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木村翔が元王者の五十嵐俊幸と大みそかに初防衛戦

都内のホテルで記者会見に臨んだWBO世界フライ級王者・木村翔


 プロボクシングWBO世界フライ級王者・木村翔(28=青木)が12月31日に東京・大田区総合体育館で、元WBC同級王者の同級1位・五十嵐俊幸(33=帝拳)と初防衛戦に臨むことが21日、発表された。

 同日に都内のホテルで会見した木村にとって、7月に同級王者・鄒市明(中国)を11回TKO勝ちして以来の世界戦。「格で言ったら五十嵐選手が上。ボクのパンチもしっかり当たればKO決着になるかなと思う。ボクが王者ですが、挑戦者の気持ちで初防衛に成功したい」と口調を強めた。

 五十嵐は13年8月に八重樫東(大橋)に判定負けし、世界王座を失って以来の世界戦。「大舞台は4年半ぶり。すごく興奮していますし、楽しみにしています」と意気込んだ。

 なお同日同会場では、WBA世界ライトフライ級王者・田口良一(30=ワタナベ)-IBF世界同級王者ミラン・メリンド(29=フィリピン)の団体王座統一戦、IBF世界ミニマム級王者・京口紘人(23)-同級3位カルロス・ブイトラゴ(25=ニカラグア)も行われる。

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田口良一「攻守ともに一流の相手」V7統一戦に意欲

肩を組み記念撮影する田口(左)と京口(撮影・狩俣裕三)


 プロボクシングWBA世界ライトフライ級王者・田口良一(30=ワタナベ)が12月31日に東京・大田区総合体育館で、IBF同級王者ミラン・メリンド(29=フィリピン)と団体王座統一戦に臨むことが17日、発表された。7度目の防衛戦で王座統一できれば、WBO同級王者・田中恒成(22=畑中)と日本初の3団体統一戦の夢も広がる大一番だ。IBF世界ミニマム級王者・京口紘人(23)も同日、同級3位カルロス・ブイトラゴ(25=ニカラグア)と初防衛戦に臨む。

 日本人3人目の2団体統一王者を目指す田口が拳を交えるのは、5月に3階級制覇王者・八重樫東を下したメリンドとなる。田口は「攻守ともに一流の相手。激闘して勝ちたい」と声をはずませた。今回から中継局がテレビ東京からTBSに変更。中継局問題もクリアされ、田中との王座統一戦も現実的になった。田口は「勝ち続けて田中君と試合をやりたい」と2団体王座統一だけに集中する。

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京口紘人「相手は見えない」消えるパンチで初防衛だ

大みそかに行われるダブル世界戦の会見で自身のボードを背にポーズを決める京口(撮影・狩俣裕三)


 プロボクシングの大みそかのダブル世界戦が、17日に都内で発表された。

 12月31日に東京・大田区総合体育館で、IBF世界ミニマム級王者京口紘人(23=ワタナベ)は、同級3位カルロス・ブイトラゴ(23=ニカラグア)と指名試合での初防衛戦となる。メインはWBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)がIBF世界同級王者ミラン・メリンド(29=フィリピン)と団体王座統一戦となった。

 大みそかの試合は京口にとって2年連続だが、昨年はまだ6回戦だった。初の世界戦に「特別な人間しか立てない舞台で光栄なこと。楽しみであり、怖さもあるが、勝つことに変わりない」と意欲を口にした。7月に8戦目で世界初挑戦し、国内最短の1年3カ月で世界王座を手にした。「王者になって成長できていると自覚があり、伸びている自信もある」と話す。

 その中で秘策パンチにも磨きをかけている最中だ。「練習の中で試行錯誤して、最近使い出した。当たれば確実に倒れるパンチで、相手は見えないはず。一発で倒すイメージ。新しい自分を見せたい。注目して楽しみにして」。中身は当日お披露目と明かさなかったが、KO防衛に自信満々だ。

 挑戦者ブイトラゴは4度目の世界挑戦で悲願がかかる。戦績は30勝(17KO)2敗1分け1無効。「2敗1分けはどれも世界戦。今度こそと取りに来る相手にしっかり打ち勝つ」。同じニカラグアの英雄ロマゴンことゴンサレスの後継者とも呼ばれる。京口は「スケール小さい。オレの方がロマゴンより」と豪語する。京口は小6で辰吉に指導を受け、今も「丈ちゃん」呼ぶ。王座について「初めてほめられた」という辰吉イズムの後継者のプライドもある。

 最近、上京した母に築地で高級すしを振る舞った。「もっと親孝行するために王者で年を越す」と誓った。

大みそかに行われるダブル世界戦の会見で、記者の質問に答える京口(撮影・狩俣裕三)

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田口良一V7達成で3団体統一戦へ「すごいカード」

大みそかに行われるダブル世界戦の会見で相手のミラン・メリンドボードにこぶしを出す田口(撮影・狩俣裕三)


 プロボクシングWBA世界ライトフライ級王者・田口良一(30=ワタナベ)が12月31日、東京・大田区総合体育館で、IBF世界同級王者ミラン・メリンド(29=フィリピン)と団体王座統一戦に臨むことが17日、発表された。

 田口にとって7度目の防衛戦で、ビッグマッチを迎え「今の気持ちは意外に落ち着いている。これから不安も出るかと思いますが、絶対の自信を持ちたいと思います」と決意を新たにした。

 過去、日本人出場の2団体王座統一戦は4試合あり、井岡一翔、高山勝成がミニマム級で2団体統一王者となっている。田口は「勝つことが第1でKO勝ちできれば。こういったチャンスはめったにない。さらにすごいカードを実現したいので絶対に勝ちたい」と口調を務めた。

 本来ならばWBO王者・田中恒成(畑中)との王座統一戦になるはずが、田中の両目負傷の影響で、メリンドとの王座統一戦に方向転換されていた。田口は「お互いが勝ち続ければ試合はやれると思うのでメリンド戦を考えています」と気持ちを切り替えている。

 今回から中継局がテレビ東京からTBSに変更された。これでネックとなっていた中継局の問題も解消。WBAとIBFの王座統一に成功すれば、田中との3団体王座統一戦も現実味を帯び「すごいカード」になる。2017年最後のボクシング世界戦という大トリを務める田口は「強い相手に勝って評価してもらいたい。王座統一、7度目の防衛という目標ができたので頑張りたい」と責任感もにじませた。

大みそかに行われるダブル世界戦の会見で相手のミラン・メリンドボードを背に記者の質問に答える田口(撮影・狩俣裕三)

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田口良一、12月31日にメリンドと団体王座統一戦

田口良一(17年7月22日撮影)


 プロボクシングWBA世界ライトフライ級王者・田口良一(30=ワタナベ)が12月31日、東京・大田区体育館で、IBF世界同級王者ミラン・メリンド(29=フィリピン)と団体王座統一戦に臨むことが17日、発表された。田口にとって7度目の防衛戦で、ビッグマッチを迎える。日本人では4団体(WBA、WBC、IBF、IBF)承認後、過去4試合しかない団体王座統一戦となる。

 またIBF世界ミニマム級王者・京口紘人(23=ワタナベ)も同日、同級3位カルロス・ブイトラゴ(23=ニカラグア)と初衛戦に臨むことが発表された。

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井岡王座返上、引退も 会長の父が明かした理由

井岡一翔の王座返上を発表する井岡ジムの井岡一法会長(撮影・加藤裕一)


 ボクシング世界3階級を制したWBA世界フライ級王者の井岡一翔(28=井岡)が王座を返上したと9日、父の井岡一法会長(50)が大阪市内のジムで発表した。同級1位アルテム・ダラキアン(30=ウクライナ)と12月31日に6度目の防衛戦を行う予定だったが、同会長は「準備が間に合わないので、いったん(ベルトを)返上しようということになった」と説明。11年から6年連続で行ってきた“大みそかのファイト”は途切れる。

 一翔は4月23日に5度目の防衛に成功し、元WBA世界ライトフライ級王者具志堅用高の「世界戦14勝」の日本記録に並んだ。その後、5月17日に歌手の谷村奈南と結婚し、9月にハワイで挙式。現在は都内で暮らしている。夏場以降話し合いを重ねてきたという同会長は「新婚やし、いろいろ生活の準備があるようです。プライベートのこと、夫婦のことに口は出せない」と、一翔が私生活に時間を割いていることを明かした。

 一翔も28歳。ブランクが長引けば選手生命に影響を及ぼす。同会長は「2つに1つやから。本人にスイッチが入れば、3カ月あれば試合の準備はできる。モチベーションがないなら、引退せな仕方がない。仮に身を引くなら、引退式もやる」と引退の可能性もにおわせた。その一方で「でも、やる気はあると思いますよ。週に3、4日走ってると言うてるし、体重もキープしてる。やる気がなければ、しませんよ」と弟子であり息子の“復活”に期待をかけた。【加藤裕一】

 ◆井岡一翔(いおか・かずと)1989年(平元)3月24日、大阪・堺市生まれ。元世界2階級王者井岡弘樹氏のおい。興国で高校6冠。08年に東農大を中退しプロ転向。11年2月に当時国内最速の7戦目で世界王座獲得。12年6月にWBA、WBCミニマム級王座統一。同12月にWBA世界ライトフライ級王者となり2階級制覇。15年4月に同フライ級王座も獲得し、世界最速18戦目で3階級制覇。身長165センチの右ボクサーファイター。22勝(13KO)1敗。

4月、5度目の防衛に成功し「5」のポーズをとる井岡一翔

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具志堅会長、拳四朗にKO術…あしたのためにその一

初防衛から一夜明け、報道陣の質問に答える具志堅会長(左)の横で爆笑する比嘉(中央)。右は拳四朗(撮影・浅見桂子)


 WBC世界ライトフライ級王者の拳四朗(25=BMB)が初防衛から一夜明けた23日、都内のホテルで会見を行い、レジェンドから金言を授かった。

 会見には同じく初防衛に成功した同フライ級王者比嘉大吾が同席。その横に座った元WBA世界ライトフライ級王者で白井・具志堅スポーツジムの具志堅用高会長が、拳四朗にアドバイスを送った。「体幹も強くなってきたよね。ただ1つだけ…。攻めて、その次が大事。手をたくさん出せば、相手は倒れるんです。いいパンチを当てた、次が大事!」。

 拳四朗は11戦全勝5KOだが、2度の世界戦はいずれも判定勝ちに終わった。基本的に「KOにはこだわらない」が「知名度を上げたい。そのためには強くなること」というだけに、KO勝ちの必要性は認識している。「おっしゃる通りと思います。試合を振り返ったら“もう1回(まとめに)いけたかな”と思う部分はある。その分、楽してたのかなとも思う。僕は1回(パンチを)まとめて終わり、という部分がありますから」。自分と同じ階級で13度も防衛を重ねた大先輩の言葉は重い。「やっぱり次はKOで決めたいですから」と話した。

 前日の初防衛後、リング上でテレビカメラに向かって両手でVサイン、最後は投げキッスまで送った“癒やし系王者”はこの日、会見前に友人と浅草周辺の食べ歩きを楽しんだ。どら焼き、イチゴ大福、メンチカツ、ホイップクリーム入りメロンパン…。「メロンパンが一番おいしかったかな。ホイップクリームが大好きやし」と笑う。

 今後は約10日間のオフを過ごし、練習を再開する。次戦は5月に王座を奪った前王者ガニガン・ロペス(メキシコ)とのリマッチで、父の寺地永会長は「次もトリプル世界戦に入れてもらうのがベスト」と、過去2度の世界戦同様に村田、比嘉とともに防衛戦を行うことになりそう。V2戦は初のKO防衛が、青写真になる。

互いに初防衛から一夜明け、チャンピオンベルトを肩にかけ笑顔を見せる比嘉(左)と拳四朗(撮影・浅見桂子)

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田中恒成、新愛称“ドリームボーイ”に「好きです」

2度目の防衛戦に向け、練習を公開したWBO世界ライトフライ級王者田中恒成(撮影・加藤裕一)

 デビュー8戦で日本最速タイの世界2階級王座を手にしたWBO世界ライトフライ級王者田中恒成(22=畑中)が21日、同級13位パランポン・CPフレッシュマート(32=タイ)との2度目の防衛戦(9月13日、エディオンアリーナ大阪)に向け、名古屋市内の同ジムで練習を公開した。

 シャドーボクシングで体をほぐした後、フィリピンから招いたパートナーと4ラウンドのスパーリングを実施。「疲労がたまってくる時期ですが、そうでもない。調整は順調です」と言う通り、軽快な動きを見せた。

 2度目の防衛戦は、その先を見据えたステップボードだ。猛烈アピールしてきたWBA世界ライトフライ級王座田口良一との統一戦。5月20日の初防衛戦後、マイクを握ってリング上に田口をまねき上げて“了承”をもらい、畑中清詞会長からもGOサインを受け取った。それだけに絶対につまずけない戦いになる。

 「油断じゃないけど、オレが勝って当たり前というムードがあって、それに見合った結果を残せるか。そこに意義がある。最低条件がKO。自分の思い通りの試合がしたい」と語った。

 5度目の世界戦にして初めて、TBS系で全国中継される。従来の異名「中京の怪物」も「いいか、嫌かと言えば、嫌。まあ昔はそうでもなかったんですが…」と“卒業”する。ただ、強豪ボクサーにはつきもののキャッチコピーは「あればうれしい」と歓迎で「スピードに関連するようなものがあれば」という。

 ならばと、畑中会長は「僕は前から言ってるけど“ドリームボーイ”です。夢の5階級制覇を狙うんやからね」。田中は「う~ん、嫌じゃない。好きですよ」。“中京の怪物”あらため“ドリームボーイ田中恒成”が、満を持して全国デビューを飾る。

畑中清詞会長にグローブをつけてもらうWBO世界ライトフライ級王者田中恒成(撮影・加藤裕一)

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V6田口良一が後輩イジり、京口は「ツヨかわいい」

赤黒く腫れた京口(右)の顔をいじる田口(撮影・神戸崇利)

 ボクシングのIBF世界ミニマム級新王者京口紘人(23=ワタナベ)が24日、前王者ホセ・アルグメド(メキシコ)を3-0の判定で下した前日から一夜明けて都内のジムで会見した。

 6度目の防衛に成功したWBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)は初めていじり役に回った。これまでは先輩の内山の隣でいじられ役だったが、今回の隣は後輩の京口。右頬が腫れ上がり、どこかかわいらしい姿に「これこそ『ツヨかわいい』」と自身の愛称を譲る冗談で、笑いを誘った。次戦はWBO同級王者田中恒成との統一戦を希望。「レベルアップしたい」と決戦に備える。

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新王者の京口紘人「公開処刑や」顔面アンパンマン化

激戦で赤黒く腫れた顔を気にする京口(撮影・神戸崇利)

 新王者がアンパンマンになっちゃった!? 23日に行われたボクシングのIBF世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦で、世界初挑戦で王座獲得した京口紘人(23=ワタナベ)が24日に都内のジムで一夜明け会見に臨んだが、冒頭響いた声は「公開処刑やな! 」。その右頬は赤く大きく腫れ上がり、自ら「アンパンマン」と笑うしかない状態になっていた。

 4度目の防衛戦を狙った前王者ホセ・アルグメド(メキシコ)との激しい攻防を3-0の判定で制したが、頭から突っ込んで変則的にパンチを打ってくるスタイルに手を焼いた。顔面同士が当たる場面も多く、結果的には「痛くもないし、骨にも異常はないと思う。血がたまっているのかな」と、片面がまんまるの顔ができあがった。

 痛々しいというより、どこか愛嬌(あいきょう)のあるその姿に、前日に6度目の防衛を果たしたWBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)も興味津々。自らの愛称「ツヨかわいい」を持ち出し、「これこそ『ツヨかわいい』」と冗談交じりの一言で笑いを誘った。京口本人は「いやいやいや、アンパンチャンプ、ちゃいますから。これは今回限定。こっからはこんな顔を腫らさないようにします」と先輩からの思わぬ愛称禅譲をやんわり断り、初防衛戦となる次戦の快勝を誓っていた。

赤黒く腫れた京口(右)の顔をいじる田口(撮影・神戸崇利)

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田中恒成が田口を「最強の相手」、統一戦機運高まる

6度目の防衛に成功した田口はラウンドガールとの記念撮影で目いっぱい背伸びして身長を合わせる(撮影・松本俊)

 WBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)が、3試合ぶりのTKOで6度目の防衛に成功した。初回から左ボディーを軸に、指名挑戦者の同級1位ロベルト・バレラ(24=コロンビア)を攻め続けて圧倒。ダウンは奪えなかったが、レフェリーストップで9回24秒TKO勝ち。

 リングサイドで観戦したWBO世界ライトフライ級王者の田中は、田口を同級で「最強」と称賛した。以前から田中との統一戦を希望しており、「口に出してきたことで『やらざるを得ない』雰囲気をつくってきた。機運が高まったのは思惑通りだけど、統一戦の実現と、その勝利までが思惑。最強の相手」と話した。9月13日に2度目の防衛戦が予定されるが「間違いなく負けない」と自信たっぷり。畑中会長も「ぜひ年内に、統一戦を」と後押しする構えだ。

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京口最速王者、体小さく弱かった「劣等感強くした」

IBF世界ミニマム級タイトルマッチ ホセ・アルグメドに判定勝ちし、新チャピオンに輝いた京口(撮影・たえ見朱実)

<プロボクシング:IBF世界ミニマム級選手権>◇23日◇東京・大田区総合体育館◇3500人

 IBF世界ミニマム級9位の京口紘人(23=ワタナベ)が4度目の防衛を狙った王者ホセ・アルグメド(28=メキシコ)を3-0の判定で下し、世界初挑戦で王座獲得した。9回にダウンを奪い、接戦をものにした。デビュー1年3カ月での王者誕生は、日本最速記録。小6でボクシングに転向した空手一家の末っ子。元世界王者の辰吉丈一郎にも指導を受けた「ダイナマイト・ボーイ」が頂点に駆け上がった。今回はダブル世界戦で、WBA世界ライトフライ級王者田口良一(30)は6度目の防衛に成功した。

 京口が京口らしい一言を放ったのは、勝利の会見の終わりだった。「いや~、鼻くそでしたね。全然満足できない!」。自分は強いと思えるかと聞かれると、大きく腫れた右頬を緩め、笑った。関西出身のしゃべり好きは、最短の階段を駆け上がった感想を、そう締めた。

 激しい接近戦だった。中1から2年間、大阪帝拳ジムで教えを受けた辰吉丈一郎の左ボディー。上体を少し左に倒して角度をつける武器。これまでのプロ7戦と同じくアルグメドに打ち込み続けたが、頭から突っ込んでくる王者に手を焼いた。仕留められない。中盤には右拳も痛めた。

 一進一退の攻防を破ったのは9回だった。ボディーを警戒させ続け、空いた顔面に左フック。「がむしゃらだった」。ぐらつかせ、最後は右でダウンを奪った。辰吉直伝ボディーが布石となり、決定打となった。

 辰吉と出会う前、弱さに向き合う日々だった。父寛さん(49)は空手の師範。兄、姉に続いて3歳で空手を始めたが、「強くなかった」。自身の初優勝は小3。「2人は20回以上。比べられない」。体が小さく、「保育園では親がいじめの心配をしていた」。小学校低学年の時には「ちび」という言葉に過敏に反応した。周囲は「一番センスがある」と評価してくれたが、体重が倍もある相手に勝てないのは無理もなかった。

 小6の冬、出合ったのがボクシングだった。階級制。「体のハンディがない」。のめり込んだ。「小4で自分が弱いと分かった。今も強いと思ったことはない。でも、弱いのを知っているから努力できる。劣等感が僕を強くしてくれた」。プロ入り後は、あえて重いグローブをつけて鍛えた。1日4回の計量も毎日。KO量産にも「僕はおごらない」と励んできた。

 愛称「ダイナマイト・ボーイ」は、ジムの先輩内山高志の「KOダイナマイト」から拝命した。この日は判定。試合後に先輩からねぎらわれると「鎮火しないように頑張ります」と誓った。辰吉と同じ8戦目で世界王者となったが、「今日みたいな試合をしてたら怒られる」と反省しきり。

 まだ「鼻くそ」。そう思えることも強さの源。「次戦、初防衛戦で(今日の気持ちを)しっかりぶつけます!」。ベルトを巻き、強さを追う。【阿部健吾】

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V6田口が異変乗り越え作戦敢行、年末の統一戦前進

6度目の防衛に成功した田口はラウンドガールとの記念撮影で目いっぱい背伸びして身長を合わせる(撮影・松本俊)

<プロボクシング:WBA世界ライトフライ級選手権>◇23日◇東京・大田区総合体育館

 WBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)が、3試合ぶりのTKOで6度目の防衛に成功した。初回から左ボディーを軸に、指名挑戦者の同級1位ロベルト・バレラ(24=コロンビア)を攻め続けて圧倒。ダウンは奪えなかったが、レフェリーストップで9回24秒TKO勝ち。9月にWBO世界同級王者田中恒成(22)が2度目の防衛に成功すれば、いよいよ年末には王座統一戦に挑む。

 田口が初回のゴングから攻めた。スロースターターが「最初から行こう。8回までにスタミナを使い切る。あとは気持ちで」という作戦で飛ばした。何度も何度もロープに、コーナーにと追い込み、「初回から効いていた」という得意の左ボディーをねじ込んだ。

 7回から相手はクリンチ、ホールドに逃げ回り、ロープに座り込むようなシーンもあった。ついに9回に連打を見舞うとレフェリーストップの快勝だった。

 毎試合のように体調を崩したが、今回は万全だった。ところが、試合前に両足ふくらはぎがつるような異変を感じた。減量による水分不足のようだが、作戦は変えなかった。前回は足を使われてボディーも不発で引き分け。「後手後手でみなさんに無駄な時間を使わせた」。おわびも込めた4度目のTKO防衛だった。

 リングインすると、テレビ中継ゲストのWBO王者田中と目があった。この時は会釈。試合後はリング上で握手を交わした。田中が9月にV2すれば、いよいよ団体統一戦だ。「願ってもない。名古屋でもどこでも。勝てばまた自信になる」。田中も「応援していた。今は横並び。必ず勝って向き合いたい」と応じた。

 日本の世界王者のV6は15人目で大場政夫、ガッツ石松らを抜き、輪島功一、川島郭志らに並んだ。誇れる歴代11位も、この階級はWBC拳四朗と日本人王者が3人並ぶ。「王者でも最強と言えない。勝ち抜きたい」。今度は田中を応援し年末決戦の決定を待つ。【河合香】

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田口良一V6「勝てば自信に」田中恒成と統一戦希望

田口(右)は積極果敢に攻め、バレラを9回TKOで下す(撮影・松本俊)

<プロボクシング:WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇23日◇東京・大田区総合体育館

 王者田口良一(30=ワタナベ)が、3試合ぶりのTKOでV6に成功した。指名挑戦者の同級1位ロベルト・バレラ(24=コロンビア)を初回から左ボディーを軸に攻め続けた。ダウンは奪えなかったが圧倒し、レフェリーストップで9回24秒TKO勝ち。WBO世界同級王者田中恒成(22=畑中)が9月13日に大阪でV2に成功すれば、いよいよ年末には2団体統一戦に挑む。

 スロースターターの田口が、初回から得意の左ボディーを軸に攻めた。「最初から行こう。8回までにスタミナを使い切る。あとは気持ちで」と飛ばした。何度も何度もロープにコーナーに追い込み、9回に連打でレフェリーストップの快勝。前回は足を使われてボディーも不発で引き分けに「後手後手でみなさんに無駄な時間を使わせた。下げてしまった評価をふっしょくしたかった」。雪辱となる4度目のTKO防衛だった。

 次はいよいよ2団体統一戦が見込まれる。田口はリングインするとテレビ中継ゲストの田中と目があい、この時は会釈、試合後はリング上で握手をかわした。「願ってもない。名古屋でもどこでも。正直100%ではないが、どちらが勝つか分からないような試合をしたい。勝てば100%自信になる」。田中は「応援してました」と言ったが、田口も「ボクも勝つと信じてます」。今度は応援して決戦決定を待ち望む。

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王者田口良一6度目防衛、バレラを9回TKOで下す

<プロボクシング:WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇23日◇東京・大田区総合体育館

 王者の田口良一(30=ワタナベ)が、同級1位のロベルト・バレラ(コロンビア)を9回TKOで下し、6度目の防衛を果たした。

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田口良一V6へ「常に先手で」前日計量を一発クリア

調印式、計量を終え写真に納まるWBC世界ライトフライ級の田口良一(右)とロベルト・バレラ(撮影・鈴木正人)

 23日のダブル世界戦の前日計量が、22日に試合会場の東京・大田区総合体育館で行われた。WBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)と、挑戦者の同級1位ロベルト・バレラ(24=コロンビア)は、ともにリミットちょうどの48・9キロで一発クリアした。

 田口は王者ながら今回も好きな青いグローブを選択し、6度目の防衛戦とあって落ち着いた表情だった。「前回は納得いかない試合だった。払拭(ふっしょく)するために、常に先手で勝ちにいく。自分を信じて力を出せば問題なく勝てる」と、静かな口調にも自信を見せた。計量後はいつも通りにファミレスのデニーズで食事。「胃のためにも時間をかけて食べ過ぎないようにしたい」と最後まで気の緩みはない。

 一方のバレラは田口を再三にらみつけたり、前日の予備検診同様に挑発を続けた。「大変いい体調で試合を待つだけ。国のため、息子のために王者になる」。現在母国コロンビアには世界王者不在で、兄に続くベルト奪取でその空白を埋めるつもりだ。

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田口良一V6確信、体形近い挑戦者ボディー効きそう

ロベルト・バレラ(右)ににらまれ苦笑いを浮かべる田口(撮影・横山健太)

 23日のボクシング・ダブル世界戦の予備検診が、21日に試合会場の東京・大田区総合体育館で行われた。WBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)は、同級1位バレラ(コロンビア)より身長、リーチとも約3センチと差が少なく、作戦にも手応えを得た。

 初対面にバレラがにらんだり「ベビーフェースをモンスターのように腫れさせる」と挑発してきた。田口はほとんど目を合わせずにかわしたが、弱点は再確認した。「身長が同じぐらいの相手は久しぶり。ボディーを打っていきたい」。

 前回は約10センチ低い相手に、ボディーが不発で引き分けた。サイズがある分細身の脇腹にスキができ、さらにバレラはロープを背にする場面が多い。まずは得意の左ボディーで弱らせる。

 バレラは左カウンターがいいが、田口陣営は肩が下がる欠点も見いだした。最後は右ストレートのクロスで仕留めるつもりだ。田口は「最高の仕上がり」とV6を確信していた。

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王者田口良一、挑戦者バレラの挑発に目を合わせず

ロベルト・バレラ(右)ににらまれ苦笑いを浮かべる田口(撮影・横山健太)

 23日のダブル世界戦の予備検診が、21日に試合会場の東京・大田区総合体育館で行われた。

 WBA世界ライトフライ級は王者田口良一(30=ワタナベ)が、同級1位ロベルト・バレラ(24=コロンビア)よりも身長、リーチともに約3センチ上回った。

 初対面にバレラが「怖い印象を与えたい」と、顔をのぞき込んだり、にらんだりして挑発してきた。田口は「こういうのは好きじゃない」と嫌がり、ほとんど目を合わさなかった。

 田口は身長、リーチ、首回り、胸囲、視力など、数値自体はいずれも前回より下回った。「今回は計測がきつかった」と苦笑いだったが、いい感触もあった。「身長が同じぐらいの相手は久しぶり。ボディーを打っていきたい」。前回は引き分けと苦戦したが、今回は得意のパンチで仕留めるつもりだ。

 一方のバレラも自信満々で絶口調だった。「王者はベビーフェースだが、試合をしたらモンスターのように顔が腫れあがるだろう」と豪語した。

予備検診を受ける田口(左)。右は様子を見つめるロベルト・バレラ(撮影・横山健太)

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田中恒成のV2は全国中継「言葉が見つかりません」

WBC世界ライトフライ級王座の2度目の防衛戦を発表した2階級王者田中と(左)と畑中会長

 WBO世界ライトフライ級王者田中恒成(22)が20日、名古屋市内で2度目の防衛戦を発表した。

 同級14位パランポン・CPフレッシュマート(32)と9月13日、エディオンアリーナ大阪で対戦する。IBF世界スーパーバンタム級王者小国と同級3位岩佐の日本人対決とのダブル世界戦として、TBS系で全国生中継される。田中は5度目の世界戦にして初の“全国デビュー”だ。「あがりますね。言葉が見つからない」。勝てば、念願であるWBA世界ライトフライ級王者田口との統一戦に大きく前進する。「持っているものをすべて出して、圧倒的なボクシングを見せるつもりです」と気合十分だった。

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王者田口に挑戦のバレラ「勝つのはおれ」自信満々

 ボクシングのダブル世界戦に出場する指名挑戦者の同級1位ロベルト・バレラ(24=コロンビア)が、20日に都内のジムで練習を公開した。

 23日に大田区総合体育館で、V6を狙うWBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)に挑戦する。

 ミットとサンドバッグ打ちで軽く汗を流しただけだったが、世界初挑戦での王座奪取へ自信満々だった。

 7人きょうだいのうち男5人は全員ボクサーになり、亡き長兄ミゲールは元世界王者になっている。次兄ロナルドも06年に来日して新井田に世界挑戦している。末っ子のロベルトは「兄からゴングとともに仕掛けろ。KOしないと勝てないとアドバイスされてきた」という。

 田口がV2戦で対戦したデラロサとは同じジムで、スパーリングでは仮想田口としてパートナーを務めていた。「あの時よく研究したので、勝ち方は分かっている。パンチはすべて得意。勝つのはおれ」と、バレラ家2人目の世界王者を確信している。

 田口陣営の石原トレーナーも練習を視察したが、細身の体にニヤリとした。コロンビアから47人目の王者へ同行するネット記者からインタビューされたが「一番強い相手かもしれないが、総合力で田口が上。ボディーが効きそう。10回以降にKOできる」。こちらも防衛への自信を見せた。

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田中恒成9・13V2戦 初の全国中継に「あがる」

WBO世界ライトフライ級王座の2度目の防衛戦を発表した2階級王者田中恒成(左)と畑中清詞会長(撮影・加藤裕一)

 WBO世界ライトフライ級王者田中恒成(22=畑中)が20日、名古屋市内で2度目の防衛戦を発表した。

 同級14位パランポン・CPフレッシュマート(32=タイ)と9月13日、エディオンアリーナ大阪で対戦する。IBF世界スーパーバンタム級王者小国以載(29=角海老宝石)が同級3位岩佐亮佑(27=セレス)を迎え撃つ初防衛戦とのダブル世界戦として、TBS系で全国生中継される。

 田中は5度目の世界戦にして、初の全国中継。「う~ん、あがりますね。言葉が見つからない」と“全国デビュー”について、苦笑いを浮かべた。5月20日の初防衛戦はKO宣言しながら、16戦16KO勝ちという“パーフェクト・レコード”を持つ最強挑戦者アンヘル・アコスタに判定勝ちに終わった。「前回はウソをついてしまったので、今回あらためてKO宣言します。中盤ぐらいには(倒したい)。オレの持っているものをすべて出して、圧倒的なボクシングを見せるつもりです」。15戦14勝(8KO)1敗のパランポンをリングに沈め、念願のWBA世界ライトフライ級王座田口良一との統一戦を実現させるつもりだ。

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V7へ田口良一、左強化スイッチ攻撃「強さ見せる」

 目には目を、スイッチにはスイッチで。23日のダブル世界戦でV6を狙うWBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)が、18日に都内のジムで練習を公開した。

 指名挑戦者の同級1位バレラ(コロンビア)は頻繁にスイッチする変則タイプ。田口は右構えだが、磨きをかけた左にスイッチして迎え撃つ構えだ。田口も流れで左構えになることがあったが、今回は特に左を強化してきた。練習に左投げキャッチボールを取り入れ、「左ストレートがまっすぐ打てるようになった」と手応えを得た。石原トレーナーも「可動域を広げ、右と同じ動きができるようになった」と太鼓判を押す。

 次戦ではWBO王者田中との統一戦が見込まれている。「今は目の前に集中。終盤KOで強さを見せたい」。世界戦では初のKOに仕留めて、統一戦へ弾みをつけるつもりだ。

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王者田口良一「対応できる」左構え対策重点に練習

田口良一(2017年7月12日撮影)

 ボクシングのダブル世界戦でV6を狙うWBA世界ライトフライ級王者田口良一(30=ワタナベ)が、18日に都内のジムで練習を公開した。23日に大田区総合体育館で、指名挑戦者の同級1位ロベルト・バレラ(24=コロンビア)を迎え撃つ。メインではIBF世界ミニマム級9位京口紘人(23)が、同級王者ホセ・アルグメド(28=メキシコ)に世界初挑戦する。

 田口は前日17日で本格的なスパーリングは打ち上げ、約90回をこなしてきた。この日は軽めに2回を披露したが、動きもよく、力強いパンチを打ち込み、調整にも手応えを感じていた。「ムラがあったが、最後に来て上がってきた。夏の方が相性よく、コンディションも作りやすく、減量もしやすい。最後まで集中してリングに上がりたい」と話した。相手はスイッチを得意にしている。「左とのスパーを多くしてきた。どう来ても対応できるように」と、特に左構えへの対策を重点に練習してきた。

 これに勝てば、WBO王者田中との2団体統一戦へ動きだす。田中も当日観戦に来る予定。「目標は統一戦だが、負けては元も子もない。今は目の前に集中したい。勝ってから」と慎重に話した。前回は苦戦し、引き分け防衛だった。「(V4戦の)宮崎戦はいい状態だったのに、前回は評価を下げてしまった。いい内容で勝ちたい。終盤にKOしたい」と、決戦へKOで勢いをつけるつもりだ。

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田口良一と京口紘人のワタナベジムコンビが手合わせ

 ボクシングで23日のダブル世界戦に出場するワタナベジムコンビが、12日に都内のジムでスパーリング対決した。V6戦のWBA世界ライトフライ級王者田口良一(30)と初挑戦するIBF世界ミニマム級9位京口紘人(23)。昨年12月以来の手合わせで、決戦まであと10日に、抑えめも8回こなした。

 京口は前に出て連打し、田口が足でかわしながら的確なパンチを返した。田口の相手は左主体もスイッチするとあって、京口が2回は左構えに替える気遣いも。京口は「ジャブはよかった。調整は順調だが疲れもあって60点」、田口は「動きはよかった。コンビネーションがもうひとつで65点」と話した。

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京口紘人、世界挑戦へ王者田口良一とスパーリング

スパーリング対決した田口良一(左)と京口紘人

 ボクシングのダブル世界戦に出場するワタナベジムの2人が、12日に都内のジムでスパーリング対決した。V6戦のWBA世界ライトフライ級王者田口良一(30)と初挑戦するIBF世界ミニマム級9位京口紘人(23)。23日に東京・大田区総合体育館での決戦を10日後に控え、仕上げの一環として8回をこなした。

 昨年12月以来の手合わせだった。京口が前へプレスをけながら、多彩なパンチで連打していく。田口は足を使いながら、ジャブにストレート、ボディーと的確なパンチを返した。ともに仮想の相手とは違うスタイルで、渡辺会長は「試合が近いんだから無理せず」に、ともに抑えめながらもいい勝負だった。会長は「世界王者にこれだけやれば」と、京口の奪取へいい手応えを得ていた。

 田口の相手は右も頻繁にスイッチするとあって、京口が2回は左構えに替える気遣いも見せた。京口は「ジャブとかはよかったが、いいストレートをもらった。疲れもあって60点。調整も減量も順調」と、今週でスパーは打ち上げる。田口は「さすが後輩」と感謝しつつ「動きはよかった。コンビネーションがもう少し出れば。65点」。こちらはさらに2度目の10回スパーを予定し、最後の追い込みをかける。

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新王者比嘉大吾、知名度で「具志堅会長」超え夢見る

「顔を売れ」と比嘉の顔をPRする具志堅会長(上)(撮影・阿部健吾)

 ボクシングのWBC世界フライ級新王者に就いたばかりの比嘉大吾(21=白井・具志堅スポーツ)が23日、練習を終えて汗がしたたる上半身裸姿で、少ししょげていた。

 「だって、街を歩いていても、会長なんですよ。僕には気付いてもくれない。もっといけるかなと思ってたんですけど…」。子どもがすねたように、どこか憎めない物言い。「会長」とは具志堅用高氏(61)のこと。元WBA世界ライトフライ級王者にして日本記録の世界戦連続防衛13回の偉業を持ち、何よりアフロ頭とヒゲという無類のトレードマークで知られる所属ジムの会長である。

 5月20日の世界タイトル戦で、日本初の13戦全勝全KOでチャンピオンベルトをつかんだ。そこから約1カ月、あいさつ回りや故郷沖縄ではパレードにも参加したが、「どこへ行っても、まずはみんなサインを会長にもらうんですよね。僕は隣でこそっとしてますよ」。ここまで濃密に日々を一緒に過ごしたことはなかっただけに、過ごす時間の長さが会長のすごさを教えてくれた。「沖縄では到着した瞬間から、みんな気付くんですよ。東京でも一緒に歩いていると、まずは会長ですから」。

 当の具志堅会長はそんな出来事の連続に、「オレの方しか見ないからねえ。サインする量が多くなったよ。オレまでサインさせられるから」と真顔。弟子の知名度に「まだまだ」と言いながらも、その度胸は買っているようで…。「一緒にテレビに出ると、食われちゃうね。よくしゃべるの。どこに行っても同じペースだから。テレビの話もきてるんだけど、セーブしているの」と、冗談半分にそのキャラを持ち上げた。

 「本業」のボクシングについては、統一戦なども視野に入れている。同会長は「井岡君とやらせたいんだよね」と、WBA同級王者の井岡一翔(28=井岡)の名前を挙げた。比嘉も「やってみたいです。KO記録も更新していきたい」と意欲十分。師匠は13度の連続防衛記録を樹立しているが、頭にあるのは階級を上げながらKOを続けていくという別の道。

 王者になってまだ1カ月。「自分の名前も有名になればいいですねえ」と思いをはせ、「会長は高い壁ですけど」と屈託なく笑うのも忘れなかった。ファイトスタイルに似て、良くも悪くも気持ちをまっすぐに表現できるその性格があれば、きっと多くの人が好きになってくれるだろう。【阿部健吾】

「顔を売れ」と比嘉の顔をPRする具志堅会長(上)(撮影・阿部健吾)
具志堅会長の現役時代の得意ポーズを完全コピーする比嘉(撮影・阿部健吾)

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田口良一「ここをクリアして田中君とやりたい」

V6を狙う世界王者田口

 ボクシングのワタナベジムは14日に都内で、7月23日に東京・大田区総合体育館でダブル世界戦を行うと発表した。WBA世界ライトフライ級王者田口良一(30)は指名試合でのV6戦となる。

 田口は5月にWBO王者田中恒成のV1戦を観戦し、リング上で次戦こそ2団体統一戦を約束した。前哨戦となるそのV6戦は、ジムただ1人の王者として昨年の大みそか以来7カ月ぶりの試合。「久しぶりの試合でうれしい。ここをクリアして田中君とやりたい。いいモチベーションになる」と先を見据える。10日まで宮崎・日南で京口らとのキャンプで足腰を強化。前回は引き分け防衛に「評価をまた上げ、強いと思わせたい」と1位との指名試合にも強い決意を示した。

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京口紘人「必ずKOで倒して王者に」ダブル世界戦

京口紘人(2016年12月31日撮影)

 ボクシングのワタナベジムは14日、都内で7月23日に東京・大田区総合体育館でダブル世界戦を開催すると発表した。

 メインにはIBF世界ミニマム級9位京口紘人(23)が抜てきされ、同級王者ホセ・アルグメド(28=メキシコ)に初挑戦する。もう1試合はWBA世界ライトフライ級王者田口良一(30)の6度目の防衛戦で、同級1位ロベルト・バレラ(24=コロンビア)との指名試合。元世界王者河野公平の再起戦、日本スパーフライ級王者船井龍一の初防衛戦なども行われる。

 京口は大商大時代に国体を制して、昨年4月デビューから6戦目で東洋太平洋王座についた。7戦全勝(6KO)と最軽量級ながらパンチがある。兄竜人(26)も一時は辰吉2世と呼ばれたプロボクサー。王者は2年前に高山から王座獲得でV4戦になるが、京口は「必ずKOで倒して王者になる。プロ入りの頃は想像もしなかったが、夢をかなえて人生を変えたい」と自信を口にした。

 田口はジムただ1人の王者として、昨年の大みそか以来7カ月ぶりの試合となる。これに勝てば、次戦ではWBO王者田中との統一戦が見込まれている。「久しぶりの試合でうれしい。ここをクリアして田中君とやりたい」と先を見据える。2人は10日に宮崎・日南でのキャンプを終え、今後はスパーリングでの実戦練習に突入する。

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師弟で世界王者は過去に7例/ボクシングめも

比嘉(右)は、ベルトを肩にかけて具志堅会長と記念撮影(撮影・浅見桂子)

<プロボクシング:WBC世界フライ級タイトル戦12回戦>◇20日◇東京・有明コロシアム

 WBC世界フライ級1位比嘉大吾(21=白井・具志堅スポーツ)が日本初の13戦全勝全KOで世界王座を初奪取した。減量失敗で王座を剥奪された前同級王者ファン・エルナンデス(30=メキシコ)から6度のダウンを奪い、6回2分58秒、TKO勝ち。92年の平仲明信以来、25年ぶりとなる沖縄出身の世界王者が誕生した。日本記録の13回防衛を誇る元WBA世界ライトフライ級王者の師匠・具志堅用高会長(61)に世界ベルトで恩返しした。これで比嘉の通算戦績は13勝(13KO)無敗となった。

 ◆師弟で世界王者 過去、国内では4つのジムで計7例ある。00年12月、元WBA世界フライ級王者の花形進氏が会長を務める花形ジムの星野敬太郎が、WBA世界ミニマム級王座に就いたのが初めて。以後、元WBA、WBC世界ミニマム級王者の大橋秀行会長の大橋ジムが川嶋勝重、八重樫東、井上尚弥の3王者を輩出。元世界2階級制覇王者の井岡弘樹会長が井岡一翔と宮崎亮、元WBC世界スーパーバンタム級王者畑中清詞会長が田中恒成を育成した。

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比嘉大吾「ワンヤカンムリワシニナイン」沖縄に王者

6回、エルナンデス(左)をマットに沈め、TKO勝ちを収める比嘉(撮影・河野匠)

<プロボクシング:WBC世界フライ級タイトル戦12回戦>◇20日◇東京・有明コロシアム

 WBC世界フライ級1位比嘉大吾(21=白井・具志堅スポーツ)が日本初の13戦全勝全KOで世界王座を初奪取した。減量失敗で王座を剥奪された前同級王者ファン・エルナンデス(30=メキシコ)から6度のダウンを奪い、6回2分58秒、TKO勝ち。92年の平仲明信以来、25年ぶりとなる沖縄出身の世界王者が誕生した。日本記録の13回防衛を誇る元WBA世界ライトフライ級王者の師匠・具志堅用高会長(61)に世界ベルトで恩返しした。これで比嘉の通算戦績は13勝(13KO)無敗となった。

 強烈な拳をねじ込んだ。比嘉は2回、5回、左フックで計2度のダウンを奪った。勝負の6回。右ボディーで1回、左ボディーの連打で2回、最後は右アッパーなどの連打でエルナンデスをキャンバスに沈めた。日本初の全勝全KOで手にしたベルトをずっと抱き締めた。師匠の具志堅会長と涙を流して抱き合った。

 比嘉 絶対に倒したかった。この試合にかける気持ちは強かった。具志堅会長にちょっと恩返しできた。

 3日前、厳しい減量と世界戦の重圧でパニック障害に陥った。エルナンデスが減量ミスで王座剥奪されたことを知り「自分の方が心が強い」。試合当日は両者とも3キロ増。同会長の現役時代と同じ曲「征服者」で入場し「鳥肌が立った」。試合前、師匠から「勝って一緒に沖縄に行こう」とハグされた。具志堅魂を肉体に宿し、25年ぶりの沖縄出身の世界王者になった。

 野球部主将の中学3年の時、比嘉に強豪高校の誘いはなかった。落ち込む日々を過ごした時、具志堅会長の現役時代の動画に衝撃を受けた。離婚を契機に家族と離れ、宮古島で生活する父等さんに連絡。「ボクシングがやりたい」。父に紹介された宮古工進学を決めた後、テレビ放送で同会長のKO特集を目にし、さらに触発された。

 入部3カ月で2度も鼻骨を骨折し、鼻が変形した。減量の空腹が耐えられず、隠れておにぎりを食べて父に投げ飛ばされた。誘惑の少ない宮古島での父子生活は、競技のみに集中。自然の中を走り抜け、毎晩、名王者の試合動画を見ることが楽しみだった。県内で5冠し、国体でも8強。大学進学するはずが、同会長の勧誘電話で全てが変わった。

 前歯が抜けて苦笑しながら比嘉は同会長が王座奪取した当時の言葉を口にした。「ワンヤ、カンムリワシニナイン」(自分はカンムリワシになりたい)。同じ21歳の世界奪取。目指すは具志堅会長=スター。日本一有名な「比嘉」への伝説が始まる。【藤中栄二】

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