上へ戻る

au版ニッカン★バトル

記事検索

鶴竜の原動力、愛するわが子のため“パパっと”快勝

正代(右)を激しく攻める鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇両国国技館


 自身初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)が1敗を守り、勝ち越しを決めた。対戦成績7戦全勝だった正代を早い相撲で押し出した。今日22日は長男アマルバイスガラン君の1歳の誕生日で、場所後の29日は長女アニルランちゃんの3歳の誕生日。愛するわが子の存在が、強いパパの原動力だ。横綱白鵬と平幕の千代の国も1敗を堅持。大関とりの関脇栃ノ心が9連勝で単独トップを守った。

 パパは強い。低く強く当たった鶴竜が、正代を後退させた。勢いあまって土俵外をのぞいたが、素早く体勢を整えなおし、体の崩れた正代を押し出した。「ヒヤッとした?」と問われて「それはなかった。しっかり(相手を)見ていたし、体も反応したので」と涼しげだ。自宅通勤ができる東京開催の夏場所は、しかも5月だけに、パワー倍増だ。

 今日22日は長男アマルバイスガラン君の誕生日だ。左足首負傷で5日目から休場した昨年夏場所9日目に生まれた。周囲が進退をささやく中、愛息の寝顔を見ると、闘志がわいた。

 千秋楽2日後の29日は長女アニルランちゃんの誕生日だ。左肩を痛めて全休した15年夏場所千秋楽の5日後に生まれた。鶴竜によると、モンゴルでは男なら2歳、女なら3歳になって初めて髪を切る。「頭は大事ですから、それを守るためでしょう」。家族、親類、親しい知人が少しずつハサミを入れ、最後はバリカンで頭を丸める。

 アニルランちゃんは、その3歳になる。インターナショナルの幼稚園に通い、物心もつき始めた。その女児が丸刈りに…。「そりゃ泣くでしょうね。でも、仕方ないでしょ? 1度刈った方が髪もきれいに伸びると思いますし」と、くすくす笑った。

 自身初の2場所連続優勝へ。「この子たちのためにも、と思ってきた。そういう思いがないと(相撲を)やってる意味がない」。当たり前のように言い切るパパが、頼もしい。トップを走る栃ノ心を1差で追う。鶴竜はもう負けるつもりはない。【加藤裕一】

関連するニュースを読む

鶴竜勝ち越し、前夜焼き肉で好物ハチノスも「力に」

正代(右)を激しく攻める鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇両国国技館


 自身初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)が1敗を守って、勝ち越しを決めた。平幕の正代を低く強い立ち合いで後退させ、押し出した。正代は同じ時津風一門で、普段から稽古で何度も相撲を取っている。しかも、これで8戦全勝と合口抜群。「(稽古より本場所で力を出す)場所相撲だからね」と警戒していたが、完勝とあって「立ち合いが良かったですね。こういう相撲が毎日とれたら」と満足そうだ。

 4場所連続休場を乗り越え、初場所、優勝した春場所と15日間相撲を取りきってきた。体力的な問題解消は「初場所を終わった時点で、できています」と言い、後半戦に突入しても不安はない。この日、豪栄道も休場し、大関が2人ともいなくなった。角界の“顔”と呼べる存在が減る中で「僕も休んでいた時期がある。その分頑張ります」という。中日だった前日夜は、恒例の“焼き肉ディナー”を、付け人たちとともに楽しんだ。好物のハチノスもしっかり食べた。「それも力になってますかね」とご機嫌だった。

関連するニュースを読む

栃ノ心9連勝、1敗で白鵬、鶴竜、千代の国 夏場所

白鵬

<大相撲夏場所>◇9日目◇21日◇東京・両国国技館


 単独トップの関脇栃ノ心(30=春日野)は前頭3枚目大栄翔(24=追手風)をつりながら寄り切って初日から9連勝を飾り、大関昇進に王手をかけた。10日目は4勝5敗の前頭4枚目千代大龍(29=九重)と対戦する。

 1敗で追う3人もそろって勝った。2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は前頭5枚目琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)を右からの上手投げで下した。初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)は前頭4枚目正代(26=時津風)を押し出した。前頭11枚目千代の国(27=九重)は同14枚目豪風(38=尾車)を突き出した。

 3勝5敗だった大関豪栄道(32=境川)は左足首の負傷で休場した。関脇逸ノ城(25=湊)は不戦勝で5勝目を挙げた。

関連するニュースを読む

栃ノ心、夕食2度の暴食でパワー 逸ノ城も食べた

逸ノ城(手前)を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館


 大関昇進を目指す関脇栃ノ心(30=春日野)が8戦全勝で勝ち越しを決めた。幕内最重量225キロの逸ノ城を寄り切りで仕留め、怪物対決に3連勝だ。ただ1人全勝を守り、V戦線でもトップを走る。初場所以来2場所ぶり2度目の優勝も視界に入ってきた。白鵬、鶴竜の両横綱と平幕の千代の国が1敗を守った。

 体が真っ赤になるほど全力で、栃ノ心が寄った。絶対的な武器の左上手を捨て、前みつを狙った左手が深く入り、もろ差しへ。1、2…5度と力を込め、逸ノ城の巨体を土俵の外へ持ち出した。対戦成績は3連勝。「前より重かったよ。もろ差しじゃないとダメだったね」。途中でつられて、両足が宙に浮いた。館内大熱狂の力勝負。だが、ガス欠の心配はなかった。

 遠藤休場で不戦勝となった前日夜は“暴食”した。「何でかわかんないけど、腹が減って、減って。それまでは(食欲がいまひとつで)頑張って食べてたのにな」。緊張がほぐれたのか。最初に出前のすしを3人前といくら丼を平らげたが、物足りない。午後10時から2度目のディナー。作り置きのジョージア料理と、納豆3パック+卵5個の卵焼きを作り、パンと一緒に食べた。この日の朝稽古後に「きょうは体が重かった」と苦笑いするほど、力はありあまっていた。

 初の8連勝で、中日の勝ち越しを決めた。絶好調の栃ノ心に、八角理事長は「優勝争いに加わるぐらいの気持ちで、それ(大関とり)は通過点ぐらいでやってほしい」と話した。大関昇進の目安は「直近3場所を三役で計33勝以上」とされ、栃ノ心は初場所14勝、春場所10勝。初場所が平幕のため「最低10勝以上」が必要になりそうだが、ペースはそれを軽く上回る。大関とりへ、2場所ぶり2度目の優勝へ、残り7日。何が大事か聞かれると「白星や、白星」と、関西弁でいたずらっぽく笑って見せた。【加藤裕一】

 ◆大関昇進前3場所での優勝 年6場所制が定着した58年(昭33)以降に昇進した大関59人中、達成者は19人いるが、優勝2度はない。初場所優勝の栃ノ心が今場所優勝で昇進を決めれば“3場所で優勝2度”という初のケースになる。

関連するニュースを読む

栃ノ心が中日勝ち越し「重かった」最重量逸ノ城下す

逸ノ城(手前)を寄り切りで破り、全勝を守った栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館


 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が関脇逸ノ城とのスーパーヘビー対決を制し、自身初の中日勝ち越しを決めた。

 立ち合いから幕内最重量225キロの相手とがっぷり右四つになり、先に攻められ、1度は両足が宙に浮いた。しかし、左上手から巻き返し、もろ差しの体勢に持ち込むと、こん身の力でじりじり相手を寄り切った。

 過去の合口は10勝5敗。この日の朝稽古後に「やりづらさはないけど、重たい」と苦笑いでこぼしていたが、取組後は「前より重かった。もろ差しじゃないとダメだったよ」と、朝から輪を掛けたような苦笑いを浮かべた。勝ち越しの感想を聞かれると「勝ち越しが目標じゃないからね」ときっぱり答えた。「今はうれしいけど、あと半分。これからが大事だからね」。白鵬、鶴竜の両横綱、大関豪栄道という上位陣との対戦を含む残り7番。大関昇進、そして2場所ぶり2度目の賜杯を目指す。「目標は1日1番です」とすぐに気を引き締め直していた。

逸ノ城を寄り切りで破り、全勝を守った栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

関連するニュースを読む

栃ノ心が無傷8連勝、1敗で白鵬、鶴竜ら 夏場所

栃ノ心

<大相撲夏場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館


 関脇同士の一番は、大関とりのかかる栃ノ心(30=春日野)が、逸ノ城(25=湊)を寄り切って無傷の8連勝と星を伸ばし、勝ち越しを決めた。逸ノ城は4勝4敗。

 2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は前頭3枚目豊山(24=時津風)を寄り倒して7勝目を挙げた。

 初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)は、前頭4枚目千代大龍(29=九重)を上手出し投げで下し7勝目。千代大龍は4勝4敗。

 大関豪栄道(32=境川)は、前頭3枚目大栄翔(24=追手風)に押し出され3勝5敗と苦しい星勘定となった。大栄翔は2勝7敗。

 8日目を終わって、勝ちっ放しは栃ノ心。1敗で鶴竜、白鵬、前頭11枚目千代の国(27=九重)の3人が追う展開となった。

関連するニュースを読む

鶴竜余裕の突き落とし、豊山に「稽古でも力出せば」

豊山(左)と激しく攻め合う鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館


 横綱鶴竜(32=井筒)は西前頭3枚目豊山(24=時津風)を突き落とし、1敗を守った。

 がむしゃらで力強い突き押しに、2度ほど引く場面があったが「まわしは取れないと思っていたんで」と落ち着いて対処した。初顔合わせとはいえ、同じ時津風一門とあって出稽古で何度も胸を貸している。「やはり本場所にきたら力を出しますね。稽古場でも出せばいいのにな」と話し、さらなる奮起を促す余裕があった。

関連するニュースを読む

横綱初挑戦の豊山、鶴竜に惜敗も「今は思い切り」

豊山(左)と激しく攻め合う鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館


 横綱初挑戦の西前頭3枚目豊山(24=時津風)が、横綱鶴竜(32=井筒)に惜敗して初金星を逃した。得意の突き押しで終始攻め立てて鶴竜を引かせたが、最後の1歩が出ずに突き落とされた。「下から何回もあてがって(鶴竜が)引いたときに『きた』と思った。勝たないといけないところで勝てないのが弱さ」と反省した。

 自己最高位で臨む今場所は連日、初の上位戦が組まれており、ここまで白星がない。長いトンネルが続くが「挑戦者なので今は思い切り相撲を取るのが大事。納得いく相撲が取れればいい」と結果は気にせず土俵に集中する。

土俵下に落ちた豊山の左足を顔面に食らう阿武松親方(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

栃ノ心が遠藤戦不戦勝で7連勝、1敗白鵬ら4人追う

千代大龍を寄り切りで破り、式守勘太夫(左)の背中に触れる白鵬(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館


 2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は前頭4枚目千代大龍(29=九重)を危なげなく寄り切り6勝目を挙げた。

初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)も前頭3枚目豊山(24=時津風)を突き落として6勝1敗とした。

 大関豪栄道(32=境川)は前頭2枚目阿炎(24=錣山)にはたき込まれて4敗目を喫し、黒星が先行した。阿炎は前日の白鵬戦に続く殊勲の星で3勝目を挙げた。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は右上腕を負傷した小結遠藤(27=追手風)の休場による不戦勝で7連勝とした。

 関脇逸ノ城(25=湊)は前頭2枚目松鳳山(34=二所ノ関)に下手投げで敗れ4連勝から3連敗となった。

 7日目を終わって、勝ちっ放しの栃ノ心を1敗で鶴竜、白鵬、前頭9枚目大翔丸(26=追手風)同11枚目千代の国(27=九重)の4人が追っている。

関連するニュースを読む

「目立ったッス」白鵬破る初金星に阿炎トーク全開!

インタビュールームから笑顔で出てピースする阿炎(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇6日目◇18日◇東京・両国国技館


 西前頭2枚目の阿炎(あび、24=錣山)が横綱白鵬を破り、初金星を挙げた。師匠の錣山親方(元関脇寺尾)譲りの突っ張りから、前に出続けて押し出し。初顔合わせで、全勝の第一人者を破る番狂わせを演じた。取組後は「目立ったッス」や「もう勝ち越した気分」などと、持ち前の明るい性格で報道陣を笑わせる“アビトーク”全開だった。平幕正代も敗れ、全勝は関脇栃ノ心1人となった。

 ぼうぜんと目が点になったまま、32本もの懸賞をつかんだ。無数に舞う座布団の1つが膝に当たり、やっと実感がわいた。阿炎は支度部屋に戻った直後に「ヤッター! うれしすぎて早く帰りたい」とさけび、付け人とグータッチ。“アビトーク”は絶好調で「目立ったッス。最高です。相撲人生で1番。大金星です」と、喜びを表現する言葉が続いた。ここまですべて三役以上を相手に2勝4敗だが「もう勝ち越した気分」と、充実感を口にした。

 立ち合いは、もろ手で突いた。白鵬の上体を起こすと、休まず突き、頭をつけて押し出した。白鵬に何もさせなかった。13年5月の初土俵の時、白鵬はすでに横綱。歴代最多40度優勝という雲の上の存在と初めて本場所で向き合い「心臓が口から出てきそうだった」と、極限の緊張を味わったからこそ喜びが爆発した。

 「小細工して勝てる人じゃない」と腹をくくった。4月27日に行われた、地元埼玉・越谷市での巡業で、初めて稽古をつけてもらい1勝12敗。その1勝も地元の声援に配慮した、お情けのようなものと自覚する。1月の初場所で新入幕後、2場所連続10勝。前日5日目は、かつて付け人を務めた横綱鶴竜との横綱戦で結びの一番も初体験した。敗れたが緊張は「1回目より2回目の方が」と和らいだ。

 テレビ解説で錣山親方は「(弟子が)誰も横綱に勝ったことがないので僕が元気なうちに」と期待していた。師匠譲りの取り口での金星は何よりの恩返しだ。もう1人、恩返ししたいのが母早苗さん。前日は母の54歳の誕生日だっただけに「すぐ電話したいから早く帰りたいんです。母の日も何もできなかったから」と心優しい一面も。優しくておもしろい待望の新スターが誕生した。【高田文太】

白鵬(右)を押し出しで破る阿炎(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

阿炎が初金星!すべて出し切り「憧れ」座布団の舞い

インタビュールームから笑顔で出てピースする阿炎(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇6日目◇18日◇東京・両国国技館


 西前頭2枚目の阿炎(あび、24=錣山)が、初顔合わせの横綱白鵬(宮城野)を破り、初金星を挙げた。もろ手突きの立ち合いから終始に前に出て、白鵬にまわしを取らせず押し出し。新入幕から3場所目、前日5日目の鶴竜に続く2度目の横綱戦と結びの一番で、全勝の相手に完勝する番狂わせを演じた。

 支度部屋に戻った阿炎は興奮冷めやらぬ様子で「うれしくてしょうがない。最高です。相撲人生で1番。大金星です!」と、まくし立てた。13年夏場所で初土俵を踏んだ時には、すでに横綱だった白鵬と初めて本場所の土俵で向き合った時には「心臓が口から出てきそうだった」というほど、緊張したという。それでも「小細工して勝てる相手じゃない」と、すべてを出し切って勝った。横綱が敗れると、観客が土俵に向かって座布団を投げるが「テレビで見ていたけど、それを体験というか、自分ができるとは思わなかった」と、しみじみと話した。歩いて両国国技館を出る際には、大勢の観客にもみくちゃにされながら見送られた。

白鵬(手前)の張り手に、ひるまず前に出て押し出した阿炎(撮影・丹羽敏通)
白鵬(手前)の強烈な張り手に、ひるまず前に出た阿炎(撮影・丹羽敏通)

関連するニュースを読む

前頭2枚目阿炎が横綱白鵬から初金星、白鵬は初黒星

阿炎(2018年1月28日撮影)

<大相撲夏場所>◇6日目◇18日◇東京・両国国技館


 2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は前頭2枚目阿炎(24=錣山)に押し出され、初黒星を喫し、無傷の6連勝を逃した。阿炎は初の金星で2勝目。

 初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)は前頭三枚目大栄翔(24=追手風)をはたき込んで5勝1敗とした。

 大関豪栄道(32=境川)は前頭四枚目千代大龍(29=九重)に敗れ3勝3敗の五分。

 関脇逸ノ城(25=湊)は前頭筆頭玉鷲(33=片男波)に押し出され2敗目。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は前頭三枚目豊山(24=時津風)を突き落として無敗を守った。今場所6連勝とした。

 新三役の小結遠藤(27=追手風)は小結御嶽海(25=出羽海)に上手出し投げで敗れ3敗目。

 6日目終了時点での勝ちっ放しは栃ノ心のみとなった。


関連するニュースを読む

貫禄見せた鶴竜、相撲やめかけた“弟子”阿炎へ思い

阿炎(左)をはたき込みで下した鶴竜(撮影・丹羽敏通)

<大相撲夏場所>◇5日目◇17日◇東京・両国国技館


 横綱鶴竜(32=井筒)が初顔合わせの西前頭2枚目阿炎(あび、24=錣山)をはたき込み、1敗を守った。自分と対戦できる位置まで上がってきた、錣山部屋の元付け人相手に突っ張りを受け止め、貫禄を見せた。前日の初黒星から一夜明け、自身初の2場所連続優勝へ、再出発を切った。

 熱い思いを封じ込め、鶴竜は勝負に徹した。立ち合いのもろ手突きから、阿炎の突きを何発も受け止めた。最後は相手の勢いをうまくいなして、はたき込み。「今日は考えず、当たることだけを意識した」。松鳳山を立ち合いで見すぎて敗れた前日の一番を反省し、ガムシャラに突っ込んだ。相手は元付け人。「なるべくそういう感情が出ないようにした」と振り返った。

 16年九州場所で、阿炎は付け人だった。十両から落ち、相撲をやめようと考えていた若手を、師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)の実弟、錣山親方(元関脇寺尾)から預かった。その場所で3度目の優勝を飾った。「ありがとう」と握手を求めた。阿炎が付け人を離れ、2場所後の17年春場所で幕下優勝を飾った時は、人知れず祝儀を贈った。背中を見せ、気遣うことで「あんなすばらしい人はいません」と感激させ、再び相撲への意欲を取り戻させた。

 土俵では自分の相撲に集中した鶴竜だが、取組後は喜びを隠せなかった。「元付け人とやるのは、僕も初めてですから。付け人で違う部屋というのはなかなかない。でも、いいことですよね」。阿炎が「少しでも成長した姿を見せたかった」と話したことを伝え聞くと「いや、それは(自分と)当たる時点で、そこまで来たということです」と言い、うれしそうに笑った。

 痛恨の初黒星から、連敗を阻止。4勝1敗で序盤戦を終えた。「やったことのないことへの挑戦」と掲げる今場所の目標は、自身初の2場所連続優勝。かわいい“弟子”からの白星が、再スタートに弾みをつけた。【加藤裕一】

関連するニュースを読む

鶴竜1敗守る、かつての付け人阿炎下すも成長実感

阿炎(右)の突進をいなす鶴竜(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇5日目◇17日◇東京・両国国技館


 横綱鶴竜(32=井筒)が西前頭2枚目阿炎(あび、24=錣山)を退け、1敗をキープした。かつて自分の付け人を務めた若手との初顔合わせ。立ち合いのもろ手突きから、相手の回転の速い突きを受け止め、はたき込んだ。

 前日の4日目に初黒星を喫していたこともあり「そういう(相手が元付け人という)感情が出ないよう、今日の相手として見て、集中して相撲を取りました」という。それでも、かわいい“弟子”との取組はうれしかった。「いいことですよね。自分と当たるところまで来た時点で、そこまで来た(成長した)ということです」と笑みを浮かべていた。

阿炎を下して懸賞金の束を手にした鶴竜(撮影・丹羽敏通)
阿炎(右)をはたき込みで下す鶴竜(撮影・小沢裕)

関連するニュースを読む

白鵬、栃ノ心、正代の3力士が無傷の5連勝 夏場所

大栄翔を上手投げで下した白鵬(撮影・丹羽敏通)

<大相撲夏場所>◇5日目◇17日◇東京・両国国技館


 初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)は前頭2枚目阿炎(24=錣山)を下し、4勝目を挙げた。

 2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は、前頭三枚目大栄翔(24=追手風)を上手投げ。無傷の5連勝とした。

 大関豪栄道(32=境川)は前頭三枚目豊山(24=時津風)を押し出し、3勝2敗とした。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は前頭筆頭魁聖(31=友綱)を寄り切って5連勝。

 新三役の小結遠藤(27=追手風)は勝ちっ放しの関脇逸ノ城(25=湊)を寄り切った。3勝2敗とした。

 5日目終了時点での勝ちっぱなしは白鵬、栃ノ心、前頭四枚目正代(26=時津風)の3力士。

関連するニュースを読む

阿炎、付け人を務めた横綱鶴竜に敗戦「膝が震えた」

阿炎(右)の突進をいなす鶴竜(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇5日目◇17日◇東京・両国国技館


 西前頭2枚目阿炎(24=錣山)が、鶴竜(32=井筒)に負けて横綱初挑戦での初金星を逃した。

 立ち合いは腕を伸ばしてぶつかり、いなされるもこらえてから突いて攻めたが、再びいなされると体勢を崩して両手が土俵に着いた。自身初の結びの一番でもあり「いけると思ったけど、(土俵上で)四股を踏んでいる時に緊張した。めちゃくちゃ膝が震えた」と興奮気味に振り返った。

 鶴竜は、過去に付け人を務めたことがある特別な相手だった。それだけにこの日の対戦は「うれしさもあるし、あらためてこんなにすごい人に付いていたんだなと思った。あれだけ自分を出し切れたのに勝てなかった。でも自分に逃げなかったのだけは良しとします」と特別な思いがこもっていた。「今日は母の誕生日だったので勝ちたかった」と親孝行な一面も見せた。

阿炎(右)をはたき込みで下す鶴竜(撮影・小沢裕)

関連するニュースを読む

元水戸泉の錦戸親方、初幕内後半戦の審判長務め緊張

<大相撲夏場所>◇5日目◇17日◇両国国技館


 3月の職務変更に伴い、審判部の副部長に就任した元関脇水戸泉の錦戸親方(55)が、初めて幕内後半戦の審判長として、正面土俵下から目を光らせた。

 やや緊張の面持ち? のようだったが、結びの一番を含め20番を見守り審判部に戻ると、ホッとひと息ついた様子。初日は十両、3日目は幕内前半戦で、それぞれ審判長を務めたが、やはり華のある幕内後半戦のそれとは違うようで「怖かったですよ、(力士が)落ちてこないかね」とドキドキ感を味わう一方で、熱戦続きの取組に「みんな、いい相撲を取ってました。楽しかったですよ」と、いい緊張感の中で任務を果たした充実感に包まれていた。

 目いっぱいの塩まきと、平幕優勝も果たした人気力士として現役時代は活躍した錦戸親方。もちろん、観戦者として“楽しんだ”わけではなく、各取組も的確に分析。結びの一番は「鶴竜は(前日の負けの)尾を引いてなく、いい相撲でした。阿炎の方が気負ってました」と横綱初挑戦だった若武者の表情から心情を読み取った。大関とりのかかる関脇栃ノ心の表情も「仕切っている時は緊張していました」と察したが、相撲については「相手によって考えて相撲を変えられる。相撲に迷いがないのが、いちばん良いところ」と的確に分析していた。

関連するニュースを読む

逸ノ城6場所目三役で初4連勝「2ケタ勝ちたい」

豊山を寄り切りで下す逸ノ城(撮影・横山健太)

<大相撲夏場所>◇4日目◇16日◇東京・両国国技館


 関脇逸ノ城(25=湊)が、三役で初めて初日から4連勝を飾った。自己最重量225キロの巨体を生かし、初顔合わせの豊山(時津風)を一方的に寄り切り。横綱鶴竜や部屋のおかみさんから土俵内外のアドバイスを受け、身も心も一回り大きくなった成果を発揮し始めた。先場所は小結で9勝。今場所の成績次第では、来場所の大関とりも現実味を帯びてくる。

 関取最重量の逸ノ城が重機のように楽々と、181キロの豊山を土俵外へと追いやった。左で張った立ち合いから左上手をつかむ。胸を合わせて圧力をかけると、相手は何もできなかった。

 今場所前、時津風部屋への出稽古で申し合いを重ねたが、本場所は初顔合わせ。「最近、強くなっているので変に引っ張り込まないよう気を付けた。自分の相撲を取れた」。警戒するからこそ一気に寄り切り、通算6場所目の三役で初めて初日から4連勝を飾った。

 時津風部屋では、同じく出稽古で訪れた鶴竜から金言を受けた。稽古で力を抜く癖を見抜かれ「そういうのが本場所で出る。上に上がっていくためには(本場所で)勝つイメージを稽古場でつけないとダメ」と、しかられた。前日3日目の大栄翔戦は物言いがつく辛勝だけに、鶴竜の言葉を思い出し全力で臨んでいた。

 部屋では湊親方(元前頭湊富士)夫人の三浦真(まこと)さんから、食事に関する助言を受けてきた。真さんは「最近は雰囲気や発する言葉も変わってきました」と話す。4月の春巡業後、何度目かの“コーラ断ち”を宣言。真さんの助言もあって、炭酸水に替えて疲労回復に努めている。

 今場所中は自らさばいた約500グラムの羊肉を、ドカンと丼に入れた自称「ラムチャーハン」を夕飯として食べている。「作っている時は『早く食べたいな』と思っている」と、根っからの食いしん坊だが、塩味の微調整は「人に任せられない」というこだわり派。相撲も体格を生かした豪快さに繊細さも加わり始めた。

 阿武松審判部長(元関脇益荒雄)が「1つ上を目指せる力士になった」と言えば、八角理事長(元横綱北勝海)も「どっしりしてきた」と高評価。大関昇進の目安となる三役3場所合計33勝の足固めへ「2ケタ勝ちたい」と目標は明確だ。【高田文太】

関連するニュースを読む

連覇狙う鶴竜に土!白鵬、栃ノ心ら4連勝 夏場所

魁聖(左)を上手出し投げで下す白鵬(撮影・横山健太)

<大相撲夏場所>◇4日目◇16日◇東京・両国国技館


 初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)に土がついた。前頭2枚目松鳳山(34=二所ノ関)に押し込まれ、引いたところを押し倒された。松鳳山は5個目の金星となった。

 2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は、前頭筆頭魁聖(31=友綱)を上手出し投げで下し4連勝を飾った。

 大関豪栄道(32=境川)は前頭筆頭玉鷲(33=片男波)に押し出され、2連勝のあと2連敗となった。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は小結御嶽海(25=出羽海)を危なげなく寄り切って4連勝とした。5日目は初日から4連敗の魁聖と対戦する。

 関脇逸ノ城(25=湊)も前頭3枚目豊山(24=時津風)を寄り切って4連勝をマークした。

 新三役の小結遠藤(27=追手風)は前頭2枚目阿炎(24=錣山)の回転のいい突っ張りに突き出されて2勝2敗となった。

 4日目を終わって勝ちっ放しは白鵬、栃ノ心、逸ノ城、前頭4枚目正代(26=時津風)の4人となった。

松鳳山に押し倒しで敗れ肩を落とし土俵を後にする鶴竜(撮影・横山健太)
御嶽海を破り、多くの懸賞金を得る栃ノ心(撮影・狩俣裕三)

関連するニュースを読む

松鳳山が鶴竜破り5個目金星、引き際逃さず「前に」

鶴竜(右)を押し倒しで下す松鳳山(撮影・横山健太)

<大相撲夏場所>◇4日目◇16日◇東京・両国国技館


 東前頭2枚目松鳳山(34=二所ノ関)が、横綱鶴竜(32=井筒)を破って昨年春場所以来5個目の金星を獲得した。立ち合いから頭で当たり、鶴竜の突き、押しに応戦。たまらず引いてはたいてきた鶴竜を逃さず、落ちることなく足を運び押し倒した。

 支度部屋では息を乱しながら「とりあえず前に出るのに必死だった。3日間全然当たれなかったから絶対に前に出ようと。引かれてもいいから前に出ようと思った」と振り返った。

 師匠の二所ノ関親方(元大関若嶋津)のアドバイスも効いた。リハビリ療養中の師匠から場所前に「頑張れよ」とだけ言われたという。「『頑張れよ』だけですけど、その中にもいろいろな意味があったと思う」としみじみ。ようやく初日が出て「これで流れが変わってくれればいい」と切に願った。

鶴竜(左)を押し倒しで破る松鳳山(撮影・狩俣裕三)

関連するニュースを読む

栃ノ心3連勝 玉鷲戦「めちゃくちゃ気合入る」理由

玉鷲(右)と激しい取組をする栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇3日目◇15日◇東京・両国国技館


 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が平幕の玉鷲を下し、3連勝を飾った。ともに08年初場所が新十両だったライバルの激しい突き押しをしのぎ、はたき込んだ。右膝負傷からカムバックした14年11月の再入幕後、3連勝は過去2場所あり、11勝と14勝。大関昇進に求められる最低限の10勝以上がはっきり見えてきた。勝ちっ放しは白鵬、鶴竜の両横綱を含む8人となった。

 栃ノ心は鼻息が荒かった。「下がってないね、後ろに。よく攻めたし、立ち合いも良かった。まわしは取れなかったけどね」。支度部屋の風呂から上がると、自分から切り出した。角界屈指の突き押しをしのぎ、はねのけ、前に出た。気づけば、玉鷲が倒れていた。

 「めちゃくちゃ気合が入る」というライバルだ。新十両が同じ08年初場所。当時の巡業では“かわいがられ仲間”だった。玉鷲が朝青龍なら、自分は白鵬と日馬富士…。朝、顔を合わせると「今日も一緒にぶつかり稽古、頑張ろう」と励まし合った“戦友”なのだ。

 時には一緒に食事に行くほど仲もいいが、相撲となれば話は別だ。この日で対戦成績13勝4敗と合口はいい。ただし「アイツ、いつも土俵に上がる前からニラんでくる。だから、絶対にニラみ返す。目そむけたら負けだから」。先場所は2日目に負けた。その後1週間は、支度部屋ですれ違うと「弱かったな~」と言われた。「もういいだろって思うのに」とこぼしつつ、うれしそうだ。

 大関へ。データも栃ノ心の背中を押す。昇進目安は「直近3場所を三役で計33勝以上」とされ、栃ノ心は初優勝の初場所14勝、春場所10勝。ただ、初場所は西前頭3枚目の平幕だったため、最低限「10勝以上」が必要になりそうだが、その“ライン”は見えた。14年九州場所の再入幕後、3連勝は過去2度あり、ともに2ケタ白星。また三役での3連勝は11場所目で初めてだ。先場所痛めた右肩も「大丈夫、勝ってるからね」と笑い飛ばす。夢へ、着実に近づいている。【加藤裕一】

栃ノ心は口から流血しながら土俵を下りる(撮影・小沢裕) 

関連するニュースを読む

鶴竜3連勝「体がよく反応した」過去無敗の魁聖下す

魁聖(左)を寄り切りで下した鶴竜は懸賞の束を手に引き揚げる(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇3日目◇15日◇両国国技館


 初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)が、巨漢の魁聖を下し、3連勝を決めた。過去の対戦成績12勝無敗の“お得意様”に、立ち合いこそ不本意だったが、冷静な取り口で懐に入って、寄り切った。

 15日間とも万全の取り口は望めない。「その中で、勝ち星を重ねるのが大事。気合が乗る前に立ったというか…。でも、体がよく反応した。最後は中にがっつり入ったんでね」と話していた。

魁聖(左)を寄り切りで下す鶴竜(撮影・横山健太)

関連するニュースを読む

鶴竜、白鵬、栃ノ心ら3連勝 豪栄道1敗 夏場所

魁聖(左)を寄り切りで下す鶴竜(撮影・横山健太)

<大相撲夏場所>◇3日目◇15日◇東京・両国国技館


 2横綱が3連勝を飾った。

 初の2場所連続優勝を目指す鶴竜(32=井筒)は前頭筆頭魁聖(31=友綱)をもろ差しから寄り切った。2場所連続休場から復活を目指す白鵬(33=宮城野)は、前頭2枚目松鳳山(34=二所ノ関)を立ち合いから一気に押し出した。

 大関豪栄道(32=境川)は新三役の小結遠藤(27=追手風)に肩透かしで敗れ土がついた。遠藤は2連勝で白星が先行した。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は前頭筆頭玉鷲(33=片男波)を右からはたき込んで3連勝を飾った。4日目は2勝1敗の小結御嶽海(25=出羽海)と対戦する。

 関脇逸ノ城(25=湊)は前頭3枚目大栄翔(24=追手風)をはたき込んで3連勝とした。

関連するニュースを読む

連覇目指す鶴竜、復活期す白鵬ともに連勝 夏場所

横綱鶴竜

<大相撲夏場所>◇2日目◇14日◇東京・両国国技館


 横綱、大関は連日の安泰だった。

 初の2場所連続優勝を目指す横綱鶴竜(32=井筒)は前頭筆頭玉鷲(33=片男波)を左からいなして突き落として2連勝とした。

 2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は、小結御嶽海(25=出羽海)を左からの上手投げで下した。

 大関豪栄道(32=境川)は前頭2枚目松鳳山(34=二所ノ関)を押し出した。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は前頭二枚目阿炎(24=錣山)をもろ差しに組み止めて寄り切り2連勝とした。

 関脇逸ノ城(25=湊)も前頭筆頭魁聖(31=友綱)を寄り切って2連勝を飾った。

 新三役の小結遠藤(27=追手風)は前頭3枚目豊山(24=時津風)を左から引き落として1勝目を挙げた。

 北海道出身としては20年ぶりの幕内となる前頭15枚目旭大星(28=友綱)は、同16枚目安美錦(39=伊勢ケ浜)を裾払いで倒して初白星を挙げた。

関連するニュースを読む

鶴竜、初の2場所連続優勝へ好発進「集中できた」

初日を白星で飾り懸賞の束を手に引き揚げる鶴竜(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇初日◇13日◇東京・両国国技館


 鶴竜が新三役の小結遠藤の挑戦を退け、初の2場所連続優勝へ好発進した。突きの応酬から、相手が前のめりになったところを見逃さず、引き落とした。遠藤には、巡業や今場所前の稽古でも圧倒。力の差を見せつけた格好となった。

 1月の初場所から痛めている右手の指はまだ痛むが「立ち合いで相手に押されないようにした。自分の相撲に集中できた」と、冷静に振り返っていた。

関連するニュースを読む

連覇目指す鶴竜が白星発進、白鵬も白星 夏場所

遠藤を下した鶴竜は多くの懸賞金を両手で受け取り息を吐く(撮影・河野匠)

<大相撲夏場所>◇初日◇13日◇東京・両国国技館


 初の2場所連続優勝を目指す横綱鶴竜(32=井筒)は新三役の小結遠藤(27=追手風)を下し、白星発進した。2場所連続休場から復活を目指す横綱白鵬(33=宮城野)は前頭筆頭玉鷲(33=片男波)を押し出した。

 大関豪栄道(32=境川)は前頭筆頭魁聖(31=友綱)を寄り切った。

 大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は前頭二枚目松鳳山(34=二所ノ関)を寄り切った。関脇逸ノ城(25=湊)は前頭二枚目阿炎(24=錣山)を押し出した。

 十両以上の休場は、7場所連続となった横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)と大関高安(28=田子ノ浦)の2人。

関連するニュースを読む

遠藤「気が引き締まります」初土俵祭りに神妙

土俵祭りに臨む遠藤は開始より早めに到着し席に座る(撮影・小沢裕)


 大相撲夏場所(東京・両国国技館)は今日13日、初日を迎える。

 新三役の小結遠藤が12日、三役以上の力士だけが出席する土俵祭りに初めて参加した。休場の稀勢の里、高安を除く7人の末席に加わり、神妙な面持ちで、土俵を清める神事を見守った。「気が引き締まります。いいもんですね」。初日は鶴竜を相手にいきなり結びの一番で相撲をとる。「頑張ります」と短い言葉に力を込めた。

関連するニュースを読む

鶴竜、右手薬指は「ケアしながらやっていくしか」

優勝額贈呈式に臨む鶴竜(左)と栃ノ心(撮影・小沢裕)


 大相撲夏場所(東京・両国国技館)は今日13日、初日を迎える。

 初の2場所連続優勝のかかる鶴竜が12日、優勝額贈呈式に出席した。「あらためて実感がわきます。身が引き締まる思い。毎回ここ(贈呈式)に立つようにという気持ちになる」。過去3度の優勝翌場所はいずれも10勝に届かなかった。昨年九州場所で痛めた右手薬指には「ケアしながらやっていくしかない」と不安が残るが「状態的にはよく来ている。場所で流れをつかみたい」と話した。

関連するニュースを読む

栃ノ心「勝つ気持ちだけ」夢の優勝額の下で大関獲り

優勝額贈呈式に臨む鶴竜(左)と栃ノ心(撮影・小沢裕)


 大相撲夏場所(東京・両国国技館)は今日13日、初日を迎える。大関とりのかかる関脇栃ノ心(30=春日野)は12日、同所で土俵祭り、初優勝を飾った初場所の優勝額贈呈式に出席した。優勝額は国技館の天井四方に飾られる。13年初場所以降の優勝力士による32枚の中の1枚だけに「夢でした」と大感激。もう1人の自分の前で大関とりの条件になりそうな10勝以上、そして2度目の優勝を狙う。

 192センチの大男が自分の写真を見上げた。「思ってたより、でかいね」と言い、栃ノ心が笑う。縦3メートル超、横2メートル超。初の賜杯を抱いた初場所の優勝額は国技館内、天井の東側に飾られる。13年初場所から春場所まで32場所の優勝力士だけの名誉で、白鵬、引退した日馬富士、鶴竜、稀勢の里、豪栄道、琴奨菊、照ノ富士、そして自分だけだ。「夢でした。みんな、夢なんじゃないかな」と感激を隠せなかった。

 大関昇進の目安は「直近3場所を三役で計33勝以上」とされる。栃ノ心は初場所14勝、春場所10勝。数字上の条件は9勝以上で満たせるが、初場所が西前頭3枚目の平幕だった点を思えば、何としても10勝以上は欲しい。春場所13日目の正代戦で痛めた右肩の影響で完璧な仕上がりではないが「大丈夫です。下半身はいい感じだし」と言い、戦闘態勢は整った。

 初日は東前頭2枚目松鳳山戦。初場所14日目に優勝を決めた相手だ。「やってみないとわからないけど、勝つ気持ちしかないです。写真を見ると気合が入る。1月場所を思い出して、思い切りぶつかりたい」。ハリウッド俳優ニコラス・ケイジ似の男は、額の写りも「いいんじゃない?」とご満悦。もう1人の自分に見守られ、勝負の土俵に上がる。【加藤裕一】

関連するニュースを読む

休場稀勢の里に「次は大事」“柏鵬”のように復活を

8日の二所ノ関一門の連合稽古で険しい表情を見せる横綱稀勢の里


 大相撲の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が、夏場所(13日初日、東京・両国国技館)の休場を決めた。11日、両国国技館で行われた取組編成会議に、左大胸筋痛で「約1カ月激しい運動を制限する」との診断書とともに休場を届け出た。年6場所制となった1958年(昭33)以降の横綱では、貴乃花と並ぶ最長タイの7場所連続休場。横綱審議委員会(横審)の北村正任委員長が「覚悟を持って」と再起を促すなど、唯一の日本出身横綱に逆風が吹き始めた。

 7場所連続休場のワースト記録に並び、稀勢の里の周辺が騒がしくなってきた。横審の北村委員長は「体調不十分であればやむをえない。覚悟を持って次場所に備えてほしい」と、従来よりも強いトーンで再起を促すコメントを発表。先場所までは“次の次”の出場場所まで進退を問わず、治療を優先してほしい趣旨の話をしていた。それがこの日は一転して「次」と前倒しして「覚悟を持って」と厳しい論調に変化した。

 3日の横審稽古総見で、稀勢の里は三役以上の申し合いで3勝5敗と振るわなかった。稽古後、岡本委員は「弱いな」と一刀両断。山内委員は「不安を感じる」と話し、宮田委員も「(他の横綱と)互角にやってもらいたい」と、現状では白鵬や鶴竜よりも1段階、力が劣るとの認識を示していた。その後の稽古で上積みもなく、この日の北村委員長のコメントと合わせ、夏場所後の横審定例会では進退の話題となる可能性もある。

 これまでは取組編成会議前日に、出場の可否を明言していた。それが同会議当日早朝に、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)に促される形で休場を受け入れた。師匠は涙を流しながら「責任感の強い男ですから場所に出るつもりでやってきましたが、思うような相撲が取れなかった。本人も休場せざるを得ないと分かっていた。最後は『はい休場します』と言っていた」と明かした。

 暗い話題が続くが、復活の可能性がないわけではない。大鵬は5場所連続休場後に6度、柏戸は6場所連続休場後に3度優勝している。いずれも名横綱。稀勢の里が後世に名を残す先人のようによみがえるのか、失速したままなのか。「次は大事な場所になる」。この日語った田子ノ浦親方の言葉が、日に日に重みを増していく。【高田文太】

<横審委員のコメント>

 ◆矢野弘典 しっかりと治した方がいい。中途半端に出るのは良くない。何場所連続(休場)とか数字にはこだわらなくていい。次に出場した場所は責任が重い。鶴竜も何場所も続けて休み、優勝して立ち直った。稀勢の里にもそれを期待したい。

 ◆都倉俊一 久しぶりの日本人横綱の期待が大きいだけに7場所(連続)休場は残念。体を治さなければ横綱らしい土俵を務められないだろうし、世間の見る目はもっと厳しくなるだろう。治すためであれば数場所の休場もやむを得ないと思う。

5場所以上連続休場した横綱

関連するニュースを読む