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朝乃山かど番脱出へ「力入ります」新師匠と心機一転

朝乃山(2020年11月9日撮影)

大相撲初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)をかど番で迎える2大関が11月30日、途中休場した11月場所後、初めて取材に応じ、雪辱を誓った。朝乃山(26=高砂)は負傷した右肩の回復を強調。先代師匠の定年に伴い新体制となる部屋から再起を図る。正代(29=時津風)は左足首への負荷を抑えながら調整。慎重な姿勢を示しつつ、気負わずにかど番脱出を目指す。

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朝乃山は右肩の状態について「(痛みは)ほとんどないですね。力はもう、ほとんど入りますよ」と明るい声色で説明した。2週間前の負傷直後は右腕を上げる動作もできなかったが、現在は日常生活に支障はないという。この日は四股などの基礎運動で調整。番付発表が行われる24日までには相撲を取る稽古を再開させる予定で「自分にできることを考えながら、やっていきたい」と力を込めた。

休場中は毎日欠かさず、午後1時からテレビで放送される幕下の取組から観戦していた。「本来であれば15日間出てるのに、なんでテレビの前で第三者のところにいるんだろうという気持ちだった」と、悔しさが募った。

12月9日に65歳を迎え先代高砂親方(元大関朝潮)が定年となり、前錦島親方(元関脇朝赤龍)が部屋を継承する。新師匠は自身の入門時は現役の関取で、11月場所後には「『お互い協力して、部屋を活気づけて、部屋を盛り上げていくように頑張ろうね』と言われました」と誓い合ったことを明かした。心機一転。「悔しい思いを来場所にぶつけたい」。まずはかど番脱出を期す。【佐藤礼征】

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正代「順調なのか分からない」けがの回復に不安吐露

初場所に向けて稽古を再開した正代

大相撲初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)をかど番で迎える2大関が11月30日、途中休場した11月場所後、初めて取材に応じ、雪辱を誓った。朝乃山(26=高砂)は負傷した右肩の回復を強調。先代師匠の定年に伴い新体制となる部屋から再起を図る。正代(29=時津風)は左足首への負荷を抑えながら調整。慎重な姿勢を示しつつ、気負わずにかど番脱出を目指す。

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アマチュア時代から大きなけがの経験がない正代は「(回復が)順調なのか分からない」と、不安が入り交じった心境を吐露した。この日はテーピングを施して左足首を固め、都内の部屋でじっくりと四股、すり足を行った。「普通に四股を踏む分だったら痛みは感じない。足の位置を変えずに体をひねったりして、足首がねじれる感じがすると、ちょっと痛みが出る」。18日から両国国技館内の相撲教習所で始まる合同稽古も「おとなしくしときます」と不参加の方向だ。

14年春場所の初土俵以来初めての休場が新大関場所となったが、経験を前向きにとらえる。休場中はテレビで幕内の取組を観戦。対戦相手を入念に研究するタイプではないだけに「いい経験になった」と振り返った。3大関の1人、貴景勝が先陣を切るように優勝した。「いい刺激をもらった。頑張らなきゃいけない」と、燃えるものがある。

大関2場所目にしてかど番脱出の重圧がのし掛かるが、気持ちを波立たせない。「自分の中では、大関に上がれたことが信じられないぐらいの出来事。胸を張って土俵に上がれたらいい」と意気込んだ。【佐藤礼征】

初場所に向けて稽古を再開した正代

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正代かど番初場所へ負傷左足首は「間に合うと思う」

初場所に向けて稽古を再開した正代

大相撲11月場所を左足首の負傷で途中休場した大関正代(29=時津風)が30日、かど番で迎える初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)に向けて「(完治は)そこまでにはさすがに間に合うと思う。勝ち越せればいい」と再起を誓った。

都内の部屋での稽古後、報道陣の電話取材に対応。この日はテーピングで左足首を固定し、負荷を抑えた四股、すり足を行った。

初土俵から6年で初めての休場が、新大関場所だった。3日目の高安戦で土俵際の突き落としを決め、土俵下に落ちる際に負傷。「変に勝ちにこだわり過ぎて、このけがにつながったところもある」と唇をかむ。

不安を抱えながら出場した4日目は、左足に力が入らず大栄翔に一方的な相撲で敗れた。「休場に踏み切れなかった。取れそうなところがあるんだったら、できれば休みたくなかった」。

5日目の朝、日本相撲協会に「左遠位脛腓靱帯(じんたい)損傷により約3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出。苦渋の決断を下した。

休場中はテレビで幕内の取組を観戦した。「違和感ありましたけど、自分の中ではいい経験になった」と前向きに振り返る。普段はあまり見返すことのない他の力士の取組をじっくり観察できたという。

3大関の1人、貴景勝が大関として初めての優勝を飾ったことも刺激。「悔しいって気持ちは出てこなかった。いい刺激をもらった。頑張らなきゃいけない」と力を込めた。

アマチュア時代からけがで大会を棄権したことはなく、長期のけがには慣れていない。患部の状態については「歩く分には痛みはないですね。普通に四股を踏む分だったら痛みは感じない。足の位置を変えずに体をひねったりして、足首がねじれる感じするとちょっと痛みが出ますね」と説明。初場所の番付発表が行われる24日までに、相撲を取る稽古に「挑戦はしたい」と話した。

来月18日からは両国国技館内の相撲教習所で合同稽古が行われ、自身も参加した前回とは違って途中参加も可能だが「行くだけ行って参加できなかったらあれなので。おとなしくしときます」と、今回は見送る方針を示した。

新年最初の場所が、いきなりかど番。「そのときはそのとき。自分の中では大関に上がれたっていうことがすごい、信じられないぐらいの出来事。胸を張って土俵に上がれたらいい」。気負わずに臨む。【佐藤礼征】

初場所に向けて稽古を再開した正代

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十両V翠富士が母校で決意「勝ち越しと三賞目指す」

飛龍高の杉山理事長(右)から花束を贈られる翠富士

大相撲11月場所で自身初、県勢9年ぶりの十両優勝を飾った翠富士(24=伊勢ケ浜、焼津市出身)が27日、母校の飛龍高を訪れ、杉山盛雄理事長(62)らに優勝報告を行った。

10勝5敗で迎えた優勝決定戦。千秋楽の本割で敗れた旭秀鵬を下した。過去の決定戦は2戦2敗だったが、大一番で底力を発揮した。「親方から『胸から行け』と言われた。たくさんの思い出がつまった高校へ、良い報告ができました」と白い歯を見せた。171センチ、114キロと小兵ながらも奮闘する姿に、杉山理事長は「小さくても正面からぶつかる姿も魅力。1つでも上の番付を目指し、ケガに注意して頑張ってください」とエールを送った。

来年1月の初場所新入幕は、確実な状況。翠富士は「今まで通り、しっかり当たってから技を出す。勝ち越しと三賞を目指します」と決意を新たにした。【古地真隆】

○…飛龍高3年の熱海富士(伊勢ケ浜、本名・武井朔太郎)も、同部屋の先輩の躍進に続いてみせる。11月場所の新弟子らによる前相撲では3戦全勝。好スタートを切った。「久々の取り組みで緊張もあったが、結果を出せて良かったです」。翠富士について「心強い存在。自分も強くなって、早く出世したい」と意気込んだ。年末には部屋の稽古に合流。来年の初場所では序ノ口で相撲を取る。

飛龍高相撲部の後輩たちと記念写真に納まる翠富士(前列中央)。2列目左端が熱海富士

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初場所の開催方法「状況によっては」大幅変更も示唆

芝田山広報部長(2020年4月3日撮影)

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は26日、報道陣の電話取材に応じ、来年1月の初場所(10日初日、東京・両国国技館)開催について「万が一の状況によっては(中止となった)5月場所みたいになる可能性はある」と話した。この日、東京・両国国技館で理事会が行われ、初場所の開催方法が発表。基本的には11月場所を踏襲するが、国内の感染状況によっては、大幅な変更を行う可能性を示唆した。

観客の上限は約5000人から約5300人に増える。増加分は一部のたまり席を開放するため。両国国技館の収容人数が約1万600人で会場の半分にあたり、行政指導の範囲内。午後1時の開場は継続する。

12月以降の予定も発表され、12月18日から1週間、11月場所前に続いて合同稽古が両国国技館内の相撲教習所で行われることが決まった。横綱白鵬や貴景勝、正代の2大関が参加した前回とは違い、今回は途中参加が認められている。

毎年恒例、年明けに東京・明治神宮で行われる奉納土俵入りは行われず、2月に両国国技館で開催されるNHK福祉大相撲は芝田山広報部長によると「保留」の状態。フジテレビが主催する「日本大相撲トーナメント」は2月7日に両国国技館で行われる。

来年3月の春場所については、大阪での開催を目指す方針に変わりはない。芝田山広報部長は「準備は万端に整えた上で、世の中の状況を見ながら検討していく」と説明した。

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大相撲初場所の入場券、5300席に引き上げ

両国国技館の外観(2020年5月4日撮影)

日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で理事会を開き、来年1月の大相撲初場所(10日初日、両国国技館)の入場券販売方法を発表した。

1日あたりの席数上限は、11月場所の約5000席から、行政指導の範囲内の約5300席に引き上げる。たまり席の4列目以降を1席空けて使用することで引き上げとなった。また一部を一般販売する予定という。

販売方法は、7月場所以降の3場所はウェブサイト「チケット大相撲」だけだったが、これに加え各プレイガイド、コンビニエンスストアでも販売する。また興業当日の在庫状況により、両国国技館窓口で当日券販売される(午後0時半~同5時、自由席の扱いはなし)。

先行抽選は11月28日から「チケット大相撲」プレイガイドの「ぴあ」「イープラス」「ローチケ」「CNプレイガイド」で始まる。また一般販売は「チケット大相撲」と電話受付(0570-02-9310)、前述の各プレイガイド、全国のセブン-イレブン、ローソン、ミニストップ各店舗で12月5日から始まる。

その他の開催方法、感染防止策などは基本的に11月場所を踏襲する。「コロナ対策により館内外の扉を開放し充分な換気を施すため、防寒着等、充分に温かい格好でご来場ください」と呼び掛けている。

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貴景勝所属の千賀ノ浦部屋「常盤山部屋」に名称変更

貴景勝(20年11月10日)

日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で理事会を開き、常盤山親方(69=元関脇舛田山)と千賀ノ浦親方(59=元小結隆三杉)が年寄名跡を交換し、千賀ノ浦部屋の名称が「常盤山部屋」の名称に変更することを承認した。

先代千賀ノ浦親方の常盤山親方は、来年4月に再雇用制度の任期が終わる。千賀ノ浦親方は16年4月の部屋継承前まで「常盤山」を襲名しており、今回の名跡交換は継承時から両者間で取り決めていた。

千賀ノ浦部屋には11月場所で2度目の優勝を果たした大関貴景勝や関脇隆の勝らが所属している。貴景勝は常盤山部屋の力士として来年1月の初場所に臨み、初めての綱とりに挑戦する。

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元幕内の矢後、1月の初場所で4場所ぶり十両復帰

11月14日、寺沢(右)を寄り切りで破る矢後

日本相撲協会は25日、東京・両国国技館で大相撲初場所(来年1月10日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、元幕内の矢後(26=尾車、芽室町出身)の十両復帰が決まった。

11月場所は東幕下2枚目で4勝3敗と勝ち越し、4場所ぶりの再十両となる。

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「大鵬の孫」王鵬へ改名「名前に見合った人間に」

新十両昇進にあたり新しいしこ名を掲げる納谷改め王鵬

昭和の大横綱の孫が、ついに関取昇進を果たした。日本相撲協会は25日、東京・両国国技館で初場所(来年1月10日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、納谷改め王鵬(おうほう、20=大嶽)の新十両昇進を決めた。祖父は第48代横綱大鵬で、父は元関脇貴闘力。2000年代生まれでは初めての関取誕生となった。新十両は他に白石改め東白龍、再十両は矢後、竜虎が決まった。

   ◇   ◇   ◇

「大鵬の孫」として注目を浴び続ける20歳が、新十両昇進を機に壮大なしこ名に改名した。リモートでの会見に出席した王鵬は「祖父の『鵬』の字をいただけるということでうれしい。名前に見合った人間になりたい」と表情を崩した。

命名した師匠の大嶽親方(元十両大竜)は「(祖父の)『大』に代わるものとして『王』とつけた。昔から温めていた」と説明。わんぱく相撲に出ていた時、小学生ながら堂々とした振る舞いに「風貌が王鵬という感じ。わが道を行く、どっしりしたところがある」と感じ取ったという。

祖父譲りの191センチ、175キロの恵まれた体格は、幕内力士と比較しても遜色ない。得意の突き押し相撲で、今場所は西幕下筆頭で十両を2人破って6勝1敗。「気持ちが相撲に出ていた」と手応えを口にする。

初土俵からちょうど3年での昇進だが、自身が入門時から掲げた目標よりは1年遅い。99年度生まれの力士は有望株がそろい、琴勝峰や豊昇龍はすでに幕内で活躍。ライバルに先を越されて「何で自分だけ弱いんだろう」と悩む時期もあったが、「自分の中では誰よりもやったつもりだった」。自負する稽古量で、1年半も停滞した幕下上位の壁を打ち破った。

「やるからには一番上を目指す」と祖父と同じ番付を目指す。その大鵬の故郷である北海道・弟子屈町から化粧まわしが贈られる予定。同町の象徴である屈斜路湖と摩周湖が描かれているという。母校の埼玉栄高からも贈呈されるなど周囲も祝福ムードだ。

新年最初の場所で見据えるのは、まずは新入幕。「注目されることはうれしい。見劣りしないように頑張るだけ」。大きな期待を感じながら、令和の大横綱を目指す。【佐藤礼征】

◆王鵬幸之介(おうほう・こうのすけ)本名・納谷幸之介。2000年(平12)2月14日、東京都江東区生まれ。埼玉栄高では17年愛媛国体少年で、団体と個人の2冠。高校卒業を待たずに18年初場所で初土俵。19年夏場所から今年の11月場所まで大関貴景勝の付け人を務めた。21年初場所新十両。父は幕尻優勝を果たした元関脇貴闘力、長男幸男はプロレスラーで、次男の三段目鵬山、四男の幕下夢道鵬は同じ大嶽部屋所属。191センチ、175キロ。得意は突き、押し。

新十両昇進が決まり部屋の前でガッツポーズをする納谷改め王鵬

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白石改め東白龍が新十両「まだ実感ない。うれしい」

新十両昇進を決めて新しいしこ名を手にガッツポーズをする白石改め東白龍

日本相撲協会は25日、大相撲初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、白石改め東白龍(24=玉ノ井)の新十両昇進を決めた。リモートでの会見に出席した東白龍は「まだ実感がない。うれしい」と笑顔を見せた。

東洋大を卒業して19年夏場所に三段目最下位格付け出しでデビューし、所要9場所で関取の座をつかんだ。秋場所前に部屋で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、東白龍を含めて玉ノ井部屋に所属する力士全員が秋場所を全休。コロナ禍の“救済措置”として番付は据え置かれ、2場所ぶりに出場した今場所は西幕下2枚目で4勝3敗と勝ち越した。「特例措置で据え置きにしていただいて、それを聞いてこれは絶対に上がらなきゃだめだなと思った」と、覚悟を持って臨んだ。

勝ち越しをかけた7番相撲は土俵際の攻防の末、行司軍配差し違えで白星を拾った。大学時代は団体戦で大将を務めることが多かったが、2対2で迎えた大将戦で負けた記憶はほとんどないという。「自分でも勝負強いと思う。(7番相撲は)やってやろうという気持ちの方が強かった」と、強心臓をアピールした。

突っ張り相撲を得意としているが、引き技で相手を呼び込む場面も多い。会見に同席した師匠の玉ノ井親方(元大関栃東)は「スピードが速い分、相手がよく見えているが、今後はもっと大きい相手とぶつかっていく。もっと体を大きくして全体的な力をつけないといけない。似たようなタイプだと千代大海関が突き押しでどんどん前に出ていた。ああいう突き押しをしながら、うまく回り込むセンスが(東白龍には)ある」と、自身が現役時代に対戦した突き押しの大関を引き合いに出して、さらなる成長を期待した。

平成8年度生まれで11月場所を制した大関貴景勝や平幕の阿武咲らは同学年にあたる。アマチュア時代に対戦した経験もあるだけに「自分は進学という道を選んで大学で(貴景勝と阿武咲を)すごいなと思っていた。追いつけるように頑張りたい。対戦してみたい」と意欲を示す。まずは関取デビューとなる新年最初の場所に向けて「とりあえずは勝ち越しで、欲を言うなら(十両)優勝したい」と力強く宣言した。

新十両昇進を決めた白石改め東白龍(右)と師匠の玉ノ井親方
リモートでの新十両会見に臨む白石改め東白龍

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大鵬の孫納谷が十両「王鵬」改名、しこ名の意味

新十両昇進にあたり新しいしこ名を掲げる納谷改め王鵬

日本相撲協会は25日、来年1月の大相撲初場所(10日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、元横綱大鵬の孫、納谷改め王鵬(20=大嶽)の新十両昇進を発表した。

王鵬は西幕下筆頭だった11月場所で6勝を挙げ、新十両昇進を確実にしていた。この日、都内の部屋でオンラインによる会見を開き「場所が終わってから今日までドキドキしていた。良かったなと、落ち着いた感じです」と無事に吉報が届き、胸をなで下ろした。

18年初場所で初土俵を踏んでから、11月場所までは本名の「納谷」をしこ名にしてきた。関取になったタイミングで「王鵬」に改名。師匠の大嶽親方(元十両大竜)は「わんぱく相撲に出ていた時、彼がもし力士になったらどういうしこ名がいいだろうと考えてつけたのが王鵬。大鵬というしこ名も使えない、どこか似たしこ名をと。『大』に代わるものとして『王』をつけた」と、王鵬が小学生だった頃から温めてきたしこ名だったという。

さらに、王鵬の意味については「あまりしゃべらないというかわが道を行くというか、どっしりと落ち着いたところとか。納谷を見た時に『王鵬』と分かるものがある」と説明。隣で聞いていた王鵬は「名前はすごく格好いい。しこ名があった方が力士らしいのでうれしい。名前に見合った人間になりたいです」と話した。

入門してから3年かけてつかんだ関取の座。王鵬は「自分の中では納得していない。時間がかかったなと思う。入った時は2年で頑張ろうと思っていた」と自分の中では、あと1年早く関取に上がりたかったという。ただ、大嶽親方は「これからが勝負だと思います。私たちの時は『上がって10年』と大鵬に言われてきた。王鵬には10年どころか20年でも頑張って欲しい」と、ここからの活躍に期待した。

土俵入りの際に使用する化粧まわしの1つに、大鵬の出身の北海道弟子屈町から贈られてくる物があるという。同町にある摩周湖と屈斜路湖が描かれた化粧まわしだといい、大嶽親方は「見ただけでは分からないけど、説明を受ければ深いというか、なるほどなと思うもの」と話した。会見後に祖父の墓参りに行くといい、王鵬は「(大鵬から)頑張れよ、って言われると思います。大したことないなと見劣りしないように頑張るだけです」と言葉に力を込めた。

次の目標は「新入幕」と王鵬。同学年の琴勝峰と豊昇龍が、すでに幕内に上がっているのに対して「一緒にやってきた仲間。テレビの遅い時間帯で一緒に相撲が取りたい」と刺激を受けてきた。角界入りしてから、ようやくつかんだ1つ目の目標。「やるからには一番上を目指している」と、見据えた祖父と同じ地位に向けて突き進む。

リモートでの新十両会見に臨み、笑顔を見せる納谷改め王鵬(日本相撲協会提供)
リモートでの新十両会見に臨む納谷改め王鵬
リモートでの新十両会見に臨む納谷改め王鵬(右)と師匠の大嶽親方(日本相撲協会提供)

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大鵬の孫納谷が十両昇進、王鵬へ改名 番付編成会議

リモートでの新十両会見に臨む納谷改め王鵬

昭和の大横綱の孫が、関取の座をつかんだ。日本相撲協会は25日、来年1月の大相撲初場所(10日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、十両昇進力士4人を発表。祖父が第48代横綱大鵬で、幕尻優勝も果たした元関脇貴闘力の3男の納谷(20=大嶽、本名・納谷幸之介)が新十両昇進を果たした。王鵬(おうほう)への改名も発表された。

納谷改め王鵬は埼玉栄高3年冬の18年初場所で初土俵。初めて番付にしこ名が載った翌春場所で序ノ口優勝を果たし、順調に出世。幕下上位で足踏みが続いたが、11月場所は西幕下1枚目で6勝1敗の成績を収め、新十両昇進を果たした。

白石改め東白龍(とうはくりゅう、24=玉ノ井、本名・白石雅仁)も新十両昇進を決めた。東洋大を卒業し19年夏場所、三段目最下位格付け出しで初土俵。11月場所は西幕下2枚目で4勝3敗と、番付運も手伝っての新昇進となった。

残る2人は再十両。11月場所は東幕下2枚目で4勝3敗の矢後(やご、26=尾車)は、今年の春場所以来、4場所ぶりの十両復帰。西幕下15枚目で7戦全勝を果たした竜虎(りゅうこう、22=尾上)は新十両昇進を果たした昨年名古屋場所以来、8場所ぶりの十両復帰を決めた。

リモートでの新十両会見に臨み、笑顔を見せる納谷改め王鵬(日本相撲協会提供)
リモートでの新十両会見に臨む納谷改め王鵬(右)と師匠の大嶽親方(日本相撲協会提供)

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白鵬の師匠・宮城野親方「受け止めた」横審の決議に

白鵬(2020年7月30日撮影)

日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)から「注意」の決議を下された横綱白鵬(35=宮城野)の師匠、宮城野親方(元前頭竹葉山)が24日、日本相撲協会を通じて、決議が下されたことについてコメントした。「横綱審議委員会のこのたびの決議を受け、横綱としての責任を果たすべく、師弟共に真摯(しんし)に受け止めました」と多くは語らなかった。

白鵬は途中休場した7月場所後の8月に右膝を手術し、秋場所と11月場所を全休した。横審は11月場所千秋楽から一夜明けた23日に定例会を開催。ここ2年間の12場所中、3分の2にあたる8場所で休場した白鵬と鶴竜の両横綱に対して、注意の決議を下した。横審の決議事項には厳しい順から引退勧告、注意、激励があり、注意が決議されたのは初めてだった。

横審の矢野弘典委員長は、定例会後に「休場が多いので注意を与えて奮起を促した。横綱の責任を十分に果たしてきたとは言えない」などと厳しい言葉を並べた。しかし、来年初場所(1月10日初日、東京・両国国技館)の出場は厳命せず。さらに重い決議を下す可能性については、結果を見てから委員らで話し合いをするとしている。

宮城野親方(2018年1月6日撮影)

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白鵬と鶴竜に稀勢より重い「注意」横審「休場多い」

11月場所後の横綱審議委員会の定例会に出席した芝田山広報部長(左)と矢野弘典委員長

日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)は23日、東京・両国国技館で定例会を開き、11月場所を全休して3場所連続で休場した横綱白鵬(35=宮城野)と横綱鶴竜(35=陸奥)に対して、出席した6人の委員の総意で「注意」を決議した。横審の決議事項には厳しい順から引退勧告、注意、激励があり、注意が決議されるのは初めて。

定例会後にオンライン取材に応じた矢野弘典委員長は「休場が多いので注意を与えて奮起を促した。来場所には覚悟を決めて備えてもらいたい」と説明した。横審は両横綱の18年九州場所からの2年間の成績に注目。12場所中、皆勤したのはともに4場所のみで、休場が3分の2を占めた。秋場所後の定例会では、激励の決議を下す声も挙がったというが見送った。奮起を期待した11月場所だったが「期待に反して2人とも休場。横綱の責任を十分に果たしてきたとは言えない」と厳しい言葉を並べた。

横審は過去に、8場所連続で休場するなどした稀勢の里が、18年九州場所で初日から4連敗して途中休場した際に激励の決議を下した。両横綱の状況は、当時の稀勢の里と似ているが「少し踏み込んだ判断をして本人の自覚を促す。2人一緒に休むこと自体、責任の重さ、置かれている状況を認識しているのかということ」と話した。朝青龍が10年初場所中に泥酔し暴行問題を起こした際には、引退勧告書を相撲協会に提出したこともある。

来年1月の初場所(10日初日、東京・両国国技館)出場については「最終的に決めるのは本人。強制はしないが、横綱がいるのに出場しない場所は長く続けてはいけない」。結果によりさらに重い決議を下す可能性については、初場所の結果を見てから委員らで話し合いをするとした。

◆横審の勧告規定 横綱審議委員会規則の横綱推薦の内規第5条に「横綱が次の各項に該当する場合、横綱審議委員会はその実態をよく調査して、出席委員の3分の2以上の決議により激励、注意、引退勧告等をなす」とある。該当理由は(イ)休場が多い場合。ただし休場する時でも、そのけが、病気の内容によっては審議の上、再起の可能性を認めて治療に専念させることがある(ロ)横綱として体面を汚す場合(ハ)横綱として不成績であり、その位にたえないと認めた場合となっている。なお、勧告に強制力はない。

11月場所後に行われた横綱審議委員会の定例会

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横審、白鵬と鶴竜に「覚悟決めて」引退勧告にも言及

白鵬(2020年7月30日撮影)

日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審=矢野弘典委員長)が、大相撲11月場所千秋楽から一夜明けた23日、東京・両国国技館で定例会合を開き、9月の秋場所に続き2場所連続で休場した横綱白鵬(35=宮城野)と横綱鶴竜(35=陸奥)に対し、出席6委員の総意で「注意」の決議を下した。

横審の内規では、不本意な成績や休場が続く横綱に対し、委員の3分の2以上の決議があれば、重い順に「引退勧告」「注意」「激励」が出来ると定められている。最近では稀勢の里(現荒磯親方)に「激励」が言い渡されたことがあるが、それより一歩踏み込んだものとなった。師匠を通じてなり、両横綱への通達を横審は八角理事長(元横綱北勝海)に要請。同理事長は「必ず伝えます」と答えたという。

秋場所後の定例会合でも、数人の委員から決議を出すべきでは、という声が出ていた。だが「両横綱に自覚を促すにとどめたが、期待に反し2場所連続の休場。近年の状況から横綱の責任を果たしたとは言えない。少し重い注意が妥当と判断した」と同委員長は話した。

会合では、最近12場所の両横綱の休場場所数、休場日数などのデータを出して比較。全休場所がともに4場所(鶴竜は初日不戦敗も含め)、途中休場も各4場所。「全体の3分の2が休場で、全休は3分の1。休場日数も50%前後。出場した場所では白鵬は3回、鶴竜は1回、優勝しているが結果は別に、あまりにも休みが多い。深い、強い責任を持って今後に対処してほしい」と断じた。

8場所連続休場でも「激励」にとどめた稀勢の里との比較については「在位は12場所で10場所休場、全休は4場所だったが、それでも毎場所、土俵に上がっていい結果は出なかったが、やっている姿は見ることが出来た。そういう意味では同じように比較はできない」と説明。さらに「稀勢の里は休日数でいえば5割を超えて6割。(それで決議に)差をつけた結論に至った」と続けたが、休場場所や全休、休場日数の割合で今回の両横綱は、稀勢の里と同じかそれ以下の数字で、やや苦しい説明となった。

来場所以降の成績によっては、さらに重い「引退勧告」の決議がされるかどうかの議論は「来場所も見てまた相談するということになった」と説明。また来場所の出場を促すかについては「最終的には本人の判断で強制はできない」としながら「ファンの立場からすれば横綱がいない場所は寂しい。横綱が出場しない場所が長く続いてはいけない」とした。「結果としての休場回数とか休日日数が一番、事実を語っている。その重みを感じてほしい。横審としては切実な思い」「両横綱には第一人者に相応しい自覚を持ち、行動によってそれを示して欲しい。とりわけ世代交代が迫っている中、上を目指す力士の壁となり、よき模範となってもらいたい。注意の処置にした理由は休場が多いので、注意を与えて奮起をうながすものでありまして、来場所には是非、覚悟を決めて備えていただきたいと考えております」。柔らかな口調ではあったが、その言葉の数々に、厳しさがにじみ出ていた。

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貴景勝「場所前に入籍」の思い 大関初V二重の喜び

11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝

大相撲11月場所で18年九州場所以来2度目、大関として初めて優勝した貴景勝(24=千賀ノ浦)が23日、“新婚V”だったことを明かした。

都内の部屋でリモートでの会見に応じ、11月場所前に元モデルで元大関北天佑の次女、有希奈さん(28)と結婚していたことを報告。初の綱とり挑戦となる初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)に向けて、突き押し1本で最高位に上り詰める決意も語った。

   ◇   ◇   ◇

激闘から一夜明けて、貴景勝は秘めていた思いを明かした。「私事ですが場所前に入籍しまして、頑張っていきたいなと思っていたので良かったです。本場所に集中しないといけないので、場所後に言えたらなと思っていた」。8月の婚約発表から3カ月。大関として初めて抱いた賜杯には、二重の喜びがあった。

婚姻届を出した具体的な日にちについては明かさなかったが、結婚した理由について「純粋に一緒に頑張っていきたいなと思ったから」と説明した。プロポーズの言葉は「それは力士だしね」と内緒。普段は相撲の話はしないが、有希奈さんからは食事面などでサポートを受けている。「(優勝は)喜んでくれた。これからもいい時ばかりじゃない。悪い時もある。そういう時に踏ん張っていければ」。二人三脚で今後の相撲人生を歩んでいく。

嫁とりから綱とりへ-。私生活に変化はあっても、相撲は今のスタイルを貫く。突き押し相撲だけで横綱昇進は厳しいという意見について「だから目指す価値はすごくある。無理って言われてるのをやり遂げたときの充実感というのは替えられないものもある」。身長175センチは力士として小柄。四つ相撲に不向きな体と自覚しているだけに「押し相撲の魅力も伝えたい」と意気込んだ。

今場所は横綱、大関戦が1度もなかった。「その状況、その状況でベストを尽くすしかない」。新年最初の場所で真価が問われる。【佐藤礼征】

貴景勝と入籍した有希奈さん

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横審が3場所連続休場の白鵬と鶴竜に「注意」の決議

横綱白鵬(左)と鶴竜

大相撲の横綱審議委員会(横審)の定例会が23日、都内で開かれ、11月場所を休場した横綱白鵬(35=宮城野)と横綱鶴竜(35=陸奥)に「注意」の決議を下した。

白鵬は途中休場した7月場所後の8月に右膝を手術し、9月の秋場所を全休した。横綱鶴竜も7月場所を右肘靱帯(じんたい)損傷などで途中休場すると、腰痛なども併発して秋場所を全休。秋場所後に行われた横綱審議委員会の定例会で矢野弘典委員長は、断続的に休場が続く両横綱に対して厳しい意見が出たことを明かし、11月場所の様子を見て、何らかの決議を下すかどうかを話し合うとしていた。

白鵬は11月場所前に行われた合同稽古に参加し、新大関の正代と三番稽古をするなど順調な調整ぶりを見せていた。しかし、右膝が完治していないことなどを理由に11月場所を休場。鶴竜も腰痛などが完治していないとの理由で休場し、ともに3場所連続休場となっていた。ここ最近の6場所では、白鵬の皆勤は19年九州場所と今年の春場所の2場所、鶴竜の皆勤は今年の春場所の1場所だけだった。

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貴景勝「だから価値ある」突き押しで横綱困難の声に

11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝

大相撲の大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が自身2度目の優勝を果たした11月場所千秋楽から一夜明けた23日、オンラインで一夜明け会見を行った。あらためて優勝を振り返り「初優勝とはまた違った優勝だったので、少し疲労感も多かったと思う。今場所は決定戦もあってつかみ取ったなという感じ」と話した。

人生の伴侶を得て臨んだ場所だった。9月の秋場所前に婚約を発表していた、06年に亡くなった元大関北天佑の千葉勝彦さんの次女で元モデルの有希奈さんと、11月場所前に結婚していたことを明かした。「私事ですけど場所前に入籍しまして、頑張っていきたいと思っていたので良かったです」と自身の結婚に、最高の形で花を添えた。妻の有希奈さんとは相撲の話はしないといい「食事の面とか、そういう所でいろいろとやってくれる」と土俵に集中できる環境を作ってくれることに感謝した。

来年1月の初場所は、自身初の綱とり場所になる。「今場所も自分の中で最高の形でやったつもり。来場所によって何か変わることはないけど、初場所までやれることをやり切って、しっかり勝負していきたいなと思います」と話した。

「一般的に突き押しで横綱は厳しいという声もあるが」と問われると「だから目指す価値がある。無理と言われたのをやり遂げた時の充実感というのは代えられないものがある。押し相撲の魅力も伝えたい。今から四つ相撲を覚えられないので、日々励んでいきたい」と幼き頃から磨き続けた突き押し一本で頂点を目指す。

11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝
11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝

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貴景勝Vから一夜「トーナメントやと思ってやった」

11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝

大相撲の大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が自身2度目の優勝を果たした11月場所千秋楽から一夜明けた23日、オンラインで一夜明け会見を行った。あらためて優勝を振り返り「初優勝とはまた違った優勝だったので、少し疲労感も多かったと思う。今場所は決定戦もあってつかみ取ったなという感じ」と話した。

秋場所の反省をしっかりといかして、賜杯を手にした。秋場所は1差で追いかける展開で優勝争いに加わるも、関脇正代に追いつけずに優勝次点。あらためて「一番の星の重さを感じました」と実感。だからこそ「15日間でどれだけ勝つかというよりも、トーナメントやと思ってやった。初日勝ったら2日目に進める、2日目に勝ったら3日目に進めるって考え方を変えた。今日負けても明日勝つ、という精神的なブレを直すのも大事だけど、今場所は視点を変えてやりました」とこれまで以上に、目の前の白星に強くこだわった。

人生の伴侶を得て臨んだ場所でもあった。9月の秋場所前に婚約を発表していた、06年に亡くなった元大関北天佑の千葉勝彦さんの次女で元モデルの有希奈さんと、11月場所前に結婚していたことを明かした。「私事ですけど場所前に入籍しまして、頑張っていきたいと思っていたので良かったです」と自身の結婚に、最高の形で花を添えた。妻の有希奈さんとは相撲の話はしないといい「食事の面とか、そういう所でいろいろとやってくれる」と土俵に集中できる環境を作ってくれることに感謝した。

来年1月の初場所は、自身初の綱とり場所になる。「今場所も自分の中で最高の形でやったつもり。来場所によって何か変わることはないけど、初場所までやれることをやり切って、しっかり勝負していきたいなと思います」と話した。

「一般的に突き押しで横綱は厳しいという声もあるが」と問われると「だから目指す価値がある。無理と言われたのをやり遂げた時の充実感というのは代えられないものがある。押し相撲の魅力も伝えたい。今から四つ相撲を覚えられないので、日々励んでいきたい」と幼き頃から磨き続けた突き押し一本で頂点を目指す。

11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝
11月場所で優勝し、一夜明け会見に臨む貴景勝

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翠富士十両初V 来場所は幕内で巨漢力士に挑戦へ

十両優勝決定戦で旭秀鵬を破り、土俵から引き揚げる翠富士(撮影・河田真司)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

東十両2枚目の翠富士(24=伊勢ケ浜、静岡県焼津市出身)が10勝5敗同士の優勝決定戦を制し、初の十両優勝を果たした。静岡県勢では2011年5月場所の磋牙司(38=入間川、三島市出身)以来、9年ぶり。171センチ、114キロの小兵力士が、歴史に名を刻んだ。

勝てば優勝の本割で、旭秀鵬(32=友綱)にはたき込まれた。同じ相手との決定戦。低い立ち合いから真っすぐ出て、最後は相手が内無双にきたタイミングで一気に押し出した。「本当にうれしい。本割で勝ちたかったですけどね」と苦笑いを見せた。

本割では勝ちたい意識が強すぎたか、攻め込みながら足が出なかった。戻った支度部屋で髪を結い直しながら、付け人と「どうしようか」と相談。そこに現れたのが、部屋付きの安治川親方(元関脇安美錦)だった。「安治川親方に『胸からいけ』と。胸からいったら引きは食わない。どうだろうと思いながら、その通りにいったら勝てました」。的確な助言が生きた。

これで来場所の新入幕が濃厚になった。「テレビでいつも見ていた人たちと当たる。できる限りいっぱい勝ちたい」。炎鵬をはじめ、小兵の活躍が目立つ幕内の土俵に加わる。「炎鵬関を見ていて、自分もそうなりたいと思っていました」。得意技の肩透かしで巨漢力士に挑む。

十両優勝決定戦で旭秀鵬(右)を押し出しで破る翠富士(撮影・河田真司)

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