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非日常が日常にある相撲界「そんな簡単にはなあ…」

車で部屋に戻った貴ノ岩(2018年12月6日撮影)

1年前と違う平和な九州場所が終わったと思ったら、貴ノ岩が付け人を殴った。1年前に殴られた人が、殴った。たまげた。でも、驚きは結構早く冷めて「まあそんな簡単にはなあ…」と思った。

先日、大阪市立大大学院生ボクサー坂本真宏(27=六島)の世界戦発表会見を取材した。「陽極酸化チタン中空シートの水熱法によるチッ素ドープ」という、三十数年前、くしくも大阪市立大に落ちた(工学部でなく文学部でしたが…)私なんぞでは理解できん修士論文を手がける“理系男子”だ。そんな彼に半年ほど前、聞いたことがある。

「キミみたいな子が、何でボクシングなん?」

「う~ん…」としばらく考えて「非日常にひかれたって言うたらいいんですかね。人と人が殴り合うって、普通ないでしょ?」

原始的な欲求やなあ、と思った。同時にやっぱりそうか、とも思った。荒っぽく言えば、ケンカが強いか、弱いか。“雄の本能”と言うてもええでしょう。

さて、相撲の稽古を見たことあります? 四股、すり足、てっぽうにはじまり、相撲をとる申し合いをばんばんやって、締めが相手の胸にバシンと当たって、押し込むぶつかり稽古。部屋によって多少の違いはあるけど、まあえげつない、厳しい。序ノ口、序二段、三段目、幕下と番付を上げて、給料がもらえる十両、幕内の関取になるには、強くなるには耐え抜かんといかん。相手を力ずくで負かす力をつけんといかん。力で成り上がってなんぼの世界は、まさに非日常です。

一般社会ですら、暴力反対、体罰禁止の意識が定着するのには、長い時間を要しました。私が中学生やった40年程前なんか、まだ全盛期。野球部ではケツバットやビンタは日常の風景やった。担任の先生には、クラスの人数分、40枚以上を丸めた“ざらばん紙”で横っ面を張り飛ばされたこともある。ただ、格好つける訳やないですが「悪いことしてんから…」と思える時は納得してた。当たり前と思ってました。

相撲界なら、なおさらでしょう。肉体的痛み、苦痛に慣れきった人の集まりです。非日常が日常にある世界です。「手を出すまでのハードル」が世間より低いのは、ある意味で当然のように思います。誤解を恐れずに言えば、それが体罰であるなら「まああかんねんけど…」程度の行為やったはずです。

暴力、体罰って何なのか? 自分がされたら嫌なことを他人にしない。人の尊厳を傷つけない。協会も、力士も、とにかく1人1人がそこを心底理解して、心掛けんと、事件はきっとまた起こる。相撲界が暴力と決別する日が来ることを願いながらも、心底難しい問題やなあとも思う、今日この頃です。【加藤裕一】

那須川、メイウェザー戦はボクシング転向への試金石?

メイウェザー(左)と那須川天心(2018年11月5日撮影)

今年も年末は格闘技イベントが花盛りだ。15年に始まったRIZINは総合格闘技が主体だが、キックボクシングも女子もある。今年は異色のカードが組まれた。当初は平成最後の異種格闘技戦と銘打たれたが、異種格闘技者の対戦へと変わった。神童といわれるキックボクサー那須川天心が、世界が認める5階級制覇ボクサーのフロイド・メイウェザーに挑む。

注目はルールだったが、基本はボクシング・ルールで体重差のある3回制となった。非公式試合。実質エキシビションになった。ガッカリしたファンも多いが、端から予想していたファンも多い。来年にはマニー・パッキャオと再戦も浮上している中、メイウェザーには小遣い稼ぎか!?

一方の那須川は世界に名を売るチャンスと意欲満々だ。将来ボクシングに転向するプランがある。すでに「世界王者になれる」という評価もあるが、その技量を図るには願ってもない試合にもなる。

5歳で極真空手を始め、小6でキックボクシングに転向し、15歳で14年にプロデビューした。父弘幸さんとの二人三脚だが、中3からはボクシングの帝拳ジムにも通っていた。「パンチを教えてほしい」と、知人を通じて葛西トレーナーに依頼があったのがきっかけだった。

15年にWBC世界ライトフライ級王者になった木村と、世界戦前にスパーリングしたことがあった。2階級上の体格、木村の減量や疲労はあったが、高校生だった那須川が互角以上だったという。「パンチ力があり、距離感もよく、急所への当て勘がいい。頭も柔軟でのみ込みが早い。目がいいから防御も抜群」と絶賛する。

葛西トレーナーは1年前から、東京・用賀にフィットネスボクシングジム「GLOVES」を開いた。プロ育成ではなく、一般会員に「楽しみながら、食べながら、締まった体作り」を教えている。その合間を縫って、那須川にも月に数度指導を続けている。

那須川には「ポテンシャルは負けていないが、ボクシングルールであり、階級も全然違う。それも相手は黒人選手。なめたらだめ」と話しているそうだ。現役時代に経験した、想像以上だった黒人特有のバネなどの身体能力を警戒する。作戦を聞くと「打たせないことが第一で終盤勝負」と言った。

異種格闘技戦と言えば、猪木とアリが代名詞といえる。ただし、試合内容は茶番と酷評された。状況はだいぶ違うが、今度はどんなファイトになるのか。何しろ、あのメイウェザーが日本でリングに上がるだけでも、見ものには違いない。【河合香】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

全日本プロレスがキッド氏追悼 渕「若かったね」

5日に60歳で亡くなったダイナマイト・キッドさんの追悼セレモニーでキッドさんの遺影を抱く渕正信(左)

全日本プロレスは11日の後楽園大会で、5日に60歳で亡くなったダイナマイト・キッドさん(英国)の追悼セレモニーを行った。

試合前に全選手がリングサイドに立ち、渕正信(64)が、遺影を抱いてリングに上がり、追悼の10カウントをささげた。

キッドさんは、初代タイガーマスクのデビュー戦の相手など、新日本プロレスで活躍した後、全日本に移籍。いとこの、デイビーボーイ・スミスとのタッグで人気を博した。渕は「若かったね。60歳で亡くなったキッドの遺影を、来年65歳になるオレが持つなんて。試合をやっていて、気持ちのいいレスラーだった。全日本は体の大きな選手が多かったから、結構体を大きくするために無理していたな。もう2度と会えないと思うと、もうちょっといろんな話を聞きたかった」と目に涙を浮かべながら話していた。

SANADA組が2連覇 現IWGPタッグ王者倒す

SANADA(2016年8月12日撮影)

<新日本:岩手大会>◇9日◇岩手産業文化センター・アピオ

新日本プロレスは9日に岩手大会を行い、ワールドタッグリーグ優勝決定戦でEVIL、SANADA組が現IWGPタッグ王者タンガ・ロア、タマ・トンガ組との昨年と同カードの戦いを制し2連覇を達成した。

セコンドの邪道の介入をふりきり、最後はSANADAがタマをラウンディングボディープレスでピンフォールし、勝負を決めた。NEVER無差別級選手権では、挑戦者の飯伏幸太が、王者後藤洋央紀に得意技カミゴェをさく裂させ、新王者となった。

ラウジー“場外戦”でも強さ 挑戦者ジャックス圧倒

盟友ムーン(中央)の勝利を喜ぶロウ女子王者ラウジー(C)2018WWE,Inc.AllRightsReserved

<WWE:ロウ大会>◇10日(日本時間11日)◇米カリフォルニア州サンディエゴ・バレービューカジノセンター

ロウ女子王者ロンダ・ラウジー(31)が16日のPPV大会TLC(米サンノゼ)で対戦する挑戦者ナイア・ジャックス(34)との一触即発ムードの“場外戦”を繰り広げた。代理前哨戦でラウジーの盟友エンバー・ムーンがジャックスの仲間タミーナとのシングル戦が組まれ、それぞれがセコンドに入った。

先にタミーナとともに登場したジャックスからは「日曜日(16日)に私はロウ女子王者になる。この拳を顔面に何発も食らわせて、ロンダ伝説を打ち消してやる」と宣言された。その後にラウジーが姿をみせ「私はポーズやトークのためにWWEに来たんじゃない。ファイトのためよ」と言って走り込んだが、ジャックスに場外へ逃げられた。

ムーンとタミーナによる代理前哨戦は白熱の攻防となり、ラウジーはエプロンで試合介入しようとしたジャックスが引きずり落とし、そのまま客席に投げ飛ばした。リング上ではムーンが必殺のエクリプスでタミーナを沈めて勝利。前週のタッグ戦に続き、ラウジーがムーンとの共闘で挑戦者ジャックスを圧倒してみせた。

エプロンサイドにいたジャックス(右)の左足を引っ張るロウ女子王者ラウジー(C)2018WWE,Inc.AllRightsReserved

固定観念とらわれない元貴乃花親方の今後の動向注目

都内の部屋の前で報道陣の取材に対応する貴乃花親方(2018年9月27日撮影)

相撲界のネタで、テレビの情報番組も話題に事欠かない。昨年11月から続いた元横綱日馬富士関の傷害事件に端を発した一連の内紛劇は、半年でようやくピリオドを打った、ようやく…。と思いきや貴乃花親方の突然の退職劇、直後には水面下で進んでいた元日馬富士関への訴訟問題が表面化し、そして元横綱輪島さんの訃報。何だかんだ言っても、さまざまな人間模様を映し出す相撲への世間の関心、興味は高いのだなと、あらためて感じさせる。

その話題の1つに、元貴乃花親方の政界進出話がある。正式退職が決まってから3日後のさる4日、馳浩元文部科学相の東京都千代田区にある事務所を訪問したことで、にわかに来夏の参院選出馬の可能性が取りざたされることになった。

訪問の目的を、日ごろから世話になっている同元文相への退職のあいさつとした元親方は「次、何をしようとするかとか、その余裕はなくしております」と打診の話はなかったことを明言した。政界進出を本当に考えているなら、水面下で人知れず動くのが普通だ。わざわざ報道陣監視の元で永田町を闊歩(かっぽ)する姿から、その信ぴょう性は薄いのでは、とみる向きは多い。

人様の第2の人生に口を挟むのは、余計なおせっかいだろうが個人的にも、そう思う。脇目も振らず一心不乱に、こうと思えば一直線…という性格からすれば、多方面に目配りし、器用に立ち居振る舞うことが求められる異分野への転身は考えにくい。

確かに、裸一貫で生き抜く角界にあって現役時代から退職するまで、相撲界を離れた世相への関心は高く文化人、財界人から知見を吸収しようとする姿勢はかいま見えた。今、ブログなどを見ても、元親方がつづる文章は角界人からすれば難解で分かりづらい文言が多い。悲しいかな、そんな一面も他の親方衆から、一線を画す垣根を作られる要因になったと思う。懐に飛び込めればフランクな性格が分かるが、そうでなければバリアーを張られているような。

つづってきた文章には、哲学的なものを想起させるが、政治は分かりやすさとのバランスが求められるだろう。その器用さは、持ち合わせていないと思う。相撲一筋で生きてきたのだから、それは当然だ。人気に当て込むのは選挙の常かもしれないが、公示板にポスターが貼られる姿は想像しにくい。

ただ一方で、これも個人的な淡い願望として「政治家・花田光司」も見てみたい気がする。数年前、元親方とお茶をしながら世間話をしていると突然、こんな話を切り出してきた。「織田信長って本能寺で死んだことになっているけど、俺はそうは思わないよ」と。家臣だった明智光秀の謀反にあい、49歳の生涯を本能寺で閉じた織田信長。歴史の面白さは、その史実を読み解くとともに、仮説を立てて脈略をつなぐことにもあると思う。確かに、本能寺では遺体がみつからなかった、他の場所で自害した、生き延びて後世を見守った…など識者による諸説はさまざまある。

元親方はその後も、お市の方やねねなど、深くかかわった人物の名前を挙げた上で、信長は生き続け、陰で人をうまく動かし、戦国の世が平静になるのを見届けたのでは…という自分なりの“仮説”を語っていた。そう思うに至ったのは、識者の仮説を見聞きしたり、書物を読んだのが発端かもしれない。いつのころからか日本史に興味を示し、弟子のしこ名に戦国武将の名前を入れたぐらいだ。それはどうであれ既成事実、固定観念にとらわれず物事を見ようという考えが根底にあるのだろう。それを「改革」ととられてしまったのは不本意だったのかもしれないが…。

相撲協会での人生は、本能寺の変の織田信長のように、風雲急を告げるように急転直下、幕を閉じた。ただ、この先もどんな形であれ相撲との縁は切れないはず。育てた弟子の出世も見届けなければならない。「大相撲は不滅です」と公式サイトにつづったように、その繁栄にどう携わるのか注目してみたい。【渡辺佳彦】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

EVIL組1・4東京D大会での3WAY戦決定

新日本プロレス「ワールドタッグリーグ」の2連覇から一夜明けて会見を行ったEVIL(左)、SANADA組

新日本プロレスのワールドタッグリーグ2連覇を達成したEVIL(31)、SANADA(30)が一夜明けた10日、都内で会見した。

この勝利により、来年1月4日東京ドーム大会での現IWGPタッグ王者タンガ・ロア、タマ・トンガ組が持つ王座への挑戦が決定。今年2連敗しているヤングバックス(マット&ニック・ジャクソン)との3WAYマッチが決まり、EVILは「まとめてぶっ倒してやりたい」と宣言。「さらに爆発的に染め上げていく」と熱い試合を約束した。この日は東京ドーム大会の全カードも発表された。

ドーリング&ジェイムス組が全日本世界最強タッグV

<全日本:後楽園大会>◇11日◇後楽園ホール

世界最強タッグリーグは、ジョー・ドーリング、ディラン・ジェイムス組が優勝した。

最終日に勝ち点12で5チームが並ぶ大混戦も、KAI組、宮原組、秋山組と次々に敗退。最後に残ったドーリング組と、連覇をねらう諏訪魔、石川修司組の勝者が優勝という展開に。最後は、ジェイムスが粘る石川を、チョークスラムで沈め優勝を勝ち取った。

同リーグ3度目の優勝となるドーリングは、指を3本立てて「アリガトウ、ハッピーニューイヤー!」と優勝をファンに報告。さらに、脳腫瘍の手術から復帰した際に、ファンからもらった寄せ書きを、両手で観客席にかざし、深々と頭を下げた。

優勝の要因を聞かれたドーリングは「ビッグハート」と、左胸をたたいてアピール。ジェイムスは「諏訪魔と石川は強かった。最強タッグに出るチャンスをくれたジョーに感謝したい」と笑顔で話していた。なお外国人ペアの優勝は05年のババ・レイ、ディーボン組以来13年ぶり。

中谷正義8度目防衛 世界戦へ「いつでもいける」

中西正義(左)はライアン・セルモナに4回TKO勝ちで8度目の防衛を飾った(撮影・宮崎幸一)

<プロボクシング:東洋太平洋ライト級タイトルマッチ12回戦>◇3日◇島津アリーナ京都

 王者中谷正義(28=井岡)が、4回TKO勝ちで8度目の防衛を飾った。

 同級1位ライアン・セルモナ(29=フィリピン)と対戦。3回に2度のダウンを奪い、4回に右ストレートからの連打で沈めて1分24秒TKO勝ちした。中谷の戦績は15勝(9KO)無敗。

 「こんな調子よかったのは初めて。減量も一番うまくいった」。世界挑戦に向けては「(防衛)8回は中途半端だから、10回を目指したい。客観的に見て、10回防衛したら『すごいな』と思えるし。やっと自分の実力が世界レベルに近づいてきたんじゃないかと思えるようになった。(世界戦は)いつでもいける準備はしている」と力強く言い切った。

中西正義(左)はライアン・セルモナに4回TKO勝ちで8度目の防衛を飾った(撮影・宮崎幸一)

ファンの声に「いいよ」二所ノ関親方の写真

10日、名古屋場所の会場に姿を見せた二所ノ関親方

 昨年10月に頭部を手術した二所ノ関親方(61=元大関若嶋津)が、3日目に取材に対応した。一時は意識不明の重体で、安否を気遣うファンの声は多数。名古屋場所の会場内を、つえなどを使わず自力で歩く中、そんなファンの声を伝えると、二所ノ関親方は「そうか、いいよ」と、写真撮影に快く応じた。手術後、初めての取材対応だった。

 実は3月の春場所前の時点で、会話もできるほど回復していた。だが、それが知れ渡ると、見舞客が後を絶たなくなる可能性があった。当時、ある部屋関係者に「話せるとはいっても、まだ流ちょうではないし、体力を使うので、その情報を出すのは控えてほしい。親方は気を使う人。見舞いに来てくれた方には、一生懸命応対してしまうから」と言われた。見舞客の応対で体調を悪化させては本末転倒。記者失格かもしれないが静観することにした。

 今回、二所ノ関親方が取材に応じたと複数の部屋関係者に伝えると、いずれも「ぜひ報じてください」と返答された。自転車で転倒した際に左脳を強く打ち、右半身はやや反応がにぶいという。だが補助付きではない普通のはしも使いこなし、家族との散歩が日課で稽古にも顔を出すという。部屋関係者の明るい対応に、今後のさらなる回復を確信した。【高田文太】