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番付の書き手が木村要之助に春場所から代わっていた 木村容堂から16年ぶり戦後8人目の交代

行司の木村要之助(2022年5月9日撮影)

大相撲の幕内行司、木村要之助(ようのすけ、48=八角)が、今月26日に千秋楽を迎えた春場所から、新たに番付の書き手を務めていたことが30日、関係者の話で分かった。

番付の書き手は戦後8人目。07年九州場所から15年余り、木村容堂(61=九重)が務めてきたが、16年ぶりの交代となっていた。容堂が最後に書き手を務めた初場所は、125年ぶりの1横綱1大関、61年ぶりの4関脇4小結という、極めて珍しい番付だった。

要之助が初めて書き手を務めた春場所も、引き続き1横綱1大関だった。初場所では大関貴景勝が優勝したが、春場所では7日目から休場。初日から休場していた横綱照ノ富士とともに、横綱、大関不在という昭和以降初の事態となっていた。

木村要之助が書いた春場所の番付
行司の木村容堂(2022年9月11日撮影)
木村容堂が書いた初場所の番付

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貴景勝、若隆景、霧馬山ら8人が春巡業休場 4場所連続で休場中の照ノ富士は参加

貴景勝(2023年3月16日撮影)

日本相撲協会は30日、4月2日から始まる大相撲春巡業の休場者を発表した。休場するのは大関貴景勝、関脇若隆景、同じく関脇で春場所優勝の霧馬山、前頭玉鷲、阿武咲、明生、輝、琴勝峰の8人。霧馬山について、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「できものができたと聞いたが、詳しくは分からない。途中から出場するかもしれない」と話した。

休場する8人に替わり、十両から出場する8人も発表した。巡業出場が決まったのは朝乃山、湘南乃海、炎鵬、千代丸、豪ノ山、北の若、島津海、栃武蔵。大関経験者の朝乃山は、新型コロナウイルスが流行する以前、19年冬巡業以来、3年4カ月ぶりの巡業参加となる。

また4場所連続で休場中の横綱照ノ富士について、芝田山部長は「休場しないということは参加するということ」と明言。ただし、巡業で土俵入りを行うのか、相撲を取るのかまでは不明という。芝田山部長は「休めば休むほど感覚はなくなるもの」などと話し、本場所復帰を目指し、まずは相撲勘を取り戻す狙いではないかと推測していた。

3月26日、春場所を制した霧馬山

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定例会合初出席の横審・山内昌之委員長、大関貴景勝へ「全ての人たちが横綱誕生待ち望んでいる」

山内昌之委員長(2021年4月19日撮影)

日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)は27日、東京・両国国技館で定例会合を開いた。

委員長として初めて会合に出席した東大名誉教授の山内昌之委員長は、両膝の負傷などで4場所連続休場中の横綱照ノ富士について「来場所ぜひ(出場)ということではなく、けがを治して万全な態勢で早く戻ってきてほしい」と静観する考えを示した。綱とりに挑むも途中休場を強いられた大関貴景勝については「本当に残念なこと。全ての人たちが横綱の誕生を待ち望んでいる。早く誕生させたい」と話した。

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【若乃花の目】最後の最後にもったいないことをした大栄翔 霧馬山は持って生まれた体の柔らかさ

「若乃花の目」

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

本割、優勝決定戦ともに大栄翔の当たり、突き押しの威力が半減してしまいました。

本割は霧馬山が何をやってくるか気をつけるように、相手を見ながらもろ手で立ちました。頭から当たるしかなかった決定戦は、頭より先に手で行ってしまいました。こうなると腰も引けて2番とも威力半減です。やはり押し相撲は立ち合いの当たりが弱いと、二の矢の攻めもなくなり土俵際の落とし穴ははまります。今場所は腰をぶつけるようにして足を運んでいた大栄翔だけに、最後の最後になってもったいないことをしたなと思います。

1差で追う立場で臨んだ霧馬山は、精神的には大栄翔より楽だったでしょう。押し込まれはしましたが、土俵際で弓なりになって粘ったことで、突きにくくさせました。四つに組んだら勝ち目はない、と大栄翔に思わせる強さも、先場所から光ります。初優勝にも浮かれず「相撲自体は良くなかった」とインタビューで話していた言葉は、まだまだ自分を向上させようという自覚の表れでしょう。来場所は大関とりです。体の柔らかさは持って生まれたものとして、力強さをアピールしてほしい。当たり負けしない強さ、重さを全部の相撲には求めませんが、プラスアルファしてほしいと思います。霧馬山に引っ張られるように豊昇龍は10勝、若元春も11勝で足がかりをつかみ、大栄翔も次期大関に名乗りを上げた今場所。終わったばかりなのに、もう来場所が楽しみです。照ノ富士と貴景勝が復帰した上で、上位陣による「実力者による混戦」に期待します。(日刊スポーツ評論家)

優勝決定戦で霧馬山(右)に突き落とされる大栄翔(撮影・和賀正仁)
霧馬山(右)は突き落としで大栄翔を破り初優勝を決める(撮影・和賀正仁)
優勝インタビューを受ける霧馬山(撮影・和賀正仁)
八角理事長から賜杯を贈られる霧馬山(撮影・和賀正仁)
霧馬山(右)は突き落としで大栄翔を破(撮影・和賀正仁)
幕内初優勝を決め優勝旗を手にする霧馬山(撮影・小沢裕)
霧馬山(左)は祝勝会会場のホテル前で陸奥親方から水付けを受ける(撮影・小沢裕)
大相撲春場所で初優勝し、オープンカーに乗り万歳する霧馬山(右)(代表撮影)
支度部屋で力士らと万歳三唱する霧馬山陣営と霧馬山(中央)(代表撮影)
支度部屋で力士らと万歳三唱する霧馬山陣営と霧馬山(中央)(代表撮影)

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関脇若隆景が休場、前日取り直しの一番で右脚痛める 霧馬山不戦勝で優勝争い千秋楽に持ち越し

23年3月24日 琴ノ若と若隆景(左)の一番は物言いが付き審判団による審議が行われた結果同体となり、取り直しとなった。右は師匠で審判長を務める佐渡ケ嶽親方(撮影・小沢裕)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

関脇若隆景(28=荒汐)が、日本相撲協会に休場届を提出した。「右前十字靱帯(じんたい)損傷、右外側半月板損傷などで3カ月程度の療養を要する」との診断書を提出。若隆景の休場は21年初場所以来3度目。前日13日目の取組に勝利し、7勝6敗と勝ち越しに王手をかけていたが、琴ノ若と同体取り直しとなった相撲で痛めたとみられる。

師匠の荒汐親方(元幕内蒼国来)によると、琴ノ若戦の最初の一番で右膝を負傷したという。同親方は「相撲を取れる状態ではなかった。まずはきちんと治してほしい」と話した。再出場せず負け越しとなれば、夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)では7場所守った関脇から番付を下げることは確実となる。

14日目の対戦相手、関脇霧馬山は不戦勝となり、優勝を争う中で3敗を守る形に。13日目に2敗を守って単独トップに立った小結大栄翔が14日目にも優勝決定の可能性があったが、千秋楽まで持ち越されることになった。

今場所の十両以上の休場者は横綱照ノ富士、大関貴景勝、幕内阿武咲に続いて4人目となった。

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阿武咲が休場、7日目若隆景戦で両側内側半月板損傷 「本人は再出場したいと」阿武松親方

23年3月18日 阿武咲(手前)を攻める若隆景(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇9日目◇20日◇エディオンアリーナ大阪

日本相撲協会は春場所9日目の20日、東前頭4枚目の阿武咲(26=阿武松)が休場すると発表した。阿武咲は「両側内側半月板損傷、右陳旧性後十字靱帯(じんたい)損傷で今後約2カ月間、精査・加療を必要となる見込み」との診断書を提出。診断書には「18日(7日目)受傷、19日(8日目)悪化、20日受診」とも付け加えられていた。

阿武咲は8日目まで4勝4敗。先場所は終盤まで優勝を争い10勝5敗で、今場所も活躍が期待されていた。7日目の関脇若隆景戦に敗れた際に膝を痛めたそぶりを見せていた。

休場発表後に取材に応じた師匠の阿武松親方(元前頭大道)によると、右膝の後十字靱帯(じんたい)は古傷で、左右の膝の半月板を痛めたことが、今回の休場の主な理由だという。同親方は「元から痛めていたところを悪化させた感じ。特に痛めているのが右膝。今、痛くて、今日(9日目)の相撲は無理だが、本人は再出場したいと言っている。様子を見て」と、今後の回復次第では再出場の可能性もあるという。前日8日目の取組後、本人から休場の申し入れがあった。

阿武咲の休場は、昨年夏場所以来で5度目となった。9日目の対戦相手、北勝富士は不戦勝。今場所の十両以上の休場者は横綱照ノ富士、大関貴景勝に続いて3人目となった。

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大栄翔「力士なのでケガはつきもの」休場の貴景勝にエール送る白星で1敗キープ

大栄翔(左)は阿炎と顔面をぶつけ合いながら土俵際へ攻め込む(撮影・小沢裕)

<大相撲春場所>◇8日目◇19日◇エディオンアリーナ大阪

小結大栄翔(29=追手風)が1敗を守り、全勝の翠富士との1差をキープした。同じ押し相撲の阿炎を押し出し。前日7日目に小結若元春に、逆転で今場所初黒星を喫した反省を生かして攻めきった。その7日目から埼玉栄高の後輩で、仲の良い大関貴景勝が休場。再出場はしない見通しで、綱とり場所から一転、来場所はかど番となる貴景勝に、エールを送る2度目の優勝を目指す。全勝と1敗は各1人で、2敗で琴ノ若、正代、高安らが追う。

  ◇   ◇

大栄翔は、止まらなかった。長い両手から繰り出される阿炎の突っ張りに、何度も上体を起こされた。それでも右をおっつけると勢いは加速。休まず攻めて押し出した。「落ち着いて、しっかり、相手をよく見て相撲を取れた。立ち合いで当たり負けないこと。先に攻めることが、突き、押し同士だと大事。さらに乗っていける」と胸を張った。

前日は一方的に押し込みながら、土俵際で逆転の突き落としに敗れた。無敗を守った翠富士とは1差に後退。この日も先に翠富士が勝っており、負ければ折り返しの8日目で2差。21年初場所以来、2度目の優勝が遠ざかるところで踏ん張った。「昨日は勝ち急いだというか、勝手に自爆したようなもの」。取組は映像で確認。上体が流れた前日とは一転、下からあてがって最後は阿炎をバンザイさせる隙のない白星だった。

前日から仲の良い貴景勝が休場した。普段は年齢が上の大栄翔の方がいじられ役だが、綱とりが消滅した心中を察し、この日は「力士なのでケガはつきもの。自分は自分で頑張るだけ」と、先輩らしく多くを語らなかった。優勝した2月の大相撲トーナメントでは、最後まで残って祝福してもらった。今度は傷心の貴景勝に刺激を与え、ライバル心をくすぐる幕内2度目の優勝を狙う。【高田文太】

大栄翔(左)は押し出しで阿炎を破る(撮影・和賀正仁)
大栄翔(左)は押し出しで阿炎を破る(撮影・和賀正仁)
1敗を死守し懸賞金を受け取る大栄翔(撮影・小沢裕)

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翠富士、静岡出身初Vへ快進撃 高安との「全勝対決」制し単独トップ 休場中の照ノ富士も後押し

高安(左)を突き落としで破った翠富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇7日目◇18日◇エディオンアリーナ大阪

静岡出身力士初の幕内最高優勝なるか。西前頭5枚目の翠富士(26=伊勢ケ浜)が、同7枚目高安との「全勝対決」を制して7連勝で単独トップに立った。

体重差60キロをものともせず、力強い相撲で突き落とした。静岡県出身力士初の優勝を目指し、「荒れる春場所」の主役に躍り出る。小結大栄翔も1敗に後退し、大混戦ムードが漂ってきた。

   ◇   ◇   ◇

怖いものなしの勢いが、高安をのみ込んだ。「自分は小さいから、下から当たっていく意識を持ってます」。翠富士は60キロの体重差も恐れず真っすぐぶち当たり、強烈な右おっつけから最後は突き落としを決めた。

昨年秋場所での前回対戦では圧力に負けて「引いてしまった」。相手は立ち合いのかち上げを得意にするが「(部屋の)横綱(照ノ富士)の圧力がすごいんで。怖くはない」と言い放つ。主導権を掌握しての快勝に「悪くなかったと思う」と表情を緩ませた。

その後の土俵で、同じく全勝だった大栄翔に土がつき、単独トップに立った。大関貴景勝の休場で昭和以降初の横綱、大関不在の異常事態。「荒れる春場所」の主役は混沌(こんとん)状態だ。静岡県出身力士で幕内優勝はいない。「できればそうなりたいですね。常に優勝したいと思っているけど、そううまくはいかないんで」と笑った。

部屋では休場中の照ノ富士がいじってくる。「横綱から『ワンチャンあるぞ』。でも『たぶん無理だけど、ハッハッハ』って」。部屋の明るい空気も小兵の快進撃を後押しする。「バーッと負けるかもしれないけど、続けられるよう頑張りたい」。春の珍事で終わらせない。【実藤健一】

高安(手前)を突き落としで破る翠富士(撮影・和賀正仁)
高安(右)を突き落としで破る翠富士(撮影・和賀正仁)

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【若乃花の目】翠富士、自分のペースに相手を引き込んで7連勝 経験を無駄にせず持ち味発揮

高安(左)を突き落としで破る翠富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇7日目◇18日◇エディオンアリーナ大阪

高安の強烈な、かち上げからの突き押しにも翠富士の下半身は盤石でした。余裕をもって右からタイミングよく突き落としました。高安は当たっているようで当たっていない。的が小さいから当たりにくかったのでしょうが、それでも1発で持って行かれない強さが翠富士はありました。

翠富士の今場所の相撲には、前場所までの経験を無駄にしなかったことを感じさせます。持ち味は、あの右からの肩透かし。ただ、右を深く差すと小兵だけに腕を引っ張り込まれて、きめられてしまう苦い経験もしてきました。それを踏まえ、右は差しきるまではしないで、一方で左をうまく使って警戒をそらしています。それも単なるフェイントではなく、左からも攻めることを覚えました。相手の脇の下に手を入れたり、持ち上げたり引いたりと、自由自在に操っているから相手は「肩透かしに来るんじゃないのか?」と迷うし怖さもある。自分のペースに相手を引き込んでの7連勝です。

横綱、大関が不在で、さすがに「重さ」を感じることが難しい土俵です。あらためて貴景勝1人がいるだけで土俵が締まるんだと思い知らされた上に、その貴景勝もいなくなり、この状況に慣れなければいけないのは正直、寂しいです。翠富士には、そんな感情を吹き飛ばすような活躍に期待します。(日刊スポーツ評論家)

高安(手前)を突き落としで破る翠富士(撮影・和賀正仁)
高安(左)を突き落としで破った翠富士(撮影・鈴木正人)
高安(右)を突き落としで破る翠富士(撮影・和賀正仁)
高安(手前)を突き落としで破る翠富士(撮影・和賀正仁)

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貴景勝が休場届 夏場所は綱とり一転6度目のかど番「再出場はしない。治療に専念」常盤山親方

御嶽海に敗れ悔しそうな表情で土俵を引き揚げる貴景勝(2023年3月17日撮影)

〈大相撲春場所〉◇7日目◇18日◇エディオンアリーナ大阪

先場所で優勝した大関貴景勝(26=常盤山)の今場所での綱とりが、完全に消滅した。

春場所7日目の18日、日本相撲協会に「左膝内側半月板損傷」の診断書とともに休場届を提出した。前日6日目まで3勝3敗。師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は「再出場はしない。中途半端なことはせず、治療に専念させる」とし、残り全て休場の見通し。負け越しとなり、5月の夏場所(東京・両国国技館)は綱とりから一転、6度目のかど番で迎える。今場所は初日から横綱照ノ富士が休場しており、これで昭和以降では初めて横綱、大関が不在となった。

常盤山親方は「3日目の正代戦で痛め、6日目の御嶽海戦が長引いたことで悪化した。昨夜(17日夜)8時ごろ、治療から戻って私の部屋に来て『休場させてください』と言ってきた」と説明した。4日目から左膝にテーピングを施して出場。「本人はずっと『痛い』とは言わなかった」としたが、4日目以降の朝稽古は軽めだった。

初めて綱とりに挑戦した21年初場所は、左足首を痛めて途中休場した。場所前、場所中を含め、今月は取材に応じず土俵に集中していたが、またしても故障に泣かされることになった。今後は治療を最優先。4月2日から始まる春巡業は回復具合によって判断する。常盤山親方は「普通に振る舞っていたけど残念にきまっている。5月は自分の相撲を思い切って取れることを期待したい」と、弟子の復活を願った。7日目に対戦を組まれていた錦木は不戦勝となった。

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昭和以降では初の横綱、大関不在の非常事態に「親方衆が頑張って育てなければ」八角理事長

協会あいさつする八角理事長(2023年3月12日撮影)

<大相撲春場所>◇7日目◇18日◇エディオンアリーナ大阪

昭和以降では初となる横綱、大関不在の非常事態に、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は部屋の枠を超えた親方衆の奮起に期待した。

大関貴景勝(26=常盤山)の休場には「ケガを治して次の場所に万全の体勢で出られるようにしてほしい」と話した上で「ケガをしたのは仕方ない、ではなくケガをしない体を作ってほしい。横綱になったら、もっと苦しくなるんだから」と注文も出した。綱とりの出直しには「精神的にしっかりして責任感もあるから、そこは心配していないし期待している」と再挑戦を望んだ。

番付上で125年ぶりに1横綱1大関になった先場所に続き、今場所も照ノ富士、貴景勝が屋台骨を支える事態だが、ついにその2人が休場し、結びの一番を3人の関脇で回す異様な土俵となった。次期横綱、大関が待望されるが、時間を要するところ。ただ八角理事長は「親方衆が頑張って指導して横綱、大関を育てなければいけない」と話した上で、それは数年先を見据えてのことかと問われると「今すぐです。三役は大関に一番近い」とし、さらに「それから2、3年後には(今場所3人いる)新入幕もいる」と話した。

その指導についても「巡業では(部屋の枠を超えて)みんなで指導できる。それは伝統ですから」と、協会全体で一致団結して横綱、大関を育てることに期待。今場所の力士には「気力を出して内容的にはいい相撲を取っている。その中で突き抜ける人が出てきてほしい」と願った。

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「荒れる春場所」幕内最軽量の翠富士7連勝単独トップ、高安との60キロ差「全勝対決」制す

高安(左)を突き落としで破る翠富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇7日目◇18日◇エディオンアリーナ大阪

平幕の「全勝対決」は幕内最軽量力士に軍配が上がった。西前頭5枚目の翠富士が同7枚目の高安を突き落とし、初日からの連勝を7に伸ばした。117キロの翠富士に対し、高安は177キロとその差60キロ。体重差をものともしない力強い相撲で勝利した。

同じく6連勝だった小結大栄翔は、若元春の突き落としに敗れて初黒星。「荒れる春場所」で翠富士が単独トップに立った。

大関貴景勝の休場で出場力士の番付最上位となった関脇陣は豊昇龍が竜電を肩すかしで破り、4勝3敗と白星を先行させた。若隆景は阿武咲を寄り切って2連勝。霧馬山は琴ノ若に敗れて3敗目となった。

高安(左)を突き落としで破る翠富士(撮影・鈴木正人)
高安(左)を突き落としで破った翠富士(撮影・鈴木正人)
高安(右)を突き落としで破る翠富士(撮影・和賀正仁)
高安(手前)を突き落としで破る翠富士(撮影・和賀正仁)
懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる翠富士(撮影・鈴木正人)

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綱とりの貴景勝休場「左膝内側半月板損傷」6日目敗れ3敗目 横綱、大関不在の「異常事態」に

御嶽海に敗れ土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)

大相撲の大関貴景勝(26=常盤山)が春場所7日目の18日、日本相撲協会に休場届を提出した。「左膝内側半月板損傷」の診断書を提出。3日目の正代戦で勝利した後に左脚を気にするそぶりを見せており、その取組で痛めたとみられる。翌4日目から左膝にテーピングを施して臨んだが、前日6日目に御嶽海に押し出されて3敗目を喫した。

今年初場所、12勝3敗で3度目の優勝を飾った。ご当所の春場所で挑んだ綱とりだが、無念の結果となった。横綱照ノ富士が初日から休場。先場所に続いて1人大関の責任を背負っていた。これで横綱、大関が不在となり、昭和以降初の異常事態となった。

貴景勝の休場は昨年初場所以来9度目。7日目の対戦相手、錦木は不戦勝となる。このまま再出場せずに負け越せば、夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)は綱とりから一転、6度目のかど番で迎える。

御嶽海に敗れ土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)
御嶽海(右)に押し出しで敗れる貴景勝(撮影・和賀正仁)
御嶽海(右)に押し出しで敗れる貴景勝(撮影・和賀正仁)
御嶽海に敗れ悔しそうな表情で土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)

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貴景勝、痛恨3敗目で綱とり崖っぷち 左膝負傷の影響大きく「もう負けられない状況」粂川審判長

御嶽海(右)に押し出しで敗れる貴景勝((撮影・和賀正仁)

<大相撲春場所>◇6日目◇17日◇エディオンアリーナ大阪

綱とりに挑む大関貴景勝(26=常盤山)が、崖っぷちに立たされた。

御嶽海に押し出されて痛恨の3敗目。立ち合いこそ力強く当たって前に出るも、押し切れずに後退し、最後は力なく土俵を割った。綱とりに向け、負けられない状況だったが、テーピングを巻く左膝の負傷の影響は大きいようだった。花道を引き揚げる際には悔しそうに顔をゆがめ、取組後のリモート取材には初日から続いて応じなかった。

6連勝でトップに付ける小結大栄翔、翠富士、高安の3人とは3差に広がり、場所後の横綱昇進は限りなく厳しい状況に追い込まれた。幕内後半戦の粂川審判長(元小結琴稲妻)は「足のせいもあるのか押し切れていない。もう1つ、2つ足が出ていない」とテーピングを巻く左膝を不安視。「まだ優勝しないとも限らないが、厳しいと言えば厳しい。もう負けられない状況。今後を見守りたい」と続けた。

御嶽海(右)に押し出しで敗れる貴景勝((撮影・和賀正仁)
御嶽海(左)に押し出しで敗れる貴景勝((撮影・和賀正仁)
御嶽海に敗れ土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)
御嶽海に敗れ土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)
御嶽海に押し出しで敗れ、引き揚げる貴景勝(撮影・和賀正仁)

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3敗貴景勝に八角理事長「明日から頑張らないと」舞の海氏は「千秋楽まで持つか…」

御嶽海に敗れ土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇6日目◇17日◇エディオンアリーナ大阪

3日目に左膝を痛め、試練の土俵が続く綱とり大関の貴景勝(26=常盤山)が、痛恨の3敗目を喫し横綱昇進へ崖っぷちに立たされた。

過去の本割で12勝12敗と五分で、大関経験者の御嶽海(30=出羽海)と対戦。立ち合いこそ踏み込んで相手を押し込んだかに見えた貴景勝だが、御嶽海の圧力に土俵中央へ戻された。その後も激しい押し合いとなったが、やはり膝に力が入らないのか、相手に馬力が伝わらず、小刻みなものを含めば4度も引いた。土俵際に押し込まれ、5度目の引きで万事休す。右足から土俵を割った。

不安的中に、報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「明日からまた頑張らないといけない」と短評した。取組前には「速い相撲を心掛けるべき」と心構えを説いていたが、やはり時間を要し、左右にも動かされては膝が悲鳴をあげても致し方なかった。

NHKテレビの大相撲中継で解説を務めた元小結の舞の海秀平氏も、綱とり大関の6日目での3敗目という非常事態に「綱とりが一転して千秋楽まで持つか」と、休場の可能性にまで言及していた。

御嶽海に敗れ悔しそうな表情で土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)
御嶽海(右)に押し出しで敗れる貴景勝((撮影・和賀正仁)
御嶽海(左)に押し出しで敗れる貴景勝((撮影・和賀正仁)
御嶽海に押し出しで敗れ、引き揚げる貴景勝(撮影・和賀正仁)
御嶽海に敗れ土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)

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綱とりの大関貴景勝3敗目、状況さらに厳しく 大栄翔、翠富士、高安が6連勝 春場所6日目

御嶽海(右)に押し出しで敗れる貴景勝((撮影・和賀正仁)

<大相撲春場所>◇6日目◇17日◇エディオンアリーナ大阪

綱とりの大関貴景勝は、大関経験者の御嶽海に押し出されて3敗目を喫した。全勝のトップとは3差に開き、さらに厳しい状況に追い込まれた。

小結大栄翔は琴ノ若に攻め込まれながら、土俵際で逆転の突き落としを決めて負けなしの6連勝とした。

幕内最軽量117キロの西前頭5枚目翠富士が、相撲巧者の遠藤を得意の肩すかしで破り、自身の最多連勝を「6」に更新した。

西前頭7枚目の高安は一山本に攻め込まれながら、冷静な攻めで最後は右からの下手投げで6連勝。7日目は翠富士との「全勝対決」が組まれた。

御嶽海(右)に押し出しで敗れる貴景勝((撮影・和賀正仁)
御嶽海(左)に押し出しで敗れる貴景勝((撮影・和賀正仁)
御嶽海に敗れ土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)
御嶽海に敗れ悔しそうな表情で土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)
御嶽海に敗れ土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)
御嶽海に押し出しで敗れ、引き揚げる貴景勝(撮影・和賀正仁)

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貴景勝3敗目喫し綱とりに暗雲、大関経験者の御嶽海に苦杯 中盤戦の出鼻くじかれ崖っぷちに

御嶽海に敗れ悔しそうな表情で土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇6日目◇17日◇エディオンアリーナ大阪

綱とりに挑む大関貴景勝(26=常盤山)が、崖っぷちに立たされた。御嶽海(出羽海)に押し出しで敗れ、3敗に後退した。中盤戦に入り白星を積み重ねていきたかったが、出鼻をくじかれた。

貴景勝は初日に小結翔猿に敗れたが、2日目に玉鷲に快勝。星を五分に戻し、3日目に大関経験者の正代を撃破し2連勝。ただ、正代戦後の花道に引き揚げる際には左脚を引きずるような姿を見せた。4日目の阿炎戦では左膝にテーピングを巻いて出場するも、阿炎のいなしについていけず土俵を割り手痛い2敗目を喫した。綱とりに向けて暗雲がたれこめる中で、5日目の竜電戦では力強い攻めで意地を見せていた。

横綱昇進には「2場所連続優勝もしくは、それに準ずる成績」という横綱審議委員会の内規があり、2場所連続優勝なら場所後の横綱昇進は濃厚という状況。

場所前の会見では「ここで後悔するようなことだったら、もう一生忘れないと思う。それだけはしたくない」と強い決意をにじませていた。厳しい戦いが続く。

御嶽海(右)に押し出しで敗れる貴景勝((撮影・和賀正仁)
御嶽海(右)に押し出しで敗れる貴景勝((撮影・和賀正仁)
御嶽海(左)に押し出しで敗れる貴景勝((撮影・和賀正仁)
御嶽海に押し出しで敗れ、引き揚げる貴景勝(撮影・和賀正仁)
貴景勝(2023年3月15日撮影)
御嶽海に敗れ土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)
御嶽海に敗れ土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)

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貴景勝2敗守る、浅香山審判長も評価「良い相撲」 5日目2敗から横綱昇進した朝汐再現狙う

懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇5日目◇16日◇エディオンアリーナ大阪

綱とりに挑む大関貴景勝(26=常盤山)が不安を払拭するかのような強気な攻めで2敗を守った。

前日に続き左膝にテーピングをした中で、立ち合いから力強く当たり、電車道で竜電を押し出した。幕内後半戦の浅香山審判長(元大関魁皇)は「相手を見て押して、突いていった。良い相撲ですね」と評した。

年6場所制が定着した1958年(昭33)以降で横綱昇進した29人のうち、綱とり場所の5日目終了時点で2敗した力士は59年春場所の朝汐(のちの3代目朝潮)のみ。朝汐はそこから負けなしの10連勝を飾り、13勝2敗(優勝次点)で場所を終えた。序盤戦3勝2敗と再び白星先行とした貴景勝。朝汐の再現を狙う。

竜電(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)
竜電(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)
竜電(左)を押し出しで破る貴景勝(撮影・和賀正仁)
竜電(左)を押し出しで破る貴景勝(撮影・和賀正仁)
竜電(左)を押し出しで破る貴景勝(撮影・和賀正仁)
竜電(左)を押し出しで破る貴景勝(撮影・和賀正仁)
竜電(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)

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迷わず押しに徹した貴景勝に「『これしかない』という気持ちでしょう」八角理事長が心中察する

竜電(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇5日目◇16日◇エディオンアリーナ大阪

綱とり大関の貴景勝(26=常盤山)が、左膝の負傷で不安視される中、持ち前の押し相撲で快勝し、連敗は免れ3勝目(2敗)を挙げた。右の上手狙いで立った平幕の竜電(32=高田川)を電車道で押し切り、わずか2秒1で押し出した。

勝った3日目の正代戦で左膝を痛め、前日4日目は阿炎の引き技に屈した。白い包帯に巻かれた左膝に爆弾を抱える手負いの状態で、報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は取組前に「竜電は(立ち合いで)胸を出してくるわけではないし、体も柔らかいから、貴景勝は足を送れないと、はたかれたりする」と思い切り踏み込めるかを勝負のポイントに挙げていた。さらに「土俵に上がったら(ケガなど)何も考えない方がいい。考えたら相撲を取れない」。竜電に勝機があるとすれば、貴景勝の立ち合いの当たりを止められるかにあり、さらに「相手(貴景勝)の足が悪いことは分かっているから、より残れる」とケガを抱えて臨む劣勢さも察した。

勝負は、あっけないほどの貴景勝の快勝。集中して自分の相撲に徹した貴景勝の心中を、同理事長は「『これしかない』という気持ちでしょう」と察した上で「(この先も)大変だけど頑張るしかない」と話した。

懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)
竜電(左)を押し出しで破る貴景勝(撮影・和賀正仁)
竜電(左)を押し出しで破る貴景勝(撮影・和賀正仁)

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貴景勝は連敗せず、不安払拭 大栄翔、翠富士、高安、錦富士が5連勝 春場所5日目

懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇5日目◇16日◇エディオンアリーナ大阪

綱とりの大関貴景勝は竜電を立ち合いから電車道の押し出しで3勝目をあげた。この日も左膝にテーピングを施して臨んだが、不安を払拭する快勝。横綱昇進に向けて厳しい状況は続くが、序盤戦を3勝2敗で終えた。

小結大栄翔は好調の正代もはじき飛ばして5連勝を飾った。初日から5連勝は優勝した21年初場所以来。

平幕では大関経験者の高安、伊勢ケ浜部屋の翠富士と錦富士も負けなしの5連勝とした。

初日から白星を重ねた新入幕の北青鵬は、十両で勝ちっぱなしの逸ノ城に初黒星を喫した。

正代(左)を攻める大栄翔(撮影・鈴木正人)
懸賞金を手に土俵を引き揚げる翠富士(撮影・鈴木正人)
宇良(左)を突き落としで破る高安(撮影・鈴木正人)
平戸海(右)を上手投げで破った錦富士(撮影・鈴木正人)
逸ノ城(左)に寄り切りで敗れた北青鵬(撮影・鈴木正人)

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