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阿武咲「楽しかった」白鵬と三番稽古10勝20敗

合同稽古で白鵬の指名を受けて三番稽古を行う阿武咲(左)(代表撮影)

大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に向けた合同稽古が25日、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われ、平幕の阿武咲(24=阿武松)が横綱白鵬の指名を受けた三番稽古で計30番相撲を取り、10勝20敗だった。

鋭い出足を生かして、何度も横綱を引かせた。白鵬もあえて相手を呼び込む場面もあったものの、持ち味を存分に発揮。白鵬と稽古するのは昨年12月の前回の合同稽古以来で「しっかり当たることだけを意識して、いい稽古をしていただきました。楽しかったです! ありがたい気持ちと楽しい気持ちと。プラスな感情しかなかったです」と笑顔を見せた。

西前頭3枚目だった初場所では大関貴景勝、照ノ富士、隆の勝の両関脇を破るなど存在感を示し、9勝6敗の好成績を収めた。白鵬、鶴竜の両横綱が出場を目指す春場所では、上位総当たりが予想されるだけに「上位が久しぶりなのでワクワクしていますし、焦らずに地に足をつけて稽古をやっていければいい」と意気込んだ。

合同稽古で阿武咲と三番稽古を行う白鵬(右)(代表撮影)

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貴景勝「やるべきこと変わらない」部屋移転後1週間

ぶつかり稽古で若い衆に胸を出す貴景勝

大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)をかど番で臨む大関貴景勝(24=常盤山)が25日、部屋が東京・台東区橋場から板橋区前野町に移転してから、初めて取材に応じた。真新しい稽古場で、四股やすり足などの基礎運動を約1時間半行い、土俵の中へ。ぶつかり稽古で幕下以下の若い衆相手に、大量の汗を流しながら約10分間胸を出し続けた。

ぶつかり稽古の前には、初場所で負傷した左足首をケアするかのように、左足甲に白色のテーピングを施した。足首の状況に関しては「一生懸命やっていくしかないですよ」と多くは語らず。この日は相撲は取らず「これから調整をしていかないといけない。(ぶつかり稽古を)やらないと足首の状態も上がってこないから」と、ここから徐々に調子を上げていく。

平常心で春場所に臨む。初場所後に部屋が移転して1週間たったが「稽古内容や、やるべきことは変わらない。稽古場は広いし、土俵の外側の部分でも体が動かせるのはいいと思う」と話した。春場所の開催地は大阪から東京に変更。兵庫県出身の貴景勝にとって、準ご当地場所になるはずだった。「大阪は地元に近いからね。早く地方場所が開催されればいいなという思いもあるけど、今のコロナの状況もあるので。東京でやると決まったからには一生懸命やるしかない」とどっしりと構えた。

昨年7月場所以来のかど番となるが「先場所は2度と来ないわけですから。切り替えて一生懸命やるだけです」と言葉に力を込めた。

ぶつかり稽古で若い衆に胸を出す貴景勝
稽古途中で土俵周りの土をならす貴景勝

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隆の勝「広いし、きれい」新部屋の稽古環境に満足

東京都板橋区の新拠点で稽古をする隆の勝(代表撮影)

16日に東京・台東区橋場から、板橋区前野町に移転した常盤山部屋が23日、稽古再開から初めて取材に応じ、師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)と関脇隆の勝(26)が対応した。

新しい部屋は、以前より広く地上3階、地下1階で稽古場も土俵の外で、ぶつかり稽古できるスペースもあるという。「シャワーもトイレも広く(力士居住の)2階も前の部屋より広くして過ごしやすくなった。心機一転で、やることをやるだけ。(ご近所の)板橋の人も温かく迎えてくれて声をかけてくれる。ありがたいですね。自分の出来ることをやって、3月の勝負を迎えるだけです」と常盤山親方の言葉も、喜びに満ちているようだった。

稽古後に所用があり、大関貴景勝(24)は取材対応できなかったが、隆の勝は「広いし、きれい。(シャッターや窓が)全部、開くので夏とか涼しそう。全体的に広いので、四股を踏むのも広々とできるのは、いい点だと思う」と開放感のある稽古環境に満足の様子だ。師匠同様、受け入れてくれた近隣にも「みんな話し掛けてくれるので本当にフレンドリーというか、いい街だと思う」と、環境の変化も歓迎のようだ。

新三役から2場所連続で勝ち越し、大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)では、3場所連続で関脇の地位で臨むことになる。先場所の大栄翔の平幕優勝にも刺激を受けたようで「押し相撲で優勝できたら、自分も出来るのかな、というのは思った。今できることをやるだけ。あまり意識するとボロ負けする可能性があるので」と、励みと同時に引き締めることも忘れない。

上位として土俵に上がる心構えも身に付いてきた。「先場所から気持ちの持ち方も、だんだん分かってきたし、慣れてきたかなと。気持ちも上下することがなくなってきている」と隆の勝。台東区の部屋には、入門した時の先代師匠(元関脇舛田山)が率いる時代から10年を過ごしてきた。引っ越す際は「もうここじゃないんだ」と、少しばかり感傷に浸ることもあったが、それも今は「新鮮な気持ちです。場所が変わっても、やることは変わらない。集中して場所に臨みたいですね」と入門から12年目の春を見据えた。

東京都板橋区の新拠点で稽古をする隆の勝(代表撮影)
東京都板橋区の新拠点で稽古をする隆の勝(右)と胸を出す太一山(代表撮影)

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常盤山部屋が台東区→板橋区に移転「心機一転」親方

引っ越し作業が行われた東京都板橋区前野町の常盤山部屋

大相撲の常盤山部屋が16日、東京・台東区橋場から板橋区前野町に移転した。

新しい部屋は東武東上線・ときわ台駅から徒歩15分ほどで、物件は3階建て。電話取材に応じた師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)によると、元々は建材を扱う会社だったという。2階は若い衆が住む大部屋、1階が稽古場で、地下1階は物置として使用する。

この日の引っ越し作業では早速、新調した部屋の看板を設置した。師匠は「長さは1メートル30から40センチ。(台東区橋場の部屋に設置していたものに比べて)倍以上の大きさで、幅も広いから大きく感じますね」と説明した。現在はブルーシートで覆っているが1階の土俵はすでに完成しており、19日から新拠点での稽古が始まる。テッポウ柱は2本から1本となるものの、稽古場は広くなっているという。

台東区橋場の部屋は4月に再雇用制度の任期が終わる先代常盤山親方の千賀ノ浦親方(元関脇舛田山)の自宅で、16年4月の部屋継承時から21年4月末までに拠点を移すように取り決めていた。

初場所後に貴健斗の新十両昇進が決まり、大関貴景勝ら力士10人中4人が白い稽古まわしを締める。活気ある部屋を束ねる常盤山親方は「引っ越して心機一転。みんなでもっともっと頑張っていきたい」と、部屋のさらなる繁栄を誓った。

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貴景勝は心機一転「また新しい部屋で頑張っていく」

春場所に向けて稽古をする貴景勝(日本相撲協会提供)

大関貴景勝(24=常盤山)が10日、朝稽古後に報道陣の電話取材に応じ、近況を語った。

綱とりが一転、左足首を痛め10日目から休場した初場所後は、2日から稽古を再開したが、この日も「しっかり基礎をやって、足首と並行して自分の体を焦らず作っている段階」と土台作りに専念している。土俵の中での稽古については「体が出来たらすぐにでもやりたい。早く土俵の中での稽古が出来るに越したことはない」とした。そのため20日から始まる各部屋の関取衆による合同稽古も「自分の体次第」と見通しを立てなかった。

先場所の負け越しは負傷による要因が大きかったが、そこは貴景勝らしく「負けるというのは、まだまだなのでまた稽古して強くなるしかない。(場所前は)自分の中ではやりきったけど、実力がないからああいう展開になった」と言い訳は避けた。埼玉栄高の先輩にあたる大栄翔(27=追手風)の初場所初優勝は「同じ突き押しでもタイプが違うけど、いい刺激をもらいました」とカンフル剤にはなったという。

今月中旬には常盤山部屋が、現在の東京都台東区橋場から板橋区前野町に移転する。貴乃花部屋から当時の千賀ノ浦部屋に移籍し、約2年を過ごした隅田川に程近い現在地の部屋での稽古も最後。「移籍してから、ずっとここで鍛えさせてもらったので少し寂しい気持ちもあるけど、また新しい部屋で頑張っていきたい」と心機一転にする。

うれしいこともある。長らく付け人をしていた貴健斗(25)の新十両昇進だ。「自分とずっと下の時から一緒だったので本当にうれしい。ついてもらったしサポートしてもらったので、上がってくれたことがうれしい。勝ち越してナンボなので切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」。この日、25歳の誕生日を迎えた1学年上にあたる兄弟子の朗報も味方にする。

一方、埼玉栄の後輩で、部屋は違っても付け人を務めていた元横綱大鵬の孫で、初場所新十両だった王鵬(20=大嶽)は、十両の壁にはね返されて5勝10敗で負け越し。大阪から東京開催になった大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)での幕下陥落は避けられない状況だが、後輩に対しても「関取に上がったら自分の考えでやらないといけない。(十両に)上がったら自分で乗り切るしかないのかな、と思っています」と先輩からのエールを送ることも忘れなかった。

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初場所V大栄翔が母校凱旋「強く思えば夢はかなう」

大相撲初場所で初優勝を果たし、母校の埼玉栄高を表敬訪問する大栄翔。左は同校相撲部の山田道紀監督(埼玉栄高提供)

大相撲初場所で初優勝を果たした平幕の大栄翔(27=追手風)が5日、母校の埼玉栄高を表敬訪問した。同校出身では、元大関豪栄道(現武隈親方)と大関貴景勝に続く、3人目の幕内優勝。凱旋(がいせん)を果たした大栄翔は「自分の相撲の原点は埼玉栄。いい報告ができて幸せです」と笑顔を見せた。

最高位は関脇で、強烈な突き押しを武器に初場所で初優勝を果たすなど角界で存在感を示しているが、高校時代は苦い思い出が多かった。レギュラー入りしたのは3年から。1、2年の時はレギュラー陣が稽古に励む中、早めに稽古を切り上げてちゃんこ番にまわっていたという。同校相撲部の山田道紀監督は「高校に入った時にはまさかこうなるとは思わなかった。でも辛抱強かった。おとなしい子だったけど、嫌な顔をせずに四股やテッポウをコツコツやって3年で花開いた」と大栄翔の高校時代を振り返った。

これに対して大栄翔は「自分は本当に弱かった」と当時を振り返った。しかし、全国大会で優勝することだけを思い続けて稽古に励んでいたといい「(夢は)強く自分の中で思えばかなう。山田先生の指導を素直に聞いて、諦めずに強く思って欲しい」と後輩へメッセージを送った。

新関脇を確実にした20年7月場所後には、母校の相撲部に米600キロを贈った。報道陣から、「今回はどれぐらい贈るか」と問われると「その時よりも多く贈りたい。きりよく1トン贈れればと思います」と話した。

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貴景勝が稽古再開「基礎をできる範囲でやっていく」

春場所に向けて稽古をする貴景勝(日本相撲協会提供)

大相撲初場所を途中休場した大関貴景勝(24=常盤山)が2日、都内の部屋で稽古を再開した。四股などの基礎運動を中心に体を動かし、春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に向けて本格的に始動。初場所で負傷した左足首については「まだ万全じゃないですけど、基礎をできる範囲でやっていきたいと思っています」と説明。ぶつかり稽古で胸を出す段階には至っておらず、治療を並行しながら調整を進めていくという。

昨年11月場所で大関として初優勝を果たし、初場所は初めての綱とり場所だった。初日から4連敗を喫するなど不振で、3日目の北勝富士戦では左足首を負傷。「(けがの影響で)悪循環になってしまう」と、その後も星を伸ばせず、2勝7敗で迎えた10日目から休場した。左足首の負傷は過去に「何回もあります」と、初めての経験ではなかったという。

休場後はテレビで本場所を観戦していた。「自分のけがを早く治さないといけないし、自分の体をつくっていかないといけないので、他の人が相撲を取っていてどう思うってことはなかった」。賜杯を抱いた埼玉栄高の先輩でもある平幕の大栄翔については「強いから優勝しているんだと思います」と印象を語った。

初めて経験した綱とり場所だったが、緊張感については「(毎場所と)変わらないです」と振り返る。負傷する前の初日から3日目までの相撲内容も、本来の突き押しが影を潜めているような印象があったと報道陣に問われると「弱いから負けるんです。強ければ勝つし。まだまだもっと強くならないといけないということ。実力があったら勝つし、負けるということは実力が足りないということ」と強調した。

春場所は通常の大阪開催ではなく、コロナ禍で東京開催となった。兵庫県芦屋市出身で、大阪は“ご当所”とも呼べる場所。2年前の19年春場所では大関昇進を決めるなど、思い入れは強い。「やっぱりご当地なので、応援していただける方も多いし、いい節目になっている場所でもあったから残念ですけどね。でも土俵に上がったら大阪場所も東京も関係ないので、一生懸命頑張りたいと思います」。

NHK大相撲中継で解説を務める北の富士勝昭氏(元横綱)らは、貴景勝の不振の影響について体重の増加を指摘していた。小結で初優勝した18年九州場所では170キロで、現在は協会発表で183キロ。今後の体重調整については「自分の納得するようにやっていきたいと思います」と話した。春場所まで1カ月半。「基礎としっかり並行して治していってやっていきたいと思います」と意気込んだ。

四股を踏む貴景勝(日本相撲協会提供)

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貴健斗が十両昇進「平常心」突き押し相撲が武器

春場所での新十両昇進が決まりリモートでの会見に臨む貴健斗(日本相撲協会提供)

日本相撲協会は27日、東京・両国国技館で春場所の番付編成会議を開き、貴健斗(25=常盤山)の新十両昇進を決めた。都内の部屋でリモートでの会見に臨んだ貴健斗は「喜びはあるけど、いつも通り平常心です」と、落ち着いた表情で関取の座をつかんだ心境を明かした。

14年初場所の初土俵から7年かかった。アマチュアでは高校相撲の強豪、鳥取城北高で3年時に主将を務めるなど活躍。序ノ口デビューから所要4場所で新幕下昇進を果たすなど期待されたが、幕下上位で停滞する期間が長かった。「精神的に未熟だったので時間がかかった。(性格的に)ネガティブなところもあったので…」。転機は2年前、同部屋の大関貴景勝からの言葉だったという。「『(新十両昇進を)2年と決めてやらないと、膝のけがもあるし、分からなくなるぞ』と。目標を立てていけと言われて、覚悟を決めた」。

東幕下38枚目だった昨年初場所から6場所連続の勝ち越しで新十両を射止めた。会見に同席した師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)も「関取衆(貴景勝、関脇隆の勝、十両貴源治)に胸を出されて、ぶつかりで泥だらけになっていた。押し相撲は(ぶつかりが)特に大事」と振り返る。旧貴乃花部屋付きの親方として、「水田」のしこ名の時から貴健斗を見ていた同親方は「入ったときから真面目。コツコツとやっていた」と、柔和な笑顔を見せた。

丸太のような太ももが支える突き押し相撲が武器。「(太ももは)2、3年前に測ったときは80センチくらいだった。今はもうちょっと大きくなっているかも」。旧貴乃花部屋の時に先代師匠の貴乃花親方(元横綱)から突き押しに徹するように指導を受け、地道に磨いてきた。

同時昇進を決めた藤島部屋の武将山は同学年の同期生で「ライバルというより戦友。苦手な相手ではあるので、十両では借りを返したい」と意気込む。初めての15日間。「まずは十両で勝ち越すこと。できるだけ早く幕内に上がりたい」と次の目標を設定した。

春場所での新十両昇進が決まりリモートでの会見に臨む貴健斗(日本相撲協会提供)
春場所での新十両昇進が決まりリモートでの会見に臨む貴健斗(右)と師匠の常盤山親方

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初土俵が同じ貴健斗、武将山ら4力士が十両昇進

貴健斗(2020年10月22日撮影)

日本相撲協会は27日、大阪での開催を目指している大相撲春場所(3月14日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、十両昇進力士4人を発表した。

新十両は2人で、貴健斗(24=常盤山)と武将山(25=藤島)。

貴健斗は相撲の強豪・鳥取城北高から貴乃花部屋に入門し14年初場所初土俵。同部屋の閉鎖に伴い、大関貴景勝らとともに千賀ノ浦部屋に転籍(師匠の年寄名跡交換により現在は常盤山部屋)。幕下に長く定着していたが、自己最高位の西幕下筆頭で臨んだ今月の初場所で5勝2敗の成績を収め、約7年で念願の関取の座を射止めた。

その貴健斗と高校時代に強豪校同士でライバル関係にあった武将山は、貴景勝や初場所優勝の大栄翔らを輩出した埼玉栄高から藤島部屋に入門し、やはり14年初場所で初土俵。こちらも幕下に約5年も定着したが、自己最高位(東幕下2枚目)の初場所で4勝3敗の成績で、初土俵が同じ貴健斗とともに新十両昇進を果たした。

再十両は19年九州場所以来、7場所ぶり復帰の一山本(27=二所ノ関)と、2場所ぶりの十両復帰となった錦富士(24=伊勢ケ浜)の2人だった。

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初V大栄翔「来場所しっかり」大関への再スタート

初優勝した初場所から一夜明けてリモートでの会見に出席し、自慢の大きな手を画面越しの報道陣に見せる大栄翔

大相撲初場所で初優勝を飾った西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が25日、埼玉・草加市内の部屋でリモートによる一夜明け会見に臨んだ。「気持ち的にすごくうれしかった。優勝できたことの実感がわいて、うれしく思いました」。お祝いのメッセージ等が約400件届いたが、「まだ返せていないんで、返していきたい」と律義な素顔をのぞかせた。

初場所を振り返り、「立ち合いの踏み込み、角度が自分でもあったと思う。休まず攻められたのがよかった」。両横綱が不在の中、初日の朝乃山から大関戦3連勝、7日目までに三役以上を総なめして主役に躍り出た。「序盤に勝てたので乗れたと思う。格上の相手との対戦なんで、思い切りいけた」と振り返る。

中でも7日目の関脇隆の勝戦を納得の一番に挙げた。「一番いい立ち合いで、師匠(追手風親方=元幕内大翔山)にも『よかった』と言われて自信になった」。優勝への意識も、千秋楽の優勝インタビューでは「14日目を終えて」と答えたが、「(ストレート給金の中日で)自分の中ではまだまだ先が長いと思ったが、周りからたくさん言ってもらえてありがたかった。考えないようにしたが、頭の中に少しはありました」と明かした。

幕内最高優勝について「夢のまた夢で、自分的にはテレビの中の話。自分がするとは考えられなかった」。ただ、現実的に印象づけられたのが18年九州場所、埼玉栄高の後輩・貴景勝の初優勝だったという。「身近な人が優勝してすごい。自分も刺激になった」と振り返る。

春場所(3月14日初日、エディオンアリーナ大阪)では、関脇復帰が濃厚で、大関昇進をかけた再スタートとなる。「優勝してうれしいが、ここで気を抜かず来場所しっかりやっていきたい」。次の、さらなる上の目標へすでに気持ちを切り替えている。【実藤健一】

初優勝した初場所から一夜明けてリモートでの会見に出席して笑顔を見せる大栄翔
初優勝した初場所から一夜明けてリモートでの会見に出席した大栄翔

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大栄翔三役以上7力士総なめ初V、千秋楽16・7%

八角理事長(手前)から優勝賜杯を受け取る大栄翔(撮影・鈴木正人)

24日にNHK総合で放送された大相撲初場所千秋楽の世帯平均視聴率(関東地区)が午後3時5分から115分間が10・2%、同5時から60分間が16・7%だったことが25日、ビデオリサーチの調べでわかった。

西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が、2敗の単独トップで迎えた千秋楽、勝てば優勝の隠岐の海戦を制し13勝目を挙げ初優勝。埼玉県勢では初、追手風部屋勢でも初めての優勝を果たした。今場所は新型コロナウイルス関連で横綱白鵬ら15人の関取が休場、横綱鶴竜も腰痛で不在。綱取りに挑んだ大関貴景勝は左足首を負傷で途中休場。そんな中、大栄翔は三役以上の7力士を総なめにした場所で悲願を達成した。

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“地味キャラ”大栄翔テッポウで大きな手鍛え初賜杯

優勝インタビューで笑顔を見せる大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が初優勝を果たした。勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる可能性もあった大一番で、隠岐の海を突き出して13勝目。埼玉県出身では初、追手風部屋としても初めての優勝となった。3度目の殊勲賞、初の技能賞も獲得。“地味キャラ”とも呼ばれた実力者が、両横綱不在、綱とりに挑んだ大関貴景勝が不振となった場所で主役を張った。初場所は6年連続で初優勝力士誕生となった。

   ◇   ◇   ◇

歓喜の瞬間を迎えても、険しい表情はあえて崩さなかった。大栄翔の顔は、自身の赤い締め込みのように紅潮したまま。勝ち名乗りを受けて花道に引き揚げると、師匠の追手風親方(元前頭大翔山)が待っていた。「うれしさよりも緊張感があった。(師匠に)『おめでとう』と言われてうれしかった」。張り詰めていた感情の糸が、緩んだ瞬間だった。

勝てば優勝が決まる大一番で、会心の相撲を見せた。立ち合いから隠岐の海の差し手をはね上げ、左右ののど輪で一方的に引かせた。「自分の相撲を取りきるしかない。迷いなくいった」。初日から7日連続で役力士を破った突き押しは、千秋楽も健在だった。

脚光を浴び続ける相撲人生ではなかった。むしろ、実績の割には地味な印象が先行していたかもしれない。同部屋には幕内屈指の人気を誇る遠藤がいて、仲のいい貴景勝や、同学年の朝乃山は看板力士に成長。身近な存在が先を行くことが多かった。新十両会見では師匠の追手風親方に「声をもっと張れよ」と怒られるなどシャイな一面もあるが、地道に稽古を重ねる我慢強さはあった。

高校相撲の名門、埼玉栄高でレギュラーをつかんだのは3年で、2年までは補欠でちゃんこ番。同校相撲部の山田道紀監督は「文句を言わず黙々と稽古していた。芯が強い。控えの後輩の教材になっていた」と振り返る。「うちは弱い子にはテッポウをさせる。大栄翔もずっとテッポウをやっていた」と同監督。地道にテッポウ柱を打ち続けた手のひらは分厚い。もともと手は大きく、中2でサイズの合う手袋がなくなった。母恵美子さんによると、古い友人に「キャッチボールの時はグローブがいらないね」とからかわれたことも。突き押しの威力は大きな手を介して確実に伝えた。

自身を含めて関取6人を誇る部屋では、稽古相手に不足はなかった。感染対策で出稽古が禁止され、調整の難しさを漏らす関取もいる一方で「恵まれていると思う。(突っ張りの)回転の良さは申し合いで積み重ねることが大事なので」。コロナ禍だからこその“アドバンテージ”が生きた。

昨年は全5場所で優勝力士が異なり、新年最初の場所も6年連続で初優勝力士が誕生した。“戦国時代”まっただ中の角界で、大関昇進の期待もかかる。「期待に応えられるように頑張りたい」。資質は証明済み。磨いた突き押しの威力を、これからも信じ続ける。【佐藤礼征】

<大栄翔アラカルト>

◆埼玉初 埼玉県出身の力士では初めて。他に優勝がないのは宮城、福井、岐阜、静岡、滋賀、京都、和歌山、島根、徳島、宮崎、沖縄で11府県。

◆平幕優勝 昨年7月場所の照ノ富士以来、平成以降では13例目。

◆アベック優勝 十両で同部屋の剣翔が優勝。幕内、十両のアベックVは05年九州場所の高砂部屋(幕内朝青龍、十両闘牙)以来。1場所15日制が定着した49年夏場所以降では19例目。

◆埼玉栄高 豪栄道、貴景勝に続いて3人目。

◆平成生まれ 照ノ富士、御嶽海、貴景勝、朝乃山、正代に続き6人目。

大栄翔(左)は隠岐の海を突き出しで破り幕内優勝を決める(撮影・小沢裕)
隠岐の海(後方左)を突き出しで破り幕内優勝した大栄翔(撮影・鈴木正人)
隠岐の海(左)を激しく攻める大栄翔(撮影・河田真司)
花道を引き揚げる大栄翔(撮影・鈴木正人)

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大栄翔、埼玉県勢で初優勝決める!/千秋楽写真特集

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔が、悲願の初優勝を果たした。単独先頭で迎えた千秋楽、勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる大一番で。隠岐の海を突き出して13勝目。立ち合いから圧倒する完璧な相撲内容で、歓喜の瞬間を迎えた。埼玉県勢では初、追手風部屋勢でも初めての優勝。昨年は全5場所で異なる優勝力士が誕生したが、2021年も“角界戦国時代”を象徴するような幕開けとなった。大栄翔は殊勲賞、技能賞も獲得。両横綱が不在、綱とりに挑んだ大関貴景勝が不振だった場所で主役を張った。

正代は結びで朝乃山との大関対決に敗れ、11勝4敗で今場所を終えた。2度目の優勝こそ逃したものの、初のかど番場所で千秋楽まで優勝争いに絡んで存在感を示した。同じく初めてのかど番を乗り越えた朝乃山は、11勝4敗で今場所を終えた。

大関復帰を目指す関脇照ノ富士は、明生を退けて11勝目を挙げた。返り三役の昨年11月場所では13勝。大関とりが懸かる3月の春場所に向けて、弾みをつける1勝となった。

三賞受賞者は大栄翔以外では、照ノ富士と新入幕の翠富士の2人が技能賞を獲得した。

場所直前に約900人を大将に実施した新型コロナウイルスのPCR検査の結果、力士65人を含む協会員83人が初日から休場。白鵬と鶴竜の両横綱が3場所連続で初日から不在となるなど、混沌(こんとん)とした場所が終わった。

八角理事長(手前)から内閣総理大臣杯を受け取る大栄翔(撮影・鈴木正人)

優勝インタビューで笑顔を見せる大栄翔(撮影・河田真司)

表彰式に臨む大栄翔(左)

千秋楽の熱戦を写真で振り返ります。

幕内

朝乃山押し出し正 代

朝乃山(手前)との取組中、式守伊之助(左)にぶつかる正代(撮影・鈴木正人)

朝乃山(奥)に押し出される正代(左)を回避できず接触してしまう行司の式守伊之助(撮影・河田真司)

朝乃山(左から2人目)は正代を押し出しで破る。行司の式守伊之助(左)は土俵に押し出されたが、履いていた草履は残っていた(撮影・小沢裕)

正代 相手の圧力に負けて下がってしまった。そこがいけなかった。(大栄翔が先に優勝を決めたが)先に決められた方が気は楽だった。何とか勝てるように気持ちを作っていったが、最後の一番としては後味が悪い。また頑張ります。

照ノ富士すくい投げ明 生

明生(右)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

高 安はたき込み隆の勝

高安(左)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・河田真司)

高安(後方)をはたき込みで破る隆の勝(撮影・鈴木正人)

隆の勝 最後の相撲に勝ててよかった。(大栄翔の優勝は)刺激になります。

霧馬山押し出し御嶽海

霧馬山(左)を押し出す御嶽海(撮影・河田真司)

御嶽海 来場所につながる一番と思ったんで、しっかり勝ててよかった。15日間、何とか体がもったかなと思います。目標の2桁にあと1番が遠かったが、来場所に向けてまた頑張ります。

北勝富士押し出し逸ノ城

逸ノ城(左)を押し出しで破る北勝富士(撮影・河田真司)

隠岐の海突き出し大栄翔

隠岐の海(左)を激しく攻める大栄翔(撮影・河田真司)

隠岐の海(左)を突き出しで破り、幕内優勝を決める大栄翔(撮影・河田真司)

隠岐の海を突き出しで破り、勝ち名乗りを受ける大栄翔(撮影・河田真司)

大栄翔 (優勝インタビュー)自分の相撲を取りきるしかない。悔いがないよう、思い切りいこうと迷わずいきました。本当うれしさしかない。よかったです、本当に。(賜杯は)あんなに重いとは思わなかった。びっくりしている。

宝富士寄り倒し志摩ノ海

宝富士(奥)を寄り倒しで破る志摩ノ海(撮影・河田真司)

志摩ノ海 根負けしなかった。頭上げず、我慢していけと稽古場で師匠(木瀬親方)に言われるが、それを実行できたと思う。

琴勝峰勇み足佐田の海

琴勝峰(右)は佐田の海の勇み足で白星(撮影・鈴木正人)

豊昇龍寄り倒し阿武咲

豊昇龍(下)を寄り倒しで破る阿武咲(撮影・河田真司)

阿武咲 終始落ち着いて相撲がとれた。最後のいい相撲で締めくくれてよかった。

栃ノ心寄り切り照 強

照強(左)は寄り切りで栃ノ心を破る(撮影・小沢裕)

琴恵光押し出し玉 鷲

玉鷲(左)に押し出される琴恵光(撮影・河田真司)

玉鷲 (歴代7位タイの通算連続1316回出場を白星で飾り)記録は気にしていないし考えていない。しっかりやり続ければこういう感じになる。人がどう思うかで、自分からはあまり言えない。

遠 藤寄り切り琴ノ若

琴ノ若(右)を寄り切りで破る遠藤(撮影・河田真司)

琴ノ若 (勝てば敢闘賞の一番に敗れ)自分の力不足なので、しっかり受け止めたまた稽古を積みたい。

竜 電押し出し碧 山

竜電(左)を押し出し出しで破る碧山(撮影・河田真司)

明瀬山押し出し

1回目の取組で同体となる輝(左)と明瀬山(撮影・河田真司)

明瀬山と輝の一番で物言いがつき協議する審判団(撮影・小沢裕)

明瀬山(右)を押し出しで破る輝(撮影・鈴木正人)

 (物言いで同体取り直しの末に勝利)どっちかなという感じで、もう一番あってもいいように気持ちを切らさずにいった。2番目の相撲は自分らしく攻めていけた。ああいう相撲をとれたら来場所につながる。

翠富士肩透かし翔 猿

翔猿(右)を肩すかしで破る翠富士(撮影・河田真司)

翔猿 (6勝9敗で終わり)ちょっとダメだったスね。まだまだ安定していない。自分の相撲を磨いていきたいです。

徳勝龍押し出し大翔丸

徳勝龍(右)を押し出しで破る大翔丸(撮影・鈴木正人)

豊 山押し出し妙義龍

豊山(左)を押し出しで破る妙義龍(撮影・河田真司)

妙義龍 いつもより緊張しましたね。(千秋楽)7勝7敗は何回もあるが、勝つと負けるでその後が全然違う。勝ち越せたのは大きい。

天空海押し出し英乃海

天空海(左)を押し出しで破る英乃海(撮影・鈴木正人)

英乃海に押し出しで敗れた天空海(撮影・河田真司)

大相撲初場所千秋楽の幕内土俵入り(撮影・河田真司)

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正代「大関として何とか存在感」千秋楽まで優勝争い

朝乃山(左)は正代を土俵際へ攻め込む(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

正代が最後は力尽きたように朝乃山に押し出された。

先に大栄翔が勝って優勝を決めた後の土俵。「何とか勝てるように気持ちを作っていったが、最後の一番としては後味悪い。また頑張ります」と言った。新大関場所で初の休場。かど番をクリアし、千秋楽まで優勝争いをつないだ。「大関として何とか存在感を示せたと思う」。両横綱不在、貴景勝も途中休場の中で大関の責任と戦い抜いた。

朝乃山(奥)に押し出される正代(左)を回避できず接触してしまう行司の式守伊之助(撮影・河田真司)
協会あいさつで土俵に上がる、前列左から照ノ富士、朝乃山、八角理事長、正代、隆の勝、後列左から高安、御嶽海(撮影・河田真司)

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大栄翔が悲願のV “角界戦国時代”象徴する幕開け

大栄翔(左)は隠岐の海を突き出しで破り幕内優勝を決める(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔が、悲願の初優勝を果たした。

単独先頭で迎えた千秋楽、勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる大一番で。隠岐の海を突き出して13勝目。立ち合いから圧倒する完璧な相撲内容で、歓喜の瞬間を迎えた。埼玉県勢では初、追手風部屋勢でも初めての優勝。昨年は全5場所で異なる優勝力士が誕生したが、2021年も“角界戦国時代”を象徴するような幕開けとなった。大栄翔は殊勲賞、技能賞も獲得。両横綱が不在、綱とりに挑んだ大関貴景勝が不振だった場所で主役を張った。

正代は結びで朝乃山との大関対決に敗れ、11勝4敗で今場所を終えた。2度目の優勝こそ逃したものの、初のかど番場所で千秋楽まで優勝争いに絡んで存在感を示した。同じく初めてのかど番を乗り越えた朝乃山は、11勝4敗で今場所を終えた。

大関復帰を目指す関脇照ノ富士は、明生を退けて11勝目を挙げた。返り三役の昨年11月場所では13勝。大関とりが懸かる3月の春場所に向けて、弾みをつける1勝となった。

三賞受賞者は大栄翔以外では、照ノ富士と新入幕の翠富士の2人が技能賞を獲得した。

場所直前に約900人を大将に実施した新型コロナウイルスのPCR検査の結果、力士65人を含む協会員83人が初日から休場。白鵬と鶴竜の両横綱が3場所連続で初日から不在となるなど、混沌(こんとん)とした場所が終わった。

明生(左)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・河田真司)

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大栄翔が悲願の初優勝 埼玉県勢&追手風部屋勢で初

隠岐の海(左)を突き出しで破り、幕内優勝を決める大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が、悲願の初優勝を果たした。2敗の単独トップで迎えた千秋楽、勝てば優勝の隠岐の海戦を制し、13勝目を挙げると歓喜の瞬間が訪れた。埼玉県勢では初、追手風部屋勢でも初めての優勝を果たした。

両横綱が初日から不在、綱とりが懸かっていた大関貴景勝が不振となった場所で、主役を張った。初日から7日間連続で役力士を破り、三役以上を総ナメ。平幕力士が初日から7日連続で役力士を破るのは、1場所15日制が定着した1949年(昭24)夏場所以降では初の快進撃だった。

9日目に初黒星を喫し、持ち前の突き押しが影を潜める場面もあったが、終盤戦で立て直した。先頭を走る重圧の中でも「いい感じの緊張感でやれている。その中で取るのは大変なことだけど、頑張っていきたい」と前を向いていた。

昨年秋場所には新関脇に昇進するなど、次期大関候補としても期待が高い27歳が大願を果たした。母子家庭で育ち、家族への恩返しの思いから埼玉栄高を卒業後にプロの世界へ進んだ。

同部屋の遠藤は角界屈指の人気を誇り、仲のいい貴景勝や同学年の朝乃山は大関に昇進して看板力士に。身近な存在の陰に隠れがちだったが、コツコツと自慢の突き押しを磨き、一気に花を咲かせた。

隠岐の海(左)を激しく攻める大栄翔(撮影・河田真司)
隠岐の海(後方左)を突き出しで破り幕内優勝した大栄翔(撮影・鈴木正人)
隠岐の海を突き出しで破り、勝ち名乗りを受ける大栄翔(撮影・河田真司)
花道を引き揚げる大栄翔(撮影・鈴木正人)

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勢が左手骨折で休場、十両以上休場者19人最多更新

勢(2020年7月23日撮影)

大相撲初場所千秋楽の24日、東十両13枚目勢(34=伊勢ノ海)が「左母指中手骨脱臼骨折にて1月場所の休場を要する」との診断書を提出して休場した。

05年春場所で初土俵を踏んで以来、初めての休場。対戦相手の東十両8枚目剣翔(29=追手風)は、不戦勝となり十両優勝が決まった。

報道陣の電話取材に応じた師匠の伊勢ノ海親方(元前頭北勝鬨)によると、14日目の大翔鵬戦で負傷。取組後に病院に行き「痛みがあったので念のためにレントゲンを撮ったら折れていた」。勢本人が休場を申し出てきたという。

休場により今場所は6勝止まりとなり、春場所での幕下陥落の可能性が出てきた。幕下に陥落すれば11年秋場所以来となるだけに、伊勢ノ海親方は勢の今後について「何らかの形で話しはするでしょう。本人の意向が第一。気力があれば頑張るでしょうし。勢がどういう気持ちか話をすると思う」とした。

既に戦後最多となっている今場所の十両以上の休場者は19人に増えた。新型コロナウイルス関連で横綱白鵬ら15人の関取が休場し、横綱鶴竜も腰痛で不在。大関貴景勝は左足首を負傷、十両美ノ海が脳振とうで途中休場した。

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10勝目照ノ富士は来場所大関とり挑戦 審判部見解

正代(右)をはたき込みで破る照ノ富士(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館

日本相撲協会審判部の錦戸副部長(元関脇水戸泉)が、大関正代を破って10勝目を挙げた関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)について、3月の春場所で大関とりが懸かるとの認識を示した。

錦戸副部長は「終わってみないことには分からないけど(休場した貴景勝以外の)大関陣には勝っている。(4敗した取組も)悪い負けじゃない。いい勝ち方をしている」と評価し「来場所が楽しみ」と続けた。今場所を大関とりの足固めとして、来場所は4年ぶりの大関復帰に挑戦するとの見解を示した。

大関昇進の目安は「三役で3場所33勝」。照ノ富士は東前頭筆頭だった昨年秋場所で8勝、返り三役の同年11月場所で優勝同点の13勝を挙げ、今場所の成績次第では一気に大関を射止める可能性もあった。

正代(手前)を破り10勝目を挙げた照ノ富士(撮影・小沢裕)

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貴健斗が来場所の新十両確実に、貴景勝助言も力に

村田(左)を押し出しで破る貴健斗(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館

西幕下筆頭の貴健斗(25=常盤山)が、来場所の新十両昇進を確実にした。

7番相撲で東幕下8枚目村田を押し出して5勝2敗とした。立ち合いから相手を突き起こし、出足に任せて一気の攻めだった。

関取の座をほぼ手中に収めた。アマチュアでは高校相撲の強豪、鳥取城北高3年時に主将を務めるなど活躍。14年初場所が初土俵で、将来の関取候補として期待を集めたが、幕下上位で停滞する期間が長かった。「だいぶ時間がかかったけど、いろんなことがあって、力をつけてこられて良かった」と大粒の汗をぬぐった。

大関貴景勝の付け人を務め、場所前はともにバーベルを扱ったトレーニングに励み、助言ももらってきた。「体の使い方とかを(貴)景勝関に教えてもらって、それも力になって本場所に生きている」とうなずいた。

来場所から関取として土俵に上がる見通し。「来場所は15日間強い相手と当たる。稽古していかないと」と、さらなる成長を誓った。

村田を押し出しで破り、勝ち名乗りを受ける貴健斗(撮影・河田真司)

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美ノ海が休場 十両以上18人目、戦後最多を更新

22日、貴源治との取組で土俵下に落ち痛そうな表情を見せる美ノ海(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館

西十両3枚目美ノ海(27=木瀬)が初場所14日目の23日、日本相撲協会に「脳振とうにより1月場所の休場を要する」との診断書を提出して休場した。

十両以上の休場者は18人目。10日目に大関貴景勝が休場して02年名古屋場所の16人を上回り戦後最多となっていたが、更新する形となった。

美ノ海は前日13日目の貴源治戦で寄り切られた際に、土俵下に転落して背面を強打。しばらく立ち上がれず、若者頭の肩を借りて花道に下がっていた。

美ノ海の休場は16年春場所の初土俵以降、初めて。14日目の対戦相手、東白龍は不戦勝で勝ち越しを決めた。

美ノ海の休場で東白龍の不戦勝(撮影・鈴木正人)

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