<大相撲11月場所>◇12日目◇19日◇東京・両国国技館
幕尻の東前頭17枚目志摩ノ海が、2敗の竜電を退けて1敗を守った。低い立ち合いでぶつかり、頭を相手の胸付近につけながらはず押しやおっつけで攻めた。竜電の攻めも我慢し、左下手を取ると鮮やかな下手出し投げを決めた。
同じく1敗の大関貴景勝は、3敗の宝富士を下した。低く激しくぶつかって宝富士の上体を起こすと、強烈な突き押しで一気に突き出した。13日目は結びの一番で、貴景勝と志摩ノ海の直接対決が組まれた。
小結照ノ富士は、御嶽海を破って2敗をキープ。立ち合いすぐに左でまわしを取り、左を引きながら右を差して一気に寄り切った。目標とする大関返り咲きに向けて、起点となる2桁勝利をあげた。今年2度目の優勝に向けて、貴景勝と志摩ノ海を追う。
再入幕の東前頭14枚目千代の国は、妙義龍を破って勝ち越し。幕内での勝ち越しは、19年初場所以来となった。新入幕だった秋場所で優勝争いを演じた西前頭4枚目の翔猿は、若隆景に負けて負け越しとなった。
12日目の取組模様を写真で振り返ります。
幕内

- 大相撲11月場所12日目の幕内土俵入り(撮影・河田真司)

- 千代ノ皇(下)を上手出し投げで破る琴ノ若(撮影・河田真司)
琴ノ若「(19日が23歳の誕生日)誕生日はあまり考えずにいきました。しっかり踏み込めて、自分から攻められたんでよかったと思います」

- 逸ノ城(左)に突き倒しで敗れる炎鵬(撮影・鈴木正人)

- 炎鵬(下)を突き倒しで破る逸ノ城(撮影・河田真司)
逸ノ城「下がらないように右を差して、差せなくても相手をしっかり見て相撲を取ろうと思った。我慢できたと思います。残りもしっかりと勝ちたい。引かないように、投げないように我慢して相撲を取りたい」
炎鵬「思い切りいくことだけを心がけていた。迷いというより自分が弱いだけ。思い切って1日1番を取りきりたいと思います」

- 竜電(左)を下手出し投げで破る志摩ノ海(撮影・河田真司)
志摩ノ海「向こうは左差しを狙ってきていた。差し負けないように頑張りました」

- 千代翔馬(左)を押し出しで破る明生(撮影・河田真司)
明生「集中していくだけでした。攻める意識でいた。よかったと思う」

- 千代大龍(右)を押し出しで破る徳勝龍(撮影・河田真司)
千代大龍「張ってくるのは分かっていた。ずらして当たろうと思っていたら、まわしをとっていた。(7勝で足踏みに)ここから負け越しが一番みっともないんで頑張りたい」

- 碧山(左)を押し出しで破った豊山(撮影・丹羽敏通)
豊山「はたきだけ気をつけて、最後も足が出てくれた。今日はよかったと思う」

- 照強(下)を浴びせ倒しで破る豊昇龍(撮影・鈴木正人)
豊昇龍「相手(照強)はいろいろしてくるからどうやってくるかなと思ったけど、自分が先手で落ち着いて取れた。(新十両昇進確実の同学年の納谷について)相撲ではいいライバル、普段はいい友達。早く追いついて来てほしい。対戦するのを楽しみにしてます」

- 遠藤(左)を寄り倒しで破る天空海(撮影・鈴木正人)

- 遠藤(下)を寄り倒しで破る天空海(撮影・鈴木正人)

- 幕内取組前半を終え、新型コロナウイルス感染拡大防止を呼びかける懸賞旗スタイルの告知旗が土俵を回る(撮影・河田真司)
天空海「のけ反ったけど、落ち着いて右のはずというか右を使えた。止まったりしてさばかれたら相手のペースになると思った」

- 妙義龍(右)をはたき込みで破る千代の国(撮影・河田真司)
千代の国「(勝ち越しに)素直にうれしいです。(王手から足踏み)なかなか自分の相撲をとらせてもらえなかったんで悔しかった」

- 栃ノ心(左)を激しく攻める北勝富士(撮影・鈴木正人)

- 栃ノ心(右)を寄り切りで破った北勝富士(撮影・丹羽敏通)

- 栃ノ心(左)を寄り切りで破る北勝富士(撮影・鈴木正人)
北勝富士「栃ノ心関相手に組みにいこうとは思わない。我慢して自分のかたちにつくれた。疲労がないといったらウソになる。毎日しっかり2回ケアしている。頑張って持ってくれている」
栃ノ心「右は入ったんですけどね。左上手とれなくて巻きかえにいったのがよくなかった。もっと我慢すればよかった」

- 隠岐の海(左)をはたき込みで破る琴勝峰(撮影・鈴木正人)
琴勝峰「いつも通り立ち合いしっかり当たろうと思ったけど、踏み込まれてしまって。本当はもっと自分から圧力をかけて前に出たい。(11日目に大関戦を経験して)結びで取れたのはいいと思う」

- 翔猿(左)を寄り倒しで破った若隆景(撮影・丹羽敏通)
若隆景「先に攻められたのがよかったと思う。1日1番、集中してやっていくだけです」

- 大栄翔(右)を激しく攻める高安(撮影・鈴木正人)

- 大栄翔(右)をはたき込みで破る高安(撮影・河田真司)
高安「今日は突っ張っていこうと思った。だいぶ土俵にも馴れて、いい感じで連日とれています」

- 御嶽海(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

- 御嶽海(左)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・河田真司)
照ノ富士「まわしがとれたんで。(目標の2桁)ここからの1番1番が大事。積み重ねていきたい」

- 玉鷲(右)を寄り切りで破る隆の勝(撮影・河田真司)
隆の勝「自分らしい相撲がとれたかなと思う。立ち合いだけは負けないよう、自分からいったのがよかったと思う」

- 宝富士(左)を突き出しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)

- 宝富士(右)を突き出しで破って1敗を守った貴景勝(撮影・丹羽敏通)

- 勝ち名乗りを受ける貴景勝(撮影・丹羽敏通)
宝富士「力、伝わらなかったですね。ダメでした」