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白鵬の強さは外国人も感じ取れる

アンケートで白鵬を選んだノルウェー人のマーレンさん(右)と遠藤を選んだスイス人のデリアさん


 連日、満員御礼の両国国技館には、多くの外国人観光客が訪れている。欧米やアジアなど、さまざまな地域から、大相撲に詳しい人も、そうでない人も観戦。そこで日刊スポーツでは、初日から休場した横綱稀勢の里、大関高安を除く三役以上の7人(鶴竜、白鵬、豪栄道、栃ノ心、逸ノ城、御嶽海、遠藤)を対象に、夏場所を観戦した外国人女性50人にアンケート。顔が分かる写真を見て、好みの力士を回答してもらった。

 1位は18票を獲得した白鵬だった。ノルウェー人のマーレンさんは「チャンピオンっぽくてカッコイイ」と、見た目だけでなく実績を加味して選んだ。他に白鵬を選んだ理由は「真剣な目つきがいい」(オーストラリア人のエミリーさん)や「初めての日本で全然分からないけど、ディス イズ スモーって感じ」(ブラジル人のキャロラインさん)などと、いずれも直感的に強さを感じていた。

 これには白鵬も「海外の人は分かってるね。NHKは海外でも放送しているからかな」と、うれしそうに話した。白鵬に続くのが遠藤(11票)御嶽海(7票)鶴竜&栃ノ心(ともに5票)豪栄道(3票)逸ノ城(1票)。「かわいい」という意見が多かった。女性ファンの増加は、国内だけではなく外国人も同じだったと判明した。【高田文太】

93年ぶりにフィリピン選手同士の世界戦が実現


 IBF世界スーパーフライ級王者のジェルウィン・アンカハス(26=比)は26日(日本時間27日)、米国カリフォルニア州フレズノで同級1位の指名挑戦者、ジョナス・スルタン(26=比)を相手に5度目の防衛戦に臨む。フィリピンの選手同士が世界戦で拳を交えるのは93年ぶり2度目のことになる。

 日本では白井義男氏が1952年に初めて世界王者になったが、フィリピンはそれよりも29年早い1923年にパンチョ・ビラが米国で世界王座を獲得している。そういった面でもビラはマニー・パッキャオらの大先輩といえる。ちなみに世界王者の輩出数では日本が追い抜き、現在は89人(日本ボクシングコミッション認定下)を数える。対してフィリピンは39人となっている。興味深いのはフィリピンの歴代世界王者のうち半数近くがサウスポーであるという点だ。日本は約25パーセント、メキシコは15パーセント前後だから、いかにフィリピンのサウスポー比率が高いかが分かるだろう。

 さて、フィリピンの初代世界王者となったビラは1925年5月2日、フィリピンのマニラで4度目の防衛戦に臨んだが、そのときの相手が同国人のクレバー・センシオだった。試合では23歳のビラが20歳のセンシオに15回判定勝ちを収めている(当時の世界戦は15回戦制)。これも余談になるが、ビラは2カ月後のV5戦で敗れて王座を失い、その10日後に化膿した歯の毒が原因で亡くなった。センシオも11カ月後、10回判定負けを喫した試合の翌朝に脳出血で死亡している。

 これで同胞対決が忌み嫌われたわけではないのだろうが、以後93年間もフィリピン人同士の世界戦が組まれることはなかった。6階級制覇のパッキャオ、5階級制覇のノニト・ドネア、60年代に活躍したフラッシュ・エロルデなど知名度も実力もある選手たちも世界戦で同胞と戦うことはなかった。

 こうしたなか今回のアンカハス対スルタンはIBFの指名試合として行われる。イベントの宣伝デザインには、両選手の写真とともにモノクロのビラのポーズ写真も配されている。イベントのコピーは「Meet & Greet」。邂逅と歓迎とでも訳せばいいのだろうか。

 サウスポーのアンカハスは31戦29勝(20KO)1敗1分の戦績を誇る強打者で、最近の6年間は16戦全勝(15KO)という手のつけられない強さを発揮している。目下4連続KO防衛中だ。挑戦者のスルタンは15年11月の初来日試合で10回判定負けを喫しているが、以後は5連勝(4KO)と勢いを取り戻している。通算戦績は17戦14勝(9KO)3敗。

 下馬評では、パッキャオのMPプロモーションズ、そのパッキャオや村田諒太(帝拳)が契約を交わしている米国のトップランク社と提携しているアンカハスが圧倒的有利とみられている。しかし、戦闘スタイルや感情面など同国人対決は意外に戦いにくい一面もあるだけに、内容と結果が気になるところだ。

 なお、8月18日にはフィリピン人同士の3度目の世界戦となるドニー・ニエテス(36)対アストン・パリクテ(27)のWBOスーパーフライ級王座決定戦がセブ市で行われることが決まっている。

 ビジネス面の成否にもよるが、これを機に今後は軽量級を中心にフィリピン人同士の世界戦が増えそうな気配だ。

井上尚弥、マクドネル戦が異例の米英生中継決定

WBA世界バンタム級王者マクドネルが持ち込んだグローブをチェックする井上(撮影・中島郁夫)


 プロボクシングWBA世界バンタム級2位井上尚弥(25=大橋)が国内最速となる16戦目の3階級制覇でボクシングの本場にあらためて存在感を示す。25日に東京・大田区総合体育館で王者ジェイミー・マクドネル(32=英国)に挑戦する一戦が、米英で生中継されることが23日、決まった。

 米動画配信のESPNプラス、英スポーツ専門局スカイスポーツでライブ中継。調印式に出席した井上は「盛り上がっている試合なのだなと思います。しっかりした形の勝利をしたい」と声を弾ませた。

 大橋会長によれば、米国時間では早朝の生中継となるがESPN以外からも米国内の中継オファーが届いていたという。同会長は「(ESPNプラスが)無料なので選んだ。宣伝効果は絶大」と歓迎した。日本人では村田諒太に続く国内世界戦の米生中継。「日本の軽量級が米英で生中継されるなんて異例」と話した。

 海外メディアからKO勝ちに関する質問を受け、井上は「その流れがきたらKOを狙っていきたい」と世界戦6試合連続KO勝ちを意識した。国内の世界戦連続KO勝利数で、井上は長谷川穂積、内山高志、山中慎介と並ぶ歴代2位の5連続。KOすれば具志堅用高に並ぶ歴代1位の6連続だ。世界戦通算KO勝利数も具志堅、山中と並ぶ9回。こちらもKOなら内山と並ぶ歴代1位の10回となる。

 井上が「ビッグマッチにつながる」と位置付けるマクドネル戦。KO勝ちで3階級制覇を成し遂げ、ボクシングの本場にも強さを届ける構えだ。【藤中栄二】

新日本プロレス社長に経営スペシャリストが就任


 新日本プロレスは23日、ハロルド・ジョージ・メイ氏(54)が代表取締役社長兼CEOに就任したと発表した。

 オランダ出身の新社長はハイネケン・ジャパンのアシスタントGM、日本コカ・コーラ副社長、タカラトミー社長などを務めてきた経営のスペシャリスト。また同日、新日本プロレスの親会社となるブシロード取締役にも就任した。なお、原田克彦前社長はキックボクシングイベント「KNOCK OUT」を運営する系列のキックスロード社長に就任することも同日発表された。

1敗守った白鵬、12日目の栃ノ心戦「全て」を警戒

取組で痛めた目をタオルで押さえる白鵬(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇11日目◇23日◇東京・両国国技館


 自身初の2場所連続休場明けの横綱白鵬が、正代を立ち合いから一気に寄り切って10勝目を挙げた。完勝したかに思えたが立ち合いで、正代のかち上げ気味にぶつけてきた右肩に右目を強打。取組後に何度も右目を気にするそぶりを見せた。しかし「最初は見えなかった。温かいものが流れてるから破裂したかと思った。でも見えるようになって良かった」と大事には至らなかったようだ。

 今日は1差で追いかける栃ノ心と対戦する。過去負けなしの合口のいい相手だが、ここまで全勝と絶好調で、警戒する部分を問われると「全て」と油断はない。「この3日間は流れがいい。明日もやれれば」と相手のことは考えずに、自分自身に集中する。

村田、エンダムに勝てば日本のジム今年9人目の新世界王者に


 12年ロンドン五輪金メダリストの村田諒太(31=帝拳)が22日、東京・両国国技館でWBA世界ミドル級王者、アッサン・エンダム(33=カメルーン/フランス)に挑む。両者は5月に王座決定戦で拳を交え、4回にダウンを奪った村田が優勢を保ったまま戦い終えたように見えたが、エンダムが2対1の判定で勝利とベルトをもぎ取った。因縁の再戦ということになるが、村田が勝てば95年の竹原慎二(沖)以来22年ぶり、2人目の日本のジム所属の世界ミドル級王者が生まれることになる。それだけではない。村田が勝てば今年になって日本のジムから9人目の新世界王者誕生となるのである。大豊作の年に大輪を添えることができるか。

 日本のジムにとって、今年は過去最高の実り多い年といえる。

 2月に福原辰弥(28=本田フィットネス)がWBOのミニマム級王座を獲得したのに始まり、4月には久保隼(27=真正)がWBAスーパー・バンタム級王座についた。翌5月には比嘉大吾(22=白井・具志堅)がWBCフライ級、拳四朗(25=BMB)がWBCライト・フライ級でそれぞれ戴冠を果たした。7月になると京口紘人(23=ワタナベ)がプロ転向から1年3カ月、8戦目でIBFミニマム級王座に駆け上がった。その5日後、中国の上海で行われたWBOフライ級タイトルマッチでは、圧倒的不利とみられた木村翔(28=青木)が五輪連覇の実績を持つ中国のスター選手、ゾウ・シミン(36)に11回TKO勝ち。敵地で世界奪取を成し遂げた。

 これだけでは終わらない。8月には日本人対決で山中竜也(22=真正)が福原を破ってWBOミニマム級王座を獲得。そして9月、これまた日本人対決で岩佐亮佑(27=セレス)が小國以載(29=角海老宝石)を攻め落とし、6回TKO勝ちでIBFスーパー・バンタム級王座を奪い取った。

 上記のように、すでに今年は8人の新王者(返り咲きや2度目、3度目の戴冠などは除く)が誕生している。これは2011年の5人、2012年の4人を大きく上回る歴代最多である。従来のWBA、WBCに加え4年前にIBFとWBOに加盟したことが要因のひとつともいえるが、その初年度の13年は初めて世界王座を獲得したボクサーは2人に留まった。14年は3人、15年が2人、16年は1人だけだった。こうしてみると今年がいかに大豊作かが分かるだろう。しかも、22日に村田が挑戦するほか、28日(日本時間29日)には英国で元日本スーパー・フライ級王者の石田匠(25=井岡)がWBA王座に挑むことになっている。さらに11月4日(日本時間5日)には元日本ライト級王者の近藤明広(32=一力)が米国ニューヨークでIBFスーパー・ライト級王座決定戦に出場する。この3人が戴冠を果たすと、今年の世界王座獲得者は2桁に乗ることになる。年間表彰選手の選考も嬉しい悲鳴ということになりそうだ。一方で、日本のジム所属の世界王者は現時点でも11人おり、関係者やファンは名前と階級を覚えるのが一苦労という状態でもある。

 そんな状況下、まずは22日に村田が「22年ぶり」と「9人目」を成し遂げることができるかどうか注目したい。

また世界戦で計量失格 今年5人目、全て世界王者経験者


 3月と4月に日本で開催された世界戦で計量失格者が出て問題になったが、5月5日に英国で行われたIBF世界バンタム級王座決定戦でもポール・バトラー(29=英)が体重超過のため戦う前に戴冠資格を失い、試合でも大敗を喫した。これで今年に入ってから世界戦での失格者は5人となった。しかも違反者全員が世界王者経験者だ。それが事態の深刻さを物語っている。

 近年、計量における体重オーバーでの失格は、日本だけではなく世界的に憂慮すべき問題となっている。それにもかかわらず相変わらず違反者があとを絶たない。今年に入ってからだけでも下記のとおり世界戦で5件発生している。

◆1月20日@米国 IBFライト級タイトル戦で挑戦者のハビエル・フォルトゥナ(28=ドミニカ共和国)が約680グラム超過 ※12回判定負け

◆3月1日@日本 WBCバンタム級タイトル戦で王者のルイス・ネリ(23=メキシコ)が約1360グラム超過 ※2回TKO勝ち

◆3月10日@米国 WBOフェザー級タイトル戦で挑戦者のスコット・クイッグ(29=英)が約1130グラム超過 ※12回判定負け

◆4月15日@日本 WBCフライ級タイトル戦で王者の比嘉大吾(22=白井・具志堅)が約900グラム超過 ※9回TKO負け

◆5月5日@英国 IBFバンタム級王座決定戦で4位のポール・バトラー(29=英)が約1360グラム超過 ※12回判定負け

 注目すべきは、計量で失格した5人すべてが世界王者経験者であることだ。つまり初めての大舞台というわけではなく、全員がそれなりに高い経験値の持ち主なのである。フォルトゥナ、クイッグに至っては下の階級から上げてきた選手なのに規定体重をつくれなかった。さらに加えるならばフォルトゥナは世界戦で2度目、ネリも昨年3月の挑戦者決定戦に続き重要な試合で2度目の失敗だった。このふたりは悪い意味でのリピーターなのである。

 日本ボクシングコミッション(JBC)は、悪質だったネリに日本での永久的な活動停止処分を科し、比嘉にも報酬の20パーセント相当額の制裁金の支払いと無期限停止処分を言い渡したが、これらの効力は日本国内に留まる。そのためネリは6月9日に米国カリフォルニア州サンディエゴ近郊のアルパインで次戦を行う予定だと伝えられる。選手の生活権の問題もあるため難しい判断を迫られるところだが、ボクシングという体重制の格闘競技を保護するためにも違反者には地域限定ではなく世界共通の重い罰則を設ける必要があるだろう。

 いまは早急にルールが作成されることと、「6人目」が出ないことを祈るばかりだ。

八角理事長、栃ノ心の昇進を「印象は皆さんと一緒」

琴奨菊(右)を上手投げで下す栃ノ心(撮影・中島郁夫)

<大相撲夏場所>◇11日目◇23日◇東京・両国国技館


 大関昇進を目指す関脇栃ノ心(30=春日野)が11連勝で、トップを守った。平幕の琴奨菊のがぶり寄りを受け止め、左上手まわしを引くと左手1本だけで投げ飛ばした。直近3場所の合計勝ち星は「35」となり、限りなく昇進に接近。

 八角理事長(元横綱北勝海) (栃ノ心の大関昇進は)審判部(が推薦すること)でしょう。印象は皆さんと一緒で力強い。これまで白鵬は栃ノ心の良さを全部、消して力を出させないで勝ってきた。五分五分? そうはいかないのでは。全勝と1敗、最高の形で2人の対戦が見られる。

錦戸審判長、栃ノ心を「本当に強い」と高評価

栃ノ心(左)は琴奨菊を上手投げで下し全勝を守った(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇11日目◇23日◇東京・両国国技館


 大関昇進を目指す関脇栃ノ心(30=春日野)が11連勝で、トップを守った。平幕の琴奨菊のがぶり寄りを受け止め、左上手まわしを引くと左手1本だけで投げ飛ばした。直近3場所の合計勝ち星は「35」となり、限りなく昇進に接近。

 幕内後半戦の錦戸審判長(元関脇水戸泉) 栃ノ心は膝の悪さを、上半身をうまく使うことでカバーしている。本当に強い。(大関昇進は)横綱戦でどんな相撲を取るかではないか。全部負けたら印象も悪い。13日目からという話もあったが早い方が面白くなる。

皆が復活願う稀勢の里の危機に慣例よりも一致団結を

横綱稀勢の里(2018年2月4日撮影)


 横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)の夏場所休場が決まった。横綱の途中出場は考えられず、初の2場所連続全休が確実。何よりも1958年(昭33)の年6場所制以降の横綱では、貴乃花と並ぶ最長の7場所連続休場という不名誉な記録となった。休場を発表した師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「次は大事な場所になる」と、涙ながらに語った。次に出場する本場所では、少なからず進退を問う声が出てくる見通しだ。

 これ以上の休場も難しい雰囲気が漂い始めた。次の名古屋場所に照準を定めるとなると、7月8日の初日までは、すでに2カ月を切っている。夏場所後から始動したのでは、名古屋場所に向けて稽古が本格化する新番付発表まで、すでに1カ月を切った状態。夏場所休場の際の診断書には、左大胸筋痛で「約1カ月激しい運動を制限する」と記載されていた。だからといって、1カ月間何もしなければ、確実に名古屋場所も間に合わないだろう。その間、本場所の緊張感の中で、心身ともに研ぎ澄まされていくライバルとの差を縮めるには、今すぐにでも「激しい運動」こそ避けつつ、衰えた筋力の回復に努めるなど、できることから始めなければ、同じことを繰り返す。

 稀勢の里ほど大相撲ファンはもちろん、現役力士からも親方衆からも、復活を期待されている力士はいないだろう。猛稽古で知られた先代の故鳴戸親方(元横綱隆の里)に指導を受けていたころは「朝稽古」といいつつ、そのまま午後まで突入することもあった。ちゃんこ番では、麺類は麺を作るところから始まる。私生活も厳しく指導され、新聞に冗談として、ふざけているように受け取られるコメントが掲載されると、師匠の前で何時間も正座させられた。本人の口からそういうことを知らされることはなく、部屋の別の力士から聞き、申し訳ないことをしてしまったと猛省した記憶がある。中学卒業後すぐに入門し、どんなに厳しい環境でも不平不満を一切口にせず、耐えて忍んで謙虚に振る舞う。それでいて気は優しくて力持ち。そんな誰からも愛される要素を持つ稀勢の里が窮地に立たされ、力を貸したいと思っている関係者は多いはずだ。

 もはや後がなくなったのだから、慣例などにとらわれず、あらゆることを試してもいいと思う。例えば夏場所中であっても白鵬に胸を借りたり、同じ7場所連続休場の貴乃花親方に当時の心境など助言を求めたり、他競技のアスリートと合同トレーニングをしたり。稀勢の里の頼みなら、誰も迷惑がらず歓迎するだろう。それだけ努力の実績は認知されているのだから。横綱同士だから、場所中だから、一門が違うから、前例がないからと、これまでのしきたりに従えば、一歩を踏み出せない理由はいくらでもある。それでも今、何かをやり始めなければ、復活できないまま引退に追い込まれ、後悔するような気がしてならない。人一倍苦労してきただけに、そんな思いを抱えたまま現役生活を終えてほしくない。

 親方衆も、一門の枠を超えて助言してもいいと思う。もちろん、さまざまな意見は混乱を招きかねないが、横綱まで上り詰めたのだから、取捨選択しながら、自分に合うものを取り入れればいい。ただ、やみくもにこれまでと同じ稽古をするよりも、助言などによって新たな選択肢や刺激が加わるだけでも、浮上のきっかけになるかもしれない。現在の大相撲の大看板が危機に直面している今こそ、風通し良く、一致団結して手を差し伸べればいいと思う。普段は敵でも、巡業などでは一緒に過ごす時間も長く、大家族のようなところが大相撲の強み。その強みを最大限に生かすべき時が来たように思う。【高田文太】