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井上が3年連続MVP 年間最高試合は井岡のV2戦

井上尚弥(21年1月撮影)

ボクシングの20年度年間表彰選手が28日発表され、WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(27=大橋)が3年連続4度目の最優秀選手賞(MVP)に選ばれた。3年連続MVPは史上6人目、平成以降では徳山昌守に続いて2人目。また井上は、昨年10月のジェーソン・モロニー(オーストラリア)戦での7回KO勝ちもKO賞に選ばれ、2冠に輝いた。

WBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(31=Ambition)は2年連続の技能賞、さらに20年大みそかの田中恒成(25=畑中)との2度目の防衛戦が年間最高試合に選出され、2冠となった。殊勲賞には昨年11月、WBO世界フライ級王座を獲得した中谷潤人(23=M・T)が初受賞した。女子では、WBO女子世界ミニマム級王者多田悦子(39=真正)が11年ぶり2度目の最優秀選手賞と年間最高試合の2冠を獲得した。

20年度の各部門表彰選手は次の通り

☆最優秀選手賞:WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(大橋)=3年連続4回目

☆技能賞:WBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(Ambition)=2年連続2回目

☆殊勲賞:WBO世界フライ級王者中谷潤人(M・T)=初受賞

☆努力・敢闘賞:東洋太平洋ライトフライ級王者堀川謙一(三迫)=初受賞、WBOアジア・パシフィック、東洋太平洋、日本スーパーフライ級王者福永亮次(角海老宝石)=初受賞

☆KO賞:井上尚弥=2年ぶり5回目

☆新鋭賞:東洋太平洋スーパーフェザー級王者三代大訓(ワタナベ)=初受賞

☆年間最高試合(世界):WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ(20年12月31日、東京・大田区総合体育館)=井岡一翔(Ambition)-田中恒成(畑中)

☆年間最高試合(世界戦以外):WBOインターコンチネンタル・ライト級王座決定戦(20年12月12日、米ラスベガス・MGMグランド)=フェニックス・ベルデホ(プエルトリコ)-中谷正義(帝拳)

☆女子最優秀選手:WBO女子世界ミニマム級王者多田悦子(真正)=11年ぶり2回目

☆女子年間最高試合:WBO女子ミニマム級王座決定戦(20年12月3日、東京・後楽園ホール)=多田悦子(真正)-宮尾綾香(ワタナベ)

☆特別賞=粟生隆寛(元WBC世界フェザー級、元WBC世界スーパーフェザー級王者)、八重樫東(元WBA世界ミニマム級、WBC世界フライ級、IBF世界ライトフライ級王者)

20年12月31日、WBО世界スーパーフライ級タイトルマッチの8回、田中(手前)をTKОで破り、喜ぶ井岡

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気迫田中に理詰め井岡これぞボクシング/大橋秀行氏

8回、田中恒成(手前)をTKОで破り、雄たけびを上げる井岡一翔(撮影・菅敏)

<プロボクシング:WB0世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇31日◇東京・大田区総合体育館

WBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(31=Ambition)が、世代交代を阻止するV2を飾った。日本人2人目の4階級制覇を狙った同級1位田中恒成(25=畑中)と対戦。8回1分35秒、TKO勝ちで、プライドを示した。9度目の大みそかで国内は負け知らずの8勝目となり、日本人の世界戦最多勝利を17に伸ばした。

<大橋秀行氏の目>

緊張感のある素晴らしい試合だった。田中はスピードを生かした最高の立ち上がりだったが、井岡はそれに慣れるまで、無理をせずに冷静に戦っていた。完璧なディフェンスで3回に見切ると、そこから、ノーモーションの左ジャブでペースを奪い返した。打ち終わりに田中の右ガードが下がるところを狙うのは作戦通り。実行しきるのは、キャリアのたまものだと思う。接近戦の技術もさらに上がっていた。大振りをせず、左右のアッパー、ショートの右フックを多彩な角度で当てる、理詰めのような戦いで追い詰めていった。

田中はスピードは抜群だが、野球のピッチャーにたとえると、160キロの直球を投げ続けているような印象で、もう少し緩急がほしい。ただ、勝つんだという気迫は見ている人に伝わったし、次につながる負けだと思う。コロナの影響で明るい話題が少ない1年だったが、最後に見ていて気持ちいい、これぞボクシングという試合を見せてもらった。(元WBC、WBA世界ミニマム級王者)

6回、田中(左)の顔面にアッパーを入れる井岡(撮影・菅敏)
試合後、田中(右)と抱き合い健闘をたたえ合う井岡(撮影・菅敏)

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35歳田中教仁「1からやり直す」再起戦勝利も反省

判定勝利で再起戦を飾ったWBC世界ミニマム級11位田中

<プロボクシング:ミニマム級8回戦>◇25日◇東京・後楽園ホール 

今年3月にタイで世界初挑戦し、王座獲得に失敗したWBC世界ミニマム級11位田中教仁(35=三迫)が再起戦で勝利を飾った。

同級8回戦で高田勇仁(22=ライオンズ)と拳を交え、3-0の判定勝ち。コロナ禍の中、スタンドに応援にやってきた父や娘らに感謝し「勝った姿を見せられたことは収穫」と安堵(あんど)の笑みをみせた。

3月3日にタイ・ナコンサワンでWBA世界ミニマム級王者ノックアウトCPフレッシュマート(タイ)に挑戦したが、0-3の判定負けを喫した。35歳のベテラン。「本当に、これが自分の(現役生活の)終わりになるという恐怖があった」との気持ちを抑えながら序盤は手堅く、慎重に攻めた。手数多く攻める高田に対し、6回以降は強烈な左フックや右オーバーハンドがクリーンヒットさせてポイントを稼いだ。それでも「(採点が)フルマークでもなく、倒せず、ダウンの奪えなかった」と試合内容の反省も忘れなかった。

世界再挑戦のために再起したという田中は「また1からやり直したい。残り少ない伸びしろを逃していきたい」と決意を新たにしていた。

再起戦で判定勝ちし、勝ち名乗りを受けるWBC世界ミニマム級11位田中(左)

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田中教仁「しっかり勝ちたい」再起戦前日計量パス

3月の世界初挑戦以来の再起戦に臨むWBC世界ミニマム級11位田中教仁はオンラインで取材対応

今年3月にタイで世界初挑戦したWBC世界ミニマム級11位田中教仁(35=三迫)が25日、東京・後楽園ホールで再起戦に臨む。ミニマム級8回戦で拳を交える高田勇仁(22=ライオンズ)と24日、都内で前日計量に臨み、47・5キロでパスした高田に対し、田中はリミット47・6キロでクリア。「復活への最初の1歩になるので、しっかり勝ちたい」と気持ちを引き締めた。

3月3日、タイ・ナコンサワンでWBA世界ミニマム級王者ノックアウトCPフレッシュマート(タイ)に挑戦したが、0-3の判定負けを喫した。3人のジャッジのうち、2人が王者にフルマークを付けるという敵地での完敗だった。田中は「世界戦をやって手にいれた経験を生かしたいと思う」と距離感やステップ幅の修正などに取り組んできた。

タイで負けた直後は一瞬だけ現役引退が頭をよぎったというものの「世界ランカーのうちにやめるのはもったいない」と現役続行を決意。世界再挑戦を目標に掲げた再始動した。田中は「再起しないと意味がない。しっかり足元を見ないと何があるか分からないのがボクシング。世界戦やって負けると忘れられてしまうので、もう1度、存在感をみせたい」と気合を入れ直していた。

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井岡一翔、田中恒成とV2戦「レベルの違い見せる」

井岡一翔(2019年12月25日撮影)

ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(30=Ambition)が、9度目の大みそかで日本人対決となった。同級1位田中恒成(25=畑中)と12月31日に東京・大田区総合体育館でのV2戦。9日にオンライン会見で発表した。

6月にジムを移籍しての初戦で、1年ぶりの試合となる。「こういう状況の中で、年内に試合ができる喜びを感じている」。日本人初の4階級制覇王者が、2人目の4階級制覇を狙う挑戦者との対戦。「必ず阻止する。格、レベルの違いを見せられれば。そうじゃないといけない」と絶対の自信を口にした。

田中とはスパーリング経験もあるが「かなり前で覚えていない。特に印象もなく、気にした選手でもなく、注目もしていなかった」という。1位との指名試合。「メリットはないが、試合ができることがモチベーション。タイトルを保持していくことで、(海外での)戦線に入って行ければ」と通過点を強調した。

井岡が日本人と対戦するのは8年ぶりで、世界戦では2人目。前回は12年6月にWBA世界ミニマム級王者八重樫東と、WBC世界同級王者として2団体統一戦で、井岡が判定勝ちした。日本人とは4戦全勝となっている。「日本人は気持ちが強いが選手にもよる。日本人相手は久しぶり。国内が盛り上がれば」と話した。

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技術に長けた中谷、長期政権も複数階級も/大橋秀行

8回、マグラモからダウンを奪う中谷(代表撮影)

<プロボクシング:WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇6日◇東京・後楽園ホール

ボクシングのWBO世界フライ級3位中谷潤人(22=M・T)が、同級1位マグラモ(26=フィリピン)との王座決定戦に8回2分10秒、KO勝ちし、新王者となった。

大橋ジムの大橋秀行会長(55)は中谷の接近戦の技術を絶賛。長期政権にも太鼓判を押した。

   ◇   ◇   ◇

日本ボクシング界に新たなスターが出てきたと言っていいぐらい、中谷は強かった。特に素晴らしかったのが、2ラウンド目以降の接近戦だ。マグラモが得意とする距離にもかかわらず、ブロッキングで攻撃をかわし、インサイドからの強いアッパーで、完璧に試合のペースをつかんだ。

ディフェンスでは、サイドステップで微妙に立ち位置を変えることで、マグラモが強いパンチを打てない場所に、常に体を持っていっていた。相手は、自分の土俵で打ち負け、なすすべがなくなった。7ラウンド以降は、再び距離を取り、最後はマグラモがまったく見えていない左のロングフック。遠くで勝ち、近くで勝ち、再び遠くで倒す。準備していた作戦通りの、理想的な展開だったと思う。

変幻自在の中谷の動きを見ていて、(元WBA世界フライ級王者の)レパード玉熊さんを思い出した。レパードさんも173センチとフライ級にしては背が高かったが、ほとんどの選手が接近戦のショートの連打でやられていた。中谷は、レパードさん以上にパンチがあると思うし、実際に向き合うと、やりにくく、恐怖感を感じる選手だと思う。

KOできる派手さもあるし、技術力が高いので、長期政権も狙えるだろう。1つ上のスーパーフライ級には井岡、田中らもいる。身長が高いので、複数階級制覇も期待できるし、ボクシング界を盛り上げていく存在になってほしい。(元WBC、WBA世界ミニマム級王者)

◆レパード玉熊(本名・玉熊幸人) 1964年(昭39)1月25日、青森県生まれ。83年5月に国際ジムからプロデビューし、90年7月に李烈雨(韓国)に勝利し、WBA世界フライ級王座を獲得。91年3月に王座陥落し、引退。戦績は27勝(13KO)5敗1分け。

7回、接近戦でマグラモ(左)に右アッパーを浴びせる中谷(代表撮影)

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井上尚弥強さの秘訣解説 中盤KO予想/八重樫東氏

八重樫東氏と井上尚弥(2017年4月4日撮影)

米ラスベガスで10月31日(日本時間11月1日)に防衛戦を行うWBA、IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥(27=大橋)が29日(同30日)、MGMグランド・カンファレンスセンターで行われた公式会見に臨み、挑戦者のWBA同級2位モロニー(29=オーストラリア)と初対面した。静かに闘志を燃やし、万全の仕上がりをアピールした。9月に引退した元3階級王者八重樫東氏(37)は、井上の強さの秘訣(ひけつ)を3つのポイントで解説。中盤KO勝ちを予想した。

   ◇   ◇   ◇

-世界が注目する一戦です

八重樫 いよいよですね。(昨年の)WBSS決勝でドネアに勝ち、さらに先のステージです。世界が見ている試合ですし、勝てば、尚弥の評価がまた一気に上がる気がします。

-八重樫さんは引退直前の8月、現役最後のスパーリングとして井上選手と拳を交えたと聞きました。井上選手が高校生の頃からスパーリングをしてきた八重樫さんだから分かる、強さの秘訣(ひけつ)とは?

八重樫 今回の試合をより楽しく観戦するために、僕の考える尚弥の「強み」を、3つ挙げたいと思います。1つ目は「左ジャブ」です。ジャブと言っても、いろんなジャブがあります。僕が戦った(4階級王者の)井岡一翔君のジャブはすごく硬くて、もらうと眼が腫れるようなパンチです。それに対し、尚弥のジャブは硬さではなく、インパクトの瞬間に爆発するようなパンチなんです。

-「爆発」するジャブですか。それは、相手にどんな影響を与えるのですか?

八重樫 僕は基本的に、ジャブを打たれても気にせずに前に入っていくタイプなんですが、尚弥とやると、ジャブが強いので、前進を止められてしまうんです。足が止まると、いつの間にか後手後手になって、気がついた時には、ガードを固めて、ディフェンスに専念させられているんです。相手をその場から動けなくして、自分は良いポジションからコンビネーションを差し込んでいく。彼は、そういう展開をつくるのが抜群にうまいんです。モロニーもオーソドックス(右構え)の選手なので、試合序盤は、尚弥の左手の使い方に注目してほしいですね。

-2つ目のポイントは?

八重樫 「姿勢」です。僕の場合は、少し前傾でガードを固め、頭をふって前に出て行くのですが、尚弥は姿勢がよく、上半身が、すっと立った状態で構えています。その理由は骨盤にあるんです。日本人は基本的に骨盤後傾で、猫背になりやすいのですが、尚弥は骨盤の上にしっかり背骨が乗っています。それによって欧米の短距離選手のように、ヨーイドンの一歩から速い動きができる。それが、尚弥の初速のスピードにつながっているんです。背筋が立っていることで、モーションも小さくなり、打ち出す瞬間が相手に分かりにくいというメリットもあります。

-左手、姿勢…。最後に3つ目は?

八重樫 「フットワーク」です。尚弥はものすごく足が動く選手です。相手のパンチを、ボディーワークではなく、足で外すんです。アマチュア出身の選手は全体的にそうなのですが、彼はその1歩先をいっています。相手がパンチを打とうとした、その一拍前に、バックステップを2回踏むんです。打ち気な相手に対し、瞬間的に2つ下がることで、攻撃の意欲をそぐのです。そして、下がった次の瞬間には、自分の攻撃のスイッチが入っている。そういう小さな駆け引きを続けて、チャンスをつくりだしているんです。ぜひ、足もとも注目してください!

-3つのポイント、非常によく分かりました

八重樫 尚弥=パンチ力という印象を持っている人は多いと思いますが、冷静に見ていると、本来は、ものすごく繊細なボクシングで試合を構成している選手なんです。フットワーク、ジャブ、カウンター…。倒す倒される、殴る殴られるだけでなく、そういう技術に注目して見ると、さらに面白いと思います。

-最後にモロニーの特徴を踏まえ、試合の展望を

八重樫 モロニーはスムーズに足を使えて、ディフェンスもうまい選手です。攻撃のバリエーションも豊富ですし、穴を見つけるのが難しい、やりにくい相手だと思います。試合としては、足を使ってポイントをピックアップしようとするモロニーを、尚弥が追うような展開になると思います。ただ、尚弥は穴を見つけて、ついていくというより、穴を強引にこじ開けて、壊しに行くタイプです。予想は、ずばり、中盤のKO勝ちです! 最高の試合を期待したいですね。

◆八重樫東(やえがし・あきら)1983年(昭58)2月25日、岩手・北上市生まれ。黒沢尻工3年でインターハイ、拓大2年で国体優勝。05年3月大橋ジムからプロデビューし、11年にWBA世界ミニマム級王座を獲得。13年にWBCフライ級、15年にIBFライトフライ級王座を獲得し、3階級制覇を達成。今年9月に引退を発表。通算28勝(16KO)7敗。

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さらば「激闘王」八重樫東!殴られ殴った/写真特集

ボクシングの元世界3階級制覇王者・八重樫東(37=大橋)が1日、横浜市内の所属ジムで会見し、現役引退を発表した。「本日、9月1日をもちまして、引退することを決意しました。たくさんの応援をしていただき、一生懸命、プロボクシングができたことを誇りに思います。ありがとうございました」。思い出の試合に、WBC世界フライ級王者時代のローマン・ゴンサレス戦をあげ、「常に前を向いて、今日よりも明日がいい日になればいいと進んできたので、後悔はない。15年間、一生懸命走ってきたつもり。人間なので転ぶ時もあれば、休む時もあったが、それでいいと思っている。100メートル走ではなく、マラソン。今日、こうやって完走できてうれしく思う」と山あり谷ありの現役生活を振り返った。

大橋秀行会長 中身の濃い15年だった。最初の世界戦でケガして引退してもおかしくない。引退勧告も何度もしたが、ここまで大きく人間としても成長するとは、こちらも教えられた。負けて大歓声は八重樫以外見たことない。いろんなトレーニングを採り入れ、食事や減量など日本で一番知識がある。精神力はもちろん、科学的研究も熱心だった。後輩に教えてもらい、第2の八重樫を育てていきたい。

デビュー戦からコンビを組んできた松本好二トレーナー (日本王者時代に)けがでもう辞めた方がいいと思う時期もあったが、諦めずによく世界王者になってくれた。一緒に歩めたのはトレーナー冥利(みょうり)に尽きる。

11年10月25日、チャンピオンベルトを掲げ「ベルトとったぞー」と絶叫する八重樫

14年9月5日、王者陥落した八重樫は、WBCから贈られたメダルをかけて引き揚げる

14年9月5日、9回、八重樫(右)はゴンサレスの左アッパーをまともに受ける

WBC世界ミニマム級タイトルマッチ(07年6月4日・初王座奪取に失敗)

八重樫東判定
0-3
イーグル京和

07年6月4日、WBC世界ミニマム級選手権 イーグル京和対八重樫東 12回終了と同時に判定負け覚悟したようにうなだれる八重樫東

07年6月4日、WBC世界ミニマム級選手権 イーグル京和対八重樫東 4回、八重樫東(左)にフックを打ち込むイーグル京和

07年6月5日、WBC世界ミニマム級タイトルマッチ・イーグル京和戦で上あごの両側骨折の重傷を負った八重樫東のエックス線写真

WBA世界ミニマム級タイトルマッチ (11年10月24日・WBA初王座奪取)

八重樫東10R
TKO
ポープラムック

11年10月24日、WBA世界ミニマム級で新チャンピオンに輝いた八重樫(中央)は大橋会長(左)と彩夫人からキスの祝福を受ける。前列は長男の圭太郎くんと長女の志のぶちゃん

11年10月24日、10回TKO勝ちで新王者となり、キャンバスに寝転がって喜ぶ八重樫

11年10月24日、8回、ポンサワン(右)に強烈なパンチを見舞う八重樫

WBA・WBC世界ミニマム級王座統一戦(12年6月20日・WBA王座陥落)

八重樫東判定
0-3
井岡一翔

12年6月20日、健闘をたたえて抱き合う統一王者となった井岡(左)と八重樫

12年6月20日、8回、顔面が腫れた八重樫(左)は井岡に強烈なパンチを浴びせる

12年6月20日、9回、腫れた顔面で井岡(右)にパンチを浴びせる八重樫

12年6月20日、八重樫のシューズには長男圭太郎君の名前が入っていた

WBC世界フライ級タイトルマッチ(13年4月8日・WBC・リングマガジン王座獲得 )

八重樫東判定
3-0
五十嵐俊幸

13年4月8日、11回、五十嵐(右)を圧倒的に攻め、ガッツポーズする八重樫

13年4月8日、9回、八重樫東(左)の左が五十嵐俊幸の顔面をとらえる

WBC世界フライ級タイトルマッチ(13年8月12日・WBC王座初防衛)

八重樫東判定
3-0
ブランケット

13年8月12日、防衛に成功した八重樫は大橋会長(中央右)ら陣営に祝福される

13年8月12日、WBC世界フライ級タイトルマッチ 7回、オスカル・ブランケット(左)の顔面にパンチを見舞う八重樫

WBC世界フライ級タイトルマッチ(13年12月6日・WBC王座2度目の防衛)

八重樫東3-0
12R判定
ソーサ

13年12月6日、WBC世界フライ級タイトルマッチ 八重樫東対エドガル・ソーサ 判定でエドガル・ソーサに勝利し、2度目の防衛を飾った八重樫東(中央)は次女一永ちゃんにキス。左から松本好二トレーナー、長女志のぶちゃん、2人おいて長男圭太郎君、大橋秀行会長

13年12月6日、11回、ソーサ(右)の顔面に左フックをヒットさせる八重樫

WBC世界フライ級タイトルマッチ (14年4月6日・WBC王座3度目の防衛)

八重樫東9R
KO
サレタ

WBC世界フライ級タイトルマッチ(14年9月5日・WBC王座陥落 )

八重樫東9R
TKO
ローマン・ゴンサレス

14年9月5日、9回、ゴンサレス(手前)にダウンを奪われTKO負けとなった八重樫

14年9月5日、9回、レフェリーストップとなった八重樫に声をかける大橋会長

14年9月5日、死闘を繰り広げたゴンサレス(左)と八重樫。6回にはクロスカウンター気味にお互いのパンチが入る

WBC世界ライトフライ級王座決定戦 (14年12月30日・WBC王座奪取失敗)

八重樫東7R
KO
ゲバラ

7回、八重樫(左)はゲバラの強烈な左フックをボディーに食らい、崩れ落ちる(撮影・山崎安昭)

IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ (15年12月29日・IBF王座獲得)

八重樫東3-0
判定
メンドーサ

IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ (16年5月8日・IBF王座防衛)

八重樫東2-1
判定
テクアペトラ

16年5月8日、防衛に成功しながらもリングを降りる際、手を合わせる八重樫

16年5月8日、11回、テクアペトラ(右)の顔面に強烈なパンチを見舞う八重樫

IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ (16年12月30日・IBF王座2度目の防衛)

八重樫東12R
TKO
ゴーキャットジム

16年12月30日、12回、ラッシュする八重樫

IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ (17年5月21日・IBF王座陥落 )

八重樫東1R
TKO
メリンド

17年5月21日、1回、メリンド(手前)から1度目のダウンを奪われる八重樫

17年5月21日、1回、メリンド(手前)から1度目のダウンを奪われるパンチを浴びる八重樫

IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ (19年12月23日・IBF王座奪取失敗)

八重樫東9R
TKO
ムザラネ

19年12月23日、観客に深々と頭を下げる八重樫

19年12月23日、9回、ムザラネ(右)から右ストレートを食らう八重樫

◆八重樫東(やえがし・あきら)1983年(昭58)2月25日、岩手・北上市生まれ。黒沢尻工3年でインターハイ、拓大2年で国体優勝。05年3月プロデビュー。06年東洋太平洋ミニマム級王座獲得。7戦目で07年にWBC世界同級王座挑戦も失敗。11年にWBA同級王座を獲得し、13年にWBCフライ級王座を獲得して3度防衛。15年にIBFライトフライ級王座を獲得し、日本から4人目の世界3階級制覇を達成した。2度防衛。160センチの右ボクサーファイター。通算28勝(16KO)7敗。家族は彩夫人と1男2女。

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沼田義明「右アッパー」ロハス撃沈/大橋会長の一撃

WBC世界ジュニアライト級選手権 沼田義明(5回KO)-同級7位ラウル・ロハス 防戦一方の沼田(左)だったが、5R右アッパーカットがものの見事にアゴに決まり、ロハス(右)はスローモーションのように崩れ落ちる。沼田は初防衛(1970年9月27日撮影)

<ボクシング、忘れられない一撃~4>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。元WBC、WBA世界ミニマム級王者で、5人の世界王者を育てた大橋秀行氏(55=大橋ジム会長)は、沼田義明氏がロハス戦で放った「伝説の右アッパー」を挙げました。(取材・構成=奥山将志)

 ◇    ◇   

▼試合VTR 正確なボクシング技術から「精密機械」と称されたWBC世界スーパーフェザー級王者沼田義明が、1970年9月27日、初防衛戦に臨んだ。相手は西城正三にフェザー級の王座を奪われ、2階級制覇を狙うラウル・ロハス(米国)。試合は、序盤から強打のロハスがペースをにぎった。4回にロハスの強烈な右ボディーを受け、沼田がダウン。その後もコーナーに詰められるシーンが続いたが、5回にドラマが待っていた。沼田はKOを狙って出てくるロハスの打ち疲れた隙を狙い、リング中央で、逆転を狙った右アッパーを一閃(いっせん)。あごにまともに入ると、ロハスはそのまま、顔面から前のめりに崩れ落ちた。衝撃的なKOで王座を守った一戦は、国内の年間最高試合にも選ばれた。

 ◇    ◇   

試合当時、私は5歳で、当然リアルタイムの記憶はありません。初めて試合の映像を見たのは、私が現役を引退してからでした。沼田さんとテレビの解説でご一緒させていただいた縁もあり、「精密機械」と言われていた現役時代に興味を持ち、映像を見ると、本当にすごいパンチでした。

技術的には、左手のガードを下げた、やや変則的なスタイルですが、天性の運動神経と、感覚の鋭さを感じました。ヨネクラジムの松本清司トレーナーが、沼田さんのことを「あの人が本物の天才だ」と語っていたこともうなずけました。

ある日、沼田さんから「現役時代にサンドバッグなんて打ったことがない」という話を聞き、驚いたことも記憶に残っています。偉大な先輩には、常識は通用しないのでしょう。ロハス戦の右アッパーも、最近のボクシングのように小さく振り抜くのではなく、下から突き上げるような大振りなパンチ。アッパーは、打つ方もカウンターを受ける危険を伴いますが、そんな迷いは一切感じませんでした。

私が現役を引退し、指導者になったタイミングでこのパンチに出会ったことも、脳裏に焼き付いている要因の1つだと思います。技術の追求は大切ですが、ボクシングは、どれだけ劣勢であっても、一発で逆転が可能なスポーツだということ。そして、何があっても最後まで諦めてはいけないということ。私にとっては、そういう教えが詰まった一撃だったと思っています。

◆大橋秀行(おおはし・ひでゆき)1965年(昭40)3月8日、横浜生まれ。横浜高でインターハイ優勝。専大中退でヨネクラジム入りし、85年プロデビュー。86年に7戦目で世界挑戦はKO負け。90年に3度目の挑戦でWBC世界ミニマム級王座獲得。日本人の世界挑戦連敗を21で止める。92年にWBA世界同級王座獲得。94年大橋ジムを開設。日本プロボクシング協会会長なども歴任。

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田中教仁が判定負け 王者ノックアウト12度目防衛

田中教仁

<プロボクシング:WBA世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦>◇3日◇タイ・ナコンサワン

ボクシングのWBA世界ミニマム級タイトルマッチが3日、タイ・ナコンサワンの屋外特設リングで行われ、挑戦者の同級10位田中教仁(35=三迫)は、同級スーパー王者ノックアウト・CPフレッシュマート(29=タイ)に0-3の判定で敗れた。

2回から王者にペースをつかまれ、3回に左フックを顎に受けてダウン。得意の右の強打で打開を試みたが、最後まで無敗の王者を崩せず、初挑戦での王座奪取はならなかった。日本ボクシングコミッション(JBC)公認のタイでの世界戦で、日本勢は25敗1分けとなった。ノックアウトは12度目の防衛に成功した。

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スーパー王者から奪取狙う田中教仁、家族応援を固辞

前日計量をクリアした挑戦者の田中(右)と王者ノックアウト

ボクシングのWBA世界ミニマム級タイトルマッチ(3日、タイ・ナコンサワン)の前日計量が2日、バンコク市内で行われ、11度防衛中のスーパー王者ノックアウト・CPフレッシュマート(29=タイ)、挑戦者の同級10位田中教仁(35=三迫)ともにリミットの47・6キロでクリアした。

田中は世界初挑戦で、日本ボクシングコミッション(JBC)公認の世界戦で日本人が24敗1分けと勝利がないタイでのベルト奪取を狙う。新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、家族などの応援を固辞。「ネガティブな歴史に自分が終止符を打つ」と勝負のリングに立つ。

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井上尚弥 昭和の王者を超え世界的ヒーローの可能性

18年5月、3階級制覇を果たしベルトを掲げる井上尚弥

<平成とは・バトル編(3)>

5月18日(日本時間19日)、英国のグラスゴーでWBA世界バンタム級王者の井上尚弥(26=大橋)が、IBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)との統一戦に臨む。4人の現役世界王者らが参戦するバンタム級最強を決めるトーナメントの準決勝。無敗の王者対決は今、世界の注目を浴びている。

所属ジム会長で元WBC、WBA世界ミニマム級王者の大橋秀行(54)は「新しい時代にふさわしい試合になる。今は国内だけで防衛戦を重ねていく時代ではない。だから世界に出て勝負をかけた」と、90年2月に平成初の世界王者になった自身の頃と比較しながら、今回の試合の意義を力説する。

90年代まで世界王者になれば、国民的ヒーローになれた。ファイティング原田、具志堅用高、辰吉丈一郎……街を歩けば人が群がった。「世界王座を奪取した翌日に首相官邸に招待されて、海部俊樹首相にネクタイピンをいただきました」と大橋も現役時代を振り返る。しかし、近年は街で囲まれる世界王者は少ない。

「自分の頃はJリーグもなかったし、大リーガーもいなかった。プロスポーツの世界王者はボクシングだけ。今はテニスをはじめあらゆる競技のプロ選手が海外で活躍するようになった。その分、国内で興行を続けてきたボクシングへの注目度が薄れた。自分も責任を感じていた」。日本プロボクシング協会の会長も務めた大橋は自戒も込めて分析する。平成に入ってスポーツ界は海外への門戸が大きく開かれた。イチローや松井秀喜、錦織圭や大坂なおみの活躍で、選手に世界的な評価が求められる時代になった。

現在、日本の男子の世界王者は7人。昨年は一時11人もいた。13年に日本ボクシングコミッション(JBC)がWBAとWBCに加えて、IBFとWBOの王座も承認し、ベルトも倍増した。元WBC世界スーパーライト級王者の浜田剛史(58)は「昔は世界王者が最終目標だった。今は王者になってから何を残すかが問われる時代になった」と話す。

一方で日本選手の技術レベルは飛躍的に伸びた。08年に日本プロボクシング協会がU-15(15歳以下)全国大会をスタート。小中学生から全国規模で活躍できる場ができた。井上尚弥、拓真兄弟、田中恒成らの現役世界王者はこの大会の優勝者。「技術は始めた年齢に比例する。世界のリングでボディーで倒されていた日本選手が、今はボディーで倒すようになった。技術は世界でもずぬけている」と、同大会を協会会長として主導した大橋は言う。11年7月にはWBC世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃(帝拳)が、日本人で初めて米国の本場ラスベガスで防衛に成功するなど、世界でも日本選手の評価は高まっている。

井上はプロわずか16戦で世界3階級制覇を達成。卓越したボクシングセンスと強打は、海外でも注目され、日本人ボクサーで初めて米ボクシング誌「リングマガジン」の表紙にもなった。あの昭和の王者を超える、世界的なヒーローになる可能性を秘めている。「日本から世界へ。そのレールを井上が敷く」と大橋は力を込める。

世界ヘビー級王者マイク・タイソンの東京ドーム防衛戦(90年)という「ビッグバン」で始まった平成がまもなく終わる。昭和の時代に26人だった世界王者は、平成の約30年間をへて91人まで増えた。今や日本は世界屈指のボクシング大国に躍進した。

令和の時代の幕開けを前に、大橋がこんな予言をした。

「平成はタイソンで盛り上がり、あのミドル級で村田諒太が世界王者になった。そして井上が世界で勝負をかける。日本ボクシング界は大きく変わった。あとはヘビー級。令和の時代に日本人の世界ヘビー級王者が誕生するかもしれない。そうしたら再びビッグバンが起きる」。【首藤正徳】(敬称略)

90年2月、WBC世界ストロー級王座に就いた大橋秀行

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異質な飯田覚士 TV企画、部活の延長から世界王者

平成のボクシング界について語る飯田覚士さん

<平成とは・バトル編(2)>

平成が幕を開けて間もなく、日本ボクシング界に異質なボクサーが現れた。後にWBA世界スーパーフライ級王者になる飯田覚士である。90年(平2)、日本テレビのバラエティー番組「天才たけしの元気が出るテレビ!!」の“ボクシング予備校”という企画に、プロテストを目指す練習生の1人に選ばれた。

当時、飯田は岐阜経済大3年。「ボクシング部でしたが、ツアーコンダクターになりたかったので、プロになるつもりはなかった。練習に物足りなさを感じていたのと、テレビに出れば思い出になると思って応募した」。どこにでもいる普通の大学生で、ボクサーらしからぬ甘いマスクにきゃしゃな体形。そのギャップがボクシングと無縁の若い女性のハートに響いた。

日曜の夜に放送される平均視聴率15%の人気番組で、定期的に成長ぶりが紹介されると、飯田の人気は沸騰した。90年9月の大阪城公園での公開スパーリングには1万人を超えるファンが殺到した。テレビ局の意向に応じて番組内で「チャンピオンになる」と公言していたため「引くに引けなくなった」と飯田。翌91年3月にプロデビュー。翌年の全日本新人王決勝戦には8000人の大観衆が詰めかけた。

昭和の時代、ボクシングには怖い、痛い、危ないというイメージが根強くあった。その象徴が昭和40年代に大ヒットした漫画「あしたのジョー」。貧しい不良少年が拳ひとつでのし上がっていくストーリーで、実際に漫画を地でいくボクサーも多かった。飯田はそんな近寄りがたかったボクシングを、部活の延長のような身近な存在に変えた。飯田自身「パンチパーマなどのいかつい格好で相手を威嚇するのは嫌だった」という。

この頃から飽食の時代に敬遠されつつあったボクシングジムに「僕も挑戦してみよう」と若者が足を向け始めた。飯田が全日本新人王になった翌年度には、100人台だった新人王のエントリーが265人と急増。マイク・タイソンの2度(88、90年)の東京ドーム防衛戦など複合的な要素も重なり、89年に1200人だったプロボクサーは年々増加し、06年には3200人にまで膨れあがった。

もうひとつの要因が89年から現在まで続く「少年マガジン」(講談社)の人気漫画「はじめの一歩」(森川ジョージ著)。いじめられっ子の主人公がボクサーに救われ、自らボクサーとして成長していくストーリーが、平成の若者に圧倒的な支持を受けた。元WBA、IBF世界ライトフライ級王者の田口良一をはじめ、この漫画に刺激を受けてボクシングに興味を持った世界王者も多い。

彼らは根性論が主流だったジムの練習にも新風を吹き込んだ。「根性で勝つんじゃないと自分に言い聞かせてサプリメントをとったり、インナーマッスルや動体視力も鍛えた」と飯田は回想する。元WBC、WBA世界ミニマム級王者で大橋ボクシングジム会長の大橋秀行は「今は昭和の時代と練習方法も食事も180度違う。八重樫東(世界3階級制覇王者)は科学的な筋トレを取り入れて、脂を抜いた食事を心がけている」と明かす。

飯田は世界挑戦2度失敗後の97年12月、ヨックタイ・シスオー(タイ)を判定で下してついに世界王座を奪取。2度の防衛にも成功した。普通の大学生が世界王者にたどりついて気付いたことがある。「根性論が嫌いで、科学的なトレーニングを存分にやった。でも結局、ボクシングは最後はど突き合いなんです。流血しようが構わず打ち合う。行き着いた先は、ストイックで己の身を削らないと勝てない過酷なスポーツでした」。時代は移ってもボクシングの本質、世界の頂点への厳しい道のりに変わりはない。【首藤正徳】

(敬称略)

97年12月、ヨックタイ・シスオーにパンチを放つ飯田(左)

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王者田口挑戦のブドラー来日「ロマチェンコ参考」

20日にWBA・IBF世界ライトフライ級王者田口に挑戦するために来日したブドラー

 ロマチェンコ流で勝つ!? 20日に東京・大田区総合体育館でWBA・IBF世界ライトフライ級王者田口良一(31=ワタナベ)に挑戦するIBF同級6位ヘッキー・ブドラー(29=南アフリカ)が13日、来日した。

 5度の防衛に成功した元WBA世界ミニマム級スーパー王者は長距離移動でリナレス-ロマチェンコ戦をチェックできなかったことを残念がり「ロマチェンコが好き。彼の頭の動かし方などはベストで参考にしている。後で試合動画を見たい」と研究熱心な姿勢をみせた。

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挑戦者ブドラー「ロマチェンコ流」で2階級制覇狙う

20日にWBA・IBF世界ライトフライ級王者田口に挑戦するために来日したブドラー

 プロボクシングのIBF世界ライトフライ級6位、WBA世界同級7位ヘッキー・ブドラー(29=南アフリカ)が「ロマチェンコ流」で世界2階級制覇を狙う。

 20日に東京・大田区総合体育館で、WBA・IBF世界同級統一王者田口良一(31=ワタナベ)に挑戦するブドラーは13日、母国からドバイ経由で来日。「飛行機での移動で疲れはあるけれど、良い試合ができると思うよ」とリラックスした表情をみせた。

 5度の防衛に成功した元WBA世界ミニマム級スーパー王者は「田口はこの階級でベストな選手。これまでで1番厳しい試合になるだろう。田口よりもハードに戦いたい」と気合十分。長距離移動の影響で、米国時間12日に開催されたWBA世界ライト級タイトルマッチ(リナレス-ロマチェンコ戦)は動画でチェックできていないものの「ロマチェンコが好きで頭の動かし方などは今のボクサーの中でベストなので参考にしている。あとで試合もユーチューブでチェックしたい」と待ち切れない様子だ。

 昨年9月、当時のIBF世界同級王者ミラン・メリンド(フィリピン)に微妙な判定で敗れ、今回はIBF指令で指名挑戦者となったブドラー。同年12月にメリンドに勝った田口が2団体統一王者になったことで、2つのベルトに同時挑戦できるチャンスを得た。「これにチェレンジできることは光栄なことだ」とテンションを高く保っていた。

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王者田口良一が試合前最長の10Rスパーリング

東洋太平洋ミニマム級王者小浦翼(右)とのスパーリングを消化したWBA・IBF世界ライトフライ級統一王者田口

 ボクシングWBA・IBF世界ライトフライ級統一王者田口良一(31=ワタナベ)が、5月20日の防衛戦(東京・大田区総合体育館)に備え、試合前最長の10回のスパーリングを敢行した。

 2日、都内の所属ジムで東洋太平洋ミニマム級王者小浦翼(E&Jカシアス)らと計10回を消化し「ここ最近のスパーリングの中では1番、内容が良かった」と手応えを口にした。

 IBF世界同級6位の元WBA世界ミニマム級スーパー王者ヘッキー・ブドラー(29=南アフリカ)との防衛戦(WBA8度目、IBF初防衛戦)まで残り2週間強となり、ロングスパーリングは調整の折り返し地点。実力者と拳を交え左ジャブで主導権を握った展開に納得の様子。「今までの積み重ねが出てきていると思う」と、長いラウンドで思い通りに戦うことができている。日本人初となる2団体統一王座の防衛戦。順調な調整で田口がラストスパートをかける。

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田口良一「史上初のうれしさある」統一王座防衛戦

防衛戦を発表したWBA・IBF世界ライトフライ級統一王者田口(左)とIBF世界ミニマム級王者京口(撮影・中島郁夫)

 プロボクシングWBA・IBF世界ライトフライ級統一王者田口良一(31=ワタナベ)が日本人初となる2団体統一王座の防衛戦に臨む。5月20日に東京・大田区総合体育館でIBF世界同級6位の元WBA世界ミニマム級スーパー王者ヘッキー・ブドラー(29=南アフリカ)との防衛戦(WBA8度目、IBF初防衛戦)を行うと4日、発表された。都内で会見した田口は「(日本人)史上初のうれしさがある」と気持ちを高揚させた。

 IBFからの指名試合として2階級制覇を狙う元世界王者を迎え撃つ。田口は「リスクはあるが、評価も上がる。統一王者として今まで以上に注目されると思うので、何としても8度目の防衛を成功させたい」と意気込んだ。

 また同興行でIBF世界ミニマム級王者京口紘人(24=ワタナベ)も2度目の防衛戦に臨む。挑戦者は後日発表される。

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田口良一、井上に敗れてさらに成長/大橋秀行の目

田口は2団体統一王者となり笑顔を見せる(撮影・足立雅史)

<プロボクシング:WBA、IBF世界ライトフライ級王座統一戦12回戦>◇12月31日◇東京・大田区総合体育館

 WBA王者田口良一(31=ワタナベ)がIBF王者ミラン・メリンド(29=フィリピン)との世界王者対決を3-0判定で制し、2団体王座の統一に成功した。

◇ ◇

 田口は作戦通りの戦い方を見事に実践した。メリンドは八重樫を初回KOして正規王者になったように前半はすごく強い。だが後半になるとガクンとペースが落ちる傾向がある。今回、田口は序盤に強引な打ち合いを避け、左ジャブを多用して後半に勝負をかけた。それが功を奏した。その作戦を成功させたのが左ジャブ。ノーモーションから繰り出されるジャブが実に効果的で、メリンドの前進を止め、ポイントにつなげた。

 彼には個人的な思い出がある。日本ランカーだった頃、私のジムの当時高校生だった井上尚弥にスパーリングで倒された。しかし、後に日本王者になった田口は、鳴り物入りでプロ入りした井上の挑戦を受けてくれた。判定で王座を失ったが、最後まで倒れずに打ち合った。あの試合から彼のボクシングは変わった。自信がみなぎるようになった。その後、私のジムに出稽古にきて井上とスパーリングを積んだ。その強いハートと向上心が彼を別人に成長させたのだと思う。さらに長期政権を築くだろう。

 木村と五十嵐の一戦は魂のぶつかり合い。木村はサウスポーをよく研究しており、フルスイングしてもスタミナが切れなかった。リスク承知で打ち合った五十嵐もすべてを出し切った。こんな試合をすればボクシング界も盛り上がると思う。(元WBC、WBA世界ミニマム級王者)

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多田悦子が判定勝ち 王者江畑佳代子との対戦熱望

<ボクシング:WBO女子アジアパシフィック・ミニフライ級王座決定8回戦>◇10日◇東京・後楽園ホール

 日本人女子の元世界王者対決は、元WBA世界ミニマム級王者多田悦子(36=真正)が制した。

 12年にも対戦した元IBF世界ライトフライ級王者柴田直子(36=ワールド)を相手に3-0で判定勝ちした。

 初回から練習したというカウンターの左ストレートに、ボディーがよく決まった。中盤に右ストレートをもらってのけ反るなど反撃を受けたが、終盤に上下に打ち分けなどで攻勢だった。5年前は王者時代でV8成功に続いて連勝となった。多田は「久しぶりの後楽園ホールで、お客さんの顔がよく見えて、ええでんな」とおどけた。これでWBO世界ランク入りとなり、王者江畑佳代子(41=ワタナベ)に挑戦を熱望。「大先輩と対戦が決まれば、きちんと仕上げていきますので」と、視察した江畑に向かってリングから頭を下げた。

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元WBA王者宮崎亮逮捕「免停中」公務執行妨害容疑

宮崎亮容疑者

 プロボクシング元WBA世界ミニマム級王者でスポーツインストラクターの宮崎亮容疑者(29)が公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されていたことが2日、分かった。

 大阪府警布施署によると、同容疑者は1日午後6時40分ごろ、東大阪市内の通行禁止時間帯だった路上で乗用車を運転中、警官に止められた。1度停車した後に急発進し、警官の自転車に接触。車を乗り捨て逃走し、約300メートル先で取り押さえられた。警官にけがはなかった。「免停中だったので罪が重くなると思った」と供述している。アルコールなどは検出されなかった。同容疑者は12年12月に世界王座を獲得し、2度防衛後に返上。ライセンスを更新せず、引退状態だった。

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