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精神病むのは避けたい…稽古は短時間集中/高砂親方

3月、高砂親方(左)と握手を交わす朝乃山

24日に初日を予定していた、両国国技館開催の大相撲夏場所の中止決定から一夜明けた5日、日刊スポーツ評論家の高砂親方(元大関朝潮)が電話取材に応じた。師匠としての心構え、力士への配慮、部屋での新型コロナウイルス感染予防対策などを聞いた。

   ◇   ◇   ◇

八百長問題の影響を受けた11年春場所以来、9年ぶりの本場所中止。この現実をどう受け止めたのか。

高砂親方 あの時は協会内の問題。内部のうみを出す必要があった。今回の状況は日本全国、全世界の問題。協会内から感染者が出た、出ないに関係なく政府方針に従うのは当然だ。

稽古も満足に出来ない状況はさぞ、もどかしい。

高砂親方 稽古場は窓や扉を開けて換気をよくしている。あとはこれまで以上に検温、手洗い、うがいなど感染予防を徹底する。あまり神経質すぎて精神が病んでしまうのは避けたい。

毎日の稽古もメリハリをつける必要がある。

高砂親方 土曜日は四股だけ、日曜日は完全休養にした。稽古時間も2時間以内。長期戦を見据えてやればいい。この状況だから疲労がたまると体力を奪われ抵抗力が低くなり感染リスクも高まる。短時間の稽古を集中してやればいい。

「力士にとっては稽古のうち」ともされる食事にも気を配る。

高砂親方 大量の食材は女房が業務用スーパーに買い出しに行っている。若い衆が近所のスーパーに行く時は外出時間もチェックする。メニューに納豆やキムチ鍋が多くなっているね。飽きがこないように力士の要望でピザの出前や、ドーナツも頼んでいる。これは私のポケットマネーで(笑い)。部屋全員で戦うためにも何とか乗り切りたい。

朝乃山は新大関の場所だっただけに残念だ。

高砂親方 本人は「ひまでありがたい」と言っているようだ。余計な神経を使わずに済むから。そうやってプラスに考えればいい。

当面、目指すところはどこに置くのか。

高砂親方 7月場所の無観客開催もあるが、9月場所の通常開催だろう。相撲ファンあっての大相撲なんだから。(日刊スポーツ評論家)

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朝乃山昇進で「横綱大関」併記1場所で解消/新番付

大関昇進の伝達を受ける朝乃山(右)と高砂親方(代表撮影=2020年3月25日)

日本相撲協会は27日、大相撲夏場所(5月24日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、夏場所開催の可否は決まっていない。

横綱は3場所連続で東に白鵬(35=宮城野)、西に鶴竜(34=陸奥)が就いた。3月の春場所では、千秋楽相星決戦で優勝を争った両者は、白鵬が2場所連続45回目、鶴竜が5場所ぶり7回目の優勝を目指す。

新大関の朝乃山(26=高砂)は西に就いた。新大関誕生は昨年夏場所の貴景勝以来で、高砂部屋からは02年秋場所の朝青龍(元横綱)以来、富山県出身では1909年(明治42年)夏場所の太刀山以来、111年ぶりとなる。近大出身では、師匠の高砂親方(元大関朝潮)以来37年ぶり、学生相撲出身では07年秋場所の琴光喜以来8人目。三役在位3場所での新大関昇進は、照ノ富士の2場所に次ぎ大鵬、豊山、雅山と並ぶ2位のスピード昇進(58年以降)。三段目付け出しデビューでの大関昇進は初めてとなった。

また、5場所ぶり2度目のかど番となる貴景勝(23=千賀ノ浦)は東大関。先場所は大関が貴景勝1人で、38年ぶりに西横綱鶴竜が番付上「横綱大関」と併記されたが、それも1場所で解消された。

関脇は先場所、西だった正代(28=時津風)が、2場所連続在位の東へ(三役も2場所連続)。西は御嶽海(27=出羽海)が、3場所ぶりに(三役としても)復帰した。

小結は、東が2場所ぶり復帰の大栄翔(26=追手風)、西はベテラン隠岐の海(34=八角)が4年(24場所)ぶりの返り咲きとなった(三役としては関脇だった16年九州場所以来、21場所ぶり)。

夏場所は、通常通りなら5月22日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。24日の初日を迎える(いずれも未定)。

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「自分の相撲」風格も生んだ意識改革/朝乃山連載3

タイを手に笑顔の朝乃山(中央)。前列右側は高砂親方夫妻、後列左から2人目は父の石橋靖さんと母の佳美さん(代表撮影)

<新大関朝乃山 “富山の人間山脈”の軌跡(3)>

大相撲春場所を11勝4敗で終えた関脇朝乃山(26=高砂)が、富山県出身では太刀山(横綱)以来111年ぶりとなる大関昇進を確実にした。連載「新大関朝乃山 “富山の人間山脈”の軌跡」では、朝乃山の相撲人生を振り返る。

   ◇   ◇   ◇

令和最初の幕内優勝を飾った昨年夏場所から、朝乃山の心境に変化があった。初土俵から10場所目の17年秋場所で新入幕。順調に出世したが、その後、約1年半は幕内下位から中位を行ったり来たり。伸び悩んでいた。昨年春場所は勝ち越し王手から5連敗で負け越した。同場所中に食べたカキにあたり、体調を崩していた。師匠の高砂親方にも未熟さを指摘された自己管理を徹底。場所中は禁酒した。何より「相手のことは考えず自分の相撲を取りきる」と自分と向き合った。

それまでは、翌日の対戦相手のことを考えて寝付けないこともあった。「昔はよく相手の取組をビデオで見ていたけど、見なくなった。最近、見るのは自分の相撲だけ。悪いところがあれば直すように。『相手が変化するかも』とか考えたら硬くなる」。口癖だった「自分の相撲を取る」という意識に拍車が掛かった。仕切りの際は、可能な限り自ら先に両手をついて待った。しかも「立ち合いの時は相手を見ない。目を合わせない。目を合わせると、のまれそうになる」と誰が相手でも同じリズム。余計な感情が生じる隙を与えず「自分の相撲」を貫いた。

初優勝後は「優勝したことを自信にしたい」と話す通り、言動に余裕も出てきた。何げない雑談でも以前は「富山弁が出ちゃった」と、方言を気にしていた。それが優勝後は自ら報道陣にクイズを出題し「富山弁で『今日はオレが、だいてやる』って、どういう意味か分かりますか? 『おごってやる』って意味です」とニヤリ。周囲の目を気にし、コンプレックスのように感じていた部分を、逆に愛する故郷をアピールする武器に変えた。

土俵上でも土俵外でも、やることや思いは変わらないが、意識改革と自信が成長と風格をもたらした。「はたきができるのは器用。自分はできない。負けてもいいので前に出る。負けるなら前に出て負けたい」。不器用と呼ばれても構わない。令和を引っ張る大器に、大関の看板が託された。(おわり)【高田文太】

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朝乃山「一生懸命」思い強めた16年九州場所/手記

大関昇進の伝達を受ける朝乃山(右)と高砂親方(代表撮影)

大関昇進が決まった朝乃山が日刊スポーツに手記を寄せた。16年春場所で初土俵を踏み、丸4年で夢だった大関に昇進。高砂部屋の伝統をしっかりと胸に刻み、口上でも述べた「一生懸命」を貫いて駆け上がってきた。富山県出身では太刀山(元横綱)以来111年ぶりとなる新大関が、感謝の思いや今後の夢などを記した。

   ◇   ◇   ◇

みなさまの応援、支えのおかげで、大関に昇進することができました。春場所は史上初の無観客開催で、声援がなかったことは正直寂しかった。それでも、テレビなどを通して全国から応援してくれる人がいると思えば頑張れた。本当にありがとうございました。角界入りしてから夢だった地位に上がれたが、もう1つ上の番付がある。これからさらに精進していきます。

座右の銘にしているのは「一生懸命」。誰でも意味が分かる簡単な言葉だが、すごく重い言葉だと思う。土俵に一生、命を懸ける。その決意ができたのはプロに入った時。人生は1度きり。1度しかないチャンスで、できるところまでやろうと思えた。そうすると稽古も頑張ることができた。

「一生懸命」の思いが強くなったのは16年九州場所千秋楽。その日の部屋は独特な雰囲気だった。部屋のみんなで朝赤龍関(当時十両、現錦島親方)の取組をテレビで観戦。幕下希善龍さんとの「入れ替え戦」に負けて幕下陥落が確実になり、兄弟子たちがガックリと落ち込んでいた。もちろん部屋頭が負けて喜ぶ人はいないけど、それまでの負けと明らかに違っていた。

その意味を知ったのは、翌日の新聞だった。高砂部屋は1878年(明11)の部屋創設から138年間にわたって、十両以上の関取を輩出し続けていた。その最長記録が途絶えることになった。千秋楽パーティーで朝赤龍関は「自分のせいです」と泣いていた。師匠(高砂親方=元大関朝潮)は「頑張るしかない。新しい高砂部屋の歴史をつくっていこう」と下を向かず、涙を見せずに言っていた。グッとくるものがあった。

16年の九州場所で自分は東幕下14枚目だった。その年3月の春場所で初土俵を踏み、1年で関取になることを目標にしていた。翌17年の春場所で新十両に昇進し、目標を果たした。ただ初場所は7戦全勝で幕下優勝。もしも1場所早く、九州場所で全勝だったら、関取が途絶えることはなかったのに-。皮肉なことに、伝統が途切れたことで初めて高砂部屋が「名門」と言われる本当の意味を知ったと思う。同時に自分が「名門」の新しい歴史をつくりたいという気持ちが出てきた。支えてくれる人のために-。こういう感情は初めてだった。高砂部屋に入ったから、今の自分がある。

夢の大関昇進だが(故人で母校の富山商高元監督)浦山先生の夢は、自分が横綱になること。横綱になった時が「十分咲き」なら、大関に上がっても、まだ「五分咲き」だと思う。まだ自分の相撲人生は道半ば。浦山先生や今年の初場所中に亡くなった伊東監督(母校の近大元監督)、高砂親方や高砂部屋のためにも、ここからさらに「一生懸命」に土俵を務めたい。

記者会見で笑顔を見せる朝乃山(代表撮影)

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大関朝乃山、亡き恩師2人へ「これに満足せずに」

若手力士らに担がれ笑顔を見せる朝乃山(代表撮影)

大関朝乃山(26=高砂)が正式に誕生した。日本相撲協会は25日、大阪市内で大相撲夏場所(5月10日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、朝乃山の大関昇進を全会一致で承認した。大阪市の宿舎で行われた伝達式では、昔からなじみのある「愛」「正義」「一生懸命」の言葉を口上に使用。富山出身では太刀山以来(元横綱)111年ぶりに大関昇進を果たした新大関が、亡くなった恩師2人へ、もう1つ上の番付も誓った。

   ◇   ◇   ◇

人柄の良さ、素直さがにじみ出た。協会からの使者に昇進決定を言い渡された朝乃山は、続いて引き締まった表情で、よどみない声で口上を述べた。

「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬよう、相撲を愛し、力士として正義を全うし、一生懸命努力します」

思いが強い3つの言葉を入れ込んだ。「愛」と「正義」は、母校・富山商高の教育方針や校歌にある「愛と正義の理想」の文言から。「一生懸命」は中学時代から座右の銘にしてきた言葉だった。本格的に相撲を始めた中学時代と、17年に死去した富山商高相撲部監督の浦山英樹さんから徹底して右四つを指導してもらった高校時代。常日頃、地元・富山からの応援に感謝の言葉を口にする、朝乃山らしい言葉選びだった。

運命的な巡り合わせになった。伝達式を行った宿舎の大阪市・久成寺は、83年春場所で大関昇進を決めた師匠の高砂親方(元大関朝潮)が伝達式に臨んだ時と同じ場所。高砂親方や部屋の先輩にあたる朝青龍(元横綱)も、大関昇進の口上で「一生懸命」を用いた。「自分も伝統のある高砂部屋に入れたし、高砂部屋の部屋頭としての責任を持って行動したい」と新大関としての自覚を持った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、晴れの姿には代表2社など限られた報道陣しか立ち会えなかった。部屋に集まったのも両親や後援会関係者など30人程度。しかしそこには、浦山さんと初場所中に急逝した近大相撲部監督の伊東勝人さんの遺影があった。角界入りの背中を押してくれた浦山さんと、角界で生き抜く技を教えてくれた伊東さん。額に収まる2人の恩師を前に「おかげさまで大関に上がれました。これに満足せずに、もう1つ番付があるので、そこを目指して頑張ります」と誓った。

富山出身では約1世紀ぶりの大関誕生。「富山県の小さい子どもたちから目標にしてもらい、プロに入ってもらうのが、また1つの夢」と地元愛が強い。来週からは早速、夏場所に向けての稽古を再開するという。「次はたくさんのファンの前で」と夏場所でこそ、大勢のファンの前で新大関の姿を披露する。【佐々木隆史】

◆朝乃山英樹(あさのやま・ひでき)1994年(平6)3月1日、富山市生まれ。本名は石橋広暉(ひろき)。相撲は小学4年から始め富山商高3年で十和田大会2位、師匠の高砂親方(元大関朝潮)部屋付きの若松親方(元前頭朝乃若)と同じ近大で西日本選手権2度優勝など。16年春場所、三段目最下位格(100枚目)付け出しで初土俵。188センチ、177キロ。得意は右四つから寄り、上手投げ。通算139勝101敗。好きな女性のタイプは磯山さやか。

タイを手に笑顔の朝乃山(中央)。前列右側は高砂親方夫妻、後列左から2人目は父の石橋靖さんと母の佳美さん(代表撮影)
大関昇進の伝達を受ける朝乃山(右)と高砂親方(代表撮影)

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朝乃山両親も大関昇進に「感動しました」一問一答3

日本相撲協会は25日午前、大阪市内で関脇朝乃山(26=高砂)の大関昇進をはかる臨時理事会を開き、全会一致で承認した。その後、同協会の出羽海理事(元前頭小城ノ花)と高砂一門に所属する審判部の千田川親方(元小結闘牙)が使者として大阪市内の高砂部屋に向かい、伝達式が行われた。

伝達式後の代表者による一問一答(その3)は以下の通り。

-看板力士になった。これまで以上に師匠からは

高砂親方 月曜日(の一夜明け会見)にも話したけど、強くなれば強くなるほど、注目度が増えるわけだし、いろいろな人から見られることが多くなる。立ち居振る舞い、自分の行動には責任を持つ。常々、私は弟子たちに言うんだけど「財団法人日本相撲協会」「高砂部屋」という看板を背中に背負って歩いている。その看板を汚したりすることは絶対、しちゃいかんと。朝乃山も、そのへんのことを考えてやってくれると思っています。

-ご両親にお聞きします。現在の心境は

父靖さん 本当にうれしい限りです。

-おかあさんは

母佳美さん 感動しました。

-この4年間は

靖さん 今思えば、あっという間に大関という地位まで駆け上がってくれた。一時期、足踏みしていたような時期もあったかもしれないけど、私の気持ちの中では早く上に上がってくれて、本当に喜んでいます。

-富山の応援が力になったと本人も言っている

靖さん 本人も言うように地元に錦を飾るのは1つの目標、夢と言っていた。優勝した時点で1つは達成したと思いますが、まだその上の大関、横綱がある。この世界に入ったからには目指してほしいと、周りの人たちも願っていると思うので、これからもそれに向かって精進してほしいと思います。

-今場所は

靖さん 私は考え方が楽観主義者で、いいように考えていたので頑張れば上に上がれると、願いを込めて見守っていたつもり。(喜びは)ひとしおです。

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新大関朝乃山「もうちょっと朝乃山で」一問一答4

朝乃山

日本相撲協会は25日午前、大阪市内で関脇朝乃山(26=高砂)の大関昇進をはかる臨時理事会を開き、全会一致で承認した。その後、同協会の出羽海理事(元前頭小城ノ花)と高砂一門に所属する審判部の千田川親方(元小結闘牙)が使者として大阪市内の高砂部屋に向かい、伝達式が行われた。

伝達式後の代表者による一問一答(その4)は以下の通り。

-あらためて(亡くなった恩師の)浦山先生、伊東先生への報告は

朝乃山(以下「朝」) おかげさまで大関に上がれました、と言います。これに満足せず、さらにもう1つ(上に)番付があるので、そこを目指して頑張ります、と言いました。尊敬される、目標とされる大関になりたいです。

-口上は(過去の映像などを見て)参考にしたか

朝 いろいろな方々の口上を見ました。去年だったら大関貴景勝関や、横綱鶴竜関(の映像を参考にした)。

-「大関」と呼ばれて

朝 慣れてませんが、大関と言われるからには看板力士ですし、協会を汚したくないという思いがあります。(両親には親元で育ててくれた)高校生まで、ここまでしっかり育ててくれたので感謝しています。(師匠には)指導してもらい、大関という地位まで上り詰めることができた。親方も、もう少し(今年12月)で定年なので、その後も少しでも期待に応えたい。

-高砂部屋の大関として

朝 伝統ある高砂部屋に入った。その高砂部屋の部屋頭ですし、責任を持って行動したい。

高砂親方 (自分の場合)親方になってみて、高砂部屋のすごさとか、歴史を感じるようになった。それは続いていくもの、継承するもの。次の人にバトンタッチすることが自分の仕事だと思う。

朝 これから新たな歴史を作って行きたい。

高砂親方 私はもう定年だから、朝乃山が強くなるのを、そばで見てますよ。

-太刀山さんに近づけた

朝 小学校の時、少ししか勉強してないけど、プロに入って相撲教習所に通いながら昔の大横綱の勉強もしましたし、少しは太刀山さんに近づいてるなという実感もあります。

-しこ名は

朝 朝乃山の「山」にはいろいろな思いが詰まった、願いがこもった「山」。朝潮という名前は本当に、偉大なしこ名だと思う。(自分が)もらえるしこ名じゃないと思います。変えろ(改名しろ)というなら変えますし(一同笑い)、親方は(報道で)変えさせたくないと聞いたので、もうちょっと朝乃山で(笑い)。

高砂親方 朝乃山というしこ名、英樹という名前は、いろいろなもの(縁)があってつけてもらって今、大関に上がれたわけだから、この名前を大事にして行った方がいいと思います。

-新大関として臨む夏場所に向かって

朝 場所に向けてしっかり体をつくって、番付発表を迎えたい。

-具体的目標は

朝 優勝争いに加われるようにしたい。しっかり右四つを磨きたい。

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新大関朝乃山「初優勝した時自信できた」一問一答2

日本相撲協会は25日午前、大阪市内で関脇朝乃山(26=高砂)の大関昇進をはかる臨時理事会を開き、全会一致で承認した。その後、同協会の出羽海理事(元前頭小城ノ花)と高砂一門に所属する審判部の千田川親方(元小結闘牙)が使者として大阪市内の高砂部屋に向かい、伝達式が行われた。

伝達式後の代表者による一問一答(その2)は以下の通り。

-大関になった

朝乃山(以下「朝」) こんなに早く大関になれるとは思ってませんでした。去年の5月に初優勝した時に自信ができたので(力がついたのは)そこからかなと。

-ご両親への報告は

朝 千秋楽パーティーの時にお会いして…(間を置き一同笑い。言い直して)会って「おめでとう」と言われ握手をしました。いつもと(両親は)変わらずでした。少し笑顔でした。

-自身に続き37年ぶりに今度は師匠として使者を迎えた

高砂親方 この部屋で私も使者を迎えました。5代目の親方(元横綱朝潮)と一緒に会見をしたことを、うっすらと覚えています。同じ所で、大学も後輩ですし良かったんじゃないかな、と思います。

-今日の口上は? 何かアドバイスは

高砂親方 100点満点。一切(アドバイスは)してません。自分も5代目の親方に、そういったことは言われなかったもんですから、同僚だとか、先輩だとかにアドバイスをもらいながら、自分なりに考えて言った覚えがあります。

-入門から師匠を上回る速さでの昇進

-みるみる体が大きくなってきました。よく稽古もしたと思います。優勝した去年の夏場所、今でも覚えてるけど初日、2日目と左の上手を早く取って右を差す相撲が取れた。あっ、今場所はそこそこ勝つなという感覚を持ちました。本人が一生懸命、稽古したたまものだと思います。(優勝して)アメリカ大統領杯というのももらった。本人にとっても大きな自信になったと思います。

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朝乃山も「一生懸命」濃厚、師匠と同じ場で同じ口上

一夜明け会見で高砂親方(左)と握手を交わす朝乃山

大相撲夏場所(5月10日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会が、25日に大阪市で行われる。同会議と同理事会で大関昇進が承認されれば、関脇朝乃山(26=高砂)は歴代250代目の大関となり伝達式に臨む。伝達式の口上では4文字熟語を用いる力士が多く、朝乃山が座右の銘にしている言葉は「一生懸命」。春場所千秋楽後には「中学からずっと使っていた言葉がある」と話し、4文字熟語かどうかを問われ「そうです」と答えていただけに「一生懸命」を使う可能性は高い。

師匠の高砂親方(元大関朝潮)も38年前の同じ春場所で大関昇進を決めた。大阪市内の宿舎で行われた伝達式では「大関の名に恥じぬよう、一生懸命頑張ります」と口上を述べた。伝達式が行われる予定の朝乃山の宿舎は、師匠が38年前に伝達式に臨んだ時と同じ宿舎。師匠と同じ場所で、同じ口上を述べれば運命的な伝達式になる。

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高砂親方、朝乃山へ「負けることがニュースになる」

一夜明け会見で高砂親方(左)と握手を交わす朝乃山

大相撲春場所を11勝4敗で終え、大関昇進を確実にした関脇朝乃山(26=高砂)が千秋楽から一夜明けた23日、大阪市の高砂部屋で会見に臨んだ。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により代表取材となったが、理想の大関像に「真っ向勝負」を掲げた。大関昇進となれば、富山県出身では太刀山(横綱)以来111年ぶりの快挙となる。

   ◇   ◇   ◇

師匠の高砂親方(元大関朝潮)の隣に座った朝乃山は、引き締まった表情で大関像を語った。「いつもと変わらず真っ向勝負の相撲を取っていきたい」。史上初の無観客開催となった春場所で、昇進目安の「三役で3場所33勝」にあと1勝届かず。しかし、誰が相手でも真っ向勝負する姿勢、188センチ、177キロの体を生かした正攻法の右四つが評価された。高砂親方からは「これからは負けることがニュースになる。地位の重さを感じると思う。関脇でも感じるが、その比ではない。そういうことを少しずつ勉強していくことだな」と激励された。

25日に日本相撲協会が開く夏場所(5月10日初日、東京・両国国技館)番付編成会議と臨時理事会で正式に大関昇進が決定する。富山出身では太刀山以来111年ぶりの快挙。富山・呉羽小時代に、その太刀山の遺族が同小学校に寄付した「太刀山道場」で相撲を始めたのが相撲人生の原点。「少しは太刀山さんに近づける1歩を踏み出したという感じ」と照れ笑いした。

横綱戦2連敗を喫した春場所。「まだまだ課題はたくさん。横綱に勝てるようにならないと上の番付は目指せない」。大関昇進にとどまることなく、さらにその上も見据えた。【佐々木隆史】

◆第22代横綱太刀山 富山県出身で1900年(明33)5月場所でデビュー。横綱時代は威力抜群の突きや呼び戻しを武器に56連勝を達成。立ち合いから2発以内に土俵外へ持っていく猛烈な突っ張りは「四十五日」(1突き半=1月半)と評された。幕内勝率は8割7分8厘を誇る。1場所10日制だった当時、優勝9度のうち5度が全勝。

代表取材となった一夜明け会見で記者の質問に答える朝乃山(右)と高砂親方

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朝乃山「常に真っ向勝負で臨みたいなと」一問一答4

一夜明け会見で高砂親方(左)と握手を交わす朝乃山(代表撮影)

大相撲春場所で11勝を挙げ、大関昇進を確実にした関脇朝乃山(26=高砂)が23日午後、大阪市内の部屋で一夜明け会見に臨んだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で代表者による取材のみ。春場所は史上初の無観客開催で行われたが、一夜明け会見も異例の形で行われた。

一問一答の「その4」は以下の通り。

-今、師匠の言葉を横で聞いてどう思ったか

朝乃山 その通りだと思います。

-あらためて次の場所への意気込みを

朝乃山 下にはもう負けられないので、常に優勝争いに加われるように頑張りたいですね。

-弟子が自分と同じ大関に昇進する師匠としての気持ちは

高砂親方 よく頑張ったと思いますよ。11番で上げてもらったというのは、ひじょうにラッキー、ありがたいと思って、それはまだ朝乃山にみんなが期待してくれているととらえて、もっともっと精進しなければいけないということ、もっともっと頑張らなければいけないということですね。

-新三役昇進から一発で決めた

高砂親方 それは、いろいろ状況もあるでしょう。優勝もあっさりするし、大関もすんなりワンチャンスで決めるし、俺と持ってるものが違うな、という感じはしますよ。それを生かすも殺すもこれからの自分ですから、実れば実るほど、こうべを垂れる稲穂かな、じゃないけど、強くなれば強くなるほど注目される。そうゆう意味では自分の行動には注意しなければいけないし、さらに稽古もしなければいけないということ。己を磨かなければいけない。己を磨いたんだからこそ大関になれたんだし、また磨くことによってもう1個上に行ける可能性が生まれる。朝乃山は12勝3敗で優勝しているけど、13番まで勝ったことがまだない。これからは、これが課題になってくる。11、12じゃなくして13、14という星の積み重ねが出来てくる。そのためには、どうしなければならないか、ということを考えなければならない。それがこれからの一番の課題になってくると思う。そう、スンナリ簡単にはいかないと思うけど、そうなるためにはもう1回、優勝しなければいけないということ。12で優勝するのはラッキーなこと。13、14で優勝できるようになるが大事になる。

-37年前に師匠も大関を決め、今年は定年

高砂親方 巡り合わせでしょうけど、ありがたいこと。何もないより、ある方がいい。忙しくなるけど、こっちも体に注意して頑張らないと。定年までは頑張らないといけないので。

-定年までにもう1回、(横綱昇進)会見をというのは

高砂親方 まあ、そうなればね、それはうれしいけど、そんなに多くは望みませんよ。とりあえず大関に上がった、このことをしっかりしたものにして、それから次という考え方でね。階段というのは、一足跳ばしに上がれば早く上がれるけど、1つずつしっかり階段を踏みしめて上がる方が大事だと思う。そうゆう教えが分かっているからこそ、本格的な正攻法の右四つの相撲が取れると思う。場所前の会見でも言ったけど、もう少し当たりを強くしないといけない、ということは頭から当たることも必要になってくるかもしれない、とかいろいろ考える中で、自分の左の上手を取るために、どうしないといけないかとか。そうゆうことが、どんどん積み重ねないと今度の地位を守るのは大変なことになる。

-この1年で師匠から見て横綱との差は

高砂親方 多少は縮まっているでしょう。ただ、鶴竜には1回勝ったことはあるけど、白鵬には勝てないというのは、立ち合いのうまさ、駆け引きで負けている。その部分を、これからは研究しないといけない。逆に白鵬の所に出稽古に行って稽古をつけてもらうということも大事なことかもしれない。まだ、名古屋で1回、行ったきりだもんな(と隣の朝乃山に確認)。そうゆう場面も、これから増やすことも必要になってくる。

-真っ向勝負(の姿勢)が昇進につながった

朝乃山 変化をして勝ってもうれしくないし、親方の教えを守ってきたので、常に真っ向勝負で臨みたいなという気持ちはある。

-しこ名は

高砂親方 今のところ変える考えは持っていません。(横綱になっても)朝乃山という名前が定着してきているし、特に下の「英樹」という名前は浦山君の本名だし、その名前をもらって今まで頑張ってきているわけだから、それはやっぱり特に大相撲というのは地域密着型のプロスポーツだから、大事にした方がいいと思う。富山というイメージもあるだろうし。

-横綱を目指す上で右四つの課題は

朝乃山 立ち合いで左上手を早く取るとか、右を差したとき、かいなを返して体を密着させて慌てず寄り切ることが大事だと思います。

-伝達式の口上は固まっているか

朝乃山 まあ、ぼちぼち…いや、まだです、まだ(笑い)。あまり決めてないです。考えていきたい。

-師匠の考えは

高砂親方 ありません。本人が考えること。4文字熟語を並べることが、偉いことでも何でもない。口上より、その後のことが大事。行動が大事なんです。口上はそこで終わり、ハイッ。いいですか。どうもありがとうございました。

一夜明け会見で記者の質問に答える朝乃山(右)。左は高砂親方(代表撮影)

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朝乃山恩師へ「大関になったと言いたい」一問一答3

一夜明け会見で高砂親方(左)と握手を交わす朝乃山(代表撮影)

大相撲春場所で11勝を挙げ、大関昇進を確実にした関脇朝乃山(26=高砂)が23日午後、大阪市内の部屋で一夜明け会見に臨んだ。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で代表者による取材のみ。春場所は史上初の無観客開催で行われたが、一夜明け会見も異例の形で行われた。

一問一答の「その3」は以下の通り。

-ここ大阪も近畿大学出身の関取には、ゆかりの深い場所。大阪で決めたことには

朝乃山 第2の故郷、大阪で決めたことはうれしいです。

-その大阪が無観客開催になったのは残念

朝乃山 本当はお客さんがいる中で勝ち姿を見せたかった。お客さんいない中で昇進が決まったのは残念ですけど、あとは新大関になって土俵の上で戦う姿を見せたい。

-亡くなられた恩師、富山の浦山先生、近畿大学の伊東先生におくる言葉は

朝乃山 大関になりました、と言いたいですし、もう1つ上の番付があるので、そこを目標にして次は頑張ります、と言いたいです。

-お二方は関取の姿を見てくれたと感じますか

朝乃山 2階席で見ていると思いました。

-伊東先生には大関、横綱を目指せと言っていた。そこも有言実行した

朝乃山 それを果たせて良かったです。

-大関でどんな相撲を

朝乃山 いつもと変わらず真っ向勝負の相撲を取っていきたいですね。

-15日間、重要な場所を無観客で取れた経験は

朝乃山 これからの相撲人生に生かしていきたいし、無観客の中で集中して自分の相撲を取れたので、それを自信に変えたい。

-一方で横綱には勝てなかった。課題などは

朝乃山 まだまだ課題はたくさんあるし、横綱に勝てるようにならないと上の番付は目指せない。しっかり稽古をして本場所で恩返しできるように勝ちたいです。

-横綱に対し自分が一番、足りないところは

朝乃山 立ち合いじゃないですか。

-もっと力強く、真っ向から行けるようにと

高砂親方 それが分かっていたら苦労はしない。今、問われてね、本人は答えられない。俺でもやっと答えられるかな、というところだと思う。やっぱりスピードもあるだろうし、経験というのもあるだろうし、それをやっぱりカバーしていく、積み重ねていけるからこそ、関脇に上がって大関に上がっていけるわけですよ。ここまでは俺も経験しているけど、この先は俺も経験したことがないから、ある意味、想像でしか言えないけど、そこの段階にきて、そこからまた変わっていかないとだめだな。そこからまたもう1つ、力をつける、経験を増していくことが必要。これは、聞く側とか見る側は意外と簡単に言うかもしれないけど、やってる方は結構、しんどいと思うよ。たぶんまだ、それが分かってたら横綱に負けてないよ2人に。どっちかに勝ってるかもしれないと俺は思うよ。そこは朝乃山に足りないところ。それと、これからは負けることがニュースになるわけだから、そこをしっかり頭に入れておかないと。地位というものの重さをこれからは感じると思う。もちろん関脇でも感じると思いますよ。でも、その比じゃない、大関とかその上は。そうゆうことを少しずつ勉強していくことだな。

一夜明け会見で記者の質問に答える朝乃山(右)。左は高砂親方(代表撮影)

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大関確実朝乃山「新たなスタート」異例一夜明け会見

一夜明け会見で記者の質問に笑顔で答える朝乃山(右)。左は高砂親方(代表撮影)

大相撲春場所で11勝をあげ、大関昇進を確実にした関脇朝乃山(26=高砂)が23日、大阪市内の部屋で一夜明け会見に臨んだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で代表者による取材のみ。春場所は史上初の無観客開催で行われたが、一夜明け会見も異例の形で行われた。

朝乃山は「優勝には届かなかったが、新たなスタートと思う。大関の座を目指してやってきた。ひとつは目標を達成した」と語った。無観客開催については「今まで声援を受けて相撲をとってきた。声援がないのは苦しかった。応援してくれる人たちがいて、いつも通りのイメージで1日1番しっかりやろうと思ってきた」と明かした。

25日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議で大関昇進が正式に決まる。「(大関は)ないと思っていた。(近大出身で)大阪で決めたことはうれしい。お客さんがいる中で姿を見せたかった」。師匠の元大関朝潮の高砂親方は「俺とは持っているものが違う。生かすのは自分。こうべを垂れる稲穂かなじゃないけど、おのれを磨かないといけない」とエールを送った。

一夜明け会見で記者の質問に答える朝乃山(代表撮影)

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朝乃山が大関昇進へ、無観客の客席に見た2人の恩師

報道陣から大関昇進が決定的となったことを聞かれマスク越しに笑顔を見せる朝乃山(撮影・小沢裕)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇22日◇エディオンアリーナ大阪

新型コロナウイルスの感染拡大防止により史上初の無観客開催となった春場所で、関脇朝乃山(26=高砂)が大関貴景勝を押し倒しで破り、事実上の大関昇進を決めた。昇進目安の「三役で3場所33勝」には1勝届かず。それでも相撲内容が評価され、日本相撲協会審判部の境川部長代理(元小結両国)が、大関昇進をはかる臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し、了承された。25日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議を経て正式に決定する。

   ◇   ◇   ◇

しこ名を呼ばれて土俵に上がると、朝乃山はガランとした千秋楽の館内を見上げ、2人の恩師を思い浮かべた。「2階席の端で絶対に見てくれている」。17年の初場所中に亡くなった富山商相撲部監督の浦山英樹さん、今年の初場所中に急逝した近大相撲部監督の伊東勝人さん。2人に見守られて大一番に臨んだ。

負ければ来場所でかど番を迎える貴景勝との真っ向勝負。気合でぶつかった立ち合い、徹底した突き押しではじかれてまわしが取れない。それでも構わず前へ。懸命に伸ばした左でまわしをつかむと、振られても絶対に離さなかった。引かれてもついていき、途中でまわしから手が離れたが押しながら前へ。はたきにも落ちずにしつこく前に出ると大関が背中から転んだ。「辛抱して前に前に出られた。常に前に出る気持ちだった」とどっしりと構えた。

無観客開催の異様な重圧に負けなかった。そのために15日間、2人の恩師を2階観客席に思い浮かべた。「自信を持っていけ」「しっかり当たれ」。高校、大学時代に幾度となく掛けられ続けた言葉を、胸に刻みながら土俵に上がり続けた。これまで過ごしてきた日常をイメージできたからこそ「今場所はいつもの場所と同じ気持ちで臨めた。ありがたい」と感謝する。

全取組後の協会あいさつが終わり、まだ会場内にいる時に審判部が大関昇進をはかる臨時理事会を八角理事長に要請したことを知った。昇進目安に届かなかったこと、14日目に横綱戦2連敗を喫したこともあり「自分の中では大関はないと思っていた」と諦めていた。プロ入り後ずっと夢だった大関。近大出身とあって“第2の故郷”で、師匠の高砂親方(元大関朝潮)と同じ地位が決定的となった。「まだ実感はありません。伝達式か番付を見た時ですかね」と話した。

25日の臨時理事会で大関昇進が正式決定すれば、富山県出身では太刀山(元横綱)が1909年6月に昇進して以来111年ぶりの快挙だ。今場所は地元のファンに直接、勇姿を届けられなかった。だからこそ夏場所は「できたらいつもの場所のようにお客さんの声援を受けたい」。一足早く、理想の大関像を問われると「小さい子どもがプロの世界に入った時に尊敬される力士になりたい」。“富山の人間山脈”はさらに大きな存在感を示し続ける。【佐々木隆史】

朝乃山(左)は貴景勝を押し倒しで破る(撮影・小沢裕)

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大関昇進決めた朝乃山しこ名「山」に4個の思い込め

報道陣との会見を前に笑顔でマスクを着用する朝乃山(撮影・小沢裕)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇22日◇エディオンアリーナ大阪

新型コロナウイルスの感染拡大防止により史上初の無観客開催となった春場所で、関脇朝乃山(26=高砂)が大関貴景勝を押し倒しで破り、事実上の大関昇進を決めた。

昇進目安の「三役で3場所33勝」には1勝届かず。それでも相撲内容が評価され、日本相撲協会審判部の境川部長代理(元小結両国)が、大関昇進をはかる臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し、了承された。25日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議を経て正式に決定する。

<朝乃山英樹(あさのやま・ひでき)>

◆生まれ 1994年(平6)3月1日、富山市出身。本名・石橋広暉(ひろき)。

◆入門 師匠の高砂親方(元大関朝潮)部屋付きの若松親方(元前頭朝乃若)が近大の先輩という縁もあり16年春場所、三段目最下位格(100枚目)付け出しで豊山と同期で初土俵。

◆サイズ 187センチ、177キロ。

◆家族 両親と兄、弟。全員やせ形。血液型はA。

◆好きな女性のタイプ 磯山さやか。

◆趣味 欧州サッカー観戦。アクション映画観賞。

◆夢 一軒家の購入。

◆しこ名 「山」には出身地の富山、愛称の人間山脈、富山市出身の22代横綱太刀山、富山商の故浦山英樹監督への思いが詰まる。

朝乃山(右)は貴景勝を押し倒しで破る(撮影・前岡正明)

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朝乃山が大関昇進へ、富山県出身力士111年ぶり

朝乃山(左)は貴景勝を押し倒しで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇22日◇エディオンアリーナ大阪

関脇朝乃山(26=高砂)の大関昇進が事実上、決まった。

横綱、大関の昇進をあずかる日本相撲協会審判部の錦戸副部長(元関脇水戸泉)は全取組終了後、八角理事長(元横綱北勝海)に、場所後の25日に朝乃山の大関昇進をはかる臨時理事会の招集を要請。これを快諾された。境川部長代理(元小結両国)が明かした。

この臨時理事会で承認され、その後の大相撲夏場所(5月10日初日、両国国技館)番付編成会議をへて、正式に大関昇進が決まる。

朝乃山は千秋楽で大関貴景勝に勝ち11勝4敗で今場所を終えた。大関昇進の目安とされる三役で3場所通算33勝には1勝届かないが、33勝というのはあくまでも数字上の目安。相撲内容や安定した取り口などが評価され、審判部内の総意で推薦することで意見が一致した。

~朝乃山が大関になると~

◆新大関誕生 19年夏場所の貴景勝(千賀ノ浦)以来、平成以降では27人目。

◆富山県出身 1909年6月の太刀山(元横綱)以来、111年ぶり。

◆高砂部屋 02年秋場所の朝青龍以来となる。

◆学生相撲出身 豊山、輪島、朝潮、武双山、出島、雅山、琴光喜に続き8人目で、近大出身では師匠の高砂親方(元朝潮)以来2人目になる。

◆付け出し 豊山(幕下10枚目)輪島(幕下60枚目格)朝潮(同)武双山(同)出島(同)雅山(同)琴光喜(同)に続き、三段目100枚目格では初めて。

◆三役通過 昇進目安の番付を「3場所連続三役」とすれば、新三役から所要3場所で大関昇進は00年名古屋場所の雅山以来約20年ぶり。

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有望株の深井 満点白星デビュー「まず勝ち越しを」

出羽東(左)を激しく攻める深井(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇2日目◇9日◇エディオンアリーナ大阪

三段目100枚目格付け出しで初土俵を踏んだ深井(22=高砂)が、満点の白星デビューを飾った。

東序二段筆頭の出羽東(28=出羽海)と対戦。立ち合いでぶちかまし、相手をのけぞらせると、右から突いて出て一気に押し倒した。

前夜は緊張でなかなか寝付けず、夜更けの3時、4時半、5時に目が覚めてしまい「あとは寝てるのか寝ていないのか分からなかった」という。それでも東洋大4年時の昨年11月の学生選手権で個人ベスト8に入り、付け出し資格を得た有望株は「所作の方が緊張しました。相撲に関しては、いい緊張感の中で体が動いた。場所前に稽古しているので体の方は万全かなと思います。これを続けてケガをせず、まずは勝ち越しを目指したい」と余裕の表情で話した。

初土俵を史上初の無観客開催で迎えたことには「ある意味、珍しい。どちらにせよ勝てればいいかなと思います」。師匠の高砂親方(元大関朝潮)からは「思い切って自分の思い通りに取ればいい」とアドバイスされたという。

石川県出身の深井にとって、同部屋で富山県出身の関脇朝乃山は、北陸つながりの良き兄弟子。部屋のちゃんこで話をする機会もあるという。「今場所は(朝乃山が)大関とりがかかる。自分も一緒に勢いに乗って、まずは勝ち越して(朝乃山に)少しでも勢いをつけられれば」と“相乗効果”に期待した。

報道陣の質問に答える深井(撮影・鈴木正人)

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春場所 無観客、中止も選択肢 尾車事業部長が見解

尾車親方(2019年5月7日撮影)

新型コロナウイルスの感染拡大に角界も揺れている。日本相撲協会の尾車事業部長(元大関琴風)が28日、大阪・堺市の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古後に、春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)開催について個人的見解を示した。

状況からして可能性の薄い通常開催について触れ「相撲協会だけ通常開催はありえない」と明言。同協会は3月1日に臨時理事会を開き、通常開催、無観客開催、中止の中から最終決断を下す。全国的にスポーツやイベントの自粛ムードが高まっており「収束というよりは状況は厳しくなっている。理事会で皆さんの意見を聞きたい。過去の事例が分からないから」と頭を抱えた。

力士らにも影響は及んでいる。29日に開催予定だった、大関とりの朝乃山が所属する高砂部屋の激励会の中止がこの日に決定。約1000人が参加予定だったといい、部屋関係者はこの日もホテルに出向いて折衝に追われた。朝乃山にとっては大関昇進に向けて、気合を入れるまたとない機会だった。朝乃山と同じ近大出身で12月に定年を迎える高砂親方(元大関朝潮)にとっても、師匠として迎える“第2の故郷”での最後の場所の激励会だったが無念の中止となった。

地方場所ではファンサービスで稽古見学が可能な部屋が多いが、今年は例年通りとはいかない。横綱白鵬が所属する宮城野部屋は、25日の稽古始めから一般客や報道陣の見学を禁止。初場所で平幕優勝を果たした徳勝龍が所属する木瀬部屋も、報道陣の見学を規制している。一方で横綱鶴竜が所属する陸奥部屋は見学が可能。稽古場に入る際には、マスク着用と手のアルコール消毒が必須で「熱のある方やせきをしている方、基礎疾患のある方はご遠慮下さい」と書いた紙を張り注意喚起している。異常事態に角界も細心の注意を払っている。

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朝乃山「準ご当地」で挑む憧れの地位 恩師ゲキ胸に

大関とりに向けて意気込む朝乃山(撮影・佐々木隆史)

第2の故郷で憧れの地位を射止める。日本相撲協会が24日、春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表。大関とりに挑む関脇朝乃山(25=高砂)は、大阪市内の宿舎で会見し、大関昇進へ意気込んだ。

近大出身の朝乃山にとって大阪は準ご当地。82年初場所の琴風以来、38年ぶりに貴景勝の1人大関となる春場所で、夢見てきた地位を狙う。

   ◇   ◇   ◇

大関とりに挑む朝乃山は、いつもと変わらないすがすがしい表情を浮かべた。「大関はプロに入ってずっと夢でした。1つ空いているのはチャンスだからものにしたい」。新小結だった昨年九州場所は11勝、新関脇だった初場所は10勝で、春場所で12勝を挙げれば大関昇進の目安「三役で3場所33勝」に到達する。「自分の相撲を取りきることだけを考えたい。12勝ではなくて、その上を目指したい」と高みを見た。

近大出身の朝乃山にとって大阪は「第2の故郷」。前日23日には、徳勝龍らOBと同大相撲部を訪れて後輩に胸を出した。稽古場では、初場所中に他界した同部監督の伊東勝人さんの遺影に手を合わせて大関昇進を誓ったばかり。その伊東さんからは、近大時代に「あいつは気持ちが強い。大会前でもガンガン言って大丈夫なタイプ」と精神的強さを評価されていた。その言葉通りに「場所中にプレッシャーは出てくるかもしれないけど、力に変えて期待に応えるだけ」と胸を張った。

角界入りして4年。順調に番付を上げてきたが経験はまだ浅い。初の大関とりに向けて師匠の高砂親方(元大関朝潮)から「右四つの型があるのが朝乃山の強さ。立ち合いから自分の相撲を取れるような厳しい立ち合いができればいい」とアドバイスをもらってうなずいた。

26日から出稽古を行う予定。「自分の右四つに磨きをかけるだけ」と大願成就に向けて、自分の相撲を信じ切る。【佐々木隆史】

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朝乃山、大関とりへ「12勝ではなく、その上を」

大関とりに向けて意気込む関脇朝乃山

大相撲春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付が発表された24日、大関とりに挑む関脇朝乃山(25=高砂)が、大阪市内の宿舎で意気込みを語った。

新小結だった昨年九州場所は11勝、新関脇だった初場所は10勝と、春場所で12勝を挙げれば大関昇進目安の「三役で3場所33勝」に到達する。「自分の相撲を取りきることだけを考えたい。12勝ではなくて、その上を目指したい」と自身2度目の賜杯も見据えた。

近大出身の朝乃山にとって、大阪は準ご当地。前日23日には近大相撲部を訪れて、初場所で幕尻優勝を果たした徳勝龍らとともに後輩に稽古をつけた。稽古場では、初場所中に他界した同大監督の伊東勝人さんの遺影に手を合わせて大関昇進を誓ったばかり。この日も「大阪は第2の故郷だから気合が入る。(伊東監督へ)プロ入りしたからには頂点を目指す。それが恩返しになる」と言葉に力を込めた。

82年初場所の琴風以来、38年ぶりに貴景勝の一人大関となる春場所。大関とりに挑む朝乃山にとっては「1つ空いているのでチャンスをものにしたい。大関はプロに入ってずっと夢だった」と力が入る。会見に同席した師匠の高砂親方(元大関朝潮)は「自分の相撲を磨くこと。右四つの型があるのが朝乃山の強さ。立ち合いから自分の相撲を取れるような厳しい立ち合いができればいい」と期待。周囲からの期待も高まるが、朝乃山は「それを力に変えて期待に応えるだけ」と淡々と話した。

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