芝田山親方は「下を向いても白星はやってこない。人が認める、認めないじゃなくて、自分がやりきれるかどうか。8番でいいじゃない」と、初日から3連敗の後、8勝7敗で勝ち越した当時を振り返り、立て直しを期待した。

師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は、取組後に参加した二所ノ関一門会で親方衆から「横綱、頑張ってくれよ」と励まされたと明かした。宿舎に午後8時20分ごろに戻り、その約10分後には稀勢の里も到着。だが同親方は報道陣に「お話しすることはないので対応しません」と、5日目の出場については明かさなかった。4日目の出場は、本人は前夜には意志を固めていた。

87年前の宮城山は、5日目に初白星を挙げた。稀勢の里は3日連続の金星配給でもある4連敗後も出場すれば、史上初の5連敗という不名誉な記録を残す可能性もある。運も味方しない中、一人横綱の責任をどう果たしていくかの選択が迫られている。【高田文太】

栃煌山にすくい投げで敗れ、ガックリ引き揚げる稀勢の里(撮影・栗木一考)
初日から3連敗で4日目出場の横綱成績

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栃煌山、上位陣撃破4連勝 長女から力もらい初Vへ

稀勢の里(右)は栃煌山にすくい投げで敗れ4連敗を喫した(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇4日目◇14日◇福岡国際センター

東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)が横綱稀勢の里をすくい投げで破り、勝ちっ放しの4連勝を飾った。2関脇、大関に続く上位陣撃破。金星は昨年夏場所に稀勢の里を破って以来通算5個目となった。

攻め込まれ、土俵際で逆転を狙った。左からの投げで、2人もつれるように土俵を割り、軍配は相手に上がったが、もの言い、協議の末、行司差し違えで白星を手にした。

「横綱がグラッとして体が浮いた感じだったから、絶対に先に足をつかないようにしようと思った。もの言いがつくかな、と思ったけど、相手にずっと攻められた相撲だし『つかなくてもしょうがない』と思っていました」

結びの一番は、昨年秋場所の日馬富士戦以来。横綱戦は同年九州場所の稀勢の里戦以来だった。関脇を11場所、小結を14場所も務めた“大関候補”が、昨年から左膝、腰、左大胸筋など相次ぐ故障に見舞われ、今年夏場所では東前頭15枚目へ。07年春場所の新入幕後、自己ワーストタイまで番付を落とした。

「また戻ってこれたことは素直にうれしいです」。ただ、この日は気合が空回り。「いい感じだったのに(仕切りで)腰が決まった後、何か変に力が入って」。力の入らぬ立ち合いで、防戦一方になった点を反省した。

「金星とかそんなに意識しませんでした。それよりも、よくなっているところがたくさんあるので、それを出したかった。自分は“まだまだ、もっと良くなる”と思っているので」

昨年6月に結婚した妻せりさんは滋賀県の実家に長女禀(りん)ちゃんを連れて帰省中。「ちょうど初日に1歳2カ月になったんですよ」と、連日のテレビ電話が31歳のパワーの源だ。小結だった昨年秋場所以来となる三役復帰へ、念願の初優勝へ。金星程度で、満足してはいられない。

栃煌山(手前)にすくい投げで敗れる稀勢の里(撮影・栗木一考)

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安美錦ハート燃えた、手作りグッズ応援団効果で白星

九州場所 琴恵光(右)にはたき込みで勝利する安美錦(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇4日目◇14日◇福岡国際センター

西十両2枚目安美錦(40=伊勢ケ浜)が、西十両筆頭琴恵光(26=佐渡ケ嶽)を破って星を五分に戻した。

立ち合いしっかりと当たってから、琴恵光の頭を抱えて転がした。頭に手がかかっていたため、秋場所で2度出したとっくり投げかと思われたが、決まり手ははたき込み。「向こうがバランス崩しただけ。狙った訳ではない」と笑みを浮かべた。

取組前には、気持ちが燃える出来事があった。仕切り前に塩を取る際、観客席で「I ■ 安美錦」と書かれた手作りの応援グッズを持った一団を発見。「あれはいいね。団体で来てる感じだったから、今場所何回か見えるかな。応援してくれてありがたい」と声援を力にした。また、そのすぐ近くには琴恵光を応援する一団もいたらしく「相手に声援があればあるほど力が出る」と相乗効果だった。

■はハートマーク

九州場所 琴恵光(右)にはたき込みで勝利する安美錦(撮影・栗木一考)

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稀勢の里、場所前に優勝宣言も初日から3連敗で無言

初日から3連敗を喫し、土俵を引き揚げる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇3日目◇13日◇福岡国際センター

稀勢の里(32=田子ノ浦)が、横綱としては26年ぶりに初日から3連敗を喫した。西前頭筆頭の北勝富士に突き落とされ、在位11場所目で15個目の金星配給となった。初日からの3連敗は、横綱では92年初場所の旭富士以来、史上7人目。自身は小結だった09年初場所以来、9年ぶりとなった。3連敗後、4日目の土俵に立った横綱は大乃国ら3例だけ。4日目は3連勝と好調の東前頭2枚目栃煌山との取組が予定されている。

稀勢の里は、絵に描いたように肩を落としていた。支度部屋で2日目に続いて無言を貫き、報道陣を離して着替える前、がっくりとうなだれたまま1分近く固まった。場所前の稽古で9勝3敗と圧倒し、今場所の優勝宣言をするほど、自信をつかんだ相手だった北勝富士に敗れた。ショックの大きさを物語る光景に、東の支度部屋は、水を打ったように静まり返っていた。

左にこだわり過ぎた。突き、押しの相手ペースを打開しようと、横綱へと導いた左差しを狙い続けた。だが、ことごとく北勝富士におっつけられた。最後は左のど輪で上体を起こされ、立て直そうとした動きに乗じて突き落とされた。藤島審判長(元大関武双山)は「左手一辺倒だ。左を差しにいくのも棒差し。だからおっつけられる。軸が左重心になっている。だからつっかえ棒(のような状態)を外された時にバタバタしてしまう」と指摘した。さらに「攻め方のバランスが悪い」と、右からの攻めがないことを敗因に挙げた。

これで横綱では92年初場所の旭富士以来、26年ぶりとなる初日から3連敗となった。旭富士は3連敗後に引退。3連敗から4日目の土俵に上がった横綱は、平成には1人もおらず、30年前の88年(昭63)秋場所の大乃国までさかのぼる。大乃国は同場所を8勝7敗で勝ち越した。4日目は好調の栃煌山戦が予定される。白鵬、鶴竜不在の一人横綱の責任の受け止め方も加味して、休場か出場かを判断するが、休場となれば、先場所同様、再び進退問題に発展することは必至だ。

この日の朝稽古は、完全非公開だった初日、2日目とは違い、途中まで20分余りは公開された。四股を踏んでいる途中で、前日までと同様にシャッターが下ろされて非公開となったが、吹っ切れたような表情も見せた。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は取組前ながら「自信を持っていくことが大事。もっと自信を持って取ってほしい」と話していた。非公開稽古は、自信を取り戻しきれない心境を表しているのか-。一人横綱初白星は、想像以上に遠かった。【高田文太】

◆横綱の初日からの連敗 3連敗は今回の稀勢の里で史上7人目(9度目)。3連敗後4日目に出場したのは3例あり、31年1月場所の宮城山の4連敗が最長記録。30年10月の宮城山、88年秋場所の大乃国は出場して白星を挙げた。なお、92年初場所の旭富士は4日目不戦敗でそのまま引退。

横綱稀勢の里(後方)は北勝富士に突き落としで敗れ、3連敗を喫した(撮影・菊川光一)

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貴景勝3連勝「ご飯食べてしっかり寝て」とリセット

貴景勝は突き出しで竜電を下す(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇3日目◇13日◇福岡国際センター

貴景勝は今場所初の平幕戦となった竜電を下して、昨年秋場所以来となる初日から3連勝とした。立ち合いで鋭く踏み込んではじき返して、一気に突き出した。

今日の正代戦に勝てば、自身初の初日から4連勝。「今は相撲のことを忘れて、ご飯食べてしっかり寝て、また明日朝からやるという感じ」と気持ちをリセットした。

竜電を突き出しで破った貴景勝(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里4日目も出場「休場の言葉出なかった」親方

大相撲九州場所 3連敗しうなだれる横綱稀勢の里(2018年11月13日撮影)

大相撲九州場所で、初日から3連敗の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、4日目の14日も出場することが決まった。この日、福岡・大野城市の部屋で師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が明かした。稀勢の里は3日目に西前頭筆頭の北勝富士に敗れ、横綱としては92年初場所の旭富士以来、26年ぶりに初日から3連敗。2日連続での金星配給で、4日目以降は休場の可能性が浮上していた。

田子ノ浦親方は、午前6時40分すぎに報道陣に対応し「話したのですが、出るということです。休場するという言葉は出なかった」と切り出した。話し合いは前日13日夜、稀勢の里が宿舎に戻った後に行われ、時間としては短いものだったという。

今場所は白鵬、鶴竜の2横綱が休場し、初の一人横綱として、これまで以上に責任ある立場だが、同親方は「(横綱の責任は)本人としてはもちろん分かっている。自分としては、弟子を信じるしかない。まだまだできると思う。(稀勢の里は)『頑張ります』と言っている。自信を持って行けというしかない。頑張ると言っている以上は、背中を押すしかない」と続けた。初日から3連敗した横綱が、4日目の土俵に上がるのは、88年秋場所の大乃国以来、30年ぶりで、平成では初。同場所で大乃国は8勝7敗で勝ち越している。4日目は東前頭2枚目で、初日から3連勝の栃煌山と対戦する。

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稀勢の里9年ぶり初日から3連敗でがっくり無言

支度部屋で無言の稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇3日目◇13日◇福岡国際センター

一人横綱の稀勢の里(32=田子ノ浦)が、横綱としては26年ぶりとなる初日から3連敗を喫した。得意の左四つを狙った差し手は、西前頭筆頭北勝富士のおっつけでことごとく封じられた。突き、押しの相手ペースのまま、つかまえきれず、最後は相手の左のど輪から突き落とされた。

横綱の初日からの3連敗は、92年初場所の旭富士以来で、旭富士は3連敗後に引退している。3連敗から4日目の土俵に立った横綱は、30年前の88年秋場所の大乃国(8勝7敗)までさかのぼる。稀勢の里自身、初日からの3連敗は、小結だった09年初場所以来、9年ぶりとなった。

稀勢の里は、支度部屋では報道陣の質問に無言を貫いた。その後、報道陣と距離を取って着替える前には、座ったまま、がっくり肩を落としてうなだれる場面が続き、支度部屋は静まり返っていた。

北勝富士(右)から、のど輪を受ける稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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北勝富士「あれしかない」稀勢の里破り5個目金星

稀勢の里を破り笑顔の北勝富士(撮影・今浪浩三)

<大相撲秋場所>◇3日目◇13日◇福岡国際センター

西前頭筆頭の北勝富士(26=八角)が、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)を破って、初場所以来自身5個目の金星を獲得した。

立ち合いから右ののど輪、右のおっつけ、右の張り手と右からの攻めを中心に攻め立てた。腰を低く落として勝機を見いだし、稀勢の里の攻めにも慌てることはなかった。最後は左ののど輪で稀勢の里の上体を起こして、右の突き落としで転がした。

支度辺部屋では、冷静に取組を振り返った。「あれしかない。右から攻めないと。攻められてバタついた部分もあって、立ち合いで遅れたかなと思ったけど、自分の方が腰が低かったから残れた。右のおっつけというイメージだった」と狙い通りの相撲内容だった。

白鵬を破って金星を挙げた初場所は、4勝11敗だった。それだけに「そういうことのないように明日から気を引き締めて頑張ります」と気合を入れた。

北勝富士(右)に突き落としで敗れる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里初日から3連敗、横綱では26年ぶり悪夢

横綱稀勢の里は北勝富士に突き落としで敗れ3連敗を喫した(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇3日目◇13日◇福岡国際センター

一人横綱の稀勢の里(32=田子ノ浦)が、昨年春場所の昇進後、横綱では初の初日から3連敗を喫した。

前頭筆頭の北勝富士(26=八角)を組み止められず、左のど輪で上体を起こされたところを突き落とされた。。前日12日に前頭筆頭の妙義龍に敗れたのに続き、再び金星を許した。

稀勢の里の初日からの3連敗は小結だった09年初場所以来、9年ぶり。横綱の初日からの3連敗は92年初場所の旭富士以来。この時の旭富士は引退した。

九州入り後は出稽古などで仕上がりの良さを披露していた。2連敗後の前日12日も、取組後、田子ノ浦部屋宿舎に集まった報道陣に「頑張ります」と笑顔を見せ、必死で切り替えようとしていたが、嫌な流れは止められなかった。9場所ぶりに皆勤して10勝5敗だった9月の秋場所は、1度も連敗がなかっただけにショックは大きい。

大相撲九州場所 3連敗しうなだれる横綱稀勢の里(撮影・菊川光一)

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稀勢の里3年8カ月ぶり初日から連敗…報道陣に無言

支度部屋を引き揚げる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇2日目◇12日◇福岡国際センター

一人横綱の稀勢の里(32=田子ノ浦)が、昨年春場所の昇進後、横綱では初の初日から2連敗を喫した。

東前頭筆頭の妙義龍に差し手争いでもろ差しを許すと、上体を起こされ、最後は寄り倒しで土俵下まで転げ落ちた。大関時代の15年春場所以来、3年8カ月ぶりの初日から2連敗で金星配給。9場所ぶりに皆勤して10勝5敗だった9月の秋場所は、1度も連敗がなかった。支度部屋では報道陣の質問に無言を貫いた。3日目は西前頭筆頭の北勝富士を迎える。

妙義龍の寄り倒しで敗れる稀勢の里(撮影・今浪浩三)

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一人横綱の稀勢の里が連敗、妙義龍に金星許す

九州場所 妙義龍に寄り倒しで敗れる稀勢の里(手前)(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇2日目◇12日◇福岡国際センター

初の一人横綱として臨んだ稀勢の里(32=田子ノ浦)が初日から連敗を喫した。過去16勝4敗と得意にしていた前頭筆頭の妙義龍(32=境川)に寄り倒され、金星を許してしまった。

11日の初日は小結貴景勝に敗れて黒星発進。支度部屋では、2度「そうですね」と答えた以外は無言で悔しさを募らせていた。今場所は白鵬と鶴竜が休場し、優勝争いや、9場所ぶりに皆勤して10勝5敗だった9月の秋場所以上の成績が求められている。場所前も順調に稽古を積んできただけに、ここで波に乗り、横綱の責任を果たしたいところだったが、悪い流れを止められなかった。

明日13日の3日目は前頭筆頭の北勝富士(26=八角)と対戦する。

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阿武松審判部長「わながあった」稀勢の里の敗因分析

貴景勝(左)の激しい攻めに耐える稀勢の里(撮影・今浪浩三)

<大相撲九州場所>◇初日◇11日◇福岡国際センター

初の一人横綱として臨んだ稀勢の里(32=田子ノ浦)が、痛恨の黒星発進となった。小結貴景勝にはたき込みで敗れた。今場所は白鵬、鶴竜の2横綱が休場。9月の秋場所で9場所ぶりに皆勤して10勝5敗と、復調気配を漂わせた直後に、優勝争いが求められる状況となっていた。

幕内後半戦の阿武松審判長(元関脇益荒雄)のコメント「稀勢の里は調子がいいだけに前のめりになっていた。相手を突きだしてやろうという気持ちに、わながあった。もう少し落ち着けばよかった。筋肉のかたまりになって攻めてくる貴景勝は、一番やりづらい相手だろう」

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