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十両隆の勝10勝で初幕内前進、師匠へ恩返しなれば

隆の勝(右)は千代の海をすくい投げで下す(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇12日目◇19日◇ドルフィンズアリーナ


 東十両4枚目隆の勝(23=千賀ノ浦)が10勝2敗とし、初の幕内昇進へ大きく前進した。

 西十両12枚目千代の海(25=九重)をすくい投げ。初の2桁勝利に「うれしい。稽古を十分にできたからだと思う」と好調の要因を語った。

 幕内の同級生に刺激を受けた。場所前は「とにかく出稽古」で実力を磨いた。肌を合わせた中で最も印象に残ったのは、普段から仲の良い東前頭3枚目阿炎(24=錣山)。「阿炎はとにかく当たり負けしない」。今場所5日目に横綱鶴竜(32=井筒)から金星を奪った時は「引かないところがすごい」と改めて感心した。ただ、出稽古では隆の勝が優勢とのこと。互いに十両だった昨年の九州場所で敗れた一番を回想し「場所だと負けちゃうんですよね」と首をひねった。

 17歳で幕下に上がり、そこから十両に上がるまで約5年。しかし十両では5場所で幕内を射程圏に捉えた。現師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)にとって初の幕内力士なれば「喜ぶと思う」と、笑顔を見せた。

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高安5勝「立ち合いが良かった」初顔合わせ阿炎下す

阿炎(右)を寄り倒しで破った高安(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 大関高安(28=田子ノ浦)が、東前頭3枚目阿炎を下し、5勝2敗とした。

 5日目に横綱鶴竜(32=井筒)から金星を挙げた阿炎との一番。初顔合わせだったが出稽古で肌を合わせたことがあり「その時よりは強くなっていると思う」と警戒して臨んだ。

 立ち合いで勢いよくぶつかると、そのまま一方的に寄り切り。「立ち合いが良かったですね。しっかり踏み込めた」と納得した表情で振り返った。

 2敗を守ったまま中日を迎える。前日の6日目に西前頭3枚目貴景勝(21=貴乃花)に完敗したが「完璧にやられたことをしっかりと受け止めたい」と切り替えていた。

 19年前に3横綱が休場した1999年春場所では、当時大関だった武蔵丸(現在の武蔵川親方)が優勝している。同じ大関として高安にも良い風が吹くなか「モチベーション、励みになる。ここからが勝負じゃないですか」と、自身初優勝へ意欲を見せた。

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御嶽海7連勝、豪栄道3敗、栃ノ心休場 名古屋場所

御嶽海(右)は琴奨菊を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 3横綱1大関が休場する中、優勝争いの先頭を走る関脇御嶽海(25=出羽海)は、前頭筆頭の琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)を寄り切って無傷の7連勝と星を伸ばした。

 先場所途中休場でかど番の大関豪栄道(32=境川)は、前頭3枚目貴景勝(21=貴乃花)に突き落とされ4勝3敗となった。貴景勝は6日目の高安に続き2日連続の大関撃破で4勝3敗と白星を先行させた。

 全休明けでかど番の大関高安(28=田子ノ浦)は、前頭3枚目阿炎(24=錣山)を寄り倒して5勝目を挙げた。阿炎は2勝5敗。

 人気力士の前頭6枚目遠藤(27=追手風)は、同6枚目旭大星(28=友綱)を押し出して6勝目。

 7日目を終え、勝ちっ放しは御嶽海1人、1敗で遠藤、前頭6枚目千代大龍(29=九重)同13枚目朝乃山(24=高砂)の3人となった。

 また、新大関栃ノ心(30=春日野)は、6日目玉鷲戦で右足親指付け根を痛め「右母趾MP関節側副靱帯(じんたい)損傷」でこの日から休場となった。

御嶽海(右)は琴奨菊を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

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栃ノ心に土、御嶽海6連勝で単独トップ 名古屋場所

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 新大関の栃ノ心(30=春日野)に土がつき、関脇御嶽海(25=出羽海)が6連勝で単独トップに立った。

 栃ノ心は小結玉鷲(33=片男波)に左からの小手投げで敗れ、初黒星を喫した。御嶽海は、前頭筆頭の正代(26=時津風)の前回しを引きつけて出て押し出した。

 先場所途中休場でかど番の大関豪栄道(32=境川)は、前頭3枚目阿炎(24=錣山)を右四つに組みとめ、左からの上手投げで4勝2敗とした。

 全休明けでかど番の大関高安(28=田子ノ浦)は、前頭3枚目貴景勝(21=貴乃花)に一方的に押し出されて2敗目を喫した。

 3連勝後に2連敗していた横綱鶴竜(32=井筒)は右肘関節炎で、この日から休場した。3横綱全員不在は貴乃花、3代目若乃花、曙の99年春場所以来19年ぶりで、昭和以降5度目となった。

 人気力士の前頭6枚目遠藤(27=追手風)は、同4枚目魁聖(31=友綱)を押し倒して5勝目を挙げた。

 6日目を終わって勝ちっ放しは御嶽海1人、1敗で、栃ノ心、遠藤、前頭6枚目千代大龍(29=九重)同9枚目妙義龍(31=境川)同13枚目朝乃山(24=高砂)の5人が追う展開となった。

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元付け人阿炎に金星配給の鶴竜「自分で負けた感じ」

阿炎に敗れ座布団が舞う中、引き揚げる鶴竜

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 鶴竜は元付け人だった阿炎に負けて、まさかの2日連続金星配給に支度部屋では終始うつむいていた。突き合いの中で我慢しきれずに引いてしまい「自分で引いて自分で負けた感じ」。

 白鵬が4日目から途中休場して1人横綱となったが、結びの一番を締めることができなかった。阿炎に恩返しされた感じか? と問われ「そんな感じじゃないですかね」と話すのがやっとだった。

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)のコメント 引いてはだめだということは鶴竜本人が一番、分かっているだろう。昨日の負けが影響したのか勝ちたい気持ちが強すぎて、相手に突っ張らせ続けるぐらいの余裕がなかった。御嶽海は内容もいい。5連勝は力をつけている証拠だ。

 ◆幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)のコメント 攻めをしのげば鶴竜は引いてくるというのは全力士の頭にあるでしょう。攻め方を間違えて最後に墓穴を掘った。優勝争いは栃ノ心が軸になるだろうが鶴竜にもまだチャンスはある。

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阿炎“心の師”鶴竜破り思わず涙「夢かないました」

鶴竜(左)を突き出しで破る阿炎(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 東前頭3枚目の阿炎(あび、24=錣山)が“心の師”と仰ぐ横綱鶴竜を破る金星で、涙を流して喜んだ。立ち合いから、攻めに攻めて突き出す快勝。5月夏場所の横綱白鵬撃破に続く、2場所連続の金星となった。16年九州場所から約1年間、付け人を務める中で、今も尊敬してやまない存在となった鶴竜を2度目の対戦で破り、恩返しを果たした。

 わずか1年余り前まで、横綱と付け人の幕下力士という関係だった。それが結びの一番で、座布団を舞わせる強敵となって立ちはだかった。阿炎が、究極の下克上をやってのけた。「鶴竜関には感謝しかない」。取組後、鶴竜と土俵に向かって深々と頭を下げた。座布団の1枚が顔面を直撃したが、痛みなど感じている暇はなかった。金星は、すでに先場所で経験しているが格別だった。遠い存在を超え、こみ上げるものがあった。「人前では我慢したけど」と、花道を過ぎると涙をこらえられなかった。

 「とにかく攻めようと思っていた。攻めて負けたら仕方ない」。もろ手突きの立ち合いから突っ張り続けた。1度は押し込まれたが「夢中だった。(内容は)よく覚えていない。下は向かず、ずっと横綱だけを見ていた」と、構わず前に出続けた。付け人となってすぐに、鶴竜から1日300回の腕立て伏せを命じられ「300回も!?」と驚いたこともあったが、その成果をまざまざと見せつけた。

 十両から陥落し、幕下でくすぶっていた時に付け人を務めることが決まった。当時は負け越しが続き「オレなんか続けていても意味がない」と、実は知人を介して再就職先が内定していた。「師匠から勉強してこいと言われ『何が勉強だ』と思っていた」。だが人にあたることも、人のせいにすることもなく、黙々と努力を続ける鶴竜の人柄に触れて人生が変わった。鶴竜のようになりたい、認めてもらいたい、戦いたい。そして、勝ちたいという夢ができた。「あの時代がなかったら相撲をやめていたかもしれない」と振り返る。

 今場所前も部屋に稽古をつけに来てもらった。7番取って全敗と歯が立たなかったが、一番一番が勉強になった。いつも阿炎の成長の陰には鶴竜がいた。「1つの夢がかないました」。対戦できただけで満足だった初顔合わせの先場所。そこから大きな大きな1歩を踏み出した。【高田文太】

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阿炎「自分にとっては大きな人」鶴竜破って涙を流す

座布団が舞う中、引き揚げる阿炎(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 東前頭3枚目の阿炎(あび、24=錣山)が、横綱鶴竜を破り、先場所の横綱白鵬撃破に続き、2場所連続で金星を挙げた。もろ手突きの立ち合いから、1度は押し込まれながらも、回転の速い突っ張りで前に出続けて突き出し。16年九州場所から約1年間、付け人として身の回りの世話をしていた鶴竜を破った。

 「とにかく攻めようと思っていた。攻めて負けたら仕方ないと思って。負けることは想像していなかった。ずっと勝つイメージを持ってやってきた」と胸を張った。

 付け人を務める直前には、幕下で負け越しが続き、引退も考えていたという。そんな中で、鶴竜のまじめな性格などにふれ「鶴竜関を越えることはできないので、戦って勝つことが夢の1つになった」と、目標ができた。鶴竜の付け人だった当時を振り返り「あの時代がなかったら相撲をやめていたかもしれない。鶴竜関には感謝しかない」と尊敬する。それだけに花道やテレビのインタビューなど、人目にふれる場面ではこらえたが、花道の先で「こらえきれなくて」と、涙を流したことを明かした。

 「白鵬関に勝った時もうれしかったけど、また少し違ううれしさがある。(鶴竜は)自分にとっては大きな人なので」と、普段の破天荒な言動は控えめに、喜びをかみしめていた。

鶴竜(左)を突き出しで破り金星を挙げた阿炎に館内では座布団が乱れ飛ぶ(撮影・岡本肇)
金星を挙げた阿炎は、支度部屋で口もなめらか(撮影・岡本肇)

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鶴竜連敗に八角理事長「勝ちたい気持ちが強すぎた」

鶴竜(左)を突き出しで破る阿炎(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 今年の初場所、春場所に続き再び「一人横綱」の重責を背負うことになった横綱鶴竜(32=井筒)が、悪癖の引きで墓穴を掘ってまさかの連敗。かつて自分の付け人を務めていた東前頭3枚目の阿炎(24=錣山)に金星を配給してしまった。協会幹部も本人の心中を察するように戦況を分析した。

 八角理事長(55=元横綱北勝海)は「(引きを)やってはいけないということは、本人がいちばん分かっているだろう」と鶴竜の胸中を察するように話した。前日の勢戦と同じ引いて墓穴を掘ったが「昨日の負けの影響が出たのか? 勝ちたい気持ちが強すぎたな」と分析。「相手がもろ手で来ることも、その後の攻めも分かっているはず。相手が引くぐらいに、ずっと突っ張らせておけば良かったのに、その余裕がなかった」と前日の負けが尾を引いていたと推察した。

 正面土俵下で審判長を務めた審判部の藤島副部長(元大関武双山)は、鶴竜の攻めが「(阿炎には)土俵際で突き落としとかがあるからか、ちゅうちょしながら出ていた。思っていたより攻めきれなかった」と中途半端だったと指摘。「最後は悪い癖が出ました」とし、その鶴竜の引きは「鶴竜の攻めをしのげば引いてくる、というのは全力士の頭にあるでしょう」と、今や共通認識の弱点とした。ただ、優勝争いについては「栃ノ心が軸になるでしょうが、まだ10日ある。2横綱が休場しているし、鶴竜にもまだチャンスはあると思います」と、立て直しに期待した。

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栃ノ心、御嶽海5連勝、鶴竜2連敗 名古屋場所

鶴竜(左)を突き出しで破り金星を挙げた阿炎に館内では座布団が乱れ飛ぶ(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 3場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)は、前頭3枚目阿炎(24=錣山)に突き出され、自身2連敗で3勝2敗となった。かつて鶴竜の付け人を務めたこともある阿炎は、うれしい涙の金星で2勝3敗とした。

 新大関の栃ノ心(30=春日野)は、前頭筆頭の琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)を右四つに組んで、右の下手投げで崩して寄り切り5連勝と星を伸ばした。

 休場明けのかど番大関高安(28=田子ノ浦)は、4日目に横綱鶴竜から金星を挙げた前頭2枚目勢(31=伊勢ノ海)をはたき込んで4勝1敗とした。勢は1勝4敗。

 かど番の大関豪栄道(32=境川)は、前頭2枚目の千代の国(28=九重)を、鋭い立ち合いから右を差して一気に寄り切って3勝2敗とした。千代の国は3勝2敗。

 関脇御嶽海(25=出羽海)は、立ち合いで小結松鳳山(34=二所ノ関)の右はり差しをものともせず、一気に押し出し全勝を守った。

 人気力士の前頭6枚目遠藤(27=追手風)は、同4枚目輝(24=高田川)を寄り切って4勝1敗とした。

 5日目を終わり、勝ちっ放しは栃ノ心、御嶽海、1敗で高安、平幕の魁聖、千代大龍、遠藤が追う展開となっている。

金星を挙げた阿炎は、支度部屋で手を挙げて合図(撮影・岡本肇)
阿炎に敗れ支度部屋でがっくりする鶴竜(撮影・前岡正明)
鶴竜(左)を突き出しで破る阿炎(撮影・岡本肇)

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鶴竜2日連続金星配給「自分で引いて自分で負けた」

阿炎に敗れ支度部屋でがっくりする鶴竜(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 3場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)が、東前頭3枚目阿炎(24=錣山)に負けて2日連続で金星を配給した。

 立ち合いでもろ手突きを受けて上体が起き上がり、突き合いの応酬となって1度は土俵際まで運んだ。しかし押し切れず、頭を抱えてはたこうとしたが相手が落ちずに呼び込んでしまって土俵を割った。

 支度部屋では終始うつむいていた。我慢の相撲が取れずに「自分で引いて自分で負けた感じ。あのまますっと前に出られれば良かったんですけど」と声を絞り出した。自分の元付け人だった阿炎に、金星配給という形で恩返しされることになった。

 序盤戦を終えて3勝2敗。横綱白鵬が途中休場して1人横綱で場所を引っ張っている。中盤戦以降のカギを問われると「気持ちの切り替えですかね」と自分に言い聞かせるように話した。

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阿炎涙の恩返し白星、過去に付け人だった鶴竜を撃破

金星を挙げた阿炎は、関係者に手を振りながら笑顔で引き揚げる(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 前頭3枚目阿炎(24=錣山)が、横綱鶴竜から恩返しの金星を挙げた。

 立ち合い突っ張り合いとなり、鶴竜の引いた瞬間を見逃さず一気に前に出て土俵下に突き出した。

 阿炎にとって鶴竜は、過去に付け人を務めたことがある特別な相手だった。花道を引き揚げる際にはジワリと涙腺も緩んだ。

 目を赤らめた阿炎は「今場所は調子が良かったのに星がついてこなくて我慢してきたので、うれしかった。(かつて付け人も務めた横綱撃破に)うれしいっすね。部屋のみんな、家族、師匠がアドバイスしてくれたり、励ましてくれたりしてくれたおかげ」。序盤を終え2勝3敗とまだ負けが1つ先行しているものの、中盤以降へはずみをつける1勝に感謝感激の様子だった。

鶴竜(左)を突き出しで破る阿炎(撮影・岡本肇)
鶴竜(左)を突き出しで破り金星を挙げた阿炎に館内では座布団が乱れ飛ぶ(撮影・岡本肇)

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栃ノ心4連勝も優勝争いは「まだ考えたくないよ」

阿炎(左)を押し出しで破る栃ノ心(撮影・上田博志)

<大相撲名古屋場所>◇4日目◇11日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 新大関の栃ノ心(30=春日野)は、危なげなく初日から4連勝を飾った。

 もろ手突きの立ち合いから、前に出てきた阿炎を受け止めると、相手の突き、押しに対抗。動きの速い相手のまわしを左でつかむと、出し投げを打つ格好で体勢を崩し、最後は押し出した。くせ者相手だけに、栃ノ心は「変わりにくると思った」と変化を予想。突っ込みすぎない立ち合いを心がけて「落ち着いてまわしを取れた」と、自己評価した。

 今場所は白鵬がこの日から、稀勢の里が初日から休場し、鶴竜には4日目に土がついた。先輩大関2人も黒星を喫しており、現時点で全勝は自身と関脇御嶽海だけ。優勝争いの中心と期待されるが「まだ考えたくないよ。4日目だからね」と、笑って答えていた。

阿炎(右)を押し出し4連勝の栃ノ心(撮影・岡本肇)

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鶴竜に土!栃ノ心が4連勝、高安3勝目、白鵬は休場

阿炎(左)を押しだしで下す栃ノ心(撮影・上田博志)

<大相撲名古屋場所>◇4日目◇11日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 初の3場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)に土がついた。前頭2枚目勢(31=伊勢ノ海)をはたいたところを出られて押し出された。場所前に女子プロゴルファー比嘉真美子(24)との婚約を発表した勢は今場所初白星で、通算5個目の金星を挙げた。

 新大関の栃ノ心(30=春日野)は、前頭3枚目阿炎(24=錣山)を押し出して4連勝を飾った。

 先場所途中休場でかど番の大関豪栄道(32=境川)は、前頭筆頭の琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)にはたき込まれて2勝2敗の五分となった。

 全休明けでかど番の大関高安(28=田子ノ浦)は、前頭筆頭の正代(26=時津風)を電車道で突き出して連敗を逃れ3勝目を挙げた。

 今年初、41回目の優勝へ向け3連勝していた横綱白鵬(33=宮城野)は右ひざのケガなどで、この日から休場した。

 人気力士の前頭6枚目遠藤(27=追手風)は、同6枚目千代大龍(29=九重)に送り出されて初黒星を喫した。

 4日目を終わって勝ちっ放しは栃ノ心、関脇御嶽海(25=出羽海)の2人となった。

阿炎(左)を押しだしで下す栃ノ心(撮影・上田博志)

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新大関栃ノ心は勢と初日 8日から名古屋場所

朝稽古の合間、集中力を高める栃ノ心(撮影・加藤裕一)


 日本相撲協会は6日、愛知・ドルフィンズアリーナで審判部が取組編成会議を開き、大相撲名古屋場所(8日初日、ドルフィンズアリーナ)の初日と2日目の取組を決めた。

 新大関の栃ノ心(30=春日野)は初日に、東前頭2枚目勢(31=伊勢ノ海)と対戦。2日目は、昨年春場所以来に西前頭2枚目千代の国(27=九重)と対戦する。

 3場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)は初日に、三役返り咲きの小結松鳳山(34=二所ノ関)と対戦。昨年九州場所以来、41度目の優勝を狙う横綱白鵬(33=宮城野)は初日に、過去11戦無敗の小結玉鷲(33=片男波)と対戦する。

 十両以上の休場者は、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)と東十両10枚目蒼国来(34=荒汐)の2人だった。初日、2日目の三役以上の取組は以下の通り。

【初日】(左が東)

阿炎-御嶽海

逸ノ城-千代の国

勢-栃ノ心

琴奨菊-高安

豪栄道-正代

玉鷲-白鵬

鶴竜-松鳳山

【2日目】(左が西)

阿炎-逸ノ城

御嶽海-勢

玉鷲-豪栄道

栃ノ心-千代の国

高安-松鳳山

琴奨菊-鶴竜

白鵬-正代

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白鵬 勢の結婚「俺は知っていた」雑談にも余裕

準備運動中でも若い衆の稽古に目を光らせる白鵬


 今年初となる通算41度目Vを目指す白鵬(33=宮城野)は、名古屋市内の部屋で幕下や前頭石浦と15番(13勝)取って汗を流した。

 最近数場所とは違い心身の状況は良好そうで「集中できている」。夏場所で金星配給の初顔の阿炎戦を「甘い考えがあった」と油断を認めた上で、出稽古の候補先には「錣山部屋は近いよね」とニヤリ。勢の結婚にも「俺は知ってた」と笑うなど雑談にも余裕をうかがわせた。

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栃ノ心が新大関に、豪栄道と高安はかど番 新番付

大関昇進伝達式を終えた栃ノ心(中央)はジョージア国旗を掲げ笑顔を見せる(2018年5月30日撮影)


 日本相撲協会は25日、大相撲名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)の新番付を発表した。

 上位陣の顔ぶれに、新大関として西の2番目に栃ノ心(30=春日野)が加わった。新大関は、ちょうど1年前の高安(28=田子ノ浦)以来、平成以降では25人目で、春日野部屋からは62年名古屋場所で同時昇進した栃光、栃ノ海以来となる。ジョージア出身の大関は初めてで、外国出身では15年名古屋場所の照ノ富士(26=伊勢ケ浜)以来、11人目。スロー昇進として、新入幕から所要60場所は史上1位タイ、初土俵から所要73場所は史上10位タイ。また30歳7カ月での新大関は4位の高齢昇進となった。

 横綱は夏場所と同じ序列で、東→西→東の順で3場所連続優勝を目指す鶴竜(32=井筒)、今年初となる41回目の優勝を狙う白鵬(33=宮城野)、新横綱翌場所から7場所連続で休場が続く稀勢の里(31=田子ノ浦)となった。

 東西の両大関は、ともにかど番で迎える。東の豪栄道(32=境川)は5場所ぶり7度目、西の高安は4場所ぶり2度目。ともに負け越せば大関陥落となる。

 三役陣は、関脇が2場所連続(三役は3場所連続)の逸ノ城(25=湊)と2場所ぶり復帰(三役は9場所連続)の御嶽海(25=出羽海)。小結は5場所ぶり(三役は3場所ぶり)復帰の玉鷲(33=片男波)と、26場所ぶりとなる松鳳山(34=二所ノ関)。昭和以降、7位のスロー三役復帰となる。

 平幕上位(5枚目まで)は東が正代、勢、阿炎、魁聖、大翔丸。西は琴奨菊、千代の国、貴景勝、輝、嘉風で、夏場所で新三役の小結ながらケガで途中休場(その後、再出場)の遠藤(27=追手風)は東前頭6枚目に番付を落とした。

 新入幕は2人。東前頭14枚目の琴恵光(26=佐渡ケ嶽)は、現師匠(元関脇琴ノ若)が部屋継承以降では3人目の新入幕。宮崎県出身の新入幕は戦後3人目、幕内在位は85年初場所の栃光以来となる。西前頭16枚目の明生(22=立浪)は現師匠(元小結旭豊)の部屋継承後では3人目の新入幕で、鹿児島県出身では戦後24人目。西前頭11枚目の阿武咲(21=阿武松)は2場所ぶりの幕内復帰となった。

 新十両も2人。西十両12枚目の千代の海(25=九重)は現師匠(元大関千代大海)の部屋継承後としては初めての関取誕生。高知県出身では土佐豊以来、戦後11人目、日体大からは北勝富士(25=八角)以来9人目の新十両だ。西十両14枚目の木崎改め美ノ海(25=木瀬)は、現師匠(元前頭肥後ノ海)が03年12月に部屋を創設してから12人目の関取。沖縄県出身では02年九州場所の琉鵬以来、戦後5人目で、日大からは51人目の新十両昇進となった。また千代の海は日体大、美ノ海は日大出身で、学生相撲出身の関取も128人となった。

 東十両13枚目の希善龍(33=木瀬)は3場所ぶりの十両復帰で、通算9度目の十両昇進は8度で並んでいた須磨ノ富士を抜き史上単独1位の“エレベーター記録”となった。なお、昨年秋場所まで大関だった照ノ富士は、東十両8枚目だった夏場所で負け越し(0勝9敗6休)たため、西幕下6枚目まで陥落。大関経験者、幕内優勝経験者の幕下陥落は初めてとなった。

 また新十両だった3月の春場所中、付け人に暴力をふるい同場所は途中休場(3勝6敗6休)、西幕下9枚目に陥落した夏場所は出場停止処分を受けた貴公俊(21=貴乃花)は、西幕下49枚目の今場所から土俵復帰する。

 名古屋場所は、7月6日の取組編成会議で初日、2日目の対戦相手が決定。8日の初日を迎える。

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大相撲総選挙、稀勢の里V7「やっぱりうれしい」

大相撲総選挙で7連覇を果たし、トロフィーを手に笑顔を見せる稀勢の里


 日刊スポーツが行った人気力士アンケート「第7回大相撲総選挙」は、横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が7連覇を果たした。総数5万1568票のうち、3989票を獲得。7場所連続休場中とはいえ、復活を願うファンの声は根強く「不動の横綱」を死守した。2位は初参戦ながら、師匠の錣山親方(元関脇寺尾)譲りの突っ張りと自由な発言が魅力の阿炎が大躍進。3位は安定した人気の遠藤が入った。

 久しぶりの笑顔だった。7年連続の総選挙1位。休場中でも、変わらず応援してくれるファンの存在を再確認した。稽古後の土俵脇でトロフィーを手にすると、自然と表情が柔らかくなった。「非常にありがたいですね。やっぱり1番だとうれしい」と、かみしめるように話した。

 名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けて、今月5日に稽古を再開して以降、その様子は報道陣に非公開だった。復活に向けて集中力を高めてきた。一方で、過去6度すべて“センター”を務めてきた総選挙への思い入れも人一倍。ファンへの感謝を伝えたい責任感から、特別に今回の取材だけ稽古場で応じ、夏場所前以来、約1カ月ぶりとなるまわし姿を披露した。弟弟子で昨年3位の大関高安が「自分は8位ぐらいですか? 当たっちゃった!」と驚く姿に、今年一番ともいえる笑顔も見せた。

 ファンもそんな笑顔を、もう1度見たいと思っている。「世間の風当たりは強いですが、そんなものを吹き飛ばす大復活を願っています」(40代男性)「本人が諦めてないのに、ファンが諦めるわけにはいかない」(30代女性)「どんなに休場が続こうと、どんなに待たされようといつまでも大好きです」(30代女性)という声が届いた。

 安易な見通しは語ってこなかった稀勢の里は、こうしたファンの期待に「コメントしづらいな」と苦笑いも浮かべた。それでも「何とか期待に応えたいですね」と前を向く。ファンの声を力に変えることを誓っていた。【高田文太】

18年4月、靖国神社奉納大相撲で土俵入りを行う稀勢の里

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大相撲総選挙、白鵬撃破の阿炎が遠藤超えの2位躍進

白鵬(右)を押し出しで破る阿炎(撮影・鈴木正人) (2018年5月18日)


 今年1月の初場所で新入幕を果たした阿炎(24=錣山)が、初参戦で2位に入り、今回の1番のサプライズとなった。朗報に「やってやったぜ!」と、稽古後に高々と拳を突き上げた。

 3位遠藤とは、わずか10票差ながら「10票でも勝ちは勝ち」と胸を張った。続けて「もともと『2』っていう数字は好き。(白鵬撃破で)Yahoo! ニュースにも載ったし、2位は妥当なんじゃないッスか、なんつって。もちろんうれしいッスよ。でも勝負事で負けるのは嫌」と話し、稀勢の里に敗れたことすら悔しがるそぶりを見せた。

 そんな負けん気の強さを前面に、5月の夏場所では横綱白鵬に師匠譲りの回転の速い突っ張りから完勝した。初顔合わせで金星。NHKのインタビューで「お母さんに早く報告したいので帰っていいですか」などと答えた、自由すぎる言動と合わせてブレークした。

 かつて付け人を務め、尊敬する横綱鶴竜よりも順位を2つ上回った。だが「そういう細かいところを突っ込まれると、いつもの感じで答えにくいッス。横綱(鶴竜)より何かで上回っているなんて考えたことないから」と苦笑い。実は礼儀正しい好青年の一面ものぞかせた。

 「普通じゃつまらない。だって、普通だったら2位になってないでしょ? 名古屋場所は全勝を目指す。そりゃあ、負けることなんか考えないもん。優勝は狙ってますよ! みんなが思っても言わないことを口に出しているだけ」。取り口も言動も個性的な、次世代スター候補が誕生した。

左手で「2位」を表現するポーズをつくり、笑顔を見せる阿炎

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阿武咲、十両V 1場所での幕内返り咲き確実に

十両優勝し、阿武松審判部長(右)から賞状を受け取る阿武咲(撮影・河野匠)

<大相撲夏場所>◇千秋楽◇27日◇東京・両国国技館


 阿武咲(21=阿武松)が12勝3敗で十両優勝した。

 初の各段優勝を決めた。小結だった初場所で右膝後十字靱帯(じんたい)を損傷し、春場所も全休。十両での復帰場所で「初心に帰れた」と幕内の阿炎らに刺激を受け、1場所で幕内返り咲きを確実にした。土俵で師匠の阿武松親方に表彰状を渡された。「感謝の気持ちしかない」。来場所へ、さらに状態を上げる。

 ◆阿武咲(おうのしょう)西1枚目 本名・打越奎也。青森県中泊町出身。13年初場所初土俵。176センチ、155キロ。得意は突き、押し。

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阿炎、宝富士破り残った新入幕3場所連続勝ち越し

阿炎(右)ははたき込みで宝富士を下す(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇13日目◇25日◇東京・両国国技館


 西前頭2枚目の阿炎(24=錣山)が、同6枚目の宝富士を破り、新入幕から3場所連続勝ち越しの可能性を残した。

 もろ手突きの立ち合いから押し込むと、まわしを取りにこようとする相手を突き放した。最後までまわしを取らせず、最後ははたき込み。6勝7敗とした。

 「今日は余計なことを考えず、自分のことだけに集中した。自分らしいんじゃないッスか。動いて。でも疲れたけど、うれしかった。久しぶりの勝ち名乗りなので」と、3日ぶりの白星を喜んだ。

 勝ち越しに後がない7敗を喫しているが「気合入るッス! いい刺激ッスね」と、楽しみながら取っていた心境を明かした。さらに「勝負が楽しい。力士は勝負士ですから」と話し、胸を張っていた。

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阿炎7敗目も「連勝持ち味」勝ち越しへ瀬戸際楽しむ

阿炎(左)は押し出しで大栄翔に敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇12日目◇24日◇東京・両国国技館


 西前頭2枚目の阿炎(24=錣山)は、大栄翔(追手風)に押し出されて7敗目を喫し、勝ち越しに後がなくなった。

 1月初場所の新入幕から2場所連続2ケタ白星を挙げてきたが、前日11日目の6敗目で3場所連続という場所前からの目標は消滅。さらにこの日の黒星で、支度部屋で報道陣に対応し始めた時は、さすがに落ち込んだ様子。

 だが次第にいつもの明るさを取り戻し「連敗からの連勝が持ち味だから、しっかり切り替えたい。負け越し寸前が1番ハラハラして楽しい。7勝7敗の千秋楽なんて最高。気持ちを持ち直して、ここから絶対に負けない」と、どこまでも前向きに話した。

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阿炎「体が自然に動いている」“借金”返済し星五分

阿炎

<大相撲夏場所>◇10日目◇22日◇東京・両国国技館


 西前頭2枚目の阿炎(24=錣山)は、玉鷲を上手投げで破り、5勝5敗とした。

 もろ手突きの立ち合いから、右に回り込み、相手がバランスを崩したところで上手投げ。初日から3連敗など、前日9日目までは常に黒星先行だったが、6日目に横綱白鵬から金星を挙げ、7日目に大関豪栄道を破るなど、徐々に“借金”を返済して終盤戦を迎えることになった。

 「体が自然に動いている感じ。しっかり当たることができている」と、手応えをつかんだ。自己最高位で中盤戦を終えたが「精神的に疲れたけど、楽しさはある」と、勝っても負けても明るく話すマイペースぶりを見せていた。

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阿炎4勝目、自作はちみつレモン飲み体重維持

阿炎(右)は引き落としで魁聖を下し懸賞を手に引き揚げる(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇東京・両国国技館


 西前頭2枚目の阿炎(24=錣山)は、204キロの魁聖(友綱)を破り、4勝5敗とした。

 立ち合いから225キロに次いで幕内2番目に重い相手を押し込むと、相手が押し返してきたところで引き落とした。6日目に横綱白鵬から金星を挙げ、7日目に大関豪栄道を破ったものの、前日の中日は琴奨菊にいいところなく敗れていただけに「昨日は考えすぎちゃったから、今日は考えないようにした。(自分は)考えて相撲を取る人じゃないから」と、相手の動きをよく見て繰り出した、タイミングの良い引き技を振り返った。

 それでも、やはり204キロの相手は「重かった~」と、ただただ苦笑い。自身は140キロで、しかも以前までは「場所中は食欲が落ちて、10キロ減ったこともあった」と明かした。現在は体重維持に成功しているが、主に摂取しているのが自作のはちみつレモンを水で割った飲料だという。最後は何を聞かれても「はちみつレモンを飲んでるから大丈夫ッス」と答え、笑顔で引き揚げていった。

阿炎(右)は引き落としで魁聖を下す(撮影・小沢裕)

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白鵬1敗守り折り返し、疲れは「ないね」と涼しい顔

白鵬は豊山(左)を寄り倒しで下す(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館


 横綱白鵬が、初顔合わせの豊山を退けて1敗を守った。立ち合いから、豊山の激しい突き押しをのど元に何発ももらった。それに応えるように白鵬も突き押しで対抗。1度土俵際に追い込みながらも引いてしまいのど輪をもらったが、こらえてもろ差しになると、一気に土俵際まで運んで寄り倒した。めまぐるしい攻防戦を制して「いい相撲だったかな」と充実の表情を浮かべた。

 初顔合わせとなった6日目の阿炎戦で、今場所初黒星を喫した。「完全に見すぎた。守りすぎた」と警戒心が強かったと分析。だから「(今日は)受けてやる、という反省が多少出た。引きは中途半端だったけど前に出られた」と気持ちも体も攻めの姿勢を見せた。中日折り返しも、疲れは「ないね」と涼しい顔。自身初の2場所連続休場明けからの優勝へ、1差の栃ノ心を追う。

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阿炎5敗 前日豪栄道撃破も父へ電話「しなかった」

琴奨菊(手前)に寄り切りで敗れ、悔しがる阿炎(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館


 西前頭2枚目の阿炎(24=錣山)は、3連勝はならなかった。琴奨菊に見せ場なく寄り切られて3勝5敗。6日目は横綱白鵬に快勝して金星を獲得し、7日目は大関豪栄道から引き技ながら殊勲の星を挙げた。

 場内の声援は日に日に大きくなっているが「ダメでした。思い切り取れていない。考えずに思い切りいくのが自分のいいところなのに、考えすぎちゃった。足も出ていなかった」と、うつむきながら話した。

 それでも「もう2ケタは無理ッスか?」と、報道陣に逆質問してから、いつもの明るいトーンに戻った。残り全勝で、1月初場所の新入幕から3場所連続2ケタ白星という、ライバルであり親友でもある現在十両の阿武咲が持つ記録に追いつく可能性があると確認し「ヨッシャー、まだ夢はある!」と笑った。

 また、白鵬から金星を挙げた後、NHKのインタビューで「お母さんに早く報告したいので帰っていいですか」と答えた珍セリフに続き、7日目の豪栄道撃破後のインタビューでは「今日はお父さんに」と話していた。母早苗さんには、実際に連絡していたが、父俊和さんには「しなかったッス」と、笑って明かした。最後は「せっかく楽しんで取れているのに落ち込んでもしょうがない」と、足取り軽く引き揚げていった。

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幕下豊ノ島4連勝勝ち越し 再起かける豊響下す

豊ノ島(右)は上手出し投げで豊響を下す(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館


 関脇経験者で東幕下14枚目の豊ノ島(34=時津風)が、今場所の4番相撲に登場。同20枚目の豊響(33=境川)を上手出し投げで破り4連勝。ストレートで勝ち越しを決めた。

 立ち合いの力強い踏み込みで二本を差して攻勢。そのまま寄り立て左は深く差したまま、右は浅い上手になったが、なおも圧力をかけ続ける。懸命に残す豊響の体重が前にかかった瞬間、体を左に開き絶妙なタイミングで右からの上手出し投げで転がした。先場所途中から体に染みこませている「前に」の出足と、熟練の技が融合した末の、勝ち越し星となった。

 幕内上位の常連だった両者が対戦したのは、3年前の名古屋場所が最後。ここまで通算9勝4敗と合口は良かったが「その通りの相撲が取れるとは限らないし、それよりも立ち合い重視の相撲を心がけたのが良かった」と雑念は振り払って臨んだ。

 もちろん相手も、心臓の病で幕下に陥落し、再起をかける身であることは分かっている。自分と重なるものがあるのは確かで、3番相撲を終えた後は、一緒になった支度部屋の風呂場で「全勝で対戦しよう」と約束し合ったほど。この日も取組前の土俵では「自分のは見えないけど、豊響に大銀杏(おおいちょう)がないのは違和感があった。相手もそう感じたかもしれない」と言う。もちろんチラリとでも感傷に浸るのはそれぐらいで「勝負だったんでね、それぐらいで」と話すが、かつて、しのぎを削った相手の一人と肌を合わせ「思い切りぶつかられたから1番取っただけで腰が痛い。いい当たりだった」と心地よい余韻に浸った。

 幕下陥落10場所前で1番相撲から3連勝はなく、もちろんストレート勝ち越しは初めて。番付発表から描いていた7戦全勝=関取復帰の目標まで、あと3番と迫る。「それは頭の片隅に置いて、もちろん狙うけど、あまり意識せずに意識してね。せっかくいい内容だから、これを続けられるようにしたい」。帰り際に取材を打ち切る際には「じゃあ、(取材はこれで)いいですか? 早く帰ってお母さんに電話したいんで」と、阿炎の金星後の談話になぞらえてジョークを飛ばす余裕も見せていた。

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阿炎トーク絶好調「お父さん泣いてたら笑っちゃう」

豪栄道(下)をはたき込みで破る阿炎(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館


 西前頭2枚目の阿炎(あび、24=錣山)が、連日の上位陣撃破だ。大関豪栄道を、わずか0秒8ではたき込んだ。前日6日目の横綱白鵬からの金星に続き、殊勲の星を挙げた。すべて初顔合わせとなった、三役以上との上位戦を終えて3勝4敗。上々の成績に加え、奔放なしゃべりで周囲に笑いを起こす“アビトーク”も健在で人気急上昇中。目標の新入幕から3場所連続2ケタ白星へ、勢いは加速するばかりだ。

 1秒足らずで阿炎が大関から初白星を挙げた。立ち合いは、もろ手で突いた。パワーで圧倒しようと、豪栄道が前に突っ込んでくるタイミングを見計らい、左に回り込みながらはたき込んだ。その間、わずか0秒8。前日の白鵬戦のように座布団は舞わなかったが、場内は大歓声に包まれた。テレビのインタビュールームでは「お母さんに早く報告したいので帰っていいですか」と話した前日に続き奔放な“アビトーク”は健在。全国中継で「今日はお父さんに」と話し、インタビュアーの笑いを誘った。

 前に出続けて快勝した白鵬戦と比べれば、相手の圧力に思わず引いた内容は劣る。それでも「勝ったことには変わらない。自信になったッス」と胸を張る。前日の32本には及ばないが、この日も15本獲得した懸賞は常々「自分で稼いだ実感がわく」と話す。高々と足を上げる四股は幕内で最も美しいと評される。考え方も技術の見せ方もプロ意識が強い。だからこそ引き揚げる際、ファンにもみくちゃにされながら終始笑顔。この日の懸賞の1本は、当日のファン投票で決まる森永賞。人気は急上昇中だ。

 自由な言動は今に始まったわけではない。高校進学前には、全国屈指の相撲の強豪校からも誘いを受けたが「すぐに断った。地元の友達と遊べる方がいいから、4駅で通える高校を選んだ」と、千葉の県立高に通った。一方で仲間を大切にする人柄から、前夜は100件超の祝福メールが届いた。前日、母早苗さんに電話で報告した際は互いに涙を流した。それでも「今日、お父さんも泣いてたら笑っちゃう」と笑った。

 これで三役以上との対戦を3勝4敗で乗り切った。「先場所も3勝4敗から10勝した。あと1つ負けても大丈夫だから気は楽」と、目標の新入幕から3場所連続2ケタ白星へどこまでも前向き。前日は酒は控え、自作のはちみつレモンで静かに乾杯。阿炎が土俵と土俵外の言動でファンを酔わせる続ける。【高田文太】

支度部屋で鶴竜(左)を見送る阿炎(撮影・鈴木正人)

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阿炎が白鵬に続き豪栄道を撃破、八角理事長も評価

豪栄道(手前)をはたき込みで破る阿炎(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館


 連日の横綱、大関撃破で土俵を盛り上げている西前頭2枚目阿炎(あび、24=錣山)の相撲に、土俵下から目を光らせる審判長も頼もしそうに目を細めた。

 前日6日目は横綱白鵬(33=宮城野)から金星を奪った阿炎。この日は大関豪栄道(32=境川)を、前日の突っ張り一直線の相撲から一転、もろ手突きで立った直後、絶妙な間合いからドンピシャのタイミングで大関をはたき込んだ。幕内後半戦の審判長を務めた審判部の阿武松部長(56=元関脇益荒雄)は「面白い若手力士が、また一人、出てきましたね。大きく伸びました」と新入幕から3場所目で躍進中の阿炎をほめた。「あの突っ張りは魅力がある」と評価する一方で、敗れた豪栄道の心中を「体が小さいから踏み込むしかなかった。そこが相撲の難しいところ」と察した。

 協会トップの八角理事長(54=元横綱北勝海)は、この一番を「(阿炎は)今日も突っ張って行こうとしてヒジが伸びなかったから引くしかない。それはいつもやっていることで、体が自然と動いた」と評価。伸びる余地はまだあるとして「誰と当たっても1回転、2回転とヒジが伸びるようにならないと。その方が引きも効くだろう」と話していた。

支度部屋で鶴竜(左)を見送る阿炎(撮影・鈴木正人)

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阿炎3勝目、連日の殊勲の星に「うれしいッス」

支度部屋を笑顔で引き揚げる阿炎(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇6日目◇18日◇東京・両国国技館


 西前頭2枚目の阿炎(あび、24=錣山)が、大関豪栄道(境川)を破り、三役以上との対戦を3勝4敗で乗り切った。

 もろ手突きの立ち合い直後、左に回り込んではたき込み。一瞬で初顔合わせに決着をつけた。横綱白鵬から金星を挙げた前日6日目に続く、連日の殊勲の星に「うれしいッス。(豪栄道が)いくぞ、いくぞという感じだったので、相手を止めて、いなすイメージだった。先に動く意識は強かった」と、声を弾ませた。

 それでも快勝した前日の白鵬戦と比べると、相手の圧力を受け止めず、引いた格好となり、内容では劣る。師匠の錣山親方(元関脇寺尾)に内容を責められないか問われた阿炎は「映像見てないッスけど、引いてたッスか? 相撲の内容で怒られるからな。でも、勝ったことには変わらない。自信になった」と、初顔合わせばかり7日間も続いた上位戦を上々の成績で終え、収穫を口にした。

 前日は母早苗さんに報告したいことを理由に、インタビュールームや支度部屋で「早く帰りたい」と連呼していた。部屋に戻ってから、電話で報告したところ「お母さんは泣いてて、何を言っているか分からなかったッス。でも、自分もつられて泣いちゃいました」と、笑って振り返った。連日の報告になるかと思いきや「今日はお父さんに」と話し、周囲の笑いを誘った。続けて、父俊和さんについては「泣いているところを見たことがないので、泣いてたら笑っちゃう」と話していた。

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白鵬、千代大龍下し1敗守る「いい所が取れたね」

千代大龍(後方)を寄り切りで破る白鵬(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館


 横綱白鵬(33=宮城野)が、東前頭4枚目千代大龍(29=九重)を下して1敗を守った。

 立ち合いで鋭く踏み込み、左上手を取って右を差す盤石の体勢になって寄り切った。前日6日目の平幕の阿炎戦での、今場所初黒星を引きずらずに完勝。

 「いい所(左上手)が取れたね。まぁ、これで大丈夫だろう」と納得顔。明日8日目の、初顔合わせとなる平幕の豊山戦に向けては「まぁ、頑張ります」と控えめに意気込んだ。

千代大龍(左)を寄り切りで破る白鵬(撮影・鈴木正人)

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