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白鵬の師匠・宮城野親方「受け止めた」横審の決議に

白鵬(2020年7月30日撮影)

日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)から「注意」の決議を下された横綱白鵬(35=宮城野)の師匠、宮城野親方(元前頭竹葉山)が24日、日本相撲協会を通じて、決議が下されたことについてコメントした。「横綱審議委員会のこのたびの決議を受け、横綱としての責任を果たすべく、師弟共に真摯(しんし)に受け止めました」と多くは語らなかった。

白鵬は途中休場した7月場所後の8月に右膝を手術し、秋場所と11月場所を全休した。横審は11月場所千秋楽から一夜明けた23日に定例会を開催。ここ2年間の12場所中、3分の2にあたる8場所で休場した白鵬と鶴竜の両横綱に対して、注意の決議を下した。横審の決議事項には厳しい順から引退勧告、注意、激励があり、注意が決議されたのは初めてだった。

横審の矢野弘典委員長は、定例会後に「休場が多いので注意を与えて奮起を促した。横綱の責任を十分に果たしてきたとは言えない」などと厳しい言葉を並べた。しかし、来年初場所(1月10日初日、東京・両国国技館)の出場は厳命せず。さらに重い決議を下す可能性については、結果を見てから委員らで話し合いをするとしている。

宮城野親方(2018年1月6日撮影)

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白鵬と鶴竜に稀勢より重い「注意」横審「休場多い」

11月場所後の横綱審議委員会の定例会に出席した芝田山広報部長(左)と矢野弘典委員長

日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)は23日、東京・両国国技館で定例会を開き、11月場所を全休して3場所連続で休場した横綱白鵬(35=宮城野)と横綱鶴竜(35=陸奥)に対して、出席した6人の委員の総意で「注意」を決議した。横審の決議事項には厳しい順から引退勧告、注意、激励があり、注意が決議されるのは初めて。

定例会後にオンライン取材に応じた矢野弘典委員長は「休場が多いので注意を与えて奮起を促した。来場所には覚悟を決めて備えてもらいたい」と説明した。横審は両横綱の18年九州場所からの2年間の成績に注目。12場所中、皆勤したのはともに4場所のみで、休場が3分の2を占めた。秋場所後の定例会では、激励の決議を下す声も挙がったというが見送った。奮起を期待した11月場所だったが「期待に反して2人とも休場。横綱の責任を十分に果たしてきたとは言えない」と厳しい言葉を並べた。

横審は過去に、8場所連続で休場するなどした稀勢の里が、18年九州場所で初日から4連敗して途中休場した際に激励の決議を下した。両横綱の状況は、当時の稀勢の里と似ているが「少し踏み込んだ判断をして本人の自覚を促す。2人一緒に休むこと自体、責任の重さ、置かれている状況を認識しているのかということ」と話した。朝青龍が10年初場所中に泥酔し暴行問題を起こした際には、引退勧告書を相撲協会に提出したこともある。

来年1月の初場所(10日初日、東京・両国国技館)出場については「最終的に決めるのは本人。強制はしないが、横綱がいるのに出場しない場所は長く続けてはいけない」。結果によりさらに重い決議を下す可能性については、初場所の結果を見てから委員らで話し合いをするとした。

◆横審の勧告規定 横綱審議委員会規則の横綱推薦の内規第5条に「横綱が次の各項に該当する場合、横綱審議委員会はその実態をよく調査して、出席委員の3分の2以上の決議により激励、注意、引退勧告等をなす」とある。該当理由は(イ)休場が多い場合。ただし休場する時でも、そのけが、病気の内容によっては審議の上、再起の可能性を認めて治療に専念させることがある(ロ)横綱として体面を汚す場合(ハ)横綱として不成績であり、その位にたえないと認めた場合となっている。なお、勧告に強制力はない。

11月場所後に行われた横綱審議委員会の定例会

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横審、白鵬と鶴竜に「覚悟決めて」引退勧告にも言及

白鵬(2020年7月30日撮影)

日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審=矢野弘典委員長)が、大相撲11月場所千秋楽から一夜明けた23日、東京・両国国技館で定例会合を開き、9月の秋場所に続き2場所連続で休場した横綱白鵬(35=宮城野)と横綱鶴竜(35=陸奥)に対し、出席6委員の総意で「注意」の決議を下した。

横審の内規では、不本意な成績や休場が続く横綱に対し、委員の3分の2以上の決議があれば、重い順に「引退勧告」「注意」「激励」が出来ると定められている。最近では稀勢の里(現荒磯親方)に「激励」が言い渡されたことがあるが、それより一歩踏み込んだものとなった。師匠を通じてなり、両横綱への通達を横審は八角理事長(元横綱北勝海)に要請。同理事長は「必ず伝えます」と答えたという。

秋場所後の定例会合でも、数人の委員から決議を出すべきでは、という声が出ていた。だが「両横綱に自覚を促すにとどめたが、期待に反し2場所連続の休場。近年の状況から横綱の責任を果たしたとは言えない。少し重い注意が妥当と判断した」と同委員長は話した。

会合では、最近12場所の両横綱の休場場所数、休場日数などのデータを出して比較。全休場所がともに4場所(鶴竜は初日不戦敗も含め)、途中休場も各4場所。「全体の3分の2が休場で、全休は3分の1。休場日数も50%前後。出場した場所では白鵬は3回、鶴竜は1回、優勝しているが結果は別に、あまりにも休みが多い。深い、強い責任を持って今後に対処してほしい」と断じた。

8場所連続休場でも「激励」にとどめた稀勢の里との比較については「在位は12場所で10場所休場、全休は4場所だったが、それでも毎場所、土俵に上がっていい結果は出なかったが、やっている姿は見ることが出来た。そういう意味では同じように比較はできない」と説明。さらに「稀勢の里は休日数でいえば5割を超えて6割。(それで決議に)差をつけた結論に至った」と続けたが、休場場所や全休、休場日数の割合で今回の両横綱は、稀勢の里と同じかそれ以下の数字で、やや苦しい説明となった。

来場所以降の成績によっては、さらに重い「引退勧告」の決議がされるかどうかの議論は「来場所も見てまた相談するということになった」と説明。また来場所の出場を促すかについては「最終的には本人の判断で強制はできない」としながら「ファンの立場からすれば横綱がいない場所は寂しい。横綱が出場しない場所が長く続いてはいけない」とした。「結果としての休場回数とか休日日数が一番、事実を語っている。その重みを感じてほしい。横審としては切実な思い」「両横綱には第一人者に相応しい自覚を持ち、行動によってそれを示して欲しい。とりわけ世代交代が迫っている中、上を目指す力士の壁となり、よき模範となってもらいたい。注意の処置にした理由は休場が多いので、注意を与えて奮起をうながすものでありまして、来場所には是非、覚悟を決めて備えていただきたいと考えております」。柔らかな口調ではあったが、その言葉の数々に、厳しさがにじみ出ていた。

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横審が3場所連続休場の白鵬と鶴竜に「注意」の決議

横綱白鵬(左)と鶴竜

大相撲の横綱審議委員会(横審)の定例会が23日、都内で開かれ、11月場所を休場した横綱白鵬(35=宮城野)と横綱鶴竜(35=陸奥)に「注意」の決議を下した。

白鵬は途中休場した7月場所後の8月に右膝を手術し、9月の秋場所を全休した。横綱鶴竜も7月場所を右肘靱帯(じんたい)損傷などで途中休場すると、腰痛なども併発して秋場所を全休。秋場所後に行われた横綱審議委員会の定例会で矢野弘典委員長は、断続的に休場が続く両横綱に対して厳しい意見が出たことを明かし、11月場所の様子を見て、何らかの決議を下すかどうかを話し合うとしていた。

白鵬は11月場所前に行われた合同稽古に参加し、新大関の正代と三番稽古をするなど順調な調整ぶりを見せていた。しかし、右膝が完治していないことなどを理由に11月場所を休場。鶴竜も腰痛などが完治していないとの理由で休場し、ともに3場所連続休場となっていた。ここ最近の6場所では、白鵬の皆勤は19年九州場所と今年の春場所の2場所、鶴竜の皆勤は今年の春場所の1場所だけだった。

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貴景勝、大関8場所目で悲願 感謝を体現した優勝

幕内優勝を果たし、賜杯を手に笑顔を見せる貴景勝(代表撮影)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

綱とり初挑戦だ-。大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。

小結照ノ富士に本割で敗れて13勝2敗で並ばれたが、優勝決定戦では鋭い出足で立ち合いから圧倒した。昨年はけがに苦しんだが、在位8場所目で悲願成就。コロナ禍だからこそ、周囲への感謝の気持ちを忘れない24歳の看板力士。横綱、大関陣でただ1人の皆勤で重責を果たし、17年初場所の稀勢の里を最後に遠ざかっていた大関の優勝なしにも、終止符を打った。

   ◇   ◇   ◇

闘志を充満させていた表情が、わずかにゆがんだ。1人大関の重圧に耐えた貴景勝を、定員の半分ほどに制限が引き上げられた5000人の観客が万雷の拍手で包む。コロナ禍で、今場所から解禁された土俵下での優勝インタビュー。「お客さんの前でいい相撲を見せる、それだけ考えて一生懸命やった」と話す声は、少し震えていた。

決定戦で自分の立ち合いを貫いた。本割では照ノ富士を突き放し切れず、浴びせ倒しで敗れた。右肩に土がベッタリつきながら戻った花道。「情けなさと悔しさ」を押し殺し「もう一戦チャンスをもらった」と切り替えた。決定戦は低い踏み込みから3発で一気に相手を土俵外へ。「何も考えてなかった。脳の指令で体が動く。初めて脳を止めて、体に任せた」。未知の領域だった。

コロナ禍で揺れに揺れた1年。昨年の大関昇進時、伝達式の口上で述べた「感謝の気持ちと思いやり」を体現した。8月に自身を含めた埼玉栄高のOBで母校相撲部に反物で作製したマスク40枚とメッセージを送った。インターハイなど高校相撲の主要大会が中止となり、傷心の後輩を激励。恩師で相撲部の山田道紀監督は「ありがたいことだね」と感謝した。

初の綱とり、来場所は年6場所制となった58年以降の初土俵では付け出しを除いて史上3位となる、所要38場所でのスピード昇進を狙う。一気に塗り替えたい。旧貴乃花部屋時代に宿舎を提供していた福岡・田川市の「相撲茶屋貴ノ花」では、店周辺に同部屋出身力士の幟(のぼり)を設置。業者との契約で3年に1回は全25本を交換するが、コロナ禍で交換が1年延長になった。入門来の付き合いで場所中も毎日のように連絡を取り合うという店主の今宮一成さん(55)は「今の幟には『大関』と書かれていないんですよ。来年上がってくれれば、いい替え時です」と笑う。一気に「横綱貴景勝」の幟に交換できる環境にある。

「強ければ勝つし弱ければ負ける。自分と向き合ってやっていきたい」。1909年に優勝制度ができて今場所がちょうど500場所目。節目の土俵で賜杯を抱いた貴景勝の新たな挑戦が始まる。【佐藤礼征】

<優勝アラカルト>

◆大関の優勝 17年初場所の稀勢の里以来、22場所ぶり。77年夏場所に当時大関の若三杉(2代目横綱若乃花)が優勝後、81年初場所で千代の富士が25場所ぶりに優勝した最長ブランクに次ぐ。

◆複数回優勝 現役力士では白鵬、鶴竜の両横綱、関脇で2度優勝した御嶽海、大関時代と幕尻で2度制した照ノ富士に次いで5人目。

◆埼玉栄高 2度目の優勝は初めて。豪栄道と合わせて計3度。

◆混戦イヤー 今年の優勝者は初場所から徳勝龍、白鵬、照ノ富士、正代、貴景勝。過去に年間で優勝者の顔触れが異なるのは(年5場所以上)57年、72年、91年に続き29年ぶり4度目の“戦国時代”となった。

優勝インタビューを終え、感慨深げな表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)
幕内優勝決定戦で照ノ富士を押し出しで破り、感極まった表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

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大関Vは稀勢の里以来 22場所ぶり2番目ブランク

幕内優勝決定戦で照ノ富士を押し出しで破り、感極まった表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。本割一発で決めることはできなかったものの、最後は勝ち切った。

<優勝アラカルト>

◆大関の優勝 17年初場所の稀勢の里以来、22場所ぶり。77年夏場所に当時大関の若三杉(2代目横綱若乃花)が優勝後、81年初場所で千代の富士が25場所ぶりに優勝した最長ブランクに次ぐ。

◆複数回優勝 現役力士では白鵬、鶴竜の両横綱、関脇で2度優勝した御嶽海、大関時代と幕尻で2度制した照ノ富士に次いで5人目。

◆埼玉栄高 2度目の優勝は初めて。豪栄道と合わせて計3度。

◆混戦イヤー 今年の優勝者は初場所から徳勝龍、白鵬、照ノ富士、正代、貴景勝。過去に年間で優勝者の顔触れが異なるのは(年5場所以上)57年、72年、91年に続き29年ぶり4度目の“戦国時代”となった。

八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)

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貴景勝、来場所は綱取り「レベルの低い優勝も困る」

伊勢ケ浜審判部長(右)から優勝旗を受け取った貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。本割一発で決めることはできなかったものの、最後は勝ち切った。

   ◇   ◇   ◇

伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)が来年初場所が貴景勝にとって綱とり場所になると明言した。横綱昇進には「2場所連続優勝もしくは、それに準ずる成績」という横綱審議委員会の内規がある。同審判部長は「当然、優勝となればそういう話になる」と説明。今場所は初日から白鵬、鶴竜の2横綱休場に加え、大関朝乃山、目玉だった新大関正代も途中休場した。この状況もあってか、来場所について「優勝しないとダメ。レベルの低い優勝も困る」と優勝を絶対条件にした。

優勝インタビューを終え、感慨深げな表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

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新大関の正代休場 2横綱2大関の不在は03年以来

新大関・正代

<大相撲11月場所>◇5日目◇12日◇東京・両国国技館

新大関の正代(29=時津風)が大相撲11月場所5日目の12日、日本相撲協会に「左遠位脛腓靱帯(けいひじんたい)損傷により約3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。新大関の休場は、現行のかど番制度となった1969年名古屋以降、2019年夏場所の貴景勝以来9人目。今場所は白鵬、鶴竜の両横綱が初日から不在で、大関朝乃山も3日目から休場。2横綱2大関の休場は03年初場所(横綱武蔵丸、貴乃花、大関千代大海、魁皇)以来となった。

正代は3日目の勝った小結高安戦で、土俵際で逆転の突き落としを決めて土俵下に落ちた際に、左足首を負傷したとみられる。4日目は左足首にテーピングを施して土俵に上がるも、三役返り咲きを狙う大栄翔の突き押しに粘ることなくあっさりと土俵を割っていた。

4日目まで3勝1敗だった正代は、このまま再出場しなければ、来年1月の初場所は大関2場所目にしてかど番で臨むことになる。

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正代無抵抗の敗戦…上位休場相次ぐ場所に波乱の予感

大栄翔(左)に突き出しで敗れる正代(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇4日目◇11日◇東京・両国国技館

新大関正代(29=時津風)が早くもピンチに追い込まれた。大栄翔に一方的に突き出されて初黒星。前日3日目に痛めたとみられる左足首をテーピングでガチガチに固めて臨んだが、踏ん張れず、無抵抗の敗戦。5日目以降に不安を残した。大関貴景勝は無傷の4連勝も、上位陣が崩れていく中、波乱場所の様相を呈してきた。

  ◇   ◇   ◇

土俵際の「マジック」を繰り広げる展開にもならなかった。初日、そして3日目と土俵際の逆転劇で白星を重ねた新大関の正代が、なすすべなく一方的に土俵を割った。これまで誠実に応じてきた取組後のリモート取材にも応じず、事態の深刻さを浮き彫りにした。

不安箇所を相手にわざわざ示さないことが信条。そんな大関が、左足首をテーピングでガチガチに固めて土俵に上がった。前日の3日目。小結高安との激しい攻防の末、逆転の突き落としで白星を手にしたが土俵下に転落際、左足首をひねった。取組後は「変な形で落ちたんで。今のところ普通に歩けているが、明日になってみてという感じ」と話していた。

秋場所で初優勝し一気に大関昇進。重圧は、じわじわと押し寄せてきたという。今場所の目標を問われ「新大関として存在感を示したい」と繰り返してきた。負けられない責任を背負い、厳しい相撲でも白星を手にしてきた。それだけにあっさり土俵を割った初黒星には、大きな不安が漂う。

白鵬、鶴竜の両横綱が2場所連続で初日から休場、大関朝乃山も3日目から休場した。正代にも不運が襲い、年納めの11月場所は早くも波乱の予感が漂い始めた。【実藤健一】

大栄翔に突き出しで敗れ、膝に手を当て座る正代(撮影・菅敏)
阿武咲を押し出しで下し、引き揚げる正代(上)を背に勝ち名乗りを受ける貴景勝(撮影・菅敏)

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輝強烈のど輪!竜電豊山は超接近戦/4日目写真特集

<大相撲11月場所>◇4日目◇11日◇東京・両国国技館

新大関正代の初日からの連勝が3で止まった。

前日3日目の高安戦で負傷した左足首に、テーピングを施して臨んだ一番。立ち合いは強く当たれず、大栄翔の突き押しにあっさりと引くと、力なく土俵を割った。土俵を下りる際の表情は硬く、足を気にするそぶりを見せた。 一方の大関貴景勝は、同世代の阿武咲を下して初日から4連勝。小結照ノ富士も、好調な隠岐の海を下して4連勝した。三役以上の無傷は、貴景勝と照ノ富士の2人だけとなった。 秋場所を途中休場し、三役返り咲きを目指す西前頭7枚目遠藤は、合口の悪い玉鷲を押し出しで破った。自身初の初日から4連勝とした。同じく三役返り咲きを目指す東前頭4枚目北勝富士は、小結高安に突いていなしての動きある相撲で撃破。初日から4連勝と波に乗る。 再入幕の東前頭14枚目千代の国も、巨漢の魁聖を気迫の相撲で破って4連勝。幕尻の西前頭17枚目の志摩ノ海も4連勝とするなど、平幕下位も奮闘している。

4日目の取組模様を写真で振り返ります。

幕内

貴景勝押し出し阿武咲

阿武咲(左)を攻める貴景勝(撮影・河田真司)


正代突き出し大栄翔

☆大栄翔「向かっていく気持ちでいきました。(正代の負傷の影響については)本人しか分からないと思う。考えたら失礼だと思って考えないようにした」

正代(左)をにらむ大栄翔(撮影・河田真司)

正代(左)を勢いよく攻める大栄翔(撮影・河田真司)

大栄翔(左)に突き出しで敗れる正代(撮影・鈴木正人)

大栄翔に突き出しで敗れた正代(撮影・河田真司)

大栄翔に突き出しで敗れマス席付近まで行く正代(撮影・鈴木正人)


若隆景寄り切り隆の勝

☆隆の勝「立ち合い変化で来るとは思わなかったけど、はたいて来るとは思った。変化されて残れた次の右差しがうまくいった。落ち着いて出れてよかった」

隆の勝(左)に寄り切りで敗れた若隆景(撮影・河田真司)


御嶽海肩透かし霧馬山

御嶽海(左)を肩すかしで破る霧馬山(撮影・鈴木正人)


北勝富士押し出し高安

☆北勝富士「下から下から、いい踏み込みができた。いい感じに動けている。ちょっと引いてしまったけど、流れが切れなかったので良かった。下半身との連動ができていると思う」

高安(左)を激しく攻める北勝富士(撮影・鈴木正人)


照ノ富士寄り切り隠岐の海

☆照ノ富士(得意の右四つではなく左四つとなったが)「慌てず、落ち着いていけた。おっつけて前に出ようと思った。できれば右四つで組んで、前に出る相撲を取りたいけど。」

隠岐の海(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・河田真司)


押し出し翔猿

輝(右)の攻めに耐える翔猿(撮影・河田真司)

翔猿(奥)を押し出しで破る輝(撮影・菅敏)

翔猿(左)を押し出しで破る輝(撮影・河田真司)


妙義龍押し倒し琴勝峰

琴勝峰(左)を押し倒す妙義龍(撮影・河田真司)

琴勝峰(左から2人目)を押し倒しで破った妙義龍(撮影・河田真司)


遠藤押し出し玉鷲

玉鷲(右)の攻めに耐える遠藤(撮影・河田真司)

玉鷲(右)を押し出しで破る遠藤(撮影・河田真司)


宝富士引き落とし碧山

碧山(手前)を引き落としで破る宝富士(撮影・鈴木正人)

碧山(手前)を引き落としで破る宝富士(撮影・鈴木正人)


栃ノ心寄り切り照強

☆栃ノ心(2連敗から2連勝)「流れがよかった。どんな相手でもまわしをつかめたらね。1日1番しかないんで集中していきます」

照強(左)を攻める栃ノ心(撮影・菅敏)


徳勝龍突き落とし琴恵光

☆琴恵光「体が動いている感じがする。攻める意識を持って土俵に上がっているのがよかった」

徳勝龍(右)を突き落としで破る琴恵光(撮影・鈴木正人)


炎鵬押し倒し明生

炎鵬(左)を押し出しで破る明生(撮影・菅敏)

炎鵬(左)を押し出しで破る明生(撮影・菅敏)

炎鵬(左端)を押し出しで破る明生(撮影・菅敏)


竜電下手出し投げ豊山

★豊山「昨日よりはまともな相撲が取れている。ここ最近は手だけで相撲を取っているのでいろんな人に「足で足で」と言われる。手に足がつけばもっとよくなると思う。」

竜電(左)の攻めに耐える豊山(撮影・河田真司)


千代の国掛け投げ魁聖

☆千代の国(再入幕で4連勝も)「組まれたのはよくないが、組まれても先に動けたのはいいこと。遅いですね相撲が、まだ。攻めの部分。修正できると思うので1日1日しっかりやります。」

魁聖(右)を掛け投げで破る千代の国(撮影・河田真司)


豊昇龍叩き込み千代大龍

☆千代大龍「また立ち合いで変化があったら怖いと思ってもろ手で出た。(番付に)もうケツがないから内容よりも、まずは白星を積み上げたい」

豊昇龍(左)をはたき込みで破る千代大龍(撮影・菅敏)


千代翔馬上手投げ琴ノ若

☆琴ノ若「内容が良かった訳ではないけど、落ち着いて相撲が取れたのは良かった。焦らずにいけた」

千代翔馬(下)を上手投げで破る琴ノ若(撮影・河田真司)


志摩ノ海突き落とし天空海

☆志摩ノ海(幕尻で4連勝に)「しっかりぶれないでとれた相撲。何をされてもいいように当たって前に出るだけでした。1日1日なんで。勝っているけど、何も思わないで頑張ります」

志摩ノ海(奥)に突き落としで敗れる天空海(撮影・河田真司)

白鵬、鶴竜、朝乃山、琴勇輝、阿炎が休場

大相撲11月場所4日目の休場力士(撮影・鈴木正人)

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休場朝乃山は初日右肩負傷「しっかり治すこと」親方

朝乃山の休場により若隆景の不戦勝を告げる幕が場内に掲げられる。左は貴景勝(撮影・小沢裕)

<大相撲11月場所>◇3日目◇10日◇東京・両国国技館

大関朝乃山(26=高砂)が11月場所3日目の10日、日本相撲協会に「右肩三角筋挫傷により約4週間の治療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。16年春場所で初土俵を踏んで以来初の休場で、今場所の十両以上の休場は横綱白鵬、鶴竜らに続いて5人目。再出場がなく負け越せば、来年1月の初場所を自身初のかど番で迎える。

高砂親方によると、勝った初日の霧馬山戦で右を差した時に、相手の頭が右肩付近にぶつかり負傷した。痛みを抱えながらも2日目に出場するも、小結照ノ富士の豪快な上手投げで転がされて今場所初黒星。この日朝も痛みが取れずに病院に行かせたが、部屋に戻った時も痛みを訴えたため休場させることを決意した。再出場について師匠は「痛みが取れればだけど、そう簡単には。しっかり治すことだ」と無理はさせない。

高砂親方が場所後の12月に65歳の誕生日を迎えて定年となるだけに、朝乃山の今場所に懸ける思いはこれまで以上に強かった。ただ「俺の定年のことは関係ないから、しっかり治すことだ」と高砂親方。無念の休場だが今は治療に専念して、次に土俵に上がった時にこの悔しさを晴らす。【佐々木隆史】

照ノ富士に敗れてうつむく朝乃山(2020年11月9日撮影)

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朝乃山無念の初休場、右肩三角筋挫傷で4週間の治療

照ノ富士(奥)に上手投げで敗れる朝乃山(2020年11月9日撮影)

大相撲の大関朝乃山(26=高砂)が11月場所3日目の10日、日本相撲協会に「右肩三角筋挫傷にて約4週間の治療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。

診断書によると、勝った初日の霧馬山戦で負傷。2日目は小結照ノ富士の上手投げに屈して、初黒星を喫した。朝乃山の休場は、16年春場所で初土俵を踏んで以来、初めて。今場所後の12月に師匠の高砂親方(元大関朝潮)が定年を迎えるため、今場所に懸ける思いは強かったが無念の休場となった。

対戦相手の、西前頭筆頭若隆景は不戦勝。今場所の幕内の休場は、横綱白鵬、横綱鶴竜、前頭の琴勇輝に続いて4人目となった。

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正代「硬いですね、まだまだ」初日は防戦一方も勝利

若隆景(右)を突き落としで破る正代(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇初日◇8日◇東京・両国国技館

新大関正代(29=時津風)が“九死に一生(勝)”を得た。初顔合わせの若隆景と対戦。もろ差しを許し防戦一方も、土俵伝いに回り込み起死回生の突き落としを決めた。緊張感に満ちた大関初土俵も、何とか白星発進となった。白鵬、鶴竜の両横綱が2場所連続休場の中、正代をはじめ朝乃山、貴景勝の3大関がいずれも初日白星を飾った。

   ◇   ◇   ◇

格好は悪くても白星こそすべてだった。硬い表情の正代は動きも硬かった。初顔の若隆景にもろ差しを許し、一気に攻められる。バックギアしか入らなかった新大関は、俵沿いに絶妙のハンドリングで最後は右から突き落とし。尻もち、頭から土俵下に転落した。

物言いがつくも、軍配通りに正代の勝ち。協議の結果がアナウンスされるとうんうんうなずきながら、何とも言えない苦笑いを浮かべる。NHKの解説を務めた元横綱の北の富士さんが「笑ってる場合じゃないぞ」と愛のげきを発した。

「硬いですね、まだまだ。初日というのもあるし、新大関最初の相撲。いろいろ重なって思うように体が動かなかった」。平常心を装っていても、心の内は違った。「いつも通りのつもりだったが土俵に上がると違って、足も出なかった」。大関の地位の重圧をいやというほど味わった。

大関になれば両国国技館の地下駐車場に車で乗り入れできるが、これまでと変わらず部屋から歩いて場所入りした。「いつも通り」は場所入りしてから違った。取組前に優勝掲額の贈呈式。「とてもうれしいし、意識しますよね」。塩をとりにいくたび、ちらちら視界に入った。気持ちは高ぶり、緊張も高まった。

「今日みたいな相撲はとらないようにしたい」と反省も、「あの相撲でも勝つことができた。体が動くようになればもっと内容もよくなると思う」と前向きに捉える。勝ちを拾った相撲から大関正代は始まった。【実藤健一】

▽八角理事長(元横綱北勝海) 正代は頭の中で前に出て勝つのではなく、いなして勝つことを(イメージとして)描いてしまった。硬くはなったが勝ったのは大きい。(今後は)前に出る安定感がほしい。3大関が勝ったことも内容に違いはあるが大きい。特に貴景勝はいい相撲だった。

正代と若隆景の一番で物言いが付き協議する審判団(撮影・小沢裕)
初日を白星で飾った正代(右)は懸賞の束を手にホっとした表情を見せる(撮影・小沢裕)

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3大関そろって白星発進/11月場所初日写真特集

<大相撲11月場所>◇初日◇8日◇東京・両国国技館

新大関の正代が、何とか白星をつかんだ。初顔合わせの若隆景に下からおっつけられると、上体が起き上がりもろ差しを許した。防戦一方となり、土俵際に追い込まれるも、逆転の突き落とし。同時に土俵の外に落ち、軍配は正代に上がるも物言いがついた。際どい一番だったが、協議の結果、軍配通り。勝ち名乗りを受けて土俵から下りた際には、息を大きく吐いて安堵(あんど)の表情を浮かべた。 

大関朝乃山は、霧馬山を得意の右四つからの寄り切りで圧倒。結びの一番に登場した大関貴景勝は、三役復帰を果たした小結高安を立ち合いから圧倒して白星発進した。白鵬と鶴竜の2横綱が休場する中、大関陣が初日を締めた。 

新関脇の隆の勝は、新三役の緊張感があったといい、思うように体が動かずに大栄翔に負けて黒星。3場所連続関脇の御嶽海は、阿武咲との同体取り直しの一番を制して、4場所連続で初日白星とした。 

16場所ぶりに関取に復帰した東十両13枚目の宇良は、錦富士を送り投げで下して白星スタート。9月の秋場所前に新型コロナウイルスの集団感染が発生して休場となった、玉ノ井部屋の東十両14枚目富士東は黒星、西十両7枚目東龍は白星スタートとなった。

初日の取組模様を写真で振り返ります。

令和2年11月場所の御免札板、番付、櫓(撮影・鈴木正人)

協会あいさつを行う八角理事長と三役力士(撮影・野上伸悟)

幕内

国技館に掲げられた照ノ富士の優勝額(撮影・鈴木正人)

国技館に掲げられた正代の優勝額(撮影・鈴木正人)

幕内土俵入り(撮影・鈴木正人)

千代翔馬下手投げ天空海

天空海(下)を下手投げで破る千代翔馬(撮影・鈴木正人)

▼千代翔馬(昨年夏場所以来の幕内復帰)「やっぱり十両とは違う。先場所が終わって(10月1日に)腰の(ヘルニアの)手術したんで、まずは15日間取り切りたい思いです」

▼天空海「先場所も2連敗から始まったので、星は気にせずにここから連勝したい。最低でも勝ち越して来場所につなげたい」

千代大龍肩透かし琴ノ若

千代大龍(左)を肩すかしで破る琴ノ若(撮影・鈴木正人)

▼琴ノ若「よく相手を見て自分のペースで相撲が取れた。(再入幕は)あまり深く考えずに、余計なことは考えずにいけました」

豊昇龍下手投げ魁聖

魁聖(右)を下手投げで破る豊昇龍(撮影・野上伸悟)

豊山押し倒し炎鵬

炎鵬(下)を押し倒しで破る豊山(撮影・鈴木正人)

炎鵬(右下)を押し倒しで破る豊山(撮影・鈴木正人)

▼豊山(炎鵬に5戦5勝)「力で負けることはない相手なんで。出てきたところに体を預ける、いい反応ができた。(部屋の新)大関(正代)に負けないよう、頑張ります」

▼炎鵬「先場所よりはいい相撲を取りたい。お客さんも増えているので盛り上がるような、喜んでもらえるような相撲が取りたい」

碧山寄り切り遠藤

遠藤は碧山(左)を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

栃ノ心押し出し玉鷲

栃ノ心(手前)を押し出しで破る玉鷲(撮影・鈴木正人)

玉鷲(右)の突っ張りを受ける栃ノ心(撮影・野上伸悟)

宝富士押し倒し琴勝峰

琴勝峰(下)を押し倒しで破る宝富士(撮影・鈴木正人)

琴勝峰(右)を押し倒しで破る宝富士(撮影・野上伸悟)

北勝富士押し出し妙義龍

妙義龍(右)を押し出しで破る北勝富士(撮影・鈴木正人)

▼北勝富士「しっかり踏み込めたし、そこからの攻めも落ち着いて、下から下からいけた。(観客が増えた影響)前と同じような雰囲気を感じた。土俵入りの時はうれしかった」

翔猿押し出し隠岐の海

翔猿(左)を押し出しで破る隠岐の海(撮影・鈴木正人)

▼隠岐の海「お客さんも増えて最高ですよ。頑張っていい所を見せたい」

▼翔猿「攻められたけど、最後引いてしまった。(大活躍した先場所との違いは)特に感じていない。思い切り集中していきたい」

照ノ富士寄り切り

輝(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

▼照ノ富士「左が入ったから出るしかなかった。(三役復帰だが)特に何も考えていない。(観客が2500人から5000人に増えて)盛り上がるんじゃないですか」

大栄翔突き落とし隆の勝

隆の勝(右)を突き落としで破る大栄翔(撮影・野上伸悟)

▼大栄翔「立ち合いが良かった。流れが良かった。(隆の勝は)本当に圧力のある相手、自分から先に攻めたかった」

御嶽海寄り切り阿武咲

御嶽海(下)と阿武咲の一番は物言いが付き体が落ちるのが同時として取り直しとなる(撮影・小沢裕)

御嶽海と阿武咲の一番は物言いが付き土俵上で協議する審判団(撮影・小沢裕)

取り直しの一番で阿武咲(手前)を寄り切りで破る御嶽海(撮影・野上伸悟)

▼御嶽海「(最初の一番は)同体だったのかなと、取っていても思いました。(取り直しの一番は)引かないように前に出ることを意識して、まわしを取って前に出られた。(合同稽古に参加した効果は)大きいと思う。圧力受け止めて前に出られた。成果が出ていると思う。しっかり生かしていきたい」

正代突き落とし若隆景

若隆景(手前)を激しく攻める正代(撮影・鈴木正人)

若隆景(右)を突き落としで破る正代(撮影・鈴木正人)

若隆景(右)を突き落としで破った正代(撮影・鈴木正人)

正代と若隆景の一番で物言いが付き協議する審判団(撮影・小沢裕)

▼若隆景「流れで前に出た。突き落としをくらったのは最後の詰めが甘いなと思う」

霧馬山寄り切り朝乃山

朝乃山(右)は寄り切りで霧馬山を破る(撮影・小沢裕)

▼朝乃山「しっかりと立ち合い負けしないように。組んだらしぶとい相手なので。(霧馬山の)右差しを左を締めておっつけながら寄り切ることができた。これが自分の相撲だと思う」

貴景勝押し出し高安

高安(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・野上伸悟)

高安(左)を押し出しで破った貴景勝(撮影・鈴木正人)

打ち出し後

打ち出し後、お楽しみ抽選会する安治川親方(左から2人目)(撮影・鈴木正人)

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正代は物言いも白星発進 朝乃山ら3大関みな勝利

若隆景を突き落としで破る正代(撮影・野上伸悟)

<大相撲11月場所>◇初日◇8日◇東京・両国国技館

新大関の正代が、何とか白星をつかんだ。初顔合わせの若隆景に下からおっつけられると、上体が起き上がりもろ差しを許した。防戦一方となり、土俵際に追い込まれるも、逆転の突き落とし。同時に土俵の外に落ち、軍配は正代に上がるも物言いがついた。際どい一番だったが、協議の結果、軍配通り。勝ち名乗りを受けて土俵から下りた際には、息を大きく吐いて安堵(あんど)の表情を浮かべた。

大関朝乃山は、霧馬山を得意の右四つからの寄り切りで圧倒。結びの一番に登場した大関貴景勝は、三役復帰を果たした小結高安を立ち合いから圧倒して白星発進した。白鵬と鶴竜の2横綱が休場する中、大関陣が初日を締めた。

新関脇の隆の勝は、新三役の緊張感があったといい、思うように体が動かずに大栄翔に負けて黒星。3場所連続関脇の御嶽海は、阿武咲との同体取り直しの一番を制して、4場所連続で初日白星とした。

16場所ぶりに関取に復帰した東十両13枚目の宇良は、錦富士を送り投げで下して白星スタート。9月の秋場所前に新型コロナウイルスの集団感染が発生して休場となった、玉ノ井部屋の東十両14枚目富士東は黒星、西十両7枚目東龍は白星スタートとなった。

正代と若隆景の一番で物言いが付き協議する審判団(撮影・小沢裕)
高安(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・野上伸悟)
霧馬山(左)を激しく攻める朝乃山(撮影・鈴木正人)

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八角理事長、初日あいさつで両横綱休場「大変遺憾」

協会あいさつする八角理事長(右)左列手前から照ノ富士、御嶽海、高安、中列手前から正代、貴景勝、朝乃山、隆の勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇初日◇8日◇東京・両国国技館

八角理事長(元横綱北勝海)が11月場所初日の協会あいさつに臨み、白鵬、鶴竜の両横綱が初日から不在となっていることについて「大変遺憾」と話した。2場所連続で複数の横綱全員が初日から休場するのは、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では初。八角理事長は「力士は厳しい稽古を行いながら毎日の稽古の成果を発揮し、白熱した相撲でご期待にお応えすることと存じます」と、出場力士の奮起を期待した。

あいさつの全文は以下の通り。

初日にあたり謹んでごあいさつを申し上げます。はじめに新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。またウイルスに感染された皆さまには1日も早いご回復を祈念し、お見舞いを申し上げます。

そして現在も新型コロナウイルスと感染症の対応をなされている全国の医療従事者の皆さまに心から敬意を表するとともに、協会員の検査や診療のご尽力をたまわった医療従事者の皆さまにはこの場を借りて深く感謝申し上げます。

本来11月場所は福岡での開催ではありますが、移動や長期滞在でのウイルス感染を勘案し、国技館での開催となりました。

今場所もお客様をお迎えするためにより一層安心、安全な大相撲観戦を目指して感染症の専門家のご指導の下、さらに綿密な感染防止策を講じております。お客様にはさまざまなお願いをしておりますが、ご協力をいただきますようお願い申し上げます。

横綱の休場は大変遺憾ではございますが、力士は厳しい稽古を行いながら毎日の稽古の成果を発揮し、白熱した相撲でご期待にお応えすることと存じます。

今後も協会員は一丸となり大相撲の伝統文化の継承、発展のため努力してまいります。何とぞ千秋楽まであたたかいご支援をたまわりますようお願いを申し上げ、ごあいさつといたします。令和2年11月8日、公益財団法人日本相撲協会、理事長、八角信芳。

令和2年11月場所の御免札板、番付、櫓(撮影・鈴木正人)

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正代「自分らしい相撲を取る」気負わず11月場所へ

正代(2020年9月27日撮影)

大相撲11月場所(東京・両国国技館)初日を翌日に控えた7日、新大関の正代(29=時津風)が電話取材に応じ、心境を語った。

緊張感について「日に日に大きくなっている気がする」と、やや緊張気味だが「できるだけのことはやってきた。自分の持ち味をいかせたらいい」と意気込んだ。

11月場所では自身初の年間最多勝が懸かる。45勝でトップに立つが、2位の大関朝乃山とは2差と接戦。それでも「場所が終わってみて、そういうのがついてきたらいい」と自然体だ。白鵬と鶴竜の2横綱が休場とあって、周囲からの期待も高まる。「始まってみないと何とも。とりあえず自分らしい相撲を取りたい」と、気負うことなく新大関場所に臨む。

国技館で行われた土俵祭り後には、優勝額贈呈式に出席した。秋場所優勝時の優勝額を間近で見て「自分のが国技館の上に飾られるのが今でも信じられない」としみじみ。贈呈式には7月場所優勝の照ノ富士も出席。同学年の照ノ富士に対して「同世代ですし正直、負けたくない相手ですね」と刺激を受けた。

1年納めの場所に向けては「ケガなく、勝ち越して終わればいい」と、最後まで気負うことはなかった。年間最多勝や新大関優勝など、周囲からの期待をよそにマイペースで土俵に上がる。【佐々木隆史】

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尾車事業部長、両横綱に「進退懸けて出てこないと」

尾車事業部長(20年1月撮影)

大相撲11月場所(東京・両国国技館)初日を翌日に迎えた7日、日本相撲協会の尾車事業部長(元大関琴風)が電話取材に応じた。

1年納めの場所開催に向けて「相撲界だけではなく世界中が(新型コロナウイルスに)振り回された。何とか5月場所以降、お客さんを入れて開催できることに感謝しないといけない」と話した。

11月場所から2500人に制限していた1日の観客数が5000人に増える。増員にあたって、これまで1人で使用していた4人升席に2人で使用できるようにすると大きな反響があったという。「相撲は1人ではなくて、お連れの方と楽しむものなのかなと。升席が2人になって売り上げが好調」と話した。

そんな1年納めの場所だが、白鵬と鶴竜の2横綱が休場。尾車事業部長は「3大関が優勝争いをすれば土俵が締まる。3人がライバル心を持てばいい展開になる」と新大関の正代を筆頭に、貴景勝と朝乃山の3大関の活躍に期待した。一方、横綱に対しては「進退を懸けて出てこないとダメじゃないですかね。それぐらいの気持ちを持って出てくるんじゃないですかね」と厳しい言葉で再起を期待した。

2横綱が休場も、3大関をはじめ、三役復帰を果たした小結照ノ富士や高安、幕内上位に番付を上げた若手の霧馬山や若隆景、琴勝峰がいるなど、役者はそろった。尾車事業部長は「新旧入り乱れの場所を楽しんでたいただければと思います。見応えのある優勝争いや内容のある相撲を見せたい。15日間見守っていただければと思います」と話した。

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朝乃山が出場最高位の自覚「締めるプラス盛り上げ」

朝乃山(2020年9月27日撮影)

大相撲の大関朝乃山(26=高砂)が、出場最高位の自覚を示した。6日、東京・両国国技館で11月場所(8日初日、東京・両国国技館)の取組編成会議が開かれ、初日、2日目の取組が決定。朝乃山は初日に東前頭筆頭霧馬山と、2日目は大関経験者の小結照ノ富士と対戦する。

2場所連続で白鵬、鶴竜の両横綱が初日から休場となり、大関として優勝争いを引っ張る役割が求められ「(場所を)締めるプラス盛り上げないといけない。その自覚を持って15日間戦いたい」と意気込んだ。

2日目の対戦相手、照ノ富士には7月場所、秋場所ともに敗れている。「連敗しているので勝てるようにしていかないと上にもいけないし、先にもつながらない。負けたことを忘れて、その日の一番を取り切れるように集中していきたい」と力を込めた。

12月に定年を迎える師匠の高砂親方(元大関朝潮)にとっては、11月場所が師匠として迎える最後の本場所となる。4日には引退に伴うリモート会見を通じて師匠から「先(秋)場所のように初日から3連敗はやめてほしい」とゲキを飛ばされた。その発言を知った朝乃山も「心に響きました。本当にその通り。自分自身ももうそんなことはしたくない」と気を引き締める。師匠の花道を飾るべく、11月場所の目標を問われると「優勝ですね」と堂々宣言した。

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休場白鵬「万全の状態で土俵に戻るべく全力で努力」

白鵬(2020年7月22日撮影)

大相撲の横綱白鵬(35=宮城野)が、11月場所(8日初日、東京・両国国技館)を休場することが決まった。東京・両国国技館で11月場所の取組編成会議が行われた6日、日本相撲協会に「右膝関節鏡手術、術後血症により約2週間の加療を要する見込み」との診断書を提出した。鶴竜とともに両横綱が休場。2場所連続で複数の横綱が初日から休場するのは、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では初めての事態となった。

白鵬は協会を通じて書面で「11月場所を休場することにつきまして、ファンの皆様には深くおわび申し上げます」と謝罪した。8月13日に右膝の内視鏡手術を受けた白鵬は10月16日から計6日間、両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古を皆勤し、新大関の正代らとの三番稽古で精力的に相撲を取って好調ぶりをアピール。その後は11月場所出場を目指し、都内の部屋で調整していた。再起を目指す来年1月の初場所に向けて「万全の状態で土俵に戻るべく、引き続き全力で努力いたします」と誓った。

師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)も協会を通じて書面で「(白鵬は)まだ動きは本来のものではなく、稽古後には古傷の左足も含めて両膝の腫れが引かない状態でした。現時点では回復が間に合わず万全の状態ではないと私が判断し、11月場所を休場させることにいたします」とコメントした。

白鵬は自己ワーストとなる3場所連続の休場となり、今年1年間の5場所で皆勤した場所は、優勝した3月の春場所だけとなった。2場所連続全休となれば、01年春場所の初土俵以来初めて。秋場所後に行われた横綱審議委員会(横審)による定例会では、断続的に休場が続いていることを指摘され、処分を求める厳しい意見も出ていた。

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