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ドネアが井上尚弥との再戦熱望「本能呼び戻した」

ノニト・ドネア(2019年11月5日撮影)

ボクシングの元5階級制覇王者ノニト・ドネア(38=フィリピン)が、約1年前となる現WBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(27=大橋)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝を回顧した。

WBSSを運営するカレ・ザワーランド氏によるポッドキャスト「カレのWBSSハングアウト」エピソード5のゲストとして登場。フィリピンの閃光(せんこう)と呼ばれる元世界王者は「もう1度(井上との試合を)やらなければいけない。それだけだ!」と井上との再戦も熱望した。

昨年11月7日、さいたまスーパーアリーナで開催されたWBSSバンタム級決勝。「本当に恐れはなかった。自分の能力を疑ったことはない。井上が自分をKOできるとは思っていなかった」と振り返るドネアは「自分は他選手と違い、彼を走らせることができた。井上は(2回に)右目上をカットさせた後も素晴らしいパンチを返してきた。良い戦いだったし、本当に楽しかった」と回顧した。

試合は先にドネアが9回に井上をロープ際まで追い込むラッシュをみせたものの、11回は逆にダウンを許した。ドネアは「彼は本当に素晴らしい若き選手だ。リングの中に多くのオプションを持っているファイターだ。ダウン後に立ち上がっても攻めてくることはわかっていたし、自分もやめるつもりはなかった」と12回まで戦い抜こうとしていた当時の心境を口にした。

ザワーランド氏には「9回はKOできる好機だったのでは? W杯決勝でPKを逃したサッカー選手のように頭を悩ませたのでは?」と問われたドネアはこう言った。「おそらく半年間、それは私を悩ませた。しかし(新型コロナウイルスの)パンデミックにより、自分の欠けていたのは『キラー・インスティンクト』(殺し屋の本能)だと気づいた。これまでならできたのに、井上戦ではできなかった。自分は井上戦で自分自身を取り戻した、私のキラー・インスティンクトを呼び戻したと思う」。本来の自分自身を取り戻した状態で、再び井上と拳を交えたい気持ちが強くなった。

WBC世界同級1位のドネアは19日、米コネティカット州アンカスビルで同級4位で前IBF世界同級王者のエマヌエル・ロドリゲス(28=プエルトリコ)と同級王座決定戦に臨む予定となっている。この勝者が現同級休養王者ノルディーヌ・ウバーリ(34=フランス)との統一戦に臨むことが義務づけられている。

井上尚弥(2020年11月19日撮影)
井上尚弥(左)のパンチによろけるドネア(2019年11月7日撮影)

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井上尚弥、わずか1%の違和感も許さない「修正力」

公式会見で挑戦者のモロニー(右)とフェースオフする井上(大橋ジム提供)

新たな伝説の幕が開く。ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥(27=大橋)が10月31日(日本時間1日)、米ラスベガスのMGMグランドでWBA同級2位ジェーソン・モロニー(29=オーストラリア)との防衛戦に臨む。同30日の前日計量は井上が約53・3キロ、モロニーが約53・4キロでともに1回でパス。聖地ラスベガスで初めての試合となる井上は、自身のSNSで「この1年でパワーアップした姿を見せたい」と勝利を誓った。

   ◇   ◇   ◇

計量を終えた井上は、両拳を握り、オーストラリア国旗をまとったモロニーと向き合った。準備万全。小さくうなずいたその目に、確かな自信がにじみ出た。

昨年11月以来、359日ぶりのリング。4月に、一度はWBO同級王者カシメロとの3団体統一戦が決まったが、コロナ禍の影響で延期となり、今回のモロニー戦で着地した。絶頂期の中での、1年間のブランク。だが、その期間は、井上にとって、自身と向き合う重要な日々となった。

「強くなりたい」。そのシンプルな思いで戦い続けてきた。国内最速(当時)のプロ6戦目での世界王座奪取から始まった「怪物伝説」。約12年間、世界王座に君臨した名王者ナルバエスを2回KOで引きずり落とし、2階級制覇を果たすと、その後も、強豪相手に豪快なKO劇を連発した。強い相手を求め、派手なパフォーマンスは一切しない。すべてをリング上で見せる姿は、ボクシングファンの枠を超え、広く支持される存在となった。

昨年11月には5階級王者ドネアを相手に、世界の主要メディアで年間最高試合に選ばれる激闘を繰り広げ、バンタム級最強を決めるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)で優勝。試合後に、米プロモート大手トップランク社と複数年契約を結んだ。ここから-。本格的な海外進出を意識した、その直後のコロナ禍だった。

世界中でリングの音が消えた4月、井上は27歳になった。19歳のプロデビューから8年。引退を公言している35歳まで、残り8年。時間的な余裕も手伝い、折り返し地点に立つ自分を遠い視点から見つめ直した。感じたのは、周りにあふれる称賛、喝采ではなく、ドネア戦後から感じてきた、小さな「違和感」だった。

20代前半と比べると、疲れの回復が遅くなり、スパーリングの中で、体を動かす感覚にもわずかなずれを感じるようになった。だが、その感情は、決して悲観的なものではない。「30歳に近づいてく自分の体とどう向き合っていくか」。今を受け入れ、考え、未来を見据え、行き着いた。

6歳から、父の教えに泣きながら食らいついてきた。ボクシングと向き合う姿勢は、名声を得た今も、何一つ変わっていない。追い求めたのは、「1%も許さない修正力」。わずかな違和感も、後回しにはしないと胸に刻んだ。以前は敬遠してきた海外選手の映像を見る回数を増やし、同門の先輩、八重樫氏に頼み、脳を刺激するトレーニングの教えも受けた。細かく、丁寧に。自分の中の「100%」にこだわってきた。

「第2章」と位置づけた、聖地ラスベガス・デビュー戦に向け、今までにないほど、対戦相手の研究に時間を割き、トレーナー陣と、ミットの出し方、受け方、タイミングを細かくすりあわせた。初体験の無観客試合を想定し、練習中は音楽を消し、所属ジムのインターバルの時間も大橋会長と相談し、以前の40秒から試合と同じ1分に変えてもらった。

井上は言う。「どれだけ褒められても、強くはならない」。自分自身のすべてから目をそらさない。足もとを見続けてきたから、さらに進化したと思える姿で、1年ぶりのリングに帰ってきた。世界の目が注がれる聖地で、井上にしかできない戦いを見せつける。【奥山将志】

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井上尚弥強さの秘訣解説 中盤KO予想/八重樫東氏

八重樫東氏と井上尚弥(2017年4月4日撮影)

米ラスベガスで10月31日(日本時間11月1日)に防衛戦を行うWBA、IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥(27=大橋)が29日(同30日)、MGMグランド・カンファレンスセンターで行われた公式会見に臨み、挑戦者のWBA同級2位モロニー(29=オーストラリア)と初対面した。静かに闘志を燃やし、万全の仕上がりをアピールした。9月に引退した元3階級王者八重樫東氏(37)は、井上の強さの秘訣(ひけつ)を3つのポイントで解説。中盤KO勝ちを予想した。

   ◇   ◇   ◇

-世界が注目する一戦です

八重樫 いよいよですね。(昨年の)WBSS決勝でドネアに勝ち、さらに先のステージです。世界が見ている試合ですし、勝てば、尚弥の評価がまた一気に上がる気がします。

-八重樫さんは引退直前の8月、現役最後のスパーリングとして井上選手と拳を交えたと聞きました。井上選手が高校生の頃からスパーリングをしてきた八重樫さんだから分かる、強さの秘訣(ひけつ)とは?

八重樫 今回の試合をより楽しく観戦するために、僕の考える尚弥の「強み」を、3つ挙げたいと思います。1つ目は「左ジャブ」です。ジャブと言っても、いろんなジャブがあります。僕が戦った(4階級王者の)井岡一翔君のジャブはすごく硬くて、もらうと眼が腫れるようなパンチです。それに対し、尚弥のジャブは硬さではなく、インパクトの瞬間に爆発するようなパンチなんです。

-「爆発」するジャブですか。それは、相手にどんな影響を与えるのですか?

八重樫 僕は基本的に、ジャブを打たれても気にせずに前に入っていくタイプなんですが、尚弥とやると、ジャブが強いので、前進を止められてしまうんです。足が止まると、いつの間にか後手後手になって、気がついた時には、ガードを固めて、ディフェンスに専念させられているんです。相手をその場から動けなくして、自分は良いポジションからコンビネーションを差し込んでいく。彼は、そういう展開をつくるのが抜群にうまいんです。モロニーもオーソドックス(右構え)の選手なので、試合序盤は、尚弥の左手の使い方に注目してほしいですね。

-2つ目のポイントは?

八重樫 「姿勢」です。僕の場合は、少し前傾でガードを固め、頭をふって前に出て行くのですが、尚弥は姿勢がよく、上半身が、すっと立った状態で構えています。その理由は骨盤にあるんです。日本人は基本的に骨盤後傾で、猫背になりやすいのですが、尚弥は骨盤の上にしっかり背骨が乗っています。それによって欧米の短距離選手のように、ヨーイドンの一歩から速い動きができる。それが、尚弥の初速のスピードにつながっているんです。背筋が立っていることで、モーションも小さくなり、打ち出す瞬間が相手に分かりにくいというメリットもあります。

-左手、姿勢…。最後に3つ目は?

八重樫 「フットワーク」です。尚弥はものすごく足が動く選手です。相手のパンチを、ボディーワークではなく、足で外すんです。アマチュア出身の選手は全体的にそうなのですが、彼はその1歩先をいっています。相手がパンチを打とうとした、その一拍前に、バックステップを2回踏むんです。打ち気な相手に対し、瞬間的に2つ下がることで、攻撃の意欲をそぐのです。そして、下がった次の瞬間には、自分の攻撃のスイッチが入っている。そういう小さな駆け引きを続けて、チャンスをつくりだしているんです。ぜひ、足もとも注目してください!

-3つのポイント、非常によく分かりました

八重樫 尚弥=パンチ力という印象を持っている人は多いと思いますが、冷静に見ていると、本来は、ものすごく繊細なボクシングで試合を構成している選手なんです。フットワーク、ジャブ、カウンター…。倒す倒される、殴る殴られるだけでなく、そういう技術に注目して見ると、さらに面白いと思います。

-最後にモロニーの特徴を踏まえ、試合の展望を

八重樫 モロニーはスムーズに足を使えて、ディフェンスもうまい選手です。攻撃のバリエーションも豊富ですし、穴を見つけるのが難しい、やりにくい相手だと思います。試合としては、足を使ってポイントをピックアップしようとするモロニーを、尚弥が追うような展開になると思います。ただ、尚弥は穴を見つけて、ついていくというより、穴を強引にこじ開けて、壊しに行くタイプです。予想は、ずばり、中盤のKO勝ちです! 最高の試合を期待したいですね。

◆八重樫東(やえがし・あきら)1983年(昭58)2月25日、岩手・北上市生まれ。黒沢尻工3年でインターハイ、拓大2年で国体優勝。05年3月大橋ジムからプロデビューし、11年にWBA世界ミニマム級王座を獲得。13年にWBCフライ級、15年にIBFライトフライ級王座を獲得し、3階級制覇を達成。今年9月に引退を発表。通算28勝(16KO)7敗。

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井上尚弥、10・31ラスベガスでモロニーと防衛戦

井上尚弥(20年2月撮影)

ボクシングのWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(27=大橋)が9日、オンラインで会見し、10月31日(日本時間11月1日)に、米ラスベガスのMGMグランドで、WBO同級1位ジェーソン・モロニー(29=オーストラリア)と対戦すると発表した。

井上は昨年11月、バンタム級最強を決める「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」決勝で、元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ちして以来、約1年ぶりの試合となる。

ラスベガスで初の試合で、WBAは4度目、IBFは2度目の防衛戦となる。

当初は、今年4月25日にWBO王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により延期となっていた。

モロニーはここまで21勝(18KO)1敗の戦績で、18年10月の試合で、IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に1-2で判定負けしたのが唯一の敗戦となっている。

井上の戦績は19戦全勝(16KO)。

井上は「4月の試合が延期になってからも、ずっと試合モード。すごく楽しみ。(ドネア戦での)目のけがもあり、プラスの期間とポジティブにとらえてやってきた」と心境を語った。モロニーについては「タフでスタミナもあり、技術も高い。総合的にはカシメロより高い選手。1カ月半しっかりと対策していかないと危ない相手だと思っている」と話した。

大橋秀行会長は「延期になっていろいろな気持ちがあったと思うが、目のけがもあったのでプラスに捉えている。ラスベガスの試合が楽しみ。(WBSS後の初戦は)すごく重要。その舞台がラスベガス。ある意味で、ここが井上尚弥のスタートだと思っている」。モロニーについては「カシメロよりも怖くて、やりにくい相手」と警戒した。

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井上尚弥が走り込み合宿開始「心身共に鍛え上げ」

フィジカルトレーニングを行う井上尚(大橋ジム提供)

ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥(27=大橋)が31日、長野県内での走り込み合宿を開始した。陣営は当初、9月ごろにWBO王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦を目指してきたが、新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限の影響などもあり、交渉が難航。海外メディアでは、WBA3位、IBF4位のジェイソン・モロニー(29=オーストラリア)との対戦で合意したと報じられている。

井上は所属ジムを通じ、「恒例となっているミニ合宿で心身共に鍛え上げ、試合を迎えます。そして僕の試合を見て元気や活力を与えられたらと思います。(昨年11月の)WBSS決勝から1年ぶりの試合となりますが、皆さん楽しみに待っていてください」とコメントを出した。合宿は3日まで行われる。

フィジカルトレーニングを行う井上尚(大橋ジム提供)

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井上尚弥「共に歩む」SIXPADとパートナー契約

WBSS世界バンタム級トーナメント決勝でノニト・ドネアと対戦した井上尚弥(2019年11月7日撮影)

ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥(27=大橋)が「35歳現役」へ、強力なパートナーを手に入れた。18日、トレーニング・ブランド「SIXPAD(シックスパッド)」のアスリートサポートパートナーに就任することが、MTG社から発表された。

昨年11月にバンタム級最強を決める「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」で優勝した井上が、さらなる高みを目指して新たなトレーニング方法を模索している中で、「SIXPAD」に興味を持ち、トレーニングに本格的に取り入れることが決まったという。

井上は「『SIXPAD』からサポートをいただくことになり、世界ナンバーワンを目指すという共通の夢に向かって、共に歩んでいくことを楽しみにしています。僕の自宅やジムにも、『SIXPAD』を導入していただいたので、オフの時間での『家トレ』もはかどると思います。ここまで、幸いなことに世界王者のタイトルを獲得してきましたが、僕の夢はまだまだこれからで、道はどんどん険しくなってくると思っています。さらに良いボクサーになるために、より効率的なトレーニングを追求していきます」とコメント発表した。

契約に合わせて、「SIXPAD」の開発パートナーである森谷敏夫京都大学名誉教授との対談も実施。「筋電気刺激」という、通常脳からの電気信号で筋肉を動かすところを、筋肉に直接電気を流して動かす技術により、短時間で大きな負荷をかけずに速筋を鍛えることができると説明を受けた。

井上は「今まで、筋肉を電気で刺激するということは聞いたことはありましたが、正直に言うとボクシングとはあまり関係ないと思っていたんです。でも今日こうしてお話を聴いて、35歳まで現役を続けるという僕の目標に必要なものだと感じました。ぜひ取り入れていきたいです」と話した。

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井上尚弥がパヤノ3発70秒KO/寺地拳四朗の一撃

ワールド・ボクシング・スーパーシリーズバンダム級トーナメント WBAバンタム級タイトルマッチ 1回戦・井上尚弥対フアンカルロス・パヤノ(手前) 1回、フアンカルロス・パヤノを攻めダウンを奪い、そのままKO勝ちする井上尚弥(2018年10月7日撮影)

<ボクシング、忘れられない一撃~6>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。

WBC世界ライトフライ級王座を7連続防衛中の寺地拳四朗(28=BMB)の「一撃」は、モンスターの右ストレートだ。WBA、IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)が、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)1回戦で、元同級スーパー王者フアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を70秒で沈めた一撃。具志堅用高氏の日本記録、連続13回防衛更新を目指す現役王者の視点で「倒す」難しさを語った。(取材・構成=実藤健一)

▼試合VTR 18年10月7日、横浜アリーナでWBSS1回戦が行われ、井上がパヤノと激突した。開始40秒すぎに繰り出した右アッパーが距離を縮めてきた相手のあごをかすめると、50秒経過直後に左ジャブでパヤノの視界を奪い、即座に放った右ストレートでフィニッシュ。繰り出したパンチはわずか3発。1分10秒のKO勝ちは、日本選手世界戦最速KOタイムを更新した。

◇ ◇ ◇

衝撃というより、あれ!? いつの間にという印象しか残っていない。一瞬やった。知らん間に終わってしまったという感じ。それが逆にすごい。

井上選手はプレッシャーのかけ方がすごくうまい。自分はスタイルが違うし、戦い方も違うけど、ボクサーとしては早く終わらせるにこしたことはない。テレビ局は大変ですけど。

あらためて思ったのは狙って倒すのは難しいな、と。あの試合の井上選手も狙って打ったというより、流れの中で繰り出したパンチだと思う。自分の経験を振り返っても、たまたまのパンチで倒したというケースは少なくない。

ただ、その「たまたま」は、それまでの練習の積み重ねから生まれるもの。練習で死にものぐるいにやっていないと、体に染みこんでいかない。やればその分、試合で発揮できる。

「知らん間に終わった」井上選手のあの試合は、その典型のように思う。

◆寺地拳四朗(てらじ・けんしろう) 1992年(平4)1月6日、京都府城陽市生まれ。奈良朱雀高から関大に進み国体優勝。14年8月プロデビュー。17年5月にWBC世界ライトフライ級王座を獲得し、7連続防衛中。拳四朗は漫画「北斗の拳」の主人公に由来しリングネームにしてきたが前回防衛戦から本名。戦績は17勝(10KO)無敗。父で会長の永氏は元日本ミドル級、東洋太平洋ライトヘビー級王者。身長164・5センチの右ボクサーファイター。

寺地拳四朗

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井上尚弥2年連続2冠 最優秀選手賞と年間最高試合

ドネアを破りWBSS優勝を果たした井上尚弥はアリ・トロフィーを掲げる(2019年11月7日撮影)

ボクシングの19年度年間表彰式が8日に都内で開催され、WBAスーパー&IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が、最優秀選手賞と年間最高試合で2年連続2冠となった。

ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)準決勝では2回TKOでIBF王座を獲得し、決勝では5階級制覇のWBA世界同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)に判定勝ちでWBA王座を統一した。

最優秀選手は4人の候補がいたが、年間最高試合とも32票中27票を獲得した。いずれも2年連続3度目の受賞で、14年はKO賞と3冠で3度目の複数受賞となった。

技能賞は日本人初の4階級制覇を達成して初防衛した井岡一翔(30=Reason大貴)、殊勲賞はWBA世界ミドル級王座を奪回して初防衛した村田諒太(34=帝拳)が初受賞した。村田は2連続KOでKO賞も初受賞し、初の複数受賞となった。

この賞は日本ボクシングコミッション、日本プロボクシング協会、東京および関西運動記者クラブ・ボクシング分科会の主催、選考による。各賞の受賞者は以下の通り。

◆最優秀選手賞 井上尚弥(大橋)=2年連続3度目

◆技能賞 井岡一翔(Reason大貴)=初

◆殊勲賞 村田諒太(帝拳)=初

◆努力敢闘賞 永野祐樹(帝拳)=初

◆KO賞 村田諒太(帝拳)=初

◆新鋭賞 中谷潤人(M.T)=初

◆年間最高試合 WBAスーパー&IBF世界バンタム級統一戦 井上尚弥(大橋)-ノニト・ドネア(フィリピン)

◆世界戦以外の最高試合 WBOアジア太平洋ウエルター級王座決定戦 矢田良太(グリーンツダ)-別府優樹(久留米櫛間&別府優樹)

◆女子最優秀選手賞 天海ツナミ(山木)=2年連続2度目

◆女子最高試合 WBC世界フライ級王座戦 藤岡奈穗子(竹原&畑山)-天海ツナミ

◆優秀選手賞 井岡一翔(Reason大貴)、井上尚弥(大橋)、岩佐亮佑(セレス)、京口紘人(ワタナベ)、田中恒成(畑中)、寺地拳四朗(BMB)、村田諒太(帝拳)

◆特別賞 河野公平(ワタナベ)、田口良一(ワタナベ)、福原辰弥(本田)、故三迫仁志(元日本プロボクシング協会会長)

◆優秀トレーナー賞 加藤健太(三迫)

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井上尚弥が日刊バトル大賞2年連続MVP「嬉しい」

日刊バトル大賞2年連続3度目のMVPとなった井上尚弥

読者が選ぶ第24回日刊バトル大賞(対象は19年1月15日~20年1月14日)のボクシング部門は、WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が2年連続3度目のMVPとなった。

井上が、2年連続でMVPを受賞した。バンタム級最強を決める、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝では、元世界5階級制覇王者ノニト・ドネアと、全米ボクシング記者協会の年間最高試合に選ばれる激闘の末、勝利をつかみ、世界にその名をアピールした。飛躍を続ける「怪物」は「ファンの人に評価していただいたのは素直にうれしい。これからも、自分が目指すボクシングを追求して、上にいきたい」と力を込めた。

20年の初戦は、4月25日(日本時間26日)に、米ラスベガスでWBOバンタム級王者ジョンリール・カシメロ(30=フィリピン)と、日本人初の3団体統一戦で激突する。世界が注目する才能が、目標に掲げる4団体統一に向け、一気に突っ走る。

年間最優秀選手
年間最高試合

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井上尚弥「徹底的に走り込みたい」グアム合宿へ出発

グアム合宿に出発したWBA、IBF世界バンタム級王者井上尚(中央)。右は弟の拓真、左はいとこの浩樹

ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥(26=大橋)が、3団体統一の「足場」を固める。

4月25日(日本時間26日)に米ラスベガスのマンダレイベイ・リゾート&カジノで行われる、WBO同級王者ジョンリール・カシメロ(30=フィリピン)との日本人初の3団体統一戦に向け、2日からグアムでの5日間の走り込み合宿に入る。

出発前に成田空港で取材に応じた井上は「徹底的に走り込みたい。パンチもある選手なので、それに耐えられるだけの体力づくりがテーマ。練習時間も、午前、午後それぞれ1時間程度は伸ばす予定。それぐらい油断ができない相手」と引き締まった表情で話した。

カシメロについては「映像はちょこちょこ見だしている」とし、「頭から突っ込んでくるし、何をやってくるか分からない怖さもある。乱打戦は嫌いではないが、自分本来のスタイルではない。巻き込まれないようにすることが大切」と精神面の重要性を強調した。

昨年11月にバンタム級「最強」を決めるトーナメント、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)の決勝で、元世界5階級王者ノニト・ドネアを撃破。同シリーズの優勝を「1つの区切り」ととらえ、「ここからが第2章と言ってもおかしくないし、そういうステージにきている」と力を込めた。

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井上尚弥「荒々しく野性味ある選手」カシメロを警戒

WBAスーパー・IBF・WBO世界バンタム級王座統一戦の発表会見に臨む井上尚(撮影・小沢裕)

ボクシングの大橋ジムは31日、WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が、4月25日(日本時間26日)に米ラスベガスのマンダレイベイで、WBO同級王者ジョンリール・カシメロ(30=フィリピン)と3団体統一戦を行うと発表した。

井上は「ラスベガスでの3団体統一が決まり、わくわくした気持ちでいっぱい。早く試合がしたい。バンタム4団体統一戦に向け、ラスベガス最初の試合を危なげなくクリアしたい」と意気込みを語った。

井上は、19年11月に、バンタム級「最強」を決めるトーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ」(WBSS)決勝で元世界5階級制覇王者ノニト・ドネアと対戦。全米ボクシング記者協会の19年年間最高試合に選ばれた激闘を制し、2団体統一王者となった。

29勝(20KO)4敗の実績を持つカシメロは、昨年11月にWBO王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)を3回TKOで破り、王座を奪取。過去にはライトフライ、フライ級でも世界王座を獲得しており、井上とは3階級制覇同士の対戦となる。

カシメロの印象について、井上は「フィリピン人らしい荒々しさを持った野性味ある選手。その辺りは気をつけて戦いたい」。

父の真吾トレーナーは「荒々しさがあるので、冷静に戦うことが良い結果につながる」と警戒した。

WBAスーパー・IBF・WBO世界バンタム級王座統一戦の発表会見に臨んだ井上尚(撮影・小沢裕)
WBAスーパー・IBF・WBO世界バンタム級王座統一戦の発表会見に臨んだ井上尚。左は井上トレーナー、右は大橋会長(撮影・小沢裕)
井上尚弥(2019年11月6日)

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井上尚弥4・25ラスベガス決戦カシメロと3団体統一戦

WBAスーパー・IBF・WBO世界バンタム級王座統一戦の発表会見に臨む井上尚(撮影・小沢裕)

ボクシングの大橋ジムは31日、WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が、4月25日(日本時間26日)に米ラスベガスのマンダレイベイで、WBO同級王者ジョンリール・カシメロ(30=フィリピン)と3団体統一戦を行うと発表した。

井上は「ラスベガスでの3団体統一が決まり、わくわくした気持ちでいっぱい。早く試合がしたい。バンタム4団体統一戦に向け、ラスベガス最初の試合を危なげなくクリアしたい」と意気込みを語った。

昨年11月に米プロモート大手トップランク社と契約した井上は、スーパーフライ級時代の17年9月に行われたアントニオ・ニエベス戦以来の米国での試合で、ラスベガスは初めて。

井上は、19年11月に、バンタム級「最強」を決めるトーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ」(WBSS)決勝で元世界5階級制覇王者ノニト・ドネアと対戦。全米ボクシング記者協会の19年年間最高試合に選ばれた激闘を制し、2団体統一王者となった。

29勝(20KO)4敗の実績を持つカシメロは、昨年11月にWBO王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)を3回TKOで破り、王座を奪取。過去にはライトフライ、フライ級でも世界王座を獲得しており、井上とは3階級制覇同士の対戦となる。

井上は12年10月のプロデビューから、ここまで19戦全勝(16KO)。米老舗ボクシング専門誌「ザ・リング」選定のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強王者)で日本人初のトップ3入りを果たすなど、世界から大きな注目を集めている。

WBAスーパー・IBF・WBO世界バンタム級王座統一戦の発表会見に臨んだ井上尚(撮影・小沢裕)
WBAスーパー・IBF・WBO世界バンタム級王座統一戦の発表会見に臨んだ井上尚。左は井上トレーナー、右は大橋会長(撮影・小沢裕)
井上尚弥(2019年11月6日)

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黒田雅之が現役続行を表明、3度目の世界挑戦目指す

現役続行を表明した黒田雅之(右)と新田会長

ボクシング前日本フライ級王者黒田雅之(32=川崎新田)が、3度目の世界挑戦を目指して現役を続行する。7日に川崎市内のジムで表明した。

昨年5月に6年ぶりで、IBF世界同級王者モルティ・ムザラネ(南アフリカ)に世界再挑戦も判定負けしたが、進退を保留していた。3月30日に東京・後楽園ホールで、10カ月ぶりの再起戦に臨む。

黒田は「シンプルにやりたいからやる。やるからには世界を目指さないと熱が入らない」と復帰理由を説明した。「一から説明していると明日の夜になっちゃう。小さいことの積み重ねがあった」と話した。

昨年11月に何度もスパーリングした井上尚弥(大橋)が、WBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)に優勝した。12月には後輩達の試合を観戦したが「まだファン目線にはなれなかった。心に引っ掛かるものがあった」という。

ムザラネは黒田戦以来のV3戦で、八重樫東(大橋)を9回TKOで防衛した。「年上の2人。自分も体力の衰えは感じないし、もったいないと思った」。

新田会長にはジム恒例の元旦ロードワークの前に、復帰の意思を伝えた。会長は口に出さずにずっと見守っていた。「おせーよ。やっとかと。41戦してケガもなく、体は痛んでないし、衰えもない。もったいなし、伸びしろもある」と待ちかねていた。

会見後には世界戦前以来7カ月ぶりに、スパーを2回こなした。ジムワークでは最近始めたというハンマーの振り下ろし。1度タップダンスを体験したが「着地の感覚がボクシングに通じる」と続ける考えだ。

休んでいる間に運転免許を取得した。ジムで体を動かしていたが、後輩らの練習でミットを持った。川崎市のデイサービスで、トレーニングを指導するインターンシップも経験。仕事してのトレーナーも始める。高校時代からコンビニでバイトしながら、リングに上がってきた。三度目の正直へ、練習に生活に変化と刺激を加えていくつもりだ。

IBFでは11位につけるが「誰でもいい、どっちの階級でもいい。世界王者とやってベルトをとりたい」。世界挑戦はスーパーフライ級、海外も視野に入れていく。

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井上尚弥の右目経過は良好、1月末から次戦へスパー

ジムワークを再開した井上尚弥(撮影・奥山将志)

ボクシングの2団体(WBAスーパー、IBF)統一バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が6日、横浜市内で20年最初のジムワークを行った。

弟の前WBC同級暫定王者拓真(24)とのマスボクシングやミット打ちなどで汗を流した。19年はワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)を圧倒的な強さで制し、年末はテレビ出演など多忙な日々を送った。米ラスベガスで4月末に予定される次戦に向け「ここからはボクシングに集中していく。スタートとしてはすごく良かった」と話した。WBSS決勝で負傷した右目の経過も良好で、1月末からスパーリングを始める予定という。

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那須川誓う打倒五輪「面白いことしようじゃねえか」

那須川対江幡 勝ち名乗りを受ける那須川(撮影・滝沢徹郎)

<RIZIN20>◇31日◇さいたまスーパーアリーナ

ライバルは東京五輪だ。那須川天心(21)が新日本キックボクシング協会のエース江幡塁(28)と56キロ契約で戦い、1回2分46秒TKO勝利した。

1年前の大みそかにボクシング元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザーとエキシビションマッチで戦い、1回TKO負け。大みそかに借りを返すとともに、20年は五輪を超える活躍をすると宣言した。

   ◇   ◇   ◇

那須川が日本人最強の刺客ともいえる江幡を一蹴した。試合開始早々、前へ突進し、左ハイキック、ワンツーをさく裂。強烈な連打でダウンを2度奪っても手を緩めない。この日のために用意してきた回転回し蹴りを見事に決め、粘り強く立ち上がる相手に再びパンチを連打。予告通りのKO勝利を果たし、「めちゃくちゃ気持ちよかった」と笑顔で叫んだ。

本物の戦いを求めている。1カ月半前の昨年11月7日。さいたまスーパーアリーナでワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)の井上尚弥-ノニト・ドネア戦を生観戦。世界最高峰の攻防に胸を熱くし、嫉妬した。「誰も文句言えない。比べるのは失礼かもしれないけど、格闘技をやっている者として負けたくない」。

キックボクシングは現在日本ではメジャーな競技とはいえない。だからこそ、那須川自身が知名度アップへ先頭に立つ。昨年5月にはAbemaTVの企画「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」に参加。同6月は再びAbemaTV企画で亀田興毅氏と特別ボクシングルールで対戦。この日も、試合直前に裏番組「ガキ使」に出演した。「試合を見たことなくても僕を見たことがある人に『すごい』と思ってほしい」。狙い通り、格闘家としてもすごみを示した。

「2020年は東京五輪がある。五輪より面白いことしようじゃねえか。自分でもどういう風に成長するかわからない。もっと強くなりたい」。現在世界中の格闘技団体からオファーを受けており、20年は世界進出が濃厚。天心の野望は続く。【高場泉穂】

那須川対江幡 江幡(右)に蹴りを見舞う那須川(撮影・滝沢徹郎)

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井岡一翔「熱い試合で」大みそかV1戦は息子と共闘

調印式を行う井岡(左)。同3人目はシントロン(撮影・横山健太)

ボクシング4階級制覇王者井岡一翔(30=Reason大貴)が、息子と共闘でV1を宣言した。31日の東京でのトリプル世界戦調印式イベントが、25日に羽田空港内で行われた。

WBO世界スーパーフライ級王者として、同級1位ジェイビエール・シントロン(24=プエルトリコ)との対戦。8月に長男磨永翔(まなと)君が生まれ、米ラスベガス・キャンプにも同伴。トランクスにも名前を入れて戦う決意を明かした。

   ◇   ◇   ◇

井岡がパパとしての決意を力強く披露した。「父親となり、息子のために必ず勝ちたい。勝っている姿を見せたい。トランクスにも磨永翔の名前を入れて戦う。気も引き締まる」。王座を獲得した前回の渋谷109に続くイベントで、ファンに必勝防衛を宣言した。

6月に再挑戦で日本人初の4階級制覇を果たした。直後に元モデルの女性(31)と晴れて再婚した。8月には第1子が生まれた。夫人の名は公表していないが、長男の名は堂々と明かした。

10月19日から20日まできっちり2カ月、ラスベガスでキャンプを張った。前回は身重の夫人も同伴していたが、今回は生後間もない長男も連れて行った。夫人からは食事など身の回りの世話、息子からは癒やしと活力を与えてもらった。

3階級制覇の井上尚弥も息子の名をトランクスに入れ、ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)を制している。戦う男にとって、家族は何よりの支えと励みになる。

セミファイナルのWBO世界フライ級王者田中、復帰した元4階級制覇王者ゴンサレス(ニカラグア)が対戦に名乗りを上げている。「これをクリアすれば、統一戦などの視野が広がる。その時が来れば」と答えた。

その前に、約25秒にらみあったシントロンを倒す。「五輪に2回出てプロでは負けなし。楽しみ。熱い試合で今年最後を締めくくりたい」。8度目となる大みそか決戦を待ち焦がれた。【河合香】

ポーズを決める井岡(左から2人目)とシントロン(同3人目)。左からラウンドガールの保科凜と2人おいてウェディシンハ理沙(撮影・横山健太)
羽田空港でフェイスオフをする井岡(左)とシントロン(撮影・横山健太)
意気込みを語る井岡(左)。右はシントロン(撮影・横山健太)
フェイスオフをする井岡(左)とシントロン(撮影・横山健太)

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井上尚弥、山田哲人ら他競技アスリートから刺激

最強スポーツ統一戦の収録に参加したボクシングチーム。前列左から山中氏、井上拓、井上尚、後列左から鈴木、伊藤(c)フジテレビ

ボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が20年4月に控える聖地・米ラスベガスデビュー戦に向け、他競技のトップアスリートから刺激を受けた。

今月上旬に都内で収録に臨んだ「最強スポーツ統一戦2019」が30日午後6時、フジテレビ系列で全国放送されることが20日、発表された。プロ野球、ラグビー、サッカーなどのトップアスリートと競演し「他競技の選手と番組でお会いして、体の厚みや大きさを感じます」と目を輝かせた。

プロ野球ヤクルト山田哲人から「試合を見ていますよ」と声をかけられると照れ笑い。2連覇のかかるボクシングチームの一員として参戦し「(山田らが)同世代なので刺激を受けます」と触発された。米ラスベガスで組まれる20年初戦の相手はWBO世界同級王者カシメロ(フィリピン)らが候補で、日本人初の3団体統一戦に臨む可能性も高い。井上は「19年は、日本でWBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)に優勝できて、子供(第2子)も生まれ、本当に充実していました。来年4月に向けて、100%に仕上げます」と決意を新たにしていた。【藤中栄二】

最強スポーツ統一戦の収録に弟拓真(右端)と参加した井上尚弥(中央)。左端は山中氏(c)フジテレビ
最強スポーツ統一戦の収録で苦笑いをみせる井上尚弥(c)フジテレビ

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井上尚弥がロマチェンコと初対面「対戦なくもない」

握手を交わす井上(左)とロマチェンコ(撮影・横山健太)

ボクシング2団体統一バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が、世界最速3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)との将来的な対戦を口にした。

5日、都内のホテルで行われたWBO(世界ボクシング機構)年次総会のフィナーレとなる表彰式でロマチェンコと初対面。檀上でガッチリ握手を交わした。「リスペクトを込めてオーラがありましたね」と第一印象を口にすると身長差がほぼない4階級上の3団体統一ライト級王者との将来的な対戦に言及。「今は階級も違うし、現実的ではない」と前置きした上で「将来的な対戦はなくもない。そういうイメージで少し見ていました」と、ライバル心もチラリとのぞかせた。

現在、米老舗ボクシング専門誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(階級を超越した最強選手)のランキングで2位がロマチェンコ、3位に井上が入っている。表彰式前に取材に応じたロマチェンコは「あまり詳しくないが、早い時間でKOする選手。(WBSS決勝の)ドネア戦はハイライトで見ました」と口にしていた。

ポーズを決める井上(左)とロマチェンコ(撮影・横山健太)

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初来日ロマチェンコ「好き」村田諒太のパンチ力評価

日本の印象について語るロマチェンコ(撮影・横山健太)

世界最速3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)が5日、都内で開催されたWBO総会に出席した。

初来日という現3団体統一ライト級王者は日本人選手に言及。ロンドン五輪金メダルでプロの世界王者となったWBA世界ミドル級王者村田諒太(帝拳)について「金メダルで世界王者の同じ経歴なので注目していた。ラスベガスで試合も見た。私が好きなパンチ力のある強い選手」と口にした。2団体統一バンタム級王者井上尚弥(大橋)に関して「あまり詳しくないが、早い時間でKOする選手。(WBSS決勝の)ドネア戦はハイライトで見ました」と話した。

村田諒太(2019年8月1日撮影)

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WBO王者テテがカシメロに敗れる 7年ぶりの黒星

テテ(左)からダウンを奪うカシメロ(ロイター)

<プロボクシング:WBO世界バンタム級王座統一12回戦>◇11月30日(日本時間1日)◇英バーミンガム・バーミンガムアリーナ

正規王者ゾラニ・テテ(31=南アフリカ)が約7年ぶりの黒星で、王座統一に失敗した。同暫定王者ジョエルリエル・カシメロ(30=フィリピン)とWBOベルト統一を懸けて拳を交えたが、3回、右フックを被弾してダウン。何とか立ち上がったものの、ロープに追い込まれて左フックからの連打を食らってレフェリーに試合を止められた。同回2分14秒、TKO負けとなった。

王座統一に成功したカシメロは29勝(20KO)4敗、12年9月以来の黒星となったテテは29勝(20KO)4敗。

2団体統一同級王者井上尚弥(26=大橋)らとともに18年秋からワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)に出場していたテテは4月に5階級制覇王者ノニト・ドネア(37=フィリピン)とのWBSS準決勝(米国)1週間前に右肩の異常を訴えて棄権。18年10月以来、約1年ぶりの実戦だった。カシメロ戦前まで12連勝中。来年には井上との王座統一戦を希望していた。

パンチを打ち合うカシメロ(左)とテテ(ロイター)
勝利を飾り喜ぶカシメロ(ロイター)

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