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八角理事長、休場の稀勢の里は「奮起するしかない」

八角理事長

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

一人横綱が休場し、3枚看板だった横綱が不在の場所となってしまった。協会トップの八角理事長(55=元横綱北勝海)はまず、ファンに対し、おわびのコメントを発した。

役員室で幕内終盤戦の相撲をテレビで見届けながら報道対応。「(稀勢の里の)土俵入り、取組を楽しみにして見に来てくれたお客さんに、申し訳ない」と初日から休場している白鵬、鶴竜に続く横綱全員休場の状況をわびた。

稀勢の里に対しては「悪いところを治してもう1度、体を作り直して頑張ること。それが多くのファンの願いだろうから、奮起するしかない」と立て直しに期待した。

横綱経験者として、その重みは痛いほど分かる。休場原因が初日の一番で痛めた右膝にあることには「(横綱の地位にいる以上)ケガは言い訳にはできない。ケガをしない体を作る、ケガをしない相撲を取る。ケガはつきものだが、本人が頑張るしかない」と奮起を促した。そのためには「開き直って稽古するしかない。どこが痛いとか言ってられない」とし「内容うんぬんより番数。そうやって自信を取り戻すこと」と話した。

稀勢の里対玉鷲戦の結果(撮影・栗木一考)

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4連敗稀勢の里、初めての一人横綱に重圧…選択迫る

栃煌山(手前)にすくい投げで敗れる稀勢の里(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇4日目◇14日◇福岡国際センター

稀勢の里(32=田子ノ浦)が、横綱としては実に87年ぶり2人目となる、初日から4連敗を喫した。東前頭2枚目の栃煌山を攻めて1度は軍配が上がったが、物言いの末、軍配差し違え。相手が死に体とも受け取れる微妙な判定だったが、運が味方することはなかった。横綱の初日からの4連敗は、31年1月場所の宮城山以来で、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では初。5日目は先場所敗れた玉鷲との対戦が組まれた。

立ち合いで頭からぶつかった稀勢の里が、一気に攻め込んだ。左を差して前に出る、今場所随一の内容だったが、土俵際での栃煌山のすくい投げに、左肩から落ちて土俵上で裏返った。対する栃煌山は土俵下まで転がった。行司軍配が稀勢の里に上がると物言いがついた。稀勢の里の肩が先についたが、栃煌山の両足が宙に浮く、いわゆる死に体となった方が早いと判定もできる微妙な一番。場内から初白星を期待する拍手が起きる中、協議の結果、行司軍配差し違え。また負けた。

支度部屋では報道陣の質問に3日連続で無言を貫いた。報道陣を遠ざけて着替える前には、赤いタオルをたたきつけるように投げつけ「チッ」と舌打ち。何よりも取組直後に、髪を洗って風呂から上がってきた。相撲界では翌日に向けた験直しとされる行動で、闘志がまだ消えていないことを、ほのめかしていた。

かつて稀勢の里が付け人を務めた兄弟子の西岩親方(元関脇若の里)は、取組前ながら「ひとつ勝てば元通りの稀勢の里になってくれると思う。状態は悪くない。諦めるのは早い」と、本人の思いを代弁するように話した。場所前に優勝宣言したように、状態は悪くないと自覚して臨んだ場所。白鵬、鶴竜の2横綱が休場し、初めて経験する一人横綱の重圧が日を追うごとにのしかかる。

横綱が休場による不戦敗を除き、初日から4連敗するのは宮城山以来、87年ぶり2人目の不名誉な記録となった。1場所15日制では初。3連敗から4日目の土俵に立った横綱も、88年秋場所の大乃国以来、30年ぶりで平成では初めてだ。元大乃国の芝田山親方は「下を向いても白星はやってこない。人が認める、認めないじゃなくて、自分がやりきれるかどうか。8番でいいじゃない」と、初日から3連敗の後、8勝7敗で勝ち越した当時を振り返り、立て直しを期待した。

師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は、取組後に参加した二所ノ関一門会で親方衆から「横綱、頑張ってくれよ」と励まされたと明かした。宿舎に午後8時20分ごろに戻り、その約10分後には稀勢の里も到着。だが同親方は報道陣に「お話しすることはないので対応しません」と、5日目の出場については明かさなかった。4日目の出場は、本人は前夜には意志を固めていた。

87年前の宮城山は、5日目に初白星を挙げた。稀勢の里は3日連続の金星配給でもある4連敗後も出場すれば、史上初の5連敗という不名誉な記録を残す可能性もある。運も味方しない中、一人横綱の責任をどう果たしていくかの選択が迫られている。【高田文太】

栃煌山にすくい投げで敗れ、ガックリ引き揚げる稀勢の里(撮影・栗木一考)
初日から3連敗で4日目出場の横綱成績

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稀勢の里、場所前に優勝宣言も初日から3連敗で無言

初日から3連敗を喫し、土俵を引き揚げる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇3日目◇13日◇福岡国際センター

稀勢の里(32=田子ノ浦)が、横綱としては26年ぶりに初日から3連敗を喫した。西前頭筆頭の北勝富士に突き落とされ、在位11場所目で15個目の金星配給となった。初日からの3連敗は、横綱では92年初場所の旭富士以来、史上7人目。自身は小結だった09年初場所以来、9年ぶりとなった。3連敗後、4日目の土俵に立った横綱は大乃国ら3例だけ。4日目は3連勝と好調の東前頭2枚目栃煌山との取組が予定されている。

稀勢の里は、絵に描いたように肩を落としていた。支度部屋で2日目に続いて無言を貫き、報道陣を離して着替える前、がっくりとうなだれたまま1分近く固まった。場所前の稽古で9勝3敗と圧倒し、今場所の優勝宣言をするほど、自信をつかんだ相手だった北勝富士に敗れた。ショックの大きさを物語る光景に、東の支度部屋は、水を打ったように静まり返っていた。

左にこだわり過ぎた。突き、押しの相手ペースを打開しようと、横綱へと導いた左差しを狙い続けた。だが、ことごとく北勝富士におっつけられた。最後は左のど輪で上体を起こされ、立て直そうとした動きに乗じて突き落とされた。藤島審判長(元大関武双山)は「左手一辺倒だ。左を差しにいくのも棒差し。だからおっつけられる。軸が左重心になっている。だからつっかえ棒(のような状態)を外された時にバタバタしてしまう」と指摘した。さらに「攻め方のバランスが悪い」と、右からの攻めがないことを敗因に挙げた。

これで横綱では92年初場所の旭富士以来、26年ぶりとなる初日から3連敗となった。旭富士は3連敗後に引退。3連敗から4日目の土俵に上がった横綱は、平成には1人もおらず、30年前の88年(昭63)秋場所の大乃国までさかのぼる。大乃国は同場所を8勝7敗で勝ち越した。4日目は好調の栃煌山戦が予定される。白鵬、鶴竜不在の一人横綱の責任の受け止め方も加味して、休場か出場かを判断するが、休場となれば、先場所同様、再び進退問題に発展することは必至だ。

この日の朝稽古は、完全非公開だった初日、2日目とは違い、途中まで20分余りは公開された。四股を踏んでいる途中で、前日までと同様にシャッターが下ろされて非公開となったが、吹っ切れたような表情も見せた。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は取組前ながら「自信を持っていくことが大事。もっと自信を持って取ってほしい」と話していた。非公開稽古は、自信を取り戻しきれない心境を表しているのか-。一人横綱初白星は、想像以上に遠かった。【高田文太】

◆横綱の初日からの連敗 3連敗は今回の稀勢の里で史上7人目(9度目)。3連敗後4日目に出場したのは3例あり、31年1月場所の宮城山の4連敗が最長記録。30年10月の宮城山、88年秋場所の大乃国は出場して白星を挙げた。なお、92年初場所の旭富士は4日目不戦敗でそのまま引退。

横綱稀勢の里(後方)は北勝富士に突き落としで敗れ、3連敗を喫した(撮影・菊川光一)

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稀勢の里4日目も出場「休場の言葉出なかった」親方

大相撲九州場所 3連敗しうなだれる横綱稀勢の里(2018年11月13日撮影)

大相撲九州場所で、初日から3連敗の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、4日目の14日も出場することが決まった。この日、福岡・大野城市の部屋で師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が明かした。稀勢の里は3日目に西前頭筆頭の北勝富士に敗れ、横綱としては92年初場所の旭富士以来、26年ぶりに初日から3連敗。2日連続での金星配給で、4日目以降は休場の可能性が浮上していた。

田子ノ浦親方は、午前6時40分すぎに報道陣に対応し「話したのですが、出るということです。休場するという言葉は出なかった」と切り出した。話し合いは前日13日夜、稀勢の里が宿舎に戻った後に行われ、時間としては短いものだったという。

今場所は白鵬、鶴竜の2横綱が休場し、初の一人横綱として、これまで以上に責任ある立場だが、同親方は「(横綱の責任は)本人としてはもちろん分かっている。自分としては、弟子を信じるしかない。まだまだできると思う。(稀勢の里は)『頑張ります』と言っている。自信を持って行けというしかない。頑張ると言っている以上は、背中を押すしかない」と続けた。初日から3連敗した横綱が、4日目の土俵に上がるのは、88年秋場所の大乃国以来、30年ぶりで、平成では初。同場所で大乃国は8勝7敗で勝ち越している。4日目は東前頭2枚目で、初日から3連勝の栃煌山と対戦する。

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錦戸審判長「歯車が狂ったのか」連敗稀勢の里を分析

稀勢の里(手前)に寄り倒しで勝利する妙義龍(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇2日目◇12日◇福岡国際センター

一人横綱の稀勢の里(32=田子ノ浦)が、大関時代の15年春場所以来、3年8カ月ぶりに初日から2連敗を喫した。東前頭筆頭の妙義龍(32=境川)に差し手を封じられ、最後は寄り倒された。前日の小結貴景勝戦に続く黒星で、昨年春場所で昇進後、横綱としては初の初日から連敗で、2日目に敗れるのも初。白鵬、鶴竜の2横綱不在場所で、優勝争いから取り残されそうな気配が漂い始めた。

幕内後半戦の錦戸審判長(元関脇水戸泉)は「稀勢の里はもう少し我慢すればよかった。腰が高く胸も反っていた。歯車が狂ったのか普段はあんな相撲を取らない。何とか盛り返してほしい」と今後の巻き返しに期待した。

錦戸親方(2018年3月28日撮影)

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八角理事長「辛抱負け」連敗稀勢の里について

妙義龍(右)に寄り倒しで敗れる稀勢の里(撮影・今浪浩三)

<大相撲九州場所>◇2日目◇12日◇福岡国際センター

一人横綱の稀勢の里(32=田子ノ浦)が、大関時代の15年春場所以来、3年8カ月ぶりに初日から2連敗を喫した。東前頭筆頭の妙義龍(32=境川)に差し手を封じられ、最後は寄り倒された。前日の小結貴景勝戦に続く黒星で、昨年春場所で昇進後、横綱としては初の初日から連敗で、2日目に敗れるのも初。白鵬、鶴竜の2横綱不在場所で、優勝争いから取り残されそうな気配が漂い始めた。

八角理事長(元横綱北勝海)は「稀勢の里は辛抱しなければならないところで投げを打って自分(の体)を軽くしてしまった。辛抱負け。明日でしょう」と語った。

日本相撲協会八角理事長(18年2月撮影)

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稀勢の里、2連敗で絶叫「あーっ」悔しさ隠さず

妙義龍(上)に寄り倒しで敗れる稀勢の里(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇2日目◇12日◇福岡国際センター

一人横綱の稀勢の里(32=田子ノ浦)が、大関時代の15年春場所以来、3年8カ月ぶりに初日から2連敗を喫した。東前頭筆頭の妙義龍(32=境川)に差し手を封じられ、最後は寄り倒された。前日の小結貴景勝戦に続く黒星で、昨年春場所で昇進後、横綱としては初の初日から連敗で、2日目に敗れるのも初。白鵬、鶴竜の2横綱不在場所で、優勝争いから取り残されそうな気配が漂い始めた。

左を固めて前に出たが、差し手争いに敗れて「勝負あり」だった。稀勢の里が得意の左四つに組み止めようとしたが、同い年で相撲巧者の妙義龍に、巻き替えられてもろ差しを許した。あとは頭を付けて上体を起こされる、教科書通りの攻めに屈し、寄り倒しで土俵下まで転げ落ちた。34秒2にも及んだ熱戦は、貴景勝に敗れた前日に続く幕内全20番中の最長。誰よりも長くもがき続け、朝稽古では集中力を高めるため、初日に続き非公開と、白星を模索するが結果が伴わない。

取組後の風呂場では「あーっ」と絶叫し、悔しさを隠さなかった。9場所ぶりに皆勤した先場所は10勝5敗だったが、1度も連敗がなかった。それが今場所は早々と、しかも横綱としては初の初日から2連敗。大関時代を含めても3年8カ月ぶりだが、その時も2日目は妙義龍に敗れていた。

九州入り後は出稽古などで、対戦が予想される幕内上位を中心に、関取衆と計76番取って64勝12敗と、仕上がりの良さを披露していた。妙義龍とも7日に出稽古し、13勝2敗と寄せ付けなかった。それだけに師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は、この日の取組前に「全然悪くない。表情もいつも通り」と、復調を予感していた。一人横綱の重圧も「綱取りも大関とりも経験している」と、乗り越えられると信じて話した。

支度部屋では報道陣の質問に終始無言を貫いたが、取組後から約2時間半後、田子ノ浦部屋宿舎に集まった報道陣には「頑張ります」と笑顔を見せた。今日3日目は過去1勝1敗の難敵、西前頭筆頭の北勝富士を迎える。今場所前の出稽古は、これまた9勝2敗と圧倒したが、もはや参考にはならない。小結の09年初場所以来、10年近く遠ざかる初日から3連敗となれば優勝争いから大きく後退。一人横綱の責任を果たせず、休場する可能性も浮上する。一転して迎えた正念場を乗り越えられるか。【高田文太】

稀勢の里の横綱昇進後の2日目成績
支度部屋で悔しそうな表情を見せる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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一人横綱の稀勢の里が連敗、妙義龍に金星許す

九州場所 妙義龍に寄り倒しで敗れる稀勢の里(手前)(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇2日目◇12日◇福岡国際センター

初の一人横綱として臨んだ稀勢の里(32=田子ノ浦)が初日から連敗を喫した。過去16勝4敗と得意にしていた前頭筆頭の妙義龍(32=境川)に寄り倒され、金星を許してしまった。

11日の初日は小結貴景勝に敗れて黒星発進。支度部屋では、2度「そうですね」と答えた以外は無言で悔しさを募らせていた。今場所は白鵬と鶴竜が休場し、優勝争いや、9場所ぶりに皆勤して10勝5敗だった9月の秋場所以上の成績が求められている。場所前も順調に稽古を積んできただけに、ここで波に乗り、横綱の責任を果たしたいところだったが、悪い流れを止められなかった。

明日13日の3日目は前頭筆頭の北勝富士(26=八角)と対戦する。

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阿武松審判部長「わながあった」稀勢の里の敗因分析

貴景勝(左)の激しい攻めに耐える稀勢の里(撮影・今浪浩三)

<大相撲九州場所>◇初日◇11日◇福岡国際センター

初の一人横綱として臨んだ稀勢の里(32=田子ノ浦)が、痛恨の黒星発進となった。小結貴景勝にはたき込みで敗れた。今場所は白鵬、鶴竜の2横綱が休場。9月の秋場所で9場所ぶりに皆勤して10勝5敗と、復調気配を漂わせた直後に、優勝争いが求められる状況となっていた。

幕内後半戦の阿武松審判長(元関脇益荒雄)のコメント「稀勢の里は調子がいいだけに前のめりになっていた。相手を突きだしてやろうという気持ちに、わながあった。もう少し落ち着けばよかった。筋肉のかたまりになって攻めてくる貴景勝は、一番やりづらい相手だろう」

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八角理事長、黒星の稀勢の里は「少し腰高になった」

貴景勝(左)にはたき込みで敗れ悔しそうな表情を見せる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇初日◇11日◇福岡国際センター

初の一人横綱として臨んだ稀勢の里(32=田子ノ浦)が、痛恨の黒星発進となった。小結貴景勝にはたき込みで敗れた。今場所は白鵬、鶴竜の2横綱が休場。9月の秋場所で9場所ぶりに皆勤して10勝5敗と、復調気配を漂わせた直後に、優勝争いが求められる状況となっていた。

八角理事長(元横綱北勝海)のコメント「稀勢の里はつかまえきれず少し腰高になった。(動きに)硬さはなく左から差し込む形を作ろうとしていたが、だんだん腰が高くなってしまった。貴景勝は押し込んでからのいなしを狙っていた。相手を十分にさせないうまさがある」

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稀勢の里、痛恨の黒星発進も師匠「体は動いている」

貴景勝(左)にはたき込みで敗れた稀勢の里(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇初日◇11日◇福岡国際センター

初の一人横綱として臨んだ稀勢の里(32=田子ノ浦)が、痛恨の黒星発進となった。小結貴景勝にはたき込みで敗れた。今場所は白鵬、鶴竜の2横綱が休場。9月の秋場所で9場所ぶりに皆勤して10勝5敗と、復調気配を漂わせた直後に、優勝争いが求められる状況となっていた。場所前の稽古は順調で、優勝宣言まで飛び出していただけに、落胆の色は隠せなかった。

前のめりに倒れ込み、土俵につかんばかりの顔を、悔しさでしかめた。この日の幕内取組全20番中、最長となる21秒4の熱戦。立ち合いで右を張った稀勢の里は、運動量の多い貴景勝をつかまえにかかった。だが左右に動かれ、下から突いてくる相手を突き放して対抗。立て続けの突き、押しにもバタバタしてしまう悪癖は出なかった。だが、過去2勝2敗の難敵。先手を許すばかりで、最後は右からの突きをいなされ、そのままはたき込み。苦い一人横綱デビューとなった。

支度部屋に戻ると「(はたき込みは)タイミングがはまってしまったか」という質問などに、2度「そうですね」と答えた以外は無言だった。これで横綱として出場した7場所中、黒星発進は実に5度目。過去4度はすべて途中休場に追い込まれている。だが白鵬、鶴竜不在で優勝争いが義務づけられているような状況は初めて。一人横綱の重圧が一段と増すことになる。

この日の朝稽古は非公開だった。公開されていた弟弟子の大関高安が稽古を終えると、シャッターが下りた。すると、直後に閉ざされた稽古場から、四股を踏む音が聞こえた。関係者によると、稀勢の里が基礎運動などで調整したという。9場所ぶりに皆勤した先場所と同じく、朝稽古を非公開にして集中力を高めた。

日本出身としては03年初場所の貴乃花以来、16年近く遠ざかっていた一人横綱だった。貴乃花は同場所中に引退。昨年の稀勢の里の昇進は、その時以来の日本出身横綱の誕生だった。期待感の大きさは分かっているし、それに応えるように6日には、今場所の目標を「もちろん優勝です」と宣言。心身共に充実-、のはずだった。土俵下で審判として見守った師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「落ち着いて取ることができていたけど、張られて上体が起きてしまった。体は動いている」と、収穫もあったことを強調。敗れても胸を張って引き揚げた、これまでとは違う稀勢の里の姿に、ファンは「残り14連勝だ」などと、期待の声を掛けていた。【高田文太】

支度部屋で質問に答える稀勢の里(撮影・栗木一考)

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豪栄道Vへ「1番1番」埼玉栄の後輩北勝富士下す

北勝富士を押し出しで破る豪栄道(撮影・今浪浩三)

<大相撲九州場所>◇初日◇11日◇福岡国際センター

大関豪栄道(32=境川)が西前頭筆頭北勝富士を押し出しで下し、白星スタートした。

先場所は魁聖に敗れ、黒星発進。「少し頭にあった」というが、同じ押し相撲の埼玉栄高の後輩相手に激しい攻防を制した。我慢強い取り口を「そうですね」と振り返り「はたかないようにだけ、気をつけた」と悪癖を出さずに勝負をつけた。

白鵬、鶴竜の2横綱が休場し、一人横綱の稀勢の里、大関栃ノ心に初日で土がついた。待望の2度目の優勝を目指す男は「1番1番気を引き締めてやりたい」と話していた。

北勝富士(左)に激しく攻める豪栄道(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里、初日から黒星…質問に2度「そうですね」

支度部屋で質問に答える稀勢の里(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇初日◇11日◇福岡国際センター

初の一人横綱として臨んだ稀勢の里(32=田子ノ浦)は、小結貴景勝に敗れて黒星発進となった。

右で張った立ち合いから、まわしを取りにいったが、左右に動きながら繰り返される、相手の突き、押しに、徐々に防戦の展開となった。最後は右からの突きが命中せずにいなされ、はたき込みで前のめりに倒れ込んだ。

支度部屋に戻ると「相手の正面に立って攻めることができていたが」という質問と、「(はたき込みは)タイミングがはまってしまったか」という質問に、2度「そうですね」と答えた以外は無言だった。

これで横綱として出場した7場所目で、実に5度目の黒星発進となった。過去4度はいずれも途中休場。だが今場所は白鵬と鶴竜が休場し、優勝争いや、9場所ぶりに皆勤して10勝5敗だった9月の秋場所以上の成績が求められている。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「体は動いている」と、状態は悪くないと判断。2日目は東前頭筆頭の妙義龍と対戦する。

九州場所 貴景勝(左)にはたき込みで敗れた稀勢の里(撮影・栗木一考)

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御嶽海、前場所より楽「記者さんが言わなければね」

貴景勝(右)と笑顔で話す御嶽海(撮影・鈴木正人)

関脇御嶽海は10日、九州場所初日へ向けて「自分の相撲を取るだけ」と淡々と話した。

大関とりがかかった先場所は9勝6敗。今場所も星数と内容次第では大関昇進の声も上がる。「プレッシャーはいつも感じているが、前回より気持ちは楽。記者さんが言わなければね」と軽快に語った。白鵬、鶴竜の横綱2人が休場。「自分たちが盛り上げていきたい」と若手の筆頭として責任感を口にした。

土俵祭りを終えファンのサインに応じる御嶽海(撮影・佐藤礼征)

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御嶽海「横綱いなくても自分たちが盛り上げたい」

土俵祭りを終えファンのサインに応じる御嶽海(撮影・佐藤礼征)

大相撲の九州場所(11日初日、福岡国際センター)を前日に控え、関脇御嶽海(25=出羽海)が10日、同所で行われた土俵祭りに参加し「始まってみないと分からないが自分の相撲を取るだけ」と淡々と語った。

横綱白鵬(33=宮城野)と鶴竜(33=井筒)の2人が休場。3横綱不在の中で初優勝した今年の名古屋場所と状況がかぶる。「横綱がいなくても自分たちが盛り上げていきたい」と意気込んだ。

星次第では今場所での大関昇進の声も上がる。「プレッシャーはいつも感じているが、前回よりは気持ちは楽。稽古してきたものを出せれば」と話した。

貴景勝(右)と笑顔で話す御嶽海(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里は平常心強調「最後までしっかり努めきる」

報道陣の質問に答える稀勢の里(撮影・鈴木正人)

大相撲九州場所の初日を翌日に控えた10日、土俵祭りが会場の福岡国際センターで行われ、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)ら三役以上の力士が出席した。稀勢の里は初の一人横綱で臨む場所の心境を問われて「まあやることは変わらないんで。最後までしっかり努めきることです」と話した。

9場所ぶりに皆勤した先場所は10勝5敗。「先場所もそうですが、場所前にいい稽古ができ、いい状態でした。今場所もいい状態。あとはしっかり結果を残すだけです」。白鵬、鶴竜が休場する今場所とあって「ファンは優勝での復活を見たいのでは?」との質問には「集中してやりたい」と、短い言葉に決意を込めた。初日の相手は小結貴景勝。「立ち合いが…」と勢いのある相手の印象を口にする一方、初日を特別視することなく「15日間、同じだと思います」と平常心を強調していた。

土俵祭りを見つめる稀勢の里(撮影・鈴木正人)
土俵祭りを見つめる稀勢の里(左)と高安(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里Vへ乗り越えるべき3つの重圧とは

若い衆の稽古を見守る横綱稀勢の里(撮影・高田文太)

大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、試練を克服して昨年3月の春場所以来、1年8カ月ぶりの優勝に挑む。九州場所(11日初日)の取組編成会議が9日、会場の福岡国際センターで行われ、稀勢の里は初日に小結貴景勝、2日目に東前頭筆頭妙義龍と顔を合わせることが決まった。前日8日にそれぞれの師匠が明かした通り、白鵬、鶴竜の2横綱は休場。秋場所で9場所ぶりに皆勤し、復活の兆しを見せたばかりの和製横綱に3つの重圧が待っている。

<1>一人横綱 初めて経験する連日の結びの一番。勝敗が今場所の盛り上がりを左右する立場だけに、阿武松審判部長(元関脇益荒雄)も「優勝に絡んでもらいたい。横綱相撲を取ってもらえたら」と、期待を隠さなかった。

<2>鬼門の初日 横綱昇進後、途中休場を含む出場6場所のうち、4場所が黒星発進だ。相手は過去2勝2敗と得意ではない貴景勝。1月の初場所では今場所同様、初日に対戦して敗れ、途中休場に追い込まれる一因となった。

<3>横綱が強い九州場所 1年の総決算の意気込みで各力士が臨む九州場所は、地力に勝る横綱が昨年まで14年連続で優勝。横綱以外は03年の大関栃東までさかのぼる。横綱の連続Vが次に長い3月の春場所でも現在、4年連続でしかない。

通常以上に優勝が求められるような状況だが、この日、福岡・大野城市の部屋での稽古中は何度も笑顔を見せた。四股やすり足などで汗を流し、場所前の稽古を打ち上げ。報道陣には無言だったが、重圧すら楽しむような一皮むけた姿を見せていた。【高田文太】

稽古後、報道陣を迎えのタクシーから遠ざけて無言で外出する稀勢の里(左)

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初の一人横綱稀勢の里、初日貴景勝 2日目妙義龍

稀勢の里(17年9月撮影)

日本相撲協会は9日、福岡国際センターで審判部が取組編成会議を開き、大相撲九州場所(11日初日、福岡国際センター)の初日と2日目の取組を決めた。

自身初の一人横綱の稀勢の里(32=田子ノ浦)は初日に、小結貴景勝(22=千賀ノ浦)と対戦。2日目は、東前頭筆頭の妙義龍(32=境川)と対戦する。

自身初の年間最多勝のかかる大関栃ノ心(31=春日野)は初日に、西前頭2枚目玉鷲(33=片男波)と対戦。初優勝を狙う大関高安(28=田子ノ浦)は、妙義龍と対戦する

十両以上の休場者は、横綱白鵬(33=宮城野)、横綱鶴竜(33=井筒)、小結魁聖(31=友綱)の3人。初日、2日目の三役以上の取組は以下の通り。

【初日】(左が東)

錦木-逸ノ城

御嶽海-栃煌山

玉鷲-栃ノ心

妙義龍-高安

豪栄道-北勝富士

稀勢の里-貴景勝

【2日目】(左が西)

玉鷲-御嶽海

逸ノ城-栃煌山

貴景勝-豪栄道

栃ノ心-錦木

高安-北勝富士

妙義龍-稀勢の里

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稀勢の里が最多指定!九州場所の懸賞数129本

若い衆の稽古を笑顔で見つめる稀勢の里

日本相撲協会は9日、九州場所(11日初日、福岡国際センター)の懸賞総数は1469本と発表した。

横綱白鵬(33=宮城野)、鶴竜(33=井筒)の休場により、150本が取りやめ。申し込み段階では昨年から250本以上減少した。

力士を指定する懸賞数は横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)の129本が最多で、地元福岡出身の東前頭9枚目琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)、大関高安(28=田子ノ浦)が続いた。

新規は九州地区で学習塾を展開する「英進館」、アパレル会社「ナイガイ」の2件となった。

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稀勢の里が1時間汗 笑顔見せるが緊張感漂う場面も

稽古場にある神棚を見つめて両手を合わせる稀勢の里

一人横綱として大相撲九州場所(11日初日、福岡国際センター)に臨む稀勢の里(32=田子ノ浦)は9日、福岡・大野城市の部屋で四股やすり足などの基礎運動で約1時間、汗を流した。

初日は小結貴景勝、2日目は東前頭筆頭妙義龍と顔を合わせることが決定。貴景勝は過去4度、いずれも横綱として対戦して2勝2敗と、得意とはいえない相手だ。1月の初場所では、今場所と同様に初日に対戦して敗れている。

白鵬、鶴竜の2横綱の休場が決定し、優勝争いが求められる中で、いきなり難敵を迎えることになった。それでもこの日は、稽古場で何度なく笑顔を見せるなど、リラックスした様子をのぞかせた。今場所の取組で使用予定の締め込みを着けて、感触を確かめるなど、場所前の稽古打ち上げとなったこの日も、準備に余念はなかった。一方で稽古後、外出する際には迎えのタクシーを宿舎の出入り口に横付けし、付け人が報道陣を遠ざけて無言で出発。緊張感を漂わせる場面もあった。

二所ノ関一門の連合稽古や、出稽古で訪れた際に稀勢の里の状態を確認している阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「優勝に絡んでもらいたい。相当いい状態だと思う」と、期待していた。

稽古後、報道陣を迎えのタクシーから遠ざけて無言で外出する稀勢の里(左)
若い衆の稽古を笑顔で見つめる稀勢の里(後方)

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