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【若乃花の目】後半戦は割を崩しても朝乃山を三役以上と ファンの期待応え上位倒してV争いに

「若乃花の目」

<大相撲夏場所>◇9日目◇22日◇東京・両国国技館

8連勝こそ逃した朝乃山ですが最小限の1敗で勝ち越しを決めました。ここまで平幕下位が相手でしたが、先場所は上位だった竜電には立ち合いを止められ相手に相撲を取られてしまった印象です。右を差しても二の矢の攻めを防がれ苦戦しましたが、竜電に次の攻めがないことに救われました。左を巻き替え慎重に圧力をかけて勝負を決めました。10日目はまた少し番付が上がり平戸海ですが、スピードはあるけど体力差は明らか。土俵際で詰めの甘さが出なければ、1敗のまま残り5日の後半戦に入ると思います。

その後半戦は割を崩しても、朝乃山を優勝争いの三役以上と当てて、ファンの期待に応えてほしいと思います。心の面できつい思いをした2年間だったでしょう。ただ体の面ではケガもなく、技術面で衰えるわけもなく、何より次期横綱候補と期待された大関経験者です。2年前の「強かった朝乃山」をファンに再び見せるためにも、番付下位でなく上位を倒しての優勝争いに加わってほしいと思います。

結びの一番では明生が、理想の攻めで全勝の横綱に土をつけました。膝を曲げてすり足で相撲を取りたい照ノ富士を、左右に動かし足を伸ばさせた攻めは光りました。これで再び3人が1敗で並び、1差で4人が追う白熱の展開です。その中に朝乃山がいます。だからこそ、朝乃山の上位戦に期待します。(日刊スポーツ評論家)

朝乃山は竜電(左)を寄り倒しで破る(撮影・横山健太)
朝乃山は竜電(右)を寄り倒しで破る(撮影・横山健太)
朝乃山は竜電(右)を寄り倒しで破る(撮影・横山健太)
朝乃山は竜電(右)を寄り倒しで破る(撮影・横山健太)

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朝乃山「2ケタ以上、絶対に勝ちます」2年ぶりに幕内力士として臨む夏場所へ力強く宣言

ぶつかり稽古で幕下の石崎(手前)に胸を出す朝乃山

大相撲で大関経験者の東前頭14枚目朝乃山(29=高砂)が、約2年ぶりに幕内力士として臨む夏場所(14日初日、東京・両国国技館)に向けて「2ケタ以上、絶対に勝ちます」と、力強く宣言した。12日、都内の部屋で四股やすり足、てっぽうなどの基礎運動で調整。相撲を取る稽古は2日前の10日までで打ち上げ、4月の春巡業から続く連日の稽古で、たまった疲労を取り除くことに主眼を置いているという。ここまでは順調だといい、夏場所への思いも自然と語気が強まった。

朝乃山 「2年ぶりの幕内ですし、自分自身も楽しみですし、成績を残さないといけない。1日1番、目標を持って、しっかりと自分の(相撲を)取り切って、結果を残していきたいです。2ケタ以上勝てるように…。2ケタ以上、絶対に勝ちます」。

この日は初日と2日目の対戦相手が決まり、朝乃山は初日が千代翔馬、2日目は剣翔との顔合わせに決まった。千代翔馬戦に向けては「相撲が速い。相手はスピード勝負だと思うけど、こっちはやることは何も変わらない。しっかり相手を見て攻めていきながら、自分の形になるようにしていきたい」と語った。剣翔戦に向けては、168キロの自身よりも、26キロも重い194キロだけに「自分よりも体重は重たいけど、自分自身との戦い」と、右四つのいい形に持ち込めるかをポイントに挙げていた。

ぶつかり稽古で序二段の朝白龍(手前)に胸を出す朝乃山
重りを担ぎながら、すり足を繰り返す間、若い衆の申し合いを見つめる朝乃山
朝東(後方左)に四股を指導する朝乃山(同右)。手前は高砂親方

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夏場所で幕下付け出しデビューの大の里「概念覆された」二所ノ関親方のもとで刺激受け成長続ける

稽古後、自身の木札を指さして笑顔を見せる大の里

大相撲夏場所(14日初日、東京・両国国技館)で、幕下10枚目格付け出しでデビューする大の里(22=二所ノ関)が3日、茨城県内の部屋で報道陣に稽古を公開した。

体に張りがあるため、この日は相撲を取らず、四股やすり足、てっぽうなどの基礎運動で汗を流した。192センチ、177キロの恵まれた体格から、今春卒業した日体大では2年連続アマチュア横綱に輝くなど、将来を期待される逸材。稽古後は、集まった30人近い報道陣の取材に応じ「注目されているのだと実感しました。とにかく4勝以上。まずは勝ち越したい」と、さわやかに話した。

稽古中は、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)から、まわしの切り方などを教わる場面もあった。「今までの概念が覆された」と、刺激を受ける毎日を送り、成長を続けている。「自分は本当に相撲が好き。番付発表が終わって、木札に自分の名前があるのを見て『本当にお相撲さんになったんだな』と実感します」と、初々しく話した。

初場所で、幕下15枚目格付け出しでデビューした落合(宮城野)が、昭和以降最速の所要1場所で関取に昇進した。大の里は、その落合よりも5枚上位の幕下10枚目格付け出しでデビューするだけに、夏場所で7戦全勝なら新十両昇進が有力だ。すでに大関経験者の前頭高安と、申し合いで互角以上に渡り合っているだけに、周囲の期待は高まるばかり。それでも当の大の里は「スピード出世は気にしていない。親方も言われているように、最終的にどこにいるか。まずは白まわしを巻いて、締め込みを巻いて、関取に上がりたいなというのが目標です」と、じっくりと力をつけていきたい考えだ。

まだ初土俵も踏んでいないが、報道陣からの取材依頼は相次いでいた。ただ、師匠の意向で、場所前の取材は原則的に、この日に一本化された。余計な重圧などを感じさせないように配慮した親心によるものだが、大の里は「プレッシャーはないですね。楽しむだけ」と堂々と話すなど、大物ぶりをのぞかせた。二所ノ関親方も「急がず、しっかりと土台をつくって、長く関取でいればチャンスがあると思う」と、大関、横綱へと成長できる逸材と感じている。さらに「しこ名のごとく、大きく育ってほしい」とエールを送り、期待していた。

師匠の二所ノ関親方(手前)の助言に熱心に耳を傾ける大の里
師匠の二所ノ関親方(手前左)直伝のまわしの切り方を熱心に見つめるる大の里(後方左から2人目)
すり足を繰り返す大の里
報道陣の取材に笑顔を見せながら応じた大の里
黒まわしを着けて土俵の砂をはく大の里。デビュー場所で無敗なら、今場所が最初で最後の姿となるかもしれない
黒まわしを着け、ほうきとちりとりを手にする大の里(左)。デビュー場所で無敗なら、今場所が最初で最後の姿となるかもしれない
稽古後、大の里について語る師匠の二所ノ関親方

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【ボクシング】米人気スター対決。デービスとガルシアが計量クリアし、早くもピリピリ「場外戦」

フェースオフ中に言い合いするジャーボンテイ・デービス(中央左)とライアン・ガルシア(中央右)(ショータイム公式インスタグラムから)

無敗同士の米人気スター対決がヒートアップした。

世界3階級制覇王者で現WBA世界ライト級王者ジャーボンテイ・デービス(28=米国)が22日(日本時間23日)、米ラスベガスのT-モバイルアリーナで元WBC世界同級暫定王者ライアン・ガルシア(24=米国)との136ポンド(約61・69キロ)契約体重12回戦に臨む。21日(同22日)には同地で前日計量に出席。デービスは135ポンド(約61・23キロ)、ガルシアは135・5ポンド(61・46キロ)でクリアした。

恒例のフェースオフ(にらみ合い)では両者が言い合うと先にデービスが両手でガルシアの体を押してもみ合いに。両者の関係者が入り乱れて“場外戦”は制止された。次代の「ボクシング界の顔」を決める戦いとして注目されるスター対決となる。今回ライト級リミットよりも1ポンド多い契約体重に設定、さらに当日の増長は10ポンドまでという条項はすべてデービス側の要望だ。

今回の制限がより大変なのは身長で12センチ、リーチも7センチ勝るガルシアとなる。厳しい体重制限を条項に加えたのもデービスがガルシア戦に対して神経をとがらせていることが分かる。20日(同21日)の最終会見で、デービスは「お前に言ってやる。あごを折る。俺があごに触れたらお前は眠る」とガルシアに警告。一方のガルシアも「土曜の夜、お前のすべてが止まる。彼を終わらせるつもり。それを約束しよう」と挑発を返した。両者ともに1歩も引かない。

勝利するのは、KO率93%を誇るパンチャーのデービスか。それともキレ味鋭い左フックとスピードが持ち味でKO率83%という今が旬のガルシアか。試合内容を含めたビッグマッチとして全米で注目を集めている。

フェースオフ中に言い合いし、ライアン・ガルシア(中央右)を両手で突いたジャーボンテイ・デービス(中央左)(ショータイム公式インスタグラムから)

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ボクシング嫌がっていた松本圭佑に「ヘラクレスオオカブトあげる」大橋会長勧誘エピソード明かす

日本フェザー級王者となった松本(左から3人目は)は記念撮影する。左から井上尚、大橋会長、1人おいて井上拓(撮影・宮地輝)

<プロボクシング:日本フェザー級王座決定10回戦>◇18日◇東京・後楽園ホール

「ミライモンスター」を愛称に持つ日本フェザー級2位松本圭佑(23=大橋)がタイトル初挑戦で日本王座を獲得した。同級1位の元王者佐川遼(29=三迫)との同級王座決定戦に臨み、3-0(98-92、99-91×2)の大差判定勝利を収めた。所属ジムのチーフトレーナーで父好二氏(53)が第41、43、45代王者となった日本フェザー級のベルトを第67代王者として手にした。

所属ジムの大橋秀行会長(58)は小学校時代の松本とのエピソードを明かし「最初はボクシングが嫌と言っていて。ヘラクレスオオカブトをあげるからとスカウトした」と人気外国産カブトムシで勧誘したことをなつかしそうに振り返った。元王者佐川との王座決定戦を決めた後、関係者から「冒険マッチですね」と言われたという同会長は「8戦目で相手は格上だけれど、ジムでは井上尚弥、拓真兄弟のスパーリングパートナーをしているし、即KO勝ちすると思っていた。5回にスタミナ切れはあって心配していたが、スピード、テクニックも圧倒的な差があった」と分析した。

3カ月をめどに指名試合で初防衛戦をする必要があり、今月のランキングで最上位になりそうなのは現同級4位リドワン・オイコラ(25=平仲BS)が最有力。会場で視察していたオイコラから挑戦アピールもあった。

日本フェザー級王者となり、たたえられる松本(中央)。左から井上尚、大橋会長、一人おいて井上拓、父の好二(撮影・宮地輝)
日本フェザー級王者となった松本。左は新唯、右は雪平莉左(撮影・宮地輝)
日本フェザー級王者となり、父の好二さん(左)とガッツポーズする松本(撮影・宮地輝)
2回、佐川(右)にパンチを打ち込む松本(撮影・宮地輝)
【イラスト】松本圭佑のプロ戦績

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亀田興毅氏、元世界王者クアルトのパンチに太鼓判 16日に重岡銀次朗とIBF暫定王座決定戦

世界戦をプロモートする亀田興毅氏(左)が持つドラムミットに強烈な左フックを打ち込む前IBF世界ミニマム級王者で同級3位のレネ・マーク・クアルト

プロボクシング元世界3階級制覇王者で3150FIGHTファウンダーを務める亀田興毅氏(36)が、16日にIBF世界ミニマム級暫定王座決定戦に出場する前王者で同級3位のレネ・マーク・クアルト(26=フィリピン)のパンチをミットで受けた。

同世界戦を自らマッチーメークし、興行プロモーターとなるため、同級4位重岡銀次朗(23=ワタナベ)とIBF暫定王座ベルトを争うクアルトの公開練習を11日、都内のジムで視察。公開練習メニューの最後にドラムミットを持ち、リングイン。昨年7月まで世界王者だったクアルトの右ストレート、左フックを受けてパンチ力を確認した。クアルトの右ストレートを受けた際には後ろに吹き飛ばされるシーンもあった。

クアルトは、重岡を序盤でKOする姿勢を示し「勝つことは簡単な仕事だ」と自信を示した。亀田氏は「スピードがあるし。パンチがかたい。ストレートは上からドスンと落ちてくる感じあるし。トレーナーは(元世界6階級制覇王者マニー・)パッキャオのトレーナーやし、元世界王者。銀次朗選手も警戒しないといけないかも」と率直な感想を口にしていた。

公開練習した前IBF世界ミニマム級王者レネ・マーク・クアルト(中央)。左端は世界戦をプロモートする亀田興毅氏、右端はクアルトを担当するノノイ・ネリトレーナー
序盤で重岡銀次朗をKO撃破すると豪語した前IBF世界ミニマム級王者のレネ・マーク・クアルト
16日にIBF世界ミニマム級暫定王座決定戦に臨み、同級4位重岡銀次朗と拳を交える元王者で同級3位のレネ・マーク・クアルト

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【大橋秀行】まるで瞬間移動…那須川天心の際だった瞬発的スピード 華がありボクシング界の宝

4回、与那覇(手前)を果敢に攻める那須川(撮影・滝沢徹郎)

<大橋秀行の目>

那須川天心(24=帝拳)は「スピードがすごい」と言われるが、それは単に動き回るスピードではない。際だっているのは瞬発的なスピードだ。止まっていると思った瞬間、キューンと別の位置に移動できる。まるで瞬間移動、ワープしたようだ。これは天性としか言いようがない。

デビュー戦は日本の上位ランカー相手にやりたい放題で、スピード以外でも群を抜く才能を随所に見せた。パンチを当てさせない卓越したディフェンス力は、「アンタッチャブル」と言われた元世界スーパーフライ級王者の川島郭志のようだった。クリンチされても組み負けていない。格闘技慣れしていると感じた。

数年前、私はキック時代の那須川のボクシング技術に驚き「ボクシングに転向すれば75年にプロ3戦目で世界王者になったセンサク・ムアンスリン(タイ)の記録を塗り替える」と語ったことがある。その印象と評価は今日のデビュー戦を見ても変わらない。

最短記録を狙うかどうかはジムの方針もある。もっと土台をつくってからという考え方もあるだろう。いずれにしても世界王者になる逸材だ。格闘技界で修羅場を経験しているのでハートも強く、大舞台でも動じない。何より華がある。ボクシング界の宝だと思う。(元WBC、WBA世界ミニマム級王者)

デビュー戦を勝利し、ラウンドガールの新唯(左)、雪平莉左(右)に囲まれながらポーズを決める那須川(撮影・滝沢徹郎)
デビュー戦を勝利し、ラウンドガールの新唯(左)、雪平莉左(右)に囲まれながらポーズを決める那須川(撮影・滝沢徹郎)
2R、与那覇(手前)を果敢に攻める那須川(撮影・滝沢徹郎)
4R、与那覇(左)を果敢に攻める那須川(撮影・狩俣裕三)
4R、与那覇(左)を果敢に攻める那須川(撮影・狩俣裕三)
4回、与那覇(右)にパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
与那覇(右)に6回判定勝ちした那須川(撮影・江口和貴)
与那覇に6回判定勝ちした那須川(撮影・江口和貴)
6回を終え、抱き合う那須川(左)と与那覇(撮影・江口和貴)
デビュー戦に勝利し、引き揚げる那須川(撮影・江口和貴)
デビュー戦を勝利し、父の弘幸会長(右)と抱き合う那須川(撮影・滝沢徹郎)
4回、与那覇(後方)にジャンプをしながらパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
4回、与那覇(後方)にジャンプをしながらパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
4回、与那覇(後方)にジャンプをしながらパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
試合後の会見に臨む那須川(撮影・滝沢徹郎)
試合後の会見に臨む那須川(撮影・滝沢徹郎)

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与那覇勇気、那須川天心は「これからどんどん上にいくと思います」スピード、技術を称賛

4回、与那覇(手前)を果敢に攻める那須川(撮影・滝沢徹郎)

与那覇勇気(32=真正)はサングラス姿で会見場に現れた。

「ぶざまに負けたなという感じです」。2回にスリップ気味をダウンにとられたが「あれはしゃあないです」とキッパリ。

那須川天心について「スピードはもちろんあるし、打ち分けとかボクシングの技術もあると感じた。キレで倒す感じでもらったら危ないと思った。これからKOもしていくんじゃないですか。吸収力とかすごいんで、これからどんどん上にいくと思います」と対戦した実感として称賛した。

2回、与那覇(左)に大きく振りかぶりアッパーを放つも、空振りする那須川(撮影・滝沢徹郎)
1回、与那覇(左)に強烈な右フックを食らわす那須川(撮影・滝沢徹郎)
3回、与那覇(右)に左ストレートを放つ那須川(撮影・滝沢徹郎)
2R、与那覇(右)に左ボディーを放つ那須川(撮影・滝沢徹郎)
デビュー戦を勝利し、父の弘幸会長(右)と抱き合う那須川(撮影・滝沢徹郎)
与那覇(左)に判定勝ちする那須川(撮影・滝沢徹郎)
デビュー戦に勝利し、雄たけびを上げる那須川(撮影・滝沢徹郎)
リングを彩るラウンドガールの新唯(撮影・滝沢徹郎)
リングウオークする天野麻菜(撮影・滝沢徹郎)
リングウオークする雪平莉左(撮影・滝沢徹郎)
4回、与那覇(右)にパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
4回、与那覇(右)にパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
1R、与那覇(左)に右フックを食らわす那須川(撮影・狩俣裕三)
6回、与那覇(左)にパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
6回を終え、抱き合う那須川(左)と与那覇(撮影・江口和貴)
那須川に敗れた後、会見を行う与那覇(撮影・狩俣裕三)
与那覇に6回判定勝ちした那須川(撮影・江口和貴)
6回を終え、厳しい表情を見せる那須川(撮影・江口和貴)
デビュー戦を勝利し、ラウンドガールの新唯(左)、雪平莉左(右)に囲まれながらポーズを決める那須川(撮影・滝沢徹郎)
ラウンドガールを務める雪平莉左(撮影・滝沢徹郎)
デビュー戦を勝利し、ラウンドガールの新唯(左)、雪平莉左(右)に囲まれながらポーズを決める那須川(撮影・滝沢徹郎)
ラウンドガールを務める天野麻菜(撮影・狩俣裕三)
ラウンドガールを務める新唯(撮影・狩俣裕三)
リングを彩るラウンドガールの新唯(撮影・滝沢徹郎)
リングウオークする天野麻菜(撮影・滝沢徹郎)
ラウンドガールを務める雪平莉左(撮影・狩俣裕三)
ラウンドガールを務める天野麻菜(撮影・江口和貴)
リングウオークする天野麻菜(撮影・滝沢徹郎)
リングウオークする雪平莉左(撮影・滝沢徹郎)

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那須川天心デビュー戦3-0判定勝利「ボクシングでも世界を取りたい」新格闘技人生は白星スタート

与那覇(右)に6回判定勝ちした那須川(撮影・江口和貴)

<プロボクシング:スーパーバンタム級6回戦>◇8日◇東京・有明アリーナ

47戦無敗の人気格闘家でプロボクサーに転向した那須川天心(24=帝拳)が満点の白星デビューを飾った。

日本バンタム級2位の与那覇勇気(32=真正)とのスーパーバンタム級6回戦に臨み、2回に右フックでダウンを奪って3-0の判定勝ちを収めた。ジャッジ3人中2人がフルマークをつけて日本ランカーに圧勝。所属ジムの本田明彦会長(75)から100点の高い評価を得た。キック時代と変わらないド派手な入場で会場を盛り上げ、トータルで「天心劇場」を演出した。

   ◇   ◇   ◇

ボクシングの舞台でも那須川は存在感十分だった。日本ランカー与那覇に対し、余裕を持ってクールに攻めた。「攻撃はほぼ全部見えたかな」。2回、バランスを崩した相手に右フックを合わせてダウンを奪うと、3回は相手の右目上をパンチで切り裂いた。4回には左カウンターから16連打のラッシュ。「終わらせてやろうかと思ったけど」。TKOまでは奪えなかったが見せ場を演出。トリッキーにノーモーションの左で何度も相手顔面を打ち続け「倒したかったというのはあるが、6回を経験できたのは大きい」とうなずいた。

3分3回(延長1回)が基本となるキックルールでは味わうことのない6回でも充電切れはなかった。「スピード的にも良かった。空間把握もできた。警戒すぎたのが大きかった。もっと倒せるようなパンチを磨きたい」。繊細な準備が“売り”の男らしく、反省も忘れなかった。

2度の米ラスベガス修行などを含め、この半年間、那須川の指導を続けた所属ジムの本田会長は「私からすると100点満点。6カ月の練習でできることはすべてやった」と褒めちぎった。さらに「3カ月後か4カ月後は分からないが、1年くれれば本物になっている」と太鼓判。これで日本スーパーバンタム級ランク入りは確実となるが、同会長は「1年後には日本でトップになっているはず」と強調した。

デビュー戦の花道。那須川は炎と火花の演出をバックに姿をみせた。キック時代と同じ矢沢永吉の「止まらないHa~Ha」に乗ってリングイン。米人気リングアナのジミー・レノンJr.氏にコールされる豪華な登場だった。

「倒せはしなかったが、ダウンを取って勝てた。ボクサー那須川天心として見てくれるのではないか。必ずボクシングでも世界を取ろうと思っている」。

常に「対世界」を見据える那須川の第2章が、ド派手に始まった。【藤中栄二】

◆1R

開始から与那覇が前に出て右強打を振るうも空振り。その後はサウスポースタイルの那須川が、与那覇を翻弄(ほんろう)した。

30秒すぎに左ボディーアッパー2連発で会場を沸かせ、1分半すぎにワンツー2連発。さらに残り30秒で左ストレートをカウンターで決める

【日刊採点】10-9那須川

◆2R

開始早々、那須川が右フックでダウンを奪う。その後は左ストレート、左ボディアッパーを面白いように決める。

1分50秒すぎに左ストレート連打で与那覇を後退させる。トリッキーな動きで相手を幻惑するパフォーマンスも。

与那覇は那須川のスピードについていけない。

【日刊採点】10-8那須川

◆3R

残り1分から那須川がエンジン全開。強烈な左ストレートを次々と決める。残り30秒には右フックも。与那覇は右目尻をカット。

一方的な那須川のペースに

【日刊採点】10-9那須川

◆4R

与那覇は開始から前進するもパンチはことごとく空を切る。1分20秒すぎに那須川のワンツー、右から左ボディーブローと次々ヒット。

2分20秒すぎに強烈な左ストレートを決めると、一気にラッシュ。与那覇をロープにつめてめった打ち。

与那覇はなんとか倒れずに踏ん張る

【日刊採点】10-9那須川

◆5R

50秒すぎに那須川の左ストレートが強烈にヒット。与那覇は大振りの左右パンチを振り回すが、那須川はすべて外す。

2分すぎに与那覇が連打も那須川は堅いガードで1発も食わず。

【日刊採点】10-9那須川

◆6R

那須川はフットワークをつかって距離を取り、ジャブを突く。無理をしないボクシングに。

中盤に与那覇の左右ボディーフックがヒット。しかし、残り30秒から左ストレートを皮切りに那須川の連打が次々とヒット。

与那覇も踏ん張る。そのまま終了のゴングが鳴る。

那須川が3-0の大差判定勝ちを収めた。

【日刊採点】10-9

<那須川天心(なすかわ・てんしん)>

◆生まれ 1998年(平10)8月18日、千葉・松戸市生まれ。

◆名前の由来 父弘幸さんが「天に心を持て」と命名。天のような大きな心を持ち、感謝の気持ちを持って欲しいと願いが込められている。

◆スポーツ歴 父弘幸さんが元サッカー選手で中学時代に全日本制覇の経歴を持つため、最初はサッカーを習うもGK。5歳で極真空手を開始。小学5年でジュニア世界大会優勝。その後、キックに転向。

◆キック&総合格闘技 14年7月、15歳でプロデビュー。15年5月にプロ6戦目の16歳でRISEバンタム級王座を獲得。16年12月にRIZINに参戦し、総合格闘技にも挑戦。18年6月、初代RISE世界フェザー級王者に。22年6月、K-1の元3階級制覇王者・武尊に判定勝ち。

◆家族、スタイル 両親、妹2人、弟。身長165センチの左ボクサーファイター。体重は61キロ(通常)。

2回、与那覇(左)からダウンを奪う那須川(撮影・江口和貴)
派手に入場する那須川(撮影・狩俣裕三)
入場する那須川(中央)(撮影・江口和貴)
3回、与那覇(左)に強烈な左ストレートを食らわす那須川(撮影・狩俣裕三)
5回、与那覇(左)にパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
5回、パンチを放つ那須川(左)とよける与那覇(撮影・江口和貴)
5回、与那覇(左)にパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
1回、与那覇(左)に右フックを食らわす那須川(撮影・狩俣裕三)
6回、与那覇(右)にパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
4回、与那覇(右)にパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
4回、与那覇(右)にパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
4回、与那覇(右)にパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
3回、与那覇(左)にパンチを放つ那須川(撮影・江口和貴)
リングウオークする雪平莉左(撮影・滝沢徹郎)
リングウオークする天野麻菜(撮影・滝沢徹郎)
リングを彩るラウンドガールの新唯(撮影・滝沢徹郎)
デビュー戦に勝利し、雄たけびを上げる那須川(撮影・滝沢徹郎)
与那覇(左)に判定勝ちする那須川(撮影・滝沢徹郎)
デビュー戦に勝利し、引き揚げる那須川(撮影・江口和貴)
3回、与那覇(右)に左ストレートを放つ那須川(撮影・滝沢徹郎)
1回、与那覇(左)に強烈な右フックを食らわす那須川(撮影・滝沢徹郎)
2回、与那覇(左)に大きく振りかぶりアッパーを放つも、空振りする那須川(撮影・滝沢徹郎)
2回、与那覇(左)に大きく振りかぶりアッパーを放つも、空振りする那須川(撮影・滝沢徹郎)
デビュー戦を勝利し、父の弘幸会長(右)と抱き合う那須川(撮影・滝沢徹郎)
デビュー戦を勝利し、ガッツポーズで引き揚げる那須川(撮影・滝沢徹郎)
4回、与那覇(手前)を果敢に攻める那須川(撮影・滝沢徹郎)
3回、軽快なステップを与那覇(右)に見せつける那須川(撮影・滝沢徹郎)
デビュー戦に勝利し、インタビューで笑顔を見せる那須川(撮影・滝沢徹郎)
デビュー戦を勝利し、ラウンドガールの新唯(左)、雪平莉左(右)に囲まれながらポーズを決める那須川(撮影・滝沢徹郎)

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那須川天心デビュー戦相手の与那覇勇気「ボクシングはスピード勝負じゃない」”主役交代”に意欲

ボクシング初陣で対戦する与那覇(右)と記念撮影する那須川(撮影・狩俣裕三)

キックボクシングで無敗を誇った“神童”那須川天心(24=帝拳)のプロボクシングデビュー戦の対戦相手、日本バンタム級2位の与那覇勇気(32=真正)が6日に東京都内で行われた公式会見で自信を示した。8日に東京・有明アリーナでのスーパーバンタム級6回戦に臨む。

与那覇は「コンディションはもちろんバッチリ」と言い、大注目を集める対戦に「試合が決まってこの日を迎えて楽しみな気持ちが増した。試合が決まっただけで反響をもらっている。それはもちろん那須川選手ありきだが、それをすべてちょうだいしたい」と“主役交代”に意欲を見せた。

那須川が約1週間前に公開した練習を見たという。「きつい時期の1週間前に披露するのは異例。すごいなとは思ったが、見せようと思うほど自分としてはありがたい。倒そうと思っているんで」と不敵に言った。

那須川を上回る点を「スピード以外は全部まさってます。スピードはしょうがない。速すぎるんで。でもボクシングはスピード勝負じゃないんで」。すでにスターのオーラを放つ那須川に、雑草魂で向かっていく。

ボクシング初陣で対戦する与那覇(右)と記念撮影する那須川(撮影・狩俣裕三)
ボクシング初陣に向け、意気込みを語る那須川(手前)。右は対戦する与那覇(撮影・狩俣裕三)

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アマ横綱・中村泰輝「大の里」にしこ名決まる「早く関取になって恩返しを」初土俵は夏場所の予定

中村のしこ名を発表する二所ノ関親方(左)としこ名を書いた色紙を持つ中村

大相撲の二所ノ関部屋入りした中村泰輝(22=日体大)が6日、母校・海洋高で会見した。師匠の二所ノ関親方(36=元横綱稀勢の里)が同席した。21、22年にアマチュア横綱になった大器。しこ名も「大の里」(おおのさと)と発表された。初土俵は5月の夏場所(14日初日、東京・両国国技館)の予定。幕下10枚目格付け出しでデビューする。

   ◇   ◇   ◇

193センチ、175キロのド迫力。中村の全身は周囲を圧倒した。188センチの師匠・二所ノ関親方でさえ存在がかすんでしまうほどの恵まれた身体だ。しこ名は「大の里」に決まった。二所ノ関親方が「私が出世したときに案に上がった」という縁のあるしこ名だ。元大関の大きなしこ名を引き継ぎ、角界にデビューする。「具体的な目標は言うものではなく、心の中に決めておくもの。言える範囲のことは、1日でも早く関取になって恩返しをしたいということ」。しこ名、身体と同様に秘めている目標はきっとスケールが大きい。

21、22年のアマチュア横綱。複数の部屋から勧誘はあったが「いつも『ここだ』と思うところで相撲をやってきた」と言う中村は、二所ノ関部屋の相撲環境にほれ込んで入門した。部屋の所在地は茨城県阿見町。「何の誘惑もなく、相撲に集中できる。娯楽もない。新潟も何もない(ところだった)。1日でも早く関取になるために、いろいろな誘惑を消すのが一番」。中村は、脇目を振らずに大きな全身を相撲のためだけに使う。

突き押しの馬力が真骨頂の中村を二所ノ関親方は、まずはじっくり鍛える方針だ。「体を大相撲仕様にする」と言う。15日間、6場所を年間で闘える身体作り。「頑丈にしないと壊れてしまう」と師匠は言う。「スピード出世より、じっくり鍛えて上位で長く活躍できる力士に育てたい」。大の里というしこ名を輝かせるための奮闘が始める。【涌井幹雄】

◆中村泰輝(なかむら・だいき)2000年(平12)6月7日生まれ、石川県津幡町出身。相撲は小1で津幡相撲教室で始め、新潟の能生中、海洋高に進み、新潟在住は6年。高1のインターハイ個人戦で2位。3年の高校選抜十和田大会で個人戦優勝。日体大では1年で学生横綱。3、4年時には連続でアマチュア横綱に輝く。193センチ、175キロ。血液型B。

しこ名を記した色紙を持つ二所ノ関親方(左)と中村
二所ノ関親方(左)と握手する中村
桜と山を背景に笑顔でガッツポーズの中村

井上拓真が「完封勝利」宣言!8日WBA世界バンタム級王座決定戦で4団体統一へまずは1冠

対戦するソリス(右)と並び、試合への意気込みを話す井上拓(撮影・狩俣裕三)

プロボクシング元WBC世界バンタム級暫定王者で現WBA同級1位の井上拓真(27=大橋)が、1冠獲得へ『完封勝利』を自らに課した。

同級2位リボリオ・ソリス(41=ベネズエラ)とのWBA世界同級王座決定戦(8日、東京・有明アリーナ)を2日後に控えた6日、東京ドームホテルで会見に臨み「今回のテーマは何もさせないで勝つ。しっかりと完封したい」と断言した。

ソリスは日本人世界王者たちを苦しめてきた実力者。13年5月には河野公平を判定で下してWBA世界スーパーフライ級王座を獲得。同12月のIBF同級王者亀田大毅との2団体王座統一戦では、計量に失敗して王座を剥奪されたものの、試合は判定勝ち。16年には1階級上のWBC世界バンタム級王者の山中慎介に挑戦して判定負けを喫したが、ダウンを奪っている。

豊富なキャリアを誇る好戦的なボクサーだが、井上は「ラフに向かってくる感じはあるが、パンチが当たらなければ意味はない」と意に介していなかった。所属する大橋ジムの大橋秀行会長(58)も「ソリスとは相性がいい。相手のキャリアは警戒しなければならないが、スピードは井上が上。安心して見ていられる」と、3月31日のソリスの公開練習後に語っていた。

19年11月にWBC世界同級正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)との団体内王座統一戦に敗れて王座陥落して以降、井上は東洋太平洋バンタム級王座、日本スーパーバンタム級王座、WBOアジア・パシフィック同級王座を奪取して、着実に実績を積み上げてきた。3年5カ月での成長にしっかりとした自信と手応えをつかんでいる。

最終目標は前4団体統一バンタム級王者の兄尚弥(29=大橋)が返上した4つのベルトの再統一。今回は兄と同じ最強王者への道への第1歩。「4団体統一へ向けての1本目。今は一番コンディションも良く、体重もつくれた。楽しみ」と、井上は自分自身に期待していた。【首藤正徳】

対戦するソリス(右)と記念撮影する井上拓真(撮影・狩俣裕三)

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那須川天心デビュー戦相手の与那覇勇気「スピード以外全部勝っている」勝利も話題もかっさらう

ボクシング初陣で対戦する与那覇(右)と記念撮影する那須川(撮影・狩俣裕三)

日本バンタム級2位の与那覇勇気(32=真正)が、那須川天心(24=帝拳)のスピードに“戦々恐々”だった? 6日、都内で試合前、最後の会見に登壇。2人は8日の東京・有明アリーナで開催されるダブル世界戦興行「プライム・ビデオ・プレゼンツ・ライブ・ボクシング第4弾」のスーパーバンタム級6回戦で拳を交える。対戦相手に勝っているところを聞かれた与那覇は「スピード以外は、全部勝っている。スピードは…もう速すぎるので…(笑い)。でもスピード勝負じゃないので」と少し“自虐的”に笑った。

人気格闘家からプロボクサーに転向した那須川のボクシングデビュー戦ということもあり、注目が集まる一戦。与那覇は「試合決まったというだけで反響いただいていた。そこは対戦相手の那須川選手に感謝したい。逆にそこをちょうだいしたい」と勝利だけじゃなく、話題まで全てかっさらう。那須川の公開スパーリング映像も確認済みで「やっぱり、異例というか、1週間前でメディアの前でスパーリングを披露するのはすごいなと思った。(那須川は)『みせよう、やるべきことは分かっている』とおっしゃっていましたが、みせようとすればするほど、ありがたい。倒しやすい」と自信をのぞかせた。

ボクシング初陣で対戦する与那覇(右)と記念撮影する那須川(撮影・狩俣裕三)
会見でボクシング初陣の意気込みを語る那須川(撮影・狩俣裕三)
ボクシング初陣で対戦する与那覇(右)と並んで会見を行う那須川(撮影・狩俣裕三)
ボクシング初陣で対戦する与那覇(右)と並んで会見を行う那須川(撮影・狩俣裕三)
ボクシング初陣で対戦する与那覇(右)と記念撮影する那須川(撮影・狩俣裕三)
ボクシング初陣に向け、意気込みを語る那須川(手前)。右は対戦する与那覇(撮影・狩俣裕三)
ボクシング初陣に向け、意気込みを語る那須川(手前)。右は対戦する与那覇(撮影・狩俣裕三)
ボクシング初陣に向け、意気込みを語る那須川(手前)。右は対戦する与那覇(撮影・狩俣裕三)
ボクシング初陣に向け、意気込みを語る那須川(手前)。右は対戦する与那覇(撮影・狩俣裕三)
ダブル世界戦会見で飾られた巨大ポスターでは、那須川の写真が真ん中でいちばん大きく配置されていた(撮影・狩俣裕三)
ダブル世界戦会見で記念撮影を終え、引き揚げる那須川(左)と対戦相手の与那覇。背景に飾られた巨大ポスターでは、那須川の写真が真ん中でいちばん大きく配置されていた(撮影・狩俣裕三)
ボクシング初陣で対戦する与那覇(右)と並んで会見を行う那須川(撮影・狩俣裕三)
ボクシング初陣で対戦する与那覇(右)と並んで会見を行う那須川(撮影・狩俣裕三)
ダブル世界戦会見で飾られた巨大ポスターでは、那須川の写真が真ん中でいちばん大きく配置されていた(撮影・狩俣裕三)

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笠松競馬騎手の子「大馬翔」新弟子検査受検 父とは対照102キロ「相撲界のオグリキャップに」

笠松競馬の騎手を父に持つ森島優は、新弟子検査後、しこ名が「大馬翔」に決まったことを明かして力強くガッツポーズをつくった

目指すは相撲界のオグリキャップ!? 日本相撲協会は4日、東京・両国国技館で春場所の新弟子検査を行い、笠松競馬の現役騎手を父に持つ森島優(15=追手風)が受検。身長は166センチの自身と同程度ながら、50キロに満たない父貴之(34)とは対照的に、森島は2倍以上の102キロ。体も顔も丸々とした愛嬌(あいきょう)のある笑顔を交えて「相撲界のオグリキャップになります」と、やや報道陣にたき付けられながらも宣言した。地方競馬の笠松から、中央競馬の最高峰G1を次々と制した希代のスターホースになぞらえ、今後の飛躍を誓った。

体重制限や節制といった「減量」のイメージが強い騎手とは反対に、どんどん食べて体を大きくする「増量」の世界の相撲界に身を置くことになった。森島も「不思議な感じ」と笑う。自宅は競馬場や厩舎(きゅうしゃ)など、笠松競馬の関係施設が広がるエリアの一角。当然、父の影響から乗馬経験も豊富で、小学3、4年ぐらいまでは、1人で乗っていた。競走馬が横になって休む際の、わらを運ぶなど、競馬に関連することが日常にあふれていた。ところが一気に体が大きくなった小学5年の時には、すでに体重は80キロ近くとなっていた。

そこから一気に方針転換した。小学5年から東海相撲クラブで相撲を始め「3位とかになった。たぶん県の大会」と、才能が開花し始めた。「もともと力が強くて、ちょっと触れただけで人をケガさせてしまっていた」と、まるで漫画の主人公のように、あふれるパワーを持て余していた。そんな中で「相撲の先生だけは、思い切りぶつかっても受け止めてくれた」と、全力でできる相撲に夢中になっていった。

父からは「つらいこともいっぱいあると思うけど、その時こそ我慢して、頑張っていけば、いつかうれしいことがある。とにかく我慢していけ」と、相撲界に進むにあたって言葉を授かった。目標とする力士は追手風部屋の兄弟子で、春場所では2度目の幕内優勝へ、あと1歩と迫った小結大栄翔。「自分も押し相撲。大栄翔関は強くて、かっこいいです」と、目を輝かせて話した。

すでに、しこ名は決まっている。あこがれの大栄翔と1字違い。さらに父の存在や自身の生い立ちを示すように「大馬翔(だいばしょう)」となった。夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)で初めて、本土俵に立つ。

卒業シーズンと重なり「就職場所」ともいわれる春場所は、例年、年間で最も新弟子検査の受検者が多い。少子化の影響もあり、今年は春場所としては最少に並ぶ34人が受検者リストに名を連ねた(うち1人は欠席)。その中でも3月21日生まれの森島は最年少。好きな食べ物は「抹茶アイス」と答え、その次に好きな食べ物も「抹茶どら焼き」で「甘い物が好きなんです」と、あどけない笑顔を振りまいた。

一方で3人の妹と、1番下に4歳の弟を持つ5人兄妹の長男とあって、責任感の強さもある。「番付の目標はないですけど、夢を与える力士になりたいです」と胸を張って話した。

本来は3月の春場所前に新弟子検査を受け、同場所で前相撲を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染症対策でいずれも延期となっていた。前相撲を経験せず、夏場所は序ノ口として番付に名が載る。オグリキャップのように、多くのファンに愛される力士となるのか。スピードが生命線の父のように、スピード出世を果たすことができるのか。この日、気付けば報道陣の多くを引きつけてやまなかった、愛くるしい笑顔がトレードマークの「大馬翔」。5日前まで中学生だった15歳は、相撲界で“1番人気”となる日を夢見ている。

笠松競馬の騎手を父に持つ森島優は、スピード出世への意欲を見せるように騎乗のポーズをつくった

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ソリス「警戒すべき点はまったくない」井上拓真とのWBA世界バンタム級王座決定戦へ公開練習

記者会見に臨むリボリオ・ソリス(右)とトレーナーのラウル・ロドリゲス氏(撮影・鈴木正人)

プロボクシングWBA世界バンタム級3位リボリオ・ソリス(41=ベネズエラ)が3月31日、都内で練習を公開した。

4月8日に東京・有明アリーナで同級2位の井上拓真(27=大橋)とのWBA世界同級王座決定戦に臨む。1階級下の元WBA世界スーパーフライ級王者でもあるソリスは「井上の警戒すべき点はまったくない」と余裕の表情で、練習公開も約5分間のシャドーボクシングのみ。

それでも視察に訪れた井上の父の真吾トレーナーは「細かいところはスピードを感じない。スピードでは拓真についてこれない」と勝利に自信を深めていた。

シャドーボクシングするリボリオ・ソリス(撮影・鈴木正人)
縄跳びするリボリオ・ソリス(撮影・鈴木正人)

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井上拓真と対戦ソリスが公開練習 「スピードでは拓真についてこれない」父・真吾トレーナー自信

ファイティングポーズするリボリオ・ソリス(撮影・鈴木正人)

プロボクシング元WBA世界スーパーフライ級王者でWBA世界バンタム級3位リボリオ・ソリス(41=ベネズエラ)が31日、東京・新宿区の帝拳ジムで練習を公開した。

4月8日に東京・有明アリーナで同級2位で元WBC世界同級暫定王者の井上拓真(27=大橋)とのWBA世界同級王座決定戦に臨む。井上の兄で前4団体統一同級王者井上尚弥(29=大橋)の王座返上を受け、空位となった同王座を懸けて争う。

来日は16年にWBC世界バンタム級王者の山中慎介に挑戦して以来、約7年ぶり。現在まで世界トップ戦線で戦い続ける41歳は「井上の警戒すべき点はまったくない。相手をリスペクトしているのでKO宣言はしない。1ラウンドずつていねいに戦う」と余裕をのぞかせた。

公開練習には井上が所属する大橋ジムの大橋秀行会長や、父の真吾トレーナーも視察に訪れた。公開した練習は約5分間のシャドーボクシングのみだったが、真吾トレーナーは「大きな足の使い方をしていたが、細かいところはスピードは感じない。スピードでは拓真についてこれない」と勝利に自信を深めていた。

大橋会長も「相性はすごくいい。拓真とかみ合う。拓真は安心してみられる。拓真の持ち味スピード。それは長引くほどいかせる」と、スピードの差を勝敗のポイントに挙げた。【首藤正徳】

シャドーボクシングするリボリオ・ソリス(撮影・鈴木正人)
シャドーボクシングするリボリオ・ソリス(撮影・鈴木正人)
シャドーボクシングするリボリオ・ソリス(撮影・鈴木正人)
シャドーボクシングするリボリオ・ソリス(撮影・鈴木正人)
シャドーボクシングするリボリオ・ソリス(撮影・鈴木正人)
縄跳びするリボリオ・ソリス(撮影・鈴木正人)
記者会見前、あいさつするリボリオ・ソリス(撮影・鈴木正人)
報道陣の質問に笑顔で答えるリボリオ・ソリス(撮影・鈴木正人)
記者会見に臨むリボリオ・ソリス(右)とトレーナーのラウル・ロドリゲス氏(撮影・鈴木正人)
写真に納まるリボリオ・ソリス(左)と大橋会長(撮影・鈴木正人)

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「井上拓真戦は8回までいかない」4・8WBAバンタム級王座決定戦出場の元王者ソリス来日

4・8有明アリーナで井上拓真とWBA世界バンタム級王座決定戦を控え、来日した元WBA世界スーパーフライ級王者リボリオ・ソリス

プロボクシング元WBA世界スーパーフライ級王者でWBA世界バンタム級3位リボリオ・ソリス(41=ベネズエラ)が30日朝、来日した。4月8日に東京・有明アリーナで同級2位で元WBC世界同級暫定王者の井上拓真(27=大橋)とのWBA世界同級王座決定戦を控える。井上の兄で前4団体統一同級王者井上尚弥(29=大橋)の王座返上を受け、空位となった同王座を懸けて争う。16年にWBC世界バンタム級王者山中慎介に挑戦して以来、約7年ぶりの来日となる。

約3カ月間の合宿に取り組んだ練習拠点のパナマからオランダ経由で日本入りした。オランダに2日間滞在し、調整してきたという。過去に山中をはじめ、河野公平、亀田大毅と日本勢3人との世界戦を経験してきたソリスは「井上の印象は、他の日本人にも言える同じ印象だ。パワーがあってスピードがある。私はしっかり練習して勝利のためにやってきた。日本の方も私のことは良く知っているだろう。100%のコンディションをつくってきた」と自信の笑みを浮かべた。

マネジャーを務めるマヌエル・ペレス・バレイロ氏は「戦うために来た。井上戦は8ラウンドまでいかないだろう。8ラウンド前には決着するだろう。リボリオのすごいパンチが井上に入るだろう」と不敵な笑みを浮かべた。マネジャーの言葉を静かに聞いていたソリス本人は「12ラウンドの判定も頭に入っているが、12ラウンドまではいかないだろう」と予告していた。

井上拓真とのWBA世界バンタム級王座決定戦に臨む元WBA世界スーパーフライ級王者リボリオ・ソリスが来日
陣営のトレーナー、プロモーターとともに来日した元WBA世界スーパーフライ級王者リボリオ・ソリス(左から2番目)

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21、22年アマ横綱の日体大・中村泰輝が二所ノ関部屋入門 夏場所で初土俵へ

入門が決まり、師匠の二所ノ関親方(左)と記念撮影に納まる中村泰輝(二所ノ関部屋提供)

この3月に日体大を卒業した21、22年アマチュア横綱の中村泰輝(22)が、大相撲の二所ノ関部屋に入門することが23日、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)から発表された。中村は幕下10枚目格付け出し資格を有しており、4月の新弟子検査を経て、夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)で初土俵の予定。石川県津幡町出身で193センチ、175キロの大型力士。この日から春場所に際して同部屋が構える、大阪・大東市の宿舎に合流。24日の稽古から参加を予定している。

二所ノ関親方は「稽古や取組も何番か見ていますが、高い素質を持っている印象を受けています。何と言っても体に恵まれているのが魅力的です。なかなか190センチを超える力士はいないし、相撲っぷりも元気がいいというかガッツがある。まだ伸びしろがあると思っています。私も足が長くて背が高い力士でしたので、しっかり自分のやってきたことを伝えていければ将来楽しみです。スピード出世とかは気にせず、じっくり鍛えてやるべきことをやり続けてほしい」と話した。

中村は「入門も決まっていよいよという気持ちです。希望していた部屋でもありますし、入れてうれしい。プロの第1歩に立てたので、早く部屋の生活に慣れて、関取に上がれるよう夏場所までしっかり稽古していきたいです」と話した。

21年12月5日、全日本選手権を制してアマ横綱に輝いた日体大の中村泰輝
23年3月15日、日体大卒業式を終え笑顔を見せる中村泰輝(左)と阿部詩

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【DDT】王座挑戦の川松真一朗都議、元SPEED今井絵理子氏との対談中ゴージャス松野が乱入

3・21の後楽園で、第4代O-40王座決定戦に臨む川松真一朗都議(右)を激励に訪れた今井絵理子参院議員(左)のところに乱入するゴージャス松野(DDT提供)

元テレビ朝日アナウンサーでプロレスラーとしても活躍する川松真一朗都議(42)が某日、“前哨戦”に勝利し、O-40(オーバー・フォーティ)王座獲りを誓った。川松都議はDDTプロレスの旗揚げ26周年記念興行「Judgement2023 後楽園史上最長5時間スペシャル」(3月21日、東京・後楽園ホール)の大石真翔(44)、ゴージャス松野(61)との3WAYマッチで「第4代O-40王座決定戦」に出陣する。同王座は40歳以上の選手で争われるベルトで現在は空位。川松都議がベルト奪取を果たせば、デビュー前のアイアンマンヘビーメタル級王座以来の戴冠となる。

決戦を前にした某日、今井絵理子参院議員(39)が、都内の川松都議の事務所を激励に訪れ、プロレス談議に花を咲かせた。デビューから半年の川松都議は「シングルマッチをやったことがない。1人で戦うので、体力がどこまで続くか不安はありますが、大石さんと松野さんがどう動くかしっかり見極めたい。大石さんとは何度か対戦してるので、なんとなくどうしていいのかは分かる。大石さんの動きをどう封じ込めるかをイメージしてます。松野さんは体は鍛えられてるようで、鋼のような体は脅威だけど、(4月で)62歳ですか…」。

どこかで聞いてきたのか? どこで聞きつけたのか? 対戦相手の松野が対談中に乱入してきた。第2代王者の松野は「デビュー半年? 俺はプロレス21年。大体このタイトルマッチ、俺が会社にやれって言ったからできるようになったんだよ。オマエみたいなガキが持つベルトじゃない。体がデカいとか若いとかじゃない。背中に人生背負ってるんだよ」と川松都議を威嚇した。

今井参院議員に対しても「芸能界は1日でも早く入ったら先輩。24歳の時に(マネジャーで)芸能界に入った。プロレスでも歌手でも、まずあいさつから始まるんだ」と、元SPEEDの大物歌手を前に大口をたたいた。さらに、川松都議に「デッカイ図体しやがって。なんならここでたたきつぶしてやる」と言うや胸ぐらをつかんだ。すると、松野は川松都議の側近にあっさりつまみ出されてしまった。

川松都議は「O-40、しっかり勝って、ベルト巻けるよう。変な乱入者に負けないようにします。たたきのめします」と必勝宣言。今井参院議員は「新しい扉を開いていただけるよう期待して応援しています」と語った。

3・21後楽園では、今井参院議員の長男・今井礼夢(18)が「イルシオン&エル・ユニコーンDDTeeen!!卒業試合」に参戦。ユニコーンと組み、イルシオン、中村宗達組と対戦する。

3・21の後楽園で、第4代O-40王座決定戦に臨む川松真一朗都議(右)を激励に訪れた今井絵理子参院議員(左)(DDT提供)
3・21の後楽園で、第4代O-40王座決定戦に臨む川松真一朗都議(右)のところに乱入し、関係者から追い出されるゴージャス松野(右から2人目)(DDT提供)

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朝乃山が東白龍破り3連勝「もっと前に出て自分の相撲を取り切らないと」幕内返り咲きへ1歩前進

東白龍(左)を攻める朝乃山(撮影・岩下翔太)

<大相撲春場所>◇3日目◇14日◇エディオンアリーナ大阪

大関経験者で東十両筆頭の朝乃山(29=高砂)が、3連勝を飾った。

西十両筆頭の東白龍に、立ち合いから突き放され、動き回られてまわしを取れない展開。相手のいなしに体勢を崩す場面もあったが、足腰の強さを見せて踏ん張り逆襲。土俵際で、一本背負いを狙ってきた相手を、そのまま前のめりに送り倒した。幕内返り咲きが決定的となる勝ち越しへ、また1歩近づいた。

先場所は一方的に押し倒した相手だった。東白龍に「速い。気付いたら差されていた」と言わしめるほど、スピードで圧倒して、土俵下まで吹っ飛ばした。だが大関経験者相手に、ガムシャラに攻めてきた相手にこの日は苦戦した格好。「(相手が)考えて取ってきたので、押し込まれる場面もあって、そこは反省点。相手をよく見ながら取れたと思う」と、内容には反省しつつも、白星を挙げ、納得顔で振り返った。

途中の粘り腰については「相撲を取っていく中で残っている。自分も必死ですし、気持ちで負けないように、絶対に勝つぞという気持ちを持って土俵の上に上がっていますので。膝もよく曲がっている」と、状態の良さを感じている様子だ。「自分の相撲を、今日は取れなかったのは反省点。もっと前に出て自分の相撲を取り切らないと。まだ3日目。明日、切り替えてまた初日のつもりで自分の相撲を取っていきたい」。内容も伴いながら、連勝街道を進み続けるつもりだ。

送り倒しで東白龍(右)を破る朝乃山(撮影・岩下翔太)
朝乃山(2023年3月12日撮影)

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