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初V王手の正代、八角理事長「12勝は立派」

正代(左)は朝乃山を押し倒しで破り2敗を死守した(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

千秋楽を前に単独トップに立った関脇正代(28=時津風)の破壊力に、協会トップの八角理事長(57=元横綱北勝海)も「馬力勝ちした」と思わずうなった。

1差で追う大関朝乃山(26=高砂)との一番は、はじき飛ばすような立ち合いで大関をのけ反らせ、左にくいつくと上手を結び目あたりに取り、なぎ倒すように押し倒した。

その破壊力に開口一番、八角理事長は「(正代が)馬力勝ちした。ちょっと想像できなかったな…」と重さのある大関を、ここまで圧倒するとは予想できなかった様子。「朝乃山も立ち合いは悪くなかったのに浮いちゃったね」と驚きの様子で話した。立ち合いで圧倒し、さらに前に出る圧力に「押し込んでいるから朝乃山がバランスを崩した。今日は正代を褒めるべきでしょう」と続けた。

にわかに大関昇進の可能性が浮上した。「12勝は立派。ただ横綱2人が休場しているわけだから。ただ出てこないことには仕方ない」と言及は避けたが「でも立派。内容がいいですよ。よく鶴竜とかが出稽古に来てるようだけど、知らず知らずのうちに力がついてきたんじゃないかな」と好成績の要因を推察した。

もう1人の新入幕でトップを並走していた翔猿(28=追手風)は、結びの一番で3敗の大関貴景勝(24=千賀ノ浦)に敗れ3敗に後退。千秋楽の正代との一番は優勝決定戦進出をかけた勝負になる。一歩、後退した新入幕について八角理事長は「新入幕でここまで立派です。何とか、いなしたいと思っても、前に出る力不足で(貴景勝に)見られてしまった。明日は思い切っていくしかないでしょう」と、ねぎらいと期待を込めて話した。

正代に押し倒しで破れ、土俵下でうずくまる朝乃山(撮影・河田真司)     

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翔猿3敗目にも笑顔 初結び&大関戦「楽しくて」

貴景勝(右)に敗れた翔猿は不思議と笑顔を見せる(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

自身初の結びで、初の大関戦。新入幕で快進撃を続ける翔猿(28=追手風)は「盛り上がり方が全然違う」と土俵上で興奮していた。

馬力のある貴景勝相手に、立ち合いは正面から思い切りぶつかった。押し込むことはできなかったが、手を出し、足を出してくらいついた。それでも攻略はできず、はたき込まれてトップから陥落。「楽しくてしかたなかった。大関にどれぐらい通用するか思い切りいきました。まだまだ稽古が足りないですね」とやりきった表情を浮かべた。

3敗で優勝争いから後退したが、千秋楽は2敗の正代との対戦が組まれた。勝てば優勝決定戦にもつれる。1914年(大3)夏場所での東前頭14枚目の両国以来、106年ぶりの新入幕優勝はまだ途絶えていない。「思い切りいくだけ」と無心で臨む。師匠の追手風親方(元前頭大翔山)は「運がいいというか、乗っている。結果が出てるからいつも以上の実力が出ている。残りはいい意味で調子に乗っていってくれればいい」と弟子の快進撃を期待した。

千秋楽の27日は、毎週欠かさずに見ているTBS系の大人気ドラマ「半沢直樹」の最終回。翔猿は「前座に僕の相撲を見て楽しんでもらって、半沢直樹で締めてもらえれば」と言って、報道陣を笑わせた。泣いても笑っても、残り一番。横綱不在の混戦場所を、歴史的快挙で締めくくるためにも、まずは正代に勝って望みをつなげる。【佐々木隆史】

貴景勝(右)にはたき込みで敗れた翔猿(撮影・小沢裕)

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阿武咲13連敗先場所から“倍返し”も…Vは届かず

隆の勝(左)にはたき込みで敗れた阿武咲(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

阿武咲(24=阿武松)は先場所の“倍返し”級の勢いで白星を積み重ねていたが、隆の勝に敗れて優勝の可能性が消滅した。

来場所の新三役を確実にしている相手に右のど輪、左おっつけで出足を止めた。土俵際まで追い込んだが、足がついていかなかった。惜敗に「足があと1歩出なかった」。先場所の13連敗から一転、今場所は2桁白星と大健闘。優勝を逃したが「意識はない。最後集中する」と、千秋楽に向けて気を引き締めた。

隆の勝(左)を攻める阿武咲(撮影・河田真司)

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若隆景、V消滅も最多11勝へ「明日の一番に集中」

御嶽海(左)に下手投げで敗れた若隆景(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

若隆景(25=荒汐)は東洋大の2学年先輩にはね返され、優勝の可能性が消滅した。

御嶽海から先に左上手を取ったが、右四つで胸が合うと相手の寄りに耐えるのが精いっぱい。最後は下手投げで転がされた。優勝の可能性が残された中での、初の三役戦だったが「プレッシャーはなかった」と、無心だったことを強調。幕内では自己最多となる11勝目を目指し「明日の一番に集中するだけ」と力を込めた。

御嶽海に下手投げで敗れ、悔しい表情を浮かべる若隆景(撮影・河田真司)

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朝乃山V消滅「強かった。うまかった」正代に脱帽

正代(左)に押し倒しで敗れる朝乃山(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

朝乃山は4日目からの連勝が10で止まり、優勝争いから離脱した。

立ち合いから正代の圧力に押され、一方的な相撲で押し倒された。「正代関の方が強かった。うまかったということ」と素直に認めた。優勝の可能性を残した貴景勝との千秋楽結びの一番に向けて「自分の相撲を取ってケガなく終わればいい」と話した。

朝乃山(後方)を押し倒しで破った正代(撮影・鈴木正人)
正代に押し倒しで破れ、土俵下でうずくまる朝乃山(撮影・河田真司)     
正代に押し倒しで敗れ悔しそうな表情を見せる朝乃山(撮影・鈴木正人)

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正代●貴景勝○ならともえ戦に/優勝争いの行方

左から正代、貴景勝、翔猿

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

関脇正代(28=時津風)が、悲願の初優勝に王手をかけた。

2連敗中だった大関朝乃山を圧倒。力強い出足から最後は押し倒し、ただ1人2敗を守った。千秋楽、新入幕の翔猿戦で熊本出身力士初の優勝を決める。

◆優勝争いの行方 千秋楽結び前の一番で正代が翔猿に勝てば、13勝2敗で正代の優勝が決定。正代が翔猿に敗れ、結びで貴景勝が敗れると、3敗で並んだ正代と翔猿による決定戦。貴景勝が勝って正代、翔猿と並べばともえ戦(3人での優勝決定戦)となる。実現すれば幕内では94年春場所の曙、貴ノ浪、貴闘力以来7度目で、当時は曙が制した。

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正代突進V王手、朝乃山へのライバル心で弱気打破

正代(左)は朝乃山を押し倒しで破り2敗を死守した(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

関脇正代(28=時津風)が、悲願の初優勝に王手をかけた。2連敗中だった大関朝乃山を圧倒。力強い出足から最後は押し倒し、ただ1人2敗を守った。千秋楽、新入幕の翔猿戦で熊本出身力士初の優勝を決める。大関連破で審判部は「明日の相撲を見ての判断」と結果次第で大関昇進の可能性も示唆。正代が人生最大の大一番を迎える。

   ◇   ◇   ◇

まるで重戦車の突進だった。「最近負けている相手なんで、思い切りいった」という正代の踏み込みは一瞬、大関朝乃山の体を浮かせた。その圧力で横向きにさせると、左でたてみつをつかみ、休まずグイグイ前に出て最後は押し倒した。

「休まず前に出ることを意識した。当たり勝ったんで、止まったらまわしをとられるんで、そのまま出ました」。3連敗から10連勝と勢いづいてきた大関さえも吹き飛ばす破壊力。進撃の相撲でついに単独トップに立った。「素直にうれしいです」と言いながら、表情は全く崩れなかった。

弱気な“ネガティブ力士”から変身のきっかけとなった要因のひとつが、朝乃山への“ライバル心”だった。正代が2歳上だが、同じ学生相撲出身で巡業などでは「人に言えないぐらい、くだらない話をする」仲だ。東農大2年時に学生横綱になった正代が、アマ時代の実績は圧倒。しかし、大相撲の世界では初優勝も、大関の座もあっという間に追い越された。

朝乃山の活躍に「同じ学生相撲出身で悔しい思いはある」とメラメラした思いを隠さなかった。「強い相手とはだれとも対戦したくない」と公言していた男が変わった。地道な努力で大関を連破する立ち合いの馬力を身につけた。「それなりに緊張はするけど、落ち着くところは落ち着いてメリハリができている」。相撲への自信は、精神面の成長にもつながった。

場所前にはなかった「昇進ムード」も急浮上した。高田川審判部副部長(元関脇安芸乃島)は「明日の相撲を見ての判断」と、千秋楽の結果次第で大関昇進の可能性を示唆した。そんな機運を知らずに場所を後にした正代は「(単独トップで千秋楽は)初めての経験ですから。明日になってみないと分からないが明日で終わり。思い切り相撲をとれたらいいと思います」。

故郷の熊本・宇土市では市民体育館で応援会を開催する。前日13日目は20人程度が、この日は100以上の大盛況。熊本出身力士初の賜杯に期待は高まる。初優勝と大関。ダブルの歓喜を目指し、正代が人生最大の一番に臨む。【実藤健一】

▽八角理事長(元横綱北勝海) 正代の馬力勝ち。朝乃山も悪い立ち合いではなかったが浮いた。ちょっと想像できなかった。正代を褒めるべきでしょう。12勝は立派。内容がいい。優勝に近づいたが本当のプレッシャーはここから。新入幕で翔猿も立派。千秋楽は思い切って行けば面白くなる。

▽幕内後半戦の高田川審判長(元関脇安芸乃島) 正代は立ち合いが強い。迷いなく真っ向勝負。小細工がなく好感が持てる。貴景勝は硬くなっていたけど、無難に勝った。プレッシャーはあったと思う。

◆優勝争いの行方 千秋楽結び前の一番で正代が翔猿に勝てば、13勝2敗で正代の優勝が決定。正代が翔猿に敗れ、結びで貴景勝が敗れると、3敗で並んだ正代と翔猿による決定戦。貴景勝が勝って正代、翔猿と並べばともえ戦(3人での優勝決定戦)となる。実現すれば幕内では94年春場所の曙、貴ノ浪、貴闘力以来7度目で、当時は曙が制した。

◆大関への道 昇進目安は三役で直近3場所33勝。しかし、32勝以下での昇進も珍しくない。平成以降では朝乃山、豪栄道、稀勢の里、千代大海が32勝で昇進。また照ノ富士は、昇進3場所前(15年初場所)が平幕で8勝、2場所前(16年春場所)が関脇で13勝の優勝次点だったが、関脇だった16年夏場所を12勝で優勝すると昇進した。正代は今場所13勝でも直近3場所の合計は32勝。しかし八角理事長(元横綱北勝海)は、正代の直近3場所の成績よりも、この1年の安定感を評価している。

正代(左)に押し倒しで敗れる朝乃山(撮影・鈴木正人)

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貴景勝3敗死守「出し切る」千秋楽は朝乃山と対決

翔猿(手前)をはたき込みで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が3敗を死守して、優勝戦線に踏みとどまった。

立ち合いは踏み込まずに見ながら立ち、突っ張り合いからいなしで翔猿を崩す。果敢に直進する相手を、最後ははたき込み。勢いある新入幕力士に大関の貫禄を見せた。負ければ優勝の可能性が消滅する一番だったが「いつも通りあまり変わらず、自分の体の反応に任せてやった」と冷静だった。

小兵にはめっぽう強い。照強や阿武咲、炎鵬ら身長180センチ未満(対戦時)の相手に対して、約2年間負けなし。175センチの翔猿に勝って15連勝とした。

千秋楽で翔猿が正代に勝ち、自身が勝てば、3敗で並んだ3人による優勝決定ともえ戦にもつれ込む。黒星が許されない千秋楽は結びで朝乃山との大関対決。「自分の持っている力を全て出し切りたい」と静かに闘志を燃やした。

大関の優勝は17年初場所の稀勢の里以来、21場所遠ざかっているだけに出場最高位の意地を見せたい。複数の横綱全員が初日から休場するのは83年夏場所以来。その場所を制したのは、場所前に婚約した千葉有希奈さんの父で、当時関脇だった元大関北天佑だった。天国で見守る“義父”の再現となるか。【佐藤礼征】

貴景勝(右)にはたき込みで敗れた翔猿は笑顔を見せる(撮影・河田真司)     

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翔猿3敗も笑み、正代は初V王手/14日目写真特集

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

注目の結びの一番は大関貴景勝が制した。新入幕の翔猿の当たりを受けると、冷静に突き押しで対応。翔猿に粘られたが、最後は冷静にはたき込んだ。翔猿は14年秋場所の逸ノ城以来、戦後13人目となる新入幕での大関戦だったが黒星。3敗に後退した。

2敗の関脇正代は、3敗の大関朝乃山を破って単独トップに立った。立ち合い激しくぶつかり、朝乃山の体勢を崩すと、左上手を取って右ののど輪で押し倒した。朝乃山は優勝争いから離脱した。優勝争いは2敗で単独トップに立った正代と、3敗の貴景勝と翔猿の3人に絞られた。

幕内

徳勝龍押し出し琴勝峰

徳勝龍(左)の攻めを耐える琴勝峰(撮影・鈴木正人)

徳勝龍(左)を押し出しで破る琴勝峰(撮影・鈴木正人)


竜電上手投げ琴奨菊

琴奨菊(手前)を上手投げで破る竜電(撮影・鈴木正人)

琴奨菊(手前)は竜電に上手投げで敗れる(撮影・小沢裕)


魁聖押し出し碧山

碧山(左)を押し出しで破る魁聖(撮影・鈴木正人)

魁聖(手前)は碧山を押し出しで破る(撮影・小沢裕)


妙義龍突き落とし明生

明生は突き落としで妙義龍(手前)を破る(撮影・小沢裕)


炎鵬送り出し照強

照強(左)に立ち合いで変化する炎鵬(撮影・鈴木正人)

照強(左)に立ち合いで変化する炎鵬(撮影・鈴木正人)

照強(右)を攻める炎鵬(撮影・鈴木正人)

立ち合いで炎鵬(左)の変化を受けた照強は土俵際でこらえる(撮影・小沢裕)

炎鵬(左)は照強を送り出しで破る(撮影・小沢裕)


北勝富士叩き込み高安

高安は北勝富士(手前)をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)

北勝富士(右)をはたき込みで破る高安(撮影・鈴木正人)


栃ノ心寄り切り玉鷲

玉鷲(右)を攻める栃ノ心(撮影・河田真司)     

栃ノ心は玉鷲(手前)を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)


阿武咲叩き込み隆の勝

隆の勝(左)ははたき込みで阿武咲を破る(撮影・小沢裕)

阿武咲(右)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・河田真司)     


隠岐の海寄り切り霧馬山

隠岐の海(右)を寄り切りで破る霧馬山(撮影・河田真司)     


若隆景下手投げ御嶽海

若隆景(右)を下手投げで破る御嶽海(撮影・鈴木正人)

御嶽海に下手投げで敗れ、悔しい表情を浮かべる若隆景(撮影・河田真司)     


朝乃山押し倒し正代

正代に押し倒しで破れ、土俵下でうずくまる朝乃山(撮影・河田真司)     

正代(左)は朝乃山を押し倒しで破り2敗を死守した(撮影・小沢裕)

正代(左)は朝乃山を押し倒しで破り2敗を死守した(撮影・小沢裕)

正代(左)は朝乃山を押し倒しで破り2敗を死守した(撮影・小沢裕)


翔猿叩き込み貴景勝

貴景勝(右)にはたき込みで敗れた翔猿は笑顔を見せる(撮影・河田真司)     

貴景勝(右)は翔猿をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)

貴景勝(左)の攻めに耐える翔猿を土俵下で見つめる正代(撮影・河田真司)     

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正代初V王手「止まらず前へ」朝乃山の体浮かせ突進

朝乃山(左)を押し倒しで破る正代(撮影・河田真司)     

<大相撲秋場所>14日日◇26日◇東京・両国国技館

関脇正代(28=時津風)が、大関朝乃山(高砂)も圧倒し、単独トップで千秋楽を迎える。

立ち合いで勝負は決まった。左からかち上げるような突進に大関の体は一瞬浮き上がり、横向きになった。休まず左でたてみつをつかむと、さらに圧力をかけて最後は押し倒した。「とてもうれしいです。自分の一番いい立ち合いができた」と表情は変えずに振り返った。

朝乃山には2連敗中だった。「最近負けている相手だったんで思い切りいった。止まらず前に出ただけ」。最高の相撲で朝乃山の優勝の可能性を消した。

初優勝の意識について「まだですかね。たぶん、部屋に帰ったらするのかな」と平然。打ち出し後の時点では千秋楽の取組は決まっていなかった。それでも「最後の1番なんで。どういう結果でも悔いが残らない相撲をとろうと思います」。熊本出身力士初Vに王手をかけた。

正代に押し倒しで破れ、土俵下でうずくまる朝乃山(撮影・河田真司)     

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貴景勝が翔猿を下す 正代は朝乃山破って単独トップ

正代(左)は朝乃山を押し倒しで破り2敗を死守した(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

注目の結びの一番は大関貴景勝が制した。新入幕の翔猿の当たりを受けると、冷静に突き押しで対応。翔猿に粘られたが、最後は冷静にはたき込んだ。翔猿は14年秋場所の逸ノ城以来、戦後13人目となる新入幕での大関戦だったが黒星。3敗に後退した。

2敗の関脇正代は、3敗の大関朝乃山を破って単独トップに立った。立ち合い激しくぶつかり、朝乃山の体勢を崩すと、左上手を取って右ののど輪で押し倒した。朝乃山は優勝争いから離脱した。

2敗勢を1差で追いかけていた2人の平幕も、ともに優勝争いから離脱した。西前頭8枚目の若隆景は、三役初挑戦となる関脇御嶽海との一番に負け、西前頭9枚目阿武咲は隆の勝に負けた。

優勝争いは2敗で単独トップに立った正代と、3敗の貴景勝と翔猿の3人に絞られた。

貴景勝(左)の攻めに耐える翔猿を土俵下で見つめる正代(撮影・河田真司)     

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大鵬孫・納谷5勝目 初の大銀杏に「軽くて驚いた」

はじめて大銀杏を結った納谷は大翔鵬を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

横綱大鵬の孫、西幕下4枚目納谷(20=大嶽)が、7番相撲に臨み5勝目を挙げた。

西十両12枚目大翔鵬(26=追手風)を、立ち合いから一方的に押し出した。

入門後初めてとなる、十両の土俵。「勝手が違った。水をもらう時に戸惑ったけど、それ以降は普段通りできた」と振り返った。大銀杏(おおいちょう)も初めて結い「うれしいですね。重いと思っていたけど、普通のまげより軽くて驚いた」と初々しさを見せた。

新十両昇進は、幕下上位や十両の成績次第で決まる。「周り(の成績)とか運とかもあるので何とも言えないけど、自分がやれることは限られる。やれることができれば勝てる」と十両昇進は意識しなかった。

納谷(左)の攻めに耐える大翔鵬(撮影・河田真司)     
はじめて大銀杏を結った納谷(右)は大翔鵬を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
大翔鵬を破り、土俵下で呼吸を整える納谷(撮影・河田真司)     

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千代の国3度目十両V、1年半ぶり幕内復帰にも前進

若元春(手前)を突き落としで破る千代の国(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

西十両11枚目千代の国(30=九重)が、3度目の十両優勝を飾った。13勝目を挙げて、来場所の返り入幕にも前進した。

若元春が立ち合いで右にずれたが、全く慌てなかった。体勢を立て直せない相手をすぐに左から突き落とし。取組後のリモート取材では「(変化は)びっくりしたけど良かった。ちょっと緊張していたけど集中できた」と、大きく息を吐いた。

左膝複合靱帯(じんたい)の損傷から復帰し、幕内の舞台も見えてきた。最高位は前頭筆頭。古風な雰囲気で、好調の要因についても「気負わずに1日一番集中できている」と多くは語らないが、言葉には実感がこもっている。場所前には先代九重親方(元横綱千代の富士)の優勝額が、JR両国駅に設置された。先代師匠には「『おかげさまで』という言葉は伝えたい」と、感謝の言葉を伝えるという。1年半ぶりの幕内復帰を手中に収めたい今場所最後の一番に向けて「あと1日取り切ることだけ考える」と静かに意気込んだ。

十両優勝を決めた千代の国(撮影・小沢裕)

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正代の前に出る力が本物ということ/大ちゃん大分析

貴景勝(下)を突き落としで破る正代(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇13日日◇25日◇東京・両国国技館

関脇正代(28=時津風)が悲願の初優勝に前進した。大関貴景勝との2敗対決を力強い立ち合いの踏み込みから、最後は突き落としで制した。関脇で2場所連続11勝と大関の座も見据えて残り2日。今日14日目の大関朝乃山戦にも勝てば、熊本出身力士初の優勝が大きく近づく。

  ◇   ◇   ◇  

大関の押しを正代は、しのいで勝機を見いだしたように見えるが、前に圧力をかけ続けた攻めの姿勢こそが勝因だ。押し切れない貴景勝が苦し紛れに、横に回っていなしても微動だにしない。あれだけ胸を出す相手は、本来の押し相撲ならゴッツアンなのに押し切れない。正代の前に出る力が本物ということだ。14日目に対戦する朝乃山は、この日の御嶽海戦のように押し負けしないで左上手を取れるか。正代は粘り強く圧力をかけられるかだな。

新入幕の翔猿は勝ち運に乗っている。待ったと思い一瞬、力が抜けて隆の勝に出られたが、これが幸いしたか。喜んで出る隆の勝の右腕を、うまく引っかけ泳がせた。まともに当たったら勝機は薄いのだから何か考えていたんだろう。14日目も動き回る中で何か仕掛けがあるだろうから、貴景勝も取りづらいはず。大関の意地を朝乃山ともども出せば大混戦の千秋楽が面白くなる。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

正代(左)は貴景勝を突き落としで破る(撮影・柴田隆二)

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玉ノ井部屋の力士24人退院へ 広報部長明かす

芝田山広報部長(2020年4月3日撮影)

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は25日、新型コロナウイルス対策で禁止が続く出稽古を、秋場所後の10月5日から約2週間、解禁することを明らかにした。

PCR検査の陰性証明と出稽古先の師匠の許可が必要で、期間中の出稽古先は1力士につき1部屋に限定。両国国技館内の相撲教習所で合同稽古を実施する案も検討されている。出稽古は3月の春場所後から禁止だった。また同部長は、新型コロナの集団感染が発生した玉ノ井部屋で陽性だった24人の力士について、全員の退院が26日に終了予定と明かした。

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翔猿2敗堅守「ワクワク」106年ぶり新入幕V前進

2敗を死守し勝ち名乗りを受ける翔猿(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>13日日◇25日◇東京・両国国技館

新入幕の東前頭14枚目翔猿(28=追手風)が、平幕の隆の勝を破ってトップを守った。

大関貴景勝との2敗対決を制した関脇正代とともに、トップを並走。注目の14日目は、3敗に後退した大関貴景勝との対戦が決定した。新入幕の大関対戦は14年秋場所の逸ノ城以来、戦後13人目。結びの一番で埼玉栄高の後輩を破り、1914年(大3)夏場所の両国以来、106年ぶりの新入幕優勝へ、また1歩近づく。

   ◇   ◇   ◇

新入幕らしからぬ、強心臓ぶりを翔猿が見せた。初の幕内後半戦での取組を「ワクワクしていました。『後半で取っているな。幕内力士らしいな』と思った」と無邪気に振り返った。入門して以降、幕下と十両で過去5戦全敗だった隆の勝に、重圧がかかる中で初勝利。トップを死守した。

ふわっと、立ち上がってしまった立ち合い。先に力なく立ち「待ったかと思った」と立ち合い不成立と思ったという。しかし、行司からの「待った」の声は掛からず、隆の勝の鋭い立ち合いを受けた。たちまち土俵際に後退。のど輪も受けて上半身が起きてのけ反ったが、下半身は崩れず。しこ名の「猿」のごとく、素早く体を開きながらいなして送り出した。土俵上では少し驚いた表情。「勝っちゃった、みたいな感じでした。体は動いてますね」と明るい声で話した。

徹底した基礎運動が快進撃を支える。入門当初は、部屋の中でも四股やテッポウをこなす回数は多い方ではなかった。しかし、今では師匠の追手風親方(元前頭大翔山)が「一番する」と言うほど。転機は17年夏場所後に新十両に昇進し、巡業に参加するようになってから。日々の朝稽古で、誰よりも基礎運動をしていた横綱白鵬の姿に感化された。「強い人は基礎をたくさんやっているんだなと思った。自分も基礎をしっかりするようになってからケガをしなくなった」と基礎運動の大切さを身をもって経験。この日も、その成果を感じさせる軽やかな身のこなしで白星を挙げた。

優勝争いでトップに立ち、14日目は貴景勝との対戦が組まれた。新入幕の大関対戦は戦後13人目、快進撃しているからこその一番となり「思い切り、平常心で、挑戦者の気持ちでいくだけ」と待ち遠しそうに意気込んだ。幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)も「大関相手にどんな相撲を見せてくれるか。熱戦を期待したい」と注目した。

106年ぶり、史上2度目の新入幕優勝が迫っているが「本当に意識はない。思い切りいくだけ」。無心の先に、偉業達成が待っている。【佐々木隆史】

◆翔猿正也(とびざる・まさや)本名・岩崎正也。1992年(平4)4月24日、東京都江戸川区生まれ。小学1年の時に東京・葛飾区の葛飾白鳥相撲教室で相撲を始め、埼玉栄高では3年時に全日本ジュニア体重別で優勝。日大の2学年先輩である遠藤を追って追手風部屋に入門し、15年初場所に「岩崎」のしこ名で初土俵。17年名古屋場所の新十両昇進を機に「翔猿」と改名。20年秋場所新入幕。家族は両親、兄(十両英乃海)。175センチ、131キロ。血液型A型。得意は押し。

◆新入幕の大関戦 戦後では12人の新入幕力士が大関と対戦して7勝10敗。00年夏場所の栃乃花、14年秋場所の逸ノ城は2大関に連勝しており、2日連続で大関戦勝利は逸ノ城が初めて。95年名古屋場所の土佐ノ海は、先の夏場所で14勝1敗で十両優勝をしたことから、新入幕ながら西前頭7枚目。番付上の関係から、初日に大関若乃花、2日目に横綱貴乃花と対戦した。

◆106年前の新入幕優勝 1914年(大3)夏場所は、新入幕で東前頭14枚目の両国が9勝1休で優勝(10日間制)。初日から7連勝で8日目は相手の寒玉子が休場(不戦勝制度がなく、相手が休めば自分も休場扱い)、9日目以降も2連勝。2場所連続優勝中だった横綱太刀山も負けなしだったが、9日目の関脇朝潮戦が預かり(物言いがついて判定できない取組)となり8勝1休1預かりで、勝ち星1つ両国に及ばなかった。

▽八角理事長(元横綱北勝海) 翔猿はタイミングが合ってうまく対応した。勝っている時は動きがいい。28歳ということは若くしての新入幕ではない。高校、大学でここ一番の力の出し方も知っているだろう。これまでの経験があるし度胸もあるような気がする。

翔猿(左)は隆の勝を送り出しで破る(撮影・柴田隆二)

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八角理事長「経験と度胸ある」旋風起こす翔猿を評価

隆の勝(手前)を攻める翔猿(撮影・河田真司)     

<大相撲秋場所>◇13日目◇25日◇東京・両国国技館

今場所も大混戦のまま優勝争いも、いよいよ大詰めを迎えようとしている。今年は幕尻優勝が2回も出る波乱の年だが、今場所も東前頭14枚目で新入幕の翔猿(28=追手風)が旋風を巻き起こしている。協会トップの八角理事長(57=元横綱北勝海)も「度胸がいい」と高評価した。

新三役を有望にしている押し相撲の隆の勝(25=千賀ノ浦)との一番も“ミラクル”だった。立ち合い、翔猿本人は呼吸が合わず「待っただと思った」と吐露したが、そのまま成立。押し相撲相手にフワッとした踏み込みになってしまった。だが、これが幸い。喜び勇んで出た隆の勝と絶妙な間合いができ、突き出してきた右腕を引っかけるように手繰った。これで横につき、右手で相手の頭を押さえ付け、左は相手まわしの結び目付近をとり、背後に回って送り出し。2敗で優勝争いのトップを守った。

この何とも言えない一番に八角理事長は「タイミングが合ったというかな。優勝がかかってくる相撲には、こうゆうことがある。うまく対応したんじゃないかな」と評した。持ち前の反射神経を生かした翔猿を、さらに「勝ってる時は動きがいい。よく頑張っている」と続けてほめた。

新入幕だが28歳。「年齢が上がっての新入幕だから、大人になって、というか若くして上がったわけではない。高校、大学と経験があるから、ここ一番の力の出し方とか知っているんだろう。度胸もあるような気がする」と内面を察した。

優勝争いは正代と2敗でトップに並ぶ。その正代は14日目に3敗の大関朝乃山と戦う。その見通しについては「正代は勢いがあるし、朝乃山も(初日から3連敗の連勝で)復活しつつある。面白い相撲になると思うよ」と大きな鍵を握る一番を占った。

翔猿(左)は隆の勝を送り出しで破る(撮影・柴田隆二)
2敗を死守し勝ち名乗りを受ける翔猿(撮影・小沢裕)

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御嶽海が6敗目、2桁白星での大関とり足固めならず

朝乃山(左)は御嶽海を上手投げで破る(撮影・柴田隆二)

<大相撲秋場所>◇13日目◇25日◇東京・両国国技館

大関とりの足固めを目指す関脇御嶽海(27=出羽海)が、大関朝乃山に敗れて6敗目を喫し、今場所の2桁勝利を逃した。

立ち合いで右四つに組み止められると、すぐに左からの上手投げで転がされた。朝乃山には過去5勝2敗で直近2連勝中と合い口は良かったが、今回は完敗。勝ち越しも足踏みする結果となった。

関脇に復帰した先場所は11勝を挙げて、千秋楽まで優勝争いに加わった。2度の優勝経験を持ち、三役も常連の実力者。14日目は割が崩され、東洋大の2学年後輩で10勝3敗と好調の若隆景と対戦する。

朝乃山に敗れ表情を曇らせる御嶽海(撮影・河田真司)     

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阿武咲3敗守る、2年ぶり2桁も「特に意識ない」

宝富士(右)を寄り切りで破る阿武咲(撮影・河田真司)     

<大相撲秋場所>◇13日目◇25日◇東京・両国国技館

阿武咲が宝富士を寄り切り、3敗を守った。2桁勝利は18年九州場所以来だが「2桁は特に意識ありません」。先場所は初日から13連敗の屈辱を味わった。

「先場所は大負けしている。その分を取り返したい思いで臨んだが、意識せず1日1番で相撲をとれていると思う」。優勝争いにも残るが「その日その日の相撲を取りきるだけです」と余計な考えは消して臨む。

阿武咲(右)は宝富士を寄り切りで破る(撮影・柴田隆二)

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朝乃山3連敗から10連勝「先考えず」V争い平常心

御嶽海(下)を上手投げで破る朝乃山(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>13日日◇25日◇東京・両国国技館

大関朝乃山(26=高砂)が3連敗から10連勝で優勝争いに踏みとどまった。

関脇御嶽海(27=出羽海)を得意の右四つから豪快な左上手投げで土俵にたたきつけた。「しっかり踏み込めて上手がとれたんであとは思い切り。思い切りやるのが相手に効くと思うんで」。完全に本来の姿を取り戻し、14日目は2敗の正代戦。「先のことは考えず、目の前の1番に集中するだけ。(優勝争いは)何も考えてません」と平常心を強調した。

白星を2ケタに乗せた朝乃山は花道を引き揚げる(撮影・小沢裕)

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