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井岡4階級制覇ならず、京口2階級制覇/世界戦詳細

ボクシング前IBFミニマム級王者で世界ライトフライ級1位の京口紘人(25=ワタナベ)は同級スーパー王者ヘッキー・ブドラー(30=南アフリカ)にTKO勝ちで2階級制覇を達成。

IBF世界フライ級15位の坂本真宏(27=六島)は同級王者モルティ・ムザラネ(36=南アフリカ)にTKO負けで初の世界戦を飾れなかった。

WBO世界スーパーフライ級3位井岡一翔(29)は元3階級制覇王者の同級1位ドニー・ニエテス(36=フィリピン)に判定で敗れ日本ボクシング界初の4階級制覇を逃した。

WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦

京口紘人(25=ワタナベ)TKOヘッキー・ブドラー(30=南アフリカ)

京口は左のボディーやアッパーなど角度をつけた打撃が光った。序盤は相手の手数に押される場面もあったが、左ジャブを丹念に突きつつ、機を見た強打を打ち込んだ。中盤からは再三の強烈な左ボディーでダメージを与えることに成功し、ブドラー陣営が試合続行を断念した。ブドラーはフットワークが鈍り、終盤は防戦一方となった。

京口「まいどおおきに! ありがとう。迫力にちょっと欠けたけど、こつこつジャブついて弱らせる作戦でした。セコンドの指示も的確で。チャンピオンで年越して、本当にうれしい。来年は公言した通り、力つけて、いずれはビッグマッチ、統一戦を考えたい」

ブドラー「京口はフィジカルが非常に強かった。パンチをもらって息が上がってしまった。たくさんもらってしまったため、チームで決めて試合を止めた」

3回、京口はブドラーにボディを放つ(撮影・加藤哉)

10回を終えブドラーが棄権を申し出て勝利した京口(撮影・加藤哉)

10回を終えたところでブドラー(右)にTKOで勝利し、抱きかかえられて笑顔を見せる京口(撮影・加藤哉)

IBF世界フライ級タイトルマッチ12回戦

坂本真宏(27=六島)TKOモルティ・ムザラネ(36=南アフリカ)

坂本は手数で圧倒された。序盤はガードを固めて様子をうかがい、中盤以降は打ち合いの展開。ボディー攻撃から活路を見いだそうとするが、相手のガードの上をたたくばかりで有効打は少なく、ダメージを与えることはできなかった。ムザラネは終始、冷静だった。左ジャブでリズムをつくり、右フックなどを的確に当ててポイントを稼いだ。

坂本「まず応援してくれたたくさんの方に申し訳ない。悔しさでいっぱい。チャンピオンは左のジャブが思ったより強かった。ブロックの上からでも目が腫れてしまった」

ムザラネ「坂本はパンチ力があったから、ガードを上げることに気をつけた。勝てたのは、懸命に練習したたまものだ」

1回、坂本はムザラネに右フックを放つ(撮影・加藤哉)

8回、坂本はムザラネ(右)から顔面にパンチを受ける(撮影・加藤哉)

10回を終えたところでドクターストップによりムザラネに敗れリングを降りる坂本(撮影・加藤哉)

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦

井岡一翔(29)判定(1ー2)ドニー・ニエテス(36=フィリピン)

前に出た井岡は有効な打撃を欠いて競り負けた。接近して左右のボディーを交えて攻め、ニエテスはフック、アッパーなどカウンターで応戦。だが、ともにガードが堅く、決定打が出ないまま。終盤は井岡の圧力が弱まり、ポイントを奪えなかった。ニエテスは井岡の打ち終わりを的確に捉えた。後半は失速気味も堅守を生かしてペースを保った。

井岡「応援してくれた方の期待に応えられなくて悔しい。きょうは僕の日ではなかった。倒し切れなかった僕が悪い。ここで闘っていくためには、踏ん張らないといけない」

ニエテス「途中で(井岡が)動くスタイルに変えていなければ、KOできていたよ。自分もレガシーを作れて、とてもうれしいよ」

1回、ニエテスに左ジャブを放つ井岡(撮影・加藤哉)

9回、ニエテス(右)に左ボディを放つ井岡(撮影・加藤哉)

2人目の判定で1対1となり、井岡(右)はガッツポーズを見せたが…(撮影・加藤哉)

判定でニエテス(左)に敗れ悔しそうな表情を見せる井岡(撮影・加藤哉)

拳四朗V5、拓真は判定勝ち、伊藤V1/世界戦詳細

WBC世界ライトフライ級王者拳四朗(26=BMB)は同級7位サウル・フアレス(28=メキシコ)を判定で下し5度目の防衛。

WBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)の弟でWBC世界バンタム級5位井上拓真(23=大橋)は判定勝ちで亀田3兄弟以来となる国内2例目の兄弟王者となった。

国内で初の世界戦メインを務めるWBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪(27=伴流)は同級1位エフゲニー・チュプラコフ(28=ロシア)を7回TKOで下し2度目の防衛に成功した。

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦


王者拳四朗(26=BMB)判定(3ー0)サウル・フアレス(28=メキシコ)

終始試合を支配した拳四朗が危なげなく判定勝ちした。序盤から距離を保って闘い、2回にはパンチが顔面を捉える頻度が増えた。中盤からは上下に打ち分けてダメージを与えた。フアレスをコーナーに追い詰める場面もあったが、ダウンを奪うには至らなかった。フアレスは前に出る迫力に乏しく、有効打も少なかった。

「すごくフアレス選手が頭を動かして。相手に合わせすぎたこところあって反省点。素直に喜べないけれど。来年につなげられたらと思います。(この1年で)やっぱ距離的は成長したかなと。また距離が分からなくなって相手に付き合いすぎた。また反省して、強くなるので」

4回、フアレスにパンチを見舞う拳四朗(撮影・たえ見朱実)

8回、サウル・フアレス(左)に右パンチを放つ拳四朗(撮影・小沢裕)

フアレスに判定勝ちしダブルピースする拳四朗(撮影・鈴木みどり)

WBC世界バンタム級暫定王座決定戦12回戦


井上拓真(23=大橋)判定(3ー0)タサーナ・サラパット(25=タイ)

井上拓は賢く闘い、逃げ切った。1、2回は攻勢を仕掛けてポイントを取った。3回からはフットワークを使って後退しながら有効打を稼いだ。タサーナの出はなや打ち終わりに、左フックや右を的確に合わせた。4回には右のカウンターでぐらつかせた。タサーナは前進を繰り返したが、最後まで間合いをつかめず、打撃の威力、的中率とも欠いた。

「最高です。みなさんの声援のおかげで最後まで踏ん張ることができました。1回でインパクトある試合を狙いすぎてズルズルいってしまった。こんな内容じゃナオ(兄尚弥)に並んだとは言えない。これから並べるように精進していきたいです。まだまだ暫定。正規のチャンピオンじゃないので喜んでいられない」

2回、サラパットにパンチを見舞う井上拓(撮影・たえ見朱実)

6回、サラパット(右)に左パンチを放つ井上拓。左はセコンドで見守る兄尚弥(撮影・小沢裕)

サラパットに勝利した井上拓(右)は兄尚弥と記念撮影(撮影・鈴木みどり)

WBO世界スーパーフェザータイトルマッチ12回戦


王者伊藤雅雪(27=伴流)TKOエフゲニー・チュプラコフ(28=ロシア)

伊藤が冷静な試合運びを披露した。立ち上がりは頭を下げて密着する相手にてこずったが、中盤以降は的確なジャブとフットワークを生かしたワンツーから主導権を握る。5回からは出足の鈍った相手をロープ際に追い詰めて有効打を当て、7回の連打で一気に畳み掛けて仕留めた。チュプラコフは粘り強く食い下がったが、手数が少なかった。

「僕には一撃必殺のパンチもないですし、井上尚弥君みたいなスペシャルな選手にもまだまだなれないですけど、ハートがある。そういう気持ちをどんどん見せていって、僕にしかなれないチャンピオンになっていきたい。来年はもっと大きな試合をして、強い相手とどんどん戦っていきたい」

1回、チュプラコフにパンチを見舞う伊藤(撮影・たえ見朱実)

7回、チュプラコフ(右)をコーナーに追い詰めTKO勝ちを収めた伊藤(撮影・小沢裕)

エフゲニー・チュプラコフに勝利し、初防衛を果たした伊藤(撮影・たえ見朱実)

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亀田和毅が判定勝ちで3兄弟2階級制覇/世界戦詳細

<プロボクシング:WBA世界バンタム級暫定王座決定戦12回戦>◇12日◇東京・後楽園ホール

ボクシングのWBC世界スーパーバンタム級2位亀田和毅(27=協栄)が東京・後楽園ホールで、同級1位アビゲイル・メディナ(30=スペイン)と同級暫定王座決定戦に臨み、3-0の判定で勝利。2階級制覇を達成した。

◆WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦

同級2位亀田和毅(27=協栄)判定3-0同級1位メディナ(30=スペイン)

亀田和対メディナ 3-0の判定勝ちを収め関係者と記念撮影に臨む亀田和(撮影・小沢裕)

【12回】 互いに開始から打ち合う。亀田はスピードを使う。メディナはプレッシャーをかけて前に出てパンチを出す。試合終了すると同時に亀田は両手をあげて勝利をアピールした。採点は3-0で亀田。亀田が2階級制覇達成。

亀田和対メディナ 11回、メディナ(左)に右パンチを放つ亀田和(撮影・小沢裕)

【11回】 亀田は開始から左ジャブ、連打を繰り出す。メディナはプレッシャーをかけながら上下にパンチを出した。メディナの手数は減らない。足を使う亀田を追いかけてパンチを繰り出した。終了間際、亀田を体を入れ替えてパンチを決めた。

【10回】 メディナはプレッシャーをかけて亀田をコーナーに追い込んだが、亀田はスピードで対抗。体を入れ替えて連打で対抗した。1分すぎメディナは右ストレート、ボディー攻撃を決める。亀田はクリンチで対抗。亀田の顔面も腫れ始める。

【9回】 メディナはプレッシャーをかけ自分の距離にしていく。亀田は足を使いながら自分の距離をつくろうとした。亀田は軽い連打を顔面に。メディナは終盤右ストレートを決める。

【8回】 メディナは荒々しいスタイルで前にでてプレッシャーをかける。。亀田はスピードを使ってヒットアンドアウェー。メディナは連打を放つ。亀田も負けじと連打で対抗した。8回までの採点は78-74で亀田優勢。

【7回】 メディナが反撃を開始。右ストレート決める。続けて右ボディーも入った。大振りで荒々しいスタイル。右アッパーも繰り出す。亀田はスピードを使いながら左ボディー、ジャブを繰り出した。メディナが右まゆを出血。

【6回】 メディナはボディー攻撃で活路を見いだそうとするが、亀田にかわされる。1分すぎからは強引に大振りのパンチを繰り出すが、有効打は決まらない。亀田は足を使いながらメディナの攻撃をかわす。メディアは残り30秒で右ボディーを決めた。

【5回】 亀田はメディナの右ストレートをかわす。1分すぎには左フックを決める。メディナは亀田を警戒するせいか、手数が少ない。亀田は終盤にも左ボディーを決めた。

亀田和対アビゲイル・メディナ 4回、メディナ(左)に左パンチを放つ亀田和(撮影・小沢裕)

【4回】 亀田は50秒すぎに左ジャブ、ボディーから右ストレートを決める。1分すぎにも強烈な左ボディーをたたき込む。メディナもパンチを出すが、亀田にガードされた。4回までの公開採点は40-36で亀田優勢。

亀田和対アビゲイル・メディナ 3回、メディナ(右)に左パンチを放つ亀田和(撮影・小沢裕)

【3回】 メディナが前に出てパンチを出し始める。左ジャブ単発で有効打はない。亀田は変わらず積極的で、左ジャブ、飛び込んでの左ボディーを決める。

WBC世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦 回、亀田和はメディナにパンチを打ち込む(撮影・山崎安昭)

【2回】 亀田は1回に続き積極的に前に出てパンチも出す。左ジャブを何度も顔面に放つ。ガードの上だが強烈な右ストレートも。メディナは手数が少ない。

1回、メディナ(右)に左パンチを放つ亀田和(撮影・小沢裕)

【1回】 亀田はゴング直後からメディナにプレッシャーをかけるように前に出る。積極的にパンチも出す。左ジャブ、左ボディーを決める。メディナは慎重に相手を見る。

計量にパスし、絞り上げたボディを見せつける亀田(右)。左はメディナ(2018年11月11日撮影)

計量にパスし、絞り上げたボディを見せつける亀田和毅。右は亀田興毅(2018年11月11日撮影)

リングサイドで観戦する亀田史郎氏(撮影・山崎安昭)

あいさつでリングに上がるTFC亀田興毅プロデューサー(撮影・山崎安昭)

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村田、判定で敗れ防衛失敗/WBAミドル級世界戦詳細

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇20日◇ラスベガス・パークシアター

WBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が同級3位ロブ・ブラント(27=米国)に0-3の判定(110―118、109―119、109―119)で敗れ、2度目の防衛に失敗した。

◆WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦

王者・村田諒太×判定挑戦者・ブラント

WBA世界ミドル級タイトルマッチで判定で挑戦者ブラントに敗れ、ぼう然とする村田(撮影・菅敏)

WBA世界ミドル級タイトルマッチで判定で挑戦者ブラントに敗れ、うつむきながらコーナーに戻る村田(撮影・菅敏)

WBA世界ミドル級タイトルマッチ 12回を戦い終え、ガッツポーズをする挑戦者ブラントを前にぼう然と立ちつくす村田(撮影・菅敏)

WBA世界ミドル級タイトルマッチ 12回を戦い終え、コーナーに戻り、厳しい表情を見せる村田(撮影・菅敏)

WBA世界ミドル級タイトルマッチ 12回、顔面に挑戦者ブラントのストレートを受ける村田(撮影・菅敏)

◆12回 ブラントの攻勢続く。村田も前へ出るが右はヒットせず。ブラントの右がヒット。また右がヒット。村田の右が連続ヒット。残り1分から激しい打ち合い。村田がワンツー。ブラントの連打がヒット。ブラントの右がヒット。勝負は判定に

◆11回 序盤からブラントが攻勢。単発の村田に手数のブラント。ブラントの左がヒット。ブラントが連打。ブラントの右がヒット。ブラントが優勢

◆10回 村田の手数が増え、右を狙う。ブラントの左がヒット。終盤にブラントが攻勢。村田の右はブラントにブロックされ有効打にはならない

◆9回 ブラントの手数は衰えず。村田の右はブラントがブロック。ブラントの左に村田のアゴが上がり、ブラントが攻勢。足をとめての打ち合いで村田の右がヒット。終盤に村田がブラントを押さえつけて右を狙うもヒットせず

◆8回 場内に大きな村田コール。手数のブラントに対し、村田の右フックがヒット。ブラントの連打にUSAコールも起こる。ブラントの右ロングフックがヒット。ブラントが盛り返す

◆7回 ブラントの連打が決まる。ブラントをコーナーに押し込み村田が右ストレート。村田の右アッパー、右フックがヒット。打ち合いは村田がやや優勢か

◆6回 ブラントがジャブを繰り出すが、村田は前へ前へ進み、右を狙う。両者互角の打ち合いが続く。村田の右ストレートに対し、ブラントが連打で応戦。村田の右がヒット。

◆5回 ブラントの左右のフックは村田が腕でブロック。村田が連続してワンツーをヒット。村田が右で一気に攻め込む。左ボディーもヒット。ブラントが連打で応戦。激しい打ち合いも村田が優勢

◆4回 村田の左ジャブがヒットし始める。村田の右ストレートに対し、ブラントが左フックで応戦。村田が連打で左ボディーを決める。ブラントのフットワークがにぶり、足を止めて打ち合うシーンも。村田が優勢

◆3回 ブラントのジャブで村田が鼻血。村田の左ボディーがヒット。右ショートフックもヒット。終盤に村田の右がヒット。ブラントの手数が減り、村田が盛り返す

◆2回 ブラントが左ジャブから右ストレートで攻める。村田コールが場内に沸き起こる。ブラントが連打。村田も打ち返すが単発。村田の右ストレートは届かず。ブラントの手数は減らず

◆1回 ブラントが左ジャブで仕掛ける。村田も左で応戦。ブラントが左からのワンツーで攻め込む。ブラントの右アッパーがヒット。右ボディーも決まる。村田の顔は早くもパンチを受けて赤くなっている。手数でブラント

◆試合前 初世界戦の挑戦者・ブラントに緊張感はなし。王者・村田は笑顔で声援に応えながらリングへ向かう

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清水KO7連勝「先は見えてくる」世界初挑戦へ前進

清水聡対河村真吾 3回、左ストレートを河村(右)にヒットさせる清水(撮影・酒井清司)

<ボクシング:東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦>◇17日◇東京・後楽園ホール

 東洋太平洋フェザー級王者清水聡(32=大橋)が、V3で世界初挑戦へ前進した。

 セミで同級10位河村真吾(28=堺東ミツキ)と対戦。正確なパンチで2回にペースを握ると、4回にカウンターの左でダウンを奪取。再開後に連打を浴びせ、レフェリーストップのTKO勝ちを収めた。デビューからKOでの7連勝とし、「プロのリングにも慣れてきた。地道にやれば先は見えてくる」と世界挑戦を見据えた。

防衛戦を快勝した清水(撮影・酒井清司)

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苦労人ドヘニー「今日の犠牲は明日の幸せ」無敗王座

新王者となったドヘニーはスタッフに抱かれながら喜ぶ。左は防衛に失敗した岩佐(撮影・滝沢徹郎)

<プロボクシング:IBF世界スーパーバンタム級タイトル12回戦>◇16日◇東京・後楽園ホール

 IBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮佑(28=セレス)が、V2失敗で王座から陥落した。初回に同級1位TJ・ドヘニー(31=アイルランド)の右ほおをカットさせたが、その後は左カウンターをもらい、手数でも劣った。11回のチャンスも攻めきれず、0-3で判定負けした。

 苦労人が無敗で王座をつかんだ。アイルランド出身のドヘニーは、同国のファン約100人の声援を背に奮闘。予想された接近戦ではなくアウトボクシングを展開し、「インテリジェンスなゲームをした」と誇った。中盤以降ジャブを軸にペースを握った。9回には婚約者レベッカさんと長男テオ君の姿が目に入り、「残りの3回を気を抜くことなくできた」と感謝した。プロ6年目。「最初はチケットは手売り。今日の犠牲は明日の幸せになると信じてきた」と笑った。

IBF世界スーパーバンタム級新王者となり婚約者とキスするドヘニー(撮影・江口和貴)

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岩佐亮佑、またしてもサウスポーに負けて王座陥落

ドヘニー(中央)に判定負けを喫し、ぼうぜんとする岩佐(撮影・江口和貴)

<プロボクシング:IBF世界スーパーバンタム級タイトル12回戦>◇16日◇東京・後楽園ホール

 IBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮佑(28=セレス)が、V2失敗で王座から陥落した。初回に同級1位TJ・ドヘニー(31=アイルランド)の右ほおをカットさせたが、その後は左カウンターをもらい、手数でも劣った。11回のチャンスも攻めきれず、0-3で判定負けした。鬼門といわれたサウスポー相手に初の指名試合をクリアできなかった。これで日本人の男子世界王者は5人となった。

 岩佐がポイントで劣勢とみて、小林会長は8回から「倒さないと勝てない」とゲキ。チャンスが11回に来た。左ストレートから連打。相手はぐらついたが、クリンチに両者がもつれてスリップダウン。結局は「ごまかされて」ダウンも奪えず。最終ゴング後に相手は肩車されたが、岩佐は「負けたと思った」とイスに座り込んだ。

 滑り出しはよかった。初回にパンチで右ほおから流血させた。それが2回以降は守勢で手数も出なくなった。プレスをかけてくる予想が外れ、距離をとられ、左カウンターを浴びた。右ジャブから攻める作戦も駆け引きで、引き込まれた。

 「ガンガンくると思った。距離が遠く、ジャブが当たらず、単調になった。予想以上にうまかった」。岩佐は脱帽するしかなかった。サウスポーにはプロで4勝2敗も、黒星は世界王者になった山中と世界初挑戦で喫したもの。習志野高では高校3冠も残る3大会は同じサウスポーに決勝で負けた。大一番では左に負け、またしてもだった。

 6月にジムが同じ柏市内で移転した。窓のない半地下1階から、3面窓の2階で広さも明るさも増し、クーラーも入った。「最高の環境で最高の練習ができた」と感謝していたが、新たな門出を飾れなかった。

 小林会長も世界再挑戦で王座につき、V2戦で全勝相手に負け陥落した。03年にジムを開くと、入門してきたのが中2の岩佐だった。あれから15年の雪辱を期したが、愛弟子も壁を越えられなかった。

 小林会長は「中盤から倒しにいく覚悟がほしかった。打ち込む勇気がなかった。ずっと課題だった」と話した。岩佐は「大きな壁だった。ショックもこれが現実で実力不足。今はまた頑張ろうとは…。考えたい」。引退も考えざるを得ない内容だった。【河合香】

 ◆岩佐亮佑(いわさ・りょうすけ)1989年(平元)12月26日、千葉・柏生まれ。地元でセレスジム開設に中2で入門。習志野高3年で3冠。アマ戦績60勝(42KO)6敗。08年プロデビュー。11年に日本バンタム級王者山中に挑戦も失敗。2戦後に日本同級王座、13年に東洋太平洋同級王座獲得。15年に英国でIBF世界同級暫定王座決定戦での世界初挑戦は失敗。昨年9月にIBF世界スーパーバンタム級王者小国を破り王座獲得。171・5センチの左ボクサーファイター。家族は両親と姉。

防衛に失敗し悔しそうな表情で会見する岩佐(左)と下を向くセレス小林会長(撮影・滝沢徹郎)

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岩佐亮佑がドヘニーに判定負け/世界戦詳細

<プロボクシング:IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦>◇16日◇東京・後楽園ホール

 IBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮佑(28=セレス)が、2度目の防衛を懸けて同級1位で無敗のTJ・ドヘニー(31=アイルランド)と対戦。0-3で判定負けした。

IBF世界スーパーバンダム級タイトルマッチ調印式を終え、ポーズを決める王者岩佐(右)と挑戦者ドヘニー(撮影・足立雅史)

◆IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦

王者岩佐亮佑(28=セレス)判定同級1位ドヘニー(31=アイルランド)

1回、ドヘニー(左)にパンチを放つ岩佐(撮影・江口和貴)

【1回】50秒すきにドヘニーのワンツーがタイミング良く決まる。岩佐も右ジャブでリズムをとる。終了直前には右フックでふらつかせた。

【2回】1分すぎにドヘニーが左ストレートを決める。互いに打ち合いの展開。2分30秒過ぎに、岩佐は離れ際に左フック。互角の展開が続いた。

【3回】ドヘニーは細かいパンチで上下に打ち分ける。岩佐は2分すぎに右ボディーを決める。終了間際も左ボディーをたたきこんだ。

4回、ドヘニー(左)にパンチを放つ岩佐(撮影・江口和貴)

【4回】序盤からジャブの先手争い。2分すぎに、ドヘニーの左ストレートが岩佐の顔面をとらえる。終了間際にワンツーも入ったが、岩佐にダメージは少ない様子で、果敢に攻め続けた。

【5回】互いにけん制しあう展開が続く。その中でドヘニーが先手を握ってパンチを当てる。岩佐は2分すぎに強烈な左ボディーで対抗した。

【6回】1分すぎドヘニーは連打で攻め立てる。岩佐はクリンチで逃げる。その後もドヘニーのボディー攻撃が続く。終盤岩佐も反撃の連打を決める。互いに譲らない展開が続いた。

【7回】1分すぎにドヘニーの左ストレートが決まる。1分30秒すぎには左フックも。岩佐はガードを固めてカウンターを狙ったが、終了間際も連打をもらった。

8回、ドヘニー(左)のパンチを食らう岩佐(撮影・江口和貴)

【8回】序盤、岩佐はボディー攻撃に活路を見いだす。2分すぎ、岩佐は連打で相手をロープ際に追い込んだ。ドヘニーも果敢に打ち合った。

【9回】互いに前に出るも決め手にかける展開。2分すぎにドヘニーの左ストレートがヒット。残り30秒、相打ちも岩佐の左も決まる。

【10回】序盤、岩佐はボディー攻撃を続けた。互いに頭をつけて打ち合うが決め手に欠く。終了間際、岩佐は左ボディー、右フックを決めた。

11回、ドヘニー(左)のパンチを食らう岩佐(撮影・江口和貴)

【11回】岩佐は1分すぎ、右フックから連打で攻め立てた。ドヘニーは疲労を隠せず、動きは鈍い。残り30秒、岩佐は左ストレートを顔面にたたき込んだ。

【12回】互いに前に出てパンチを繰り出すが、互いに有効打を奪えない。最後まで同じ展開が続き、終了のゴングが鳴った。

12回を終え勝利を確信しガッツポーズのドヘニー。後方は厳しい表情の岩佐(撮影・江口和貴)

ドヘニーに判定負けを喫し、ぼうぜんとする岩佐(撮影・江口和貴)

岩佐を破りIBF世界スーパーバンタム級新王者となったドヘニー(撮影・江口和貴)

岩佐を破りIBF世界スーパーバンタム級新王者となり夫人とキスするドヘニー(撮影・江口和貴)

岩佐亮佑対TJ・ドヘニー 防衛に失敗し悔しそうな表情で会見する岩佐(左)と下を向くセレス小林会長(撮影・滝沢徹郎)

【判定】112-116、112-117、113-115。岩佐は0-3の判定負けで2度目の防衛に失敗

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王座陥落の岩佐亮佑が脱帽「予想以上にうまかった」

ドヘニーに判定負けを喫し、ぼうぜんとする岩佐(撮影・江口和貴)

<プロボクシングIBF世界スーパーバンタム級タイトル12回戦>◇16日◇東京・後楽園ホール◇観衆1505人

 IBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮佑(28=セレス)が、V2失敗で王座から陥落した。

 初回に同級1位TJ・ドヘニー(31=アイルランド)の右ほおをカットさせたが、その後は左カウンターをもらい、手数でも劣った。11回のチャンスも攻めきれず、2、4、5ポイント差の0-3で判定負けした。鬼門と言われたサウスポー相手に初の指名試合をクリアできなかった。これで日本人の男子世界王者は5人となった。

 滑り出しはよかった。初回にパンチで右ほおから流血させた。それが2回以降は守勢で手数も出なくなった。プレスをかけてくる予想が外れ、距離をとられ、左カウンターを浴びた。右ジャブから攻める作戦も駆け引きで引き込まれた。

 「ガンガンくると思った。距離が遠く、ジャブが当たらず、単調になった。予想以上にうまかった」。岩佐は脱帽するしかなかった。小林会長は8回から「倒さないと勝てない」とゲキ。11回に左ストレートから連打でチャンスをつかんだ。相手はぐらついたが、クリンチに両者がもつれてスリップダウン。結局は「ごまかされて」ダウンも奪えなかった。

 小林会長も世界再挑戦で王座につき、V2戦で全勝相手に負けて陥落した。愛弟子も同じ道をたどり、V2の壁を越えられなかった。岩佐は「大きな壁だった。ショックもこれが現実で実力不足。今はまた頑張ろうとは…。考えたい」と話した。

1回、ドヘニー(左)にパンチを放つ岩佐(撮影・江口和貴)
4回、ドヘニー(左)にパンチを放つ岩佐(撮影・江口和貴)

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亀田家三男の和毅、新王者に挑戦表明も「邪魔だ」

岩佐-ドヘニー戦を観戦する亀田兄弟。左は興毅氏。右は和毅(撮影・滝沢徹郎)

<プロボクシング:IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦>◇16日◇東京・後楽園ホール

 IBF世界スーパーバンタム級3位亀田和毅(27=協栄)が挑戦表明した。

 同級王者岩佐亮佑(28=セレス)に3-0の判定勝ちして喜ぶ同級1位TJ・ドヘニー(31=アイルランド)めがけて、試合後のリングに直行。「俺が次に挑戦する」と名乗りを上げたが、プロ6年目で初の世界王座戴冠の歓喜に浸る新王者ドヘニーに「いまは自分の瞬間だ。邪魔だ、出ていけ!」と一蹴された。手で突き飛ばされ、その後は関係者の制止を受けて退散した。

 弟の行動を見ていた亀田興は、「これから交渉じゃないですか。面白い試合になる。和毅も自信ある。早いところ(世界戦を)組んであげたい。いろんな選択肢はあります」と説明した。

 試合後の控室で経緯を説明したドヘニーは、「殴られなくて幸運だったな」と皮肉に笑い、今後の対戦の可能性について聞かれると「誰でも戦います」と述べた。

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王座奪回の小原佳太「どこでも行く」世界再挑戦期す

王座を奪回した小原佳太

<プロボクシング:WBOアジア太平洋ウエルター級タイトル12回戦>◇9日◇東京・後楽園ホール

 ボクシングWBOアジア太平洋ウエルター級6位小原佳太(31=三迫)が、3回TKOで王座を奪回した。

 9日に東京・後楽園ホールで、4月に2回KO負けした同級王者ラガンベイ(フィリピン)と直接再戦。初回にダウンを奪い、3回に右ストレートを打ち込んで仕留めた。前回は2回に左相打ちのダブルノックダウンの末に負けた。「取り返せてよかった。WBOの世界ランクがほしかった。世界中どこでも行く」と、16年以来の世界再挑戦を期した。日本フェザー級王者源大輝(ワタナベ)は、逆転の9回TKOで初防衛した。

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小原佳太、3回TKO王座復帰「世界へもう1回」

王座奪回でインタビューを受ける小原佳太

<プロボクシング:WBOアジア太平洋・ウエルター級タイトル12回戦>◇9日◇東京・後楽園ホール

 同級6位小原佳太(31=三迫)が3回TKOで王座を奪回した。

 4月に逆転KO負けした同級王者アルビン・ランガベイ(23=フィリピン)との直接再戦。初回にダウンを奪い、3回に右ストレートを打ち込んで、3回1分8秒TKO仕留めた。IBF7位に加え、再びWBOの世界ランク入りで、16年以来の世界再挑戦へ再出発の王座返り咲きとなった。

 前回は初回にダウンを奪うも、2回に左相打ちのダブルノックダウンの末に負けた。今回も3回に左リードで先にダウンを奪ったが、2回には左の相打ち。三迫会長は「またかとヒヤッとした」。しかし、3回に右を打ち込んで、相手が横倒しになる途中でレフェリーがストップした。

 前回は右と思っていたが左できた。今回は右と幻惑してきたが、小原は「面白いヤツだなと思った」という。前回の反省から「左フックは完全に封印した。ベルトを取り返せてよかったが、正直WBOの世界ランクがほしかった。世界へもう1回スタートを切れた。世界中どこでも行く」。

 16年にはロシアで世界挑戦も2回TKO負けも、再び世界へ再出発の勝利となった。

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伊藤雅雪、米国で王座「信じられないことが起きた」

伊藤雅雪(2018年6月18日撮影)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦12回戦>◇28日(日本時間29日)◇米フロリダ州キシミー・シビックセンター

 37年ぶりの快挙!! 世界初挑戦の同級2位伊藤雅雪(27=伴流)が3-0の判定で、無敗の若きホープとなる同級1位クリストファー・ディアス(23=プエルトリコ)を撃破した。

 4回にダウンを奪い、終盤までリズム良い連打で攻め続け、王座奪取に成功。日本人の米国での王座奪取は81年三原正以来、37年ぶり5人目で、海外での王座奪取も10人目となった。プロ2戦目直前に交通事故で左手首など3カ所を骨折する重傷を乗り越え、プロ10年目で悲願のベルトを巻いた。

 感極まった表情でベルトを手にした。両目に涙があふれた伊藤は「ポイントは気にしていなくて倒す、倒す、倒すとずっと考えていた。やり切った気持ちが強かった」。現地応援した衣理香(えりか)夫人と抱き合い「信じられないことが起きた。人生が変わった」と快挙を分かち合った。

 米プロモート大手トップランク社いち押しのホープの動きをすぐに見極めた。会場内の観客は23勝(15KO)のディアスの応援。アウェーの雰囲気の中で「1回で自分の力が通用する」と自信を持った。前に出ながら連打を続け、4回には連打の後に「感触があった。一生忘れられないストレートになる」という強烈な右でダウンを奪った。7年間、バスケットボールで養った軽快かつ俊敏な動きから5連打、7連打で相手の体力を削り、至近距離での攻防で勝利をつかんだ。

 「不安もたくさんあって試合前に1人で泣いていた。自分を信じて戦うだけだと」。09年9月、プロ2戦目の1週間前。原付バイクに乗った伊藤は、居眠り運転で信号無視してきた車に追突された。意識を失って緊急搬送。右足首、腰、そしてボクサーの生命線となる左手首を骨折し「骨が飛び出ていた」と振り返る重傷だった。1カ月で退院後も数年は手首に痛み止めの注射を打った。所属ジムの先代の団元気会長から「名前の之を雪に変えたら」と勧められて「雅雪」にリングネームを変更すると自然と痛みが消えた。「右手だけのお前でも王者になれる」と激励をくれた先代会長にも恩返しした。

 15年から知人を通じて米ロサンゼルスで拠点をつくった。元2階級制覇王者畑山隆則らを指導したルディ・エルナンデス氏や岡辺大介氏という現地トレーナーと出会い、年2~3回は家族を東京に残して単身合宿を積んできた。初の海外試合が米国での世界初挑戦だったが、本場での試合観戦でイメージトレーニング。戦前の下馬評は劣勢でも「絶対に世界王者になると信じて戦いました」という気持ちですべてを覆した。

 強豪の多いスーパーフェザー級で頂点に立ち、米国で存在をアピールできた。「まだまだボクは強くなれる。一生、ボクの名前が残るような相手と(試合を)したい。まだ夢の途中。デカイ試合をしたい」。伊藤のアメリカンドリームは始まったばかりだ。

<伊藤雅雪(いとう・まさゆき)>

 ◆生まれ 1991年(平3)1月19日、東京都生まれ。本名は伊藤雅之。

 ◆バスケ一筋 明治小6年時にミニバスケットを開始し都2位。深川中バスケット部で東京都16強。駒大高3年まで続ける。ダンクシュートができる。

 ◆転向 部活動引退後にボクシング開始。駒大進学後の09年に伴流ジムからプロデビュー。

 ◆獲得 12年全日本フェザー級新人王、13年WBCユース・ライト級王座、15年に東洋太平洋スーパーフェザー級王座、16年にWBOアジアパシフィック同級王座を獲得。15年に日本同級王者内藤律樹に判定負けしたのが唯一の黒星。

 ◆CM出演 甘いマスクでオーディションに合格、14年にJRAのテレビCMで竹野内豊と共演。

 ◆家族 学生結婚した衣理香夫人と長女愛音(あのん)ちゃん、次女愛海(あいみ)ちゃんの4人家族。

 ◆タイプ 身長174センチの右ボクサーファイター。

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伊藤雅雪、下町亀戸の無名「伴流ジム」から世界王者

上半身に10キロの重さがあるベストを着用し、1つ2キロの鉄アレイを持ってシャドーボクシングする伊藤

<プロボクシング:WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦12回戦>◇28日(日本時間29日)◇米フロリダ州キシミー・シビックセンター

 37年ぶりの快挙!! 世界初挑戦の同級2位伊藤雅雪(27=伴流)が3-0の判定で、無敗の若きホープとなる同級1位クリストファー・ディアス(23=プエルトリコ)を撃破した。

 伊藤が所属する伴流ジムにとって初の世界王者の誕生だった。97年、下町の東京・亀戸にジムが創立。先代会長の団元気氏独特の練習方法が有名な道場で、背筋を伸ばす機具は「イチロー」と名付けられ、特殊な防具も設置される。伊藤はジム内で上半身に10キロのベストを着用し、1つ2キロの鉄亜鈴を持ちながら14回のシャドーボクシングを消化しスピードを養う。ジム名の「伴流」とは先代会長による「人間とは常に半人前で志半ば。努力が肝心」との意味が込められる。

 09年に亀戸1丁目から、JR亀戸駅に近い6丁目の倉庫を改造した場所に移転。その頃から先代会長の長男となる団太路会長も練習指導に携わり、09年12月に芹江匡晋(今月引退)が日本スーパーバンタム級王座を獲得。第1号王者となった。団会長がジムを仕切るようになってからの目標は世界王者を作ること。

 セコンドとして伊藤の快挙を見届けた同会長は「(相手を)削って、削って自分のペースにできた。判定は分からなかったけれど、自分のボクシングができたと思う」。最近では珍しいアマ経験のない伊藤が、ジムの独特の練習流儀で世界ベルトを手にした。【藤中栄二】

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中谷正義が東洋太平洋V10 会長は世界挑戦ハッパ

東洋太平洋ライト級王座で10度目の防衛に成功した中谷(撮影・加藤裕一)

<プロボクシング:東洋太平洋ライト級タイトルマッチ12回戦>◇29日◇大阪・エディオンアリーナ大阪第2競技場

 王者中谷正義(29=井岡)が10度目の防衛に成功した。日本ユース・ライト級王者富岡樹(21=REBOOT)を11回2分40秒、TKOで退けた。戦績は17戦17勝(11KO)。

 左ジャブを中心に、スピードを生かして激しい出入りを繰り返す挑戦者に序盤はてこずり、4回終了時のスコアは1-2でリードされた。だが、相手が全力で飛ばしてくることは想定内。「焦らんかったです。最悪なら0-3でとられると思っていたから」。5回以降は相手の距離につき合わず、インファイトに切り替えた。6回に左フックから右ショートで最初のダウンを奪取。11回は連打で2度のダウンを奪うと、レフェリーが試合を止めた。

 東洋太平洋のベルトを10度防衛した。いつでも“卒業”できる。ただし、海外マーケットがメインの中重量級で、世界戦実現のハードルは高い。本人も「今日のような内容じゃ大見えは切れません。もっと一から練習します」という。しかし、井岡一法会長は「何とか世界戦をやらせたい。できるなら、来年にもね。全力で努力します」と断言。中谷に「世界にいけるかも、じゃあかん。絶対に行く。そう思わなあかんぞ」とハッパをかけた。陣営一丸で、チャンスを探っていく。

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伊藤雅雪「倒す、倒す、倒す」世界初挑戦で王座奪取

伊藤雅雪

<プロボクシング:WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦12回戦>◇28日(日本時間29日)◇米フロリダ州キシミー・シビックセンター

 世界初挑戦の同級2位伊藤雅雪(27=伴流)が王座奪取に成功した。

 王座を争う同級1位クリストファー・ディアス(23=プエルトリコ)に対し「1回で自分の力が通用すると分かった」と攻め続け、4回に連打からの右ストレートでダウンを奪取した。「自分の中でポイントのことは考えてなくて倒す、倒す、倒すと思ってやっていた」と、その後も激しい打ち合いを展開。最終12回まで連打をたやすことなく、3-0の判定勝ちを収めた。日本勢では約37年ぶりの米国での世界王座奪取に成功。日本ボクシングコミッション認定の世界王者としては90人目となった。

 WBOのベルトを手にした伊藤は「必ずやってきたことを信じて、自分を高めてきた。絶対に世界王者になると信じてやってきました」と達成感いっぱいの表情。次の試合を問われると「もうどんどん、夢の途中なので、与えられたデカい試合にトライしたい」と希望に満ちた笑顔をみせていた。これで伊藤の通算戦績は24勝(12KO)1敗1分となった。

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V2木村中国で人気爆発 次は日本で雑草対エリート

木村翔(18年7月24日撮影)

<プロボクシング:WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇27日◇中国・青島

 WBO世界フライ級王者木村翔(29=青木)が6回KOで、海外でV2に成功した。同級4位フローイラン・サルダール(29=フィリピン)に左ボディーを効かせ、5回にダウンを奪い、6回54秒KOに仕留めた。昨年に中国で日本人として36年ぶりの敵地での王座獲得から1年。第2のホームで日本人9人目、中国では初の海外防衛を果たした。次戦は同級1位田中恒成(23=畑中)との指名試合で、年末に日本人対決が見込まれている。

 木村が実力、成長を示す快勝だった。パンチのある相手にスタミナで後半勝負と踏んでいた。サルダールは弟ビッグが17日に神戸で世界王座を奪取。その勢いも警戒したが「予想よりパンチがなかった」と早めに勝負。3回にコーナーに詰めてラッシュ。5回に左ボディーで膝をつかせ、6回開始から休まずに攻めてまた左ボディーで仕留めた。

 約1万人収容の会場は、今や中国で人気者のKOに沸きに沸いた。1年前に上海で、オリンピックで2大会連続金メダルという中国の英雄鄒市明を番狂わせで倒した。一躍中国でも卓球の福原、サッカーの本田らに続くヒーローになった。高田馬場のジムにはこの1年で100人以上の中国人観光客がきた。「一緒に練習したい」と十数人が会員にもなったほどだ。

 日本人で海外で防衛に成功したのは、木村で8人目で10度目となる。中立国では5人目だが、中国では初開催で防衛。木村は出発前日に地元熊谷が観測史上最高気温をマークに「ボクも歴史をつくる」を有言実行。「やってきたキャリアを出せれば勝てると思っていた。日本人王者として中国の地で初めて防衛できたことを誇りに思う」と胸を張った。

 今回はシューズにたたき上げを示す「雑草」の文字を入れた。次は3階級制覇を狙う田中と年末に指名試合が決定的。相手は高校4冠のアマエリートと好対照は願ってもない相手。観戦した田中と控室で握手も「まだ強くなれるし、もっと有名になりたい」。今度は日本で強さを見せつけ、名を上げるつもりだ。

 ▼有吉将之・青木ジム会長 こんなに早く倒せるとは思わなかった。試合が決まらない中でちゃんと練習して、感謝しかない。

 ▼サルダール 木村のパンチは強くて、重かった。なすすべがなかった。

 ◆木村翔(きむら・しょう)1988年(昭63)11月24日、埼玉県熊谷市生まれ。中3で始め地元のジムに通い始めたが、高校入学後に遊びに走る。23歳で一念発起して青木ジムに入門。13年4月プロデビューは1回KO負け。その後は2分けを挟み負け知らずで、16年にWBOアジア太平洋フライ級王座獲得。昨年7月に中国・上海でWBO世界同級王座獲得。165センチの右ボクサーファイター。家族は父と弟。

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WBOフライ王者木村翔が中国で防衛成功、日本人初

木村は初防衛を果たし、8年前に亡くなった母真由美さんの写真を手にガッツポーズする(撮影・足立雅史)(2017年12月31日) 

<プロボクシング:WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇27日◇中国・青島

 WBO世界フライ級王者木村翔(29=青木)は27日、中国・青島で行われた2度目の防衛戦で同級4位サルダール(フィリピン)に6回KO勝利した。

 序盤から木村はボディー攻撃を徹底。執拗な攻撃に相手のサルダールが露骨に嫌がる顔を見せる。4回にはボディーからコンビネーションでダウンを奪取。6回にはKOで仕留めた。「調子はいい。いい試合になると思う」と戦前に話していた通り、日本人初の中国での防衛に成功した。

 昨年7月、中国のスター選手で同級王者だった鄒市明(ゾウ・シミン、36)を敵地で撃破し、世界を射止めた。衝撃のKO。国内での知名度はまだまだだが、中国では卓球の福原愛やサッカーの本田圭佑らに次ぐ人気者になった。試合はゴールデンで全国中継という第2のホームで、待望の勝ち名乗りを受けた。

 世界戦3試合目で初めて、トランクスなどメーカー提供を受けた。黒地に黄色のライン。初の特注シューズには、かかと外側に「雑草」の文字を入れていた。

 木村は中3で地元の埼玉・熊谷のジムに通い始めたが、高校に入るとすぐに遊びに走った。地元でバイト生活に物足りなさを感じて23歳で一念発起。上京してプロを目指した。ついに世界をつかんだが、たたき上げの雑草という気持ちを忘れないための2文字だった。しかも漢字なら中国人にも通じる。「気持ちは伝わるはず。熱い応援は心強い」と期待していた。

 昨年大晦日の初防衛を機に配送のバイトをやめて引っ越した。月5万円の5畳のアパートから、15万円で10畳の高層マンションにグレードアップ。。「1日でも長く防衛して稼ぎたい」。次戦は3階級制覇を狙う田中恒成(23=畑中)と指名試合の見込み。人気のある中国で大きな勝利を手にした。

 ◆木村翔(きむら・しょう)1988年(昭63)11月24日、埼玉・熊谷市生まれ。中3で競技を始め、本庄北高では1年で高校総体出場。13年4月プロデビューで1回KO負けも、その後2引き分けをはさみ負け知らず。16年11月にWBOアジア・パシフィック王座獲得。同年大晦日、王者木村翔(29=青木)が挑戦者で元世界王者の五十嵐俊幸(33=帝拳)を9回2分34秒TKOで下して初防衛を果たした。中国では福原愛に次ぐ知名度を誇る。165センチの右ファイター。家族は父と弟。

WBO世界フライ級タイトル2度目の防衛戦に向け会見に臨んだ木村はド派手な「黄色の靴」をアピール(撮影・足立雅史)(2018年7月19日)

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パッキャオ39歳復活KO60勝10個目世界ベルト

再起戦で王者マティセ(左)に強烈なパンチを見舞うパッキャオ(AP)

<プロボクシング:WBA世界ウエルター級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇マレーシア・クアラルンプール

 6階級制覇王者マニー・パッキャオ(39=フィリピン)が、完勝KOの王座奪取で復活した。WBA世界ウエルター級王者ルーカス・マティセ(35=アルゼンチン)に挑戦し、3回に左、5回に右でダウンさせた。7回にも左アッパーで3度目のダウンを奪うとレフェリーストップ。7回2分43秒TKO勝ちした。昨年のWBO同級王座陥落から1年ぶりの試合に、9年ぶりのKO勝利で通算60勝目。初のWBAで通算10個目の世界王座獲得となった。

 パッキャオの完全復活劇だった。初回から圧力をかけて攻めた。フットワークも軽快でリズムよく、相手パンチをかわし、得意の踏み込みから左ストレートを打ち込む。まずは3回にガードの間に左アッパーを突き上げ、アゴに命中させて最初のダウンを奪った。

 マレーシアではヘビー級アリ以来43年ぶりのビッグマッチだった。1万6000人の観衆が熱狂する中で、5回には軽い右フックに相手が自らヒザをつく。フィナーレは7回。再び左アッパーを打ち込んで3度目のダウンを奪うと、レフェリーはマティセが戦意喪失と判断してストップした。

 マティセは39勝中36KOで「ザ・マシン」と言われた。その強打者を終始手玉にとった。パッキャオは3回のダウンに「タフな選手がダウンしてびっくり。ボーナスみたいなもの」と言ったが、マティセは「偉大な伝説だ」と脱帽した。

 1度は4月に再起計画も準備期間不足と先延ばし。米国進出の01年から組んでいたローチ・トレーナーとのコンビも解消したが、5階級制覇したドネアの父シニアが参謀についた。「相手も予想通りでベストを出せた。戦略通りに試合をコントロールできた」と自ら満点評価の出来だった。

 10年から議員も務める英雄らしく「幸せな気分で国に帰り、国民と喜びたい」とリップサービス。12月には40歳になるが「次は年内にやるつもり」。通算60勝目で10個目の世界王座獲得で現役バリバリを証明。まだまだリングを下りるつもりはないようだ。

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パッキャオ「コントロールできた」再起戦7回TKO

再起戦に望みファンの声援に応えるパッキャオ(ロイター)

<ボクシング:WBA世界ウエルター級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇マレーシア・クアラルンプール

 6階級制覇王者マニー・パッキャオ(39=フィリピン)が、KOで王座獲得して再起を飾った。

 WBA世界ウエルター級王者ルーカス・マティセ(35=アルゼンチン)に挑戦し、3回に左アッパー、5回に右フックでダウンを奪った。7回にも左アッパーで3度目のダウンを奪うとレフェリーストップ。7回2分43秒TKO勝ちを収めた。昨年7月に判定でWBO同級王座から陥落して以来の1年ぶり試合で、9年ぶりのKO勝利。WBA王座は初めて、通算10本目のベルトを獲得した。通算60勝(39KO)7敗2分けとなった。

 パッキャオは初回から圧力をかけて、左ストレートを打ち込んでいった。39勝のうち36がKOで「ザ・マシン」と言われるアティセを手玉に取った。3回にガードの間に左アッパーを突き上げ、アゴに命中させて最初のダウンを奪った。5回には右フックを浴びせると、相手が自らヒザをついて2度目のダウン。7回に再び左アッパーで3度目のダウンを奪うと、レフェリーがカウント途中でストップした。

 当初は4月に再起戦が設定されたが、準備期間が足りないと延ばした。01年からローチ・トレーナーとのコンビも解消したが、5階級制覇したドネアの父シニアが参謀についた。万全の準備で完璧な仕上がりでの圧勝。何度も「マニー」コールが沸き起こった、満員の1万6000人の観衆を沸かせた。

 3回のダウンには「タフな選手がダウンしてびっくり。ボーナスみたいなもの」と言ったが、全盛時をほうふつさせた。「戦略通りに試合をコントロールできた」と笑みを浮かべた。「幸せな気分で国に帰り、国民と喜びたい」と国会議員としての顔ものぞかせた。次戦については「年内にやるつもりだが、これから話し合ってから。今はリラックスしたい」と話した。

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