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【ボクシング】元女子世界5階級制覇王者の藤岡奈穂子が引退「卒業、やりきりました」

現役引退を表明した元女子世界5階級制覇王者・藤岡奈穂子

プロボクシング元女子世界5階級制覇王者・藤岡奈穂子(47=竹原慎二&畑山隆則)が29日、現役引退を表明した。

同日、東京・大田区の所属ジムで竹原慎二会長、柴田貴之マネジャーとともに会見し「引退ということですが、卒業ではないかなと。やり切りました」と引退する意思を口にした。昨年4月、米サンアントニオでマーレン・エスパーザ(米国)とのWBA、WBC世界ミニマム級王座統一戦に臨み判定負けしたのがラストマッチだった。

藤岡は「負けたら引退と決めていましたが、試合後に(米プロモート大手)ゴールデンボーイ・プロモーションの副社長から『もう1度、呼ぶ』と言われて揺れる自分がいて(1度は)再起を選びました」と昨年7月から約3カ月ほど米国でトレーニングを積んでいた。しかし条件面などで試合成立までいかず「自分の中で期限を決め、1年間やって何もなければ引き際かなと。やることはやったと思います」と引退を決意する経緯を説明した。

今後については何も決めていないものの、故郷の宮城・大崎市への恩返しや後進の指導に興味を持っているという。現時点で地元に戻る予定はなく「2拠点でも3拠点でも必要と言われればいきたい」と意欲満々。所属ジムの竹原会長は「よく今まで頑張ってくれた。ジムでは女子選手ながら見習う点も多く、男子選手の手本にもなり、リーダーシップをとってくれた。頑張り屋さんで自分から率先してやるタイプだった。2年前に政治家になったらと勧めましたが本人にその気はないみたいです」と秘話も明かした。

ソフトボールの実業団に所属していた藤岡は09年6月にプロデビュー。11月3月の東日本大震災で世界初挑戦が延期となって故郷も被災しながらも同5月、WBC女子世界ミニマム級王座を獲得し、故郷を勇気づけた。13年にWBA女子世界スーパーフライ級王者山口直子に勝利し2階級制覇に成功。15年にはWBO女子世界バンタム級王座を決定戦で奪取して3階級制覇、17年にはWBA女子世界フライ級王座を決定戦で制して4階級制覇、そして同年12月、WBO世界ライトフライ級王座を決定戦で勝ち取り、男女通じて日本初の5階級制覇を成し遂げていた。

引退会見に出席した元女子世界5階級制覇王者藤岡奈穂子(中央)。右端は所属ジム竹原慎二会長、左端は柴田貴之マネジャー

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3団体統一王者スペンスJr.とWBO王者クロフォードが4団体統一戦 7・29ラスベガス決戦

7月29日にウエルター級4団体統一戦で激突することが決まったWBAスーパー、WBC、IBF同級王者エロール・スペンスJr.(左)とWBO同級王者テレンス・クロフォード(ショータイム公式インスタグラムから)

プロボクシングの人気スター同士による4団体王座統一戦が決まった。WBAスーパー、WBC、IBF世界ウエルター級王者のエロール・スペンスJr.(33)が7月29日(日本時間30日)に米ネバダ州ラスベガスのT-モバイルアリーナでWBO世界同級王者のテレンス・クロフォード(35=ともに米国)と4団体王座統一戦に臨むと25日(同26日)、発表された。

創刊100年を誇る米老舗専門誌ザ・リングによる階級を超越した最強ランキング、パウンド・フォー・パウンドで4位のスペンスJr.と、3位のクロフォードという実力派王者同士の対決となる。

数カ月にわたって両者による4団体王座統一戦交渉が続いていたが、ついに決定した形。クロフォードが自身のSNSで「待つ時間は終わった・7月29日、ラスベガス。手に入れましょう」と4本のベルト総取りに意欲をみせれば、スペンスJr.は「ついにファンが望むものを提供する。一方的に悲鳴を上げさせる可能性がある。今世紀最大の戦いの1つだ!」と同じく自身のSNSで心境をつづった。

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【K-1】熊田曜子、円満離婚後初の公の場 2年3か月ぶり2度目スペシャルラウンドガール 

2度目のK-1スペシャルラウンドガール挑戦が発表されたタレントの熊田曜子

人気タレントの熊田曜子(41)が6月3日、横浜武道館で開催されるK-1横浜大会でスペシャルラウンドガールを担当すると26日、発表された。

K-1スペシャルラウンドガールの第1弾として21年3月に登場して以来、約2年3カ月ぶり2度目の挑戦となる。また円満離婚後初の公の場としても注目される。

同団体を通じ、熊田は「2度目のK-1スペシャルラウンドガールを務めさせて頂くことになり光栄です。K-1が大好きで、試合はもちろん、選手やサポートされている皆さんの日々の生活をSNSで見て元気と勇気をもらっています。横浜大会ではK-1ファミリーに認めて頂けるよう頑張ります」とコメントしていた。

また横浜大会のメインがミドル級初代王座決定トーナメントが組まれていることもあり、プロボクシング元WBA世界同級王者竹原慎二氏(T&Hジム会長)がスペシャルゲストとして登場。同団体を通じ「この30周年のメモリアルイヤーに相応しい戦いが繰り広げられることを楽しみにしています。そして解説も盛り上げられたらと思っています。メインのK-1ミドル級初代王座をかけたトーナメントは、神保克哉や松倉信太郎をはじめとする精鋭選手たちが激闘を繰り広げて新たな歴史の幕開けとなることでしょうし、新たな王者が誕生する瞬間を一緒に見守りましょう!」とコメントしていた。

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世界2階級制覇王者中谷潤人「一番やりたいのはエストラーダ。メキシコでも行きます」統一戦希望

米国から帰国した中谷。左は弟龍人マネジャー、右は所属ジム村野健会長

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級新王者の中谷潤人(25=M・T)が25日、帰国した。20日(日本時間21日)、米ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで元世界王者アンドルー・モロニー(オーストラリア)との同級王座決定戦に臨み、12回KO勝ち。2回、11回とダウンを奪った後、最終12回にオーバーハンド気味の強烈な左フックでモロニーをキャンバスに沈める完勝劇で2階級制覇した中谷は「すごく大きな舞台で良い形で勝てて今はほっとしている」と笑顔を浮かべた。

所属ジムの村野健会長によると初防衛戦は秋頃を予定。指名試合も想定されるだけに対戦相手は流動的だが、強烈フィニッシュ劇を受けて米メディアでは早くも同階級最強と言われるWBC世界同級王者のフアン・フランシスコ・エストラーダ(33=メキシコ)との統一戦を期待する声が出ている。6月24日に元世界4階級制覇王者の井岡一翔(34=志成)の挑戦を受けるWBA同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)、IBF世界同級王者フェルナンド・マルチネス(31=アルゼンチン)らもいるが、中谷は「エストラーダ選手が一番やりたい。(敵地)メキシコでも全然、行きます」と口にした。

試合後、2日間滞在したラスベガスで観光を楽しみ、シルク・ドゥ・ソレイユの名作で水の世界を表現したミュージカル「O(オー)」を鑑賞した。また試合2日後にはモロニーともホテルで会い「良い未来を築いてください」とエールも送られたという。試合で負傷した左眉間のカットは5針ほど縫っているものの「(心身を)回復させて夏に向けて頑張れる体とメンタルをつくっていきたい。(海外で)名前を覚えてもらい、楽しみな1人と思ってもらえたのは良かった」と納得の表情。ボクシングの「聖地」で鮮やかなKO勝利で王座奪取できた収穫を口にしていた。

WBO世界スーパーフライ級王座を獲得した米国から帰国した中谷潤人
WBO世界スーパーフライ級王座ベルトを肩にかけてガッツポーズする中谷潤人

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アマ13冠堤駿斗が内山高志流でプロ初KO目指す 31日国内最速3戦目の東洋太平洋王座挑戦

国内最速となるプロ3戦目での東洋太平洋王座挑戦を控え、公開練習したアマ13冠ボクサー堤駿斗

アマ13冠でプロボクシング東洋太平洋フェザー級3位の堤駿斗(23=志成)が名参謀とのコンビで国内最速となるプロ3戦目での同王座獲得を狙う。

31日に同級4位のジョー・サンティシマ(26=フィリピン)との王座決定戦(東京・後楽園ホール)を控え、24日に東京・目黒区の所属ジムで練習を公開。サンティシマ戦から、元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志氏(43)や、元世界4階級制覇王者の井岡一翔(34=志成)を担当してきた佐々木修平トレーナー(37)とのコンビで、プロ初KOを狙う。

ワタナベジムのトレーナー時代に内山氏を担当した佐々木氏は、07年からミット担当、そして10年からはメイントレーナーとして11度防衛をサポートした。井岡も東京農大の先輩、後輩の関係性から18年からトレーナーとして支えている。その佐々木氏と2月からコンビを組んだという堤は「内山さんの時のパンチを聞いたりして試しています。左ボディーは今までの打ち方とは違う。すごくミットは合っていますね。試合の作戦も(佐々木)トレーナーと確認して感覚を研ぎ澄ませていきたい」と“内山流”で臨む姿勢をみせた。

コンビを組んで約4カ月と短期間ではあるものの、佐々木トレーナーは「左のリード(ジャブ)がうまかったり、内山さんと似た部分がある。左ボディーもちょっと内山高志さんのような打ち方とタイミングになりましたね。次の試合で出るかもしれないです」と、その吸収力にうなずいた。

東洋太平洋王座の国内最速は田中恒成、清水聡のプロ4戦目。プロ3戦目で獲得すれば日本記録となる。過去プロ2戦はいずれも判定勝ちだった堤はKOへの意識を高めつつ「日本記録がかかっているのは自分の中であまり気にしていない。目の前の試合に勝てば記録がついてくる。負けられない試合に勝つことを自分のテーマにしています」と気を引き締めた。

16年世界ユース選手権(フライ級)で日本男子として初めて優勝を飾るなど、アマ13冠を誇るアマエリートは区切りの1戦に向けて集中している。

佐々木修平トレナー(右)とミット打ちに臨んだアマ13冠ボクサー堤駿斗
畑山隆則氏(左端)、川島郭志氏(同3番目)、竹原慎二氏(右端)の元世界王者3人から激励を受けたアマ13冠ボクサー堤駿斗

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アマ13冠堤駿斗に元世界王者3人から激励 31日に国内最速プロ3戦目で東洋太平洋王座狙う

国内最速となるプロ3戦目での東洋太平洋王座挑戦を控え、公開練習したアマ13冠ボクサー堤駿斗

アマ13冠でプロボクシング東洋太平洋フェザー級3位の堤駿斗(23=志成)が元世界王者3人から激励された。

31日に東京・後楽園ホールで同級4位のジョー・サンティシマ(26=フィリピン)との同級王座決定戦を控え、24日に東京・目黒区の所属ジムで練習を公開。シャドーボクシング、ミット打ち、サンドバッグ打ちなどで軽快な動きをみせた。

堤がスポンサー契約を結んだABEMAのユーチューブ企画で元WBC世界スーパーフライ級王者・川島郭志氏(53)、元世界2階級制覇王者・畑山隆則氏(47)、元WBA世界ミドル級王者・竹原慎二氏(51)の見守る中での公開練習だった。元世界王者3人の熱視線に、堤は「緊張しますよね」と苦笑しながら練習メニューを消化した。

堤にとってサンティシマ戦は国内最速となるプロ3戦目での東洋太平洋王座獲得という日本記録がかかる。川島氏が「すごく動きは速いし、無駄がない。勝つだけでなく、あとは勝ち方。お客さんが納得してくれる試合をしてほしい」と言えば、畑山氏は「彼は“ネクストモンスター”の最右翼。ぜひともKOで倒してほしいし、倒し方を覚えてほしい」と期待。最後に竹原氏も「彼は完封できるボクサー。あとはファンにみせるボクサーに変わるかみたい。倒しにいくボクシングすればKOで勝てると思う」と激励した。

元世界王者3人から「みせる」「KO」のキーワードで勝利とともに試合内容にもゲキが飛んだ堤は「そこも意識して試合で乗り越えて合格点だと。倒して勝てれば100点。完封したら合格点。それを目指して1回1回大切にして勝ちたい」と気持ちを引き締めていた。

畑山隆則氏(左端)、川島郭志氏(同3番目)、竹原慎二氏(右端)の元世界王者3人から激励を受けたアマ13冠ボクサー堤駿斗
佐々木修平トレナー(右)とミット打ちに臨んだアマ13冠ボクサー堤駿斗

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元世界王者比嘉大吾、6・24世界ランカー対決 “世界前哨戦”で約2年半ぶりのKO勝ちへ気合

6・24後楽園でWBA世界スーパーフライ級3位シリチャイ・タイイイェンとのバンタム級10回戦に臨む元WBC世界フライ級王者比嘉大吾

プロボクシング元WBC世界フライ級王者で現WBA世界バンタム級12位の比嘉大吾(27=志成)が、6月24日に東京・後楽園ホールでWBA世界スーパーフライ級3位シリチャイ・タイイイェン(32=タイ)とバンタム級10回戦に臨むと23日、発表された。昨年11月、ソンセン・ポーヤム(タイ)との同級10回戦で判定勝ちして以来、約7カ月ぶりのリングで、世界ランカー対決を迎える。

同日、東京・目黒区の所属ジムで記者会見に臨んだ比嘉は「年も年なので世界を目指すにはそろそろ(世界ランカーと)やらないといけないと思っていた。組んでもらえてありがたいです」と口元を引き締めた。

シリチャイはヨドモンコン・ポー・センチップのリングネームで13年11月、当時のWBA世界フライ級暫定王者(日本未公認)だった江藤光喜に挑戦し12回TKO勝ちしている。比嘉は、同じ沖縄県出身で白井・具志堅ジム時代の先輩でもある江藤の敵討ちの意識もあり、「先輩が負けているので。そのリベンジも兼ねてKOで倒して勝ちたいです」と口調を強めた。

フライ級時代は日本記録の15連続KO勝ちを誇った比嘉だが、再起戦から2試合続けて判定決着となっている。バンタム級では20年12月のストロング小林佑樹戦以来、約2年半ぶりのKO勝利にも意欲。「見ている側からしたらKOを狙わないと楽しくないでしょうし、周りから見て『つまらない』と言われたらおしまい。倒しにいきたい」とKOへのこだわりをみせた。

15~21日まで千葉で走り込み合宿に取り組み、下半身を強化してきた。シリチャイ戦は“世界前哨戦”の意味合いもあるだけに気合十分。「いつでも世界戦ができる気持ちでやっている。良い勝ち方で次につなげられたら」と気を引き締めた。

同興行では元世界4階級制覇王者の井岡一翔(34=志成)が、WBA世界スーパーフライ級王者ジョシュア・フランコ(米国)に昨年大みそかに続く即再戦で挑戦するカードがメイン。比嘉-シリチャイ戦はセミファイナルとして組まれる。

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【ボクシング】中谷潤人に敗れたモロニー「挑戦したい」再起誓う 双子兄もサポート約束

中谷潤人に12回KO負けした弟アンドルー・モロニーとの試合後写真をSNSに掲載した兄のWBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー(ジェーソン・モロニーのツイッターから)

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級新王者の中谷潤人(25=M・T)に、プロ人生初のKOで敗れた元WBA世界同級王者のアンドルー・モロニー(32=オーストラリア)が再起を誓った。20日(日本時間21日)に米ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで行われたWBO世界同級王座決定戦で中谷と拳を交え、2回にアッパー連打、11回に左ストレートでダウン。最終12回にカウンター気味の強烈な左フックを浴びてキャンバスに沈んだ。

22日のFOXスポーツ・オーストラリアによると、モロニーはボクシング・コメンテーターのベン・デイモン氏のインタビューに対し「私は大丈夫です。仕事をやり遂げることができず、ただただ心が痛んだ。何が起こったかと考えながら生きるよりも、背中を押して外に出て挑戦したい」と前向きに話した。試合後は歩行できる状態だったが、念のために病院に搬送され、診察の結果、左右の耳の鼓膜が破れていた。既に退院しているという。

またモロニーの双子の兄でWBO世界バンタム級王者のジェーソン・モロニー(32)は試合後に撮影した兄弟ショットの写真を自らのツイッターに掲載。「アンドルーをとても誇りに思う。求めていた結果ではなかったが、あなたの努力をとても誇りに思う。多くの選手が中谷との対戦を回避してきたが、アンドルーは真っ向から受け止め、全力を尽くした。まさにファイターだ。あなたは戻ってくる。私は最後までそばにいる。愛しているよ、兄弟」とつづった。

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(右)と対戦する中谷(AP)

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【ボクシング】中谷潤人の強烈KO劇に海外から大反響「年間最優秀KO賞候補」と話題

中谷潤人(2023年3月撮影)

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級新王者となった中谷潤人(25=M・T)のKOフィニッシュが、海外で大きな反響を呼んだ。20日(日本時間21日)に米ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで元WBA世界同級王者のアンドルー・モロニー(オーストラリア)と対戦。2回、11回とダウンを奪った後、最終12回にオーバハンド気味の強烈な左フックでモロニーをキャンバスに沈めた。米ESPNの元ライター、スティーブ・キム氏は21日(同22日)に「中谷潤人は年間最優秀KO賞になるかもしれない」と自身のツイッターにつづった。

さらに同日には配信サービスDAZNボクシングの公式ツイッターでも衝撃フィニッシュシーンを添え「中谷潤人は今年の最優秀KO賞候補だ」と伝えた。また試合後も米ボクシングライターのダン・ラファエル氏が「なんてことだ! 中谷潤人は豪快に左手一本でモロニーを12回残り20秒ほどで撃破し、空位のWBOスーパーフライ級王座を獲得した、今年のKO候補。本当に残忍だった」とSNSで書き込むなど、中谷が成し遂げた「聖地」での強烈KO劇が話題となった。

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【ボクシング】聖地で2階級制覇の中谷潤人「これからも強さを求めて頑張ります」一夜明けで心境

王座獲得から一夜明け、仲間と喜ぶ写真を投稿したWBO世界スーパーフライ級新王者中谷潤人(上)(中谷のインスタグラムから)

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級新王者の中谷潤人(25=M・T)が、王座獲得から一夜明け、自身のSNSで世界2階級制覇を報告した。

前日20日(日本時間21日)に米ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで元WBA世界同級王者のアンドルー・モロニー(オーストラリア)と対戦。計3度のダウンを奪って12回KO勝ちを収めた。翌21日(同22日)に自らのインスタグラムを更新し、支えてくれたチームや仲間との写真をアップした。

WBO世界フライ級王座に続く、世界王座獲得に成功し「2階級制覇 ラスベガスMGMグランドの舞台 とても良い景色でした。皆さんの沢山の応援、サポートありがとうございました。自分自身を信じ、そして信じてサポートしてくれるチーム!ファミリー!のそばで伸び伸びとこれからも強さを求めて頑張ります 感謝!感謝!」と炎のスタンプを2つ添え、気持ちを表現していた。

今後は練習拠点となる米ロサンゼルスにいったん戻り、帰国は今週末になるという。

セコンドらサポートメンバーとともに撮影した写真を自身のSNSで公開したWBO世界スーパーフライ級新王者中谷潤人(中央)(中谷のインスタグラムから)
中谷潤人(2023年3月25日撮影)

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左右の鼓膜破れる…中谷潤人にプロ人生初KO負けモロニー 3度のダウン奪われ最後は大の字に

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(右)と対戦する中谷(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定戦12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ◇観衆1万4436人

WBO世界スーパーフライ級1位の中谷潤人(25=M・T)が、米ラスベガスで鮮烈なKO劇をみせ、世界2階級制覇に成功した。同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)との王座決定戦に臨み、12回2分42秒にKOで仕留めた。2回、11回、12回と3度ダウンを奪取し、最後は強烈な左フックで相手を失神寸前に追い込んだ。WBOフライ級王座に続く王座獲得で、日本ジム所属17人目の2階級制覇となった。日本人初となる「聖地」で世界王座を獲得し、将来的に王座統一戦を熱望した。 

    ◇    ◇    ◇

中谷に敗れた元WBA王者モロニーはプロ人生初のKO負けとなった。2回、11回、12回と3度のダウンを奪われ、最後は中谷の左フックで大の字でキャンバスに倒れこんだ。試合後は経過観察のため、病院に搬送。米専門メディアによると、診察では左右の鼓膜が破れていると診断されたという。双子の兄ジェーソンが前週にWBO世界バンタム級王座を獲得していたが、続くことはできなかった。

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(左)(AP)
WBO世界スーパーフライ級王座決定戦で中谷(後方)にKO負けを喫したモロニー(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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中谷潤人が“聖地”ラスベガスで世界2階級制覇 強烈左フックで流血戦制し、会場どよめき

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定戦12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ◇観衆1万4436人

WBO世界スーパーフライ級1位の中谷潤人(25=M・T)が、米ラスベガスで鮮烈なKO劇をみせ、世界2階級制覇に成功した。同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)との王座決定戦に臨み、12回2分42秒にKOで仕留めた。2回、11回、12回と3度ダウンを奪取し、最後は強烈な左フックで相手を失神寸前に追い込んだ。WBOフライ級王座に続く王座獲得で、日本ジム所属17人目の2階級制覇となった。日本人初となる「聖地」で世界王座を獲得し、将来的に王座統一戦を熱望した。

    ◇    ◇    ◇

「聖地」のボクシングファンに強烈なインパクトを残した。2回にアッパー連打、11回にも左ストレートでダウンを奪った中谷が最終12回、印象的なKOシーンを演出した。「ずっと練習してきたパンチでスムーズに出た」という一瞬かがみ、低い体勢からカウンター気味に出した左フックで3度目のダウンを奪取。モロニーを失神寸前でキャンバスに沈めるトドメの一撃となった。

会場の画面にフィニッシュシーンが流れる度にどよめきが起こった。2回に右まぶたなどを切ったモロニーに対し、中谷も偶然のバッティングで左みけん付近をカット。「流血戦」となったが、常に試合を掌握した。「8、9回ぐらいから相手が疲労して覇気がなかった。良い舞台で倒せたので高い点数をあげてもいいかな」と満足げだ。

ラスベガスで日本人選手が防衛した世界戦勝利はあるが、世界王座奪取は初めて。中学卒業後、単身で米修行してきた中谷にとってあこがれの舞台でもある。「良い緊張感で楽しめました。良いパンチを当てると歓声もすごくて気持ち良かった」と達成感いっぱいの表情を浮かべた。

減量苦のため、昨年11月にスーパーフライ級に転向した。WBOから当時の王者井岡一翔(志成)との対戦指令が出されたが、井岡が昨年大みそかにドロー決着となったWBA王者ジョシュア・フランコ(米国)との即再戦を優先させて王座返上。再びWBOから対戦指令を受けた元WBA王者モロニーに中谷は圧勝し、同階級への手応えをつかんだ。

米国では前4団体統一バンタム級王者井上尚弥(大橋)に続く“ネクスト・モンスター”と表現される。「統一戦をやりたい気持ちが強い。世界王者なら誰でも。また強い中谷潤人をみせていきたい」と中谷。同階級には世界的知名度のある選手が多いだけに、フライ級時代に実現できなかった王座統一の野望を掲げた。【藤中栄二】

◆日本人のラスベガス世界戦勝利 WBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃が11年10月、ラファエル・マルケス(メキシコ)に判定勝利したのが初めて。WBO世界バンタム級王者亀田和毅が14年7月、プンルアン・ソーシンユー(タイ)に7回KO勝ち。WBAスーパー、IBF世界同級王者井上尚弥は20年10月にジェーソン・モロニー(オーストラリア)を7回KO、21年6月にマイケル・ダスマリナス(フィリピン)を3回KO撃破し、聖地で2連勝。中谷は4人目で、世界王座獲得は初めて。

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(左)(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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村田諒太氏「派手なKOで評価上がったのでは」ラスベガスで12回KO勝ちの中谷潤人を称賛

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

元WBO世界フライ級王者・中谷潤人(25=M・T)が世界2階級制覇に成功した。

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦に出場し、同級1位として同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)とベルトを懸けて争い、12回2分42秒、KO勝ちで王座獲得に成功。計3度のダウンを奪い、12回は強烈な左クロスでモロニーを大の字にさせた。日本ジム所属では史上17人目の世界2階級制覇を成し遂げた。

   ◇   ◇   ◇

WOWOWで中谷-モロニー戦を解説していた12年ロンドン・オリンピック(五輪)男子ミドル級金メダリストで元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太氏(37)は「完璧な内容。試合自体も面白かったし、11回にダウンを奪い、最後の派手なKO勝ちで米国での評価も上がる万々歳の勝ち方だと思う。良い形のKOだった」とほめた。昨年11月のスーパーフライ級転向から2戦目でKO負けのなかった元WBA世界同級王者を完璧に倒したことを高く評価した。

接近戦でも腕をたたんでアッパーを繰り出し、最後のKOパンチも肩を回して遅れて出てくるオーバーハンドの左クロスだった。村田氏は「中谷選手は器用ですよね。肩の関節が柔らかいのだと思いますし、大事ですね」と分析していた。

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(左)(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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ロマチェンコ「目の前で起きたことが事実。ここで言い訳しない」ウクライナにベルトを持ち帰れず

ヘイニーに判定で敗れたロマチェンコ(AP)

<プロボクシング:4団体統一ライト級タイトルマッチ12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

元3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(35=ウクライナ)が約2年7カ月ぶりの王座返り咲き&4団体王座獲得に失敗した。4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(24=米国)に挑戦し、0-3(112-116、113-115×2)の判定負けを喫した。

序盤から試合ペースを握り切れず、終盤から追い上げたものの、競り勝つことはできなかった。

ロマチェンコは「私のイエス・キリストに感謝します。ありがとう。チームのみんなに感謝している。マネジャー、家族、ファンのみんな応援してくれてありがとう。(負けたかどうかは)言いたくない。目の前で起きたことが事実。まだまだボクシングができることをお見せできた。また次回、お会いしましょう。ここで言い訳したくない」と判定結果についての言及は避けた。

20年10月にテオフィモ・ロペス(米国)に敗れてベルトを失ったロマチェンコは母国がロシアの侵攻に見舞われ、自国防衛軍に入隊。昨年6月、当時の3団体統一同級王者ジョージ・カンボソス(オーストラリア)との再戦が中止となった。王座返り咲きのチャンスを1度逃し、ようやくたどり着いた王座返り咲きのチャンスだった。

ロマチェンコは「ヘイニーはあらゆる面ですごかった。彼はもっと強くなるでしょう。タフなファイターだが(階級を超越した)パウンド・フォー・パウンド1位ではない。母国に帰って自分の国を支援していきたい」と言うと、会場に大歓声が響いた。

08年北京オリンピック(五輪)フェザー級、そして12年ロンドン五輪ライト級で連続金メダルを獲得。アマ戦績396勝1敗という記録を持って13年10月にプロデビュー。WBO世界フェザー級王座、WBO世界スーパーフェザー級王座、WBA世界ライト級王座を獲得し、史上最短記録の12戦目で世界3階級制覇を達成した。

同級でWBA、WBC、WBOと3団体を統一してきた「ハイテク(高性能)」と呼ばれてきたロマチェンコだったが、4団体のベルト奪取のチャンスをつかむことができなかった。

判定でロマチェンコに勝利し7度目の防衛に成功したヘイニー(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(右)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコ(奥)と戦うヘイニー(AP)

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4団体統一王者ヘイニー「私も歴史に残る。殿堂入りだ」ロマチェンコ下し世界ライト級最強証明

判定でロマチェンコに勝利し7度目の防衛に成功したヘイニー(AP)

<プロボクシング:4団体統一ライト級タイトルマッチ12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(24=米国)が、挑戦者となる元3団体統一同級王者ワシル・ロマチェンコ(35=ウクライナ)を判定で下して王座防衛に成功した。丁寧に左ジャブを突き、右ボディーストレート、ワンツー、左右ボディーブローで攻め続けて試合ペースを譲らず、3-0(116-112、115-112×2)の判定勝ちで4本のベルトを守り切った。

19年9月にWBC世界同級暫定王座を獲得してから同級で8度目防衛にも成功したヘイニーは「ロマチェンコはいずれ殿堂入りする実力者で、強かったです。本当にタフな相手で、すごいファイター、テクニカルでした。私もこれで歴史に残るでしょう。殿堂入りでしょう」と満足顔だった。

19年にWBC世界ライト級は正王者がロマチェンコ、暫定王者がヘイニーだった。当時からヘイニーが対戦を希望していた「因縁」もあった。29連勝(15KO)無敗で、ユリキオス・ガンボア(キューバ)、ホルヘ・リナレス(帝拳)、ジョセフ・ディアスと王者経験者たちを下し、昨年6月にジョージ・カンボソス(オーストラリア)との2連戦でも連勝。4団体統一王者としてライト級で最強を証明してきた。

しかし前日計量ではナーバスになり、フェースオフ(にらみ合い)の11秒後に両手で思い切りロマチェンコを突き飛ばした。米国出身にもかかわらず、試合当時も一部ファンからブーイングを浴びるなど、ロマチェンコ応援ムードの中で競り勝った。

ライト級にはWBA世界同級正規王者として人気急上昇中のジャーポンタ・デービス(米国)がいる。対戦が決まれば大きな注目を集めることになるが、ヘイニーは「みんなとゆっくり今後のことを考えたい。長い間、この階級で頑張っているので、また今後はゆっくり考える。もちろん体重コントロールは大変ですが、8回防衛に成功したんだ」と笑顔をみせていた。

ヘイニーに判定で敗れたロマチェンコ(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(右)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコ(奥)と戦うヘイニー(AP)

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中谷潤人、世界に衝撃与えた「消えるパンチ」3階級、4階級制覇する力秘める/大橋秀行評論

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

元WBO世界フライ級王者・中谷潤人(25=M・T)が世界2階級制覇に成功した。WBO世界スーパーフライ級王座決定戦に出場し、同級1位として同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)とベルトを懸けて争い、12回2分42秒、KO勝ちで王座獲得に成功。日本ジム所属では史上17人目の世界2階級制覇を成し遂げた。日刊スポーツ評論家の大橋ジム・大橋秀行会長(58)が圧勝劇を解説した。

    ◇   ◇   ◇

衝撃のKOシーンだった。試合終了間際の“ワンパンチKO”は世界でもめったにない。しかも、米ラスベガスでの注目の興行で全世界に配信されている。判定でも中谷の勝利だったが、結果が判定とKOでは価値がまるで違う。世界への最高のアピールになった。

中谷の最大の武器でもある長距離からの左ストレートが効果的だった。12回もこのパンチがモロニーの頭にあったのだろう。だから左ストレートと同じ打ち方で振り抜いた、最後の左ロングフックは見えていなかった。“消えるパンチ”だったから効いた。

モロニーも中谷をよく研究していた。左対策でガードを高く上げて、開始からグイグイと前に出てきた。その相手の堅いガードの合間を縫うように中谷は左右のアッパーを突き上げ、2回に先制のダウンも奪った。その対応力にも目を見張るものがある。

唯一、課題が見えたのは接近戦。フライ級では接近戦でも相手を圧倒していたが、この試合では何度かペースを奪われ、無理に打ち合って不用意にパンチを食うシーンが2、3度あった。相手がもっとパンチ力のある選手であれば、その1発が致命傷になる。そこは気を付けたい。

とはいえ中谷がこのクラスでも傑出した選手であることは疑いようもない。長身でリーチがあり、パンチも強い。12回を戦い抜くスタミナも証明した。スーパーフライ級でも彼と互角に戦える選手はいないだろう。このまま3階級、4階級を制覇する力を秘めている。(元WBC、WBA世界ミニマム級王者)

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(左)(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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中谷潤人が世界2階級制覇!12回にKO聖地ラスベガスで悲願 WBO世界Sフライ級王座決定戦

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(右)と対戦する中谷(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

元WBO世界フライ級王者・中谷潤人(25=M・T)が世界2階級制覇に成功した。WBO世界スーパーフライ級王座決定戦に出場し、同級1位として同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)とベルトを懸けて争い、12回2分42秒、KO勝ちで王座獲得に成功。計3度のダウンを奪い、12回は強烈な左クロスでモロニーを大の字にさせた。日本ジム所属では史上17人目の世界2階級制覇を成し遂げた。

2回に左アッパー連打からの右アッパーでダウンを奪うと、11回には鮮やかな左ストレートでダウンを追加。最終12回、一瞬かがんでカウンター気味の左オーバーハンドで3度目ダウンを奪取し、とどめを刺した。中谷は「(仕留めた左は)ずっと練習してきたパンチでスムーズに出た。最初のアッパーは感触ありましたが、2度目、3度目は手の感触がないほどスムーズでした」と満面の笑みで振り返った。

2回から右まぶた、おでこをカットしたモロニーに対し、中谷も偶然のバッティングで右みけんをカットするなど、両者ともに流血した展開を最後の最後に左で制し「8、9回ぐらいから(モロニーが)疲労してダメージがあるなと分かっていた。良い舞台を用意してもらい。倒せたので高い点数をあげてもいいかな」と満足げだった。

中学卒業後、単身で米国修行した中谷があこがれ続けてきた「聖地」ラスベガスで世界2階級制覇し、本場のファンにも強烈なインパクイトを残し「(ラスベガスの試合は)すごく楽しかった。良い緊張感で楽しめました。良いパンチを当てると歓声もすごくて気持ち良かった」と達成感いっぱいの表情を浮かべた。

減量苦のために昨年10月にWBO世界フライ級王座を返上した後、WBO世界スーパーフライ級1位にランキング。WBOからは当時の同級王者だった井岡一翔(34=志成)との対戦指令が出された。日本人対決の機運が高まったが、井岡が昨年大みそかにドロー決着となったWBA世界同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)との即再戦を優先させて王座を返上。再度、WBOから同級2位モロニーとの同王座決定戦の指令を受けていた。

同興行のメインには4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(24=米国)-元3団体統一同級王者ワシル・ロマチェンコ(35=ウクライナ)戦が組まれた世界的にも大きな注目を浴びる舞台だった。米国では前4団体統一バンタム級王者井上尚弥(大橋)に続く“ネクスト・モンスター”とも表現される中谷は「(スーパーフライ級で)統一戦をやりたい気持ちが強いです。チャンピオンなら誰でもいいです。また強い中谷潤人をみせていきたい」とスーパーフライ級での野望を口にしていた。

◇日本ジム所属の複数階級制覇

★4階級=井岡一翔

★3階級=亀田興毅、ホルヘ・リナレス、八重樫東、長谷川穗積、井上尚弥、田中恒成

★2階級=ファイティング原田、柴田国明、井岡弘樹、畑山隆則、戸高秀樹、粟生隆寛、亀田大毅、亀田和毅、京口紘人、中谷潤人

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(左)と対戦する中谷(AP)
WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(右)と対戦する中谷(AP)
WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニーを倒して王座を獲得し祝福に応える中谷(AP)
WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニーを倒し王座を獲得した中谷(AP=中央)
WBO世界スーパーフライ級王座決定戦で中谷(後方)にKO負けを喫したモロニー(AP)
日の丸旗を掲げ、ファンの声援に応じる元WBO世界フライ級王者中谷潤人(M・Tジム提供)
WBOスーパーフライ級王座を懸けて対戦する同級2位アンドルー・モロニー(左から2番目)とフェースオフした同級1位中谷潤人(同3番目)(M・Tジム提供)

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【ボクシング】多田悦子が現役引退表明 世界主要3団体でミニマム級王者獲得

WBO女子世界ミニマム級新王者を獲得した多田(20年12月撮影)

世界主要3団体で女子ミニマム級王者となった41歳の多田悦子(真正)が現役引退を明らかにした。兵庫県出身の多田はアマチュアで活躍。08年5月にプロデビュー。09年4月にWBAミニマム級王座を獲得し、9度防衛。IBF、WBOの同級王者にもなった。

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京口紘人が6カ月ぶり再起戦で判定勝利 亜希夫人と結婚後初リングのフライ級初戦で白星発進

復帰戦に勝利し、“あきまっくす”こと亜希夫人(右)から褒められる京口(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:DANGAN259大会>◇20日◇東京・墨田区総合体育館

前WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(29=ワタナベ)が再起戦を飾った。

ローランド・ジェイ・ビエンディーマ(27=フィリピン)とのフライ級10回戦に臨み、3-0(100-90×3)のフルマーク判定勝利。昨年11月、寺地拳四朗(31=BMB)とのWBAスーパー、WBC世界同級王座統一戦に敗れて以来、約6カ月ぶりの再起戦を飾った。

京口は「今日テーマにした勝つことはできたが、中盤以降、ダラダラと考えながらやってしまった。フラストレーションがたまってしまったと思う。豪快なKOを見せたかったが、拳痛めた。それは言い訳。勝っただけで課題の残る試合だった。右拳を痛めて左拳も痛めてしまった。17戦にして初めてぐらいの痛みだった。やっぱりKOしたかった」と振り返った。

今年1月に結婚した元インフルエンサー「あきまっくす」こと亜希夫人(33)特製の鶏雑炊で減量で疲れた肉体を回復。アスリートフードマイスター3級の資格を取得している同夫人の食事面のサポートを受けつつ、フライ級初戦に備えて体重面のデータを取得。ミニマム級、ライトフライ級に続く世界3階級制覇に向けた準備を進めている。結婚後初試合を白星で飾り、世界3階級制覇に向けて弾みをつけた京口は「勝ってリングに残れたのでサポートしてくれた妻には感謝したい。プロ初黒星を喫し、勝ち続けることが人生ではない。さらに立ち上がって勝てることがあると思う」と口にした。

復帰戦に勝利し、“あきまっくす”こと亜希夫人(右)から褒められる京口(撮影・狩俣裕三)
登場する京口(撮影・狩俣裕三)
9回、ジェイ(左)に強烈な右フックを食らわす京口(撮影・狩俣裕三)
10回、ジェイ(左)に強烈な左ボディーを食らわす京口(撮影・狩俣裕三)
10回、ローランド・ジェイ(左)に右フックを食らわす京口(撮影・狩俣裕三)
10回、ローランド・ジェイ(左)を攻め込む京口(撮影・狩俣裕三)
10回、ローランド・ジェイ(左)に右フックを食らわす京口(撮影・狩俣裕三)
ジェイに判定勝ちし、ラウンドガールのRIHO(左)と大泉百華(右)と記念撮影する京口(撮影・狩俣裕三)

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日本王者「ミラモン」松本圭佑は夏ごろV1戦、世界ランカー平岡アンディは世界戦想定し準備継続

すみだボクシング祭り2023に参加した日本フェザー級王者松本圭佑(左)とWBOアジア・パシフィック・スーパーライト級王者平岡アンディ

先月18日、プロボクシングの日本フェザー級王座を獲得した「ミライモンスター」松本圭佑(23)、WBOアジア・パシフィック・スーパーライト級王者平岡アンディ(26=ともに大橋)が20日、東京・墨田区総合体育館で開催されたすみだボクシング祭り2023のイベントに参加した。松本は今夏ごろに日本フェザー級1位リドワン・オイコラ(26=平仲BS)と指名試合の初防衛戦を控えていると明かし「ユーチューブにあるオイコラ選手の動画を少しずつ見ている。まだ日程は決まっていないが、試合に向けて準備していきたい」と気合を入れた。

またスーパーライト級でIBF5位、WBA9位などに入る平岡は世界挑戦に向けた準備に入っている。3~4月に約2カ月間、トレーナーの父ジャスティス・コジョ氏のルーツ国となるガーナで合宿。父とアマチュア時代のライバルだった元世界2階級制覇王者アズマー・ネルソン氏(ガーナ)の指導を受けた。平岡は「いつチャンスがくるか分からないので、世界戦に向けた準備をしたい。チャンスがあればラスベガスに練習パートナーとしてスパーリングにいけたら」と今後の青写真を描いていた。

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