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比嘉に挑む西田凌佑が会見「ベルト持って帰りたい」

4戦目で元世界王者比嘉に挑む西田(撮影・実藤健一)

元WBC世界フライ級王者で、WBPアジアパシフィック・バンタム級王者比嘉大吾に挑む日本スーパーバンタム級6位の西田凌佑(24=六島)が29日、大阪市内の所属ジムで会見した。

近大ボクシング部出身の西田はプロで3戦無敗(1KO)。4戦目でビッグマッチに挑む。「4戦目でもらえたチャンス。しかも相手は比嘉選手でモチベーションは上がっている。しっかり練習してベルトを持って帰りたい」と意気込みを示した。

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高安、苦手正代に破れ2敗目/11日目写真特集

<大相撲春場所>◇11日目◇24日◇東京・両国国技館

大関復帰を目指す関脇照ノ富士が勝ち越しを決めた。隆の勝との関脇対決。立ち合い、突き放したい相手の右腕をたぐって半身にすると素早く左上手を取って一気に寄り切った。

序二段で復帰した19年春場所から12場所連続の勝ち越し。大関復帰の勝ち星の目安、三役で3場所合計33勝にもあと1勝と“王手”をかけた。

優勝争い単独トップの小結高安は、7連敗中と苦手の大関正代に突き落とされて2敗目を喫した。

大関朝乃山が勝ち越して3敗を守った。照ノ富士、平幕の翔猿と3人が1差で高安を追う展開となった。

大関貴景勝は霧馬山を突き出して7勝目とし、かど番脱出に王手をかけた。


英乃海寄り切り千代翔馬

☆英乃海「先に上手を取られたが、攻めることができてよかった。最近、ここ何場所かとったりとかで負けていたんで、手をあまり出さないよう気をつけていきました」

英乃海(左)は寄り切りで千代翔馬を破る(撮影・小沢裕)


照強寄り切り魁聖

照強(左)を寄り切りで破る魁聖(撮影・河田真司)


豊山押し倒し碧山

★豊山「くっついて前に出たかったが、強引なやつにやられた。体は動いている。まだまだ終わったわけじゃないんで残り4日、必死に相撲とりたい」

碧山(手前)に押し倒しで敗れる豊山(撮影・河田真司)


明瀬山寄り切り剣翔

★明瀬山「うまくやられました。相手が上手でした。結構疲れてますけど、みんな疲れてるんで。毎場所、こんな感じですね。いつも疲れてます」

剣翔(左)に寄り切りで敗れる明瀬山(撮影・河田真司)


千代の国寄り切り大奄美

千代の国を押し出しで破り、勝ち名乗りを受ける大奄美(撮影・河田真司)


琴恵光突き落とし翔猿

琴恵光(右)を突き落としで破った翔猿(撮影・丹羽敏通)

琴恵光(右)を突き落としで破った翔猿(撮影・丹羽敏通)


琴ノ若寄り切り竜電

琴ノ若を寄り切りで破り、土俵から引き揚げる竜電(撮影・河田真司)


翠富士押し倒し

翠富士(右)を押し倒しで破る輝(撮影・河田真司)

翠富士(左)を押し倒しで破った輝(撮影・丹羽敏通)


栃ノ心叩き込み千代大龍

☆栃ノ心「落ち着いていますけど、なかなか勝てないね。(体は)厳しい状態になってきたがあと4日、頑張ります。(鶴竜の引退に)何度も胸を借りたし、対戦もした。私と同じ年代の人が辞めていくのは寂しいけど、いずれその時期がくるんでしょうね」

千代大龍(右)をはたき込みで破る栃ノ心(撮影・河田真司)

千代大龍(左)をはたき込みで破った栃ノ心(撮影・丹羽敏通)


豊昇龍掬い投げ隠岐の海

☆豊昇龍「いい感じで当たったけど、すぐに差された。親方からも「差されないように」言われていたけど、勝って本当によかった。(引退の鶴竜に)場所に来て知ってびっくりした。合同稽古でも胸を出してもらったし、感謝いっぱい。その気持ちを持って、頑張っていきたい」

豊昇龍(手前左)はすくい投げで隠岐の海を破る(撮影・小沢裕)


明生寄り切り逸ノ城

☆明生「集中して攻めることができた。どんどん調子が上がってきていると思う。(引退した鶴竜について)巡業でよく稽古を見ていただいて、声をかけていただいた横綱でした。(自分が)無理して稽古する場面が多かったので、そういうところをちゃんと見てくれて体を大事にしなさいと言われた。休むのも稽古のうちと言われた。1回対戦して負けているので、次はという思いはずっとありました」

明生(左)は寄り切りで逸ノ城を破る(撮影・小沢裕)


玉鷲押し出し若隆景

玉鷲(右)を押し出しで破る若隆景(撮影・河田真司)


宝富士押し出し志摩ノ海

☆宝富士「今日は気合入りました。昨日取組が終わって家帰ったら(近大で同期の)徳勝龍からラインがきた。『お互い星が上がっていないので頑張ろうよ』ときたので気合が入った。後半頑張って少しでも白星を伸ばせたら。(鶴竜引退について)自分がとやかく言うことじゃないが、苦しいところもあったんじゃないか。お疲れさまですと言いたいです」

志摩ノ海(左)を押し出しで破る宝富士(撮影・河田真司)


阿武咲突き落とし大栄翔

阿武咲(右)を突き落としで破る大栄翔(撮影・河田真司)

阿武咲(右)を突き押しで攻める大栄翔(撮影・小沢裕)


北勝富士押し出し御嶽海

☆北勝富士「(御嶽海には)連敗だったけど、ここで勝つことができて良かった。(22日に第1子となる長男が誕生)まだ実感はわかないけど、場所が終わったら(母子ともに)帰ってくる。そのときに実感というか、責任感が増すと思う」

御嶽海(右)を攻める北勝富士(撮影・河田真司)


照ノ富士寄り切り隆の勝

☆照ノ富士「(立ち合い相手の右をたぐる)狙ってはないけど、たまたまそういう形になった。とりあえず33勝、そこから一番一番集中して頑張っていきたい。(同じモンゴル出身の鶴竜が引退したことについて)新弟子の頃からかわいがっていただいた。昔から尊敬していた横綱。最後にこうやって上がってきて、もう1度(鶴竜と)相撲を取りたいという気持ちはありました。それは残念。何事も真面目に取り組む横綱で、自分が言うのもあれだけど(鶴竜の取り組みから刺激を受けて)自分でもやらないといけないなという気持ちになった。寂しいけど、次の世代の自分らが頑張らないといけない」

隆の勝(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・河田真司)


正代突き落とし高安

☆正代「立ち合いから左がのぞいて、勢いを相手に伝えられてよかった。(単独トップの高安への意識は)あまりそういう意識はなかった。思い切り圧力をかけられる立ち合いができるようにだけです。踏み込んで前に持っていく相撲がとれたんで、残り4日にいい影響が与えられると思う」

正代(左)に突き落としで敗れる高安(撮影・河田真司)

高安を突き落としで破った正代(撮影・丹羽敏通)


貴景勝突き出し霧馬山

☆貴景勝「一生懸命やることしかないので、とにかく集中して取りたいと思っている。(鶴竜が引退)知らなかったです。いま知ったので、簡単に(言葉は)出てこないけど、巡業で横綱が一生懸命体を動かしていたら自分たちもやらなきゃと思う。言葉ではなくて、いろんなものを勉強させてもらいました」

霧馬山(右)を突き出しで破る貴景勝。土俵下中央は朝乃山(撮影・河田真司)

霧馬山を突き出しで破った貴景勝(撮影・丹羽敏通)


妙義龍寄り切り朝乃山

朝乃山(左)は寄り切りで妙義龍を破る(撮影・小沢裕)

朝乃山に敗れ、土俵から引き揚げる妙義龍(撮影・河田真司)

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近大で活躍の長内ら春場所の新序出世力士37人発表

日本相撲協会は春場所10日目の23日、近大で活躍した長内(高砂)ら今場所の新序出世力士37人(再出世4人を含む)を発表した。

夏場所(5月9日初日、両国国技館)から番付にしこ名が載る。今場所は前相撲が実施されず、全員が一番出世。出世披露は夏場所初日に行われる。卒業式出席の新弟子が多く、新型コロナウイルス感染対策による措置。

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朝乃山1敗死守「3日間はふがいない相撲だった」

若隆景(左)を寄り切りで破る朝乃山(撮影・河田真司)

<大相撲春場所>◇6日目◇19日◇東京・両国国技館

朝乃山(27=高砂)が大関でただ1人、1敗を死守した。2大関を破っている若隆景に得意の右を差し込み、前に圧力をかけながら左上手も取る盤石の相撲で寄り切った。

「しっかり当たって前に出られたと思う。(初日から)3日間はふがいない相撲だった。切り替えて自分の相撲がとれた」

最初の3日間は本来の出足が発揮できず、押し込まれて土俵際で逆転のパターンが続いた。ふがいなさを最も感じていたのが大関自身だった。

近大出身の朝乃山は「大阪は第2の故郷」という。年に1度、大阪開催の春場所は今年、東京開催に変わった。応援してくれる大阪の知人から「寂しい気持ちという連絡をもらった」。その分、「テレビの前で応援してくれる人もいると思うんで、その期待に応えたい」と力をこめた。

早くも全勝が消え、1敗は優勝争いのトップ。相撲内容も向上してきただけに「明日からも自分の相撲を取りきって頑張っていきたい」と誓った。

朝乃山(左)は若隆景を寄り切りで破る(撮影・柴田隆二)

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赤井英和の長男がプロ転向 父の夢継ぎ世界王座狙う

帝拳ジムからプロデビューすることになったミドル級の赤井英五郎

「浪速のロッキー」と呼ばれた元プロボクサーの俳優赤井英和(61)の長男英五郎(26)が15日、名門・帝拳ジムからプロデビューすることを表明した。アマチュアで目指した東京オリンピック(五輪)出場の可能性が19年に消滅。父が歩んだ道を追うようにプロ転向を決断した。今年の東日本ミドル級新人王にエントリーし、プロデビューする予定。大けがで引退を余儀なくされた父が届かなかった世界王座獲得を将来的な目標に掲げた。

   ◇   ◇   ◇

父譲りの強打を誇る赤井がプロ転向する。アマで目指していた東京五輪の夢が19年11月の全日本選手権で絶たれると、すぐプロ転向への気持ちがわき上がったという。「ボクシングを続けたい気持ちだった。いずれプロになろうと思っていた」。19年に左足アキレス腱(けん)を断裂し、20年2月には左手首の手術を受けたため、昨年は治療に専念。アマ時代から練習で通っていた名門・帝拳ジムを所属先に選択し、満を持して今年からプロボクサーとしての活動を開始する。

父からボクシングの指導を受けたことはないが、自宅に地下トレーニングルームを設置してくれるなどのサポートを受けている。赤井は「父は子供ではなく一個人として見てくれている。プロ転向の反対もなかった」と振り返る。今年の全日本新人王のミドル級にエントリーし、プロデビューする予定。「相手は誰でもいい。新人王を取りにいきたい」と父も獲得した称号を狙う。

「父は20歳でデビューし25歳でプロを引退、自分はアマですが20歳でデビューし25歳でアマを辞めて、重なる部分がある」。父は2度目の世界挑戦を目指した前哨戦でKO負けし、急性硬膜下血腫で重体となって現役引退を余儀なくされた。なし得なかった夢を継ぐように赤井は「ボクシングを始めるからには『世界』と思っていた。世界王者になりたい。プロの自覚を持って帝拳ジムでやりたい」と決意を示した。

プロで最初の目標は父がマークした12連続KO勝利を設定した。赤井は「KO記録は身近な目標としてわかりやすい。13連続KOができたら新しい目標も出てくる。自分は(中量級の名王者)ハグラーやデュランのようなオールドスタイルが好き。倒せるのが1番。ボディーで倒してみたい」と目を輝かせた。ファイタースタイルの強打に磨きをかけ、プロデビュー戦に備える。【藤中栄二】

○…大阪市出身の父赤井英和は、浪速高でボクシングを始め高校総体優勝。近大に進学したが日本がボイコットした80年モスクワ五輪の最終選考で落選。その後、大阪の三和ツダジム(後のグリーンツダジム)からプロ転向した。好戦的なスタイルと強打を武器にデビュー以来12連続KO勝利の快進撃で、“浪速のロッキー”と呼ばれて絶大な人気を誇った。83年にWBC世界スーパーライト級王者ブルース・カリー(米国)に初挑戦して7回TKO負け。再起したが、85年に世界再挑戦のための前哨戦で大和田正春に7回KO負けを喫し、脳出血を起こして意識不明の重体となった。緊急手術を受けて一命を取り留めたものの、引退を余儀なくされた。その後、俳優としてドラマや映画で活躍している。

○…赤井の前妻の次女赤井沙希(34)は、DDTで人気プロレスラーとして活躍している。174センチのスラリとした長身で、10代で芸能界デビューして、06年には旭化成のキャンペーンモデルに抜てきされるなどモデル、タレントとしても活躍。13年8月のDDT両国大会でプロレスデビューし、14年のプロレス大賞で女子初の新人賞を受賞した。得意技はケツァル・コアトル。

◆赤井英五郎(あかい・えいごろう)1994年(平6)9月22日、東京・世田谷区生まれ。小、中学校とラグビー、米ハワイで過ごした高校時代はアメリカンフットボールを経験。米カリフォルニア州ウィディア大に進学し、20歳の時、ボクシングを開始。16年に大学を一時休学し、日本で本格的に東京五輪を目指す。18年全日本社会人選手権ミドル級優勝。アマ戦績は8勝(4KO)6敗。通常体重は77キロ。身長179センチの右ファイター。

サンドバッグ打ちする赤井英五郎
ミット打ちに取り組むミドル級の赤井英五郎(左)
大和田正春の鋭い左フックを浴びマットに沈む赤井英和(右)。赤井はそのまま脳挫傷で意識不明となり病院に搬送された(1985年2月5日)
ファイティングポーズをみせる赤井英和(1982年2月)
DDTプロレスで世死琥(左)にボディーアタックを見舞う赤井沙希(19年7月15日)

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朝乃山が白星も反省「優勝したい」大関初Vに意欲

宝富士(左)を突き落としで破る朝乃山(撮影・小沢裕)

<大相撲春場所>◇初日◇14日◇東京・両国国技館

朝乃山が大関での初優勝に意欲をたぎらせた。

近大の先輩、宝富士を突き落として初日白星。「反応よく突き落とせたが、(相撲内容は)反省しないといけない。まだ初日なんでいい方向に持っていきたい」。かど番の先場所は11勝4敗。「優勝したいですね。優勝しないと先に進めない」と高みを求めていく。

宝富士を突き落としで破り、懸賞金の束を手にする朝乃山(撮影・河田真司)

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白鵬が大栄翔を下す 照ノ富士は大関復帰へ好発進

懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる白鵬(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇初日◇14日◇東京・両国国技館

4場所連続休場明けの横綱白鵬が、先場所覇者の小結大栄翔を下して白星発進した。張り差しから一気に寄り倒し。土俵際で突き落とされかけたが、鋭い踏み込みで寄り倒した。

再起を期した1月の初場所は、場所前に新型コロナウイルスに感染した影響で休場。大栄翔には昨年7月場所で敗れるなど難敵だったが、史上最多44度の優勝を誇る第一人者の意地を見せた。

今場所で大関復帰を懸ける関脇照ノ富士は、北勝富士を下手投げで下した。得意の右四つではなく左四つとなったが、下手をがっちり引いて力強く投げた。三役復帰となった昨年11月場所で13勝、先場所は関脇で11勝を挙げており、大関昇進の目安となる「三役で3場所33勝」まで残り8勝。大関復帰に向けて好スタートを切った。

3大関は明暗が分かれる結果となった。

正代は小結御嶽海に寄り倒されて初日黒星。御嶽海には先場所から2連敗となった。

朝乃山は近大の先輩でケンカ四つの宝富士を突き落とし。右を差して寄る本来の相撲ではなかったが、前傾の相手に対して冷静に体を開いて対応した。昨年11月場所を制した貴景勝は阿武咲を押し出し。立ち合いから圧倒する内容で、かど番脱出に向けて好発進した。

先場所に続いて緊急事態宣言下での開催となった今場所は、新型コロナの影響で山響部屋と尾上部屋の力士計28人が休場。十両以上では横綱鶴竜だけが初日から休場している。

北勝富士(右)を下手投げで破る照ノ富士(撮影・河田真司)
貴景勝は阿武咲(手前)を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

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近大・長内が高砂部屋入門会見「朝乃山関のように」

高砂部屋に入門する長内(右)は近大相撲部・阿部監督から花束を受け取る(近畿大学提供)

近大相撲部の長内孝樹(4年=21)が19日、東大阪市の同校で高砂部屋への入門会見に臨んだ。3月14日初日の春場所(東京・両国国技館)で初土俵の予定。

高砂親方(元関脇朝赤龍)も同席し、長内は「大相撲に行ってもここで学んだことは忘れず、頑張っていきたい」。部屋には近大の先輩、大関朝乃山が在籍する。「朝乃山関のような力強い相撲をとりたい」と目標に掲げた。

3年までは軽量級が舞台だった。大相撲入りを決めた理由について「4年になって、コロナの影響で試合がなくなっていった。小さいころからやってきた相撲をこのまま終わるのかと、不完全なしこりがずっと残っていた。大相撲でとことんやっていこうと、11月に(近大の阿部)監督と相談して決めました」。

付け出し資格はなく、下からはい上がっていく。「2年で関取が目標です」。小兵だが得意は「中学時代から磨いてきた」という出し投げ。近大の阿部監督も「相撲のうまさがある分、スピードがつけば大成していくと思う」と期待した。

昨年、55歳で急死した近大の伊東勝人前監督とは同じ青森で「中学時代から知っていて、自分にとってはもう1人の父的存在です」。得意の出し投げを「磨いていけ」と指導してくれたのも、伊東前監督だった。「活躍して監督(伊東前監督)を喜ばせたい」と誓った。

師匠の高砂親方にとっても、部屋を継承後初の新弟子となる。それだけに「自分と似ている相撲をとる部分もある。これから指導していくのが楽しみ」と顔をほころばせた。

本来なら「第2の故郷」大阪で行われる春場所も、新型コロナウイルスの影響で東京開催となる。番付の上を目指すスタート地点は、どこでも関係ない。「今までは大きい相手に大きい相撲をとっていた。それでは通用しない。スタイルを変えていきたい」。朝乃山に胸を借り、厳しい世界に立ち向かう。【実藤健一】

◆長内孝樹(おさない・こうじゅ) 1999年(平11)3月1日、青森県生まれ。五所川原農林高から近大。主な実績は18年全国学生体重別115キロ未満級優勝、19年世界相撲男子軽量級準優勝、20年西日本学生体重別無差別級優勝など。175センチ、120キロ。得意は右四つ、出し投げ。4兄弟の三男で全員が相撲経験者。

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朝乃山「優勝を狙わないと」“番付の重み”語った

春場所に向けて稽古する朝乃山(日本相撲協会提供)

1月の大相撲初場所で平幕優勝が出たことに、大関朝乃山(26=高砂)が、あらためて“番付の重み”を口にした。

朝乃山はこの日、新型コロナウイルスの影響を受け例年の大阪開催でなく東京開催になった、春場所(3月14日初日、両国国技館)に向けて稽古を再開。初場所千秋楽以来、8日ぶりにまわしを締めたこの日の稽古始めは、四股、すり足、ぶつかり稽古で汗を流した。初場所は平幕の大栄翔(27=追手風)が13勝2敗で初優勝。初のかど番で臨んだ朝乃山は両横綱不在の中で11勝4敗の“及第点”といえそうな成績だったが、本人の見立ては厳しい。「この番付でやるからには優勝を狙わないといけない。(結果を)残せたと思わないようにしないといけない」と話し、さらに平幕優勝には「番付の意味がなくなる。最高位として出ているので優勝して当たり前と思われる。結果を残さないといけない」と、賜杯をさらわれたことを悔やんだ。

昨年3月の春場所後に大関昇進を決めてから1年。近大出身で第2の故郷ともいえる、その縁浅からぬ大阪での春場所が、今年は見送られた。「(大阪で)やりたかった。残念です」と話しつつ「緊急事態宣言も出たし仕方ない。その分、国技館でしっかり自分の相撲、姿を見せられればお客さんも喜ぶと思う」と切り替えは出来ている。

コロナ禍での、つかの間の息抜きも、初場所千秋楽翌日から1週間の場所休みでできた。部屋の近場にある店に出向き「ラーメンや定食、焼き肉店とか久しぶりの外食でおいしかった」と、ささやかながら楽しんだ。ビデオや映画、ドラマ鑑賞など、部屋での過ごし方も心得てきた。両横綱が今度こそ、出場するであろう春場所に「優勝争いに残らないといけない。(そこを)目指して行かないといけない」と心技体を整えながら春場所に向かう。

春場所に向けて稽古する朝乃山(日本相撲協会提供)

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朝乃山「先生と一緒に土俵あがった」恩師命日に白星

高安を寄り切りで破り、勝ち名乗りを受ける朝乃山(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇9日目◇18日◇東京・両国国技館

大関朝乃山(26=高砂)が「大事な日」を白星で飾り、優勝争いに絡んできた。同じ3敗の小結高安を寄り切って6勝目。1年前に55歳で亡くなった恩師、元近大相撲部監督の伊東勝人さんの命日で、「国技館の上から見守ってくれた」とあらためて感謝した。西前頭筆頭の大栄翔が初黒星で優勝争いも混沌(こんとん)。大関貴景勝は7敗目で綱とりから一転、負け越し危機となった。

  ◇   ◇   ◇

いつも以上に気迫がみなぎった。立ち合い、得意の右をねじ込んだ朝乃山だが、上手は先に高安に許す。かまわず前に圧力をかけながら相手の上手を切り、逆に左上手をとって勝負を決めた。「自分の形になったので、引きつけて足を運べたと思います」。得意の右四つ。その形を磨いてくれた恩師に思いをはせた。

1年前の初場所中、未明に届いた1通のメールで訃報を知った。都内の病院に駆けつけ、伊東さんに対面した。数日前に「チャレンジ精神でいきなさい」と激励を受けたばかりだった。あまりに急な死を受け入れられず、「頭が真っ白になった」が、土俵に立つことだけが供養。10勝5敗の好成績で、続く春場所後の大関昇進につなげた。

「いろいろ考えてしまえば硬くなる。先生と一緒に自信を持って土俵に上がりました。先生の教えがあったからこそ今、プロで活躍できている」

前日8日目から土俵入りで、いつもは大阪の春場所で使用する近大から贈られた化粧まわしを着けた。「監督の命日でもあり、そういう思いもあって着けました」。大関の晴れ姿を見せられなかったことは悔い。その分、「国技館の上から見守ってくれていると思う」と恩師を思って、土俵に立ち続けている。

かど番の今場所、6日目までに3敗もここにきて初の3連勝。大栄翔に土がつき、2差と一気に優勝争いに絡んできた。「先のことは考えず1日一番。自分の相撲を取りきれば結果はついてくると思います」。恩師を思い、本来の姿を取り戻した大関が、大逆転の可能性をつないだ。【実藤健一】

▽志摩ノ海(近大相撲部出身。伊東さんの命日に6勝目)「もう1年たったのかと。しっかり白星を重ねることがたむけ。活躍して伊東監督のところに届けばと思っている」

◆近大相撲部・伊東監督の教え子 今場所の幕内では、朝乃山、宝富士、徳勝龍、志摩ノ海、翠富士(中退)が伊東監督の教え子。3月に大阪で開催する春場所前には、現役OBが近大相撲部を訪れて後輩に稽古をつけるのが恒例行事となっている。

高安(手前)を激しく攻める朝乃山。土俵下右は貴景勝(撮影・河田真司)
高安(左)を土俵際へ攻め込む朝乃山(撮影・小沢裕)
19年5月、富山商相撲部監督だった浦山英樹さんの遺影を手に、初優勝を果たした朝乃山(右)と談笑する伊東勝人さん

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宝富士が大仕事「昨日がふがいない相撲だった」

宝富士(右)にはたき込みで敗れる大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇9日目◇18日◇東京・両国国技館

33歳のベテラン、東前頭2枚目の宝富士(伊勢ケ浜)が優勝争いを盛り上げる大仕事を果たした。

初日から8連勝と突っ走る大栄翔と対戦。立ち合いから激しく突き押ししてくる相手を左のおっつけでうまくかわし、最後は抜群のタイミングではたき込んだ。「昨日(8日目)がふがいない相撲だったんで立ち合い集中していけたのがよかった」。これで大栄翔には4連勝と、合口のよさも際立った。

この日は1年前に55歳で亡くなった恩師、近大相撲部元監督の伊東勝人さんの命日だった。「1年は早いな、もうそんなになるのかと。まだ生きている感じがするので」。得意とする左四つの形を指導してくれた。「心の中に監督はいます。いい報告ができると思います」としみじみ語った。

大栄翔(手前)ののど輪に耐える宝富士(撮影・河田真司)

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宝富士2大関撃破、朝乃山を上手投げ「この調子で」

朝乃山(手前)を上手投げで破る宝富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇6日日◇15日◇東京・両国国技館

東前頭2枚目の宝富士(33=伊勢ケ浜)が、大関朝乃山を上手投げで下した。

近大の後輩に「そんなに負けてたんですか」と過去1勝7敗と圧倒されていた。けんか四つで「いつも右を差される」。この日も差し手争いで右差しを許したが、迷わず左上手をつかみ土俵際でうまく体を回しながらの投げを決めた。「体が動いてよかった。あそこは投げしかないと思った」と振り返る。

「対戦成績よくなかったんで、素直にうれしいです」。右四つ対策も「部屋には照ノ富士関とか、右四つが強い力士がいるんで」と稽古でつかんできた。4日目の貴景勝に続き、2大関を撃破し3勝3敗の五分。「いい相撲がとれている。この調子でいけたら」という味わい深いベテランが波乱を演出した。

朝乃山(手前)を上手投げで破る宝富士(撮影・鈴木正人)
宝富士(奥)に上手投げで破れ無念の表情を見せる朝乃山(撮影・野上伸悟)

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虎党徳勝龍「ホームランか三振」少年時代強打の捕手

徳勝龍

虎の横綱になる! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)と大相撲の徳勝龍(34=木瀬)が、新春の「仮想対談」を行った。近大の先輩徳勝龍は、大の阪神ファンで、黄金ルーキーにプロの世界で生き抜く秘訣(ひけつ)を伝授。期待に応えるべく佐藤輝も、1年目から大暴れを誓った。【取材・構成=実藤健一、只松憲】

   ◇   ◇   ◇

徳勝龍は生まれた瞬間から阪神ファンだった。「両親がすごいファンだったんで」。特に父順次さんはファンクラブに入会するほど熱狂的。その父に連れられ、甲子園球場にもよく通った。好きだった選手は亀山。「背番号00がめちゃかっこいいと思ってました」。

少年野球で「ホームランか三振」という強打の捕手だった。同時に地元の相撲クラブにも通った。将来は野球か相撲か。「野球は好きだったが自信がなかった。走れない。何をやったら一番いいかが相撲だった」。その視点は玄人で初場所優勝後、キャンプも始まる前から高卒ルーキー井上の長距離砲の資質を見抜き、イチ押ししていた。

近大の先輩、阪神の“男前”藤井バッテリーコーチとは共通の知人を介して知り合い、たまに食事に行く仲という。初場所の初優勝後、お祝いに藤井コーチから現役時代に使用したキャッチャーミットをプレゼントされた。そのミットを手に甲子園で「受球式」は現実的な夢だ。【実藤健一】

◆徳勝龍誠(とくしょうりゅう・まこと) 本名・青木誠。1986年(昭61)8月22日、奈良市生まれで育ちは橿原市。家族は千恵夫人。3歳から柔道、小学2年から野球を始め、相撲は4年から。少年野球は4番捕手で6年時に橿原市の大会で優勝。父順次さん、母えみ子さんも生粋の阪神ファン。明徳義塾高-近大から木瀬部屋へ。09年初場所、前相撲から初土俵。11年九州場所新十両、13年名古屋場所新入幕。20年初場所、幕尻で14勝1敗の初優勝。最高位は西前頭2枚目。183センチ、192キロ。得意は突き、押し。

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朝乃山帰省できず「違和感」白みそ雑煮思い綱とりへ

土俵入りする大関朝乃山(2020年11月8日撮影)

来年の大相撲初場所(1月10日初日、東京・両国国技館)を、初のかど番で在位4場所目を迎える大関朝乃山(26=高砂)が29日、激動だった2020年の稽古納めをした。この日は基礎運動と、若い衆にぶつかり稽古で胸を出し、稽古を締めくくった。稽古終了後、先代(元大関朝潮)から部屋を受け継いだ新師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)の「今年一年、お疲れさま。来年も頑張りましょう」の言葉と、朝乃山の3本締めで納めた。

例年通り稽古再開は年明けの1月3日から。ただ例年と違うのは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け故郷の富山に帰省できないこと。電話取材に応じた朝乃山は「違和感しかない。今回は初めて(正月も)東京にいる」と、もどかしそうに話しつつ「(部屋の)土俵もトレーニング室も空いている。体調を見ながら空いた時間は体を動かしたい」と何とかプラス思考にとらえた。11月場所を序盤で途中休場した右肩の痛みも「大丈夫。肩は動かせるし相撲を取っていても違和感はない」と今月中旬、関取衆と合同稽古した感触から手応えを口にした。

3月の春場所で大関昇進を決めたが、晴れの昇進場所となるはずだった5月の夏場所は中止。リズムを狂わされた1年を「1月は近大の先輩の徳勝龍関が優勝して刺激になり(春場所後に)大関に上げてもらって1つの目標が達成できて、そこはうれしかった。最後の最後(の11月場所)は悔しい結果で終わった(けど)」と自己評価した。

初のかど番で迎える初場所。緊張感も出るだろうが「初日になれば出てくるかもしれないけど、そのことは考えずに目の前の一番一番に集中したい」と話した。正月はいつも実家で白みその雑煮などの、おせち料理を食べていたが、それもかなわず。ただ故郷からは、ぶりなど名産品が送られており「何か(他に食したいものが)あれば後援会にお願いしたいと思う」と故郷の応援を味方に付ける。

わずかな年末年始の休みの楽しみは、大みそかの格闘技「RIZIN26大会」のテレビ観戦。元十両貴ノ富士のスダリオ剛や朝倉兄弟、那須川天心らに注目している。いまだに大関昇進披露パーティーも開けない状況だが「1つ上を目指している。来年は、もっといい年にしたい。優勝しないと綱とりは見えてこないので、そこが第一条件。(初優勝は)たまたまだと思うので、次はやっぱり実力で取らないと」と、まずは“権利取得”の2度目Vを目指す。

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翠富士が新入幕「字の大きさ違いうれしい」番付発表

翠富士(2020年11月22日撮影)

大相撲初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)の新番付が24日に発表され、新入幕の西前頭14枚目・翠富士(24=伊勢ケ浜)がリモートで会見に臨んだ。

真新しい番付表を見た感想を「一番上の段にいくと字の大きさも違ってうれしい。何が変わったか。本場所になれば違うと思うが、今は何も感じない。ただうれしいのひと言です」。16年秋場所で初土俵を踏み、足かけ5年での入幕。今年春場所の新十両から十両を4場所で通過し、「だいぶ早く上がれた。いい感じでいけました」と振り返る。

静岡県出身では磋牙司以来10年ぶり、戦後5人目の入幕となる。十両優勝を飾った11月場所後、地元に戻って焼津市役所や母校の飛龍高校などを回った。「市役所に『十両優勝おめでとう』の垂れ幕がかけられていて、応援されているんだな、と。いろんな人に声をかけてもらった。もっと声をかけてもらえるように頑張りたい」と話す。

番付を上げた要因に「体重増」を挙げた。11月場所の公式は114キロで現在は118キロという。新十両昇進時からは10キロほど増えたと言い、「持っていかれることがなくなった。いい太り方ができている」と分析。ただ、場所前の合同稽古では、まだまだ力の差を感じたという。「自分も、もっと体と作らないとと思いました。筋肉で体重を増やしたい」と話し、目標体重は「増やせるだけ増やしたい。動けなくなる1歩手前ぐらいまで」と増量計画を進めていく。

綱とりに挑む大関貴景勝は同年代で目標の1人。「(対戦を)やってみたい。下の方でも連勝すれば横綱、大関と対戦できる。今場所でかなえるぐらいの気持ちで」。そして新入幕場所の目標は「優勝、はちょっと言い過ぎなんで、2桁勝って三賞を狙いたい」と掲げた。

◆翠富士一成(みどりふじ・かずなり)本名・庵原(いはら)一成。1996年(平8)8月30日、静岡県焼津市生まれ。飛龍高から近大中退。伊勢ケ浜部屋に入門し、16年秋場所に20歳で初土俵。今年春場所新十両。11月場所、東十両2枚目で10勝5敗の優勝。171センチ、118キロ。得意は押し、肩すかし。

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翠富士が新入幕、明瀬山28場所ぶり再入幕/新番付

翠富士

日本相撲協会は24日、来年1月の大相撲初場所(10日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。

新入幕として翠富士(みどりふじ、24=伊勢ケ浜)が西前頭14枚目に名を連ねた。東十両2枚目だった先場所、10勝5敗で十両優勝の成績を収めた。伊勢ケ浜部屋からは昨年春場所の照強以来の新入幕で、静岡県出身では10年春場所の磋牙司以来、戦後5人目の幕内力士誕生。近大からは昨年夏場所の志摩ノ海以来、11人目の新入幕を果たした。再入幕は、史上4位のスロー復帰となる明瀬山(35=木瀬)が28場所ぶりに返り入幕を果たした。

既に発表されている十両昇進は、ともに新十両の納谷改め王鵬(20=大嶽)が西11枚目、白石改め東白龍(24=玉ノ井)が西14枚目の番付に名を連ねた。

昭和の大横綱大鵬の孫にあたる王鵬は、現師匠が部屋を継承後としては13年名古屋場所の大砂嵐以来、2人目の関取誕生。父は元関脇貴闘力で、新たな親子関取は昨年名古屋場所の琴ノ若親子以来、史上11組目となった。

東白龍は、玉ノ井部屋からは、現師匠が部屋を継承後としては富士東、東龍に続く3人目の関取誕生。東洋大からは18年夏場所の若隆景以来11人目の新十両で、三段目付け出しからの新十両は小柳(現豊山)、朝乃山、若隆景、木崎海に続き5人目となった。なお王鵬、東白龍ともに東京都出身で、東京都からは17年名古屋場所の翔猿以来、戦後49、50人目の関取輩出となった。

また再十両は、矢後(26=尾車)が4場所ぶり、竜虎(22=尾上)が8場所ぶりの関取復帰を決めた。竜虎は先場所、西幕下15枚目で7戦全勝。幕下力士の十両昇進の対象者が15枚目以内となった77年名古屋場所以降、西幕下15枚目で7戦全勝し翌場所、十両昇進を決めたのは90年秋場所の時津洋以来、史上2人目となった。

来年1月の初場所は、8日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。10日の初日を迎える。

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最多V伊勢ケ浜部屋「ワンチーム賞」/大相撲大賞

7月場所で幕尻優勝を果たし賜杯を手にする照ノ富士(2020年8月2日撮影)

<第9回日刊スポーツ大相撲大賞(6)>

徳勝龍の幕尻優勝に始まった今年の大相撲は、新型コロナウイルスとの闘いとなった。春場所は初の無観客。5月の夏場所は中止、7月の名古屋、11月の福岡は東京・両国国技館に変更となった。厳しい状況下でも、土俵上で多くのドラマが生まれた。今年1年、幕内を務めた力士が対象の年末恒例連載「第9回日刊スポーツ大相撲大賞」は、独自調べで発掘した好記録や珍記録を表彰する。

   ◇   ◇   ◇

各段優勝が最も多かった部屋が受賞する「ワンチーム賞」は、伊勢ケ浜部屋が受賞した。3力士が4度の各段優勝(幕内1回、十両2回、幕下1回)。宮城野部屋(幕内1回、三段目1回、序二段1回、序ノ口1回)と同数だったが、各段の“レベル”を考慮して、伊勢ケ浜部屋に軍配が上がった。幕内と十両で2回優勝して部屋を引っ張った照ノ富士(29)は「みんなが稽古を一生懸命やった結果」と胸を張った。

5年ぶり2度目の幕内優勝を果たした7月場所では、部屋の連帯感を印象づけるような“援護射撃”もあった。2敗目を喫して優勝争いから1歩後退したと思われた14日目。優勝を争っていた朝乃山を、同部屋の照強が足取りで破った。照ノ富士も「あれがなかったら優勝できていなかった」と振り返る。部屋一丸となってつかんだ賜杯だった。

ほか2度の各段優勝は、翠富士(24)が11月場所で十両優勝、錦富士(24)が春場所で幕下優勝という内訳で、近大を中退して角界入りした同級生コンビが貢献した。

錦富士は昨年秋場所で左肘を負傷して失意の中、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)から「本場所は行われるんだから、痛みがある中でもやっていく術を身につけろ」と言葉をかけられた。部屋付きの安治川親方(元関脇安美錦)や照ノ富士も、たび重なるけがを乗り越えてきた。「稽古場でも(関取と若い衆が)積極的にコミュニケーションを取るのが、うちの部屋の良さ」と錦富士。手本になる兄弟子がたくさんいる。

11月場所で十両優勝を果たし、来年1月の初場所(10日初日、東京・両国国技館)で新入幕が確実の翠富士は、豊富な稽古量が実を結んだと説明する。「他の部屋に出稽古行ったときに感じるが、これだけ“がっつり”やっているのはうちの部屋だけなんじゃないかと思う」。初場所の1カ月前でも、翠富士は申し合いで計30番は相撲を取るという。

前述の朝乃山撃破のインタビューで照強は「自分の星どうこうより、援護射撃の気持ちが強かった。伊勢ケ浜軍団として援護できれば」と語った。11月場所で好成績を残したベテラン宝富士(33)も健在。2021年も“伊勢ケ浜軍団”の存在感が増していきそうだ。【佐藤礼征】

7月場所14日目、照ノ富士と優勝を争う大関朝乃山を足取りで破りを援護射撃した照強(2020年8月1日撮影

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デビュー3戦目の西田凌佑が金星 元王者を判定圧倒

<プロボクシング:ノンタイトル戦>◇19日◇エディオンアリーナ大阪第2競技場

デビュー3戦目の西田凌佑(24=六島)が、元日本バンタム級王者大森将平(27=ウォズ)を判定3-0で下す金星をあげた。

契約56・0キロ8回戦で対戦。立ち上がりから果敢に攻めた西田が、圧倒的にジャッジの指示を得た。「負けたくないと練習から頑張ってきた。結果が出てよかった」と笑顔を見せた。

奈良・王寺工高で14年度の国体フライ級で優勝。近大に進み、全日本でベスト8とアマチュアでキャリアを積んだ。とはいえ、相手はプロ25戦目=21勝(16KO)3敗(試合前)とキャリアは桁違い。その中で冷静に試合を運び、勝ちきった。

来年の目標には「日本王者になりたい」と力強く掲げた。

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朝乃山「感覚、動作取り戻したい」20番とって2敗

朝乃山(20年12月8日撮影)

来年の大相撲初場所(1月10日初日、東京・両国国技館)を、初のかど番で在位4場所目を迎える大関朝乃山(26=高砂)が14日、精力的な稽古を行った。

10日に、約1カ月ぶりに土俵に入り相撲を取る稽古を行った際は、幕下4人を相手に10番取って再起へのスタートを切ったが、この日は20番。1時間半ほど基礎運動で汗を流した後、重さのある村田(26=東幕下12枚目)を連続で押し出すと、深井(23=東幕下12枚目)にも投げで連勝。5番目に対峙(たいじ)した近大同期で関取経験のある朝玉勢(27=西幕下27枚目)に寄り、押しで連敗したが、その後は寺沢(25=西幕下4枚目)を含め危なげなく14連勝。18勝2敗で終えた。

前日は稽古休みということも精力的な稽古に拍車を掛けた。この日は、右四つにこだわらない取り口も目立ったが「左を差しても前に出ていった。止まって形を作ることもあるし、自分の形が有利であれば体ごと前に持っていくこともある。(本場所では)土俵際で突き落としとかもあるので、しっかり頭に入れておかないといけない」と本場所を見据えて頭も実戦モードに入ったようだ。11月場所は、右肩三角筋挫傷で3日目から休場。回復具合は「徐々に痛みにも慣れてきて大丈夫だと思う」と話した。

11月場所は序盤からの休場とあり、相撲勘も取り戻したい。そこも「1カ月ぐらい空いていたので、1日でも早く相撲の感覚、動作を取り戻したいし、戻さないと相撲を取れない。戻していけば(相撲の)流れも体が思い出して(相撲を)取れると思う」と意識付けも明確にしているようだ。

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朝乃山「自分も頑張らないと」近大後輩の活躍も刺激

ぶつかり稽古で若い衆に胸を出す朝乃山(右)

来年の大相撲初場所(1月10日初日、東京・両国国技館)を、初のかど番で在位4場所目を迎える大関朝乃山(26=高砂)が8日、報道陣の代表取材に応じた。

11月場所は、右肩三角筋挫傷で3日目から休場した。この日は午前8時前には稽古場に下り、同10時まで稽古。四股から始まり、ゴムチューブを使って肩を動かした。さらに「組み相撲なので差し手だと思って腕を返して」(朝乃山)と10キロのダンベルを使って、かいなを返すような動きを繰り返し回復具合を確認。そのダンベルを持ってのすり足、幕下力士相手にぶつかり稽古で胸を出し最後は、てっぽうで汗を流した。

前回の取材対応は11月30日。その際にも話していたように「日常生活で痛みはない。焦りは少しあるけど来場所はかど番。徐々にやっていく」と焦りはない。相撲を取る稽古も10日に病院で診察があるが「治療して痛みも治ってきて、もう取れると思う」と早ければ今週末から再開の見込みだ。四股に割く時間が多かったことには「上半身が出来ない分、下半身を(強化)。(11月)場所中もやっていた」と復帰への始動は早かった。最初は上がらなかった肩も「今は大丈夫」と自己診断した。

秋場所後の10月に行われた合同稽古は欠席したが、今月中旬から、やはり両国国技館内の相撲教習所で行われる合同稽古に、今回は参加する予定だという。

6日にあった相撲の全日本選手権はテレビ観戦した。昨年は谷岡が優勝、今年は山口が準優勝と近大の後輩が活躍。「(テレビ観戦で)緊張した。自分も頑張らないといけない、と思った」と刺激を受けた。当初、プロ志望もあったその山口が、卒業後は郷里の山口に戻ることには「(指導者として力士を)津島高校からプロや近大に育てて(送って)ほしい」と願い、自らも「自分も地元に帰りたい。半年以上、帰っていない。富山のご飯が恋しくなっている」と一時帰省を熱望した。

11月場所は、勝った初日の霧馬山戦で右肩を痛めた。右を差そうと立ち合いで当たったとき、相手の頭が右肩付近に強く当たった。三段目100枚目格付け出しだった16年春場所の初土俵以来初めての休場でショックは大きかった。「休場したくなかった。医者から、出てもいいけど100%のパフォーマンスは出来ないよ、と言われた。親方に言うのが怖かった」。苦い思いを、そう振り返った。

初場所に向けて稽古する朝乃山
初場所に向けて稽古する朝乃山

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