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八角理事長「貴景勝有利」も自らも経験落とし穴言及

貴景勝(左)と照ノ富士

<大相撲11月場所>◇14日目◇21日◇東京・両国国技館

「貴景勝が断然、有利なのは間違いないでしょう」。優勝争いで1差をつけて小結照ノ富士(28=伊勢ケ浜)との千秋楽結びの一番に臨む大関貴景勝(24=千賀ノ浦)の優位性を、協会トップの八角理事長(57=元横綱北勝海)は見通した。

照ノ富士が2場所ぶり3度目の優勝を果たすには、本割と優勝決定戦と2連勝しなければならない。「照ノ富士の体調を考えると2番取るのは大変。万全ではないから2番取れる、膝が持つか分からない」と、あくまでも2連勝の可能性について「貴景勝断然優位」と言及したもの。「一番相撲となるとどうか」と、本割そのものの予想は言及を避けた。

一方で、貴景勝の立場から「負けてももう1番あるという気楽さもあるけど、そうなると集中力が欠けてくる。後(優勝決定戦)のことは本割の後に考えればいいけど、本割が終わって(優勝決定戦までの)短い時間の中で切り替えるのも大変」。本割の一番で決めるという気持ちが大事、ということを説いた。88年春場所で、横綱大乃国(現芝田山親方)に千秋楽本割、優勝決定戦と連敗し13勝2敗で逆転優勝を許した経験がある。「俺も2番続け(て負け)たことがある」と苦い経験を味わったからこそ話せる、リードした側の落とし穴を説いていた。

御嶽海(右)を攻める貴景勝(撮影・河田真司)

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休場の阿炎、会食は「接待を伴う夜の店」芝田山親方

阿炎(2020年3月16日撮影)

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は大相撲7月場所(東京・両国国技館)8日目の26日、知人と会食に行くなどして7日目から休場となった東前頭5枚目の阿炎について、会食場所が接待を伴う店であることを明かした。

同広報部長は「会食と言われるけど接待を伴う店に行った。不特定多数を接待することによって感染することがあるということ。小池都知事が言う『夜の店』。スナックなのかラウンジなのかキャバクラなのか分からないが、夜の店」と説明した。

阿炎は25日に37度6分の熱があったといい、抗原検査を受けた結果は陰性だったという。現在は隔離して様子をみているといい「同じ部屋の力士や取組をした力士はガイドライン通りに感染予防を行っており、出場に問題はないという判断」とここまでに阿炎と取組を行った力士や同部屋の力士らは出場を続けるとした。

また「夜の店」には、幕下以下の力士が1人同席していたといい、25日に37度以上の発熱があったことも明かした。当該力士の抗原検査の結果は陰性で「(阿炎と)同じ部屋ではない。同部屋の力士らは阿炎と同じように大丈夫という判断です」と説明した。

阿炎の休場については、7日目の午後2時ごろに阿炎が知人らと会食に行ったことを知った師匠の錣山親方(元関脇寺尾)が、急きょ決断した。その後、同親方はNHKの大相撲中継に解説者として出演。「こういう時期に軽はずみの行動をしてしまった。(休場は)自業自得。協会員が一丸となり、お客さんを入れて開催することになったのに最低のことです」などと厳しい言葉を並べていた。

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芝田山親方、7月場所は「保持しながら向かいたい」

芝田山広報部長(元横綱大乃国)(2019年8月31日撮影)

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が23日、AbemaTV放送の「大相撲ABEMA場所~記憶に残る名勝負100連発~」にリモートで生出演した。自宅の書斎からリモート出演したといい、中止となった5月場所について「我々は最後まで諦めずに予防策を徹底して、何とか開催にこぎつけようとしたが、国からの緊急事態宣言もあり断念した」と話した。

番組進行の清野茂樹アナウンサーから、7月場所(19日初日、東京・両国国技館)開催の目安を問われると「世の中の感染状況にもよるが、緊急事態宣言が解除されても相撲協会は今の状態を保持しながら向かいたい」と話した。その中で今、最も心配していることは「稽古」だという。協会は接触を伴う稽古は、各師匠の判断に任せ、出稽古は禁止にしている。その方針は今後も変わらないという。

自身の部屋を持つ芝田山広報部長の部屋では、徹底した体調管理の下、3週間前から接触を伴うぶつかり稽古や申し合い稽古を再開したという。「部屋の力士らは全く外に出させていません。コンビニも行かせていないし、体調が悪い子はいません」と自身の部屋の予防策を明かした。

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協会が力士らにSNS自粛通達、阿炎の不謹慎投稿で

インスタグラムに不適切な動画を投稿した件で、役員室に向かう小結阿炎(左)と十両若元春(撮影・菊川光一)

大相撲九州場所は10日に福岡国際センターで初日を迎える。初日を控え、日本相撲協会が力士ら協会員個人によるSNS投稿の自粛を通達していたことが9日、分かった。

小結阿炎(25=錣山)と十両若元春(26=荒汐)がインスタグラムに不謹慎な動画を投稿したことを受け、6日に芝田山広報部長(元横綱大乃国)が各部屋へ通達していた。1年納めの場所で、土俵外からの“つぶやき”などが届かなくなりそうだ。

大相撲人気に一役買い、ファンとのつながりを深める手段の1つでもあったSNSによる関取らの発信が、しばらくなくなりそうだ。この日、会場での土俵祭り後、協会は阿炎と若元春に口頭で厳重注意した。両関取の行為が生んだ騒動を受けて、鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は協会員個人によるSNS使用の自粛を通達したことを明かした。

「(SNS使用禁止の流れに)なるんじゃないの」と私見を述べた上で「ただ、個人だからさ。専門家にやってもらわないと、我々では対応できない」と、外部の意見を取り入れた上で、正式に判断する見通しを示した。あくまで暫定的な処置で、期間は未定だが、当面自粛を求める。

発端はインスタグラムの動画だった。4日に阿炎が、若元春の口をテープでふさぎ、腕や足を縛ってふざける動画を投稿。これがSNS上で拡散。角界が暴力根絶を目指す中で「暴力を連想させる」など、自覚を欠いた行動として批判の声が上がっていた。

個人での投稿自粛で、今後しばらくはSNSを発端に、同様の問題が生じるリスクは排除されるが、異例の動きともいえる。今や幕内力士42人の半数以上が、SNSで投稿内容を公開した個人アカウントを所有している。他競技を含め、アスリートや有名人がファンに向けて応援に対する感謝を述べたり、プライベートの様子を発信する事例が日常的になった。SNSは、ファンとの距離を縮める1つの大きな要素とされていただけに、早くもSNS上には残念がる“つぶやき”があがっている。

素早く対応した形の協会側は、今後、SNSに関する研修会も実施予定。対応した広報部長の芝田山親方は「ほのぼのしたようなものならまだしも、今回のようなものを全てパトロールすることはできない。どこで見られているか分からないし、自重してもらう」と説明した。

阿炎と若元春は9日、インスタグラムで不謹慎な投稿をしたことについて反省文を提出し、八角理事長(元横綱北勝海)らに謝罪した。2人は協会から指示されていた集合時間の午後0時30分より約30分早い、正午すぎに福岡国際センター内の役員室へ。約5分後に2人そろって退出した。人気者の阿炎は声のトーンを落とし「理事長に謝罪した。今回は本当に自覚が足りなかった」と猛省。若元春は「すみません」と神妙な表情だった。ともに、10日からの九州場所には通常通り出場する。

阿炎は八角理事長から「土俵で目立ちなさい。そのほかはもういいから」と言葉をかけられたという。三役として協会の看板を背負う1人で、今場所で新三役から3場所連続の勝ち越しを目指す。「自覚を持って相撲を取りたい。これからの自分を見てほしい。変わっていきたいと思う」と改心を誓った。

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日本相撲協会員にSNS使用自粛令 各部屋に通達

インスタグラムに不適切な動画を投稿した件で、役員室に向かう小結阿炎(左)と十両若元春(撮影・菊川光一)

日本相撲協会の鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)が9日、協会員のSNS使用を自粛させる意向を明かした。すでに6日、広報部長の芝田山親方(元横綱大乃国)が注意喚起として各部屋に通達。

鏡山危機管理部長は「(SNS使用禁止の流れに)なるんじゃないの」と話した上で「ただ個人だから、専門家にやってもらわないと。我々では対応できない」と、外部の意見を取り入れた上で判断する見通しを示した。

この日、福岡国際センターにて、数日前にインスタグラムに不謹慎な投稿をしたことについて、小結阿炎と十両若元春が同所で八角理事長(元横綱北勝海)と鏡山危機管理部長に謝罪。同関取には反省文を提出させ、鏡山危機管理部長が内容の確認のため一時預かり、理事長に渡したという。口頭注意をした鏡山危機管理部長は「看板なんだから、厳重注意でしっかりやれよと伝えた」と、関取としての自覚を求めた。

◆関取とSNS 15年10月にツイッターアカウントを開設した横綱白鵬はフォロワー約12万3000人。英語やモンゴル語を交えて世界に情報を発信している。小結北勝富士は本場所や巡業でファンからもらった差し入れをツイッターに投稿し、ファンへの感謝を定期的に伝えている。インスタグラムでは、先場所初優勝した関脇御嶽海ら、若手力士の投稿が活発。元大関雅山の二子山親方はツイッターで本場所中の注目取組などを取り上げている。

鏡山危機管理部長

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高安に課題 靱帯断裂した左肘かばう稽古にダメ出し

二所ノ関一門の連合稽古で阿武咲(左)を押し込む高安

大相撲の大関高安(29=田子ノ浦)が“ダメ出し”を受けた。九州場所(10日初日、福岡国際センター)に向けて2日、福岡市の佐渡ケ嶽部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古で、竜電ら平幕3人に計27番で13勝14敗。靱帯(じんたい)断裂で先場所全休の左肘を気にし、何度も顔をしかめた。患部をかばい得意と逆の右四つに組んだり、左をおっつけられて簡単に負けたり-。一門の理事の芝田山親方(元横綱大乃国)は「自分の形で稽古しないと場所中も中途半端になる。いまさら肘が『怖い』なんて言っていられない」と、試行錯誤の内容を酷評。高安は「まだ力強さがない。左ですよね…。体力的にももっと稽古しないと」と、課題山積を自覚していた。

二所ノ関一門の連合稽古で阿武咲(右端)に敗れ、倒れ込んで顔をしかめる高安(手前)
二所ノ関一門の連合稽古で輝(手前左)に敗れ、顔をしかめて左肘を気にする高安(同右)

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貴景勝「左胸も痛みない」負傷後初の関取衆と10番

二所ノ関一門の連合稽古で琴ノ若(手前)に稽古をつける貴景勝(撮影・佐藤礼征)

大相撲九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)に向けた二所ノ関一門の連合稽古が1日、福岡・大野城市の田子ノ浦部屋で行われ、大関貴景勝(23=千賀ノ浦)らが参加した。

左大胸筋を肉離れした秋場所千秋楽から40日。負傷後、初めて関取衆を相手に相撲を取った。平幕の隆の勝、輝、阿武咲と計10番を取って8勝。前日10月31日に、福岡・篠栗町の部屋で若い衆を相手に相撲を取る稽古を再開した。

鋭い踏み込みは健在で「最初はどうかと思ったけど、しっかり体が動いてくれた。左胸も痛みはない」と強調。稽古後は、稽古を見守った師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)と会話を交わし「そんなに違和感はなかった」と報告するなど、左胸の回復を印象づけた。

貴景勝の動きを間近で確認した一門の親方衆の意見はさまざまで、尾車親方(元大関琴風)は「まだまだ。あの辺(幕内下位)とやっているようでは。もう1週間あるから、これからですね」と調整のペースアップを期待し、芝田山親方(元横綱大乃国)は「(けがの影響で)相撲の取り方が変わっているわけじゃない。先場所あれだけの相撲を取っているから心配ない」と好印象を抱いた。

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高安「いい稽古」充実の表情も親方衆は左肘を不安視

大相撲の大関高安(29=田子ノ浦)が1日、前日10月31日の婚約会見から一夜明け気迫の稽古を見せた。福岡・大野城市の田子ノ浦部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加。一門外から参加した大関豪栄道や平幕の友風、阿武咲と三番稽古を行い、関取衆で最多となる25番を取った。

「いい稽古になった。体がしっかり動けているし、前に出る相撲もあった」と充実の表情。演歌歌手、杜(もり)このみ(30)との婚約会見から一夜明け、稽古の見学に来たファン数人から「高安関結婚おめでとうございます」と声を掛けられた。九州場所(10日初日、福岡国際センター)は9日後。「たくさんの声をいただいた。これを力にして、気持ちを切り替えて九州場所に向けて気持ちを高めたい」と意気込んだ。

高安が手応えを感じる一方で、稽古を見守った一門の親方衆からは左肘の状態について不安視する声もあった。名古屋場所で靱帯(じんたい)を断裂し、完治せず秋場所を休場する要因となった左肘にはこの日、テーピングを施して三番稽古に臨んだが、25番の内訳は豪栄道に1勝9敗、友風に4勝2敗、阿武咲に3勝6敗。途中、左肘を気にする場面が数度見られた。

尾車親方(元大関琴風)は「高安はまだ肘を痛がっている。どうしてもおっつけられていたね」と振り返り、芝田山親方(元横綱大乃国)は「高安が心配。肘を気にしすぎ」と不安を募らせた。高安は「左は十分に力が入ればいいが、けがする前に比べると力が落ちている。まだ時間があるから、払拭(ふっしょく)できるように頑張りたい」と話した。

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芝田山親方、国籍取得の白鵬に「自分本位は注意」

報道陣に笑顔で日本国籍取得の報告をする白鵬(撮影・河田真司)

大相撲の横綱白鵬(34=宮城野)が日本国籍を取得したことを受けて、日本相撲協会執行部の親方衆は、今後に期待した。尾車事業部長(元大関琴風)は「この世界に残って、後進を育てていこうということだと思う。多くの経験を積んだ人が、1人でも多く指導者になっていくのは相撲界にとってはいいこと。あれだけの大横綱。現役の第一人者として、周りの関取衆が目指す、手本となる姿を見せてほしい」と、引退後はもちろん、現役中も白鵬にしか果たせない役割があると力説した。

芝田山広報部長(元横綱大乃国)も「頑張ってくれればいい。これから背負っていく人だから」と期待の言葉を発した。一方で先輩横綱として、これまで土俵外での言動が物議を醸すことも多かった白鵬だけに「土俵でも私生活でも、相撲協会の重んじるものを受け止めて、前向きに進んでほしい。自分本位の行動は注意してほしい」と、いっそうの自戒を求めた。史上最多42度の優勝を誇る白鵬だが、最近は40度目の優勝を果たした17年九州場所で万歳三唱、41度目の優勝を果たした昨年秋場所では3本締めと、優勝インタビューの際の行動が問題視されていた。

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舞の海氏「とても厳しい」貴景勝のケガ回復を疑問視

土俵隅で険しい表情の貴景勝(2019年9月2日撮影・河田真司)

大相撲秋場所(8日初日、東京・両国国技館)で大関復帰を目指す関脇貴景勝(23=千賀ノ浦)が2日、東京・江東区の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加した。関取衆との申し合いで阿炎、阿武咲、玉鷲と計5番取って1勝4敗。阿武咲には当たりを組み止められ、玉鷲に対しては当たって前に落ちてしまうなど、精彩を欠く結果となった。稽古を見守った相撲解説者の舞の海秀平氏(元小結)は「とても厳しい。もしかしたら関取衆と稽古できるまで(状態は)戻っていないのかな」と疑問符を打たれるなど、6日後に迫った秋場所に向けて不安を募らせた。

8月31日に行われた横綱審議委員会(横審)による稽古総見以来、2日ぶりに関取衆と相撲を取った貴景勝は「すごい良かったと思う。膝も日に日に良くなっている」と前向きに振り返ったが、周囲の視線は厳しい。同じ一門の尾車親方(元大関琴風)は「押し込んでいく馬力を感じない。引く場面も多かった」と首をひねる。芝田山親方(元横綱大乃国)も5番という番数に「今日は少ないからよく分からんな」と前置きしつつ「止められちゃうとダメ」と一言。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)も「ちょっとイマイチですね。関取衆とやる怖さが抜けていないのかな」と心配した様子で話した。

中でも舞の海氏は悲観的に振り返った。「立ち合いの当たりが戻っていない。押されたときに踏ん張れない」と、右膝を負傷する以前とは遠い状態という。「稽古総見のときは足がスムーズに出ていて戻ったように見えたけど…。そのときの疲労もあるし、稽古総見の相撲を信じたい。ただ、本人も不安なのでは。どこまで膝の底力を出せるのか、相撲勘どころじゃない」。それでも、秋場所の活躍については「ふたを開けてみないと分からない。立ち合いで当たり勝てば勝ち続けることも考えられる」とした。

当の貴景勝は「稽古場がいいから本場所がいいというわけではない」と、あくまで本番が全てと構えた。秋場所初日に向けて稽古できる日は、片手で数えるほどとなり「本場所1週間前で強くなることはない。大事なのは番付発表前の調整」と、残り数日はコンディション維持に重きを置く意向を示した。

阿武咲(右)と取組稽古をする貴景勝(2019年9月2日撮影・河田真司)

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元琴欧洲の鳴戸親方「やっと」総工費3億円部屋開き

部屋開きに臨んだ鳴戸親方(後列左から3番目)と鳴戸部屋の力士ら(撮影・佐藤礼征)

大相撲の鳴戸親方(元大関琴欧洲)が8日、東京・墨田区内で部屋開きを行った。

同じ墨田区内から移転し、東京スカイツリーから徒歩5分の立地で、約54坪の敷地に4階建ての新しい部屋。部屋開きには同じ二所ノ関一門の理事である尾車親方(元大関琴風)、芝田山親方(元横綱大乃国)や、佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)らが出席。大関高安ら一門の関取衆が門出の稽古を行った。鳴戸親方は「やっとできました。(土地購入から完成まで)2年くらい。第2の人生のスタートですね」と、総工費3億円を超える新居を見上げて笑顔を見せた。

1階には稽古場と、2つの風呂場が設置され温冷浴が可能。2階には大部屋とちゃんこ場、3階には大部屋と個室3部屋、4階は師匠の自宅になっている。1階の稽古場は冷暖房完備で、衛生面に配慮してウオーターサーバーも設置。2台のカメラも設置され、稽古の様子を振り返ることができる。

昨年の西日本学生相撲選手権を制した近大出身の元林ら、夏場所で6人の新弟子が加わり、現在の弟子は計12人。師匠は「お互いにライバル意識が出てきた」と、稽古に活気が出てきたと明かす。ブルガリアから来日して、17年に欧州出身で初の部屋持ち親方となった師匠は「私が相撲を取るわけじゃない。弟子の指導とサポートしかできない。自分の目線を弟子と一緒に下げて、一緒にやっていきたいと思う」と、口調に熱がこもっていた。

部屋開きに臨んだ鳴戸親方(後列左から6番目)と鳴戸部屋の力士ら(撮影・佐藤礼征)
稽古確認などの用途のため鳴戸部屋の稽古場に設置されたモニター(撮影・佐藤礼征)

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序ノ口の矢田部“令和”初勝ち名乗り「緊張した」

大相撲夏場所初日の取組で令和初勝利を飾った序ノ口の矢田部はカメラマンの要望に応えて「令和ポーズ」を披露する(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇初日◇12日◇東京・両国国技館

西序ノ口31枚目の矢田部(18=芝田山)が、令和最初の勝ち名乗りを受けた力士となった。東序ノ口32枚目の山本(朝日山)に、立ち合いで胸から当たると一気に寄り倒し。相手はたまらず土俵下まで転げ落ちた。

3月の春場所の前相撲で初土俵を踏み、この日が番付にしこ名が載ってから初の取組だった。取組前の所作を間違えるなど、初々しさもあったが「うれしい。1番最初の取組だったので緊張した。令和初というのは自分では気付かず、部屋の兄弟子から言われて気付いた」と笑顔。令和をどんな時代にしたいか問われると「人々が幸せになるような時代になれば」と、個人的なことよりも先に、広い視野に立って話していた。

山口県岩国市出身で、高水高時代は野球部で投手と一塁手を務め、柔道部にも所属した。岩国市は師匠の芝田山親方(元横綱大乃国)の、さらに師匠である故人の元放駒親方(元大関魁傑)と同郷。小学校時代に野球を指導してもらっていたのは、元放駒親方の親戚だったという。また、相撲界の昭和最後の白星は、芝田山親方が現役時代に、元横綱千代の富士の連勝を「53」で止めた88年九州場所千秋楽の結びの一番。そんな縁もあるが「知らなかったです。今、知りました」と、入門前まで相撲経験のなかった平成12年生まれは、少し申し訳なさそうな表情で話した。

179センチ、140キロ余りの体格で、得意は右四つ。今場所の目標は勝ち越しで、将来的には「5年以内に関取になりたい」と、力を込めながら目を輝かせていた。

序ノ口の矢田部は山本(左)を寄り倒しで下し大相撲の令和初勝利を飾った。行事は木村公輝(撮影・小沢裕)

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元黒姫山の田中秀男さん通夜、元高見山らが参列

通夜の祭壇に飾られた元関脇黒姫山の田中秀男さんの遺影(撮影・小沢裕)

4月25日に肺炎のため死去した元関脇黒姫山の田中秀男(たなか・ひでお)さんの通夜が、平成最後の日となった4月30日、東京・両国の回向院(東京都墨田区両国2の8の10)で営まれた。

元号が変わり令和最初の日となる5月1日の午前11時半から、同所で告別式が営まれる(喪主は妻の田中久美子さん)。

通夜には日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)、芝田山親方(元横綱大乃国)、境川親方(元小結両国)、春日野親方(元関脇栃乃和歌)ら協会理事や、巡業部時代に世話になった親方衆二十数人が参列。その他の関係者を含め約250人が故人の冥福を祈った。

その中の1人で、64年春場所初土俵の同期生だった元関脇高見山の渡辺大五郎さん(74)は、強烈なぶちかましで「デゴイチ」の異名を取った田中さんを「私たち同期は36人いました。私は19歳で彼は15歳。残念です。ぶつかり稽古がうまくて巡業ではいつも『胸を出してやってくれ』と巡業部長に頼まれていた。いい人で、ものすごく健康だったのに」としのんだ。

孫で昨年夏場所初土俵の田中山(17=境川)は、序ノ口から5場所連続勝ち越し中で、夏場所は東三段目47枚目まで番付を上げた。そんな順調な出世にも「(亡き祖父は)常に四股やテッポウの基本動作をしっかりやりなさい、と言われました」という。現役時代の祖父の映像も見ており「立ち合いからの出足は勉強になります。立ち合いを見習っていきたい。稽古を頑張るだけです」と亡き祖父に誓っていた。

新潟県西頸城郡青海町(現糸魚川市)出身の田中さんは、1964年(昭39)3月の初場所で立浪部屋から初土俵。それからちょうど5年後の69年春場所で新十両昇進を果たした。2場所で通過し同年名古屋場所で新入幕、翌70年九州場所で新三役の小結昇進を果たした。小結と平幕上位をしばらく昇降した後、74年名古屋場所で自身最高位の関脇昇進を果たした。

西十両8枚目だった82年初場所12日目を最後に現役を引退した。通算108場所で1368回出場し、677勝691敗2休。三賞は8度受賞(殊勲4、敢闘3、技能1)、金星も6個獲得した。引退後は錦島、山響、出来山、北陣と年寄名跡を変更し88年2月1日から「武隈」を襲名。99年3月に立浪部屋から独立し力士2人を連れて武隈部屋を設立。04年3月に引退により力士不在となり、武隈部屋は消滅。友綱部屋の部屋付き親方として後進の指導にあたり、13年11月に定年退職した。

「デゴイチ」の愛称で親しまれた蒸気機関車(SL)「D51」の豪快な前進力に似た、おでこからぶちかまし、前に出る押し相撲で対戦相手から恐れられた。3場所連続の北の湖を含め北の富士、琴桜、輪島から金星を獲得した。 

元関脇黒姫山の田中秀男さんの通夜に参列した元関脇高見山(撮影・小沢裕)
元関脇黒姫山の田中秀男さんの通夜に参列した八角理事長(撮影・小沢裕)
元関脇黒姫山の田中秀男さんの通夜に参列した孫の田中山(撮影・小沢裕)

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芝田山部長「令和」の新大関貴景勝に続く力士期待

奈良・五條市で行われた春巡業にて、勧進元のあいさつと同時に垂れ下げられた新元号「令和」(撮影・佐藤礼征)

日本相撲協会の芝田山広報部長(56=元横綱大乃国)は1日、新元号が「令和」に決まったと発表されたことを受けて、東京・両国国技館で報道陣の取材に応じた。昭和から平成にかけて、現役時代を過ごした芝田山親方は「相撲協会もまた、新しい元号ととともに未来に向かって、令和の意味をしっかりと心に受け止めて、この時代を皆さんとともに歩んでいきたい」と、感慨深い面持ちで話した。

大相撲は、今年1月の初場所では、平成最後の天覧相撲として、天皇、皇后両陛下が観戦されるなど、皇室や元号とのつながりは少なくない。芝田山部長も「皇室と大相撲は、かかわりがあると思う。元号を大事に歩んでいきたい」と、気持ちを新たにしていた。天覧相撲は、初場所を両陛下が観戦されることが多かったが、退位された後や、現在の皇太子ご夫妻が観戦される場合についても、同部長は「受け入れ態勢は、いつでもできています」と話した。

協会執行部の親方衆は、部屋の朝稽古など、弟子の指導をした後、午後から両国国技館に出勤することが多い。だが芝田山部長は午前10時半に出勤するなど、協会内でも注目度は高かった。

令和となって最初の本場所となる、夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)の前売りは6日から始まるが、そこには「令和」と記載されることはないという。一方で、新番付には「令和元年」と記載される予定。芝田山部長によると、夏場所の新番付は作成途中で「令和元年」と記載される箇所は、前日3月31日まで空欄にした状態だったという。これから、空欄に行司が書き込み、新番付が発表される今月30日に各部屋に配布、一般に販売される。

夏場所では貴景勝が新大関として本場所の土俵に立つ。芝田山部長は「令和の時代に新大関が誕生した。横綱、大関を目指し、貴景勝に続く力士が出てきて、相撲界の隆盛につながることを心から願います」と、今後に期待していた。

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白鵬狙うは平成最後春場所V&新元号最初夏場所V

二所ノ関一門の連合稽古に参加し、貴景勝(手前)を圧倒した白鵬(撮影・高田文太)

白鵬のターゲットは決まっていた。17年5月の夏場所前以来、約2年ぶりに参加した二所ノ関一門の連合稽古のお目当ては貴景勝と玉鷲。先に指名した貴景勝との最初の一番こそ押し出されたが、これで火が付いた。その後は寄り、投げ、突き、押しなどを駆使し、最後まで負けずに28連勝。昨年11月の九州場所を制した貴景勝に17連勝、1月の初場所優勝の玉鷲に11連勝を重ねた。「勢いがある人と稽古したいと思っていたし、やりがいがある」と胸を張り、手応えを語った。

今回のサプライズ参加は「先場所で負けているからね」と、雪辱の思いが強かった。初場所では12日目に玉鷲、13日目に貴景勝に敗れ、優勝争いの独走状態からトップを引きずり降ろされ、14日目に休場した。ともに圧力のある相手。その圧力をはね返せなかっただけに、この日は真っ向から受け止めたり、張ったり、相手の視界を遮るように左手を伸ばして圧力を軽減させたり。さまざまな立ち合いを試した。同じ過ちを繰り返さない決意を見せた。

30分で29番のハイペースで、この日ダントツの番数をこなしたが「余力を残している。自分の中では15番ぐらいの感覚。あと10番ぐらいはやりたかった」と、余裕の表情を見せた。最後もぶつかり稽古で6分間、貴景勝に胸を出すなど、今月11日に34歳となるが、スタミナ十分を強調した。

見守った芝田山親方(元横綱大乃国)は「(春場所へ)まったく心配はない。だって、誰も歯が立たないんだから」と、突出した実力に舌を巻いた。解説者の舞の海氏は「あの2人を指名したことに、春場所で優勝しないといけないというものが見えた」と分析した。白鵬も「最初と最後が大事。3月と5月は引っ張らないといけない気持ち」と、平成最後の今場所、新元号最初の夏場所に、特別な感情があることを隠さない。「ケガなく千秋楽を迎えられれば結果はついてくる」。この日の稽古で、優勝への自信を確信に変えた様子だった。【高田文太】

二所ノ関一門の連合稽古に参加し、貴景勝に続いて玉鷲(手前左)も圧倒する白鵬は、稽古の合間に舌をなめる(撮影・高田文太)

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矢後「年内に三役」地元で贈呈の新化粧まわしに誓い

祝賀会で子どもに花束をもらう矢後(撮影・浅水友輝)

新入幕の大相撲初場所で9勝6敗と勝ち越した東前頭13枚目の矢後(24=尾車)が29日、出身地の芽室町に凱旋(がいせん)した。地元後援会主催の幕内昇進祝賀会に出席。同町発祥のゲートボールと町鳥カッコウをあしらった化粧まわしを贈呈された。昨年8月の帯広夏巡業以来の帰道。故郷で祝福され、春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)へ英気を養った。

  ◇    ◇    ◇

故郷で矢後は堂々と宣言した。「まだこのような成績で浮かれず、三役を目指して年内に上がることを目標に頑張りたい」。力強い言葉に祝賀会に集まった130人超の支援者からは「がんばれよー!」と歓声と拍手が上がった。知人はもちろん、小さな子どもからの写真撮影にも笑顔で応え、激戦のつかれも癒えた様子だ。

祝賀会前の記者会見では、9勝6敗で終えた初場所を「やりきった。精いっぱい相撲が取れた。自分の前に出る形になれば勝てる」と振り返った。稀勢の里(現荒磯親方)が引退し、来場所からは日本人横綱が不在となる。中大4年時に全日本選手権を制した元アマ横綱への期待は膨らむが「(横綱に)あこがれはありますが、今は横綱と対戦できる力をつけたい。1日1番です」と冷静だった。

地元は心の支えだ。芽室西中を卒業後は埼玉栄に進み、以後の帰省は年に数回。それでも毎年、芽室神社でお守りを買って身につけているという。今回の帰郷は昨年8月の帯広場所以来で、幕内昇進後初めて。初場所開催中も「芽室からきた」とファンに声を掛けられたといい「去年は幕下だった。(今回は)勝ち越して帰ってこれた。地元の方の応援のおかげで勝ち越せた」と感謝した。

祝勝会では芽室町の名物がちりばめられたデザインの化粧まわしを贈られ、手島旭町長からは「年末までには三役に」とハッパを掛けられた。飛田秀樹後援会会長は「応援ツアーもしたいね」とプランを明かす。新化粧まわしが披露される予定の3月大阪場所には、初の応援団派遣も検討している。「つらいときは芽室町のみなさんの顔を思い出したい」と矢後。故郷のまわしを締め、来場所も力強く前に出る相撲を見せる。【浅水友輝】

<矢後の道のり>

◆入門 16年アマチュア横綱のタイトルを引っさげ、中大4年時の17年2月、都内で尾車部屋入りの入門会見を行った。

◆初土俵 17年5月の夏場所で、幕下15枚目格付け出しでのデビューを白星発進。5勝2敗の勝ち越しで終える。

◆幕下V 17年7月の名古屋場所では、東幕下11枚目で無傷の7戦全勝優勝を果たす。

◆新十両 17年9月の秋場所は西十両13枚目で7勝8敗の負け越し。

◆関取陥落 続く九州場所でも7勝8敗の負け越しで、18年1月の初場所で幕下に陥落した。

◆初2桁 18年3月の春場所で再十両となり、同7月の名古屋場所で初めて10勝をマークした。

◆新入幕 東十両筆頭で4場所連続勝ち越しを決めた後の18年12月25日、初場所(19年1月)の新番付が発表され、東前頭13枚目で新入幕を果たす。

◆芽室町 1942年(昭17)に町制施行。帯広市西部に隣接し、人口1万8667人(18年12月31日時点)。産業は畑作、酪農が盛ん。主な出身者は大相撲の横綱大乃国(現芝田山親方)、バドミントンで18年世界選手権女子ダブルス優勝の永原和可那、スピードスケート10年バンクーバー五輪代表の土井槙悟。

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稀勢の里このまま引退なら歴代最低の勝率5割

稀勢の里(右)は寄り切りで栃煌山に敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇3日目◇15日◇東京・両国国技館

進退が懸かる横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が崖っぷちに追い込まれた。東前頭筆頭で同学年の栃煌山に、いいところなく寄り切られ、2日連続の金星配給となる3連敗。昨年9月の秋場所から3場所にわたる連敗は、横綱では貴乃花を抜いてワーストの8連敗となった。横綱が2場所連続で初日から3連敗するのも宮城山以来88年ぶり。日本相撲協会の幹部から“横綱失格”の声も漏れた。

3連敗した稀勢の里は、がっくりとうなだれた後、何かを確認したように、うなずいた。直後の結びの一番の間、控えに座ると、口を真一文字に結び、悔しさを押し殺した。負けたのは成長著しい若手ではなく、かつてともに大関昇進を目指した同学年の栃煌山。しかも昨年11月の九州場所で最後に取った相手に2場所連続で負けた。同世代にも後れを取る、顕著な衰えを示す残酷な結果だった。

立ち合いは左足で踏み込み、低い姿勢で当たって左から攻める相撲人生の集大成をという気概が見えた。だが休場続きと稽古量不足による相撲勘の衰えから、あっさりと栃煌山にもろ差しを許した。左からの下手投げに体をよろめかせ寄り切られた。横綱としては単独ワーストとなる8連敗で、88年ぶりとなる2場所連続の3連敗発進。2日連続で配給した金星は、在位12場所目で計18個目だ。全休の4場所を除けば、出場1場所ごとに2~3個の金星を配給していることになる。支度部屋では、腕組みしながら終始無言を貫いた。

芝田山親方(元横綱大乃国)は、同じ二所ノ関一門をまとめる理事として、先輩横綱として、苦言を呈した。取組後、開口一番「もうダメでしょう」と、引退もやむなしの見解。続けて「横綱としては厳しい。どうしようもない。誰にも勝てない状況だもの」と、横綱失格のレッテルを貼った。

3日連続で負けても座布団が舞わなかった。場内には悲鳴は響いたが、番狂わせとは思われておらず、同情さえ買っている。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は取組前に「信じるしかない」と、進退については稀勢の里の意向を尊重する考え。兄弟子の西岩親方(元関脇若の里)も「勝っても負けても横綱として、堂々と胸を張ってほしい」と、自分の思うように行動すれば良いとの考えだ。休場を除く横綱在位中の成績は36勝35敗となった。このまま引退なら不戦敗が加わり、年6場所制となった1958年以降の横綱では歴代最低の勝率5割(2番目は栃ノ海の5割9分6厘)。衰えを露呈し、すでに進退は窮まっているのかもしれない。【高田文太】

3連敗の稀勢の里は報道陣の前で腕を組み沈黙を貫く(撮影・垰建太)
稀勢の里の横綱昇進後成績
勝率の低い横綱5傑

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芝田山親方、3連敗稀勢の里に「もうダメでしょう」

3連敗の稀勢の里(中央)は厳しい表情で両国国技館を後にする(撮影・垰建太)

<大相撲初場所>◇3日目◇15日◇東京・両国国技館

進退をかけて臨んでいる横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、館内を静まりかえらせる泥沼の3連敗。同じ二所ノ関一門の現役親方衆では唯一の横綱経験者で、広報部長を務める芝田山親方(元横綱大乃国)は、現状を厳しく分析した。

開口一番に「もうダメでしょう。稀勢の里という横綱の相撲になってない」と語った。土俵に向かうテレビ画面を通しても「花道に入る時から目線が『一発、行くぞ!』という目の光じゃなかった。本人は頑張って何とかしようと、してきたんだろうけど」と感じ取った。

横綱昇進時には、雲竜型の土俵入りを指導するなど、一門の期待は大きかった。ただ、一門の枠を超えて横綱という「重み」も口にした。「自分の時は師匠(当時の放駒親方=元大関魁傑)に『土俵に上がっても自分が何をやっているのか分かりません』と伝えたら『それでは仕方ない』と引退になった。厳しいところに立たされて、自分と闘っているんだろう。横綱という立場に立った人でないと分からない心境だろう。今後のことは本人と師匠次第」と推し量った。

仮に4日目も出場を目指すとして「ここから立て直したら、たいしたもんだ」と一抹の期待も。ただ、すぐに「誰にも勝てない今の状況は厳しい。横綱としては、どうしようもない、前にも後ろにも行けない状況だろう」と厳しい見通しを示した。

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稀勢の里が貴景勝に8勝1敗「自分を信じて」

二所ノ関一門連合稽古で貴景勝(下)に胸を貸す稀勢の里(撮影・河田真司)

大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が9日、都内の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古で関脇貴景勝を指名し、8勝1敗と大きく勝ち越した。

11月の九州場所では初日で顔を合わせて敗れた相手で、同場所はその流れで4連敗(不戦敗は除く)で途中休場。逆に勢いに乗った貴景勝は初優勝と対照的な成績だった。

進退問題が浮上する中、最も勢いのある相手を選んで取った三番稽古は、得意の左四つにこだわらず、突き、押しと、そこからの突き落としなどで白星を重ねた。途中、勝っても負けても「アーッ」と叫ぶ場面もあり、気力を前面に出して稽古した。

稽古後は「前に前に、しっかりと行けてよかった。あとは自分を信じて、1日1日しっかりと集中していきたい」と、13日に初日を迎える初場所(東京・両国国技館)を見据えた。

見守った解説者の元横綱北の富士勝昭氏も「ずいぶん良くなってきた。下半身がしっかりしてきた。思ったよりも状態はいい。少しは期待が持てる」と評価した。7日の稽古総見では、左太ももを俵に打って痛める不運もあり6番と稽古量は少なめで、横綱鶴竜、大関豪栄道に計3勝3敗で「15日間もたない」と、スタミナ不足などを指摘していた。

二所ノ関一門の親方衆も進退問題のクリアを期待する。芝田山親方(元横綱大乃国)は「頑張ってもらわないとね。(稽古総見の時よりも状態は)ちょっと上がったかな。半歩でも進もうと思ってやっているのだから」と話した。

尾車親方(元大関琴風)は「本人の表情も明るい。貴景勝を引っ張り出したことに、彼の気持ちが表れている。胸のつっかえが取れたのでは。下半身も、いなされても残していた。いい感触をつかめたのでは」と評価した。

「だいぶ体も動いているし、いい状態になっていると思う。非常にいい稽古になった。初日まで、しっかり調整して、ケガしないようにやっていきたい」。弟弟子の大関高安が、風邪のため、この日の連合稽古を不参加。10日も稽古を休む予定だけに、今後は出稽古などで調整していく可能性がある。

貴景勝(右)と三番稽古を取る稀勢の里(撮影・河田真司)

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事故力士は罰金2万 相撲協会「再発防止取り組む」

芝田山親方(2018年1月13日撮影)

日本相撲協会は九州場所10日目の20日、場所前に交通事故を起こしていた大嶽部屋の幕下力士への、警察による処分が決まったと発表した。

処分は道路交通法違反(当て逃げ)で罰金2万円。ガードレールに運転していた車をぶつけたものの、事故を起こしたことを、警察に届け出ていなかったことが問題で、当初は疑いのあった酒気帯び運転については、罪には問われなかった。

九州場所の会場で、この件について発表した芝田山親方(元横綱大乃国)は「相撲協会としては厳粛に受け止め、再発防止に真摯(しんし)に取り組みます」と、相撲協会としの見解を示した。師匠の大嶽親方(元十両大竜)の監督責任、当該力士への相撲協会としての処分については、九州場所後に行われる同協会の理事会で話し合われる予定だ。

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