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3団体統一王者スペンスJr.とWBO王者クロフォードが4団体統一戦 7・29ラスベガス決戦

7月29日にウエルター級4団体統一戦で激突することが決まったWBAスーパー、WBC、IBF同級王者エロール・スペンスJr.(左)とWBO同級王者テレンス・クロフォード(ショータイム公式インスタグラムから)

プロボクシングの人気スター同士による4団体王座統一戦が決まった。WBAスーパー、WBC、IBF世界ウエルター級王者のエロール・スペンスJr.(33)が7月29日(日本時間30日)に米ネバダ州ラスベガスのT-モバイルアリーナでWBO世界同級王者のテレンス・クロフォード(35=ともに米国)と4団体王座統一戦に臨むと25日(同26日)、発表された。

創刊100年を誇る米老舗専門誌ザ・リングによる階級を超越した最強ランキング、パウンド・フォー・パウンドで4位のスペンスJr.と、3位のクロフォードという実力派王者同士の対決となる。

数カ月にわたって両者による4団体王座統一戦交渉が続いていたが、ついに決定した形。クロフォードが自身のSNSで「待つ時間は終わった・7月29日、ラスベガス。手に入れましょう」と4本のベルト総取りに意欲をみせれば、スペンスJr.は「ついにファンが望むものを提供する。一方的に悲鳴を上げさせる可能性がある。今世紀最大の戦いの1つだ!」と同じく自身のSNSで心境をつづった。

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亀田興毅氏プロモート「3150FIGHT SURVIVAL」7・20後楽園ホール初進出

亀田興毅氏

プロボクシング元世界3階級制覇王者・亀田興毅氏がプロモートする興行3150FIGHT SURVIVALが「聖地」に初進出する。3150FIGHT SURVIVAL Vol7大会が7月20日、東京・後楽園ホールで開催されると26日、発表された。

今年4月、3150FIGHT5大会が東京初進出として東京・代々木競技場第2体育館で開催されていた。これまで大阪を拠点としていたSURVIVAL大会が後楽園ホールにやってくる。

同興行には、3150FIGHTがプロモート契約を結んだWBO世界スーパーライト級7位でWBO世界同級ユース王者のホセ・ガルシア(23=メキシコ)が参戦。世界挑戦経験もある日本同級4位・近藤明広(38=一力)と対戦することも決まった。

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世界2階級制覇王者中谷潤人「一番やりたいのはエストラーダ。メキシコでも行きます」統一戦希望

米国から帰国した中谷。左は弟龍人マネジャー、右は所属ジム村野健会長

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級新王者の中谷潤人(25=M・T)が25日、帰国した。20日(日本時間21日)、米ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで元世界王者アンドルー・モロニー(オーストラリア)との同級王座決定戦に臨み、12回KO勝ち。2回、11回とダウンを奪った後、最終12回にオーバーハンド気味の強烈な左フックでモロニーをキャンバスに沈める完勝劇で2階級制覇した中谷は「すごく大きな舞台で良い形で勝てて今はほっとしている」と笑顔を浮かべた。

所属ジムの村野健会長によると初防衛戦は秋頃を予定。指名試合も想定されるだけに対戦相手は流動的だが、強烈フィニッシュ劇を受けて米メディアでは早くも同階級最強と言われるWBC世界同級王者のフアン・フランシスコ・エストラーダ(33=メキシコ)との統一戦を期待する声が出ている。6月24日に元世界4階級制覇王者の井岡一翔(34=志成)の挑戦を受けるWBA同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)、IBF世界同級王者フェルナンド・マルチネス(31=アルゼンチン)らもいるが、中谷は「エストラーダ選手が一番やりたい。(敵地)メキシコでも全然、行きます」と口にした。

試合後、2日間滞在したラスベガスで観光を楽しみ、シルク・ドゥ・ソレイユの名作で水の世界を表現したミュージカル「O(オー)」を鑑賞した。また試合2日後にはモロニーともホテルで会い「良い未来を築いてください」とエールも送られたという。試合で負傷した左眉間のカットは5針ほど縫っているものの「(心身を)回復させて夏に向けて頑張れる体とメンタルをつくっていきたい。(海外で)名前を覚えてもらい、楽しみな1人と思ってもらえたのは良かった」と納得の表情。ボクシングの「聖地」で鮮やかなKO勝利で王座奪取できた収穫を口にしていた。

WBO世界スーパーフライ級王座を獲得した米国から帰国した中谷潤人
WBO世界スーパーフライ級王座ベルトを肩にかけてガッツポーズする中谷潤人

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東洋太平洋王者力石政法の世界前哨戦、相手はWBC25位ヌニョス「世界にいけるという試合を」

6・10興行の会見に臨んだ左から力石、亀田興毅ファウンダー、政所、ミツロ

ボクシングの「3150FIGHT」を主宰する亀田興毅ファウンダー(36)が25日、東京都内で6月10日「SURVIVAL」興行(エディオンアリーナ大阪第2)の対戦カードについて会見した。

「vol.6」のメインはWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級、東洋太平洋同級王者の力石政法(28=緑)が務める。世界前哨戦とされる一戦の相手は未定だったが、WBC同級25位リカルド・ヌニョス(パナマ)との対戦が発表された。

力石は前日24日までフィリピンのセブ島でスパーリング合宿を行った。

「(相手は)強い選手。層の厚い階級で、力石なら世界にいけるという試合を見せたい」。興毅氏も「(力石が)世界をとれるかはまだ未知数。いけるという判断をこの試合でしたい」

世界挑戦に向けた一戦と完全に位置づけた。

興毅氏は今後の興行について「1カ月に1回のペースで」と明言した。「SURVIVAL」に加え、世界戦を織り込んだ本興行を行っていく。

メインは来年1月に開催予定で、そこに力石の世界戦を組み込みたい考えだ。力石は「アジアの王者は飾りでしかない。世界をとりたい。自信しかないです」。興毅氏は「楽しみです」。人生をかけた大一番になるのは間違いない。【実藤健一】

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力石政法セブ島合宿から帰国「メンタル面で成長できた」次戦は6・10に世界前哨戦

フィリピン合宿を行ったボクシング力石(右)(本人提供)

ボクシングのWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級、東洋太平洋同級王者力石政法(28=緑)が24日、スパーリング合宿を行ったフィリピン・セブ島から成田空港に帰国した。

力石の次戦は6月10日にエディオンアリーナ大阪第2競技場で行われる「3150FIGHT SURVIVAL」に組まれた。世界前哨戦となる契約134ポンド(約60・7キロ)10回戦。世界ランカーを予定するが、対戦相手は未定だ。まだ見えない相手の前に自らを磨くべく、計画したセブ島合宿だった。

約30ラウンドのスパーリングをこなしたという力石は「メンタル面で成長できました」。練習パートナーやトレーナーも付けず、単身で乗り込んだ。食事も自炊でまかない、練習だけに没頭した。

「フィリピンの選手はファイターでゴリゴリにくる。その相手に案外いけたかなと思います。ピリピリ感もなく、いい調整ができました」

兄の元WBC世界ライトフライ級王者・矢吹正道(30=緑)が、左アキレス腱(けん)断裂で8月に予定していた世界前哨戦の計画がなくなった。フィリピン滞在中に情報を得た力石は「びっくりしました」。兄の無念も背負い、兄弟世界王座奪取に向けて歩みを進める。【実藤健一】

フィリピン合宿を行ったボクシング力石(左)(本人提供)
フィリピン合宿を行ったボクシング力石(左)(本人提供)
フィリピン合宿を行ったボクシング力石(左から4人目)(本人提供)

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【ボクシング】中谷潤人に敗れたモロニー「挑戦したい」再起誓う 双子兄もサポート約束

中谷潤人に12回KO負けした弟アンドルー・モロニーとの試合後写真をSNSに掲載した兄のWBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー(ジェーソン・モロニーのツイッターから)

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級新王者の中谷潤人(25=M・T)に、プロ人生初のKOで敗れた元WBA世界同級王者のアンドルー・モロニー(32=オーストラリア)が再起を誓った。20日(日本時間21日)に米ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで行われたWBO世界同級王座決定戦で中谷と拳を交え、2回にアッパー連打、11回に左ストレートでダウン。最終12回にカウンター気味の強烈な左フックを浴びてキャンバスに沈んだ。

22日のFOXスポーツ・オーストラリアによると、モロニーはボクシング・コメンテーターのベン・デイモン氏のインタビューに対し「私は大丈夫です。仕事をやり遂げることができず、ただただ心が痛んだ。何が起こったかと考えながら生きるよりも、背中を押して外に出て挑戦したい」と前向きに話した。試合後は歩行できる状態だったが、念のために病院に搬送され、診察の結果、左右の耳の鼓膜が破れていた。既に退院しているという。

またモロニーの双子の兄でWBO世界バンタム級王者のジェーソン・モロニー(32)は試合後に撮影した兄弟ショットの写真を自らのツイッターに掲載。「アンドルーをとても誇りに思う。求めていた結果ではなかったが、あなたの努力をとても誇りに思う。多くの選手が中谷との対戦を回避してきたが、アンドルーは真っ向から受け止め、全力を尽くした。まさにファイターだ。あなたは戻ってくる。私は最後までそばにいる。愛しているよ、兄弟」とつづった。

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(右)と対戦する中谷(AP)

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【ボクシング】中谷潤人の強烈KO劇に海外から大反響「年間最優秀KO賞候補」と話題

中谷潤人(2023年3月撮影)

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級新王者となった中谷潤人(25=M・T)のKOフィニッシュが、海外で大きな反響を呼んだ。20日(日本時間21日)に米ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで元WBA世界同級王者のアンドルー・モロニー(オーストラリア)と対戦。2回、11回とダウンを奪った後、最終12回にオーバハンド気味の強烈な左フックでモロニーをキャンバスに沈めた。米ESPNの元ライター、スティーブ・キム氏は21日(同22日)に「中谷潤人は年間最優秀KO賞になるかもしれない」と自身のツイッターにつづった。

さらに同日には配信サービスDAZNボクシングの公式ツイッターでも衝撃フィニッシュシーンを添え「中谷潤人は今年の最優秀KO賞候補だ」と伝えた。また試合後も米ボクシングライターのダン・ラファエル氏が「なんてことだ! 中谷潤人は豪快に左手一本でモロニーを12回残り20秒ほどで撃破し、空位のWBOスーパーフライ級王座を獲得した、今年のKO候補。本当に残忍だった」とSNSで書き込むなど、中谷が成し遂げた「聖地」での強烈KO劇が話題となった。

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【ボクシング】聖地で2階級制覇の中谷潤人「これからも強さを求めて頑張ります」一夜明けで心境

王座獲得から一夜明け、仲間と喜ぶ写真を投稿したWBO世界スーパーフライ級新王者中谷潤人(上)(中谷のインスタグラムから)

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級新王者の中谷潤人(25=M・T)が、王座獲得から一夜明け、自身のSNSで世界2階級制覇を報告した。

前日20日(日本時間21日)に米ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで元WBA世界同級王者のアンドルー・モロニー(オーストラリア)と対戦。計3度のダウンを奪って12回KO勝ちを収めた。翌21日(同22日)に自らのインスタグラムを更新し、支えてくれたチームや仲間との写真をアップした。

WBO世界フライ級王座に続く、世界王座獲得に成功し「2階級制覇 ラスベガスMGMグランドの舞台 とても良い景色でした。皆さんの沢山の応援、サポートありがとうございました。自分自身を信じ、そして信じてサポートしてくれるチーム!ファミリー!のそばで伸び伸びとこれからも強さを求めて頑張ります 感謝!感謝!」と炎のスタンプを2つ添え、気持ちを表現していた。

今後は練習拠点となる米ロサンゼルスにいったん戻り、帰国は今週末になるという。

セコンドらサポートメンバーとともに撮影した写真を自身のSNSで公開したWBO世界スーパーフライ級新王者中谷潤人(中央)(中谷のインスタグラムから)
中谷潤人(2023年3月25日撮影)

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【こんな人】中谷潤人 会長交通事故死で単身渡米、優しい風貌から愛称「愛の拳士」/アラカルト

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定戦12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ◇観衆1万4436人

WBO世界スーパーフライ級1位の中谷潤人(25=M・T)が、米ラスベガスで鮮烈なKO劇をみせ、世界2階級制覇に成功した。同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)との王座決定戦に臨み、12回2分42秒にKOで仕留めた。2回、11回、12回と3度ダウンを奪取し、最後は強烈な左フックで相手を失神寸前に追い込んだ。WBOフライ級王座に続く王座獲得で、日本ジム所属17人目の2階級制覇となった。日本人初となる「聖地」で世界王座を獲得し、将来的に王座統一戦を熱望した。

<中谷潤人(なかたに・じゅんと)アラカルト>

○生まれ、家族 1998年(平10)1月2日、三重・東員町生まれ。家族は両親と弟龍人マネジャー。

○アマ時代 東員二中1年から桑名のKOZOジムに入門。3度世界挑戦した石井広三会長の勧めで右利きながらサウスポーに。U-15全国大会では中2、3と連覇。アマ14勝2敗。

○渡米 石井会長が交通事故死し、中卒で単身渡米。同会長が師事したマック・クリハラ・トレーナーに指導を受けた後、ルディ・エルナンデス氏、岡辺大介氏のトレーナー2人のもとで修行し日米を往復。

○“里帰り”プロ 16歳でM・Tジム入門。15年4月、1回TKO勝ちでプロデビュー。16年に全日本フライ級新人王。19年に日本同級王座獲得。20年11月、WBO世界同級王座決定戦で初挑戦し、8回KO勝ちで王座奪取。

○愛称、スタイル 優しい風貌から実家のお好み焼き店の常連客に「愛の拳士」と命名された。身長171センチの左ボクサーファイター。

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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左右の鼓膜破れる…中谷潤人にプロ人生初KO負けモロニー 3度のダウン奪われ最後は大の字に

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(右)と対戦する中谷(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定戦12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ◇観衆1万4436人

WBO世界スーパーフライ級1位の中谷潤人(25=M・T)が、米ラスベガスで鮮烈なKO劇をみせ、世界2階級制覇に成功した。同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)との王座決定戦に臨み、12回2分42秒にKOで仕留めた。2回、11回、12回と3度ダウンを奪取し、最後は強烈な左フックで相手を失神寸前に追い込んだ。WBOフライ級王座に続く王座獲得で、日本ジム所属17人目の2階級制覇となった。日本人初となる「聖地」で世界王座を獲得し、将来的に王座統一戦を熱望した。 

    ◇    ◇    ◇

中谷に敗れた元WBA王者モロニーはプロ人生初のKO負けとなった。2回、11回、12回と3度のダウンを奪われ、最後は中谷の左フックで大の字でキャンバスに倒れこんだ。試合後は経過観察のため、病院に搬送。米専門メディアによると、診察では左右の鼓膜が破れていると診断されたという。双子の兄ジェーソンが前週にWBO世界バンタム級王座を獲得していたが、続くことはできなかった。

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(左)(AP)
WBO世界スーパーフライ級王座決定戦で中谷(後方)にKO負けを喫したモロニー(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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中谷潤人「アップアップせずに当てていけた」日本人初「聖地」で世界王座獲得/一問一答

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定戦12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ◇観衆1万4436人

WBO世界スーパーフライ級1位の中谷潤人(25=M・T)が、米ラスベガスで鮮烈なKO劇をみせ、世界2階級制覇に成功した。同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)との王座決定戦に臨み、12回2分42秒にKOで仕留めた。2回、11回、12回と3度ダウンを奪取し、最後は強烈な左フックで相手を失神寸前に追い込んだ。WBOフライ級王座に続く王座獲得で、日本ジム所属17人目の2階級制覇となった。日本人初となる「聖地」で世界王座を獲得し、将来的に王座統一戦を熱望した。

★中谷と主な一問一答★

-好戦のモロニーに対応

「すごく気持ちの強い選手で最初からくるのは頭に入れていたので、アップアップせずにパンチを当てていけた。接近戦でも遠い距離でも集中し、良いパンチを当てようと思った」

-モロニーが粘った

c当てていこうと思った。ダメージがあるのは分かっていたので、タイミングで倒れていくかなというのはありました。8、9回ぐらいで(勝ちが)見えました」

-最後の左強打は

「ストレートの位置ですけどフックのようなパンチ」

-試合中のカットは初か

「2回目。4回戦の時にありました。ルディ(・エルナンデス・トレーナー)を信頼し、しっかり(血を)止めてくれると」

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(左)(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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中谷潤人が“聖地”ラスベガスで世界2階級制覇 強烈左フックで流血戦制し、会場どよめき

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定戦12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ◇観衆1万4436人

WBO世界スーパーフライ級1位の中谷潤人(25=M・T)が、米ラスベガスで鮮烈なKO劇をみせ、世界2階級制覇に成功した。同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)との王座決定戦に臨み、12回2分42秒にKOで仕留めた。2回、11回、12回と3度ダウンを奪取し、最後は強烈な左フックで相手を失神寸前に追い込んだ。WBOフライ級王座に続く王座獲得で、日本ジム所属17人目の2階級制覇となった。日本人初となる「聖地」で世界王座を獲得し、将来的に王座統一戦を熱望した。

    ◇    ◇    ◇

「聖地」のボクシングファンに強烈なインパクトを残した。2回にアッパー連打、11回にも左ストレートでダウンを奪った中谷が最終12回、印象的なKOシーンを演出した。「ずっと練習してきたパンチでスムーズに出た」という一瞬かがみ、低い体勢からカウンター気味に出した左フックで3度目のダウンを奪取。モロニーを失神寸前でキャンバスに沈めるトドメの一撃となった。

会場の画面にフィニッシュシーンが流れる度にどよめきが起こった。2回に右まぶたなどを切ったモロニーに対し、中谷も偶然のバッティングで左みけん付近をカット。「流血戦」となったが、常に試合を掌握した。「8、9回ぐらいから相手が疲労して覇気がなかった。良い舞台で倒せたので高い点数をあげてもいいかな」と満足げだ。

ラスベガスで日本人選手が防衛した世界戦勝利はあるが、世界王座奪取は初めて。中学卒業後、単身で米修行してきた中谷にとってあこがれの舞台でもある。「良い緊張感で楽しめました。良いパンチを当てると歓声もすごくて気持ち良かった」と達成感いっぱいの表情を浮かべた。

減量苦のため、昨年11月にスーパーフライ級に転向した。WBOから当時の王者井岡一翔(志成)との対戦指令が出されたが、井岡が昨年大みそかにドロー決着となったWBA王者ジョシュア・フランコ(米国)との即再戦を優先させて王座返上。再びWBOから対戦指令を受けた元WBA王者モロニーに中谷は圧勝し、同階級への手応えをつかんだ。

米国では前4団体統一バンタム級王者井上尚弥(大橋)に続く“ネクスト・モンスター”と表現される。「統一戦をやりたい気持ちが強い。世界王者なら誰でも。また強い中谷潤人をみせていきたい」と中谷。同階級には世界的知名度のある選手が多いだけに、フライ級時代に実現できなかった王座統一の野望を掲げた。【藤中栄二】

◆日本人のラスベガス世界戦勝利 WBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃が11年10月、ラファエル・マルケス(メキシコ)に判定勝利したのが初めて。WBO世界バンタム級王者亀田和毅が14年7月、プンルアン・ソーシンユー(タイ)に7回KO勝ち。WBAスーパー、IBF世界同級王者井上尚弥は20年10月にジェーソン・モロニー(オーストラリア)を7回KO、21年6月にマイケル・ダスマリナス(フィリピン)を3回KO撃破し、聖地で2連勝。中谷は4人目で、世界王座獲得は初めて。

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(左)(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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村田諒太氏「派手なKOで評価上がったのでは」ラスベガスで12回KO勝ちの中谷潤人を称賛

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

元WBO世界フライ級王者・中谷潤人(25=M・T)が世界2階級制覇に成功した。

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦に出場し、同級1位として同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)とベルトを懸けて争い、12回2分42秒、KO勝ちで王座獲得に成功。計3度のダウンを奪い、12回は強烈な左クロスでモロニーを大の字にさせた。日本ジム所属では史上17人目の世界2階級制覇を成し遂げた。

   ◇   ◇   ◇

WOWOWで中谷-モロニー戦を解説していた12年ロンドン・オリンピック(五輪)男子ミドル級金メダリストで元WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太氏(37)は「完璧な内容。試合自体も面白かったし、11回にダウンを奪い、最後の派手なKO勝ちで米国での評価も上がる万々歳の勝ち方だと思う。良い形のKOだった」とほめた。昨年11月のスーパーフライ級転向から2戦目でKO負けのなかった元WBA世界同級王者を完璧に倒したことを高く評価した。

接近戦でも腕をたたんでアッパーを繰り出し、最後のKOパンチも肩を回して遅れて出てくるオーバーハンドの左クロスだった。村田氏は「中谷選手は器用ですよね。肩の関節が柔らかいのだと思いますし、大事ですね」と分析していた。

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(左)(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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田中恒成が4階級制覇へTKO勝利で4団体見据える「最後に倒しきれたのはよかった」

世界前哨戦を制しトロフィーを手に笑顔の田中(右)(撮影・実藤健一)

<ボクシング:契約52・6キロ10回戦>◇21日◇名古屋市・瑞穂アリーナ

元世界3階級制覇王者の田中恒成(27=畑中)が、WBC世界スーパーフライ級13位パブロ・カリージョ(34=コロンビア)との世界前哨戦で10回2分43秒TKOで勝利した。

元WBC世界スーパーバンタム級王者の畑中清詞会長(56)が「いろいろ試しながらの10ラウンドじゃなかったんですか」と評した通り、序盤から圧倒しながら無理には突っ込まず、じっくり勝機を待った。

カリージョは顔面を血で染めながら戦意は失わず、果敢に向かってきた。その相手に田中も引き出しを全開にしながら、最終ラウンドにきっちり仕留めた。「最後に倒しきれたのはよかったと思う」と手応えを隠さなかった。

日本時間のこの日午前、米ラスベガスでWBO同級王座決定戦を中谷潤人(M・T)が制し、2階級制覇に成功した。試合の映像は見られていないが、田中は「やっぱり力あるな、と。負けてられない」と刺激を受け、対戦したい1人かの問いに「そうですね」ときっぱり言った。

田中はWBOだけでなく、世界主要4団体で試合前に4位以上の上位にランクされる。畑中会長も「チャンスがあるところで」とこだわりはなく、田中もこの日の試合を「IBF(王者フェルナンド・マルチネス=アルゼンチン)を想定していた」と明かす。

4階級制覇へ確実に歩を進めたが、今後の見通しは不透明だ。田中は「僕は毎日、強くなっている。進化している成果を証明したい。(世界戦は)今年中にできるところで、チャンスがあればやりたい」。4階級目のベルト奪取への意欲をさらに高めた。【実藤健一】

試合後、カリージョ(左)と健闘をたたえ合う田中

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ロマチェンコ「目の前で起きたことが事実。ここで言い訳しない」ウクライナにベルトを持ち帰れず

ヘイニーに判定で敗れたロマチェンコ(AP)

<プロボクシング:4団体統一ライト級タイトルマッチ12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

元3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(35=ウクライナ)が約2年7カ月ぶりの王座返り咲き&4団体王座獲得に失敗した。4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(24=米国)に挑戦し、0-3(112-116、113-115×2)の判定負けを喫した。

序盤から試合ペースを握り切れず、終盤から追い上げたものの、競り勝つことはできなかった。

ロマチェンコは「私のイエス・キリストに感謝します。ありがとう。チームのみんなに感謝している。マネジャー、家族、ファンのみんな応援してくれてありがとう。(負けたかどうかは)言いたくない。目の前で起きたことが事実。まだまだボクシングができることをお見せできた。また次回、お会いしましょう。ここで言い訳したくない」と判定結果についての言及は避けた。

20年10月にテオフィモ・ロペス(米国)に敗れてベルトを失ったロマチェンコは母国がロシアの侵攻に見舞われ、自国防衛軍に入隊。昨年6月、当時の3団体統一同級王者ジョージ・カンボソス(オーストラリア)との再戦が中止となった。王座返り咲きのチャンスを1度逃し、ようやくたどり着いた王座返り咲きのチャンスだった。

ロマチェンコは「ヘイニーはあらゆる面ですごかった。彼はもっと強くなるでしょう。タフなファイターだが(階級を超越した)パウンド・フォー・パウンド1位ではない。母国に帰って自分の国を支援していきたい」と言うと、会場に大歓声が響いた。

08年北京オリンピック(五輪)フェザー級、そして12年ロンドン五輪ライト級で連続金メダルを獲得。アマ戦績396勝1敗という記録を持って13年10月にプロデビュー。WBO世界フェザー級王座、WBO世界スーパーフェザー級王座、WBA世界ライト級王座を獲得し、史上最短記録の12戦目で世界3階級制覇を達成した。

同級でWBA、WBC、WBOと3団体を統一してきた「ハイテク(高性能)」と呼ばれてきたロマチェンコだったが、4団体のベルト奪取のチャンスをつかむことができなかった。

判定でロマチェンコに勝利し7度目の防衛に成功したヘイニー(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(右)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコ(奥)と戦うヘイニー(AP)

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中谷潤人、世界に衝撃与えた「消えるパンチ」3階級、4階級制覇する力秘める/大橋秀行評論

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

元WBO世界フライ級王者・中谷潤人(25=M・T)が世界2階級制覇に成功した。WBO世界スーパーフライ級王座決定戦に出場し、同級1位として同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)とベルトを懸けて争い、12回2分42秒、KO勝ちで王座獲得に成功。日本ジム所属では史上17人目の世界2階級制覇を成し遂げた。日刊スポーツ評論家の大橋ジム・大橋秀行会長(58)が圧勝劇を解説した。

    ◇   ◇   ◇

衝撃のKOシーンだった。試合終了間際の“ワンパンチKO”は世界でもめったにない。しかも、米ラスベガスでの注目の興行で全世界に配信されている。判定でも中谷の勝利だったが、結果が判定とKOでは価値がまるで違う。世界への最高のアピールになった。

中谷の最大の武器でもある長距離からの左ストレートが効果的だった。12回もこのパンチがモロニーの頭にあったのだろう。だから左ストレートと同じ打ち方で振り抜いた、最後の左ロングフックは見えていなかった。“消えるパンチ”だったから効いた。

モロニーも中谷をよく研究していた。左対策でガードを高く上げて、開始からグイグイと前に出てきた。その相手の堅いガードの合間を縫うように中谷は左右のアッパーを突き上げ、2回に先制のダウンも奪った。その対応力にも目を見張るものがある。

唯一、課題が見えたのは接近戦。フライ級では接近戦でも相手を圧倒していたが、この試合では何度かペースを奪われ、無理に打ち合って不用意にパンチを食うシーンが2、3度あった。相手がもっとパンチ力のある選手であれば、その1発が致命傷になる。そこは気を付けたい。

とはいえ中谷がこのクラスでも傑出した選手であることは疑いようもない。長身でリーチがあり、パンチも強い。12回を戦い抜くスタミナも証明した。スーパーフライ級でも彼と互角に戦える選手はいないだろう。このまま3階級、4階級を制覇する力を秘めている。(元WBC、WBA世界ミニマム級王者)

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(左)(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

元WBO世界フライ級王者・中谷潤人(25=M・T)が世界2階級制覇に成功した。WBO世界スーパーフライ級王座決定戦に出場し、同級1位として同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)とベルトを懸けて争い、王座を勝ち取った。2回にダウンを奪うなど、序盤から優勢に試合を進めた。11回にもダウンを奪い、さらに最終12ラウンド2分すぎに中谷が左強打をカウンターで決めて1発でKO。レフェリーが試合を止めた。

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦

中谷潤人12回KO×モロニー

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニーを倒して王座を獲得し祝福に応える中谷(AP)

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニーを倒し王座を獲得した中谷(AP=中央)

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦で中谷(後方)にKO負けを喫したモロニー(AP)

◆試合経過

1ラウンド

開始からサウスポーの中谷が右ジャブを突いて出るも、モロニーは高いガードでブロック。40秒すぎにモロニーが連打を振るって前に出る。中谷は左ストレートで迎え撃つ。中盤に中谷の左ストレートが数発カウンターでヒット。モロニーはガードを固めて前に出るもパンチはなかなかヒットせず。終盤に中谷の左ストレートが数発ヒット。

【日刊採点】10-9中谷 

2ラウンド

中谷が右ジャブを突いて距離を取る。50秒すぎに中谷の左アッパー、続いて右アッパーが決まりモロニーがダウン。立ち上がったモロニーは接近戦に出るが、中谷がアッパー、ボディーボローと多彩なパンチがヒット。2分すぎに左アッパーがボディーと顔面にも決まる。終盤も中谷の左アッパー、右ボディーブローが決まる。中谷の一方的なペースに。

【日刊採点】10-8中谷 

3ラウンド

開始からモロニーが前に出るが、中谷のカウンターが決まる。30秒すぎにモロニーの頭が中谷の顔面に当たり、中谷は左目尻から流血。中盤に中谷の右アッパーがカウンターでヒット。モロニーも体をくっつけて接近戦を挑むが、中谷のパンチが的中率で上回る。

【日刊採点】10-9中谷

4ラウンド

モロニーにセコンドから「中に入って戦え」の指示が出る。50秒すぎに中谷の左ボディーアッパーが決まる。モロニーは前に出るもパンチは空振り多い。中谷のカウンターがヒットするが手数は少ない。終盤の接近戦での打ち合いは互角。

【日刊採点】10-9中谷

5ラウンド

開始からモロニーが前進してパンチを繰り出す。中谷は右ジャブを突いて距離を取る。1分すぎに中谷の右アッパーが決まり、モロニーのアゴを跳ね上げる。モロニーはその後も体を押し付けて接近戦を挑むが、有効打はなし。最後に中谷の左ストレートが決まったところでゴング。

【日刊採点】10-9中谷

6ラウンド

開始早々、中谷の左ストレートがヒット。モロニーは相変わらずガードを固めて強引に前に出る。1分すぎにモロニーの左フックが中谷の顔面をとらえる。その後、モロニーが体をぶつけるように前に出て連打。終盤、モロニーが中谷をロープにつめて連打。中谷の手数が減る。モロニーにペースが傾きはじめる。

【日刊採点】10-9モロニー

7ラウンド

中谷が右ジャブを多用して距離をとる。中谷のグローブのテープが外れてしばし中断。50秒すぎからモロニーが接近してボディーを連打。中谷がロープに押し込まれる場面が目立つ。1分半すぎに中谷も左右アッパーで応戦。2分すぎからの打ち合いは、モロニーが左右連打、中谷が右アッパーでともに譲らず。

【日刊採点】10-9モロニー

8ラウンド

中谷が右ジャブを突きながら前に出る。40秒すぎに中谷の左ストレートが2発決まる。モロニーが前に出るが、中谷は距離を取って接近戦を許さない。1分半すぎにも中谷の左ストレートと、右アッパーがヒット。中谷の左ストレートを軽快してモロニーはなかなか接近できない。終了間際にも中谷の右アッパーが決まる。

【日刊採点】10-9中谷

9ラウンド

開始からモロニーが体を押し付けて接近戦を挑む。中谷は左右アッパーで応戦。中盤もモロニーが中谷をロープにつけて連打を浴びせるが、中谷が左右アッパーから左ストレートを決めて、モロニーを後退させる。2分半すぎに打ち合いからモロニーの左フックが中谷にヒットしたが、終了間際に中谷の右アッパーが決まる。

【日刊採点】10-9中谷

10ラウンド

開始から中谷の右ジャブ、左ストレートがヒット。モロニーはなかなか中に入れない。中盤も中谷のワンツーがヒット。2分すぎに中谷のワンツーでモロニーがバランスを崩す。モロニーの手数が極端に減る。終始、中谷のペース。

【日刊採点】10-9中谷

11ラウンド

開始からモロニーが捨て身のアタックも、中谷は右ジャブ、左ストレートで突き放す。1分すぎに中谷の左ストレートでモロニーがダウン。立ち上がったが、再開後も中谷の左ストレートが再三ヒット。モロニーは必死に逃げるが、中谷の追撃打が次々と決まる。モロニーは辛うじてゴングで逃げ切る。

【日刊採点】10-8中谷

12ラウンド

開始から中谷が左ストレートをヒット。モロニーは前に出るがパンチは当たらない。中谷のパンチが次々とヒット。モロニーは体をつけてパンチをしのぐ。2分すぎに中谷が左強打をカウンターで決めて1発でKO。レフェリーが試合を止めた。

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(右)と対戦する中谷(AP)

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(左)と対戦する中谷(AP)

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(右)と対戦する中谷(AP)

WBOスーパーフライ級王座を懸けて対戦する同級2位アンドルー・モロニー(左から2番目)とフェースオフした同級1位中谷潤人(同3番目)(M・Tジム提供)

計量クリアし、ガッツポーズする元WBO世界フライ級王者中谷潤人(中央)(M・Tジム提供)

日の丸旗を掲げ、ファンの声援に応じる元WBO世界フライ級王者中谷潤人(M・Tジム提供)

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中谷潤人が世界2階級制覇!12回にKO聖地ラスベガスで悲願 WBO世界Sフライ級王座決定戦

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(右)と対戦する中谷(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

元WBO世界フライ級王者・中谷潤人(25=M・T)が世界2階級制覇に成功した。WBO世界スーパーフライ級王座決定戦に出場し、同級1位として同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)とベルトを懸けて争い、12回2分42秒、KO勝ちで王座獲得に成功。計3度のダウンを奪い、12回は強烈な左クロスでモロニーを大の字にさせた。日本ジム所属では史上17人目の世界2階級制覇を成し遂げた。

2回に左アッパー連打からの右アッパーでダウンを奪うと、11回には鮮やかな左ストレートでダウンを追加。最終12回、一瞬かがんでカウンター気味の左オーバーハンドで3度目ダウンを奪取し、とどめを刺した。中谷は「(仕留めた左は)ずっと練習してきたパンチでスムーズに出た。最初のアッパーは感触ありましたが、2度目、3度目は手の感触がないほどスムーズでした」と満面の笑みで振り返った。

2回から右まぶた、おでこをカットしたモロニーに対し、中谷も偶然のバッティングで右みけんをカットするなど、両者ともに流血した展開を最後の最後に左で制し「8、9回ぐらいから(モロニーが)疲労してダメージがあるなと分かっていた。良い舞台を用意してもらい。倒せたので高い点数をあげてもいいかな」と満足げだった。

中学卒業後、単身で米国修行した中谷があこがれ続けてきた「聖地」ラスベガスで世界2階級制覇し、本場のファンにも強烈なインパクイトを残し「(ラスベガスの試合は)すごく楽しかった。良い緊張感で楽しめました。良いパンチを当てると歓声もすごくて気持ち良かった」と達成感いっぱいの表情を浮かべた。

減量苦のために昨年10月にWBO世界フライ級王座を返上した後、WBO世界スーパーフライ級1位にランキング。WBOからは当時の同級王者だった井岡一翔(34=志成)との対戦指令が出された。日本人対決の機運が高まったが、井岡が昨年大みそかにドロー決着となったWBA世界同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)との即再戦を優先させて王座を返上。再度、WBOから同級2位モロニーとの同王座決定戦の指令を受けていた。

同興行のメインには4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(24=米国)-元3団体統一同級王者ワシル・ロマチェンコ(35=ウクライナ)戦が組まれた世界的にも大きな注目を浴びる舞台だった。米国では前4団体統一バンタム級王者井上尚弥(大橋)に続く“ネクスト・モンスター”とも表現される中谷は「(スーパーフライ級で)統一戦をやりたい気持ちが強いです。チャンピオンなら誰でもいいです。また強い中谷潤人をみせていきたい」とスーパーフライ級での野望を口にしていた。

◇日本ジム所属の複数階級制覇

★4階級=井岡一翔

★3階級=亀田興毅、ホルヘ・リナレス、八重樫東、長谷川穗積、井上尚弥、田中恒成

★2階級=ファイティング原田、柴田国明、井岡弘樹、畑山隆則、戸高秀樹、粟生隆寛、亀田大毅、亀田和毅、京口紘人、中谷潤人

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(左)と対戦する中谷(AP)
WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニー(右)と対戦する中谷(AP)
WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でモロニーを倒して王座を獲得し祝福に応える中谷(AP)
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【ボクシング】多田悦子が現役引退表明 世界主要3団体でミニマム級王者獲得

WBO女子世界ミニマム級新王者を獲得した多田(20年12月撮影)

世界主要3団体で女子ミニマム級王者となった41歳の多田悦子(真正)が現役引退を明らかにした。兵庫県出身の多田はアマチュアで活躍。08年5月にプロデビュー。09年4月にWBAミニマム級王座を獲得し、9度防衛。IBF、WBOの同級王者にもなった。

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王者中嶋一輝「勝てば世界挑戦のアピールに」元世界王者との初防衛戦戦へ意欲

すみだボクシング祭り2023でミット打ちと写真撮影に参加したWBOアジア・パシフィック・スーパーバンタム級王者中嶋一輝(右)と元世界3階級制覇王者八重樫東氏

プロボクシングWBOアジア・パシフィック・スーパーバンタム級王者の中嶋一輝(29=大橋)が元世界王者との初防衛戦を歓迎した。20日、東京・墨田区総合体育館で開催されたすみだボクシング祭り2023のイベントに参加。元世界3階級制覇王者で所属ジムのトレーナー、八重樫東氏(40)とともに来場したファン向けのミット打ちや写真撮影会に対応した。

6月29日には東京・後楽園ホールで開催されるフェニックスバトル101大会(日刊スポーツ新聞社後援)のメインに登場する。同級5位の元IBF世界同級王者T・Jドヘニー(36=オーストラリア)との初防衛戦が決定している。

中嶋は「対戦相手を知った時は『最高!』と思いました。勝てば世界挑戦のアピールになりますし、キャリアにもつながる。ドヘニー選手は日本人に負けたことがない、KO負けないという選手。自分がドヘニーにKO勝ちする初めての日本人選手になります」と自信を示していた。

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