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飯伏幸太が実戦復帰、棚橋との新タッグでベルト狙う

飯伏幸太、棚橋弘至、デビッド・フィンレー、ジュース・ロビンソン対チェーズ・オーエンズ、高橋裕二郎、タンガ・ロア、タマ・トンガ 勝利後の乱入者もものともせず反撃する飯伏幸太(右)(撮影・清水貴仁)

<新日本:大阪大会>◇9日◇大阪城ホール

インフルエンザA型とマロリーワイス症候群の併発で欠場していた飯伏幸太(37)が約1カ月ぶりに実戦復帰し、棚橋弘至(43)との新タッグでIWGPタッグベルトを狙う姿勢を示した。

スペシャル8人タッグマッチで棚橋、デビッド・フィンレー、ジュース・ロビンソンと組み、チェーズ・オーエンズ、高橋裕二郎、タンガ・ロア、タマ・トンガ組と対戦。試合は棚橋がロアの技をかわして、そのまま丸め込み、3カウントを奪取。その負けに不服な「G.o.D」ことIWGPタッグ王者ロア、トンガ組がそろって棚橋に襲いかかる。そこに飯伏が再びリングイン。2人にスワンダイブのミサイルキックを決め、棚橋を救出。さらに、邪道の竹刀攻撃を受け止め、掌底で返し蹴散らした。

昨夏のG1クライマックスで飯伏は、1・4東京ドーム大会のメインでIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカに挑戦。激戦の末敗れ、初戴冠と、その先の2冠王者の座を逃した。試合後は「約1カ月ぶりですが、勘が戻ってない。これからちょっとタッグとして1回(ベルトを)目指していきたい。もちろんシングルも忘れてないけど。棚橋さんと約束した部分もあるんで、まだちょっと言えないけど…。まだまだやってないこといっぱいあるんで」と、再浮上を誓った。

飯伏幸太、棚橋弘至、デビッド・フィンレー、ジュース・ロビンソン対チェーズ・オーエンズ、高橋裕二郎、タンガ・ロア、タマ・トンガ 勝利後も執拗な攻撃をみせる相手に反撃する飯伏幸太(左)(撮影・清水貴仁)

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現在無冠オカダ「そわそわして」“猪木発言”に言及

ウィル・オスプレイ、オカダ・カズチカ組対ザック・セイバーJr.、タイチ組 タイチ(左)をレインメーカーでマットに沈めるオカダ・カズチカ(撮影・清水貴仁)

<新日本:大阪大会>◇9日◇大阪城ホール

現在無冠の前IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)が思わせぶりな発言を行った。

「シリーズが終わって、次は(中西学らの)引退試合ですけど、新日本プロレスは何も変わらないところを大先輩のみなさんにしっかりお見せしてやっていきたいです」とした後、2・2札幌大会での“アントニオ猪木発言”について言及した。

「オカダ君はいろいろ気になることを言っちゃうけど…いや、いろいろ気になることを言っちゃった、言っちゃったけどね。みんながそわそわする中で、次の大会までそわそわしてください」。“猪木発言”の真意はまだやぶの中。ファンが気をもむ状況を楽しんでいるようだ。

この日は札幌で激闘を繰り広げたタイチ(39)とスペシャルタッグマッチで激突。強烈なバックドロップを食ったが、オスプレイとの巧みな連係から、タイチにレインメーカーを完璧に決め、3カウントを奪って見せた。

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無冠オカダ・カズチカ「もっと活躍」巻き返し誓う

「第54回テレビ朝日ビッグスポーツ賞」で金メダルの雨を降らせる新日本プロレスのオカダ・カズチカ(撮影・小沢裕)

今年活躍したスポーツ選手や団体を表彰する「テレビ朝日ビッグスポーツ賞」の表彰式が10日、都内で開かれた。

新日本プロレスのオカダ・カズチカがテレビ朝日スポーツ奨励特別賞を受賞した。IWGPヘビー級王者として19年のプロレス界をけん引。1・5東京ドーム大会で内藤にベルトを奪われたものの、2日間で7万人を動員する快挙の立役者となった。「ドームでは負けましたが、7万人を入れることができてよかった。今年はもっと活躍したい」と巻き返しを誓った。さらに「今年は東京五輪で金メダルの雨が降るぞ!」と予告。「1人でも多くの選手が金メダルを取って、いろんなスターが生まれてほしい」と話していた。

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内藤哲也初2冠もKENTAから襲撃…天国から地獄

試合後の内藤哲也(下)を襲撃し2本のベルトを手にするKENTA(撮影・滝沢徹郎)

<新日本:東京ドーム大会>◇5日◇東京ドーム

歓喜は一瞬で終わった。IWGPインターコンチネンタル(IC)王者内藤哲也(37)が、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)とのダブルタイトル戦を制し、史上初の2冠を達成した。

前日のIC戦で王者ジェイ・ホワイトを破り、ベルトを奪取。大逆転を果たしたが、試合後にKENTA(38)の襲撃を受け、東京ドーム2連戦はまさかのバッドエンドとなった。

   ◇   ◇   ◇

最後にリングの中心にいたのは逆転の内藤だった。オカダのレインメーカーを2発連続で食らったが3発目をかわし、デスティーノをさく裂。コーナーによじ登り、久々に解禁したのはこの日引退したライガーから引き継いだスターダストプレス。体をひねりながら見事に決めると大歓声がさらに背中を押した。最後は再びデスティーノで3カウント奪取。35分37秒の死闘を制し、2年前と同じ舞台で敗れたオカダにリベンジした。

オカダとは若手時代、寮の2人部屋で一緒に暮らしたが、歩む道は分かれた。12年に先にIWGPヘビー級王者となったオカダはスター街道へ。一方、何をしてもブーイングを浴びる内藤は15年、失意のままメキシコへ。帰国してユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を結成し、予測不能のキャラクターで大ブレーク。18年1・4に初めてドームのメインに立ち王者オカダに挑戦したが敗れた。「東京ドームのメインイベント、最高に気持ちいいだろ。勝つと、もっと気持ちいいぞ」と屈辱の言葉を浴びていた。

2年ぶりに立った2度目のドームメイン。オカダから奪ったからこそ、その勝利は格別だった。試合後マイクを握り「オカダ、オカダ。東京ドームでのメインイベントでの勝利、ものすごく気持ちいいな」と呼びかける。肩を担がれ引き揚げるオカダも無言で拳を突き上げ、再戦を約束した。

昨年5月ごろから原因不明の体調不良に陥り、リングに集中できない日々が続いた。引退が頭によぎる中で「何かを残したい」という気持ちがふくらんだ。11月末からの3週間のオフで体の不安は解消し万全でドームを迎えたが、その思いは変わらなかった。史上初のドーム2連戦でオカダを倒し、プロレス史に名を刻んだ。

やっと果たしたオカダ超え。だが、その先にすぐ敵が待っていた。「ロス・インゴーベルナブレス…」。大合唱の次の言葉を言いかけた瞬間、ヒール集団バレット・クラブのKENTAに襲われ、夢は途切れた。キック、さらに必殺技「go 2 sleep」を決められ、ブーイングの中、内藤は無言でふらふらと控室に消えた。この日NEVER無差別級ベルトを失ったばかりのKENTAは「史上初? やらせるか。このままじゃ終わらないぞ」と宣戦布告。休む間もなく、不穏な2冠ロードが始まった。【高場泉穂】

◆内藤哲也(ないとう・てつや)1982年(昭57)6月22日、東京都足立区生まれ。06年5月デビュー。13年8月G1クライマックスで初優勝。メキシコ遠征から戻った15年に「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を結成し、大ブレーク。16年4月にIWGPヘビー級王座初戴冠。180センチ、102キロ。得意技はデスティーノ。

念願の大合掌直前にKENTAに急襲され、BUSHI(左)の肩を借りて引き揚げる内藤哲也(撮影・中島郁夫)
オカダ・カズチカ(右)にデスティーノを決める内藤哲也(撮影・中島郁夫)

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新日本メイ社長「もう1つ上のステージにいけると」

引退試合を終えファンにあいさつする獣神サンダー・ライガー(撮影・滝沢徹郎)

<新日本:東京ドーム大会>◇5日◇東京ドーム

IWGPインターコンチネンタル(IC)王者内藤哲也(37)が、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)とのダブルタイトル戦を制し、史上初の2冠を達成した。

   ◇   ◇   ◇

新日本のハロルド・ジョージ・メイ(56)社長は「歴史的な2日間になった」と満足そうに総括した。「1年前にはドーム2連戦は無謀とも言われたが、2日間で7万人を超え、これだけの一体感が生まれた。もう1つ上のステージにいけると思う」と手応えを語った。海外進出にも前向きで「新日本、日本のプロレスを守るために海外に出て行く必要がある」と話した。

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オカダ敗北「2冠にふさわしい」内藤称え再戦前向き

内藤に敗れ引き揚げるオカダ(撮影・河田真司)

<新日本:東京ドーム大会>◇5日◇東京ドーム

IWGPインターコンチネンタル(IC)王者内藤哲也(37)が、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)とのダブルタイトル戦を制し、史上初の2冠を達成した。

   ◇   ◇   ◇

オカダは2冠を逃し、IWGPヘビー級王座の6度目、通算で31度目の防衛に失敗した。2年前の雪辱を許したが「あの歓声に期待を背負って戦えば強い。2連戦を言い訳にはできない。向こうも。2冠にふさわしい男」と内藤をたたえた。リングから「またドームで勝負しよう」との呼び掛けに、右腕を突き上げて答えた。「悔しい1年の始まり。この悔しさをバネにまた頑張る」。敗戦は奪回への始まりだ。

内藤哲也(右)にドロップキックを浴びせるオカダ・カズチカ(撮影・中島郁夫)

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白鵬久々プロレス観戦「オカダに勝ってほしかった」

観戦する鈴木おさむ氏(左)と白鵬(撮影・滝沢徹郎)

<新日本:東京ドーム大会>◇5日◇東京ドーム

IWGPインターコンチネンタル(IC)王者内藤哲也(37)が、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)とのダブルタイトル戦を制し、史上初の2冠を達成した。

   ◇   ◇   ◇

横綱白鵬が、メインの激闘をたたえた。親交のあるオカダの戦いを見届け「(オカダは)負けたけど、いい試合だった。勝ってほしかったけどね」と、以前に両国国技館で見て以来、7、8年ぶりというプロレス観戦を興奮気味に話した。12日初日の初場所を控え「初場所も近いんで、刺激になりました」と自らにも気合を入れていた。

試合観戦に訪れる白鵬(撮影・河田真司)

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内藤がオカダ下し初2冠「とったどー」…新たな敵も

2本のベルトを手中に収めいつものポーズを決める内藤哲也(撮影・中島郁夫)

<新日本:東京ドーム大会>◇5日◇東京ドーム

IWGPインターコンチネンタル(IC)王者内藤哲也(37)が、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)とのダブルタイトル戦を制し、史上初の2冠を達成した。前日のIC戦で宿敵ジェイ・ホワイトを破り、ベルトを奪取。“手ぶら”からの大逆転でドーム2連戦を締めた。

30分を超える死闘。内藤は、オカダのレインメーカー2連発を食らってグロッギーとなった。だが3発目をかわして、カウンターでデスティーノをさく裂させた。さらにコーナーポスト上に立って、宙返りしながら体をひねる大技スターダストプレスを解禁。さらに相手の脳天をマットに落とすグロリア、最後は再びデスティーノで、オカダから3カウントを奪った。

内藤はマイクを握って「オカダ、オカダ。東京ドームでのメインイベントでの勝利、ものすごく気持ちいいな。またいつか東京ドームのメインイベントで勝負しようぜ!」と呼びかけた。すでにリングを降りて通路を歩いていたオカダも無言で右拳を突き上げ、にやりと笑った。内藤はあらためてマイクを握ると「とったどー」と絶叫した。

さらに会場と一体となって喜びの声を上げようとした瞬間だった。KENTAがいきなり乱入して内藤をKO。会場から「帰れ」コールを浴びながら内藤の上に座って2本のベルトを掲げる暴挙に出た。後味の悪い結末となったが、内藤が2本のベルトを手にした。

内藤は、人気、実力ともに新日本トップにいながら、過去東京ドームのメインに立ったのは2年前の18年だけ。中学3年生の時に誓った夢をかなえたが、IWGPヘビー級王者オカダのレインメーカーに敗退。「東京ドームのメインイベント、最高に気持ちいいだろ。勝つと、もっと気持ちいいぞ」と屈辱の言葉を浴びていた。「オカダを倒した上で、どれだけ気持ちいいのか味わわせていただくぜ」と宣言していた通り、2年前の借りを返して、偉業を達成した。

今年5月ごろから原因不明の体調不良に陥り、リングに集中できない日々が続いた。引退が頭によぎる中で、「何かを残したい」という気持ちがふくらんだ。「内藤哲也、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンってものがあったんだよ、ってことを後生の人に知ってもらうためにも、史上初を成し遂げたいとすごく思い始めました」。11月末からの3週間のオフで体の不安は解消し、万全でドームを迎えたが、その思いは変わらなかった。史上初のドーム2連戦で絶対王者オカダを倒し、プロレス史に名を刻んだ。

2本のベルトを手中に収めた内藤哲也(撮影・中島郁夫)
内藤(上)のキックを受けるオカダ(撮影・河田真司)
オカダ・カズチカに勝利し雄たけびを上げる内藤哲也(撮影・中島郁夫)

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内藤哲也「大合唱だ、カブロン!」史上初2冠へ闘志

IWGPインターコンチネンタルのベルトを手にポーズを決める内藤哲也(撮影・中島郁夫)

IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)が、挑戦者で19年G1クライマックス覇者の飯伏幸太(37)を下し、5度目の防衛を果たした。 5日は、この日IWGPインターコンチネンタル新王者となった内藤哲也(37)と史上初の2冠をかけて戦う。

   ◇   ◇   ◇

最後は内藤がリングにいた。白ベルトを海野レフェリーから奪うように受け取り、4万人を超えた観客の支持を得た。33分54秒の激闘を制した余韻を味わい、右拳を突き上げた。昨年9月、同王座から引きずり降ろされるなど2戦2敗だったホワイトに雪辱。オカダとの史上初となる2冠戦に臨む舞台が整った。

容赦ない左膝攻撃でもん絶した。鎌固め、NTO(裏4の字固め)、ロープを挟んだドラゴンスクリューを浴び、左膝は悲鳴をあげた。だがSSSで投げられるとリバース式フランケン弾で応戦し、旋回式デスティーノで局面打開。バリエンテで脳天から落とし、デスティーノでとどめ。逆転の内藤を印象づけた。

「このベルトを取るだけが目的じゃないからさ。トランキーロ! あっせんなよ」。昨年10月の両国大会から沈黙を貫いた。5月から体調面の不安を抱え「このまま引退かな…と不安になるぐらい、結構、落ち込んでました」。ドーム2連戦が近づいた年末、旅などのリフレッシュ効果で心身の不安を洗い落とした。一気に目標に掲げてきた2冠のチャンスを手中に収めた。

2年前、IWGP戦で屈したオカダに「ドームのメイン、最高に気持ちいいだろ。勝つと、もっと気持ちいいぞ」と上から目線で言われた。全試合終了後、その屈辱を胸にオカダと対峙(たいじ)。「ドームのメインに戻ってきたぜ。史上初の偉業。オレがオカダを倒して大合唱だ、カブロン(バカ野郎)!」。有言実行の2冠王者へ、準備は整った。【藤中栄二】

◆IWGPヘビー級王座 新日本プロレスの至宝。。87年創設。初代は団体創始者のアントニオ猪木。世界に乱立するベルトを1つに統一して真の世界王者を作るためのリーグ戦「IWGP=International Wrestling Grand Prix」が第5回大会の87年かタイトル化された。100キロ以上の選手を対象としていたが、現在制限はなし。ジュニアヘビー級が100キロ未満。最多戴冠は棚橋弘至の8度。オカダが12度の最多連続防衛、29度の最多通算防衛記録。

ジェイ・ホワイト(左)に飛び蹴りを放つ内藤哲也(撮影・河田真司)
オカダ対飯伏 試合後、翌日対戦する内藤(右)はオカダを挑発する(撮影・滝沢徹郎)

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オカダ5度目防衛も「そして超満員にならなかった」

タイトル防衛に成功したオカダ・カズチカ(撮影・中島郁夫)

<新日本:東京ドーム大会>◇4日◇東京ドーム

IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)が、挑戦者で19年G1クライマックス覇者の飯伏幸太(37)を下し、5度目の防衛を果たした。

5日は、この日IWGPインターコンチネンタル新王者となった内藤哲也(37)と史上初の2冠をかけて戦う。

   ◇   ◇   ◇

オカダは王者の誇りを腕にこめた。必殺のレインメーカーを1発、2発。それでも飯伏は起き上がる。ともにマットに倒れたまま腕は離さない。鬼の表情で相手を起き上がらせ3、4発と続けると両手を広げて勝利を確信。再びレインメーカーを見舞ったところで飯伏の膝をくらうが、切り返してマットに打ち付ける。ダメ押しの5度目のレインメーカーで3カウントを奪った。

達成感と悔しさ、両方が込み上げた。リングでマイクを持つと「最強はIWGPヘビー級チャンピオンのこのおれだー。そして超満員にならなかったー」と叫んだ。観客動員を実数発表した16年以降初の4万人超え。当日開放した外野席はまばらだったものの、アリーナなどはぎっしり。右肩上がりの新日本人気に加え、この数カ月のオカダのテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などへのPR活動も奏功した。それでも4万3000人の超満員を公言していたため、悔しい結果だった。

「笑いたい人は笑ってもらってもいいですし、ばかにしても構いません。でも、またその分のパワーを持って、悔しさを胸に超満員に向かっていきたい」

12年2月にエース棚橋弘至から初奪取してから積み上げた最多通算防衛記録はこの日で30回。32歳で絶対王者に君臨するオカダの夢はもう個人のタイトルにとどまらない。「チャンピオンになるってことは自分だけのこと。お客さんと一緒に夢を達成したい」。昨年はW杯をきっかけに湧き上がったラグビー人気に刺激を受け、嫉妬した。価値、人気を上げて、「多くの方が胸張って『プロレス好きだよ』って言える世の中にしたい」と夢を広げる。

IWGPヘビーを「金メダル」ととらえるオカダは、インターコンチとの史上初の2冠に価値を見いださない。内藤との2冠戦で目指すのは勝利と、世界に胸を張る最高の戦いだ。「きょうこんな戦いをして、明日もタイトルマッチ。こんな過酷な競技、オリンピックにないでしょ。プロレスのパワーを世界に届けて、五輪の盛り上げに一役買いたい」。2夜連続の熱い戦いで20年の東京に火をともす。【高場泉穂】

◆IWGPインターコンチネンタル王座 11年5月の米国大会の目玉のベルトとして新設される。無差別級。海外からのIWGPヘビー級への登竜門的位置づけだったが、4代目の中邑真輔がベルトを白に一新。通算17度の防衛戦で丸藤や永田らと名勝負を繰り広げ、IWGPヘビー級とは異なる路線を生んだ。中邑が最多5度戴冠。8の最多連続、17の最多通算防衛記録も持つ。

◆オカダ・カズチカ 本名・岡田和睦。1987年(昭62)11月8日、愛知県安城市生まれ。中学校卒業後にメキシコにあるプロレスラー養成学校闘龍門に入門し04年8月にメキシコでデビュー。07年8月に新日本プロレス入り。12年2月には棚橋を下し、初めてIWGPヘビー級王座を獲得。同年8月、初出場のG1クライマックスで史上最年少優勝。IWGPヘビー級は第57、59、63、65、69代王者で、通算29度の最多防衛記録を持つ。65代王者として12度の防衛も、1代では最多。得意技はレインメーカー。今年4月に結婚を発表。妻は人気声優三森すずこ。191センチ、107キロ。

オカダ対飯伏 オカダ(手前)は飯伏をレインメーカーで葬る(撮影・滝沢徹郎)

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オカダ推しの小祝さくら「明日、内藤選手に勝って」

それぞれのベルトを掲げるオカダ・カズチカ(左)と内藤哲也(撮影・中島郁夫)

<新日本:東京ドーム大会>◇4日◇東京ドーム

IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)が、挑戦者で19年G1クライマックス覇者の飯伏幸太(37)を下し、5度目の防衛を果たした。5日は、この日IWGPインターコンチネンタル新王者となった内藤哲也(37)と史上初の2冠をかけて戦う。

   ◇   ◇   ◇

女子ゴルフ界の黄金世代、勝みなみと小祝さくらが、東京ドーム大会のメインに酔いしれた。2人はともに家族と2年連続の観戦。飯伏と同じ鹿児島出身の勝は「飯伏選手は負けたけど、めっちゃ楽しかった」と感激。オカダ推しの小祝は「本当にうれしかった。でも、明日、内藤選手に勝ってほしい」と2日連続の観戦へ期待を膨らませていた。

飯伏幸太(左)にレインメーカーを連発するオカダ・カズチカ(撮影・河田真司)
タイトル防衛に成功したオカダ・カズチカ(撮影・中島郁夫)

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内藤哲也2冠へ前進、5日対戦相手にはオカダを希望

ジェイ・ホワイトにデスティーノを決める内藤哲也(左)(撮影・滝沢徹郎)

<新日本:東京ドーム大会>◇4日◇東京ドーム

IWGPインターコンチネンタル選手権は、挑戦者の内藤哲也が新王者となった。王者ジェイ・ホワイトをデスティーノで仕留め、33分54秒、フォール勝ちを収めた。

序盤から容赦ない右ひざ攻撃を浴びた。場外で鉄柵攻撃、鎌固め、NTO(内藤タップアウト=裏4の字固め)を浴びてもん絶。さらに敵セコンド外道の介入などもあり、何度も窮地に追い込まれた。ロープを挟んだドラゴンスクリューまで浴び、右ひざは悲鳴を上げる寸前だった。SSS(スナップ・スリーパー・スープレックス)で投げられながらも、すぐに旋回式デスティーノで応戦して局面を打開。リバース式フランケンシュタイナーで動きを止め、最後は3度目のデスティーノでトドメを刺した。昨年9月の防衛戦で敗れていたホワイトへのリベンジに成功。「逆転の内藤」を印象づけた。

ずっと言い続けてきた2冠王者に向けて前進した。内藤は「このベルトを取るだけが目的じゃないからさ。トランキーロ! あっせんなよ。さあ、明日の対戦相手はいったいどっちかな。オレの予想はオカダ。理想もオカダ。さあどうなるかな。しっかりこの目で見てきますよ、アディオス!」とキッパリ。5日の東京ドーム大会のメインで決まっているIWGPヘビー級王者との2冠戦を舌なめずりをしながら待っていた。

IWGPインターコンチネンタル王座を獲得した内藤哲也は右腕を突き上げる(撮影・中島郁夫)

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飯伏幸太2冠よりオカダ戦「1・5は考えてない」

WRESTLE KINGDOM14調印式 調印式後、写真に納まるオカダ・カズチカ(左)と飯伏幸太(2019年12月19日撮影)

<夢のドーム2連戦>

新日本プロレス史上初の東京ドーム2連戦が4日に開幕する。メインでIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)に挑戦する19年G1覇者の飯伏幸太(37)は、メンタルコントロールを勝利のポイントに挙げた。

    ◇   ◇   ◇

飯伏がプロレス人生最大の挑戦に臨む。初の東京ドーム大会メインで、相手は絶対王者オカダ。昨年8月のG1公式戦では3度目の対戦で初勝利を挙げたが、その後の前哨戦で「より力強さ、自信、そういうものを感じました」と相手の強さをあらためて実感。「1・5は考えてない」。勝たなければ翌5日のIWGPインターコンチネンタル王座との2冠戦に進めないが、先は見ず、すべてを1・4にぶつけるつもりだ。

並外れた身体能力、跳躍力、多彩な技を持ち、愛称はゴールデンスター。誰もが認めるプロレス界のトップ選手は、王者にはない爆発力が最大の武器だ。それを発揮できるかどうか。カギは試合中のメンタルコントロールだ。昨年12月8日の広島大会では、挑発にのりIWGPヘビー挑戦権が入ったアタッシェケースでオカダの頭部を殴打。さらに“キレた”様子で追い回した。「あれは、オカダさんに引き出されてしまった」と反省する。

「混同されがちなんですが、自分の中でキレるのと狂気は別物なんです。キレると負ける。狂気の方は、ウルトラマンじゃないですけど、1分間とか決まった短い時間しか出せない」。その狂気の部分が「早い時間に引き出されてしまったら終了」。逆に勝負どころに合わせられれば、一気に勝ちが見えてくると話す。「やってみないと、分からないです」。予測不能の戦いに持ち込み、新時代を切りひらく。【高場泉穂】

◆飯伏幸太(いぶし・こうた)1982年(昭57)5月21日、鹿児島県姶良市生まれ。04年7月にDDTプロレスリングでデビュー。09年のベスト・オブ・ザ・スーパージュニアで新日本初参戦。13年10月からDDTと新日本プロレスのダブル所属。16年2月に退団し、フリーに。18年G1クライマックスは決勝で棚橋に敗れ、準優勝。19年2月新日本に再入団。IWGPジュニアヘビー級第61、64、67代王者、IWGPインターコンチネンタル第21代王者。得意技はカミゴェ。181センチ、93キロ。

飯伏幸太

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ジェイ・ホワイト、内藤戦は「楽」2冠奪い新時代へ

IWGPインターコンチネンタル王者として自信を見せる新日本プロレスのジェイ・ホワイト

<夢のドーム2連戦>

新日本プロレスの若く美しきヒール、ジェイ・ホワイト(27)にとって19年は飛躍の年だった。

年明けの1・4ではオカダとスペシャルマッチを行い、15分18秒の短時間で撃破。2月の大阪大会ではIWGPヘビー級王者棚橋弘至を破り、外国人史上最年少の戴冠を達成。8月にG1クライマックス準優勝、9月に内藤からIWGPインターコンチネンタル(IC)王座を奪取するなど年間通じて活躍し続け、新日本のトップに一気に躍り出た。

「ほんとにいい大きい年になった。信じられないけど、終わってみるとそうだったという感じかな。フィジカル、メンタル両方で誰よりも努力したし、オレは史上稀(まれ)に見る賢さをもっていて、さらに外道さんの賢さが重なったら、だれもかなわないよね」と充実の1年を振り返った。

4日のIC戦では19年2戦全勝の内藤の挑戦を受ける。内藤との試合を楽しんでいるようにみえると指摘すると、「まさしく、そうだよ」と笑いながら、その理由を語りだした。「楽しいのは、楽だから。試合をする前から勝てるという思いがあるし、彼がやることにすべてに対して答えをもっている。だから、一緒に遊んでいる感覚なんだ。彼は勝つチャンスがあると思って挑んでくるけど、希望と笑顔を与えて、チャンスを奪いさるのが楽しい。自分自身が彼より上回っているのを見せるのが楽しい」と徹底的にこき下ろした。

5日にIWGPヘビー級、ICの2冠を取り、名実ともに新日本の顔になることを今年の目標とした。「もし2本のベルトをとることができたら、新日本がどういうリアクションを取るか楽しみだね。なぜなら自分をすべてのポスターの中央にもってこないといけないでしょ?メディアの露出もポスターも。自分を拒否することはできなくなる。会社、ファン、対戦する相手に対して、2本のベルトをおしつけてやるのを楽しみにしてるよ」。ドーム2連戦でジェイの新時代は訪れるか-。【高場泉穂】

肩にベルトをかけ、不敵な笑みを浮かべるジェイ・ホワイト
内藤(右下)を踏みつけポーズを決めるホワイト(2019年8月8日撮影)

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内藤哲也が決戦前に復活 今度こそ「大合唱を」

12月19日、棚橋(左)に蹴りを放つ内藤

<夢のドーム2連戦>

ドーム大会連載、20年最初は内藤哲也(37)が登場。4日にIWGPインターコンチネンタル(IC)王者ジェイ・ホワイト(27)に挑戦し、勝てば翌5日のメインでIWGPヘビー級王者と史上初の2冠をかけて対決する。不利とみられる状況からの大逆転へ、自信を口にした。

   ◇   ◇   ◇

19年12月末、東京ドームの前に内藤の姿があった。「やっとピースがそろってきたかな」。ドームを見つめ、史上初2冠の青写真を描いている様子だった。10月14日の両国大会以降ノーコメントを貫き、試合も、11月27日を最後に3週間欠場。不気味な沈黙を続けていたが、12月19日の後楽園大会で復帰。「不安が解消された」と久々に口を開いた。

一体、何があったのか。

「まだ具体的には明かせないけど、5月ぐらいから体調的に不安があって、『このまま引退かな…』と不安になるぐらい、けっこう落ち込んでました」。だが、オフの間に体の不安は解消し、南の島など各地に旅に出かけ、リフレッシュ。「精神的な不安が解消されたのが大きい。全てが、うまくはまった」。決戦前の復活に成功した。

4日にIC王者ジェイを倒せば翌5日に史上初の2冠戦でメインに立てる。内藤は、その相手に現IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)を指名する。初めてドームのメインに立った2年前に敗れたのがオカダで「東京ドームのメインイベント、最高に気持ちいいだろ? 勝つとな、もっと気持ちいいぞ!」と屈辱的な言葉を浴びていた。

「オカダの活躍は悔しい半面、うれしい部分もある。なぜなら、倒したときに返ってくるものが非常に大きいから。俺はオカダより下なんて思っていないけど、新日本=オカダの構図を一気にひっくり返せる」。不安の解消、高橋ヒロムの復帰…。ピースがそろってきたが、5日の相手がオカダなら大逆転へ、最高の舞台が整う。「2年前にやりそびれた大合唱を、今度こそ皆さまとしたいですね」。その顔は、自信に満ちあふれていた。【高場泉穂】

○…冷酷なヒールのIC王者ジェイは19年に内藤とシングル2戦し、ともに勝っている。「自分は、既にあいつの能力を超えているから、一緒に遊んでいる意識なんだ。チャンスをあげている状況が楽しい」と完全に見下した。19年は棚橋からIWGPヘビー級王座を奪取し、G1準優勝するなど大活躍。「史上まれにみる、ボクと外道さんの賢さが重なれば、誰もかなわないと思う」と2冠取りへ自信をみせた。

◆内藤哲也(ないとう・てつや)1982年(昭57)6月22日、東京都足立区生まれ。06年5月デビュー。13年8月G1クライマックスで初優勝。メキシコ遠征から戻った15年に「ロスインゴベルナブレス・デ・ハポン」を結成し、大ブレーク。16年4月にIWGPヘビー級王座初戴冠。180センチ、102キロ。得意技はデスティーノ。

棚橋弘至、飯伏幸太対鷹木信悟、内藤哲也 飯伏を踏み付ける内藤(撮影・大野祥一)

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黄金世代・勝、小祝 東京ドーム大会への思い語る

勝みなみ(左)と小祝さくら

女子プロゴルフ界で大活躍の黄金世代も、東京ドーム大会に注目している。昨季2勝で賞金ランキング10位の勝みなみ(21=明治安田生命)と同1勝で賞金ランキング8位の小祝さくら(21=ニトリ)は、ともに新日本プロレスの大ファン。鹿児島県出身の勝が、同郷の飯伏幸太推しなら、小祝はオカダ・カズチカの熱狂的な信奉者。2人に、東京ドーム大会への思いを聞いた。

   ◇   ◇   ◇

勝も、小祝も、1月4日、5日の東京ドーム大会を観戦予定だという。年明けの東京ドーム大会に足を運ぶのは2回目になる。勝は「東京ドームは特別な舞台。私たちが、海外のメジャー大会に出るようなもの。ゴルファーにとってメジャーがそうであるように、プロレスラーの方にとっても、選ばれた人たちしか出場できない。そんな特別感にワクワクします」という。

小祝は「年に1回のイベント。東京ドームでやること自体がすごいなと思う。1試合1試合がすごいですが、私が注目しているのはメインイベント。その団体で一番のタイトルをかけた戦いにしびれます。もちろん、応援しているのはオカダさんです」と興奮気味に話した。

勝も小祝も家族に連れられプロレスを初観戦したのが、昨年1月の東京ドーム大会だった。独特の雰囲気と派手な演出。何より、レスラーの体を張った戦いに刺激を受けた。勝は、その後G1クライマックスや、後楽園ホールにも足を運び、深夜のテレビ中継も見るようになった。

今回の東京ドーム大会で「1・4」はIWGPヘビー級王者オカダとG1優勝の飯伏の対決がメイン。図らずも、黄金世代で優勝を争う2人がオカダ、飯伏と推しメンを巡って“対決”する構図となった。小祝は「私はオカダさんしか見ていない。ぜひ勝ってほしい」。勝は「注目度が一番高い試合。私まで緊張するけど、どちらが勝っても、頑張っている姿を見るのが楽しみ。プロレスは、私たちに元気を届けてくれる。見終わって笑顔じゃない人はいないですよ」と期待を口にした。【桝田朗】

◆勝(かつ)みなみ 1998年(平10)7月1日、鹿児島市生まれ。名前は人気漫画「タッチ」のヒロイン浅倉南から。ゴルフは6歳で始め、12、13年に全国中学生選手権2連覇。14年にはKKT杯バンテリン・レディースで史上最年少でプロツアー初優勝。15年の日本女子アマ優勝、日本女子オープンでローアマ獲得。17年にプロテスト合格。19年は2勝を挙げた。157センチ、56キロ。

◆小祝(こいわい)さくら 1998年(平10)4月15日、北海道北広島市生まれ。8歳でゴルフを始め、16年にはニッポンハム・レディースに出場し8位でローアマ獲得。17年プロテスト合格。本格参戦の18年はトップ10に13回入るなど賞金ランク8位に入り新人賞と敢闘賞を獲得。19年のサマンサタバサ・レディースでツアー初勝利。158センチ、58キロ。家族は母と弟。

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オカダ、白鵬に焦りと王者の寂しさ明かす/取材後記

ポーズを決めるオカダ・カズチカ(左)と白鵬(撮影・横山健太)

<取材後記>

最強王者の対談が実現した。来年1月4日にタイトル防衛に挑む新日本プロレスのIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)が角界トップに君臨する横綱白鵬(34)と初対談。王者としての共通点や使命、今後の夢などを大いに語り合った。オカダは「1・4」の飯伏幸太(37)との防衛戦に向け、大横綱からパワーをもらった。【取材・構成=高田文太、高場泉穂】

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取材後記 1・4の前に、オカダにまさかのピンチが訪れた。2ショット撮影の最中、白鵬が「ちょっと持ってみてもいいですか」とオカダが持つIWGPヘビー級ベルトに興味を示した。肩にかけてみると着物姿にもかかわらず、しっくりくる。私たち取材陣からも思わず「おぉー」と声があがるほどだった。

横綱もかなり気に入った様子で、しばらく肩にかけた後にやっと返却。オカダは「もう取り返せないかと思った…」と本気とも冗談ともつかぬ様子で笑った。

約1時間の対談は、引退や家族のこと、話題は多岐に及んだ。中でも印象深かったのはオカダが王者の寂しさを明かした場面だった。オカダが“打倒オカダ”と掲げる選手の方が応援されることに「寂しいですけどね、正直」。さらに「優勝して、わーってなるのは最初だけ。その後は勝ち続けたらおもしろくない、みたいになる」と話すと、白鵬は「特別なんだよ、こういう人は」と慰めるように合いの手を入れた。

王者にしか感じられない寂しさを理解し合えるからこそ、対談では本音が次々と出てきたのだろう。2人は、今度は酒を酌み交わしながら語ろうと約束をかわしていた。王者としてのプライドを再確認したオカダがドームでどんな姿を見せるのか。あと数日、楽しみに待ちたい。【プロレス担当・高場泉穂】

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白鵬が「ゾーン」持論、包丁投げられたら/取材後記

対談する白鵬

<取材後記>

最強王者の対談が実現した。来年1月4日にタイトル防衛に挑む新日本プロレスのIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)が角界トップに君臨する横綱白鵬(34)と初対談。王者としての共通点や使命、今後の夢などを大いに語り合った。

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白鵬は現役トップという同じ立場のオカダと共感できる部分を模索するように、対談中に独自の感覚、感性を明かした。

特に印象的だったのは「アスリートが『ゾーン』に入ったというけど、決して『ゾーン』ではない」という話だ。全勝優勝した3月春場所で、背後を取られる絶体絶命の体勢から逆転した8日目栃煌山戦、10日目玉鷲戦を振り返って説明。「映像で見返すと動きは速いけど、コマ送りのようにゆっくり、脳が覚えている」と、その時の一挙手一投足を鮮明に覚えていると明言した。

これは「ゾーン」ではないという。「人間は危ない時、集中している時に走馬灯のように感じる」というのが白鵬の持論だ。「川上哲治さんが『ボールが止まって見える』と言っていたのは、それだけ集中していたということ。もし、包丁を投げられたら空振りできない。そういう状態だったのでしょう」。相撲もプロレスも1歩間違えば、大ケガにつながる。その危険と隣り合わせの毎日。オカダも大きくうなずいていたのを見て、トップの技量、責任感の一端を垣間見た気がした。【相撲担当=高田文太】

ポーズを決めるオカダ・カズチカ(左)と白鵬(撮影・横山健太)

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横綱白鵬とIWGP王者オカダが夢のトップ対談

レインメーカーポーズをとる白鵬(左)とオカダ・カズチカ(撮影・横山健太)

最強王者の対談が実現した。来年1月4日にタイトル防衛に挑む新日本プロレスのIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)が角界トップに君臨する横綱白鵬(34)と初対談。王者としての共通点や使命、今後の夢などを大いに語り合った。オカダは「1・4」の飯伏幸太(37)との防衛戦に向け、大横綱からパワーをもらった。【取材・構成=高田文太、高場泉穂】

-おふたりは、親交があると聞きました。

オカダ(以下、オ) (今年)1月5日の後楽園ホール大会の後、幕内1000勝記念祝賀会の2次会に顔を出させてもらって、あいさつしました。

白鵬(以下、白) 共通の知り合いがいて前からずっと気にしてたんです。本当はもっと前に会って、深い関係にしたかった。上に立った者にしか分からないものがたくさんありますし、縁ができて気持ちいいね。

-第一印象は

白 いきなり相撲とりましたよ。

オ 組んでみて、「横綱だ…」と。

-取組や試合を見る機会は、なかなかないと思いますが

白 10年前ぐらいかな。1度、両国の大会を見にいったことあるんだよ。

オ 僕がまだいない時ですね(笑い)。

白 あんなきつい競技をよく30分もやってるなと。スタミナはどこからきてるのかと思う。1つ間違えば危ないからね。我々と一緒。

オ 僕は3月場所を砂かぶりで見せてもらいました。その時すごいなと思ったのが、横綱が組んでいる時、相手のいろんなところを見てたんです。何を見てたのか、全然分からないですけど、余裕があるというか。いろんなことを気にしていると思いました。

白 組んじゃうと、ひと息置くというか、そこで足の位置とか、ここで体勢崩せるかとか考えてるね。組むまでは、息が止まっている状態だから。

オ 1回ですごい量の汗が出てくるじゃないですか。僕たちプロレスラーが20、30分で出てくる量が、一瞬でがっと。短いけど、濃い短さだと感じました。

-勝って当たり前の存在。プレッシャーは

白 ありますね。今回は、3月の(右上腕筋)断裂。病院に行った時に「もう元には戻りません」って言われた時、やっぱり引退という2文字が出ますよね。でも、4回ぐらい再生医療をしたら治ってしまった。先生が一番びっくりしていました。「横綱のDNAを検査したい、宇宙人じゃないか」と。最近つくづく思う。なんで私が(来年3月で迎える)35歳まで、できるのか、結果を出せるのか。そうなると遺伝子レベルに戻っちゃうんだけど、目に見えない、そういう世界があるのかな。ご先祖さまとかに支えられているのかなと感じます。自分の努力もあるけど、それ以前のものがあるような気がする。

オ 「週刊プロレス」とか見ても、僕がやられてるところが表紙になる。勝ってもそんなに喜んでもらえないというか。寂しい部分ではありますが、それは僕だけじゃなく横綱、プロ野球の巨人とかもそう。強い人に立ち向かう方を応援するというのもある。

白 上にあがっていく時の方が、楽しいもんね。

-なぜ勝ち続けられるのですか

白 今の関取衆の中で、一番追い込んでる自信があるね。昔は相撲の稽古だけだったんだけど、ここ3、4年は本格的な現代のマシンとあわせてトレーニングしている。半端ないね。うちの石浦と炎鵬はついてこれないもんね。

オ 僕は正直、そこまで胸を張って練習しているとは言えないかもしれないけど、1番のことをやっている自信はありますね。世界中、どのレスラーにも負けない濃い試合をしている。「オレよりすごいことやっている人いないでしょ?」と言えます。

-オカダさんは15歳でメキシコ、白鵬関は15歳でモンゴルから来日。若くして異国の地で修行した点も共通しています

白 僕は入門した時は62キロしかなくて、全く歯が立たなかった。でも、どこかに「俺は横綱の息子だ」という気持ちがあった。(亡くなった父ムンフバトさんはモンゴル相撲の横綱)。0・0何%それを信じて、心の隅っこに置いていた。

-最初は日本語も

白 全くですね。でもモンゴル語と日本語は(文法の)順番が一緒。それがすごく覚えやすかった。それと、18歳で関取になって、奥さんに出会って日本語がうまくなった。

オ 覚えちゃったんですね(大笑い)。僕もメキシコに行った時は、自分がここまでなるとは思っていなかった。でも今、異国の地を踏む人は多い。横綱もそうですしラグビーのリーチ・マイケルも。若くして異国に行くことは、ハングリー精神を生むというか、成功するきっかけになるのかなと思いますね。

白 そう。まず親から離れないとね。

-トップとして競技を広める使命もお持ちです

白 (主催する少年相撲の世界大会)白鵬杯は来年で10周年。15カ国の子どもを呼び、女の子も入れようと考えています。約10年前に、相撲界にさまざまな問題が起きて、入門してくれる子どもたちがいないと今後成り立たないと思ったのがきっかけ。こんなに花が咲くとは思わなかった。

オ プロレスは子どもたちにはできませんが、それでも、もっと子どもたちに身近なものにしていきたい。僕がさまざまなメディアに出させてもらうことで、プロレスに対するイメージは変わると思う。1人でもオカダ・カズチカに憧れてくれる子どもを増やしていきたいです。

-東京五輪で世界中から注目される20年に向けて

白 64年の東京五輪には、おやじがレスリング選手として来ていたんです。その4年後のメキシコでモンゴルに初の銀メダルをもたらした。五輪といえば伝統文化。相撲には、必ず何か仕事がある。親子で、しかも東京五輪の舞台に立てる。そういう夢が5年前にできた。5年前は(20年までの現役続行は)ないなと思っていたけど、もう見えてきました。

オ オリンピックイヤーに灯をともすのは、僕たち新日本プロレスの1月4日、1月5日の東京ドーム大会だと思っている。まず、東京ドームに注目を集めて、その熱い思いのまま東京五輪にいってほしい。僕たちはプロレスで、大きな灯をともしたい。

白 ドームに応援に行こうかな。たぶん行けると思う。横綱になってからテレビでしか見たことないんだよ。

オ いや本当に、タイミング合えばぜひ。

白 着物の中に短パンはいてね(笑い)。

◆オカダ・カズチカ 本名岡田和睦。1987年(昭62)11月8日、愛知県安城市生まれ。中学校卒業後にメキシコにあるプロレスラー養成学校闘龍門に入門し04年8月にメキシコでデビュー。07年8月に新日本プロレス入り。12年2月には棚橋を下し、初めてIWGPヘビー級王座を獲得。同年8月、初出場のG1クライマックスで史上最年少優勝。IWGPヘビー級は第57、59、63、65、69代王者で、通算29度の最多防衛記録を持つ。65代王者として12度の防衛も、1代では最多。得意技はレインメーカー。今年4月に結婚を発表。妻は人気声優三森すずこ。191センチ、107キロ。

◆白鵬翔(はくほう・しょう)本名同じ。1985年3月11日、モンゴル・ウランバートルで生まれる。ムンフバト・ダバジャルガルと名付けられる。00年10月に来日、01年春場所初土俵。04年初場所新十両。同年夏場所、昭和以降4番目に若い19歳1カ月で新入幕。大関昇進した06年夏場所で初優勝。07年名古屋場所で第69代横綱昇進。優勝43回など、さまざまな史上1位の記録を持つ。今年9月に日本国籍取得。昨春亡くなった父ムンフバトさんは、68年メキシコ五輪レスリング銀メダリストでモンゴル相撲の横綱。得意は右四つ、寄り。家族は紗代子夫人と1男3女。192センチ、158キロ。

土俵入りのポーズを決めるオカダ・カズチカ(左)と白鵬(撮影・横山健太)
対談するオカダ・カズチカ(左)と白鵬(撮影・横山健太)

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プロレス通の川崎F斎藤学がオカダ・カズチカを語る

オカダ・カズチカの写真を手に笑顔の川崎F斎藤(撮影・鈴木みどり)

<アスリートが語る:川崎F斎藤学>

「アスリートが語る」第1弾は、サッカー界屈指の新日本プロレス通、川崎フロンターレのMF斎藤学(29)。東京ドーム大会の魅力や親交のあるIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)について語ってもらった。【取材・構成=高場泉穂】

   ◇   ◇   ◇

斎藤がプロレスと出合ったのは13年夏。何の知識もなしに知人に連れられて行ったG1決勝の棚橋-内藤戦を見て、その異様な空気感と一体感に魅了された。以来、東京ドーム大会は14年から連続して観戦。「今回は2日開催で、どうなっていくのか楽しみです」と目を輝かせながら話した。

注目するのは4日のIWGPヘビー級選手権。普段は個人の応援ではなく、俯瞰(ふかん)的に試合の流れを楽しむ観戦スタイルだが、今回は「さすがにオカダさん推し」。この9月、横浜に所属した14年に対談して以来、数年ぶりに後楽園ホールで対面。あいさつそこそこに別れると、すぐ後にオカダから「あいさつ、ちゃんとできなくてすみません」とメッセージが入った。それから連絡を取り合い、11月中旬に新日ファンの東京VのGK柴崎貴広とともに、オカダらCHAOSメンバーと初会食した。

「ビビって行ったんです。そしたら、めちゃくちゃいい人たちだった(笑い)」。互いの競技や、体のケアなど会話は大いに弾んだ。「試合数の多さを聞いてあらためてすごいなと思ったし、体がでかすぎる。柴崎さんもGKだからデカイんですけど、小さく見えるぐらい。限られた人しかできない、とあらためて思った」。プロレスラーへのリスペクトをさらに深めた。

その会に着ていったパーカーには、たまたま“Make it rain(雨を降らせる)”のロゴが入っていた。「狙ってなかったのに『いつも、僕やってます』ってオカダさんに指摘されて」。そのパーカーにサインを書いてもらい、そのまま愛用している。「強くなって、面白さが増している。やられそうな雰囲気でも、最後決めるのが、やっぱりレインメーカー」。年明けはドームでオカダの雨を拝むつもりだ。

レインメーカーポーズを取る川崎F斎藤学(撮影・鈴木みどり)

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