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内山高志氏「地元に貢献」春日部で開業ジムお披露目

ジムのレセプションパーティーを開いた元WBA世界スーパーフェザー級王者内山氏(中央)

プロボクシングの元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者内山高志氏(40)が、2月に出身地の埼玉・春日部市で開業したフィットネス&ボクシングジム「KOD STUDIO」のレセプションパーティーが11日、行われた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、オープン直後に休業となったが、6月から営業を再開していた。

春日部名誉市民の内山氏は「少しでも地元に貢献できるようなことをやれればと思っていた。春日部を盛り上げるためにも頑張っていきたい」。現在、会員は約80人で「200人くらいには増やしたい」とした。内山氏は、東京・四谷にもジム「KOD LAB」を経営しており、元WBA、IBF世界ライトフライ級統一王者田口良一氏も社員としてサポートしている。

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田口良一氏がジムオーナー修行 内山高志氏に学ぶ

内山高志氏(左)と田口良一氏(2019年12月10日撮影)

ボクシング元WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一氏(33)が、先輩の元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者内山高志氏(40)の下でジムオーナー修行に入った。

16日にSNSを通じて、内山氏が代表を務める「KOD LABに入社した」と明かした。

田口氏は昨年11月に引退発表し、近い将来にフットネスジムをオープンしたいと話していた。以前は引退後は麺類の飲食店経営を口にしていたが「知識と経験を生かしたい。軌道に乗れば飲食店も」と方向転換。ジムの先輩だった元日本ミドル王者柴田明雄代表のSOETEジムでトレーナー修行していた。

この日は「初めて内山さんのミットもってみました! 軽くやってもらったのに突き刺す痛みだった」とも記していた。インストラクターとして会員を指導していきながら、経営、運営面なども勉強していくことになる。

内山氏は18年2月に東京・四谷でジムをスタートしたが、今年2月には地元の埼玉・春日部に2つ目のジム「KOD STUDOIO」もオープンしている。多くのワタナベジム出身や現役選手がインストラクターを務めている。

営業は一時休止していたが、ジム存続とインストラクターの生活を守るために、支援金集めのクラウドファンディングを始めた。21日までに500万円を目標にしていたが、100万円の永久会員権などの返礼に、すでに900万円以上が集まっている。こんなアイデアも田口ジム開設への勉強になるに違いない。

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田口良一氏が引退式「2日間断酒」内山氏とスパー

引退セレモニーを前に内山高志氏(右)を相手にスパーリングを行った田口良一(撮影・たえ見朱実)

元WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一氏(33)の引退式が、10日に東京・後楽園ホールで行われた。ワタナベジムの先輩である元世界王者内山高志氏(40)を相手にスパーリングを披露。10カウントゴングが鳴らされ、現役としてのリングに別れを告げた。

スパーは2分3回で、田口氏がKOなら300万円、内山氏なら10万円の賞金がかけられた。最終3回にはともにヘッドギアを脱いで、詰めかけた1587人の観衆を沸かせた。

内山氏は2年前に引退したが、アマジムを経営しながら、自らもトレーニングを欠かさない。田口氏もアマジム経営を目指している。現在はトレーナー修業中だが、体の絞り具合も、動きのよさも、防衛回数通り? 先輩に分があった。ロープを背にしてパンチをかわしきられ、じだんだを踏んだ。左ボディーを食うと、ロープまで後退する場面も。手が出なくなって苦笑いしたりした。

スパー後には、内山氏から大好きなラーメン1年分の目録がプレゼントされた。内山氏は「このために2日間だけ酒をやめて練習してきた。人柄を示して、こんなにお客さんが入った。第2の人生も応援してあげて」とリングから呼び掛けた。

田口氏は時折声を詰まらせて、ファンにあいさつした。「18歳で世界王者を目指して始めたが、何度も辞めようと、心が折れかけた。みなさんの応援のおかげで世界王者になれた」と頭を下げた。さらに「後輩達も応援してください」と田口氏らしいお願いで締め、グローブをつるした。

引退セレモニーで10カウントを数える田口良一(撮影・たえ見朱実)
引退セレモニーを前に内山高志氏(左)を相手にスパーリングを行った田口良一は、笑顔でファンの声援に応える(撮影・たえ見朱実)

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引退の田口良一「世界王者の夢を実現。やりきった」

引退を発表した元世界王者田口良一

元WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一(32=ワタナベ)が、現役を引退してフィットネスジム経営を目指す。

20日に都内で引退を発表した。2階級制覇へ3月にWBO世界フライ級王者田中恒成(24=畑中)に挑戦も判定負け。「世界戦に2連敗し、モチベーションが上がらなかった。世界王者の夢を実現して大満足。やり切った」と引退を決意した。

「きのうラーメン食べたんで、顔むくんでないですか?」。引退会見は田口らしい一言で始まった。田中戦から2カ月ぐらいで引退を決め、一番支えてくれた父勝良さんに真っ先に報告した。「4回戦でもスタミナなく、8回戦も無理だと思った。世界戦を戦ってきて、引退会見までするとは。今は不思議な感じ」との心境を口にした。

思い出の試合を問われると「1つに決めきれない。デビュー戦も、新人王も…」と、田中戦まで次々列挙した。中学でボクシング教室に通ったのが最初。横浜光ジムに入門も2ケ月で足が遠のいた。芝商高時代に通学途中で車窓から見たワタナベジムに入門。ヘルニアでブランクを作り、「5年でも成長の実感がなかった」と挫折の連続だった。

今やスーパースターの井上尚弥の存在が開花につながった。12年に高校生だった井上とのスパーリングでボコボコにされた。1年後に日本王者となると、初防衛戦で井上の挑戦を受けた。判定負けも連続KOを止めた。

「あの試合があったから世界王者になれた。それ以降の相手は井上より強くない。気持ちが楽になった」。陣営ではミニマム級で世界挑戦のプランだった。渡辺会長は「世界戦より井上とやりたいと言った。気持ちが強く、根性があった」と振り返った

14年にWBA王者アルベルト・ロセル(ペルー)に世界初挑戦し、ジム3人目となる世界王者になった。昨年にはIBF王者ミラン・メリンド(フィリピン)に判定勝ちで、日本人3人目の2団体統一王者に。初の統一王者で初防衛戦は判定負けで陥落も、7度防衛は日本人歴代8位タイを誇る。

引退後は大好きな麺類の飲食店を経営するのが目標に掲げていた。「好きなだけで無知。失敗してからボクシングに戻るのも…。経験と知識でジムの方が勝算がある」。近い将来にフィットネスジムを開くつもりだ。

現在はジムの先輩だった柴田明雄代表のSOETEジムでトレーナー修行している。「なるべく早くやりたい。プロのボクシングジムもやりたいと思うようになれば。軌道に乗ったら飲食店も」と、次の夢もあきらめていない。

前夜は漫画「はじめの一歩」の30周年記念トーナメントで、後輩の応援に駆けつけた。ボクシングに興味を持ったのは、親からもらった地域振興券3000円で、ゲームソフト「はじめの一歩」を購入がきかっけだった。会場で作者の森川ジョージと初対面し、記念撮影した。「現役最後でいい思い出ができた」と笑みがこぼれた。

戦績は27勝(12KO)4敗2分。12月10日の東京・後楽園ホールで引退式に臨む。10カウントゴングを聞き、グローブをつるす。

ベルトの重さに耐えられなくなって笑う元世界王者田口良一
引退を発表した元世界王者田口良一(左)と渡辺均会長

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田口良一が引退発表 元2団体統一世界王者

田口良一

元WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一(33=ワタナベ)が20日、都内で現役引退を発表した。2階級制覇を狙って3月にWBO世界フライ級王者田中恒成(24=畑中)に挑戦。0-3で判定負けしたが進退は保留していた。

芝商高時代に通学途中で車窓から見たワタナベジムに入門し、06年にプロデビューした。07年に全日本新人王となり、12年には高校生だった井上尚弥とのスパーリングでボコボコにされた。1年後に日本王者となり、初防衛戦で井上の挑戦を受けた。判定負けも連続KOを止めて、成長を示して一躍注目された。

14年にWBA王者ロセル(ペルー)に世界初挑戦し、ジム3人目となる世界王座を獲得した。昨年にはIBF王者メリンド(フィリピン)と対戦し、日本人3人目の2団体統一王者となった。初の統一王者で初防衛戦は判定負けで陥落も、7度防衛は日本人歴代8位タイだった。戦績は27勝(12KO)4敗2分。

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船井初世界戦へ同門田口の現地応援に「ありがたい」

世界初挑戦に向けて渡米した船井龍一

ボクシングIBF世界スーパーフライ級1位船井龍一(33=ワタナベ)が、世界初挑戦に向けて力強い援軍を得た。

5月4日に米カリフォルニア州ストックトンで、同級王者ジェルウィン・アンカハス(27=フィリピン)のV7戦で世界に挑む。28日に羽田空港から渡米したが、試合当日には約30人の応援団が駆けつけ、同門の元WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一(32)も現地で後押しする。

船井は田口の1歳上で入門も1年早かった。ともに07年の東日本新人王決勝に進出も、田口は勝ったが、船井は敗退した。同じたたき上げで、田口は世界王者になった。大きく後れを取っていた船井は、田口が7度防衛する姿に刺激を受けて奮起した。「現地まで来てくれるとは本当にありがたい」と、船井には何よりの強力な応援となるはずだ。

初の海外での試合となるが、時差対策に機中で睡眠をとるため、この日は深夜3時に起きた。早朝に散歩しながら、安衣夫人と北品川にある荏原神社に行き、必勝祈願した。最近の試合前は恒例となっている。カバンにはおかゆのレトルト、うなぎやサバの缶詰、みそ汁に、減量中は欠かさないナッツなどを詰め込み、決戦へ備えた。

減量は早めに落とし、すでにリミットまで3キロとなった。39戦目となるが「今まで一番調子がいい。やり残したことはない。これで負けたら文句ない。距離をつぶしていき、はまればガツンといく」。日本人として令和初の世界戦で王座奪取を誓った。【河合香】

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異質な飯田覚士 TV企画、部活の延長から世界王者

平成のボクシング界について語る飯田覚士さん

<平成とは・バトル編(2)>

平成が幕を開けて間もなく、日本ボクシング界に異質なボクサーが現れた。後にWBA世界スーパーフライ級王者になる飯田覚士である。90年(平2)、日本テレビのバラエティー番組「天才たけしの元気が出るテレビ!!」の“ボクシング予備校”という企画に、プロテストを目指す練習生の1人に選ばれた。

当時、飯田は岐阜経済大3年。「ボクシング部でしたが、ツアーコンダクターになりたかったので、プロになるつもりはなかった。練習に物足りなさを感じていたのと、テレビに出れば思い出になると思って応募した」。どこにでもいる普通の大学生で、ボクサーらしからぬ甘いマスクにきゃしゃな体形。そのギャップがボクシングと無縁の若い女性のハートに響いた。

日曜の夜に放送される平均視聴率15%の人気番組で、定期的に成長ぶりが紹介されると、飯田の人気は沸騰した。90年9月の大阪城公園での公開スパーリングには1万人を超えるファンが殺到した。テレビ局の意向に応じて番組内で「チャンピオンになる」と公言していたため「引くに引けなくなった」と飯田。翌91年3月にプロデビュー。翌年の全日本新人王決勝戦には8000人の大観衆が詰めかけた。

昭和の時代、ボクシングには怖い、痛い、危ないというイメージが根強くあった。その象徴が昭和40年代に大ヒットした漫画「あしたのジョー」。貧しい不良少年が拳ひとつでのし上がっていくストーリーで、実際に漫画を地でいくボクサーも多かった。飯田はそんな近寄りがたかったボクシングを、部活の延長のような身近な存在に変えた。飯田自身「パンチパーマなどのいかつい格好で相手を威嚇するのは嫌だった」という。

この頃から飽食の時代に敬遠されつつあったボクシングジムに「僕も挑戦してみよう」と若者が足を向け始めた。飯田が全日本新人王になった翌年度には、100人台だった新人王のエントリーが265人と急増。マイク・タイソンの2度(88、90年)の東京ドーム防衛戦など複合的な要素も重なり、89年に1200人だったプロボクサーは年々増加し、06年には3200人にまで膨れあがった。

もうひとつの要因が89年から現在まで続く「少年マガジン」(講談社)の人気漫画「はじめの一歩」(森川ジョージ著)。いじめられっ子の主人公がボクサーに救われ、自らボクサーとして成長していくストーリーが、平成の若者に圧倒的な支持を受けた。元WBA、IBF世界ライトフライ級王者の田口良一をはじめ、この漫画に刺激を受けてボクシングに興味を持った世界王者も多い。

彼らは根性論が主流だったジムの練習にも新風を吹き込んだ。「根性で勝つんじゃないと自分に言い聞かせてサプリメントをとったり、インナーマッスルや動体視力も鍛えた」と飯田は回想する。元WBC、WBA世界ミニマム級王者で大橋ボクシングジム会長の大橋秀行は「今は昭和の時代と練習方法も食事も180度違う。八重樫東(世界3階級制覇王者)は科学的な筋トレを取り入れて、脂を抜いた食事を心がけている」と明かす。

飯田は世界挑戦2度失敗後の97年12月、ヨックタイ・シスオー(タイ)を判定で下してついに世界王座を奪取。2度の防衛にも成功した。普通の大学生が世界王者にたどりついて気付いたことがある。「根性論が嫌いで、科学的なトレーニングを存分にやった。でも結局、ボクシングは最後はど突き合いなんです。流血しようが構わず打ち合う。行き着いた先は、ストイックで己の身を削らないと勝てない過酷なスポーツでした」。時代は移ってもボクシングの本質、世界の頂点への厳しい道のりに変わりはない。【首藤正徳】

(敬称略)

97年12月、ヨックタイ・シスオーにパンチを放つ飯田(左)

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田中恒成「すがすがしい気持ち」中京大卒業式に出席

中京大卒業式に出席したWBO世界フライ級王者田中恒成(撮影・加藤裕一)

ボクシングの世界3階級覇者のWBOフライ級王者田中恒成(23=畑中)が19日、名古屋市の名古屋国際会議場で行われた中京大卒業式に出席した。

中京高(現中京学院大中京高)3年時にプロデビュー、昨秋の経済学部卒業までボクシングと学業を両立した田中は「すがすがしい気持ちです」。16日の元WBA&IBF世界ライトフライ級統一王者田口良一との初防衛戦から3日後で、両目に腫れは残っていたが、リング上とは別の笑顔を見せた。

「この4年間で、ボクシング1本で食べていける結果、実績を残そう」という決意で学生生活を過ごしたといい「減量中のテストが苦しかったですね」と思い出を振り返る。式典で、同大ではフィギュアスケート浅田真央以来となる理事長特別賞を受けた。卒業が半年遅れたため、この日は同級生がほぼいなかったが、式に出席して「新たなスタートになる、という気がした。高い志をもって、頑張っていきたい」という。

田口戦の平均視聴率が中京地区6・1%、関東地区3・6%、関西地区3・8%(ビデオリサーチ調べ)だったことについては「残念ですね」とこぼし、さらなる飛躍を誓った。

中京大卒業式に出席したWBO世界フライ級王者田中恒成、右は同大の梅村清英理事長(撮影・加藤裕一)

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田口良一が田中恒成戦への決意「逃げるつもりなく」

WBO世界フライ級タイトルマッチの前日計量をともにリミット50・8キロでパスした王者田中(左)と挑戦者田口(撮影・加藤裕一)

WBO世界フライ級タイトルマッチの調印式、前日計量が15日、名古屋市内で行われ、世界最速タイ3階級覇者の王者田中恒成(23=畑中)と元WBA&IBF世界ライトフライ級統一王者の挑戦者田口良一(32=ワタナベ)がともにリミットの50・8キロでパスした。17年大みそかに対戦するはずが、田中の両目負傷で流れたカードが実現する。

田口は新幹線で名古屋入りして計量に臨んだ。過去の世界戦9試合は、すべてボクシング教室で通った思い出の東京・大田区総合体育館だった。初のアウェーとなるが「昔なら意識しすぎて緊張した。今は気にならない」と落ち着いた表情。階級を上げたことで減量苦からも解放され、肌つやもいい。渡辺会長は「今までで一番のコンディション」とうなずいた。

1月10日に大一番が発表されてから「人生史上最速の2カ月」を過ごしてきた。「やり切ったことを出し切りたい。逃げるつもりはなく打ち合う」と気合を込めた。この朝の出発前に先輩の内山氏に電話で決意を伝え、励ましの言葉で送り出されてきた。

王者時代も好きな青で通してきた。今回はガウン、トランクス、リングシューズ、グローブに加え、スニーカー、キャリーバッグも青で統一。挑戦者カラーに思いがこもる。計量後の食事も恒例のデニーズにこだわり、お決まりのキウイフレッシュを飲み、決戦のゴングに備えた。

前日計量をともにリミット50・8キロでパスした王者田中恒成(左)と挑戦者田口良一(撮影・加藤裕一)

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田中恒成「普通にはならない」平成最後の大勝負宣言

WBO世界フライ級タイトルマッチの前日計量をともにリミット50・8キロでパスした王者田中恒成(左)と挑戦者田口良一(撮影・加藤裕一)=

WBO世界フライ級タイトルマッチの調印式、前日計量が15日、名古屋市内で行われ、世界最速タイ3階級覇者の王者田中恒成(23=畑中)と元WBA&IBF世界ライトフライ級統一王者の挑戦者田口良一(32=ワタナベ)がともにリミットの50・8キロでパスした。17年大みそかに対戦するはずが、田中の両目負傷で流れたカードが実現。「平成最後の大勝負」で王者が初防衛を予告した。

   ◇   ◇   ◇

勝つ自信はもちろん、誰もが見ほれる試合をする絶対の自信がある。田中は調印式で断言した。「平成最後の大勝負と言って恥ずかしくない、ふさわしい試合になると思います」。

強者と戦いたい世界3階級王者にとって、田口戦は痛恨の忘れものだった。WBOライトフライ級王者だった17年、当時「軽量級の名王者」と呼ばれたWBA同級王者田口に統一戦を呼びかけ、同年大みそかに対戦する予定だった。ところが、9月の2度目の防衛戦で両目眼窩(がんか)底を骨折し、プラン消滅。それが階級を上げて実現する。

「今更だけど、田口選手は最高のライバル。(実現まで)いろんな思い、たくさんのことがあったけど、やるべくしてやる、と思っている。普通の試合で終わらせるつもりはない、というかならないです」。

昨年は“モンスター”WBAバンタム級王者井上尚弥の“70秒KO”を差し置き、今のベルトを奪った9月の木村翔戦で年間最高試合賞を獲得。今年も田口戦で同賞を-。「こんなおもしろいカードで、つまらない試合を見せるつもりはない」。恋い焦がれた相手を倒し、忘れものを手にするつもりだ。【加藤裕一】

◆平成の日本ジム所属選手同士による世界戦 今回で47戦目。94年(平6)12月のWBCバンタム級統一王座決定戦(王者薬師寺保栄が暫定王者辰吉丈一郎に判定勝ち)や、12年(平24)6月のWBC&WBAミニマム級王座統一戦(WBC王者井岡一翔がWBA王者八重樫東に判定勝ち)など、王者同士の統一戦6試合を除く40試合中32試合で王者が防衛している。

WBO世界フライ級タイトルマッチの前日計量をパスした王者田中恒成(左)と挑戦者田口良一はにらみ合う(撮影・加藤裕一)

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田中恒成-田口良一2年越し対戦は平成最後の世界戦

WBO世界フライ級タイトルマッチの前日計量をともにリミット50・8キロでパスした王者田中恒成(左)と挑戦者田口良一(撮影・加藤裕一)

ボクシングのWBO世界フライ級タイトルマッチ(16日、岐阜メモリアルセンターで愛ドーム)の調印式&前日計量が15日、名古屋市内で行われた。世界最速タイ12戦で3階級を制した王者田中恒成(23=畑中)と、元WBA&IBF世界ライトフライ級統一王者の挑戦者田口良一(32=ワタナベ)は計量をリミットの50・8キロでパスした。

両者がライトフライ級だった17年大みそかの対戦が1度は合意に達しながら、田中の両目負傷で流れた。2年越しで実現する運命的なファイトは。国内で“平成最後の世界戦”となる。田中は「ケガもなく最高の調整ができた。言い訳は一切ありません。田口選手は最高のライバル。平成最後の大勝負と言ってもいい、それにふさわしい試合になると思います」と意気込みを語った。田口は「田中選手は賢いボクシングをするし、気持ちも強い、一流のチャンピオン。打ち合いの時間帯が多くなると思いますが、どんな対応もできるようにする」と話した。

試合の模様は16日午後4時から、TBS系で全国生中継される。

WBO世界フライ級タイトルマッチの前日計量をパスした王者田中恒成(左)と挑戦者田口良一はにらみ合う(撮影・加藤裕一)

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田口良一「一発やってやる」田中との因縁マッチ気合

ミット打ちで田口(右)は梅津トレーナーに左ジャブを打ち込む(撮影・山崎安昭)

ボクシング前WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一(31=ワタナベ)が12日、都内のジムで練習を公開した。

16日に岐阜で挑戦するWBO世界フライ級王者田中恒成(畑中)は、対戦が1度はご破算になった因縁の相手。「王座返り咲きも2階級制覇も考えにない。この強い相手に勝てば、喜びは人生で一番になる」と意気込んだ。

17年に2団体統一戦目前も、田中がケガから王座返上で白紙になった。「ずっともどかしさがあった」と言い、昨年王座からも陥落した。「過去最高のモチベーション。運命を感じる相手に一発やってやる」。普段は控えめも珍しく強い決意が口をついた。

階級を上げたことで減量苦もなくなり、コンディションも絶好調という。練習の成果を示す2連休もしたが、いつものように試合の夢を2度見た。KO勝ちと負けた控室のシーンだった。「リングで決着をつける」と気合を込めた。

ポーズを決める田口(撮影・山崎安昭)

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賭け事関心ない京口、所持金3000円でマカオ来た

井上孝志トレーナー(右)相手のミット打ちを見せる京口(撮影・加藤裕一)

大みそかに中国マカオでのWBA世界ライトフライ級タイトルマッチで、世界2階級制覇に挑む京口紘人(25=ワタナベ)が27日、現地のマカオボクシングハスで練習を公開した。

対戦相手のスーパー王者ヘッキー・ブドラー(30=南アフリカ)について「独特のリズムがあって、3発、4発まとめてくる。ただ、パワーに関しては自分に分があると思ってます」と話した。

マカオと言えば、米国ラスベガスに匹敵するカジノの街だが、賭け事には全く関心がない。「日本から持ってきたお金、3000円だけです」。現地で使うことはないと見越し、24日の日本出発時、財布に1000円が3枚入っていたのを確認して「これで、成田に戻った後、家まで帰る時に何かあっても大丈夫」と、そのまま持ってきた。

ブドラーはジムの先輩、元WBA・IBF世界ライトフライ級統一王者田口良一が5月に判定負けし、ベルトを奪われた相手。今回は敵討ちともいえる。「それは特に意識してないですね。結果的にはそうなると…。田口さんには『おまえが勝つと思うよ』と言ってもらいました」。自信満々で、残り数日、体調を整えていく。

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田中恒成「前向き」防衛戦田口良一にラブコール

世界3階級制覇達成から一夜明け、快挙を報じた日刊スポーツを手に笑顔を見せる王者田中恒成(撮影・加藤裕一)

WBO世界フライ級王座を奪取し、世界最速タイの12戦目で世界3階級制覇を達成した田中恒成(23=畑中)が25日、名古屋市内で一夜明け会見を行い、防衛戦の相手として元WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一にラブコールを送った。

田口は、昨年に田中が、同級王座統一戦実現に動きながら、自身の両目眼窩(がんか)底骨折で消滅。田口陣営は今後、フライ級転向も視野に入れており、田中は「もし田口さんがやりたいと言えば、自分は前向き。やりたいと思います」と語った。

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田口良一、現役続行表明「あれで終わっていいのか」

現役続行を表明した田口良一(中央)と渡辺均会長(左)、梅津宏治トレーナー

前WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一(31=ワタナベ)が20日、都内のジムで現役続行を表明した。

5月にヘッキー・ブドラー(30=南アフリカ)に敗れて王座を陥落したが、再戦で雪辱を目標に掲げた。陣営は王座奪回後はフライ級に上げて、2階級制覇を目指すプランも明かした。

ブドラー戦では日本人3人目の統一王者で初防衛に、WBA王座は日本歴代6位に並ぶV8を逃した。「いい引き際」と、家族、友人、先輩の元世界王者内山高志氏らに1度は引退すると伝えた。大半から続行を希望されたが、以前から考えていた飲食店経営の準備にとりかかろうとしていた。

3週間後に体を動かし始めると、悔しさが湧いてきた。「心身ともうまくいかなかった。不完全燃焼でふに落ちない。あれで終わっていいのか」という気持ちが強くなった。「とにかくブドラーにリベンジしたい」と6月中旬には現役続行を決断した。渡辺会長も「オプションもあるのでできると思う」と、即再戦への交渉に入る。

減量苦もあるため、フライ級も視野に入れている。同級では24日にWBO王者木村と3階級制覇を目指す田中が日本人対決する。田口と田中の王座統一戦が注目されていた時期もある。渡辺会長は「勝者とやれるようなら面白い」と話す。

再出発へ「心機一転で変化をつけ、一からスタートしたい」と話す。そこで元日本王者の梅津トレーナーと練習していくことにした。入門時の洪トレーナーと同じ門下生で気心は知れている。9年間ついていた石原トレーナーもサポートしていく。1週間前から本格ジムワークを始め、ブドラー対策にも取り組んでいる。田口は「まだ伸びシロがあり、さらに強くなっていく」と再び世界の舞台を目指す。

現役続行を表明した田口良一(中央)と渡辺均会長(左)、梅津宏治トレーナー

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田口良一の再戦準備続行へ渡辺会長「交渉する」

ブドラー戦に敗れた田口良一

 20日に王座陥落したボクシング前WBA・IBF世界ライトフライ級王者田口良一(31=ワタナベ)の師匠、渡辺均会長(68)は21日、都内の所属ジムで新王者ヘッキー・ブドラー(30=南アフリカ)陣営と再戦に向けた協議する方針を示した。

 「田口の今後は白紙です」と前置きした上で「ブドラー陣営とちゃんと交渉だけはします。向こうの陣営との双方の意思だけは確認しておきます」と明かした。田口自身は進退について明らかにしていないものの、渡辺会長は「田口には、もう少しちゃんとやってあげたい気持ちがある。昨日は動きも良くなかったし」と“親心”をみせていた。

 田口は20日、日本人初の2団体統一防衛戦に臨んだものの、ブドラーに1ポイント差の判定負けを喫していた。

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京口紘人が統一戦を希望「組んでもらいたい」

2度目の防衛成功から一夜明け、ジムで会見に臨んだIBF世界ミニマム級王者京口紘人(中央)左は渡辺会長、右は井上トレーナー

 20日に2度目の防衛に成功したボクシグIBF世界ミニマム級王者京口紘人(24=ワタナベ)が一夜明けた21日、都内の所属ジムで会見に臨んだ。3回に人生初のダウンを喫しながらも、挑戦者のIBFライトフライ級10位ビンス・パラス(19=フィリピン)に3-0の判定勝ち。年内は9月、順調に勝てば年末と予定されており「(団体)統一戦をマスコミの方に取り上げてもらっていて、具体的な話があれば組んでもらいたい」と統一王者への意欲を示した。

 今月13日にはフィリピンでIBFミニマム級指名挑戦者決定戦が開催され、同級3位マーク・アンソニー・バリガ(24=フィリピン)が勝利。渡辺均会長(68)は「IBFの指名の状況を確認したい」とバリガとのV3戦になる可能性を示唆。さらにWBO同級王者山中竜也(真正)の名前を挙げ「年末には統一戦をやりたい」と説明した。

 京口は将来的に階級を上げたい意向を持ち「減量のことを考えれば、ライトフライ級にいずれは殴り込みたいです」と含みを残した。また王座陥落したジムの先輩、前WBA・IBF世界ライトフライ級統一王者田口良一(31)に向け「またベストコンディションでリベンジしてほしい」とエールを送りながら現役続行を期待していた。

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田口良一1点に泣く「詰め切れなかった自分がダメ」

12回、挑戦者ブドラー(左)に左フックでダウンを見舞う田口(撮影・野上伸悟)

<プロボクシング:WBA、IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇20日◇東京・大田区総合体育館

 WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一(31=ワタナベ)が、日本人初の偉業に失敗した。挑戦者ブドラー(南アフリカ)にペースを握られ、最終12回にダウンを奪うも、1ポイント差の0-3で判定負け。日本人3人目の統一王者で初の防衛戦だったが、WBAは日本歴代6位に並ぶV8も逃した。今後は時間をおいて方向を見極める。

 最終12回に田口の左フックがアゴに命中した。ブドラーはダウンもレフェリーはスリップと判断。採点集計中にダウンと訂正されたが、ジャッジ3者とも1ポイント差だった。試合中ダウンなら逆転得たか。田口は「もう1回ダウンまで詰め切れなかった。自分がダメ。受け入れます」と負けを認めた。

 4回にはボディー攻撃にコーナーへ追い込まれた。サイドの動き、ワンツーに続くジャブや右クロス、スタミナ。予想通りで対策していたが「ペースを取られた。うまく強い実力者だった」。WABミニマム級5度防衛から2階級制覇のキャリアを崩せなかった。

 日本人では井岡、高山に次ぐ2団体統一王者も、過去2人はすぐに王座の1つを返上した。田口は初の偉業への挑戦で、応援団も倍増の1300人が駆けつけた。石原トレーナーは「過去最悪の入りで足が動かなかった。重圧からか、気持ちがつくれていなかった」と、逆に負担になったかもしれない。

 前日にジャッジ構成で紛糾した。1人がブドラーと同じ南アフリカ人で、夜に残る2人のうち1人が日本人に変更された。構成はプロモーターのジムに最初に伝えられていた。直前に気づくなど、長期防衛から陣営に気の緩みがあったともいえそうだ。

 ブドラーは日本で再戦も歓迎した。田口は「応援に応える結果を出せず悔しい。あとは何も考えていない」。陣営は階級アップなどのプランもあるが、何より田口が再び気持ちをつくれるか。進退を含めじっくり考えることになる。【河合香】

 ◆田口良一(たぐち・りょういち)1986年(昭61)12月1日、東京都大田区生まれ。04年にワタナベジムに入門してアマ2戦2勝(2KO)。06年プロデビューで1回KO勝ち。ライトフライ級で07年全日本新人王。13年4月に再挑戦で日本同級王座獲得。同年8月に井上に判定負けで初防衛失敗。14年12月にWBA世界同級王座獲得。17年12月にIBFと2団体同級王座統一。167・5センチの右ボクサーファイター。

ファンに謝罪するように手を合わせ、リングを降りる田口(撮影・横山健太)

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4回、田口にパンチを浴びるせ挑戦者ブドラー(右)(撮影・野上伸悟)

<プロボクシング:WBA、IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇20日◇東京・大田区総合体育館

 2階級制覇に成功した挑戦者ブドラー(南アフリカ)は先行逃げ切りの作戦が的中した。

 立ち上がりから積極的に攻め5回までに大きくリード。最終12回にはまさかのダウンも喫したが「とてもホットな戦いに勝ててうれしい。すごく公平なジャッジだった」と傷だらけの顔をくしゃくしゃにして喜んだ。オプション契約で初防衛戦は日本で戦う。「相手は田口でもいい。でも、1回打ちのめした相手は2回目も打ちのめします」と自信満々で言った。

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田口「打ち勝つ」倍増1300人大応援団に勝利を

WBA・IBF世界ライトフライ級タイトルマッチの計量をクリアし、ポーズをとる王者田口(撮影・野上伸悟)

 WBA&IBF世界ライトフライ級王者田口良一(31=ワタナベ)が、大応援団の後押しで日本人初の偉業を果たす。19日は大田区総合体育館で前日計量があり、挑戦者のブドラー(南アフリカ)ともリミットの48・9キロでパスした。国内で2団体統一王者の初防衛へ、約1300人の大応援団が駆けつける。

 田口が用意した入場券は当初100枚増の800枚だった。14年の初挑戦時の約200人から4倍増だ。毎回お礼の一筆を入れて発送する。応援の輪が少しずつ広がってここまできた。

 さらに今回はボクシング好きの教育関係会社社長と知り合い、「ありがたいことに」と500枚の大口が加わった。一気に前回からほぼ倍増の応援団だ。先輩世界王者内山氏は会社員経験もあって営業力があった。渡辺会長は「田口も内山並みですごい」と驚いた。

 異例の日中ゴングも観客のために決めた。テレビ中継枠は2つの選択肢があり、もう1つは19日の土曜日夕方。「見に来てもらいやすいと思って」と、慣れない日曜日の日中を即決した。

 田口は入れ墨の多い相手に「間違いなく痛みに強い」と軽口をたたく王者の余裕もあった。「ジャブで先手をとり、正々堂々激しく打ち合って勝つ」と約束し、大声援に応えるつもりだ。【河合香】

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