上へ戻る

au版ニッカン★バトル

記事検索

「大鵬の孫」王鵬へ改名「名前に見合った人間に」

新十両昇進にあたり新しいしこ名を掲げる納谷改め王鵬

昭和の大横綱の孫が、ついに関取昇進を果たした。日本相撲協会は25日、東京・両国国技館で初場所(来年1月10日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、納谷改め王鵬(おうほう、20=大嶽)の新十両昇進を決めた。祖父は第48代横綱大鵬で、父は元関脇貴闘力。2000年代生まれでは初めての関取誕生となった。新十両は他に白石改め東白龍、再十両は矢後、竜虎が決まった。

   ◇   ◇   ◇

「大鵬の孫」として注目を浴び続ける20歳が、新十両昇進を機に壮大なしこ名に改名した。リモートでの会見に出席した王鵬は「祖父の『鵬』の字をいただけるということでうれしい。名前に見合った人間になりたい」と表情を崩した。

命名した師匠の大嶽親方(元十両大竜)は「(祖父の)『大』に代わるものとして『王』とつけた。昔から温めていた」と説明。わんぱく相撲に出ていた時、小学生ながら堂々とした振る舞いに「風貌が王鵬という感じ。わが道を行く、どっしりしたところがある」と感じ取ったという。

祖父譲りの191センチ、175キロの恵まれた体格は、幕内力士と比較しても遜色ない。得意の突き押し相撲で、今場所は西幕下筆頭で十両を2人破って6勝1敗。「気持ちが相撲に出ていた」と手応えを口にする。

初土俵からちょうど3年での昇進だが、自身が入門時から掲げた目標よりは1年遅い。99年度生まれの力士は有望株がそろい、琴勝峰や豊昇龍はすでに幕内で活躍。ライバルに先を越されて「何で自分だけ弱いんだろう」と悩む時期もあったが、「自分の中では誰よりもやったつもりだった」。自負する稽古量で、1年半も停滞した幕下上位の壁を打ち破った。

「やるからには一番上を目指す」と祖父と同じ番付を目指す。その大鵬の故郷である北海道・弟子屈町から化粧まわしが贈られる予定。同町の象徴である屈斜路湖と摩周湖が描かれているという。母校の埼玉栄高からも贈呈されるなど周囲も祝福ムードだ。

新年最初の場所で見据えるのは、まずは新入幕。「注目されることはうれしい。見劣りしないように頑張るだけ」。大きな期待を感じながら、令和の大横綱を目指す。【佐藤礼征】

◆王鵬幸之介(おうほう・こうのすけ)本名・納谷幸之介。2000年(平12)2月14日、東京都江東区生まれ。埼玉栄高では17年愛媛国体少年で、団体と個人の2冠。高校卒業を待たずに18年初場所で初土俵。19年夏場所から今年の11月場所まで大関貴景勝の付け人を務めた。21年初場所新十両。父は幕尻優勝を果たした元関脇貴闘力、長男幸男はプロレスラーで、次男の三段目鵬山、四男の幕下夢道鵬は同じ大嶽部屋所属。191センチ、175キロ。得意は突き、押し。

新十両昇進が決まり部屋の前でガッツポーズをする納谷改め王鵬

関連するニュースを読む

白石改め東白龍が新十両「まだ実感ない。うれしい」

新十両昇進を決めて新しいしこ名を手にガッツポーズをする白石改め東白龍

日本相撲協会は25日、大相撲初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、白石改め東白龍(24=玉ノ井)の新十両昇進を決めた。リモートでの会見に出席した東白龍は「まだ実感がない。うれしい」と笑顔を見せた。

東洋大を卒業して19年夏場所に三段目最下位格付け出しでデビューし、所要9場所で関取の座をつかんだ。秋場所前に部屋で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、東白龍を含めて玉ノ井部屋に所属する力士全員が秋場所を全休。コロナ禍の“救済措置”として番付は据え置かれ、2場所ぶりに出場した今場所は西幕下2枚目で4勝3敗と勝ち越した。「特例措置で据え置きにしていただいて、それを聞いてこれは絶対に上がらなきゃだめだなと思った」と、覚悟を持って臨んだ。

勝ち越しをかけた7番相撲は土俵際の攻防の末、行司軍配差し違えで白星を拾った。大学時代は団体戦で大将を務めることが多かったが、2対2で迎えた大将戦で負けた記憶はほとんどないという。「自分でも勝負強いと思う。(7番相撲は)やってやろうという気持ちの方が強かった」と、強心臓をアピールした。

突っ張り相撲を得意としているが、引き技で相手を呼び込む場面も多い。会見に同席した師匠の玉ノ井親方(元大関栃東)は「スピードが速い分、相手がよく見えているが、今後はもっと大きい相手とぶつかっていく。もっと体を大きくして全体的な力をつけないといけない。似たようなタイプだと千代大海関が突き押しでどんどん前に出ていた。ああいう突き押しをしながら、うまく回り込むセンスが(東白龍には)ある」と、自身が現役時代に対戦した突き押しの大関を引き合いに出して、さらなる成長を期待した。

平成8年度生まれで11月場所を制した大関貴景勝や平幕の阿武咲らは同学年にあたる。アマチュア時代に対戦した経験もあるだけに「自分は進学という道を選んで大学で(貴景勝と阿武咲を)すごいなと思っていた。追いつけるように頑張りたい。対戦してみたい」と意欲を示す。まずは関取デビューとなる新年最初の場所に向けて「とりあえずは勝ち越しで、欲を言うなら(十両)優勝したい」と力強く宣言した。

新十両昇進を決めた白石改め東白龍(右)と師匠の玉ノ井親方
リモートでの新十両会見に臨む白石改め東白龍

関連するニュースを読む

貴景勝の千賀ノ浦部屋が名称変更 1月に常盤山部屋

千賀ノ浦親方(左)と貴景勝(2019年4月30日撮影)

貴景勝が所属する千賀ノ浦部屋が来年1月の初場所前に部屋の名称を「常盤山部屋」に変更することが23日、日本相撲協会関係者の話で分かった。

師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が、来年4月に再雇用制度の任期が終わる先代千賀ノ浦親方の常盤山親方(元関脇舛田山)と名跡交換するため。千賀ノ浦親方は16年4月の部屋継承前まで「常盤山」を襲名しており、今回の名跡交換は継承時から両者間で取り決めていた。今後手続きを進める予定で、相撲協会に承認されれば、貴景勝は初の綱とりに挑む初場所を常盤山部屋の力士として迎える。

千賀ノ浦部屋の看板を持つ貴景勝(2018年10月29日撮影)

関連するニュースを読む

貴景勝「場所前に入籍」の思い 大関初V二重の喜び

11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝

大相撲11月場所で18年九州場所以来2度目、大関として初めて優勝した貴景勝(24=千賀ノ浦)が23日、“新婚V”だったことを明かした。

都内の部屋でリモートでの会見に応じ、11月場所前に元モデルで元大関北天佑の次女、有希奈さん(28)と結婚していたことを報告。初の綱とり挑戦となる初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)に向けて、突き押し1本で最高位に上り詰める決意も語った。

   ◇   ◇   ◇

激闘から一夜明けて、貴景勝は秘めていた思いを明かした。「私事ですが場所前に入籍しまして、頑張っていきたいなと思っていたので良かったです。本場所に集中しないといけないので、場所後に言えたらなと思っていた」。8月の婚約発表から3カ月。大関として初めて抱いた賜杯には、二重の喜びがあった。

婚姻届を出した具体的な日にちについては明かさなかったが、結婚した理由について「純粋に一緒に頑張っていきたいなと思ったから」と説明した。プロポーズの言葉は「それは力士だしね」と内緒。普段は相撲の話はしないが、有希奈さんからは食事面などでサポートを受けている。「(優勝は)喜んでくれた。これからもいい時ばかりじゃない。悪い時もある。そういう時に踏ん張っていければ」。二人三脚で今後の相撲人生を歩んでいく。

嫁とりから綱とりへ-。私生活に変化はあっても、相撲は今のスタイルを貫く。突き押し相撲だけで横綱昇進は厳しいという意見について「だから目指す価値はすごくある。無理って言われてるのをやり遂げたときの充実感というのは替えられないものもある」。身長175センチは力士として小柄。四つ相撲に不向きな体と自覚しているだけに「押し相撲の魅力も伝えたい」と意気込んだ。

今場所は横綱、大関戦が1度もなかった。「その状況、その状況でベストを尽くすしかない」。新年最初の場所で真価が問われる。【佐藤礼征】

貴景勝と入籍した有希奈さん

関連するニュースを読む

貴景勝「だから価値ある」突き押しで横綱困難の声に

11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝

大相撲の大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が自身2度目の優勝を果たした11月場所千秋楽から一夜明けた23日、オンラインで一夜明け会見を行った。あらためて優勝を振り返り「初優勝とはまた違った優勝だったので、少し疲労感も多かったと思う。今場所は決定戦もあってつかみ取ったなという感じ」と話した。

人生の伴侶を得て臨んだ場所だった。9月の秋場所前に婚約を発表していた、06年に亡くなった元大関北天佑の千葉勝彦さんの次女で元モデルの有希奈さんと、11月場所前に結婚していたことを明かした。「私事ですけど場所前に入籍しまして、頑張っていきたいと思っていたので良かったです」と自身の結婚に、最高の形で花を添えた。妻の有希奈さんとは相撲の話はしないといい「食事の面とか、そういう所でいろいろとやってくれる」と土俵に集中できる環境を作ってくれることに感謝した。

来年1月の初場所は、自身初の綱とり場所になる。「今場所も自分の中で最高の形でやったつもり。来場所によって何か変わることはないけど、初場所までやれることをやり切って、しっかり勝負していきたいなと思います」と話した。

「一般的に突き押しで横綱は厳しいという声もあるが」と問われると「だから目指す価値がある。無理と言われたのをやり遂げた時の充実感というのは代えられないものがある。押し相撲の魅力も伝えたい。今から四つ相撲を覚えられないので、日々励んでいきたい」と幼き頃から磨き続けた突き押し一本で頂点を目指す。

11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝
11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝

関連するニュースを読む

貴景勝Vから一夜「トーナメントやと思ってやった」

11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝

大相撲の大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が自身2度目の優勝を果たした11月場所千秋楽から一夜明けた23日、オンラインで一夜明け会見を行った。あらためて優勝を振り返り「初優勝とはまた違った優勝だったので、少し疲労感も多かったと思う。今場所は決定戦もあってつかみ取ったなという感じ」と話した。

秋場所の反省をしっかりといかして、賜杯を手にした。秋場所は1差で追いかける展開で優勝争いに加わるも、関脇正代に追いつけずに優勝次点。あらためて「一番の星の重さを感じました」と実感。だからこそ「15日間でどれだけ勝つかというよりも、トーナメントやと思ってやった。初日勝ったら2日目に進める、2日目に勝ったら3日目に進めるって考え方を変えた。今日負けても明日勝つ、という精神的なブレを直すのも大事だけど、今場所は視点を変えてやりました」とこれまで以上に、目の前の白星に強くこだわった。

人生の伴侶を得て臨んだ場所でもあった。9月の秋場所前に婚約を発表していた、06年に亡くなった元大関北天佑の千葉勝彦さんの次女で元モデルの有希奈さんと、11月場所前に結婚していたことを明かした。「私事ですけど場所前に入籍しまして、頑張っていきたいと思っていたので良かったです」と自身の結婚に、最高の形で花を添えた。妻の有希奈さんとは相撲の話はしないといい「食事の面とか、そういう所でいろいろとやってくれる」と土俵に集中できる環境を作ってくれることに感謝した。

来年1月の初場所は、自身初の綱とり場所になる。「今場所も自分の中で最高の形でやったつもり。来場所によって何か変わることはないけど、初場所までやれることをやり切って、しっかり勝負していきたいなと思います」と話した。

「一般的に突き押しで横綱は厳しいという声もあるが」と問われると「だから目指す価値がある。無理と言われたのをやり遂げた時の充実感というのは代えられないものがある。押し相撲の魅力も伝えたい。今から四つ相撲を覚えられないので、日々励んでいきたい」と幼き頃から磨き続けた突き押し一本で頂点を目指す。

11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝
11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝

関連するニュースを読む

貴景勝、決定戦で押しの神髄見せた/大ちゃん大分析

幕内優勝決定戦で照ノ富士(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

優勝決定戦の貴景勝は、押しの神髄のような相撲を取った。本割で負けたことで、一番大事な自分の相撲を貫き通すんだという原点に戻れたんだろう。

本割でこの相撲を取ってほしかったが、大関として勝たなければ、負けちゃいかんという雑念が頭に入っていたと思う。立ち合いで当たれていないし、上から手を出しに行って相撲が硬かった。優勝決定戦までの短い時間で、よく切り替えられた。今場所は初日から横綱が不在で大関も1人抜け2人抜けとなる中だけに、3年ぶりの大関優勝は余計に価値がある。来場所は綱とりだが、やはり横綱に勝って、最低でも今場所ぐらいの高いレベルの優勝がほしい。

今年は5場所全てで優勝力士の顔触れが違った。新大関が2人も誕生しているのに、そんな現象が起こるのは、それだけ戦国時代ということ。来年は新横綱が誕生して上位陣が安定してくれることを願いたい。その意味では3大関の中で24歳と一番若い貴景勝に、その実現性は高いだろう。

最後に、私事ですが高砂浦五郎としてはこの評論が最後になります。相撲人生はついてたなと思いますが正直、まだピンときません。場所前から「これが最後、これが最後」と何度も言われましたが、これで死ぬわけじゃないから(笑い)。来年、名前が変わっても相撲には変わらぬ情熱でかかわりたいと思っているので引き続き、よろしくお願いします。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

11月場所後の定年に伴うリモート会見に出席した高砂親方

関連するニュースを読む

貴景勝と同郷&北天佑の縁、増位山太志郎がエール

旧三保ケ関部屋の「ちゃんこ増位山」で写真に納まる元大関で歌手の増位山太志郎(撮影・河田真司)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

10代三保ケ関親方(元大関増位山)で歌手の増位山太志郎(72)が“同郷”の貴景勝にエールを送った。

東京生まれ東京育ちだが本籍は父、9代三保ケ関親方の大関増位山と同じ兵庫。2度目の優勝を果たした兵庫出身の貴景勝を「突き押しで迷いのない相撲を取っている。日々の鍛錬の成果だろう。若いのにけれん味がない」と評価した。

同じしこ名の父は、大関2場所目で優勝しながらけがや病気と苦闘して在位4場所に終わった。「俺なんかの大関は本当に“引っかかった”大関だけど、うちのおやじは横綱に上がってもいい大関だった」。若き大関に、親子でかなわなかった横綱昇進を期待する。

同郷以外に、期待する理由はもう1つ。自身が幕内だった27歳の時に15歳で入門してきた北天佑の次女、千葉有希奈さんと貴景勝が8月に婚約した。発表前に北天佑の栄美夫人から電話で報告を受け「運命を感じた」と感慨深げに話す。

自身が三保ケ関部屋を継承して北天佑の師匠となった時期もあるが、北天佑への期待値は計り知れないものがあった。「うちのおやじは『北天佑を横綱にできなかったことが一番の悔いだ』と言って死んだ。その北天佑の娘さんが貴景勝と間柄になって、これも因縁だと思う」。

最後に会った有希奈さんは幼かったため、記憶はあいまいだが、母の栄美さんから「すごく面倒見がいい子と聞いている。精神的にも支えがあれば違うものも生まれてくる。好きな人が横にいたら気持ちの安らぎ、いてくれるだけでホッとするっていうのがあるから。二人三脚で頑張ってほしい」。貴景勝の夢は、周囲のみんなの夢でもある。【佐藤礼征】

八角理事長(右)から優勝賜杯を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

貴景勝、大関8場所目で悲願 感謝を体現した優勝

幕内優勝を果たし、賜杯を手に笑顔を見せる貴景勝(代表撮影)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

綱とり初挑戦だ-。大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。

小結照ノ富士に本割で敗れて13勝2敗で並ばれたが、優勝決定戦では鋭い出足で立ち合いから圧倒した。昨年はけがに苦しんだが、在位8場所目で悲願成就。コロナ禍だからこそ、周囲への感謝の気持ちを忘れない24歳の看板力士。横綱、大関陣でただ1人の皆勤で重責を果たし、17年初場所の稀勢の里を最後に遠ざかっていた大関の優勝なしにも、終止符を打った。

   ◇   ◇   ◇

闘志を充満させていた表情が、わずかにゆがんだ。1人大関の重圧に耐えた貴景勝を、定員の半分ほどに制限が引き上げられた5000人の観客が万雷の拍手で包む。コロナ禍で、今場所から解禁された土俵下での優勝インタビュー。「お客さんの前でいい相撲を見せる、それだけ考えて一生懸命やった」と話す声は、少し震えていた。

決定戦で自分の立ち合いを貫いた。本割では照ノ富士を突き放し切れず、浴びせ倒しで敗れた。右肩に土がベッタリつきながら戻った花道。「情けなさと悔しさ」を押し殺し「もう一戦チャンスをもらった」と切り替えた。決定戦は低い踏み込みから3発で一気に相手を土俵外へ。「何も考えてなかった。脳の指令で体が動く。初めて脳を止めて、体に任せた」。未知の領域だった。

コロナ禍で揺れに揺れた1年。昨年の大関昇進時、伝達式の口上で述べた「感謝の気持ちと思いやり」を体現した。8月に自身を含めた埼玉栄高のOBで母校相撲部に反物で作製したマスク40枚とメッセージを送った。インターハイなど高校相撲の主要大会が中止となり、傷心の後輩を激励。恩師で相撲部の山田道紀監督は「ありがたいことだね」と感謝した。

初の綱とり、来場所は年6場所制となった58年以降の初土俵では付け出しを除いて史上3位となる、所要38場所でのスピード昇進を狙う。一気に塗り替えたい。旧貴乃花部屋時代に宿舎を提供していた福岡・田川市の「相撲茶屋貴ノ花」では、店周辺に同部屋出身力士の幟(のぼり)を設置。業者との契約で3年に1回は全25本を交換するが、コロナ禍で交換が1年延長になった。入門来の付き合いで場所中も毎日のように連絡を取り合うという店主の今宮一成さん(55)は「今の幟には『大関』と書かれていないんですよ。来年上がってくれれば、いい替え時です」と笑う。一気に「横綱貴景勝」の幟に交換できる環境にある。

「強ければ勝つし弱ければ負ける。自分と向き合ってやっていきたい」。1909年に優勝制度ができて今場所がちょうど500場所目。節目の土俵で賜杯を抱いた貴景勝の新たな挑戦が始まる。【佐藤礼征】

<優勝アラカルト>

◆大関の優勝 17年初場所の稀勢の里以来、22場所ぶり。77年夏場所に当時大関の若三杉(2代目横綱若乃花)が優勝後、81年初場所で千代の富士が25場所ぶりに優勝した最長ブランクに次ぐ。

◆複数回優勝 現役力士では白鵬、鶴竜の両横綱、関脇で2度優勝した御嶽海、大関時代と幕尻で2度制した照ノ富士に次いで5人目。

◆埼玉栄高 2度目の優勝は初めて。豪栄道と合わせて計3度。

◆混戦イヤー 今年の優勝者は初場所から徳勝龍、白鵬、照ノ富士、正代、貴景勝。過去に年間で優勝者の顔触れが異なるのは(年5場所以上)57年、72年、91年に続き29年ぶり4度目の“戦国時代”となった。

優勝インタビューを終え、感慨深げな表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)
幕内優勝決定戦で照ノ富士を押し出しで破り、感極まった表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む

八角理事長「いい大関」看板背負った貴景勝を絶賛

八角理事長(右)から優勝賜杯を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

看板力士の面目を保つ大関貴景勝(24=千賀ノ浦)の優勝と、優勝決定戦まで持ち込んだ小結照ノ富士(28=伊勢ケ浜)の奮闘を、協会トップの八角理事長(57=元横綱北勝海)が褒めたたえた。

優勝決定戦の勝負が決すると同理事長は「かけたね。照ノ富士が変わってこないと」と、まず口にした。照ノ富士の立ち合い変化も予想される中、貴景勝が「変化はない」と信じて臨んだ心中を察した。そして「よくやった。開き直ってたね」と本割で敗れてから優勝決定戦までの、貴景勝の心境の変化を読み解いた。「コロナ禍の中、これだけいい相撲を取ってくれて、来てくれたお客さんも喜んでくれたでしょう。本当に、いい大関です」と両横綱に他の大関2人が休場する中、看板を背負いながら重責を果たした貴景勝をほめた。

さらに間を置かず、敗者にもねぎらいの言葉をかけた。「照ノ富士が頑張って(ここまで)これたから、いい内容の相撲ができた。2人ともよくやった。お疲れさん」と言葉を弾ませた。

春場所の無観客開催、若手力士の死去、夏場所の中止、一部部屋でのクラスター発生…。新型コロナウイルスに揺さぶられた1年を振り返って「コロナ禍の中で今年1年、よく力士は頑張った。専門家の先生の協力をいただいて何とか、千秋楽まで感染者は出ていない」と万全を期した感染防止対策に胸をなで下ろした様子。「(感染が)拡大している中、国技館に足を運んでいただき本当にありがたいこと」と入場者への感謝の言葉を述べるとともに「専門家の先生の意見を踏まえて指導の下、(これからも)やっていく。1月場所をきちんとやることが大事」と来年の無事開催を見据えて話した。

貴景勝(下)を浴びせ倒しで破った照ノ富士(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

貴景勝Vで今年はすべて優勝力士が別 戦国時代象徴

八角理事長(右)から優勝賜杯を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

今年2度目の優勝を目指した小結照ノ富士(28=伊勢ケ浜)を退け、大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が2年ぶり2度目の優勝。看板力士の面目を保ったことで、逆に今年の“主役不在”を物語るデータが出た。

今年の幕内優勝力士は、初場所が徳勝龍、春場所が白鵬、7月場所が照ノ富士、秋場所が正代、そして11月場所が貴景勝と、年間複数回優勝者がなく、それぞれ違う顔触れとなった。

過去に年間で優勝者の顔触れが異なるのは91年(霧島、北勝海、旭富士、琴富士、琴錦、小錦)以来、29年ぶりのこと。年5場所以上に絞っても、57年(千代の山、朝汐、安念山、栃錦、玉乃海)、72年(栃東、長谷川、輪島、高見山、北の富士、琴桜)を合わせて29年ぶり4度目の“珍事”に。主役不在の戦国時代を象徴する年となった。

関連するニュースを読む

石浦飛び出しマス席付近でジャンプ/千秋楽写真特集

<大相撲11月場所>◇15日目◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。本割一発で決めることはできなかったものの、最後は勝ち切った。

千秋楽の取組模様を写真で振り返ります。

八角理事長(右)から優勝賜杯を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)

幕内優勝決定戦

貴景勝(13勝2敗)押し出し照ノ富士(13勝2敗)

貴景勝(右)にいなされ体勢を崩す照ノ富士(撮影・小沢裕)

互いに動きを止め相手の出方を伺う貴景勝(左)と照ノ富士(撮影・小沢裕)

優勝決定戦で照ノ富士(左)を押し出しで破る貴景勝(撮影・河田真司)

優勝決定戦で貴景勝(手前)は照ノ富士を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

幕内優勝決定戦で照ノ富士を押し出しで破り、感極まった表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

幕内

貴景勝(13勝2敗)浴せ倒し照ノ富士(13勝2敗)

貴景勝(右)を浴びせ倒しで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

貴景勝(左)を浴びせ倒しで破る照ノ富士(撮影・河田真司)

貴景勝(左)を浴びせ倒しで破る照ノ富士(撮影・河田真司)


御嶽海(7勝8敗)突き落とし宝富士(9勝6敗)

宝富士(手前)を突き落としで破る御嶽海(撮影・河田真司)


栃ノ心(9勝6敗)叩き込み隆の勝(8勝7敗)

隆の勝(右)をはたき込みで破る栃ノ心(撮影・河田真司)


玉鷲(8勝7敗)寄り切り高安(8勝7敗)

玉鷲(左)を寄り切りで破った高安(撮影・鈴木正人)


霧馬山(3勝12敗)上手投げ隠岐の海(6勝9敗)

隠岐の海(右)は霧馬山を上手投げで破る(撮影・小沢裕)


琴ノ若(7勝8敗)寄り切り若隆景(7勝8敗)

琴ノ若(右)を寄り切りで破る若隆景(撮影・河田真司)


阿武咲(7勝8敗)押し出し妙義龍(4勝11敗)

☆阿武咲 とりあえず負けを最小限に抑えられた。コロナで場所がなくなった中で相撲を取れることが幸せ。

阿武咲(左)は押し出しで妙義龍を破る(撮影・小沢裕)


琴勝峰(8勝7敗)首投げ大栄翔(10勝5敗)

☆大栄翔 千秋楽で星を拾えたのはよかった。今年は関脇にもなれたし三役でも勝ち越せた。良いところもあれば悪いところもあった。来年はもっといい1年にできればと思う。

★琴勝峰 肩に力が入った。(最後手をついてしまったが)考える暇もなくて、勝手に手が出てしまった。(今場所振り返って)圧力で負けている内容が多い。もっと地力をつけないといけない。

同体取り直しとなる琴勝峰(下)と大栄翔(撮影・河田真司)

琴勝峰(左)を首投げで破る大栄翔(撮影・鈴木正人)


輝(5勝10敗)押し出し豊山(6勝9敗)

★輝 土俵際で攻めきれずに負ける相撲が多かった。土俵際まではいいけど、詰め切れない。(今年は)いろんなことがあって忘れないような1年になった。ただ過ごすだけじゃいけない。


北勝富士(11勝4敗)寄り切り竜電(9勝6敗)

☆北勝富士 馬力がしっかり生きてくれたと思います。(1年を振り返り)いいこともあり、けがもあった。最後、いい形(11勝)で締められてよかったと思う。

竜電(右)を寄り切りで破る北勝富士(撮影・鈴木正人)


炎鵬(3勝12敗)寄り切り翔猿(6勝9敗)

☆炎鵬 何も言うことないです。ただただ自分が弱いだけ。またゼロから鍛え直して、絶対にはい上がろうと思います。

★翔猿 勉強不足でした。入らせないようにしたけど、まんまと入らせてしまった。(先場所優勝争いして観客から)声を掛けられることが多くなったけど、今日はどうだったでしょうか? 炎鵬関の方が多かったですかね。

翔猿(右)を寄り切りで破る炎鵬(撮影・鈴木正人)

炎鵬に寄り切りで敗れ、マス席手前まで飛ぶ翔猿(撮影・河田真司)

炎鵬(手前右)と翔猿(左)は勢いあまって観客席まで立ち入る熱の入った取組に館内から拍手が巻き起こった(撮影・小沢裕)


豊昇龍(7勝8敗)叩き込み遠藤(8勝7敗)

★豊昇龍 悔しいですね。遠藤関はお相撲さんになって一番やりたかった相手。負けたのはまだまだ稽古が足りない。一生懸命稽古してまた一から。

豊昇龍(右)をはたき込みで破る遠藤(撮影・鈴木正人)


碧山(6勝9敗)押し出し千代大龍(9勝6敗)

☆碧山 やっと気持ちがいい相撲がとれた。いいことで締められたんで、また来年につながる。


徳勝龍(8勝7敗)首投げ天空海(9勝6敗)

☆天空海(場所序盤に乗車していた車がダンプカーに追突されて首を負傷)座薬を入れて、痛み止めも飲んでいる。来場所に響かないようにしっかりとケアしていきたい。基礎からやり直して、今度は三賞だったり、2桁取れるように頑張りたいです。

★徳勝龍 1月に優勝できて、そこから負け越しが続いた。最後に勝ち越せたのはよかったが、今日の相撲が…まだまだ甘いと思う。

天空海(右)は首投げで徳勝龍を破る(撮影・小沢裕)


千代の国(10勝5敗)小手投げ琴恵光(6勝9敗)

☆千代の国 (勝てば敢闘賞を)知らなかった。相撲をとる前に(テレビの)画面で知りました。意識せず平常心でいった。自分1人の力では無理なんで、まわりの人に感謝です。


志摩ノ海(11勝4敗)押し出し明生(9勝6敗)

☆明生 相手のことは考えずに、今年最後の相撲でいい相撲を取りたいと思っていた。出来れば2桁で終わりたかったけど、自分の相撲は取れたと思う。

★志摩ノ海(敢闘賞に)とりたかったのが本望だが、思い切っていった結果、とれたのかもしれない。もっと前に出る相撲を心がけていきたい。

志摩ノ海(右)を押し出しで破る明生(撮影・鈴木正人)


佐田の海(5勝10敗)寄り切り石浦(8勝7敗)

☆佐田の海(幕内残留濃厚な5勝目に)勝つと負けるじゃ大きく違いますから。いい相撲で勝ててよかった。

佐田の海は石浦(左)を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

佐田の海に寄り切りで敗れ、土俵下を走る石浦(撮影・河田真司)

佐田の海に寄り切りで敗れマス席付近でジャンプする石浦(撮影・鈴木正人)

佐田の海に寄り切りで敗れ、マス席手前で止まる石浦(撮影・河田真司)

十両優勝決定戦

翠富士(13勝2敗)押し出し旭秀鵬(13勝2敗)

十両優勝決定戦で旭秀鵬(左)を押し出しで破る翠富士(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

大関Vは稀勢の里以来 22場所ぶり2番目ブランク

幕内優勝決定戦で照ノ富士を押し出しで破り、感極まった表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。本割一発で決めることはできなかったものの、最後は勝ち切った。

<優勝アラカルト>

◆大関の優勝 17年初場所の稀勢の里以来、22場所ぶり。77年夏場所に当時大関の若三杉(2代目横綱若乃花)が優勝後、81年初場所で千代の富士が25場所ぶりに優勝した最長ブランクに次ぐ。

◆複数回優勝 現役力士では白鵬、鶴竜の両横綱、関脇で2度優勝した御嶽海、大関時代と幕尻で2度制した照ノ富士に次いで5人目。

◆埼玉栄高 2度目の優勝は初めて。豪栄道と合わせて計3度。

◆混戦イヤー 今年の優勝者は初場所から徳勝龍、白鵬、照ノ富士、正代、貴景勝。過去に年間で優勝者の顔触れが異なるのは(年5場所以上)57年、72年、91年に続き29年ぶり4度目の“戦国時代”となった。

八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

照ノ富士V逸も「来場所につながる」大関復帰へ起点

貴景勝(下)を浴びせ倒しで破った照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。本割一発で決めることはできなかったものの、最後は勝ち切った。

   ◇   ◇   ◇

照ノ富士は決定戦にまで持ち込んだが、あと1歩、賜杯に届かなかった。本割では貴景勝の強烈な突き押しに屈することなくつかまえ、土俵際で執念の浴びせ倒し。しかし、決定戦では貴景勝の低く激しい立ち合いに力負けし、一気に土俵外へ持っていかれた。本割は思い通りの相撲だったというが、決定戦では「悪い癖が出た。上体が高かった」。自身3度目の決定戦。三度目の正直とはならなかったが「今できることは精いっぱいやった。来場所につながると思う」と前を向いた。

三役返り咲きの今場所は、13勝を挙げて技能賞を獲得した。大関昇進の目安「三役で3場所33勝」に向けて起点で、大関復帰への道を作った。師匠の伊勢ケ浜審判部長も「13勝は今後に生きる」と評価。照ノ富士は「とりあえず2桁が目標だった。達成できたけど…悔しいです」と優勝を逃したことを悔やんだ。負傷を抱える両膝は「よくもった感じだと思う」。ギリギリの状態で土俵に上がっていた。ただ、日に日に力が戻っていることは実感できているという。「来場所に全部をぶつけていきます」と、来年初場所で今場所の悔しさを晴らす。【佐々木隆史】

優勝決定戦で貴景勝(手前)は照ノ富士を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

関連するニュースを読む

貴景勝、来場所は綱取り「レベルの低い優勝も困る」

伊勢ケ浜審判部長(右)から優勝旗を受け取った貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。本割一発で決めることはできなかったものの、最後は勝ち切った。

   ◇   ◇   ◇

伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)が来年初場所が貴景勝にとって綱とり場所になると明言した。横綱昇進には「2場所連続優勝もしくは、それに準ずる成績」という横綱審議委員会の内規がある。同審判部長は「当然、優勝となればそういう話になる」と説明。今場所は初日から白鵬、鶴竜の2横綱休場に加え、大関朝乃山、目玉だった新大関正代も途中休場した。この状況もあってか、来場所について「優勝しないとダメ。レベルの低い優勝も困る」と優勝を絶対条件にした。

優勝インタビューを終え、感慨深げな表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む

照ノ富士が技能賞 殊勲賞は貴景勝に敗れ該当者なし

幕内優勝決定戦で照ノ富士(右)を攻める貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

日本相撲協会は22日、両国国技館内で大相撲11月場所の三賞選考委員会を開き、受賞力士を決めた。

殊勲賞は該当者なし。本割と優勝決定戦で大関貴景勝に連勝し、2場所ぶり3度目の優勝を果たせば小結照ノ富士(28=伊勢ケ浜)の受賞だったが、優勝決定戦で敗れ惜しくも受賞を逃した。

敢闘賞は、幕尻の東前頭17枚目ながら14日目まで優勝の可能性を残した志摩ノ海(31=木瀬)が、新入幕の昨年夏場所以来、2度目の敢闘賞(三賞も2度目)を受賞。また、千秋楽で琴恵光に勝ち2ケタ10勝目を挙げれば、という条件付きだった再入幕で東前頭14枚目の千代の国(30=九重)も、琴恵光に勝ち18年夏場所以来の敢闘賞を受賞した。

技能賞は照ノ富士が、2場所ぶり2度目の受賞(三賞は7度目)を決めた。

志摩ノ海(右)を押し出しで破る明生(撮影・鈴木正人)
千代の国(左)を押し出しで破る玉鷲(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む

大関で初V貴景勝「本割負け無心になった」一問一答

幕内優勝決定戦で照ノ富士を押し出しで破り、感極まった表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。本割で決めることはできなかったものの、最後は勝ち切った。

1差で追いかける小結照ノ富士との結びの一番に敗れて13勝2敗で並んだ。優勝決定戦にもつれ込んだが、逆転優勝は許さなかった。土俵下での優勝インタビューは以下の通り。

   ◇   ◇   ◇

-(大関になって)初の賜杯で今の思いは

貴景勝 大関に上がってからあまりいいことがなくて、精神的にももう一踏ん張りしないといけないと思ってて、こういう結果で終われたことは本当にうれしく思っています。

-優勝の瞬間に少し表情が崩れたように見えた

貴景勝 1人では優勝できなかったし、自分が調子悪い時でもどんな時でも懐で守ってくれた千賀ノ浦親方やおかみさんはじめ、部屋のみんな、普段から自分をサポートしてくれる皆さんのおかげでこういう成績を残せたと思っていますので、本当に感謝の気持ちです。ありがとうございます。

-本割で敗れて、決定戦の間の心持ちはどうだったか

貴景勝 本割は自分なりに集中していきましたけど、力及びませんでした。負けて出来ることというのは無心になって、自分が挑戦者として新弟子のころから目指していたもの、何も考えずに強くなりたかった自分を意識しながら、何も考えずにただぶつかっていきました。

-嫌なイメージはわかなかったか

貴景勝 負けてましたので本割で。自分が、自分の相撲を取りきって負けたら、自分が弱いから負けて、また来場所出直せばいいと思って決定戦に臨みました。

-大関はただ1人。重圧は

貴景勝 ケガしたくてケガしてる訳ではないと思いますし、自分も新大関の時にケガしましたし、なかなか思ってることと実際に起きることは違ったり、思い通りにいかないこともある。その中で自分は万全で出場できましたので、自分が出来ることとしては一生懸命、お客さんの前でいい相撲を見せること。それだけを考えて15日間やりました。

-来場所は綱取りをかける場所になると思う

貴景勝 小学校から相撲をやってきて、毎日強くなりたいと思ってやってきてるので、あと2カ月間一生懸命頑張りたい。強ければ勝つし、弱ければ負けるので、一生懸命自分と向き合ってやっていきたいと思います。

八角理事長(右)から優勝賜杯を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)
優勝インタビューを終え、感傷深げな表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む

11場所ぶりV貴景勝 初場所で綱取り!自身初挑戦

八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。1差で追いかける小結照ノ富士との結びの一番に敗れて13勝2敗で並んだ。優勝決定戦にもつれ込んだが、力強く前に出て、逆転優勝は許さなかった。

11場所ぶりの優勝で、初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)は、貴景勝自身にとって初めての綱とり挑戦となる。

来場所で昇進を決めれば、初土俵から所要38場所で白鵬と並んで史上3位のスピード昇進(1958年以降の初土俵、付け出しをのぞく)。

突き押し相撲に徹する24歳が、1年納めの場所を制した勢いにも乗り、新たな壁に挑む。

優勝インタビューを終え、感傷深げな表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む

貴景勝が大関初優勝、照ノ富士との優勝決定戦制した

優勝決定戦で貴景勝(手前)は照ノ富士を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。本割一発で決めることはできなかったものの、最後は勝ち切った。

1差で追いかける小結照ノ富士との結びの一番に敗れて13勝2敗で並んだ。何度も突き放して遠ざけたが、もろ差しでつかまると浴びせ倒しで背中から倒れた。

約10分後に行われた優勝決定戦、出足の鋭さで上回った。立ち合いで照ノ富士の上体を起こすと、2発、3発、最後は左で一押し。2度目の優勝が決まると、表情がわずかにゆがんだ。

2横綱、2大関が休場して一人大関となったが、重圧のかかる中でも出場最高位の責任を果たした。両横綱の初日からの休場が決まった今場所初日前日には「結果が求められる」と、大関としての自覚をにじませていた。

場所が始まると3日目には大関朝乃山が、5日目には新大関の正代が相次いで休場。その中でも「自分は自分なので、あまり人のことを考えず、その日の一番集中して自分がどういう相撲を取っていくか、それだけ考えてやっていく」と己と向き合った。

長いブランクにも終止符を打った。17年初場所の稀勢の里を最後に、先場所まで21場所連続で大関の優勝がなかった。77年名古屋場所から81年夏場所まで24場所連続で大関の優勝がない時代もあったが、そのうち23場所は横綱が優勝。ここ3年で関脇以下の優勝は9場所あり、今年にいたっては幕尻優勝が2度起きるなど番付の重みを示せていなかったが、1年納めの場所で24歳の貴景勝が威厳を示した。

▽八角理事長(元横綱北勝海) 優勝決定戦の貴景勝は「照ノ富士の変化はない」とかけて開き直った。これだけいい相撲を取ってくれてコロナ禍の中、観戦に来てくれたお客さんも喜んでくれたでしょう。本当にいい大関、1人大関として本当に立派だ。照ノ富士が頑張ったからこそのいい相撲だった。

優勝決定戦で照ノ富士(左)を押し出しで破る貴景勝(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む

照ノ富士と貴景勝が優勝決定戦へ 昨年秋場所以来

貴景勝(下)を浴びせ倒しで破った照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

小結照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が結びの一番で1敗の大関貴景勝(24=千賀ノ浦)を破り、13勝2敗で並んで優勝決定戦に持ち込んだ。

優勝決定戦は昨年秋場所の貴景勝-御嶽海以来。

貴景勝(左)を浴びせ倒しで破った照ノ富士(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む