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au版ニッカン★バトル

ランキング

豪栄道、はたき込まれ3敗目「集中してやるだけ」

豪栄道(右)をはたき込みで破る御嶽海(撮影・岡本肇)

<大相撲九州場所>◇10日目◇21日◇福岡国際センター


 大関豪栄道(31=境川)が3敗目を喫した。関脇御嶽海を立ち合いで押し込みながら、最後にすかされ、はたき込まれた。「立ち合い自体は悪くないと思うけど、しっかり(相手を)つかまえないとダメですね」。

 先場所は1人横綱だった日馬富士で終盤に逆転され、優勝をさらわれた。今場所も横綱は1人になったものの、その白鵬と3差に広がった。「明日からまた集中してやるだけですね」と気持ちを切り替えていた。

照ノ富士も…03年以来の年間のべ30人以上休場

松鳳山(右)を突き落としで破り3勝目を挙げた稀勢の里(撮影・岡本肇)


 関脇照ノ富士が休場した。4日目に琴奨菊に寄り切られ「力が入ってないな。しょうがないっす」と話していた。今場所10勝すれば、大関に復帰できたが、4連敗では…。幕内の休場者は今場所6人目、今年の総数で延べ30人となった。03年の同31人以来の多さで、平成以降で年間30人を超えたのは、02年の39人を含めて3年しかない。

 当時は世代交代が一気に進んだ。横綱貴乃花が01年名古屋場所から7場所連続で全休、02年九州場所も全休、03年初場所途中に引退した。横綱武蔵丸、大関の栃東、千代大海、魁皇らも休場が目立った。一方で、大関朝青龍が02年九州場所で初優勝、03年初場所で連続優勝して横綱昇進を決め、時代をたぐり寄せた。

 休場者が多いから世代交代が進む理屈はない。しかし、今場所の横綱、大関は白鵬が5戦全勝を守っているが、鶴竜が4場所連続で、日馬富士も3日目から肘の負傷で休場。3場所連続休場明けの稀勢の里はこの日、松鳳山に土俵際で逆転の突き落としを決め、ヒヤヒヤながら3勝2敗で白星を先行させた。「今日の(白星)はだいぶでかいんじゃないかと思います」。御嶽海、阿武咲、貴景勝…。新星の勢いを感じながら、横綱、大関の苦闘が続いている。【加藤裕一】

75歳グレート小鹿が勝利、赤ちゃん粉ミルク効いた

今年23試合目の6人タッグで見事勝利を収めた75歳のグレート小鹿(左から2人目)。左は宮本、右は関根。

<大日本:後楽園大会>◇21日◇東京・後楽園ホール


 75歳のグレート小鹿が今季23試合目の6人タッグ戦で、自ら勝利を収めた。

 小鹿は、宮本裕向、関根龍一と組んで伊東竜二、バラモンシュウ、バラモンケイ組と対戦。バラモン兄弟の反則攻撃に何度もやられながら、宮本、関根の援護を受けて反撃。最後は一瞬の隙をつき、バラモンケイを横回転エビ固め、ラ・マヒストラルで丸め込んだ。

 今年の目標は25試合出場という小鹿は「目標は、何とか達成できそう。若いモンに引っ張り回されているが、負けて悔しい気持ちがあるうちはまだまだ大丈夫。来年はどこかのベルトでも狙うか」と全日本のアジアタッグ王座挑戦を口にした。

 75歳という年齢ながら、リング上ではファンの歓声を浴びるほど元気だ。その元気の源を小鹿は「赤ちゃん用の粉ミルクを毎朝カップに1杯飲んでいること。それにオリーブオイル」と話す。

 「人間は20歳を過ぎたら、体の中の細胞が少しずつ死んでいく。赤ちゃんの粉ミルクは、体の細胞をつくる手助けをする成分が入っているというので、少しでも細胞を助けるために飲んでいる。飲み始めてから、肌がすべすべでケガも少なくなった」と話す。

 小鹿が赤ちゃんの粉ミルクを健康法として飲んでいることが広まり、最近大人の粉ミルクが販売されているという話もあるほどだ。「ボクは大人の粉ミルクより、赤ちゃん用の9カ月から3歳用の方が自分には合っていると思うけど」と小鹿は苦笑した。

豪栄道1敗に「もっと自分から攻めないとあかんね」

千代大龍(左)に突き出され初黒星の豪栄道(撮影・岡本肇)

<大相撲九州場所>◇6日目◇17日◇福岡国際センター


 千代大龍に突き出され、初黒星の大関豪栄道のコメント。

 「相手にうまいこと取られました。もっと自分から攻めないとあかんね」。

千代大龍「落ちたくない。ブサイクな相撲だけど」

突き出しで豪栄道(右)を破った千代大龍(撮影・岡本肇)

<大相撲九州場所>◇6日目◇17日◇福岡国際センター


 全勝の大関豪栄道を突き出した千代大龍のコメント。

 「引き合いになったが、意地でも落ちたくなかった。ブサイクな相撲だけど、勝てて良かった。調子いい大関に勝てたのは正直、うれしい」。

村田は伝説の大場政夫に近づけるか!同じ日に王者に

村田諒太(左)と伝説のボクサー大場政夫


 まさにくしくもだった。日本の金メダリストで初の世界王者になった村田諒太。2度目の世界戦のゴング直前に、あるジムのマネジャーから言われた。そのひと言で「村田が勝つだろう」と思った。

 会場は両国国技館。老朽化と東京五輪を控え、世界戦を開催するような会場は建て替えと改修が相次いでいる。村田の試合は8月に発表された。世界戦はランキング、マッチメークの交渉、中継テレビ局の事情などで決まる。このため、事前に会場予約がなかなかできない。帝拳ジムの本田会長によると「今回はたまたま空いていた」そうだ。

 47年前の1970年(昭45)10月22日。会場は現在の両国国技館から徒歩5分ほどにあった旧国技館の日大講堂。あの大場政夫が世界初挑戦し、WBAフライ級王者ベルクレック・チャルバンチャ(タイ)を13回KOで倒した。帝拳ジムにとって、初めての世界王者誕生だった。

 大場は5度目の防衛に成功した直後、23歳の若さで亡くなった。永遠のチャンピオンとも呼ばれる、今や伝説のボクサーだ。マネジャーのひと言は「きょうは大場がチャンピオンになった日」。村田は同じ日に世界王者になり、しかも場所も同じ両国だった。ジムにとって記念日とは運があると言えた。

 プロボクシングの試合はリーグ戦やトーナメントは原則ない。まずは勝っていくことで地域の王座を踏み台に、世界ランキングに入り、ランクを上げていくことで世界挑戦のチャンスが出てくる。

 その間に王者も入れ替わる。これがまた微妙でかみ合うか、かみ合わないか。右か、左か。ボクサーか、ファイターか。ボクサーも当然、得手不得手がある。何より強い王者か、弱い王者か。巡り合わせであり、運、不運がある。村田の世界戦前に日本人初のミドル級世界王者竹原氏も「運は必要」と強調していた。

 90年代は辰吉、鬼塚、川島ら個性的な世界王者が数多く盛り上がった。この時代の帝拳ジムの期待は、横浜高で国体優勝し、甘いマスクの葛西だった。3度世界挑戦も王座をつかめず、トレーナーとなって村田を指導した時期もあった。「金メダルにプロでも頂点に立ったんだから、村田は運を持っている。ボクは実力がなかったが、運もなかった」と言っていた。

 大場から半世紀近くをへて、村田は帝拳ジムの日本人の世界王者として10人目となった。大橋ジムの大橋会長は「井上と村田がいれば、日本ボクシング界は当分安泰だ」と喜んだ。村田が今後どんな戦いを挑んでいき、伝説のボクサーになれるか。見守りながら楽しみたい。【河合香】

振分親方本当はサインしたいけど…

振分親方(17年3月20日撮影)


 角界の人気者、振分親方(41=元小結高見盛)が、もどかしい思いで日々を過ごしている。日馬富士の暴行が発覚し、土俵外が注目される。そんな中、取組中に2階席の通路脇で館内警備を担当している振分親方は、業務中もファンからサインや写真撮影を求められる。だが「全部断っています。1人に応じてしまうと人が殺到し、混乱を招いてしまうので。でも、こんな時だからこそ、本当は全部丁寧に応じたい」と、いつもの笑顔を封印して話した。

 野球賭博や八百長問題などの不祥事が相次ぎ、空席が目立っていた時期を知っている。だからこそ同親方は、警備の合間に「現役の時は下から見上げてましたが、こうして上から見るのも面白いですよ。会場の盛り上がりを感じる」と、満員の客席を見渡しながら感慨深い表情で話した。

 一時の低迷から人気を回復した角界は、今回の暴行で再び厳しい目を向けられている。振分親方は、警備中に握手を求められると「すみません、通行の妨げになるので、それはできません」と、むしろ握手よりも距離を縮め、目の前で手を合わせて謝る。自分の形になると抜群に強かった現役時代同様、不器用な性格だけに警備に一生懸命向き合う。とまどいながらも、いつもと変わらない対応に努めている。【高田文太】

初めて地方に両国の土


 九州場所の土が、今場所から変わった。地方場所ではそれぞれの地域で取れる土を使用しているのだが、これまで数多くの力士から滑るという指摘が多くあった。それを受けて日本相撲協会が動き、東京・両国国技館の土俵の盛り土に使用している「荒木田」が地方場所で初めて使われることになった。

 「荒木田」は粘りがあり、速乾性もあることから盛り土に適し、現在は埼玉県内で取れるものを使用。場所前にはトラック5台で約60トンが運ばれて、土俵が作られた。

 では、力士らの反応はいかに。38歳ベテランの平幕の豪風は「明らかに違う。踏んだ瞬間に分かりましたよ。今までより確実に良い」と好感触。一方、足を滑らせるような内容が目立つ新小結阿武咲は「変わらないです」と言うも、他の力士の取組を見て「滑るねぇ」とつぶやいた。

 誰も土を言い訳にしたくない。しかし、力士は足の指で「土俵の砂をかむ」といわれるほど、土とは切っても切り離せない関係にあるが、稀勢の里は「弱い人が言ってるだけ」と一刀両断。土に惑わされずにいつもと変わらない、白熱した取組に期待したい。【佐々木隆史】