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元安美錦の安治川親方が早大大学院合格、4月入学

元関脇安美錦の安治川親方(2019年7月18日撮影)

大相撲の安治川親方(42=元関脇安美錦)が、早大大学院スポーツ科学研究科の修士課程に合格したことが19日、分かった。入学は4月予定。現在は伊勢ケ浜部屋の部屋付き親方だが、将来的な独立を視野にいれつつ、日本相撲協会の業務の合間を縫って、スポーツビジネスなどを学んでいく。

安治川親方は「コロナ禍の状態で、何ができるか考えていた。ずっと相撲界の中にいたので、外の世界も見てみたい。現役を引退するころから考えていたことなんです」と説明した。早大大学院スポーツ科学研究科の修士課程1年制は実務経験者が対象。数年がかりで準備を進め、資格審査、面談、社会人経験をもとにしたリポートや試験をへて、このほど合格が決まった。

早大では元日本サッカー協会専務理事の平田竹男教授の指導を受ける。「平田先生の本を読んで、勉強になった。力士が稽古で強くなるだけでも、部屋経営だけでもなく、普及も含めて一体になった方がいい。平田先生のところで勉強したいと思いました」。

妻の絵莉さんが早大出身ということもあり「一緒の学校に行きたかった。家族も応援してくれて、後押ししてくれました。みんなで頑張ろうと言ってくれています」と話す。昨年4月から荒磯親方(元横綱稀勢の里)が同教授のもとで学んでおり、入れ替わるかたちになるが、角界での後輩が早大では先輩になる。「一緒に今後の角界を盛り上げていく仲間として、うれしく思います」と今後を見据えていた。

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荒磯親方が新CM 飲むオイル19年公開の第2弾

荒磯親方が出演する「メイヂ健康大麻油新CM」

大相撲の荒磯親方(元横綱稀勢の里)が出演する新CMが、同親方をイメージキャラクターに起用している名古屋市のメイヂ食品から発表された。CBDオイルの先駆けとなる「メイヂ健康大麻油」が今春に誕生4周年を迎えることを記念しており、19年に公開した前回に続く第2弾のCMとなっている。

「メイヂ健康大麻油」は大麻草の中でも違法性のないカンナビジオール(CBD)を低温圧搾したヘンプシードオイルにブレンドしたCBDオイルで、同社は「日本人の好みに合わせてナッツのような香ばしい風味で毎日飲める味わいです」と紹介している。

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経営学ぶ“院生”大栄翔「将来的には」親方に意欲

初優勝した初場所から一夜明け、リモートでの会見に出席して自慢の大きな手を画面越しの報道陣に見せる大栄翔(日本相撲協会提供)

大相撲初場所で初優勝した西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が千秋楽から一夜明けた25日、埼玉・草加市の部屋でリモートでの会見に出席した。快挙の喜びを語る一方で、昨年4月から日大大学院に通い始めたことについて初めて言及。大相撲の部屋制度に通ずる「ファミリービジネス」を勉強中で、来春の修了を目指している。将来、親方として部屋経営を見据える“院生関取”は、大関昇進への思いも口にした。

     ◇     ◇     ◇

大栄翔はうれしい悲鳴を上げた。「まだ返信できていないです。これから返していかないと…」。祝福の連絡は一夜で400件以上。「幕内最高優勝の影響力はすごい。日頃から応援してくれる人に感謝しないといけない」と、快挙の大きさをかみしめた。後援会関係者によると、2月上旬に地元の埼玉県朝霞市役所を表敬訪問することも決定。お祝いムードは続きそうだ。

文武両道を実践していた。日大出身の師匠、追手風親方(元前頭大翔山)の勧めもあり、昨年4月に日大大学院に入学。同族企業の経営の特徴を学び、事業継承の実現を考える「ファミリービジネス」を勉強している。授業はコロナ禍のため現在は全てリモート形式で「いろんな分野の人がいるので話を聞くだけで勉強になる」。すでに「相撲」をテーマにしたリポートを数本提出。順調にいけば来年4月に卒業予定という。

現役力士として土俵を務めながら、人生設計を描いていた。同族経営は、大相撲の部屋制度に通ずる。「相撲界の部屋継承とか将来に生かしたい。将来的にはそういうところ(親方)にもなりたい」。将来の部屋経営に意欲を示した。

力士としての次の目標はシンプルだ。最高位は関脇。「相撲界に入った以上は上を目指している。それ(大関昇進)を達成できたら」。来場所は三役復帰が確実。成績次第では大関とりの足固めとなる可能性もある。「これからも地道にかなえていきたい」。控えめながらも、口調は力強かった。【佐藤礼征】

◆角界と大学院 元横綱日馬富士が現役時代の14年4月に法大大学院の政策創造研究科に進学。荒磯親方(元横綱稀勢の里)は現役引退後の昨年4月に早大大学院に入学し、スポーツ科学研究科の修士課程1年制でスポーツマネジメントなどを研究している。青森大卒の関ノ戸親方(元小結岩木山)も現役中の03年4月に青森大大学院に進学。

初優勝した初場所から一夜明けてリモートでの会見に出席した大栄翔(日本相撲協会提供)
初優勝した初場所から一夜明け、リモートでの会見に出席して笑顔を見せる大栄翔(日本相撲協会提供)

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初V大栄翔、昨年4月から日大大学院で同族経営学ぶ

優勝力士インタビューを受ける大栄翔(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が初優勝を果たした。勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる可能性もあった大一番で、隠岐の海を突き出して13勝目。埼玉県出身では初、追手風部屋としても初めての優勝となった。

   ◇   ◇   ◇

大栄翔が昨年4月から日大大学院に通っていることが分かった。師匠の追手風親方が明かし「親を楽にさせたいと(高卒でプロ入りし)大学には行かなかったから『役に立つようなことを学びたい』ということで」と説明。日大出身の師匠が、知人を通じて大栄翔に紹介した。

学んでいるのは「ファミリービジネス」。同族経営に関する内容で、大相撲の部屋制度に通ずるものがあるため。コロナ禍で授業はリモート。角界では荒磯親方(元横綱稀勢の里)が早大大学院に通っているが、大栄翔も文武両道に励んでいる。

優勝インタビューを終え、しばらく天を仰ぐ大栄翔(撮影・河田真司)
八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る大栄翔

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千秋楽どうなる?大栄翔、正代 優勝の行方を解説

大栄翔(左)と正代

<大相撲初場所>◇千秋楽◇23日◇東京・両国国技館

大相撲初場所は23日に千秋楽を迎える。幕内優勝の可能性が残る力士は、14日目まで12勝2敗の西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)と、11勝3敗の大関正代(29=時津風)の2人。千秋楽の取組は、次のようになっている。

大栄翔-隠岐の海(過去の対戦成績は大栄翔の8勝10敗)

正代-朝乃山(同4勝4敗)

先に取組がある大栄翔は、勝てば初優勝が決まる。負けた場合は、正代の勝敗次第。本割で大栄翔負け→正代勝ちなら2人による優勝決定戦、大栄翔負け→正代負けなら大栄翔の優勝が決まる。

大栄翔が優勝した場合、埼玉県出身力士として初めてになる。初場所は過去5年、初優勝力士が続いた(16年=琴奨菊、17年=稀勢の里、18年=栃ノ心、19年=玉鷲、20年=徳勝龍)。大栄翔は顔触れに加われるか。また、昨年は5場所連続(夏場所は中止)で異なる力士が優勝したため、年をまたいで6場所連続になるかもしれない。

11月場所をケガで途中休場した正代は、初場所をかど番で迎えた。負け越せば大関から陥落する危機に直面していたが、勝ち越しどころか優勝争いに加わってきた。かど番大関が優勝すれば、16年秋場所の豪栄道以来になる。正代が優勝すれば2場所ぶり2度目で、次の本場所に横綱昇進がかかる。

千秋楽の最大の注目は幕内優勝になるが、十両以下、三段目を除く各段の優勝も決まる。中でも、9人による幕下の優勝決定戦は、熱い戦いが必至だ。

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審判部長「聞くのがおかしい」貴景勝綱とり質問一蹴

貴景勝(右)は宝富士に上手投げで敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇4日目◇13日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=常盤山)の綱とりが事実上、消滅した。平幕の宝富士に上手投げで敗れ、初日から4連敗を喫した。打ち出し後、横綱昇進を預かる審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)は、綱とりの見解を問われ「4連敗もして、そういうことを聞くのがおかしい」と報道陣の質問を一蹴。最高位への挑戦は、振り出しに戻った格好だ。かど番の2大関、正代は連敗を免れ3勝目、朝乃山は星を五分に戻した。

   ◇   ◇   ◇

貴景勝の“緊急事態”に歯止めがかからない。横綱昇進が懸かる場所で、新入幕だった17年初場所以来4年ぶりとなる初日から4連敗。敗戦のショックからか、取組後は今場所初めてリモート取材に応じずに、無言で国技館を引き揚げた。

先手を取っても、決定打に欠ける。立ち合いは当たり勝ったが、その後の突進を宝富士にうまくいなされた。左をたぐられ、肩越しから左上手を取られると、振りまわされて土俵にたたきつけられた。4連敗は大関昇進後、自己ワースト。持ち前の突き押しの威力が、影を潜めている。

昇進を預かる、幕内後半戦の審判長を務めた伊勢ケ浜審判部長は、綱とり“白紙”を示唆した。打ち出し後の代表取材で見解を問われると「4連敗もしてね、そういうことを聞くこと自体がおかしい。11勝で優勝したことがあるの?」と語気を強める。仮に5日目から千秋楽まで全勝しても11勝止まり。1場所15日制が定着した49年(昭24)夏場所以降、11勝での優勝は最低成績で過去3度しかない。ましてや両横綱が不在の場所。「高いレベルでの優勝」を求めていた同審判長は「そういうことを聞く意味が分からない」と繰り返した。

今場所後の昇進はもちろん、来場所に綱とりを継続する望みも薄くなった。場所前、貴景勝は「何度もこういう機会はやってこない」と強調していたが、白鵬は3度目、稀勢の里は6度目の挑戦で綱を射止めた。まだ24歳。長い目で見れば、最高位への道は完全に閉ざされたわけではない。【佐藤礼征】

伊勢ケ浜審判部長に優勝旗を返還する貴景勝(2021年1月10日)

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高安が稽古始め、荒磯親方と25番「優勝したい」

2021年最初の稽古でダンベルを使って体を鍛える高安

大相撲初場所(10日初日、東京・両国国技館)が返り三役2場所目となる小結高安(30=田子ノ浦)が2日、都内の部屋で新年初の稽古を行い、三番稽古で部屋付きの荒磯親方(元横綱稀勢の里)と計25番取った。

電話取材に応じ「場所前(12月)30日までやってましたので2日空けて、体もだいぶ休まりまして、今日もいい稽古できました」と振り返った。

2021年の目標は、悲願の初優勝だ。「1場所でも2場所でも優勝したい。それに尽きる。千秋楽まで優勝争いに絡んで、いい相撲、面白い相撲を取れれば結果がついてくる」。大関から陥落して初場所が6場所目。「元いた番付に近づけるように、戻れるように」と意気込んだ。

場所後の2月には第1子が誕生する予定。妻で演歌歌手の杜このみは出産のため北海道に帰省中で、年越しは「1人でカウントダウン」だった。大みそかはNHK紅白歌合戦を視聴。妻の紅白出演は夫婦の夢で「お互いがいい方向にいけばまた盛り上がると思いますし、一生懸命やりたい」と話した。

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高安が合同稽古 今後は「荒磯親方と激しい稽古」

合同稽古で関取衆との申し合いを行う高安(左)

大相撲初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)が返り三役2場所目となる高安(30=田子ノ浦)が23日、両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古に2日ぶりに参加した。

合同稽古5日目となった前日22日の欠席は「クールダウン」と、体を休めるためだったと説明。最終日となったこの日は、霧馬山、阿武咲、北勝富士と自身を含めた4人の関取衆が参加した。申し合いでは最多22番を取って16勝6敗と存在感を示し「最終日、気持ちよく締めることができました」と満足顔。全6日間の合同稽古で計5日間参加し「なかなか他の部屋の力士とできる機会がない。これからどういう条件になるか分からないですけど、できればこういう合同稽古というのは続けていただきたいです」と話した。

今後は都内の部屋で、部屋付きの荒磯親方(元横綱稀勢の里)との稽古を中心に調整を進める。「もうお願いしてある。荒磯親方と激しい稽古をして、初場所に備えたい」。19年初場所で現役を退いた同親方だが、引退から2年近い今でも電車道で負けることがあるという。「まだまだとても強い。びっくりするくらい。部屋に関取がいないので、自分しか。本当にありがたいですね。(コロナ禍で出稽古ができず)厳しい部屋もありますけど、恵まれていますので、恩返ししていきたい」と意気込んだ。

初場所後の2月には第1子が誕生する予定。「それはだいぶ奮発材料になっていますので、励みにしていきたい」。新年の目標は、悲願の初優勝。「それが1番。千秋楽まで優勝争いに絡める、場所を面白くしていかないと結果はついてこない」と力を込めた。

合同稽古で関取衆との申し合いを行う高安と、稽古の様子を見守る武隈親方(左)

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白鵬と鶴竜に稀勢より重い「注意」横審「休場多い」

11月場所後の横綱審議委員会の定例会に出席した芝田山広報部長(左)と矢野弘典委員長

日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)は23日、東京・両国国技館で定例会を開き、11月場所を全休して3場所連続で休場した横綱白鵬(35=宮城野)と横綱鶴竜(35=陸奥)に対して、出席した6人の委員の総意で「注意」を決議した。横審の決議事項には厳しい順から引退勧告、注意、激励があり、注意が決議されるのは初めて。

定例会後にオンライン取材に応じた矢野弘典委員長は「休場が多いので注意を与えて奮起を促した。来場所には覚悟を決めて備えてもらいたい」と説明した。横審は両横綱の18年九州場所からの2年間の成績に注目。12場所中、皆勤したのはともに4場所のみで、休場が3分の2を占めた。秋場所後の定例会では、激励の決議を下す声も挙がったというが見送った。奮起を期待した11月場所だったが「期待に反して2人とも休場。横綱の責任を十分に果たしてきたとは言えない」と厳しい言葉を並べた。

横審は過去に、8場所連続で休場するなどした稀勢の里が、18年九州場所で初日から4連敗して途中休場した際に激励の決議を下した。両横綱の状況は、当時の稀勢の里と似ているが「少し踏み込んだ判断をして本人の自覚を促す。2人一緒に休むこと自体、責任の重さ、置かれている状況を認識しているのかということ」と話した。朝青龍が10年初場所中に泥酔し暴行問題を起こした際には、引退勧告書を相撲協会に提出したこともある。

来年1月の初場所(10日初日、東京・両国国技館)出場については「最終的に決めるのは本人。強制はしないが、横綱がいるのに出場しない場所は長く続けてはいけない」。結果によりさらに重い決議を下す可能性については、初場所の結果を見てから委員らで話し合いをするとした。

◆横審の勧告規定 横綱審議委員会規則の横綱推薦の内規第5条に「横綱が次の各項に該当する場合、横綱審議委員会はその実態をよく調査して、出席委員の3分の2以上の決議により激励、注意、引退勧告等をなす」とある。該当理由は(イ)休場が多い場合。ただし休場する時でも、そのけが、病気の内容によっては審議の上、再起の可能性を認めて治療に専念させることがある(ロ)横綱として体面を汚す場合(ハ)横綱として不成績であり、その位にたえないと認めた場合となっている。なお、勧告に強制力はない。

11月場所後に行われた横綱審議委員会の定例会

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横審、白鵬と鶴竜に「覚悟決めて」引退勧告にも言及

白鵬(2020年7月30日撮影)

日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審=矢野弘典委員長)が、大相撲11月場所千秋楽から一夜明けた23日、東京・両国国技館で定例会合を開き、9月の秋場所に続き2場所連続で休場した横綱白鵬(35=宮城野)と横綱鶴竜(35=陸奥)に対し、出席6委員の総意で「注意」の決議を下した。

横審の内規では、不本意な成績や休場が続く横綱に対し、委員の3分の2以上の決議があれば、重い順に「引退勧告」「注意」「激励」が出来ると定められている。最近では稀勢の里(現荒磯親方)に「激励」が言い渡されたことがあるが、それより一歩踏み込んだものとなった。師匠を通じてなり、両横綱への通達を横審は八角理事長(元横綱北勝海)に要請。同理事長は「必ず伝えます」と答えたという。

秋場所後の定例会合でも、数人の委員から決議を出すべきでは、という声が出ていた。だが「両横綱に自覚を促すにとどめたが、期待に反し2場所連続の休場。近年の状況から横綱の責任を果たしたとは言えない。少し重い注意が妥当と判断した」と同委員長は話した。

会合では、最近12場所の両横綱の休場場所数、休場日数などのデータを出して比較。全休場所がともに4場所(鶴竜は初日不戦敗も含め)、途中休場も各4場所。「全体の3分の2が休場で、全休は3分の1。休場日数も50%前後。出場した場所では白鵬は3回、鶴竜は1回、優勝しているが結果は別に、あまりにも休みが多い。深い、強い責任を持って今後に対処してほしい」と断じた。

8場所連続休場でも「激励」にとどめた稀勢の里との比較については「在位は12場所で10場所休場、全休は4場所だったが、それでも毎場所、土俵に上がっていい結果は出なかったが、やっている姿は見ることが出来た。そういう意味では同じように比較はできない」と説明。さらに「稀勢の里は休日数でいえば5割を超えて6割。(それで決議に)差をつけた結論に至った」と続けたが、休場場所や全休、休場日数の割合で今回の両横綱は、稀勢の里と同じかそれ以下の数字で、やや苦しい説明となった。

来場所以降の成績によっては、さらに重い「引退勧告」の決議がされるかどうかの議論は「来場所も見てまた相談するということになった」と説明。また来場所の出場を促すかについては「最終的には本人の判断で強制はできない」としながら「ファンの立場からすれば横綱がいない場所は寂しい。横綱が出場しない場所が長く続いてはいけない」とした。「結果としての休場回数とか休日日数が一番、事実を語っている。その重みを感じてほしい。横審としては切実な思い」「両横綱には第一人者に相応しい自覚を持ち、行動によってそれを示して欲しい。とりわけ世代交代が迫っている中、上を目指す力士の壁となり、よき模範となってもらいたい。注意の処置にした理由は休場が多いので、注意を与えて奮起をうながすものでありまして、来場所には是非、覚悟を決めて備えていただきたいと考えております」。柔らかな口調ではあったが、その言葉の数々に、厳しさがにじみ出ていた。

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貴景勝、大関8場所目で悲願 感謝を体現した優勝

幕内優勝を果たし、賜杯を手に笑顔を見せる貴景勝(代表撮影)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

綱とり初挑戦だ-。大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。

小結照ノ富士に本割で敗れて13勝2敗で並ばれたが、優勝決定戦では鋭い出足で立ち合いから圧倒した。昨年はけがに苦しんだが、在位8場所目で悲願成就。コロナ禍だからこそ、周囲への感謝の気持ちを忘れない24歳の看板力士。横綱、大関陣でただ1人の皆勤で重責を果たし、17年初場所の稀勢の里を最後に遠ざかっていた大関の優勝なしにも、終止符を打った。

   ◇   ◇   ◇

闘志を充満させていた表情が、わずかにゆがんだ。1人大関の重圧に耐えた貴景勝を、定員の半分ほどに制限が引き上げられた5000人の観客が万雷の拍手で包む。コロナ禍で、今場所から解禁された土俵下での優勝インタビュー。「お客さんの前でいい相撲を見せる、それだけ考えて一生懸命やった」と話す声は、少し震えていた。

決定戦で自分の立ち合いを貫いた。本割では照ノ富士を突き放し切れず、浴びせ倒しで敗れた。右肩に土がベッタリつきながら戻った花道。「情けなさと悔しさ」を押し殺し「もう一戦チャンスをもらった」と切り替えた。決定戦は低い踏み込みから3発で一気に相手を土俵外へ。「何も考えてなかった。脳の指令で体が動く。初めて脳を止めて、体に任せた」。未知の領域だった。

コロナ禍で揺れに揺れた1年。昨年の大関昇進時、伝達式の口上で述べた「感謝の気持ちと思いやり」を体現した。8月に自身を含めた埼玉栄高のOBで母校相撲部に反物で作製したマスク40枚とメッセージを送った。インターハイなど高校相撲の主要大会が中止となり、傷心の後輩を激励。恩師で相撲部の山田道紀監督は「ありがたいことだね」と感謝した。

初の綱とり、来場所は年6場所制となった58年以降の初土俵では付け出しを除いて史上3位となる、所要38場所でのスピード昇進を狙う。一気に塗り替えたい。旧貴乃花部屋時代に宿舎を提供していた福岡・田川市の「相撲茶屋貴ノ花」では、店周辺に同部屋出身力士の幟(のぼり)を設置。業者との契約で3年に1回は全25本を交換するが、コロナ禍で交換が1年延長になった。入門来の付き合いで場所中も毎日のように連絡を取り合うという店主の今宮一成さん(55)は「今の幟には『大関』と書かれていないんですよ。来年上がってくれれば、いい替え時です」と笑う。一気に「横綱貴景勝」の幟に交換できる環境にある。

「強ければ勝つし弱ければ負ける。自分と向き合ってやっていきたい」。1909年に優勝制度ができて今場所がちょうど500場所目。節目の土俵で賜杯を抱いた貴景勝の新たな挑戦が始まる。【佐藤礼征】

<優勝アラカルト>

◆大関の優勝 17年初場所の稀勢の里以来、22場所ぶり。77年夏場所に当時大関の若三杉(2代目横綱若乃花)が優勝後、81年初場所で千代の富士が25場所ぶりに優勝した最長ブランクに次ぐ。

◆複数回優勝 現役力士では白鵬、鶴竜の両横綱、関脇で2度優勝した御嶽海、大関時代と幕尻で2度制した照ノ富士に次いで5人目。

◆埼玉栄高 2度目の優勝は初めて。豪栄道と合わせて計3度。

◆混戦イヤー 今年の優勝者は初場所から徳勝龍、白鵬、照ノ富士、正代、貴景勝。過去に年間で優勝者の顔触れが異なるのは(年5場所以上)57年、72年、91年に続き29年ぶり4度目の“戦国時代”となった。

優勝インタビューを終え、感慨深げな表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)
幕内優勝決定戦で照ノ富士を押し出しで破り、感極まった表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

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大関Vは稀勢の里以来 22場所ぶり2番目ブランク

幕内優勝決定戦で照ノ富士を押し出しで破り、感極まった表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。本割一発で決めることはできなかったものの、最後は勝ち切った。

<優勝アラカルト>

◆大関の優勝 17年初場所の稀勢の里以来、22場所ぶり。77年夏場所に当時大関の若三杉(2代目横綱若乃花)が優勝後、81年初場所で千代の富士が25場所ぶりに優勝した最長ブランクに次ぐ。

◆複数回優勝 現役力士では白鵬、鶴竜の両横綱、関脇で2度優勝した御嶽海、大関時代と幕尻で2度制した照ノ富士に次いで5人目。

◆埼玉栄高 2度目の優勝は初めて。豪栄道と合わせて計3度。

◆混戦イヤー 今年の優勝者は初場所から徳勝龍、白鵬、照ノ富士、正代、貴景勝。過去に年間で優勝者の顔触れが異なるのは(年5場所以上)57年、72年、91年に続き29年ぶり4度目の“戦国時代”となった。

八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)

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貴景勝が大関初優勝、照ノ富士との優勝決定戦制した

優勝決定戦で貴景勝(手前)は照ノ富士を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。本割一発で決めることはできなかったものの、最後は勝ち切った。

1差で追いかける小結照ノ富士との結びの一番に敗れて13勝2敗で並んだ。何度も突き放して遠ざけたが、もろ差しでつかまると浴びせ倒しで背中から倒れた。

約10分後に行われた優勝決定戦、出足の鋭さで上回った。立ち合いで照ノ富士の上体を起こすと、2発、3発、最後は左で一押し。2度目の優勝が決まると、表情がわずかにゆがんだ。

2横綱、2大関が休場して一人大関となったが、重圧のかかる中でも出場最高位の責任を果たした。両横綱の初日からの休場が決まった今場所初日前日には「結果が求められる」と、大関としての自覚をにじませていた。

場所が始まると3日目には大関朝乃山が、5日目には新大関の正代が相次いで休場。その中でも「自分は自分なので、あまり人のことを考えず、その日の一番集中して自分がどういう相撲を取っていくか、それだけ考えてやっていく」と己と向き合った。

長いブランクにも終止符を打った。17年初場所の稀勢の里を最後に、先場所まで21場所連続で大関の優勝がなかった。77年名古屋場所から81年夏場所まで24場所連続で大関の優勝がない時代もあったが、そのうち23場所は横綱が優勝。ここ3年で関脇以下の優勝は9場所あり、今年にいたっては幕尻優勝が2度起きるなど番付の重みを示せていなかったが、1年納めの場所で24歳の貴景勝が威厳を示した。

▽八角理事長(元横綱北勝海) 優勝決定戦の貴景勝は「照ノ富士の変化はない」とかけて開き直った。これだけいい相撲を取ってくれてコロナ禍の中、観戦に来てくれたお客さんも喜んでくれたでしょう。本当にいい大関、1人大関として本当に立派だ。照ノ富士が頑張ったからこそのいい相撲だった。

優勝決定戦で照ノ富士(左)を押し出しで破る貴景勝(撮影・河田真司)

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元琴奨菊の秀ノ山親方「あの時の相撲を」一問一答2

16年初場所を制し八角理事長から賜杯受ける琴奨菊

大相撲で引退した元大関琴奨菊の秀ノ山親方(36=佐渡ケ嶽)が15日、オンライン会見に臨み、引退を決意した理由や今の心境を明かした。

秀ノ山親方は、現在開催中の大相撲11月場所で15年ぶりに十両に陥落。幕内返り咲きを狙ったが6日目終了時点で1勝5敗と振るわず、7日目の14日に休場届を提出し、引退の意向を固めた。

主な、一問一答は以下の通り。

-地元への思いは

秀ノ山親方 地元があって本当に温かいと思う。苦しい時期に笑顔で支えてくれて。そこに恩返しできるのは土俵の上しかないと思った。1つでも白星をあげて喜んでいただけるような結果を残したかったです。

-親方としてこれからどんな力士を育てたいか

秀ノ山親方 力士は番付社会ですけど、どんな時も壁にぶつかり、壁の先を知らずに苦しむ子がたくさんいる。その先の光景を見せられるような指導をしていきたいと思います。

-がぶり寄りへの思いは

秀ノ山親方 昔は若さゆえに何も考えずに、気持ち1つでその体勢になれた。年齢を重ねて体調を整えるようになって、そこも自分への追究になった。あの時の相撲を、もう1度したかったというのが本音です。

-優勝した時の思いは

秀ノ山親方 本当にすごいことをしたなと思います。部屋に賜杯を持ち帰れたことは、胸を出してくれた兄弟子とか親方衆、師匠に本当に気持ちを伝えられたかなと思います。

-あらためて数々の記録を振り返って

秀ノ山親方 大相撲の歴史の中でつくれたのは誇りに思います。

-横綱昇進への思いは

秀ノ山親方 横綱になりたくて相撲界に入門した。そこを目指したけど力及ばずで悔しいけど、その分違う方向性で相撲を追究できたのは今後に生きることだと思います。

-1つの理想を求めて追い込んだと思う

秀ノ山親方 やれることは全てやったなという気持ちです。自分がしっかりしとけば、どんなことでも1つの道につながっていくなと感じた。そこで方向性も、可能性も見たのでそこにチャレンジできたことはうれしいです。

-ご両親にはいつ引退の報告をしたのか

秀ノ山親方 引退の報告も一番最後。自分が納得するまでやれと昔から言っていたので、お疲れさんの言葉で「楽しませてもらったよと」言われた時には頑張ってよかったなと思いました。

-今、もう1度土俵に上がるとするなら誰と対戦したいか

秀ノ山親方 それは横綱稀勢の里関ですね。

-親交のあるプロ野球の内川選手にはどう報告して、どういう言葉をもらったか

秀ノ山親方 引退すると言った時に、「その日が来たか」と言ってもらった。場所前にも大事な言葉を言ってもらって、土俵は違うけどお互いが結果を出して喜んでもらおうとした。「ケガしても土俵に立っている姿は選手として感じるものがありました」と言ってもらえたことがよかったです。

-親方にとってのは相撲とは

秀ノ山親方 日常の考え方とかが全て土俵の上に現れたのかなと。奥が深く、まだまだその中で勉強したいです。

-これまでに引退がよぎったことはなかったか

秀ノ山親方 幕内から十両に落ちた時に、周りが思うほど、自分はいろんな可能性を感じていた。落ち込むことはなかったけど、自分の相撲が取れないと気づいた時は引退しようと思っていたので決意しました。

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元琴奨菊の秀ノ山親方「勝っても最後に」一問一答1

大きく反り返る琴奨菊のルーティンワーク

大相撲で引退した元大関琴奨菊の秀ノ山親方(36=佐渡ケ嶽)が15日、オンライン会見に臨み、引退を決意した理由や今の心境を明かした。

秀ノ山親方は、現在開催中の大相撲11月場所で15年ぶりに十両に陥落。幕内返り咲きを狙ったが6日目終了時点で1勝5敗と振るわず、7日目の14日に休場届を提出し、引退の意向を固めた。

主な、一問一答は以下の通り。

-引退を決意した経緯は

秀ノ山親方 何とか頑張って応援してくれる方に結果を出そうと思ったけど、体が言うことをきかず、ここが自分の終わりかなと思って決断しました。

-6日目に「琴バウアー」をした

秀ノ山親方 自分ができることは全てやって、勝っても負けてもこの1番で終わろうと思っていましたので、応援してくれた方に感謝の気持ちが伝わればと思ったので。

-勝ってもやめるつもりだったのか

秀ノ山親方 そうです。前日に師匠に引退のことを考えている旨趣を伝えたけど、師匠からは一回ぶつかってみろと言われた。頑張ってみたけど、朝起きてみたら体が言うことを聞かず、両国国技館に行く車の中で「勝っても負けても最後にする」と師匠に伝えました。

-どんなことが胸にあったか

秀ノ山親方 なんとも言えないけど、まだできるなら相撲が取りたいというのが本音です。

-悔いはあるか

秀ノ山親方 やるべきことは全てしたけど、どうしても体が言うことを聞かないので。自分の相撲が取れないと感じたのでここで終わろうと決めました。

-今の心境は

秀ノ山親方 まだ慣れてなく、朝稽古場に行くとみんなが普段通りにしてるの見るとうらやましいです。

-家族へはどう伝えたか

秀ノ山親方 帰りの車の中で伝えた。妻の方は理解してくれて、子どもも理解してくれた。最後の相撲は家族を呼んで国技館で相撲を見せられたのはよかったです。中日のチケットを取ってたけど、そこまで続くか分からなかったので。

-大事にしてきたことは

秀ノ山親方 自分はご縁という言葉で、先代とのご縁と師匠とのご縁と、たくさんの方々とのご縁で佐渡ケ嶽に入って。ライバルにも出会えてここまでこられたので感謝です。

-思い出の一番は

秀ノ山親方 すごく聞かれると思って考えたけど、今思い出すのは幕下の時とか下の時に厳しく胸を出してくれた兄弟子とか師匠の思いとかライバルの存在が1番なので、どれがと言われたら苦労した時の方が思い出。思い出の一番は全てです。

-1番苦しかった時期はいつか

秀ノ山親方 いつも前向きだった。どこかにヒントがあるんじゃないかと思ってやっていた。

-原動力は何か

秀ノ山親方 ライバルの存在と同期生がどんどん上がっていって、自分も負けていられないと思って頑張ったことだと思います。

-稀勢の里関はどんな存在だったか

秀ノ山親方 土俵上は力を試される1番の相手と思ってぶつかって。1番の思い出は横綱との三番稽古で誰よりもぶつかったのが思い出です。

-それはどんな時間だったか

秀ノ山親方 無我夢中でくらいついた。気を抜いたら壊されるんじゃないかと思って、前日から備えたのが懐かしいです。

-井筒親方(元関脇豊ノ島)については

秀ノ山親方 小さい時から知っていて、いつも比べられるのが豊ノ島の存在で。先に新十両いかれて悔しい思いがあって、三役は私の方が早かったと思うけど、どんな時も意識して半枚でも上にあがろうという思いだった。

-3人の中で1番長く相撲を取った

秀ノ山親方 自分は納得いくまで取り切ろうと思ったので。

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琴奨菊引退 通算出場回数現役1位/記録アラカルト

大きく反り返る琴奨菊のルーティンワーク“琴バウアー”でファンを喜ばせた(16年初場所)

<大相撲11月場所>◇7日目◇14日◇東京・両国国技館

元大関で現役最年長関取の西十両3枚目琴奨菊(36=佐渡ケ嶽)が、引退を決意したことが大相撲11月場所7日目の14日、分かった。

15年ぶりに十両に転落した今場所は、6日目終了時点で1勝5敗と振るわず、この日に休場届を提出した。日本相撲協会理事会の承認を経て、年寄「秀ノ山」を襲名する見通し。

<琴奨菊記録アラカルト>

▽通算出場回数 現役1位の1496回。

▽幕内出場回数 現役1位、史上6位の1332回。

▽幕内在位場所数 現役2位、史上7位の92場所。幕内連続在位は史上4位の91場所。関取在位は97場所。

▽通算勝利数 現役2位の828勝。

▽幕内勝利数 現役2位、史上6位の718勝。

▽関取最年長 36歳9カ月。

▽金星 大関陥落後に日馬富士、稀勢の里、白鵬を破り金星3個獲得。

11月場所6日目の13日、千代ノ皇(右)に寄り切りで敗れる琴奨菊

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貴景勝4連勝「とにかく後悔しないような相撲を」

阿武咲(右)を激しく攻める貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇4日目◇11日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が初日からの連勝を4に伸ばした。

果敢に攻め込む東前頭2枚目阿武咲に、落ち着いて対処した。押し込まれても慌てず、得意の左からのいなしで崩し、最後は押し出した。安定した内容に「あまり作戦を考えず、自分がやってきたことを、集中して一生懸命やる」と淡々と振り返った。

三役以上の勝ちっ放しは貴景勝と小結照ノ富士だけとなった。直前の取組で正代が敗れたが「自分の相撲で、そこはあまり関係なかった。気合入れていこうと思った」と影響はなし。

「相手がどうだからと意識せず、とにかく後悔しないような相撲を。今日終わったから、また明日に向けて一生懸命頑張っていきたい」。17年初場所の稀勢の里以来となる大関優勝に向けて、一喜一憂せずに突き進む。

懸賞金の束を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)

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貴景勝が大関で初の初日から3連勝「やるしかない」

霧馬山(左)を突き落としで破る貴景勝(撮影・河田真司)

<大相撲11月場所>◇3日目◇10日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が薄氷の白星を挙げて、大関としては初めて初日から3連勝を飾った。東前頭筆頭霧馬山に右四つに組み止められて不利な体勢となったが、土俵際で逆転の突き落としを決めた。大関朝乃山が休場して出場最高位の大関が正代と2人となる中で、17年初場所の稀勢の里以来となる大関の優勝に向けて突き進む。

   ◇   ◇   ◇

まわしを奪われ絶体絶命と思われたが、貴景勝は冷静だった。「どんなかたちになっても焦らず、自分がやってきたことを信じてやるしかない」。霧馬山に右四つに組まれて寄られたが、土俵際で強靱(きょうじん)な下半身が支えた。背中から倒れ込みながらも、左から突き落として逆襲。まわしを与えない押し相撲を信条としているだけに「良くないんですけどね、全然」と納得の内容ではなかったが「全部が思い通りの相撲を取れない。そんなに甘くない。その中で力を出し切れた」と、執念の白星を前向きにとらえた。

場所前は勢いある新大関と意欲的に肌を合わせた。10月16日から両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古に参加。正代を指名して三番稽古を3日間で計35番取った。「一門も違うし、普段はなかなか稽古できない。せっかく来たので意味のある稽古にしたいなと思った」。コロナ禍で実現した異例の稽古を、貴重な自己研さんの場にした。

朝乃山が休場して大関は貴景勝と正代の2人だけ。両横綱が初日から休場しているだけに、出場最高位としての責任はさらに増すが「朝乃山が休場しても、もともと自分は一生懸命やるだけ。そこは関係ない」と断言。大関の優勝は17年初場所の稀勢の里が最後。24歳の看板力士は「自分がやってきたものを発揮して負ければ、自分が弱いだけ。悔いのない相撲を取っていく」と、自らに言い聞かせた。【佐藤礼征】

貴景勝(左)は霧馬山を突き落としで破る(撮影・小沢裕)
貴景勝(左)は霧馬山を突き落としで破る(撮影・小沢裕)
懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)

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白鵬、出場可否は6日朝までに 「進退かけて」親方

白鵬(2020年7月22日撮影)

横綱白鵬は11月場所の出場可否を直前まで見極める。

電話取材に応じた師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)が「まだ言えない」と、取組編成会議が行われる6日朝までに白鵬と話し合うことを明かした。休場なら3場所連続。宮城野親方は「もし出られなかったらあれですね。来(初)場所に進退かけて頑張るしかないですよね」と話した。

◆最近の横綱の長期休場 稀勢の里が左大胸筋付近の負傷などの影響で、同年夏場所から18年名古屋場所にかけて8場所連続で休場。鶴竜の連続休場は17年夏場所から同年九州場所にかけての4場所が最長。白鵬は今場所休場すれば3場所連続で、自身最長となる。

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高安「充実した毎日」妻の杜このみのサポートに感謝

高安(20年9月撮影)

大相撲11月場所(8日初日、東京・両国国技館)で三役復帰を果たした小結高安(30=田子ノ浦)が10月31日、電話取材に応じ、現状の充実ぶりを明かした。

朝稽古では、部屋付きの荒磯親方(元横綱稀勢の里)と三番稽古を15番ほど取ったという。「とても復調しているので、とてもいい稽古ができています。盤石に攻めるという、しっかり自分の形になって、土俵際をしっかり踏ん張っていくことを意識してやっています」と稽古内容を振り返った。

つらい時期を乗り越えて、三役復帰を果たした。大関だった昨年名古屋場所を左肘の靱帯(じんたい)断裂で途中休場すると、翌秋場所は完治せずに全休。九州場所は出場するも、ぎっくり腰で途中休場するなどケガが重なった。

今年の初場所で関脇に陥落したが、「正直なところ、だいぶ精神的にきついところがあったけど、応援してくれる方々がいましたので、もう1度体を作って頑張りたいという気持ちで日々やってきた」と腐ることはなかった。

再起を図った春場所で初日から3連敗すると、4日目の横綱鶴竜戦で左太ももを負傷して途中休場。「本当に立て続けにケガが重なりましたので、ちょっと気持ちがだいぶぐらつきましたね」と精神的に追い込まれたという。

7月場所では番付を幕内下位に下げた。そんな時も「妻もそうですけど、自分の両親とか、身の回りの人にだいぶ支えられた。それをモチベーションにして何とか頑張れた」と周囲の支えに何度も助けられた。

新型コロナウイルスの影響で5月の夏場所が中止となり、自粛期間が続いたことで自分を見つめ直す時間が増えた。「自分の体を見つめ直す、とても貴重な期間になりました」。

ケガをしない体作りの他、体重管理に着手。今年7月に結婚した演歌歌手の杜このみのサポートもあり、現在の体重は170キロほどだという。「妻には自分のパフォーマンスがよくなるように気を使っていただいている。特にこの時期は体の調子を自分でコントロールするしかないので、妻がいてくれて充実した毎日を送れています」と感謝した。

度重なるけがに苦しみながらも周囲の支えもあり、7月場所と秋場所で2場所連続2桁白星。関脇だった初場所以来となる三役復帰を果たした。「体の故障で番付を下げたけど、思ったより順調に番付をまた上げることができた。とてもポジティブに今は出来ている」と手応えを口にした。

簡単なことではないが、大関復帰については「1場所1場所結果を出していかないと。またひと回りもふた回りも成長して、しっかり結果を出して、また審判の皆さんに評価されるような相撲を取りたい」と話した。

1年納めの場所に向けては「会場に見に来てくださるファンの方もまた多くなる。そういった方々やテレビの向こうのファンの方々に元気な姿を見せたい。また大相撲の盛り上がりに少しでも尽力できるように頑張りたい」と意気込んだ。

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