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稀勢の里非公開稽古で汗、初場所へ「しっかり調整」

稀勢の里

右膝痛で大相撲九州場所を途中休場した横綱稀勢の里は10日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋での稽古を非公開で行い、部屋関係者によると四股などで汗を流したという。

東京での稽古再開から1週間が経過した稀勢の里は帰り際に「悪いところ、いいところがある。しっかり調整していく」と話した。進退が懸かる初場所(来年1月13日初日・両国国技館)まで残り約1カ月。右膝の痛みについては「違うところとか、いろいろ出てくる」と、まだ万全には遠い様子をうかがわせた。22日までの冬巡業合流については未定。「しっかり最後に出たい気持ちはあるけどね。頑張る」と述べるにとどめた。

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稀勢の里「もう少し」冬巡業への合流に慎重姿勢

稀勢の里(2018年11月15日撮影)

右膝痛で大相撲九州場所を途中休場した横綱稀勢の里は4日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋での稽古を非公開で行い、不参加中の冬巡業への途中合流について「もう少し(時間が)欲しいという感じです」と慎重な姿勢を示した。

部屋関係者によると、稽古では四股などの基本運動で汗を流したという。2日に始まった冬巡業は22日まで実施される。

稀勢の里は九州場所初日に右膝を負傷し、5日目から休場。全治1カ月の休業加療を要すると診断されていた。

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稀勢の里、冬巡業は当面休場 師匠が説明、鶴竜も

稀勢の里

大相撲九州場所を右膝痛で途中休場した横綱稀勢の里が12月2日に始まる冬巡業を当面は休場することが28日、分かった。師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が「様子を見て、前半はちょっと(無理だ)」と話した。

関東地方で12月20~22日に行われる巡業での合流になりそうかと問われ「それくらいになるかも。まだはっきりとは分からない」と説明した。

稀勢の里は九州場所で横綱として87年ぶりに初日から4連敗(不戦敗を除く)を喫し、横綱審議委員会から奮起を促す「激励」の決議を受けた。進退が懸かることになる来年の初場所(1月13日初日・両国国技館)の出場について、田子ノ浦親方は「中途半端に出ても。やれることをやってから」と慎重な姿勢を崩さなかった。

また、九州場所を右足首痛で全休した横綱鶴竜も巡業初日から休場することを、師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)が明らかにした。

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稀勢の里へ横審から「激励」1月休場なら引退勧告も

25日、田子ノ浦部屋千秋楽祝賀会での稀勢の里(撮影・小沢裕)

横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)の進退に“待ったなし”がかかった。日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)は九州場所千秋楽から一夜明けた26日、福岡市内で定例会合を実施。同場所で横綱として87年ぶりに初日から4連敗(不戦敗を除く)し、途中休場した稀勢の里に対して、全9人の委員が満場一致で「激励」を決議した。北村正任委員長(77)は来年1月の初場所出場を厳命。それでも休場した場合は、引退勧告など、さらに厳しい決議も辞さない構えだ。

ついに横審が、重い腰を上げた。7月の名古屋場所まで、横綱として歴代最長の8場所連続休場した時でさえ、稀勢の里の意向を尊重。静観してきた。だがこの日の北村委員長は強い口調で「長期にわたって、その地位にふさわしい力量を示せずにいる。九州場所における復活に願いをかけたファンの失望は大きい。委員会規則に定められた『激励』を決議する。来場所での再起に期待する」といった決議内容が記された文書を読み上げた。「個人的な気持ちでいえば来場所は出てきてほしい」と続けた。

稀勢の里は、長期休場明けの秋場所を10勝5敗で乗り切り、今場所前には「優勝宣言」まで飛び出した中で、4連敗して途中休場した。その際に「右膝挫傷捻挫で全治1カ月」との診断書を提出。12月2日に始まる冬巡業も、最初から参加するのは難しい状態だ。

それでも杉田委員が「来場所の休場は想定していない。相当、皆さんに失望を与えている」と話すなど、厳しい意見も相次いだ。北村委員長も「長い間けがと取り組んできているわけだから。『まだ治りません』ということなのかどうなのか、はっきりつかめない」と、けがを理由に再び休場が続きかねない状況を危惧した。それでも初場所を休場した場合は、引退勧告などさらに厳しい決議がなされる可能性についても「考えなければならないかもしれない」と否定しなかった。

横審の決議事項には厳しい順から引退勧告、注意、激励がある。激励の決議は今回が初めてだった。山内委員は「けがはみんな折り合いをつけながらやっている。横綱の良識と地位の重みに立って自ら判断する時もある。初場所はそういう場所になるのでは」と、1月は問答無用に進退の懸かる場所になるとの見解。稀勢の里は九州場所5日目朝に休場を表明した際に「しっかり考えていきたい」と初場所出場は明言しなかった。だが今回ばかりは、休場の選択肢はなくなった格好だ。【高田文太】

◆横審の勧告規定 横綱審議委員会規則の横綱推薦の内規第5条に「横綱が次の各項に該当する場合、横綱審議委員会はその実態をよく調査して、出席委員の3分の2以上の決議により激励、注意、引退勧告等をなす」とある。該当理由は(イ)休場が多い場合。ただし休場する時でも、そのけが、病気の内容によっては審議の上、再起の可能性を認めて治療に専念させることがある(ロ)横綱として体面を汚す場合(ハ)横綱として不成績であり、その位にたえないと認めた場合となっている。なお、勧告に強制力はない。朝青龍が10年初場所中に泥酔し暴行問題を起こした際には、引退勧告書を相撲協会に提出した。

横綱審議委員会定例会が九州場所が終わった福岡市内のホテルで行われた(撮影・小沢裕)

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「横綱なしの時代もあり得ると想定」横審コメント

横綱審議委員会定例会後の会見に臨む横綱審議委員会の北村委員長。右は芝田山理事(撮影・小沢裕)

横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)の進退に“待ったなし”がかかった。日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)は九州場所千秋楽から一夜明けた26日、福岡市内で定例会合を実施。同場所で横綱として87年ぶりに初日から4連敗(不戦敗を除く)し、途中休場した稀勢の里に対して、全9人の委員が満場一致で「激励」を決議した。

<横審9人のコメント>

◆北村正任委員長(毎日新聞名誉顧問) 自覚が一番大事。周りにとやかく言われるよりは、自分できちっと考えていってほしい。

◆岡本昭委員(岡安商事最高顧問) 結論として、けしからんと言ったら本人もかわいそう。やめなならんから、ちょっと難しい。

◆宮田亮平委員(文化庁長官) もう1度やらせてくれという言葉を尊重したい。初場所に全てをかけてほしい。2ケタは当然。

◆矢野弘典委員(中日本高速道路顧問) 奮起してほしい。再起を切実に望んでいるということ。厳しく罰するだけではいけない。

◆高村正彦委員(元政治家) 進退は誰かが勧告するとかではない。強制するものではないと思っている。すべて自分で決めるもの。

◆杉田亮毅委員(元日本経済新聞社社長) 横綱なしの時代もあり得ると想定しないといけない。若い人が頑張るでしょう。

◆勝野義孝委員(弁護士) 初場所に出るか、出ないかは本人が決めればいいと思う。まず激励しましょうということ。

◆山内昌之委員(東大名誉教授) 次は本人にとって重い場所になる。再起してほしいという願いを込めての激励だ。

◆都倉俊一委員(作曲家) 辞めるどうこうは本人の意志。横綱たるもの、女々しく、恋々とするものではない。(激励は)メッセージ。

会見に臨む横綱審議委員会の北村委員長(撮影・小沢裕)

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「激励」右膝負傷で途中休場の稀勢の里に横審が決議

険しい顔で休場を発表する稀勢の里(2018年11月15日撮影)

日本相撲協会は26日、福岡市内で横綱審議委員会(横審)を開き、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)に対する「激励」を決議した。

横審の内規では長期休場や成績不振の横綱に対して、出席委員の3分の2以上の決議により「激励」「注意」「引退勧告」等の措置を定めている。横審は99年秋場所で7勝8敗と負け越した3代目若乃花に休場勧告、02年夏場所まで6場所連続休場した貴乃花に出場を強く要望することを決議。10年初場所後には、暴行問題を起こした朝青龍に引退勧告を決めた例もある。

稀勢の里は8場所連続休場明けの秋場所を10勝5敗で終え、復活が期待された九州場所で初日から4連敗を喫し、右膝負傷を理由に5日目から休場していた。来年の初場所(1月13日初日、両国国技館)の動向が注目されている。

◆横審の勧告規定 横綱審議委員会規則の横綱推薦の内規第5条に「横綱が次の各項に該当する場合、横綱審議委員会はその実態をよく調査して、出席委員の3分の2以上の決議により激励、注意、引退勧告等をなす」とある。該当理由として(イ)休場が多い場合。ただし休場する時でも、そのけが、病気の内容によっては審議の上、再起の可能性を認めて治療に専念させることがある(ロ)横綱として体面を汚す場合(ハ)横綱として不成績であり、その位にたえないと認めた場合となっている。なお、勧告に強制力はない。

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北村横審委員長「横綱いらないぞと言われそうです」

九州場所を観戦する北村正任横綱審議委員会委員長(中央)(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇千秋楽◇25日◇福岡国際センター

日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会のメンバーが千秋楽の土俵を観戦した。通常は両国国技館で開催される東京場所5日目が本場所総見だが、今場所は千秋楽翌日に行う今日26日の定例会合も福岡市内で行うスケジュールとなった。

貴景勝の表彰式まで観戦した北村委員長は「今日は堪能しました。横綱なしでも、かなり盛り上がった。興行としては『横綱いらないぞ』と言われそうです」と満喫した様子。ただ定例会合で決議されるか注目される横綱稀勢の里については「何も話すことはありません。皆さんの意見を聞いてから」と話すにとどめた。

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稀勢の里「本当に申し訳ない」冬巡業は参加未定

田子ノ浦部屋千秋楽祝賀会であいさつする高安。右は稀勢の里(撮影・小沢裕)

九州場所5日目から休場した横綱稀勢の里は25日、福岡市内で行われた千秋楽パーティーに出席し、壇上で「たくさんの応援をいただいたが、本当に申し訳ない気持ち」と謝罪した。

12月2日に始まる冬巡業の参加について、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「様子を見て、まずは話し合いたい」と未定だとし、巡業前半での参加にも難色を示した。

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高安敗れ決定戦ならず「この悔しい気持ちバネに」

御嶽海(右)にすくい投げで敗れた高安(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇千秋楽◇25日◇福岡国際センター

すくい投げで土俵に倒れ込んだ高安は、両手を握りしめたまま、目を閉じて動けなくなった。2敗で並んで迎えた結びの一番。3番早く、貴景勝は勝って取組を終えていた。本割で勝って優勝決定戦へ-。初優勝への最低条件をクリアできなかった。御嶽海に立ち合いから土俵際に押し込まれ、体が伸びきるピンチをしのいだ。苦しい体勢から左下手を引いた。1分13秒余りにも及ぶ大相撲。執念で取りにいった白星は遠かった。

支度部屋では無言を貫いた。その後、福岡市内のホテルに場所を移して行われた千秋楽パーティーで、後援者らに「必ずこの悔しい気持ちをバネに、近い将来、皆さまに優勝の報告ができるように、精いっぱい頑張りたいと思います」と語り、雪辱を誓った。

パーティーに参加した、兄弟子の横綱稀勢の里の思いも、3横綱不在で大関の責任も背負って奮闘した。優勝すれば先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)と並ぶ、歴代8位のスロー記録となる新入幕から45場所目での優勝だったが、上回ることになった。優勝して来年1月の初場所で「平成生まれ初」の横綱という目標は前進しなかった。【高田文太】

御嶽海(右)にすくい投げで敗れた高安(撮影・栗木一考)

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貴景勝、電話で師匠だった元貴乃花親方に初優勝報告

麻生副総理(右)から内閣総理大臣杯を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)

大相撲九州場所千秋楽で初優勝した小結貴景勝(22=千賀ノ浦)がNHK「サンデースポーツ」に生出演し、喜びを語った。以下は主な一問一答。

-落ち着いたか

貴景勝 食事もいただき少し落ち着きました

-優勝インタビューで「弱い自分出てくる」と言っていたが

貴景勝昨日負けて悔しさもありましたし、明日に気持ちを切り替えようとしたが、楽して勝とうという弱い自分も出てきた。平常心に持っていくことが1番きつかった。

-初日の稀勢の里戦で勝利したが

貴景勝 横綱とやれることに感謝して胸を借りるつもりで作戦なしで思い切りいこうと思った。

-9日目の栃ノ心戦は立ち合いが鋭かったが

貴景勝 回しを取られると相撲にならない。自分の攻撃だけ考えた。小学校のころから立ち合いの当たりと突き押ししかしていない。余計なことは考えなかった。

-元貴乃花親方に報告は

貴景勝 電話でしました。

-元貴乃花親方からの1番の教えは

貴景勝 本場所戦い抜くにはどういうことを普段からしないといけないかと。普段の生活、食事、睡眠。

-土俵上淡々としているがそこも教えか

貴景勝 気持ちを上げもせず下げもせず淡々とやることを教わった。

-(父一哉さんと)親子鷹で取り組んできた

貴景勝 (父は)小さいころは怖かった。とにかくやれと言われたものをやるという感じだった。

-怖いお父さん

貴景勝 普段は優しいが相撲のことになると怖かった。

-来年初場所に向けて

貴景勝 来場所はうまくいかないと思っている。うまくいかないながらにも何かをつかめるように。淡々と黒星でも自分の身上とする相撲を貫きたい。

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トップ並んだ高安、稀勢の里の言葉に救われ焦りなし

高安(左)に引き落としで敗れた貴景勝(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇14日目◇24日◇福岡国際センター

大関高安(28=田子ノ浦)が大一番を制し、初優勝に向けてトップに並んだ。1差で追っていた小結貴景勝(22=千賀ノ浦)に押し込まれる場面もあったが、最後は引き落とし。負ければ相手の優勝が決まる、直接対決に勝って12勝2敗とした。千秋楽の本割で勝ち星が並んだ場合、再び優勝決定戦で対峙(たいじ)する相手に、泥臭く白星を手にして初優勝に1歩近づいた。

大関の意地が幸運を呼び込んだ。体当たりの立ち合いは、高安がやや劣勢だった。貴景勝に下から突き上げられて1歩後退し、突きを繰り出したが、カウンター気味に突き返されて今度は大きくのけぞった。だがここで体勢を崩したことで白星が舞い込んだ。相手の追撃をワンテンポ遅れて受け止める体勢に入ったことで、勢いよく突っ込んできた貴景勝もバランスを崩す格好に。もつれてからみついてきた相手を、高安は右足1本で時計回りに1回転して振りほどき、九死に一生を得る白星をつかんだ。

支度部屋に戻った高安は「相手の圧力は、なかなか強かった。紙一重ですね」と、ギリギリの攻防だったと打ち明けた。それでも負けなかったのは「前に出ることだけ考えた。体がうまく反応した」と、中学卒業後、初土俵から14年近くも土俵に立ってきた積み重ねと強調した。初土俵から4年余り、降って湧いたように初優勝のチャンスが訪れた貴景勝とは場数が違う。

巡業の稽古で、調整のために番数を減らす若手を見て「その1日がもったいない」と、つぶやいたことがあった。口癖は「毎日悔いのないように」。嫌いなものは「言い訳」。たった1日でも稽古をサボってしまうと、自分に対して言い訳をしてしまいそうになる。猛稽古で知られた先代鳴戸親方(元横綱隆の里)の教えでもあるが、今は「結局、土俵に上がっている時が、自分が輝いている時」と話す。猛稽古に耐えられず、何度も脱走した過去とは一転、相撲好きになったからこそ、その頂点を極めたい気持ちが強くなっている。

以前、今場所を途中休場した兄弟子の横綱稀勢の里から、優勝を逃した時の心境について「オレは12回くらい、それをやっている。たいしたことない」と言われたことがあった。横綱、大関陣で唯一、優勝がないが「それを聞いて立ち直った」と焦りはない。だからといって、貴景勝に譲る気は、もっとない。優勝決定戦の可能性もある千秋楽へ「親指を上げないように、浮足立たないように。いつも通り準備して臨みたい」と冷静。これまでの足跡を確かめ、地に足着けて初優勝に挑む。【高田文太】

貴景勝(右)を引き落としで下す高安(撮影・栗木一考)

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高安株が急上昇 落とせない大関の意地で2敗守る

高安は上手投げで栃ノ心(手前)を下す(撮影・小沢裕)

<大相撲九州場所>◇12日目◇22日◇福岡国際センター

初優勝を狙う高安(28=田子ノ浦)が、栃ノ心との大関対決を制し、2敗を守った。相手が得意とする右四つとなったが、左から豪快に上手投げ。10勝目を挙げ、1敗の小結貴景勝を1差で追う。前日11日目まで3人いた2敗力士は高安1人に絞られ、マッチレースの様相。大関豪栄道が休場し、千秋楽の結びの一番が、高安と貴景勝の大一番となる可能性も出てきた。

怪力自慢をぶん投げた。立ち合いで体当たりをかました高安は、けんか四つの栃ノ心に差し負けた。相手が最も力の出る右四つとなったが、慌てなかった。自らはがっちりと引きつけた左上手を相手には取らせない。下手も引き、相手の意識を右にそらした瞬間、左から豪快に上手投げを決めた。持ち前のパワーを武器に、前日11日目に年間最多勝を決めたばかりの栃ノ心との真っ向勝負を制した。

前日の関脇逸ノ城戦は、はたき込みで勝ったが内容には納得できず、無言で支度部屋を後にした。この日は「踏み込んで突いても、まわしを取っても、前に攻めようと思った。前に出て勝てば一番いいけど、しっかり修正して前向きにやりたい」と、内容を手放しで喜んではいなかったが、一定の手応えを感じていた。

12日目現在の出場全力士の中で番付最上位だ。前日まで2敗で並んでいた平幕の大栄翔、碧山がそろって敗れ、貴景勝を1差で追うのは高安1人という状況。幕内後半の藤島審判長(元大関武双山)は、貴景勝と比較し「落とせないという大関の責任。(貴景勝以外の上位で)優勝圏内は自分だけ。(途中休場の)稀勢の里の分まで。背負っているプレッシャーは高安の方が大きいだろう」と、精神面の強さをたたえた。八角理事長(元横綱北勝海)も「優勝ラインを下げないのは立派だ。大関の仕事はしている」と認めていた。

この日から豪栄道が休場し、栃ノ心戦は今場所唯一の大関対決となった。千秋楽の結びの一番という今場所を締める大一番は、成績から栃ノ心よりも高安が妥当。その相手は、慣例通りなら番付上位の関脇御嶽海となるが、阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「ファンが喜ぶ、期待感のある割(取組)にしたい。意味のあるように」と明言。千秋楽の逆転優勝も可能な取組となるかもしれない。それでも高安は「悔いのない相撲を取りたい。集中して浮つかないようにしたい」と冷静。ともに初優勝を目指す2人の争いが、加速度を増していく。【高田文太】

懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる高安(撮影・鈴木正人)

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豪栄道が右腕痛め休場「もうぶざまな相撲取れない」

豪栄道

東大関豪栄道(32=境川)が九州場所12日目の22日、休場した。

師匠の境川親方(元小結両国)によると、7日目の平幕正代戦で右上腕を痛めたという。11日目に8勝目を挙げて勝ち越したが、後半戦は立ち合いの変化を2日間続けるなど、本来の姿とはほど遠かった。

九州場所は白鵬、鶴竜の両横綱が初日から休み、一人横綱の稀勢の里は5日目から休場。3横綱1大関が不在の事態となり、大関以上同士の対戦は、12日目の高安と栃ノ心の大関対決だけとなった。

境川親方は22日朝に大関と話し合って決めたと明かし「昨夜は右手が上がらず、左手で食事をしていた。もうぶざまな相撲は取れない」と説明。同親方は九州場所担当部長も務めており「横綱が全員休んでおり、私の立場からしても本当に申し訳なく思う」と謝罪した。12月2日から始まる冬巡業も不参加の見通し。

豪栄道の休場は3場所ぶり8度目で、12日目の対戦相手、関脇御嶽海は不戦勝。今場所の十両以上の休場者は3日目から途中出場の小結魁聖も含めて5人目となった。千秋楽結びの一番が大関と関脇以下による取組となれば、1994年夏場所の大関貴ノ浪と関脇琴錦の対戦以来となる。

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高安6勝、兄弟子稀勢の里の無念背負い黙って電車道

正代を押し出しで破る高安(左)(撮影・今浪浩三)

<大相撲九州場所>◇8日目◇18日◇福岡国際センター

大関高安(28=田子ノ浦)が快勝し、横綱不在の中、大関、関脇で唯一の2敗を守った。東前頭4枚目の正代を、わずか3秒2で押し出した。1分58秒3もの大相撲の末に敗れた、前日7日目の竜電戦から一変。勢いに乗り、2日ぶりに単独トップに立った小結貴景勝を1差で追う。5日目から休場した兄弟子の横綱稀勢の里の分まで、今場所の盛り上がりと優勝争いを担う格好だ。

快勝という言葉では足りないほどの快勝だった。高安は立ち合いから一気に前に出た。回転の速い突っ張りで正代に何もさせず、わずか3秒2で押し出した。得意は左四つと突き、押しだが、前日は苦しい形の左四つで敗れた。ならばとばかりに、もう一方の得意で圧倒。「前に出ようと思って、もたもたせず思い切ってやりました」と納得顔。「自分の相撲を思い出したか」と問われると「思い出しました」と胸を張った。

兄弟子の稀勢の里が5日目から休場し、初日から休場の白鵬、鶴竜と合わせて横綱が全員不在となった。他の大関、関脇陣も6日目までに3敗。部屋の中でも今場所の優勝争いでも、中心となって盛り上げる役割が求められている。前日7日目の朝稽古後に、その自覚を問われると「もちろん。お客さんにしっかりと元気な相撲を見せたい。精いっぱい取り切りたい」ときっぱり。1勝もできずに休場しファンに謝罪した、兄弟子の無念も背負う覚悟だ。

前日、竜電に敗れた後は無言で、この日の朝稽古も姿を見せなかった。2分近い前日の取組は、初顔合わせの相手に終始苦しい体勢だったが、心中を明かさずこの日の土俵に立った。かつて高安は「負けた時に話すと、全部言い訳になってしまうから」と、敗れた後に無言のことが多い理由を話したことがあった。言いたいことがあっても、翌日の土俵で示す-。その覚悟が、今年の連敗はわずか5度と、休場の多い3横綱を除けば栃ノ心と並ぶ、幕内最少の数字に表れている。

この日は「優勝」というフレーズの入った質問には答えず「明日からも気を抜かずにやりたい」。初優勝への思いは、静かに胸に秘めている。【高田文太】

正代(左)に押し出しで勝利する高安(撮影・栗木一考)

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栃煌山 上位総ナメ 昔の“重み”戻ってきた

笑顔を見せる栃煌山(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)が、高安との全勝対決を制した。

立ち合い負けせず、押し込み、最後は左からのすくい投げで大関に土をつけた。三役の常連だった実力者が平幕として1横綱、2大関、2関脇と上位陣総なめの5連勝だ。全勝は小結貴景勝と2人だけ。稀勢の里休場で横綱が消え、荒れる九州場所で“帰ってきた大関候補”が主役に躍り出た。

高安相手に前に出た。栃煌山が立ち合いから圧力をかけ、中に入る。「相手の腰が伸びた」と感じた。流れの中でもろ差しへ。巻き替えられた右を巻き返した瞬間、左からすくい投げを決めた。「欲を言えば、中に入った時に体を寄せていければ…」。過去25場所も三役を務めた男は貪欲だ。

相次ぐケガで番付を落とした。「体に重みがなくなった」とこぼした。西前頭7枚目だった先場所も腰椎椎間板ヘルニアに苦しんだが、つかんだ感覚がある。「腹だけに力を入れるんじゃなく、体全体に芯を通す。まだできたり、できなかったりですが…」。昔の“重み”が戻ってきた。

平幕で不戦勝を含まぬ、初日から5連勝は昨年春場所以来4度目だが、過去3度の番付は前頭10枚目以下。同2枚目の今回と値打ちが違う。1横綱、2大関、2関脇と上位を総なめ。「今日のような我慢が大事。その中で1番でも2番でも納得できる相撲を…」。三役復帰へ、初優勝へ。帰ってきた強者に夢が広がる。【加藤裕一】

高安(手前)をすくい投げで破る栃煌山(撮影・栗木一考)

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懸賞5本取りやめ 3横綱不在 興行面でも痛手

懸賞金獲得5傑(5日目まで)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

日本相撲協会は、稀勢の里が休場したことにより、玉鷲との取組に懸かっていた懸賞23本のうち5本が取りやめとなったと発表した。

18本は他の取組に変更され、高安と栃煌山の一番に13本、栃ノ心と北勝富士、遠藤と明生の平幕対決に各2本、豪栄道と錦木の取組に1本が加わった。3横綱全員が不在となり、興行面でも痛手となる。九州場所担当の境川部長(元小結両国)は「横綱土俵入りがなくなり、お客さまに本当に申し訳ない。他の力士に奮闘してもらいたい」とおわびした。

大相撲九州場所 報道陣に悔しそうに休場を発表する横綱稀勢の里(撮影・菊川光一)

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稀勢の里「もう1回チャンスを」引退かける初場所

険しい顔で休場を発表する稀勢の里(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

初日から4連敗していた一人横綱の稀勢の里(32=田子ノ浦)が、5日目から休場した。この日朝、福岡・大野城市の部屋で自ら報道陣に対応して表明。「右膝挫傷捻挫で全治1カ月の休業加療を要する」との診断書を提出した。5日目の西前頭2枚目玉鷲戦は不戦敗となり、横綱史上初の初日から5連敗。不名誉な記録に名を残した和製横綱は、来年1月の初場所での進退問題は避けられない状況となった。

一人横綱の責任を果たせず、1勝もできずに稀勢の里の九州場所が終わった。部屋の稽古終了後、まわしを着けずに報道陣の前に現れると、前日4日目までの3日連続の無言から一転。初日の貴景勝戦で右膝を痛めたと明かし、ファンに謝った。「やり切りたい、務め上げたい気持ちはありましたけど、なかなか体が続かなかった」と唇をかんで話した。前夜は1人で進退問題と向き合った。「魂はまだ燃えている。負けた悔しさも当然ある。許されるならば、もう1度勝負したい」。休場し、けがを治して再起を図る道を選んだ。

一足早く今年の本場所を終えたが、皆勤はわずか1場所、6場所合計で11勝しか挙げられなかった。今場所の残り10日間を休場すると、今年は11勝15敗64休。一人横綱以前に、横綱の責任を果たしたとは言えない成績となる。今場所も不戦敗を除き、横綱としては87年ぶり2人目となる初日から4連敗。それでも師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は、前夜の稀勢の里との話し合いの一部を明かし「本人から『このままでは終われない。もう1回チャンスをください』と言われた。次に向けて全力でいきたいという考え」と、復活にかける思いを代弁した。

一方で横綱審議委員会の北村委員長は、10勝5敗だった9月の秋場所後「来場所、また前半戦で負けが込んで休場ということになれば、やっぱり何か考えなければいけない」と、進退問題は消滅していない状態だと話していた。この日の休場についても、同委員長は「横綱の第一の条件である強さが満たされない状態が長期にわたっており、これを取り戻す気力と体力が持続できるか心配している」と、横綱の地位に見合う力量に、懐疑的とも受け取れるコメントを発表した。

稀勢の里は今後について「いい相撲を取っていきたい気持ちはある」と話し、初場所で進退を懸けるかどうかは「しっかり考えていきたい」と明言しなかった。だが同じ二所ノ関一門の芝田山親方(元横綱大乃国)が「もう後はない」と言えば、兄弟子でもある西岩親方(元関脇若の里)は「横綱のプライドを捨てて、稽古場で泥だらけに必死にやるしかない」と断言。進退問題が“待ったなし”であることへの、自覚を促すように厳しく話していた。【高田文太】

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栃煌山が上位陣撃破5連勝、三役復帰に「気合入る」

取材に笑顔を見せる栃煌山(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)が、大関高安との全勝対決を制し、勝ちっ放しの5連勝とした。幕内屈指の強い当たりに負けず、押し込み、流れの中ですくい投げを決めた。

「低い体勢のまま当たって、圧力をかけて、中に入れた。ただ、欲を言えば、中に入った時に体を寄せてそのままいければ…。まだ腰が引けてます」。

初日は御嶽海、2日目は逸ノ城と2関脇、3日目は大関豪栄道で4日目は横綱稀勢の里を破った。上位陣を総なめにする勢いの5連勝。しかし、通算25場所の三役経験を誇る実力者は白星を手放しで喜ばない。

相次ぐ故障に泣いてきた。小結だった昨年秋場所を最後に平幕暮らしが続き、西前頭7枚目だった先場所も腰椎椎間板ヘルニアに苦しんだ。「ここ数年、体に重みがなくなっている感じがあって。軽くなったというか」。しかし、万全でない体調の中で試行錯誤を重ねた。「腹だけに力を入れるんじゃなく、体全体に芯を通す。まだできたり、できなかったりですが…」。先場所は終盤を5連勝フィニッシュ。取り戻しつつあった昔の“重み”が、確信に変わりつつある。

20歳の誕生日直後の07年春場所が新入幕の“早熟派”も、もう31歳。かつての「大関候補」という肩書もご無沙汰になりつつあるが、諦めなんて全然ない。「三役復帰? もちろん。部屋に栃ノ心もいたり、頑張れます。気合入りますよ」。序盤戦で3大関に土がつき、横綱が消えた九州場所で“帰ってきた男”が輝き出した。

高安(手前)をすくい投げで破る栃煌山(撮影・栗木一考)

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八角理事長、休場の稀勢の里は「奮起するしかない」

八角理事長

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

一人横綱が休場し、3枚看板だった横綱が不在の場所となってしまった。協会トップの八角理事長(55=元横綱北勝海)はまず、ファンに対し、おわびのコメントを発した。

役員室で幕内終盤戦の相撲をテレビで見届けながら報道対応。「(稀勢の里の)土俵入り、取組を楽しみにして見に来てくれたお客さんに、申し訳ない」と初日から休場している白鵬、鶴竜に続く横綱全員休場の状況をわびた。

稀勢の里に対しては「悪いところを治してもう1度、体を作り直して頑張ること。それが多くのファンの願いだろうから、奮起するしかない」と立て直しに期待した。

横綱経験者として、その重みは痛いほど分かる。休場原因が初日の一番で痛めた右膝にあることには「(横綱の地位にいる以上)ケガは言い訳にはできない。ケガをしない体を作る、ケガをしない相撲を取る。ケガはつきものだが、本人が頑張るしかない」と奮起を促した。そのためには「開き直って稽古するしかない。どこが痛いとか言ってられない」とし「内容うんぬんより番数。そうやって自信を取り戻すこと」と話した。

稀勢の里対玉鷲戦の結果(撮影・栗木一考)

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貴景勝、自身初5連勝「勝たないといけない職業」

逸ノ城(右)に激しく攻める貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が、関脇逸ノ城(25=湊)を破って、自身初の初日から5連勝を果たした。

逸ノ城に差させる隙も、まわしを取らせる隙も与えず、立ち合いから突き続けた。途中いなして体勢を崩して左のおっつけで土俵際に追いやり、最後も左の押しで押し出した。「作戦は立てないので、狙い通りというか体が、頭が反応した」と無我夢中だった。

序盤戦を終えて、無傷の5連勝。5日目を終えて、三役以上で唯一の全勝だ。横綱稀勢の里がこの日から休場し、千秋楽までまだ10日あるとはいえ、優勝候補の1人。それでも「勝たないといけない職業。白星がつながっているのは考えずに、相撲の内容を意識していきたい」と気を引き締めた。

九州場所 逸ノ城(左)に押し出しで勝利する貴景勝(撮影・栗木一考)

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