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田中恒成3カ月スパーリング禁止、田口と統一戦白紙

会見を行うWBO世界ライトフライ級王者田中(右)。左は畑中会長(撮影・宮崎えり子)


 ボクシングのWBO世界ライトフライ級王者の田中恒成(22=畑中)が熱望していたWBA同級王者田口良一(ワタナベ)との年内の統一戦実現が白紙となった。畑中会長とともに20日、名古屋市内で記者会見。

 13日の2度目の防衛戦での負傷が、両目の眼窩(がんか)底骨折で全治2カ月間と診断されたと発表した。田中は「いよいよ統一戦というところでケガをして田口選手、期待してくれていたファンに申し訳なく思います」と頭を下げた。3カ月間はスパーリング禁止で、まずは治療に専念。練習再開や階級変更など今後については畑中会長が「治った時に考える。今は答えを出すことはできない」と説明した。

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田中恒成は年内統一戦白紙 眼窩底骨折で安静必要

会見を行う(左から)畑中清詞会長、WBO世界ライトフライ級王者田中恒成(撮影・宮崎えり子)


 WBO世界ライトフライ級王者の田中恒成(22=畑中)が20日、名古屋市内で会見を行い、19日に同市内の病院で「両目の眼窩(がんか)底骨折」で2か月間の安静が必要だと診断されたことを発表した。

 右目の外傷は14日に同市内の病院で4針縫い、19日に抜糸したことも明かし、3か月間はスパーリング禁止だという。同席した畑中清詞会長(50)は「年内の統一戦は白紙になりました。今後の展望は治ったときにしっかりと考えたい」と説明。実現を目指していたWBA同級王者田口良一(30=ワタナベ)との統一戦は白紙になった。

 田口との統一戦を熱望してきた田中は「いよいよ統一戦というところでケガをして、田口選手はもちろん、期待してくれていたファンには申し訳なく思います。実現が難しいと言われる統一戦ですが、9月にいい内容で勝っていよいよゴーサインというかたちで交渉を進めてくれていた渡辺会長や畑中会長、身内の方にも申し訳ない気持ちです」と悔しそうな表情で話した。

 13日に挑戦者の同級13位パランポン・CPフレッシュマート(32=タイ)との2度目の統一戦で1回にダウンを奪われたが、9回1分27秒TKO勝利。その後、頭痛を訴え、大阪市内の病院に救急車で搬送されていた。14日の会見では「左目の眼窩(がんか)底骨折の疑い」と診断されたことを明かしており、地元・名古屋で再検査を行っていた。

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拳四朗「圧勝する」10・22ゲバラと初防衛戦

初防衛戦を発表したWBC世界ライトフライ級王者拳四朗。右は父でBMBジムの寺地永会長(撮影・加藤裕一)


 WBC世界ライトフライ級王者拳四朗(25=BMB)が元同級王者で同1位ペドロ・ゲバラ(28=メキシコ)と10月22日に両国国技館で初防衛戦を行うことが19日、都内で発表された。拳四朗は5月20日に王座を奪取。今回もその試合同様、WBA世界ミドル級1位村田諒太と同級王者アッサン・エンダムの再戦、WBC世界フライ級王者比嘉大吾の初防衛戦とのトリプル世界戦に組み込まれる。

 拳四朗は「もっと注目されるように圧勝するので応援してください」と語った。王座奪取は2-0判定勝ちだった。「戦い方はジャブで突いて、カウンターといういつもの形を考えていますが、いい勝ち方で倒したい」とKO防衛を誓った。父でBMBジムの寺地会長も「今度は圧勝で倒さないと世間が認めてくれない」とハッパをかけた。

 陣営ではすでにゲバラ戦を想定し、5日間の米国・ロス合宿を敢行、17日に帰国した。現地では世界的トレーナーのルディ・エルナンデス氏のサポートを受け、ゲバラと同じメキシカンスタイルのボクサーと連日8ラウンド、合計40ラウンドのスパーリングをこなした。拳四朗は「いろんなパンチの打ち方を教わった。左アッパー、フックとか手で打つのでなく、重心下げて体で打ってみたり。新しい技として出せたらいいですね」と収穫を口にした。

 統一戦に向けて動くWBO同級王者田中恒成、WBA同級王者田口良一に比べ、同じ階級なのに知名度で及ばない。「うらやましいとかは全然ないですが、自分ももっと知名度を上げたい」との思いは強い。

 待望のバラエティー番組初登場となった7月28日放送の「アウト×デラックス」では反響絶大で、ツイッターのフォロワー数は約1000から約2400人まで激増したとか。「すごかったです。放送中に携帯がバンバン反応して」。また関西ローカルながら8月21日放送の「なるみ・岡村の過ぎるTV」には何と“売り込み出演”した。大阪市内を友人と歩いていてロケ隊と遭遇。友人に「彼、世界チャンピオンなんです」とアプローチしてもらい、後日、スタジオ収録に参加したという。「街中でたまに声をかけられるようになりましたけど、まだまだです」。今後も積極的にメディア露出を増やし、知名度アップ作戦を続けていく。

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サンダース、判定で2度目防衛 WBO世界ミドル級

<プロボクシング:WBO世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇16日(日本時間17日)◇英ロンドン・カッパーボックス・アリーナ


 同級王者ビリー・ジョー・サンダース(28=英国)が2度目の防衛に成功した。

 同級5位ウィリー・モンロー・ジュニア(30=米国)と対戦。サウスポー同士のテクニック重視のファイトが展開。手数の多かったサンダースが支持され、3-0(117-111、115-114、117-112)の判定勝ちで、昨年12月のアルツール・アカボフ(ロシア)戦で初防衛して以来の勝利となった。

 当初、サンダースは7月に暫定王者のアフタンディル・クルツィゼ(ジョージア)との王座統一戦に臨む予定だったが、クルツィゼの逮捕で試合が延期となっていた。

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サンダース息子、モンロー・ジュニアにパンチ見舞う


 プロボクシングWBO世界ミドル級タイトルマッチ12回戦は16日(日本時間17日未明)に英ロンドンのカッパーボックス・アリーナで行われる。

 同級王者ビリー・ジョー・サンダース(28=英国)は15日、英ロンドンで挑戦者となる同級5位ウィリー・モンロー・ジュニア(30=米国)と前日計量に臨み、ともに160ポンド(約72・5キロ)でクリア。計量時にはサンダースの息子がモンロー・ジュニアにパンチを見舞うハプニングもあった。

 ゴロフキン-アルバレスの3団体統一ミドル級タイトルマッチと同日に行われることもあり、サンダースは「ゴロフキンかカネロ(アルバレス)の勝った方と試合がしたい」と団体統一戦を希望した。当初、7月に暫定王者のアフタンディル・クルツィゼ(ジョージア)と対戦予定だったサンダースだったが、クルツィゼの逮捕で試合延期となっていた。

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田中恒成まずは治療、田口良一との統一戦は年内困難

一夜明け会見を行う田中(撮影者・宮崎えり子)


 ボクシングのWBO世界ライトフライ級王者田中恒成(22=畑中)とWBA同級王者田口良一(ワタナベ)の統一戦の年内実現が厳しくなった。

 逆転TKOでの2度目の防衛から一夜明けた14日、田中が試合後に救急車で搬送された大阪市内の病院で「左目の眼窩(がんか)底骨折の疑い」と診断されたことが判明。両目を腫らして会見した田中は「ケガをした悔しさ、情けなさでいっぱい。田口選手、関係者の皆さんに申し訳なく思います」と頭を下げた。地元・名古屋での再検査の結果によるが、畑中会長は年内の統一戦には「(意思は)本人もそう。ただ、まずは治療」と説明した。

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田中恒成、防衛一夜明け 眼窩底骨折の疑いと診断

一夜明け会見を行う(左から)畑中清詞会長、WBO世界ライトフライ級王者田中恒成、田中斉トレーナー(撮影者・宮崎えり子)


 13日に逆転で2度目の防衛したWBO世界ライトフライ級王者の田中恒成(22=畑中)が14日、大阪市内で一夜明け会見を行った。

 1回に挑戦者の同級13位パランポン・CPフレッシュマート(32=タイ)にダウンを奪われたが、9回1分27秒TKO勝利。その後、頭痛を訴え、大阪市内の病院に搬送されていた。両目を腫らして会見場に現れた田中は「昨日(13日)は会見できなくて、すみませんでした。試合直後にもらったジャブが左目に当たり、それから二重に見えていた。その後も右目もふさがって、カットをして。ケガをした悔しさ、情けなさでいっぱいです。田口選手、関係者の皆さんにケガをしてしまったことを申し訳なく思います」と頭を下げた。

 13日は精密検査を受け、「左目の眼窩(がんか)底骨折の疑い」と診断された。午後に名古屋市に戻り、再検査を受けるという。畑中会長は「未来のある選手。まずは体を完璧に治すこと。体が治ってから先の展開を考えたい」と説明。WBA同級王者田口良一(30=ワタナベ)との年内の統一戦を問われると同会長は「(意思は)本人もそう。ただ、まずは治療に専念」と話し、実現は厳しくなった。

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田口も統一戦に意欲「折れそうな状態で踏ん張った」

田中恒成対パランポン・CPフレッシュマート 会場に姿を見せた田口 (撮影・加藤哉)

<プロボクシング:WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇13日◇エディオンアリーナ大阪


 WBO世界ライトフライ級王者田中恒成(22=畑中)は2度目の防衛に成功し、WBA同級王者田口良一(ワタナベ)との日本人選手による統一戦に向けて前進した。

 テレビ中継のゲストで訪れた田口も田中との統一戦へあらためて意欲を示した。ダウンを奪われながらKOした戦いに「(心が)折れそうな状態で踏ん張って、KOにつなげるのはすごい」と大絶賛。自身は7月23日に6度目の防衛に成功。すでに年末の統一戦を想定した練習に入っており「自信は100%とは言えないけれど、極力パーセンテージを上げていく」と言い切った。

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田中V2も「持ってない」1回ダウン右目の上カット

<プロボクシング:WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇13日◇エディオンアリーナ大阪


 WBO世界ライトフライ級王者田中恒成(22=畑中)は2度目の防衛に成功し、WBA同級王者田口良一(ワタナベ)との日本人選手による統一戦に向けて前進した。

 田中が逆転でパランポンに9回1分27秒でTKO勝利し、2度目の防衛を果たした。テレビ中継がこれまでの東海ローカルから全国に「昇格」となった一戦は1回に挑戦者の右ストレートでダウン。さらに右目の上をカット。血を流しながらリングに立ち続けた。試合後は大事をとって病院で検査を受けるほどだったが、最後は9回に右ストレートでダウンを奪い返し、ラッシュで戦闘不能にした。

 試合後は「俺って全然持ってないですね。大事なところでこういう試合。自分にがっかり」と自虐的。田口との統一戦について聞かれると「こういう試合をしていて…なんてことは言いません。やります!」。リングの外で戦況を見守った田口に再び決戦を宣言した。しかし、リングを下りると高らかな声からは一転。試合内容に納得いかないのか足早に控室に入り無言を貫いた。【宮崎えり子】

TKO勝ちを収め、声援に応える田中(撮影・加藤哉)

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田口良一「リスクがあっても」田中との年末統一戦を

田中恒成対パランポン・CPフレッシュマート 会場に姿を見せた田口 (撮影・加藤哉)

<プロボクシング:WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇13日◇エディオンアリーナ大阪


 王者田中恒成(22=畑中)の2度目の防衛成功を、WBA同級王者の田口良一(30=ワタナベ)がリングサイド2列目から見届けた。年末の統一戦実現が期待されており、田口は「ファンが望むカードをやりたい。盛り上がる試合をしたいのがポリシー。多少(勝ち負けの)リスクがあってもやりたい」とあらためて意欲を見せた。

 挑戦者のパランポン(タイ)と戦った田中は、1回にまさかのダウン。それでも田口は「すごいのを見せつけられた」と、9回TKO勝ちで逆転した王者のすごみを第一声で発した。「劣勢になってから(の攻め)。(心が)折れる状態で踏ん張って、KOにつなげたのがすごい。ハートが強い」。田中の戦いを冷静に分析した上で、統一戦での自信を問われると「正直100%(勝つ)とは言えない。極力パーセンテージを上げていきたい」と意気込んだ。

 田口は7月23日に6度目の防衛に成功。すでに田中を想定した練習を始めているといい、12年6月のWBC世界ミニマム級王者井岡一翔-WBA同級王者八重樫東戦以来2度目となる、日本人同士の統一戦実現ムードが高まってきた。

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田中恒成V2も不満、田口と統一戦は「やります!」

<プロボクシング:WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇13日◇エディオンアリーナ大阪


 WBO世界ライトフライ級王者田中恒成(22=畑中)が逆転で同級13位パランポン・CPフレッシュマート(32=タイ)に9回1分27秒TKO勝利し、2度目の防衛を果たした。

 1回に挑戦者の右ストレートを受け、田中がいきなりダウンを奪われた。右目の上をカットし流血しながら、リングに立ち続けた。8回終盤に左右のコンビネーションでパランポンをふらつかせると、9回にスイッチが入った。序盤に右ストレートを奪い返し、その後連打を仕掛けレフェリーストップとなった。

 V2を達成した田中だが。「俺って全然持ってないですね。大事なところでこういう試合。自分にがっかりです。俺以外がおもしろかったらいいんじゃないですか」と自虐的に振り返った。リング外で戦況を見守ったWBA同級王者田口良一(30=ワタナベ)との統一戦について聞かれると「こういう試合をしていて…なんてことは言いません。やります!」と宣言した。

 試合後は頭痛を訴え、検査のため救急車で大阪市内の病院に向かった。関係者によると、意識ははっきりしており、自力歩行は可能。大事を取っての処置だという。

9回、田中(左)はパランポンから最初のダウンを奪う(撮影・加藤哉)
9回TKO勝ちを収め、ベルトを巻いて写真に納まる王者田中(右)(撮影・加藤 哉)

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田中恒成が2度目防衛 パランポンに9回TKO勝利

9回TKO勝ちを収め、声援に応える田中(撮影・加藤哉)

<プロボクシング:WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇13日◇エディオンアリーナ大阪


 WBOライトフライ級王者の田中恒成(22=畑中)が13日、2度目の防衛に成功した。

 同級13位のパランポン・CPフレッシュマート(タイ)に9回TKO勝ちし、田中は10戦全勝(6KO)となった。

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田中恒成「圧倒的な内容で勝つ」頭には田口と統一戦

ポーズを決める王者田中(左)と挑戦者パランポン・CPフレッシュマート(撮影・伊藤航)


 ボクシングのダブル世界戦(13日・エディオンアリーナ大阪)の調印式と前日計量が12日、大阪市内で行われ、4選手はいずれも1回でパスした。リミットの48・9キロちょうどのWBO世界ライトフライ級王者田中恒成(22=畑中)は、念願のWBA同級王者田口良一(ワタナベ)との統一戦の実現に向け、堂々とKO宣言した。挑戦者のパランポン(タイ)は48・7キロ。

 挑戦者を横にしても、田中は見向きもしなかった。「明日(13日)はすごい試合にします。圧倒的な内容で勝ちます。隣に座っているだけじゃ(パランポンの)印象は分かりません。見てなかったので」。2度目の防衛に成功すれば、熱望してきた田口との統一戦に大きく前進する。

 「これ(防衛戦)だけに集中していきたい」と表情を引き締めて話した田中だが、頭の中では目指す日本人同士の王座統一戦の青写真が描かれていたはずだ。計量後は毎試合恒例の勝負メシでもあるサムゲタンを食べ、力を蓄えた。「スピードを存分に出してKOします」と宣言した。

 テレビの全国中継デビューとなる節目の10戦目で培ってきたスピード、テクニック、パワーを会場に来場予定の田口の目の前で見せつけるつもり。夢の一戦の実現へ、決定打を打つ。【宮崎えり子】

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田中恒成が前日計量1発クリア「圧倒的な内容で」


 WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ(13日・エディオンアリーナ大阪)の前日計量が12日、大阪市内で行われた。

 同級王座田中恒成(22=畑中)は48・9キロのリミットで1発クリア。2度目の防衛に向け「調子もいい。明日はすごい試合をしたい。圧倒的な内容で勝ちます。スピードに注目してほしい。僕は勝ってもフェラーリをもらえないけど、思い切って勝ちたい」と意気込んだ。

 対戦相手の挑戦者の同級13位パランポン・CPフレッシュマート(32=タイ)は200グラム少ない48・7キロでクリアした。パランポンは「明日の試合をすごく楽しみにしている。試合を見ている方に楽しんでいただけるように全力で望みたい。緊張はしてない。今回のベルトをタイに持って帰りたい」と力強く語った。

早さに注目してもらいと話す田中恒成(撮影・伊藤航)

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岩佐亮佑「国内はホーム」背水の陣で大阪のリングに


 IBF世界スーパーバンタム級&WBO世界ライトフライ級ダブル世界戦(13日、エディオンアリーナ大阪)の調印式、前日計量が12日、大阪市内のホテルで行われ、IBF王者小国以載(29=角海老宝石)に挑む同級3位の岩佐亮佑(27=セレス)らが出席した。

 2度目の世界挑戦となる岩佐は、苦い経験を生かしてベルト奪取に燃える。世界初挑戦は15年6月のIBF世界バンタム級暫定王座決定戦。敵地英国に乗り込み、リー・ハスキンスに6回TKO負けを喫した。「あの時と今は全然違います」。敵地だけに倒さないとベルト奪取はないとの意識が気負いになった面を認めて「勉強しました。あの負けをいい経験にして、生かしたい」という。

 今回は大阪のリング。関西出身の小国に比べ、アウェー感はあるものの「日本国内はホームです」と全く気にしない。「間違いなく、人生の分岐点になる日。ラストチャンスと思っています」。背水の陣で、リングに上がる。

1発で計量をクリアする岩佐亮佑(中央)(撮影・伊藤航)

井上統一戦視野「スーパーフライ級で形を残したい」


 最強証明が卒業証書! 米国デビュー戦となったV6戦をKOで飾ったボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が11日、成田空港に帰国した。同級7位アントニオ・ニエベス(米国)が6回終了時に棄権の意思を示す圧倒劇。本場の期待を受けての海外初進出を終え、「ホッとしてます」と微笑すると、「スーパーフライ級で形を残したい」と先を見据えた。

 「形」とは…。「統一戦ですね。王者が4人いて、そこで誰が一番強いか証明したい」。減量の兼ね合いもあり、かねて1つ上のバンタム級転向も視野に入れていたが、今回がスーパーフライ級の一線級ばかりが集まった興行だったこともあるだろう。まだ同じ土俵で最強を知らしめていないことが心残りになった。

 年末に国内で予定する次戦で、その対象となるのは現実的には1人だ。IBF王者アンカハス。同じフィリピン出身の英雄パッキャオのプロモーション所属の25歳は、7月に帝里木下に7回TKO勝ちで2度目の防衛に成功した。WBA、WBCの王者は次戦が決まっており、自然と相手は絞られる。大橋会長は「バンタム級も考えに入れて、検討していきたい」とした。

 米国で期待に応え、「今まで以上に海外でやりたい気持ちが強くなった。オファーがあればまた行きたい」と視線は変わった。その評価をさらに不動にするためにも、次は国内で最強を証明したい。「日本でやる試合も今まで以上に良い試合をしたい」「まだ始まったばかりですから」。海を渡ったモンスター伝説は、これからが本番-。【阿部健吾】

スーパーフライ級の各団体王者

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王者井上尚弥が凱旋帰国!思わぬ“後遺症”明かす

 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が11日、米国デビューをKOで飾ったV6戦を終えて成田空港に帰国した。

 同級7位アントニオ・ニエベス(米国)に対して初回から実力をいかんなく発揮して5回にはダウン奪取、6回終了時に棄権の意志を示す圧倒劇。「ホッとしてます」とにこやかな表情をみせた。

 オファーを届けた米国の興行主催者側の期待にも応え、「今まで以上に海外でやりたい気持ちになった」と気持ちの変化もあった様子。

 一見すると目立ったダメージはないが「予想以上に力みがすごかったのか、筋肉痛なんですよね」と思わぬ“後遺症”も明かした。

 練習再開時期については「1週間はだらっとして、軽くロードワークから始めたい」と述べ、再び歩み出す。次戦は年末に国内を予定している。

今後について真剣な表情で語る井上尚弥(撮影・横山健太)

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井上尚弥ならシーサケットも問題ない/川島郭志の目

井上尚弥対アントニオ・ニエベス

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州・スタブハブ・センター

 王者井上尚弥(24=大橋)が米デビュー戦をKOで飾り、6度目の防衛に成功した。挑戦者の同級7位アントニオ・ニエベス(米国)に対し、初回から攻撃的に出ると、ダウン経験のない相手から5回に左ボディーでダウンを奪取。6回に連打を浴びせると、同回終了時にニエベス陣営が棄権を申し出た。

 井上のパワーがすごかった。米国で売り出す第1戦で圧倒し、十二分に強さを見せつけた。初回からいつも以上にパワーを前面に、強引にどんどん前に出た。相手はガードを固め、警戒というか逃げ腰。勝敗よりいつ倒すかという試合で、ものが違った。

 左のジャブとボディーがよかった。ジャブというよりストレートで、1発1発にパワーがあった。4回は足を使い、6回はポーズで相手に来させようとした。KOしたい、米国で見せたい思いが強く、攻めに徹した。攻撃が最大の防御にもなっていた。

 ライトフライ級時代はパワーよりもテクニックが目立った。スーパーフライ級でナルバエスを倒した一戦からパワーが増した。階級を上げるとファイターになっていくが、井上は時間をかけてうまく上げている。

 ロマゴンに勝ったシーサケットは左だが間違いなく勝てる。バンタム級に上げても問題はない。スーパーバンタム級は身長もあり、パワーがどこまで通用し、スタミナがカギになる。最近世界王者が増え続けるが、首をかしげたくなる王者もいる。井上には本物として海外でも勝ち続け、ボクシングの価値を高めていってもらいたい。(元WBC世界スーパーフライ級王者)

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井上尚弥、日本人7人目の海外防衛/記録メモ

井上は防衛に成功し、チャンピオンベルトを巻き笑顔。右は大橋会長(撮影・菅敏)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州・スタブハブ・センター

 王者井上尚弥(24=大橋)が米デビュー戦をKOで飾り、6度目の防衛に成功した。挑戦者の同級7位アントニオ・ニエベス(米国)に対し、初回から攻撃的に出ると、ダウン経験のない相手から5回に左ボディーでダウンを奪取。6回に連打を浴びせると、同回終了時にニエベス陣営が棄権を申し出た。

 ◆井上の記録メモ 海外での防衛は井上が日本人7人目(9例目)。日本人の海外での防衛戦は通算20戦10勝。防衛は、米国で海外勢相手は西岡、亀田和に続き3人目(4例目)で、米国で米国人相手は初。日本人の米国での世界戦は30戦目で、井上は8人目(9例目)の勝者、3人目(3例目)のKO勝利。

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井上尚弥、今興行2番目ファイトマネー2000万円

6回、手を上げニエベス(左)を挑発する井上(撮影・菅敏)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州・スタブハブ・センター

 王者井上尚弥(24=大橋)が米デビュー戦をKOで飾り、6度目の防衛に成功した。挑戦者の同級7位アントニオ・ニエベス(米国)に対し、初回から攻撃的に出ると、ダウン経験のない相手から5回に左ボディーでダウンを奪取。6回に連打を浴びせると、同回終了時にニエベス陣営が棄権を申し出た。

 井上はファイトマネーも破格の扱いだった。海外メディアの報道では、今興行の全選手で2番目に高い18万2500ドル(約2000万円)。いきなりのセミファイナル抜てきに加え、期待の高さをうかがわせた。一番はメインのゴンサレスが60万ドル(約6600万円)。シーサケットは17万ドル(約1870万円)、ニエベスは3万5000ドル(約385万円)となっていた。

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井上尚弥「もっと上を」圧勝し続ける故の不安と未来

井上は防衛に成功し、チャンピオンベルトを巻き笑顔。右は大橋会長(撮影・菅敏)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州・スタブハブ・センター

 王者井上尚弥(24=大橋)が米デビュー戦をKOで飾り、6度目の防衛に成功した。挑戦者の同級7位アントニオ・ニエベス(米国)に対し、初回から攻撃的に出ると、ダウン経験のない相手から5回に左ボディーでダウンを奪取。6回に連打を浴びせると、同回終了時にニエベス陣営が棄権を申し出た。圧倒的な内容に、本場の関係者からも高い評価を受け、井上も米国リングへの継続参戦にも意欲を示した。戦績は14戦全勝(12KO)となった。

 夜風が舞う米国の屋外リングで、井上の圧力がニエベスをのみ込んだ。5回にめり込むような左ボディーでダウンを奪うと、続く6回に勝負をかけた。ガードを固め、逃げ一辺倒になった相手に対し、「試合にならない」と右拳をくるくる回す、王者には珍しいアピールで戦いを促した。これで目の肥えたファンの歓声を呼び込むと、最後はロープ際の強引な連打で心をへし折った。挑戦者がコーナーに戻ると同時に陣営が棄権を宣告。井上は表情を変えることなく、観客席の声援に応えた。

 理想としていた派手なKO劇とはいかず、自己採点は「70点」。だが、勝ち名乗りを受けるとともに会場に響いたさらなる大歓声が、井上が“本物”だと認められた証しだった。「すっきりはしないが、結果的には良かった。日本と違う環境で調整し、勝てたことは成長につながる」。物足りない気持ちを押さえつつ、米初陣での収穫を強調した。

 デビュー14戦目で迎えた本場の舞台。思いに変化があったのは昨年9月だった。米国で軽量級に注目を呼び込んだローマン・ゴンサレスの試合をロサンゼルスで観戦。いよいよ試合開始という瞬間に、会場の雰囲気が一変した。選手へのリスペクトが根底にある、熱気。鳥肌が立ち、思わず拳を握りしめた。それまで米国への特別なあこがれはなかったが、「自分もここでやりたい」。熱い思いが一気にわき上がった。

 「ボクシング人生の分岐点」とまで言った一戦を乗り越え、確かな自信も手に入れた。わずか8戦で2階級制覇を達成し、世界から注目される存在になっても、消えることのない感情があった。「自分は試されていないことが多い。順調にいき過ぎている」。経験が少ない中で、圧勝し続けてきたがゆえの不安。巡ってきた米国からのオファーは大きなチャンスだった。けがも、期待を裏切るような試合も許されない。プレッシャーのかかる難しい試合だからこそ、どこかうれしかった。リングを下りると、「新たな1歩になった」。しみじみ語った言葉に確かな手応えがにじみ出た。

 長く日本のボクシング界を引っ張ってきた長谷川、内山、三浦が次々と引退し、8月には山中も王座から陥落した。24歳。その両拳にかかる期待はさらに大きくなっていく。陣営の大橋会長は、次戦は国内を予定しているとしつつ、「オファーがあればどんどん受ける」と海外進出にも積極的な姿勢を示した。「もっと上を目指したい」と井上。伝説はまだ始まったばかりだ。【奥山将志】

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井上尚弥に米興行主「スペクタクルな試合だった」

2回、ニエベス(右)に強烈な左パンチをヒットさせる井上(撮影・菅敏)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州・スタブハブ・センター

 王者井上尚弥(24=大橋)が米デビュー戦をKOで飾り、6度目の防衛に成功した。挑戦者の同級7位アントニオ・ニエベス(米国)に対し、初回から攻撃的に出ると、ダウン経験のない相手から5回に左ボディーでダウンを奪取。6回に連打を浴びせると、同回終了時にニエベス陣営が棄権を申し出た。

 井上の試合は米ボクシング関係者にも大きなインパクトを与えた。試合を中継したケーブル局大手HBO幹部のピーター・ネルソン氏は「ずっとこっちで見たいとオファーをかけていた。素晴らしい戦いで、みんながまた見たいと思った」と高評価を与えた。試合内容についても「優れたパワー、戦略、マインドを持っている。彼はどんな相手でも恐れないだろう」と、攻撃的な戦いを称賛した。

 また、興行を主催した「K2プロモーション」を率いるトム・ロフラー氏は「スペクタクルな試合だった。スーパーフライ級の選手を集めた興行の第2弾をやりたい」と話した。会場の米メディアの反応も良好で「打つ場所がない中で、最高のボディーショットだった」などの声が上がっていた。

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田中恒成「調子はいい」井上尚弥の勝利に「すごい」

検診後の会見で笑顔を見せるWBO世界ライトフライ級王者の田中恒成(撮影・前田充)

 WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ(13日・エディオンアリーナ大阪)の予備検診が10日、名古屋市内で行われ、2度目の防衛に臨む王者田中恒成(22=畑中)は異常なしと診断された。

 挑戦者の同級13位パランポン・CPフレッシュマート(32=タイ)は11日に予備検診を行うため、田中は1人で会見に臨んだ。「調子はいいです。落ち着いている。でもピリッとしないですね。ひとりぼっちで」と苦笑いだった。

 WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が米国デビューを6回終了TKO勝利で飾った。結果をチェックしていたという田中は「いやあ、すごいですね。あの舞台でもいつも通りだった。あの舞台に行ける…うらやましいというか、目指したくなりますね」と話した。

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井上尚弥「残念」も米デビュー成功「またやりたい」

6回、ニエベスに強烈なボディブローを入れる井上(撮影・菅敏)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州・スタブハブ・センター

 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が、同級7位アントニオ・ニエベス(30=米国)に6回終了、相手陣営の棄権によるTKO勝ちで6度目の防衛戦に成功し、米国デビューで「怪物」と呼ばれるその実力を見せつけた。

 初回、ガードの上をたたきながらも、大きな重低音を響かす右ストレートなどでリズムをつかむと、後は一方的な展開に。「初回は相手もきていたけど、3回以降は一辺倒になってしまって、試合にならないと思った」。強打を警戒するニエベスが極端にガードを固めたが、そこを打開できるのも超一流の証し。5回には左拳を脇腹にのめり込ませてひざをつかせてダウンを奪う。6回にはさらにパンチが出せなくなったニエベスに対してグローブをこまねき、攻めを促す場面もあった。「来てほしかった。残念」と残念がったが、本場のファンへのアピールには十分に成功した。

 新たな軽量級のスター選手として期待はさらに高まる。「顔見せ」を無事に終えて、さらに大きな舞台も待っている。「米国のリングの雰囲気は良かった。屋外で気持ちよかった。声がかかれば、またやりたい」と望んだ。

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エストラーダが逆転判定勝利、王座挑戦権を獲得

クアドラス(左)に判定勝利を飾ったエストラーダ(AP)

<プロボクシング:WBC世界スーパーフライ級タイトル挑戦者決定戦12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州・スタブハブ・センター

 1階級下のフライ級でWBA、WBO2団体を統一した3位のファン・フランシスコ・エストラーダ(27=メキシコ)が、2代前の王者で2位のカルロス・クアドラス(28=メキシコ)に3-0で判定勝ち。王者シーサケット・ソールンビサイ(30=タイ)への挑戦権を獲得した。

 現地では1度、3人のジャッジ全員が114-113の1ポイント差の判定で、クアドラス勝利と発表されたが、その後、エストラーダの勝利と覆った。1度は負けを宣告され、信じられないと言わんばかりの表情を浮かべたエストラーダは、両手を上げて勝ち誇った。

 かつてゴンサレスに敗れ、リベンジを誓うメキシコ人対決は超接戦となった。クアドラスが持ち前のスピードを生かしつつ、時にサウスポーにスイッチして前半戦は主導権を握ったが、中盤以降はエストラーダが細かく正確な強打を打ち込み対抗。10回には左フックから右ストレートをクアドラスの顔面にたたき込み、この試合唯一のダウンを奪い、逆転した。

 エストラーダは12年11月に、当時2階級下のWBAライトフライ級王者だったゴンサレス相手に世界初挑戦し12回判定負けも、ゴンサレスの強打に手数で対抗。ゴンサレスを最も苦しめた選手と言われた。WBAフライ級スーパー王者の16年9月には、WBAから正規王者の井岡一翔(28=井岡)との統一戦の指令を受けながら王座を返上。ゴンサレスへのリベンジを優先し、1階級上げた。

 一方、クアドラスは16年9月に同級王者として、1階級下のフライ級王者だったゴンサレスの挑戦を受け、接戦ながら0-3の判定で敗れ、プロ初黒星を喫した。試合後は判定に疑問を呈し、再戦を訴えた。ゴンサレスを執念で追い続ける者同士の対戦を制したエストラーダが、王座へ1歩前進した。

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ロマゴン返り討ちのシーサケット、井上との対戦意欲

シーサケットのパンチを浴びるローマン・ゴンサレス(AP)

<プロボクシング:WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州・スタブハブ・センター

 王者シーサケット・ソールンビサイ(30=タイ)は、4階級制覇の前王者ローマン・ゴンサレス(30=ニカラグア)を4回KOで返り討ちした後、セミファイナルで圧勝し、米デビューを飾った対抗団体WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(24=大橋)との対戦にも意欲を見せた。

 試合後、リング上でインタビューに応じたシーサケットは、ゴンサレスに2-0判定勝ちでタイトルを獲得した3月の初戦から、倍のトレーニング期間を設けて試合に臨んだことが勝因だと強調。「初戦は、2カ月の準備で試合をした。今回は4カ月、準備した。KO勝ち出来ると分かっていた」と胸を張った。

 次の挑戦者は、前座の挑戦者決定戦で2代前の王者で2位のカルロス・クアドラス(28=メキシコ)に3-0で判定勝ちして挑戦権を獲得した、3位のファン・フランシスコ・エストラーダ(27=メキシコ)が濃厚だ。リポーターが「モンスター井上の試合を見た。どちらに興味がある」と聞くと、シーサケットは「誰でもいい。誰も怖くない」と笑みを浮かべた。

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最強ロマゴン、4回に2度ダウン 衝撃の初KO負け

シーサケットのパンチを浴びるローマン・ゴンサレス(AP)

<プロボクシング:WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州カーソン、スタブハブ・センター

 4階級制覇王者にして前WBC世界スーパーフライ級王者ローマン・ゴンサレス(30=ニカラグア)が衝撃のKO負けを喫した。

 3月にベルトを奪われた王者シーサケット・ソールンビサイ(30=タイ)とダイレクトリマッチに臨んだが、4回に2度のダウンを奪われて、レフェリーが試合を止めた。KO負けは48戦目で初めてだった。

 日本の帝拳プロモーション所属の小柄な「ロマゴン」は、米老舗専門誌「リングマガジン」選定の「パウンド・フォー・パウンド」(全階級通じての最強選手)1位に長く君臨してきた。軽量級でも本場でスター選手になれると証明し続けてきた。この日のセミファイナルでWBO世界スーパーフライ級王座の6度目の防衛に成功した井上尚弥(24=大橋)との対決も期待されていたが、2連敗で王座返り咲きを逃した。

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井上、5回にアッパーでダウン奪う/試合詳細

6回、ノーガードでニエベス(左)に向かっていく井上(撮影・菅敏)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州・スタブハブ・センター

 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が、同級7位アントニオ・ニエベス(30=米国)に6回終了、相手陣営の棄権によるTKO勝ちで6度目の防衛戦に成功し、米国デビューを圧勝で飾った。

 井上は1回、開始8秒にファーストパンチの左フックを放つと、同22秒に左から右ストレートのワンツーを2度、繰り返し、早くもニエベスを追い込んだ。同1分21秒に得意の左ボディーを決め、同2分23秒には右ストレートでニエベスをロープに吹っ飛ばした。

 2回には、1分11秒に右ストレートから左ボディー、1分51秒には左フックから右ストレートを当てた。さらに2分39秒にもワイルドな右ロングフックをニエベスの顔面にたたき込んだ。その中、残り10秒を知らせる拍子木の音を、ラウンド終了と勘違いして、いったんコーナーに戻りかけるハプニングもあった。

 3回も11秒に左から右、20秒には左ボディーをねじ込んだ。さらに1分50秒には右、左、右とアッパーを繰り出し、その後も一方的に追い続けたが、長いリーチを生かし、頭からボディーまで覆う、ニエベスのカメのように堅いガードに、決定打を決めきれなかった。

 4回は一転、足を使い、ガードを固めるニエベスを前に誘い出し、空いたガードのスキを狙う動きに出た。1分1秒に強烈な右ストレートを浴びせると、残り10秒で強烈な左ボディーを決めた。

 迎えた5回、井上は勝負に出た。28秒に右ロングフックをニエベスの顔面に浴びせると、58秒には右、左、右、左とフックを連打で浴びせ、ニエベスをロープに追い込んだ。鋭いジャブ3連発でニエベスの上体を起こすと、1分40秒に右アッパーを決め、1分43秒に左アッパーを突き刺して、この日最初のダウンを奪った。そこから強烈な左ボディーを8発、ニエベスのボディーに打ち込み、一気に追い込んだ。

 そして6回、ジャブでニエベスをロー追い込むと、17秒に右、左、右とボディーをねじ込んだ。さらに左右のボディー、アッパーを立て続けに繰り出すと、ニエベスは防戦、逃げを繰り返して一方的な展開に。井上は2分12秒にノーガードになり、誘い出したがニエベスが逃げ続けると、2分35秒にロープに追い込み、右アッパーから左をたたき込んだ。さらに2分40秒、同50秒に強烈な右フックをねじ込んだ。

 この試合終了時に、ニエベスのコーナーから棄権が告げられると、井上は右手を挙げて勝利をアピールした。井上は14戦全勝(12KO)、ニエベスは17勝(9KO)2敗2分け。

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米デビュー井上尚弥、異例の好待遇で海を渡った背景

ニエベスを下し防衛に成功した井上はチャンピオンベルトを腰に笑顔を見せる。右は大橋会長(撮影・菅敏)

 <プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州カーソン、スタブハブ・センター

 日本の「怪物」が世界の「Monster」になった。

 王者井上尚弥(24=大橋)が挑戦者アントニオ・ニエベス(米国)を6回終了TKOで破り、6度目の防衛戦に成功した。初回から強烈な左ボディーでリズムを作ると終始攻勢。5回にはその左ボディーでひざをつかせた。6回はニエベスが防戦一方となり、攻撃意欲も失われる展開。井上がグローブをこまねいて、ファイトを促す一幕もあった。そのラウンド終了後にニエベスが棄権の意思を示した。

 「これが人生の分かれ道だと思っている」

 そう誓って臨んだ覚悟の大一番で、本場の観客に強烈な強さで衝撃を残すデビューを飾った。

 破格の米国上陸だった。米国最大手HBO局が生中継する興行で、いきなりのセミファイナルへの抜てき。ファイトマネーは18万2500ドル(約1970万円)にもなった。米国での実績がない選手としては、何もかもが異例。その背景には米国での軽量級選手への価値の変化、新たなスター選手を作り出したいプロモーター側の意図が見て取れる。

 元来、重量級が中心だった米国リングに「異変」が起きだしたのは近年。フィリピン出身で07年のフライ級王座奪取からアジア人として5階級を制覇したノニト・ドネアは「戦う中で、見られ方が変わっていった」と証言する。

 軽い階級の選手も脚光を浴びるようになり、メインカードに起用され、ファイトマネーも上がっていった。ドネアはその理由を「テレビなら、大きい選手も小さい選手も変わらない。一発当たれば倒れる大味な試合より、速さ、手数が多い軽量級の方が、視聴者も楽しい」と分析する。今回、井上が参戦した興行のタイトルは「SUPERFLY」。文字通り、スーパーフライ級の世界の一線級が集結したイベントで、17階級で下から4番目に軽い階級をメインにして本場で試合が企画されること自体が、軽量級戦線の機が熟していることの証しと言える。

 この動きをこれまでけん引してきたのは、この日の興行のメインで登場した4階級制覇王者にして前WBC世界スーパーフライ級王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)だった。日本の帝拳プロモーション所属の小柄な「ロマゴン」は、米老舗専門誌「リングマガジン」選定の「パウンド・フォー・パウンド」(全階級通じての最強選手)1位に長く君臨してきた。軽量級の選手が重量級をさしおいて1位。その存在感の大きさも、米国での軽量級への視線の変化に寄与していた。

 そしていま、米国が待っているのは「後継者」だ。ゴンサレスは30歳。若く、実力があるボクサーが登場すれば、より一層の熱い戦いが展開されることは確実。そこで白羽の矢が立ったのが井上だった。かつて日本人選手がこれほど求められて米国へと渡ることはなかった。日本で地道に結果を残しても、極東の情報が本場まで届くことはまれだった。実績をひっさげて、自ら願い、日本でのファイトマネーより下回ってもアメリカンドリームを追うために海を渡る。それが当たり前だった。

 井上はまったく違う。「人生の分かれ道」と本人が話すこの試合は、今後の米国リングの「分かれ道」になる可能性も含んでいる。日本がかつて体験したことがない本当の意味での世界的なボクサーの誕生。この日カリフォルニアで起こした衝撃が、その起源となる。【阿部健吾】

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井上尚弥、進化した肉体の裏に「1万段ダッシュ」

階段ダッシュする井上尚弥

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米カリフォルニア州カーソン、スタブハブ・センター

 王者井上尚弥(24=大橋)が米国に衝撃を走らせた。挑戦者で同級7位アントニオ・ニエベス(米国)を圧倒。5回に左ボディーブローでダウンを奪うと、6回終了時のインターバルでニエベスが棄権し、6回終了TKO勝ちを収めた。初回からガードを固めた相手にも、高度技術ですきを狙い、プレッシャーをかけ続け、戦意喪失に追い込んだ。本場のファンからも大きな歓声が飛んだ。

 「地獄の1万段ダッシュ」で、また肉体を進化させていた。7月下旬、静岡県熱海市の宿舎近くの山中、うっそうとした緑の中で、激しい動悸(どうき)に肩を震わせながら「きっつう!」と叫んでいた。昨年から続けている、試合前恒例の合宿だが、この時は史上最高のきつさだった。用意されたのは頂上が見えない階段。1回が200段以上、それを1日2000段以上、さまざまなメニューで登り、下半身をいじめ抜いていた。4日間で合計1万段以上、駆け上がった。下半身を強化することで、上半身に伝える力を大きくさせてきた。

 「階段できつくて歩きたくなるところでも、米国がよぎると頑張れる」。最高の発奮材料にして、心を奮い立たせてきた。強烈な左ボディーは進化の証明。その成果は、日本から米国に舞台を移しても、確実に実感できた。存分に「怪物」ぶりを見せつけた米デビュー戦だった。【阿部健吾】

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