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王者比嘉大吾がV1戦で突破を目指す2つのジンクス


 WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(22=白井・具志堅)が14連続KO勝利で、2つのジンクスも打ち破る。22日に初防衛戦(両国国技館)を控えた19日、都内のホテルでWBC世界ライトフライ級王者・拳四朗(25=BMB)とともに調印式に臨んだ。沖縄出身王者による初めてのKO初防衛、日本人のフランス人との世界戦初勝利をダブルで達成する意気込みだ。またトリプル世界戦のメイン、WBA世界ミドル級タイトル戦(エンダム-村田戦)の調印式は今日20日に都内で行われる。

 14連続KO勝利での初防衛だけに照準を合わせる。日本初の13戦全勝全KOで世界王者となった比嘉は「ここまできたら判定までいくのは納得いかない気持ち。12回の間に倒しきって勝ちたい」。パーフェクトレコード更新で2つのジンクスも突破する覚悟だ。

 (1)過去、日本ボクシングコミッション公認の沖縄出身世界王者6人は初防衛戦でKO勝ちしていない。守備重視のマソンに対し、師匠・具志堅会長は「倒しにくい」と警戒。周囲の心配にも、比嘉は「沖縄出身の先輩たちのように攻めるスタイルで、全国に感動を与えたい」と豪語した。

 (2)日本人が過去、フランス人と対戦した世界戦は4戦全敗の嫌なデータがある。その記録を知るマソンに「オレが続けよう。(比嘉の13連続KOに)怖さはない。今までの選手たちとは違う試合をみせる」と挑発された。王者も黙っていられない。「マソン選手も自分みたいなタイプと対戦したことはないでしょう」。

 具志堅会長には「7時からの生中継で早く倒しすぎても。いい回でゴーサインを出す」と7~8回のKO指令を受けた。「何回でもKOできれば」と言う比嘉が、ジンクスも打破で日本記録の15連続KO勝利に王手をかける。【藤中栄二】

沖縄出身世界王者の初防衛戦
日本人の対フランス世界戦

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比嘉大吾と拳四朗会見 ともに自信「倒して勝つ」


 ボクシングのトリプル世界戦(22日、両国国技館)にともに初防衛戦を迎えるWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅)、WBCライトフライ級王者拳四朗(25=BMB)が19日、都内のホテルで調印式と記者会見に臨んだ。

 挑戦者に同級5位トマ・マソン(フランス)を迎える比嘉は、「調子もよくて後はやるだけだと思っています。12回あるうち、あいだに倒して、絶対に勝ちたい。倒して勝ちます。過去の沖縄の先輩みたいに攻めるスタイルで全国のみなさんに感動を与えるボクシングをしたい」と抱負。マソンは「最終チェックを細かく見ている段階。試合が近づくほどモチベーションは上がっている。良い試合をしたい。非常に体力が問われる試合になると思っている。そのために練習を重ねてきた。試合で出すだけ」と勝負をにらんだ。

 挑戦者に元世界王者ペドロ・ゲバラ(メキシコ)を迎える拳四朗は「体調も万全なので、しっかり練習して、明日はゆっくり映画でも買い物でもしてリラックスしたい」とリラックス感満載のコメント。「前回は挑戦者として戦ったが、今回は王者の自覚をしっかりもって、王者らしく圧勝したい」と誓った。3度目の世界挑戦となるゲバラは「体調は万全です。最高の体調でこの試合に必ず勝ちたい。試合の鍵になるのは意欲。誰にも負けない意欲をもってやってきた」と語った。

 メインカードとなるWBA世界ミドル級タイトルマッチの調印式と記者会見は20日に予定され、王者アッサン・エンダム(フランス)、挑戦者の同級1位村田諒太(帝拳)が出席する。

調印式を終え記念撮影する、左からライトフライ級挑戦者ペドロ・ゲバラ、同チャンピオン拳四朗、フライ級挑戦者トマ・マソン、同チャンピオン比嘉大吾(撮影・酒井清司)

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比嘉大吾の「脅威」の胸囲に具志堅会長「ヤバイよ」

鍛え上げられた上半身を披露する比嘉(中央)。左は具志堅会長、右は写真を撮る野木トレーナー(撮影・滝沢徹郎)


 22日に初防衛戦(東京・両国国技館)を控えるプロボクシングのWBC世界フライ級王者・比嘉大吾(22=白井・具志堅)が「脅威」の胸囲を披露した。

 18日、都内のホテルで挑戦者の同級5位トマ・マソン(27=フランス)とともに予備検診に臨んだ。5月の世界挑戦時に91センチだった胸囲が、7センチアップの98センチに成長していた。同日に予備検診に臨んだWBA世界ミドル級王者アッサン・エンダム(フランス)と同じ大きさの胸囲と判明した比嘉は「前回の世界戦よりもハードな練習をしてきた成果が出たのだろうと思います」と手応えを口にした。比嘉の師匠・具志堅用高会長(62)は「ミドル級の選手と一緒なんてヤバイよ」と目を丸くしていた。

 一方、挑戦者のマソンは「ボクシングは胸囲でするものではなく、腕でするもの」と反応していた。

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エンダム不気味 サンドバッグに面 練習も独特

練習を公開したエンダムは、マスクを付けたサンドバックを真剣な表情で打ち込む(撮影・浅見桂子)


 ボクシングのWBA世界ミドル級王者アッサン・エンダム(33=フランス)が17日、挑戦者に同級1位村田諒太(31=帝拳)を迎えるタイトルマッチ(22日、両国国技館)へ向けた練習を都内のジムで公開した。不可解判定での勝利が議論を呼んだ5月の王座決定戦からの直接対決。質疑応答では作戦などの質問をはぐらかす場面が散見され、「アフリカン・サムライになる」と宣言した。

 エンダムの煙幕か。練習に先立った会見で、かみ合わない答えを続ける王者がいた。「ディアス・トレーナーに聞いてくれ」。村田対策、警戒するパンチを聞かれると同トレーナーに代弁を願い、その答えも「2人のボクサーが2つの作戦を立てる。その勝負になる」など的を射ないものばかり。5月も同様にけむに巻く場面はあったが、一層徹底された印象。当人が答えたわずかな問答もさらにかみ合わない。

 Q 村田のブロック技術対策は?

 A 村田は大変素晴らしい人物。ハートがある。

 Q 意気込みは?

 A 週末は嵐が起こる。自分に味方してくれる。

 Q 嵐とは?

 A アフリカン・サムライになる。サムライは勝つとバンザイすると聞いた。私もバンザイしたい。

 侍、万歳は日本語。確かにカメルーン出身のフランス人だが…。珍妙な発言が続いた。

 練習も独特だった。サンドバッグに人の顔型のグッズを装着して打ち込んだり、リング上で前転を繰り返してからシャドーを行ったり。5月以上にオリジナル性を発揮して、発言も含めて不気味さを残した。

 第1戦では4回にダウンを喫したが、12回を戦い抜いた。村田は大きく戦い方を変えずにKOでの完全決着を望むが、「自分は倒すつもりはない。12回戦い抜く」という真意は果たして。試合での軽快な足さばき同様、核心をかわし続けた。【阿部健吾】

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エンダム強気、村田に「倒れるとしたらそれはお前」


 ボクシングのWBA世界ミドル級王者アッサン・エンダム(33=フランス)が17日、挑戦者に同級1位村田諒太(31=帝拳)を迎えるタイトルマッチ(22日、両国国技館)へ向けた練習を都内の帝拳ジムで公開した。

 「私にとって再戦はスパーリングを初めてやり、そのパートナーに慣れていく事に似ている。探り探りの状態から、日々会うことで相手のことを理解できる。彼も万全の状態で挑んでほしい。彼の方がプレッシャーはあるのではないか」

 同カードだった5月の王座決定戦(有明コロシアム)では、4回にダウンを喫しながらの2-1の判定勝ちが疑問を生んだ。指示したジャッジが処分を受け、WBAのメンドサ会長も「誤審」を認め、再戦指令を出してダイレクトリマッチが決まった。村田有利の声もある中で、自信をのぞかせた。

 練習では人の顔型のグッズをサンドバッグに装着して打ち込んだり、前転を繰り返した後にシャドーをしたりと、5月同様に独自性あふれるメニューを消化した。

 「倒された経験があるからこそ、倒れない」「どちらかが倒れるとしたら、それはお前だ」と村田にメッセージを残した。

練習を公開したエンダムは、ファイティングポーズ(撮影・浅見桂子)

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エンダム 村田と再戦へ来日 イブラと合同トレも

携帯電話でファンと報道陣を撮影しながら来日したWBA世界ミドル級王者のエンダム(撮影・柴田隆二)


 ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチ(22日、両国国技館)で同級1位村田諒太(31=帝拳)の挑戦を受ける王者アッサン・エンダム(33=フランス)が15日、来日した。判定が物議を醸した5月の王座決定戦以来の直接再戦。汚名返上を期する初防衛戦に向け、サッカーの元スウェーデン代表FWイブラヒモビッチ(マンチェスターU)と合同トレーニングを積んだことを明かした。

 「アッサン!」。羽田空港に居合わせた旅行者から手を振り、呼び掛けられると、サングラス越しに笑顔を振りまいた。ストール、ライダージャケット、腰ばきのジーンズといういでたちで登場したエンダムは、「たくさんの方に迎えていただいた。うれしい気持ちになっています」と上機嫌。村田の雪辱を待ち望むアウェーの地でも、リラックスした空気を醸し出した。

 前回の調整と同じく、米マイアミを拠点にし、ドイツなどでも実戦練習を積んできた。8月にはフランス国内で合同練習。相手は「昔からの友人」というFWイブラヒモビッチ。マンチェスターUと1年間の再契約をした超大物の格闘技好きは有名で、自らも15歳からテコンドー道場にも通っていた。試合で「トリョチャギ(後ろ回し蹴り)」でゴールを奪ったこともある。「とても気が合う」とともに汗を流し、競技は違えど世界の最前線で戦う者同士で刺激しあった。

 5月の第1戦は4回にダウンを奪われた。以降も軽快な足さばきと手数で12回を戦いきったが、判定には批判の声も大きかった。「今回は触れさせない。新しいものをみせる必要はない。ベルトを持ってフランスに帰る」と、アンタッチャブル宣言も飛び出した。【阿部健吾】

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村田諒太との初防衛戦へ王者エンダムが笑顔で来日

WBA世界ミドル級王者のアッサン・エンダムが来日した(撮影・柴田隆二)


 22日に東京・両国国技館で行われるボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチで初防衛戦に臨む王者アッサン・エンダム(33=フランス)が15日、パリ発の航空便で羽田空港に到着した。

 挑戦者にロンドン五輪金メダリストで同級1位村田諒太(31=帝拳)を迎え、判定が物議を醸した5月の王座決定戦以来の直接再戦で、汚名返上を期する。

 サングラス、マフラー、腰履きジーンズ姿で、スマートフォンで撮影しながら空港の入国ゲートから登場。居合わせた多くの人から手を振られ、「アッサン!」の声も飛ぶと、笑顔もみせながら答えていた。都内に移動して、会見を行う。

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清水聡初タイトルで村田超え!4回から作戦変更奏功

4回、ノ(左)に右パンチを見舞う清水(撮影・足立雅史)

<プロボクシング:東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦>◇2日◇東京・後楽園ホール


 ロンドン五輪銅メダリストで同級11位清水聡(31=大橋)が、初防衛を狙った王者ノ・サミュング(韓国)を5回1分54秒TKOで下し、初タイトルを獲得した。4戦目での東洋太平洋ベルト獲得は、WBO世界ライトフライ級王者田中恒成と並ぶ国内最速タイ記録で、戦績を4戦全勝4KOとした。

 頭からバッティング気味に突っ込む往年の韓国スタイルを体現するノに、初回からリズムを乱された。映像では十分に研究したが、見るとやるとでは大違い。「これか」。もくろんでいたアウトボクシングを展開する前に、強引に距離を詰められ、「(パンチではなく)頭のボディーのほうが効いた」と、冗談交じりに振り返るほど。3回にはカウンター気味に右フックも顔面にもらった。

 流れをガラリと変えたのは、4回からの作戦変更。長いリーチの腕を折りたたんで、内側から細かい連打をまとめ続けた。頭を低くして懐に飛び込んでくる相手を迎撃、連打の雨を降らせた。効果はてきめん。4回残り30秒を切ったところで、ノのひざをリングにつかせると、続く5回にも猛ラッシュ。大橋会長が「これが清水の魅力、武器」というファイターの本領を発揮して、相手の土俵で圧倒してみせた。

 勝利後のインタビューでは、「村田をちょっと追い越したかな。あいつはベルトを持っていないので」。今月22日にWBA世界ミドル級タイトルマッチの臨む村田諒太。ロンドン五輪のメダリストコンビとして、親交厚い同世代に「20日間だけですけどね。これで村田も勝つでしょう」とエールを送った。

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村田諒太が連日スパー、課題修正でエンダム戦へ対策

スパーリングを行った村田諒太(17年9月18日撮影)


 ボクシングのWBA世界ミドル級タイトル戦(10月22日)に挑む同級1位村田諒太(31=帝拳)は21日、都内のジムで4回のスパーリングを行った。

 前日に出た課題を修正するため予定を変更して2日連続の実戦練習となった。11月にIBF世界スーパーライト級王座決定戦が決まった同級3位近藤は東洋大の同期。「先に勝ってバトンを渡したい」と王者エンダムとの再戦に必勝を期した。

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井上尚弥、因縁の再戦に「村田さん有利だと思う」


 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24)が21日、神奈川県の黒岩祐治県知事(62)を表敬訪問し、今月9日に米国デビュー戦をTKOで飾ったV6戦の勝利を報告した。元東洋太平洋同級王者の弟拓真(21=ともに大橋)、父真吾トレーナーらと神奈川県庁を訪れ、「アメリカでは貴重な経験ができ、ボクサーとしても人間としても成長できた。神奈川、日本、世界と盛り上げていきたい」と神奈川県座間市出身らしく抱負を述べた。

 報告後には、来月22日に行われるWBA世界ミドル級タイトルマッチについて話を聞かれ、予想した。交流があるロンドン五輪金メダリストの村田諒太(31=帝拳)が、5月の決定戦で疑惑の判定負けした王者アッサン・エンダム(フランス)とダイレクトマッチに挑む一戦。「前回の試合を情報源にどう戦うか。戦い的には村田さんがガードを固めて、もっとプレスをかけると思う。12ラウンドやっているので互いの癖も分かっている試合。村田さんが有利だと思う」と見込んだ。

 自身は年末に国内で試合を予定する。スーパーフライ級で他団体の王者との統一戦を希望しているが、「そこでまた皆さんに勇気を希望を与える試合をしたい。そこから盛り上げていきたい」と誓った。

井上尚は弟拓真、父真吾トレーナー(左から)と県庁前で花束を受け取った

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村田諒太、ゴロフキンの「魔法は解けている」

アルバレス(右)の右がゴロフキンのアゴにヒットする(AP)

<プロボクシング:3団体統一(WBAスーパー、WBC、IBF)世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇16日(日本時間17日)◇米ネバタ州ラスベガス、Tモバイル・アリーナ


 3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(35=カザフスタン)と挑戦者の元2階級制覇王者サウル・カネロ・アルバレス(27=メキシコ)で争われ、引き分けに終わった「ミドル級頂上決戦」について、テレビ観戦したWBA同級1位村田諒太(31=帝拳)は「舞台は特別ですが、実力が抜きんでているかというとそうでもないというのが感想」と述べた。

 採点については115-113でアルバレス。「クエスチョン(がつく)ラウンドだらけ。おまけでカネロというのが多かった」と振り返った。ラウンドの開始1分は攻勢に仕掛け、残り2分は守勢に回るアルバレスと、ラウンド全般を通してプレッシャーをかけ続けるゴロフキンで、どちらを優勢と取るかは判断の難しいところだった。

 ただ、17戦連続KO防衛が止まる判定勝ちとなった3月の前戦に続き、今回は引き分けと成績が「下降」するゴロフキンについては、「下っていると思っている」ときっぱり。「だからカネロも受けたと思う。魔法は解けている」と実感を述べた。

 自身は10月22日にWBA世界ミドル級タイトルマッチ(両国国技館)で王者アッサン・エンダム(フランス)と再戦が待つ。「どこがゴールと決めないで、1戦1戦やるしかない。立ち止まってられないですね」と話した。

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村田諒太「どこでも誰とでもやる」エンダム再戦交渉

練習を終えてジャケット姿で取材に応える村田

 世紀の不可解判定に終わった大一番が、再戦交渉に入る。ボクシングの帝拳ジムの本田明彦会長(69)が28日に都内のジムで取材に応じ、ロンドン五輪金メダリスト村田諒太(31=帝拳)がアッサン・エンダム(フランス)に1-2の判定で敗れた5月のWBA世界ミドル級王者決定戦の再戦に言及。「相手側とは来週から交渉に入る。あまり(再戦は)やる気はないが、ゆっくり話すことにしている」と明かした。

 現時点では可能性が低いにもかかわらず今後について説明したのは、27日にWBAが再戦の興行権入札を7月7日にパナマ市で行うと発表したため。両陣営間で興行権やファイトマネーなどの交渉が合意に至らなかった場合に実施される制度だが、同会長は「全然交渉も始まっていないのにおかしな話だ。入札は100%やらない」と不快感を示した。

 村田の元には試合を高く評価した他団体からのオファーも届く。WBOからは9月の試合を打診されたが日程が合わず、10月以降を条件に返答したという。ミドル級戦線は9月16日に米国で3団体王者ゴロフキン対アルバレスの頂上決戦が控え、その結果次第で世界王座を巡る状況は動く。各陣営が動向を見守っており、村田サイドも選択肢を持ちながら見極めていく。

 この日ジムで練習した村田は「交渉は会長に任せてある。決めてもらえれば、どこでも誰とでもやるというスタンスは変わらない」と述べた。【阿部健吾】

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村田諒太、後援会パーティーで「本当は祝勝会に…」

村田諒太(17年5月22日撮影)

 5月のWBA世界ミドル級王座決定戦の敗戦から再起を決めた村田諒太(31=帝拳)が17日、京都市で後援会のパーティーに出席し、「本当は祝勝会になる予定だった。 申し訳ない」などとあいさつ。

 この日は南京都高(現京都広学館高)時代の恩師、武元前川さんの墓参りもした。

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村田諒太「夢のような夢」ベガス世界戦へ気持ち再燃

練習を再開した村田(右)のパンチに田中トレーナーも思わず顔をしかめた(撮影・中島郁夫)

 ラスベガスドリーム、再燃! ボクシングのロンドン五輪金メダリスト村田諒太(31=帝拳)が8日、現役続行を表明した。先月20日のWBA世界ミドル級王座決定戦で不可解な判定で初黒星を喫したが、世界ベルト再挑戦を決意し、都内のジムで会見。「夢のまた夢」に描いていた米ラスベガスでのビッグマッチを目標に置き直した。敗れたアッサン・エンダム(フランス)との再戦も含め多様な選択肢がある再起戦は、他選手の動向を見て11月以降になる見通しだ。

 初の世界戦となった5月の試合に向けて伸ばしていたひげがきれいにそられていた。さっぱりした顔に生気をみなぎらせ、今後を語った。

 村田 人生ノートの「夢のような夢」に描いていたのは、ラスベガスでビッグマッチをすることでしたが、いつのまにか現実としてとらえていけるものばかりを見ていた。今回の試合で、世界的な評価も少しは得られたので、夢のような夢に少しは近づけたと思いますし、あらためてそこを目指したい。

 元世界王者エンダムからダウンを奪い、その強打、守備力が世界の一線級に通用した自信が、かつての自分をよみがえらせた。プロ13戦目の黒星を「得ることはできなかったけど、失うものはなかった試合」と総括した。気持ちはなえない。むしろ、沸き立つ。「唯一得られなかったものはベルト。取りに行くために尽力したい」とこの日から本格的な練習を再開した。

 再起戦は白紙で、ミドル級戦線の動向を見極める。7月にはWBOの王座統一戦、9月には3団体統一王者ゴロフキン対アルバレスのミドル級頂上決戦が控える。各団体のベルト保持者が誰になるのかで、標的も変わる。帝拳ジムの本田会長は村田が現役続行した場合の次戦を「11月以降の可能性が高い」としており、秋を過ぎ、狙うベルトは固まりそうだ。

 WBAからはエンダムとの再戦指令があり、WBC、WBOからは参戦要請が届いている。「組んでいただければ誰とでもやります」。確信を得た黄金の拳で、夢のような夢をつかむ。【阿部健吾】

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村田諒太、復帰戦は11月以降か エンダムと再戦も

笑顔でパンチを繰り出す村田(撮影・中島郁夫)

 ラスベガスドリーム、再燃! ボクシングのロンドン五輪金メダリスト村田諒太(31=帝拳)が8日、現役続行を表明した。

 先月20日のWBA世界ミドル級王座決定戦で不可解な判定で初黒星を喫したが、世界ベルト再挑戦を決意し、都内のジムで会見。「夢のまた夢」に描いていた米ラスベガスでのビッグマッチを目標に置き直した。敗れたアッサン・エンダム(フランス)との再戦も含め多様な選択肢がある再起戦は、他選手の動向を見て11月以降になる見通しだ。

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村田諒太が何語る?今日30日NHK「クロ現」出演

番組収録で武田キャスターと話す村田(右)

 20日にWBA世界ミドル級王座決定戦を戦ったロンドン五輪金メダリスト村田諒太(31=帝拳)が、NHK総合で今日30日午後10時から放送の「クローズアップ現代+」に緊急出演する。

 試合では元世界王者アッサン・エンダム(フランス)からダウンを奪うなど優勢も、不可解な判定負けで初黒星を喫し、世界中で物議を醸した。歴史的な一戦を、どのような思いで戦い、今後のボクシング人生に何を得たのか。武田真一キャスターが聞く。

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拳四朗、村田疑惑の敗戦に「勝っているような感じ」

 20日にボクシングのWBC世界ライトフライ級王座をつかんだ拳四朗(25=BMB)が26日、同じ会場で世界戦を戦った村田諒太(31=帝拳)について口を開いた。

 村田はWBA世界ミドル級王座決定戦でプロ初黒星を喫したが、疑惑の判定でWBAが25日にジャッジ2人の処分と、アッサン・エンダム(フランス)との直接再戦指令を出す事態に発展している。拳四朗は「試合は見ていなかった。周りの反応や、会長の反応で、村田さんが勝っているような感じはしていた」と語り、複雑そうな表情を見せた。

 この日は、母校の関大(大阪・吹田市)で王座獲得報告会に出席した。

母校の関大で学生らを前にミット打ちを披露する拳四朗(撮影・松本航)

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村田諒太、世界戦高評価で3団体争奪!再戦も選択肢

帝拳ジムにあいさつにきた村田はさわやかな笑顔をみせた(撮影・阿部健吾)

 20日のボクシングWBA世界ミドル級王座決定戦で不可解な判定負けをした村田諒太(31=帝拳)に、世界再挑戦への道が開けた。所属の帝拳ジムの本田明彦会長(69)が22日、試合ぶりを評価した他団体のWBC、WBOからのオファーを明かした。競技を続けた場合は、判定の誤りを認めたWBAから提案される直接再戦も含め、選択肢が広がった。村田はこの日、現役続行に前向きな姿勢をみせた。

 1度は消えかけた世界王者への道筋に、光が差してきた。本田会長は、疑問の判定に泣いた村田を思い、言った。「満足はしていないと思う。どういう気持ちでいるかだが、もしやるならベストを考えたい」。

 試合直後から「(世界再挑戦は)そんなに簡単なものではない」と述べてきた。国内最大級の興行規模、世界で最も層が厚いミドル級の世界戦を日本で行うには、費用も含めてさまざまな障害があった。国内外問わず同級の試合を組むのは、相当な困難が待つ。

 流れを変えたのは、村田への世界的な高評価だった。王座決定戦では元世界王者エンダムを追い詰めた。パンチスピードでも相手を上回り、4回には強烈な右ストレートでダウンも奪った。手数の優劣をみた判定に初黒星となったが、キャリア13戦目ながら、その実力は十分にミドル級の最前線を張れると証明した。

 同会長のもとには、試合直後に「参戦要請」が届いた。「WBC、WBOの会長から次はうちでやってくれと言われている」。負けて評判を高め、世界タイトル戦の可能性を広げた。WBAはメンドサ会長が誤りを認め、直接再戦を提示するが、「再戦はその(選択肢の)中の1つ」とした。

 国内でも機運は急激に高まる。村田の不遇を嘆く声は高まり続け、再チャンスを期待する。試合を放送したフジテレビは関東地区で17・8%、瞬間最高は23・2%(ビデオリサーチ調べ)と高視聴率を記録したと発表。関心の高さが証明され、テレビ局なども支援に前向きとみられる。

 村田はこの日、都内の帝拳ジムに家族とあいさつに訪れた。世論の高まりは「当事者は分からないもの」としながらも、「経験できないことを経験でき、成長になる。味わい深い人生ですね」と笑顔。世界レベルで戦える自信も深めた。今後について、「ロンドン五輪の時は『もういいや』と思いましたが、今回はそうは思わないですね」と続行に前向きな姿勢をみせた。

 方向性が決まるのは、同会長と話し合ってからになる。村田は「(決断が)長くなると迷惑がかかる。良いタイミングで」と見通した。【阿部健吾】

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帝拳会長、村田現役続行なら世界再挑戦サポート約束

帝拳ジムにあいさつにきた村田はさわやかな笑顔をみせた(撮影・阿部健吾)

 ボクシングのロンドン五輪金メダリストで、20日に行われたWBA世界ミドル級王座決定戦で不可解判定により敗れた村田諒太(31=帝拳)の所属する帝拳ジムの本田明彦会長(69)が22日、「村田がやりたい(現役続行)というのなら、サポートをしたい」と、世界王者への再挑戦へ向けた環境作りを約束した。

 試合後に村田とは話し合いの場をまだ持っておらず、本人の意思を確認した上で、今後の動向を決める。

 王座決定戦では村田がダウンを奪うなど、終始優勢に進めていたかに見えたが、ジャッジ2人が対戦者アッサン・エンダム(フランス)の手数を評価し、1-2の判定負けとなった。試合終了直後から日本だけでなく、海外でも判定への疑問を訴える声が噴出。WBAのメンドサ会長(ベネズエラ)が誤りを認め、村田陣営に謝罪し、直接再戦へ動く異例の事態となっていた。本田会長は「「WBC(世界ボクシング評議会)、WBO(世界ボクシング機構)からも、うちで試合をやってほしいという話がある。村田がやりたいと言えばベストな選択をしたい。WBAの再戦も選択肢の一つ」とも述べた。

 渦中の村田はこの日、都内の帝拳ジムにあいさつに訪れた。現在の心境については「判定も含めて、経験できない経験をさせてもらった。人間的な成長になっていると思う。味わい深い人生を送らせてもらってます」と柔和な表情で答えた。しばらく休養を取る予定で、その間に進退を考えるという。「ロンドンの後は、金メダルを取ったし、もういいやという感じがあったが、今回はもういいやという感じではない」と現役続行へ含みを持たせた。

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井上尚弥やはり怪物「気持ちの余裕」サウスポー変化

2回、サウスポースタイルから左ストレートを放つ井上尚(撮影・横山健太)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇21日◇有明コロシアム

 WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が同級2位リカルド・ロドリゲス(27=米国)を3回1分8秒KOで下し、5度目の防衛に成功した。同会場で5つの世界タイトル戦が行われた2日間の最後に登場し、盤石のKO締め。途中、サウスポーの構えに変化する大胆さも見せ、9月に控える米国デビュー戦にも弾みをつけた。

 2回中盤だった。井上が右構えからサウスポースタイルに変化した。「やってみようかな」。スパーリングでは試してきたが、習熟度から試合では使わないと話していたが…。「気持ちの余裕があって。相性的にも試してみようと」。初回で距離感をつかむと、封印するはずだった新兵器を解禁した。その軽快な大胆さこそ「怪物」のすごみ。世界戦も、成長への実験の場。スイッチ直後に左ストレートを顔面に打ち込み、ロドリゲスのひざを折った。

 使える。1つの実験結果を得ると、あとは仕留めるだけだった。3回、構えを右に戻すと、左フックで吹っ飛ばしてダウン奪取。一気に前に出る。最後も左フックでキャンバスに沈め、軽量級では珍しい10カウントを聞かせた。「フルパワーでは打ってない。7、8割ぐらいですね」と振り返るから恐れ入る。

 昨年末のV4戦を終えて取り組んだのは下半身強化。力を拳に伝える基盤を鍛え、さらなるパワーアップを狙った。熱海で2度、計9日間の合宿で砂浜や階段、坂道を使って追い込んだ。「強くなっている感覚がある」と手応えを口にしたが、筋肉量が増えてもスピードが衰えない秘密は、幼少期からの心掛けにある。

 合宿中、瞬発系トレーニングではインターバル(休憩時間)が取られたが、その時に欠かさずシャドーボクシングを繰り返す姿があった。父真吾さんが「筋肉をつけても使えないと意味がない。筋肉にボクシングの動きを教える」と小さい頃から取り組ませた独自の習慣。実際に筋肉を動かすのは神経のため、動きを伝える地道な作業の繰り返しが、パワーとスピードを高次元で兼ね備える井上の強さを生んでいる。

 前夜にはWBA世界ミドル級王座決定戦の村田の不可解判定のことも聞いていた。集まったファン誰もが納得する勝利。「KOが一番分かりやすい。ボクシングですから」と有言実行してみせた。同時にこのKO劇は、9月に予定する米国デビューへも最高のアピールになった。「9月といっても、あと3カ月。体調をコントロールすることですね」。本場を震撼(しんかん)させる準備は整った。【阿部健吾】

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村田諒太「つけ込めなかった反省が残る」/一問一答

判定で敗れ、会見でわずかに涙ぐむ村田(撮影・浅見桂子)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級王座決定戦12回戦>◇20日◇東京・有明コロシアム

 ロンドン五輪金メダリストで同級2位村田諒太(31=帝拳)が、同級1位の元世界王者アッサン・エンダム(33=フランス)に挑んだ世界初挑戦は、4回にダウンを奪うなど優勢とみられたが、1-2の判定負け。五輪メダリストとして日本人初の世界王者には届かなかった。一問一答は以下の通り。

 -闘い方は狙い通り

 もっと打てる場面があっても良かった。(エンダムが)明らかに何発か打った後、休む場面があった。つけ込めなかった反省が残る。

 -途中に負けていると頭によぎったか

 どうなんだろう、というところはあった。ダメージブロー(有効打)じゃなくてジャブを取ったということ。そこは納得せざるを得ない。

 -スタイルは出せた

 判定につながらなかったので仕方ない。ただ試合をしていて楽しかった。中学で(ボクシングを)始めた自分には想像もできなかった。

 -敗因は

 相手が足を使うのがうまかった。

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村田諒太「胸騒ぎがした」不可解判定にも言い訳せず

判定勝ちで喜ぶエンダム(左)と、拳を上げたままがっくりうなだれる村田(撮影・浅見桂子)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級王座決定戦12回戦>◇20日◇東京・有明コロシアム

 世紀の不可解判定だ。ロンドン五輪金メダリストで同級2位村田諒太(31=帝拳)が、同級1位の元世界王者アッサン・エンダム(33=フランス)に挑んだ世界初挑戦は、4回にダウンを奪うなど優勢とみられたが、1-2の判定負け。五輪メダリストとして日本人初の世界王者には届かなかった。本人は不平を口にしなかったが、帝拳ジム本田明彦会長や周囲からは疑問や怒りの声が噴出した。

 村田は「胸騒ぎがした」と判定前の心境を振り返った。「ロンドン五輪の決勝は勝ったなと思っていたんですけど、今日は手が上がる前に変な予感はしていました」。結果が読み上げられる。1-1で迎えた3人目。悪い予感は的中する。115-112、呼ばれたのはエンダム。瞬間、村田はがっくりとうなだれた。会場には、どよめきとブーイングが交錯した。

 所々赤く腫れ上がった、プロでは初めての試合後の顔で、「結果は結果なんで。僕自身がどう受け止めたかではない。第三者の判断が全てですから」と言った。言い訳はしない。ただ「胸騒ぎ」という感情からは、勝利の確信があったことは十分うかがえた。

 ボクシングは採点競技。アマ、プロを通じて151戦目、それは痛いほど分かる。エンダムの手数の多さを優勢とみたことも分かる。ただ不可解な気持ちは時折見せる笑顔の下に隠した。「もう1、2回ダウン取れば勝てる試合だった。それが原因」。自分に理由は求めた。

 作戦は貫徹した。初回から堅いガード越しに好機をうかがう。周囲を回るエンダムをとらえる瞬間を探った。2回から右ストレートを打ち抜き始めた。あえて単発の豪打を続ける。4回、無駄がない軌道の右拳での一撃が、エンダムの顎をとらえる。ダウン。ガードを固めて前に出て打つ。単純だが、最大長所の作戦は間違っていない。ぶれずに12回を戦い抜いた。その精神力は見事だった。

 結果は予想外だった。世界的プロモーターで帝拳ジムの本田会長は「ひどすぎる。作戦通りで完璧だった。今までで一番最低の採点だ。負けは絶対にない」と声を荒らげた。WBAの立会人も村田を支持していたという。同ジムで村田の先輩となるWBC世界バンタム級王者山中も「全部、上回っていた。ジャッジに対してショック」と述べた。

 村田は今後について、「気持ちの整理は必要です。集大成として見せたいところが今日だった。負けたからもう1回頑張るんです、とは言えない。簡単な日々を歩いてきたつもりはないので」と話した。ミドル級は世界の花形階級で、世界戦を日本で組めたのは異例中の異例だった。機会をつくってくれた周囲を裏切る結果に、落胆は大きい。

 本田会長は「4年間この試合のためにかけてきた。再戦はやる気はない。本人には申し訳ないけど」と苦しい胸の内を明かした。世紀の大一番は、大きな疑問を残して終わってしまった。【阿部健吾】

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村田諒太、泣かされたあいまい採点基準/解説

村田-エンダム戦のスコアシート

<プロボクシング:WBA世界ミドル級王座決定戦12回戦>◇20日◇東京・有明コロシアム

 世紀の不可解判定だ。ロンドン五輪金メダリストで同級2位村田諒太(31=帝拳)が、同級1位の元世界王者アッサン・エンダム(33=フランス)に挑んだ世界初挑戦は、4回にダウンを奪うなど優勢とみられたが、1-2の判定負け。五輪メダリストとして日本人初の世界王者には届かなかった。本人は不平を口にしなかったが、帝拳ジム本田明彦会長や周囲からは疑問や怒りの声が噴出した。

 不可解な判定の原因は、ジャッジ2人(パナマ、カナダ)と1人(米国)に分かれた採点基準にある。審判3人は序盤にエンダム、中盤に村田を支持。分岐点は終盤9回以降の採点だ。

 7回終了時で判定は村田の2-0。8回は足を使ったエンダムに3人がポイントをつけた。判定は2-1となったが、村田だった。

 問題は残りの4回だ。村田が圧力をかけて重いパンチを出し、エンダムが足を使って軽いパンチを出す展開が繰り返された。世界戦を107試合裁いた元レフェリーの森田健氏(82)は「私の採点で村田の勝ち。ただ今の採点基準はあいまいで、有効打をとる審判と手数をとる審判に分かれる。今回は手数をとる審判が2人いた」。手数派の2人はすべてエンダムに、有効打派の1人はすべて村田に採点が真っ二つに割れた。

 ではなぜ分かれたのか。ここで村田がダウンをとる前の3回の採点が顔を出す。この回に村田は手数は少ないながらワンツー(有効打)をヒットした。ただ審判2人はエンダムの手数をとっている。そのまま採点傾向が終盤も続いた形だ。ただエンダムは手数で村田を上回っていたが、ほとんどが堅いガードでブロックされてヒットしていない。

 採点で最重要視されてきたのは有効なクリーンヒットだが、森田氏は「当たってなくても手数が多い方が試合を支配しているとみるジャッジがいる。以前は年に1度、団体の総会で審判がビデオを見て勉強する機会があったが、最近は知らない」という。採点競技にとって採点基準の統一は最低限の条件だ。あいまいな基準はボクシングそのものの価値を下げる。【益田一弘】

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村田の判定、対照的なジャッジ 会長「ひどすぎ」

判定負けから時間がたち、苦笑いをする村田(撮影・横山健太)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級王座決定戦12回戦>◇20日◇有明コロシアム

 村田諒太の試合について、3人のジャッジの流れは対照的だった。

 7回終了時は村田優勢か同点だった。しかし、ガードの上からでもパンチを放ったエンダムに2人が8回以降、全て10-9をつけた。残りの一人は、9回以降は全て村田に10-9だった。

 手数を取るか、有効打を取るかはジャッジ独自の考えで大きく左右される。村田陣営は判定の優位を確信し、終盤はリスクを避け無理に倒しにいかなかった。帝拳ジムの本田明彦会長は「いろいろな見方があるとはいえ、ひどすぎる。再戦は考えていない」と話した。

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竹原慎二氏「村田君が勝っていた」関係者コメント

判定負けから時間がたち、苦笑いをする村田(撮影・横山健太)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級王座決定戦12回戦>◇20日◇有明コロシアム

 2012年ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリストの村田諒太(31=帝拳)が同級1位のアッサン・エンダム(33=フランス)に判定負けし、五輪メダリストでプロの世界王者となる日本初の快挙には届かなかった。

 村田は手数が少なかったことが響いた。序盤は前に出ながら圧力をかけ、エンダムにフットワークを使わせない。4回にはカウンターの右ストレートで、鮮やかにダウンを奪った。

 その後は右の強打を軸に見せ場をつくるも、やや詰めが甘かった。エンダムは左ジャブを多く放ったことが奏功した。疲労の色は濃かったものの、必死に持ちこたえた。

 ◆村田の話 この試合を組んでくれた方、ファンのために勝てなかったことが申し訳ない。もっと打つ場面があっても良かった。ダウンを取ったし、手応えはあった。(採点は相手の)ジャブを取ったということ。効いたパンチは一回もなかった。

 ◆エンダムの話 村田選手よりたくさんのラウンドを取っている自信があった。ダウンを奪われても、ジャブを使いながら距離を取って自分のリズムで闘えたのが勝因。

 ◆山中慎介(WBCバンタム級を12度防衛中の王者で村田の高校の先輩)の話 ジャッジに対してショック。何を言ったらいいか分からない。村田はしっかりブロックして、自分の良さを出せていた。

 ◆浜田剛史氏(元世界スーパーライト級王者)の話 採点にはびっくりした。村田はこれ以上ない出来だと思っていた。エンダムは手数が多かったけれど、村田はしっかりブロックしていた。

 ◆竹原慎二氏(元ミドル級世界王者)の話 自分の採点では5ポイント、村田君が勝っていた。すごく残念。王座を取るならば、村田君だと思っていた。勝ちに等しい負けだと思う。もう一度チャンスがあれば。

 ◆帝拳ジム・本田明彦会長の話 村田が勝っていた。相手は手数というよりも逃げていただけ。村田は完璧に闘うことができたので、無理に倒しにいかず、慎重になった部分はあった。ただ、負けは絶対にない。こういう判定ではボクシングの信用がなくなってしまう。

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村田に判定勝ちエンダム「手数もジャブも自分が上」

新チャンピオンのエンダム(右)に健闘をたたえられ、笑顔を見せる村田(撮影・河野匠)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級王座決定戦12回戦>◇20日◇東京・有明コロシアム

 同級1位アッサン・エンダム(33=フランス)が、同級2位村田諒太(31=帝拳)を2-1の判定で破り、王座に就いた。

 エンダムは12ラウンドを戦い終えると勝利を確信したかのように、ニュートラルコーナーのポストに登った。「私の方がポイントを取っているとは思ったが、アウェーだし、確信はなかった」と喜んだ。

 判定が2-1と分かれ、しかも3者とも3~7ポイントと大きな差をつけた。その点に関しては「お互いにパンチは当たっていたけれど、よく考えると村田は1ラウンドに右が2、3発だけ。手数も、ジャブも、コンビネーションも自分の方が上回っていたのではないか」と、ジャッジの妥当性を口にした。

 戦略通りに戦ったことも強調した。前に出て重圧をかける村田のスタイルを予想し、距離をとって手数で支配するプランを実行した。「大きなパンチをもらったのは(4ラウンドの)ダウンをした時だけ」。ダウンも「いつも数秒でリカバリーできるし、今日もそうだった」と大きなダメージを負わなかったという。

 村田については「すごく右のパンチが力強いが、やはりコンプリートファイター(完璧な選手)ではなかった。でも、まだとても若く未来がある選手で、将来は必ずチャンピオンになると思う」と話した。

 陣営は今後、WBAスーパー王者でWBC・IBF統一王者のゲンナジー・ゴロフキン(35=カザフスタン)との戦いも視野に入れ、次戦は母国フランスでの防衛戦を目指す。

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村田諒太まさかの判定負け/ボクシング世界戦詳細

<プロボクシング>◇20日◇有明コロシアムほか

◆WBA世界ミドル級王座決定戦

 ロンドン五輪金メダリストで世界初挑戦の村田諒太(帝拳)は、同級1位のアッサン・エンダム(フランス)に1-2の判定で敗れた。

 村田は4回に右のカウンターでダウンを奪うなどしたが、ポイントで及ばなかった。村田の戦績は13戦12勝(9KO)1敗、エンダムは38戦36勝(21KO)2敗。

アッサン・エンダム(33=フランス、同級1位)判定負け×村田諒太(31=帝拳、同級2位)

<1回>序盤は様子見の展開、村田の周りをエンダムが回りながらジャブを放つ。終了間際村田の右ストレートがヒット。

<3回>村田の右を警戒するエンダム、お互い決定打はない。

<4回>ラウンド終盤、村田の右ストレートがエンダムをとらえダウンを奪う。その後も攻めたがゴング。

<5回>エンダムは空を切るパンチも勢いがある。村田は右ストレートでプレッシャーをかける。エンダムはロープ際でよろめく場面もあったがしのいだ。

<6回>村田の右ショートストレートがエンダムの顔をとらえたが前に出るエンダム、村田の顔にも腫れが見える。

<7回>村田の右ストレートがヒットしよろめくエンダム、ロープにもたれダウンにはならず。2度スリップするなど疲れが見えてきた。

<9回>村田の左ジャブにふらついたエンダムだが、強いパンチをかえす。

<10回>村田の右ボディーに苦悶のエンダム、クリンチで逃げる。村田のワンツーがエンダムの顔をとらえる。

<11回>上下打ち分ける村田、左右のボディーがエンダムに突き刺さる。

<12回>攻め手をゆるめない村田は前に出る、エンダムは効果的なパンチを打てない。

 判定を待つ村田に笑顔が見えたが、まさかの1-2(116-111、110-117、115-112)判定負け、王座奪取はならなかった。

4回 村田(左)はエンダムからダウンを奪う(撮影・河野匠)

エンダム(後方)に判定負けを喫し、ぼうぜんとした表情を見せる村田(撮影・河野匠)

◆WBC世界フライ級タイトル戦

 WBC世界フライ級1位の比嘉大吾(21=白井・具志堅スポーツ)が王者ファン・エルナンデス(30=メキシコ)と対戦し、比嘉は6回に3度のダウンなど奪いTKO勝ちし、新王者となった。日本人初となる全勝全KOでの世界奪取に成功した。

ファン・エルナンデス(30=メキシコ、同級王者)×6回TKO比嘉大吾(21=白井・具志堅スポーツ、同級1位)

<2回>比嘉が左フックでダウンを奪う。

<5回>比嘉が再び左フックで2度目のダウンを奪う。攻め込む比嘉、ボディーにエルナンデスは苦しい表情。

<6回>比嘉の右アッパーにエルナンデスは3度目のダウン。比嘉の強烈なボディーで王者は4度目のダウン、その後も攻め続け5度目のダウンを奪ったところでレフェリーが試合をストップしTKO勝利。

 比嘉の話 最高の結果が出せてよかった。(計量オーバーしている相手に対して)自分も減量がきつくて、1時間前パニック障害を起こして危なかったが、自分の方が気持ちが強いと思い挑んだ。この試合は絶対に倒して取ろうと思っていた。日本人初のKOで全試合取っているので試合にかける思いは強かった。

 具志堅会長の話 相手のパンチをじっくり防御しながら、仕掛けていったのが良かった。素晴らしいボクサーだ。もっともっと強くなる。ボクシングを知らない人でも彼のボクシングを見たいと言われるような選手になってほしい。

6回 TKO勝ちで喜ぶ比嘉(左)を、具志堅用高氏は抱き寄せて祝福する(撮影・浅見桂子)

4回 村田(左)はエンダムからダウンを奪う(撮影・河野匠)

◆WBC世界ライトフライ級タイトル戦

ガニガン・ロペス(35=メキシコ、同級王者)×判定勝ち拳四朗(25=BMB、同級4位)

 WBCライトフライ級4位の拳四朗(BMB)は王者ガニガン・ロペス(メキシコ)に2―0で判定勝ちし、新王者となった。

 拳四朗の話 内容は全然良くなかった。ジャブが当てにくかった。必死だった。(王座に就き)ほっとした。もっと練習して、強くなって防衛する。

ロペス(手前)に強烈なパンチを見舞う拳四朗(撮影・河野匠)

新チャンピオンとなった拳四朗(左)は父の寺池会長とポーズを取って喜ぶ(撮影・横山健太)

◆WBO世界ライトフライ級タイトル戦

 王者田中恒成(21=畑中)が初防衛に成功した。16戦16勝で16KOと無敗を誇った同級1位アンヘル・アコスタ(26=プエルトリコ)とフルラウンド戦い、3-0の判定で下した。田中はプロ戦績を9戦9勝(5KO)とした。

田中恒成(21=畑中、同級王者)判定勝ち×アンヘル・アコスタ(26=プエルトリコ、同級1位)

<1回>互いに積極的な攻めでスタート。

<5回>田中が先にダウンを奪う。

<8回>両者さらに激しい打ち合いに。田中の足もふらつき始めた。

<12回>両者譲らず判定へ。3-0で田中に軍配が上がった。

5回、アコスタ(左)の顔面に右ストレートをヒットさせ、ダウンを奪う田中(撮影・田崎高広)

試合後、リング上に田口(左)を呼び寄せ、統一戦の実現を呼びかける田中(撮影・田崎高広)

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村田諒太が判定負け!「最激戦」ミドル級で快挙逃す

<プロボクシング:WBA世界ミドル級王座決定戦12回戦>◇20日◇有明コロシアム

 WBA世界ミドル級2位の、ロンドン五輪金メダリスト村田諒太(31=帝拳)が、同級1位で元世界王者アッサン・エンダム(33=フランス)に判定で敗れた。

 序盤は互いに様子見の展開。4回に村田の右ストレートがヒットし、エンダムからダウンを奪った。その後も村田の攻撃が再三相手を捉え、エンダムがロープ際でよろめく場面もあった。村田は最後まで攻撃の手を緩めず、12回を戦い抜いた。判定の末、1-2でエンダムに軍配が上がった。

 「最激戦階級」とも言われるミドル級で日本人王者は、過去に95年の竹原慎二のみ。日本人としては最重量階級の王者だ。村田は日本人2人目を狙ったが、惜しくも快挙を逃した。

4回 村田(左)はエンダムからダウンを奪う(撮影・河野匠)

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村田諒太、五輪ミドル級金の同級世界王者なら史上初

計量を終え力強く握手を交わす村田(右)とエンダム(左)(撮影・足立雅史)

 ボクシングのWBA世界ミドル級王座決定戦は今日20日に有明コロシアムでゴングが鳴る。ロンドン五輪金メダリスト村田諒太(31=帝拳)は19日に都内で前日計量に臨み、元世界王者アッサン・エンダム(33=フランス)とともにパス。決戦の舞台が整った。五輪ミドル級金メダリストで、プロの同級で世界王者になった者はいない。国内最大級のビッグマッチを制し、113年分の扉を開く。興行はトリプル世界戦となる。

 活気に満ちた目だった。「こんなんで大丈夫ですか。何かあったら言ってください」。はつらつとした口調で報道陣の質問を探る。ないとみるや、「ありがとうございました! 明日もよろしくお願いします!」。

 世界戦決定後、数多くの取材で口を開いた。その最後。計量を終え、スッポンスープなどを腹に収めての会見でも、サービス精神旺盛に声は弾む。「ヒゲですか? このままで。ちょっとでも守ってくれる気がしませんか(笑い)。奈良のおばあちゃんに怒られるんです。『なんであんな汚い顔ででてるの』と」。しっかり笑いを取って幕引く姿は、まさに自然体だった。

 はかりに乗って「最低限越さないといけない壁」の計量をパス。エンダムと同じリミットを200グラム下回る72・3キロで、互いに肉体を誇示した。向き合い、15秒。エンダムが顔をそらしたが「メンチの切り合いしていたわけじゃない」と笑顔でかわした。

 泰然自若。その様子に世界的偉業の予感が漂う。1904年セントルイス五輪からボクシングが採用されて以降、延べ25人のミドル級金メダリストが誕生したが、プロの同級で世界王者はいない。この事実を聞いた村田は「えーーっ」と驚き、うなずいた。日本では五輪金メダリスト(階級問わず)で世界王者も初だが、世界規模でも快挙となる。

 「最終的にはどつき合いですよ。ジャブが当たるか、とかではなく。シンプルにいきます」。そう話したのは今月10日。「黄金の拳」を持つ男の最大長所は、この気持ち。リングでは恐れを知らず、相手を殴り、倒す。それを迷いなく実行できる精神面にある。

 この日、こうも言った。「僕は結構びびりで、試合になったら『はい、いこ!』と開き直るタイプなのに、いまからこんなに落ち着いていていいのかな」。ずっと前に「気持ち」はできていた。おどける姿は、数段上の「世界戦仕様」を感じさせた。113年分の重み。ボクシング史に名を刻む瞬間は、いま目の前にある。【阿部健吾】

 ◆五輪ミドル級金メダリストのプロ成績 ミドル級王者はいない。52年ヘルシンキ大会のパターソンがヘビー級王者になったように、他階級に変更しての戴冠はある。52年大会以降はミドル級が75キロに設定され、プロではスーパーミドル級(76・2キロ)に近いこと、50年代以降に共産圏のボクサーがプロ転向していないことも理由だが、歴代25人で1人もいない。

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村田諒太「こんなに落ち着いていて大丈夫かな」

計量を終えポーズを取る村田(右)とエンダム(撮影・足立雅史)

 偉業への舞台は整った。ボクシングのWBA世界ミドル級王座決定戦(5月20日、有明コロシアム)の前日計量が19日に都内のホテルで行われ、ロンドン五輪金メダリストで同級2位村田諒太(31=帝拳)、元WBO世界王者で同級1位アッサン・エンダム(33=フランス)ともに、リミットを200グラム下回る72・3キロでパスした。

 「もちろん、ホッとしてます」。計量後にトマトスープとスッポンスープを口にした村田は、「(計量は)最低限越さないといけない壁。ボクサーの仕事ですから。エンダムも体を作ってきてくれてうれしいですね。あらためて、良い試合になるんだろうな」とさわやかに言った。

 17日の予備検診、18日の調印式と変わらぬ落ち着いた物腰に、重圧の影は見えない。「良い状態だと思いますよ。僕は結構びびりで、試合の時になると開き直って『さあ、いこう』というタイプなんですが、いまこんなに落ち着いていて大丈夫かな」と冗談を飛ばす姿が、一層の落ち着きを強調した。

 顔にはヒゲが目立つが、「このままいきます。ちょっとでも守ってくれそうじゃないですか」。ここ数試合は同じような風貌でリングに上がっており、「奈良のおばあちゃんからは『汚い顔で出て』と言われるんですけどね」と破顔した。

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