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3階級制覇か大番狂わせか NYのリングに熱視線

今年9月、39戦無敗だったWBA、WBC世界ミドル級王者のゲンナディ・ゴロフキン(37=カザフスタン)を僅差判定で破って戴冠を果たしたサウル・カネロ・アルバレス(28=メキシコ)が15日(日本時間16日)、米国ニューヨークで1階級上のWBA世界スーパーミドル級王者、ロッキー・フィールディング(31=英国)に挑む。11年と16年にスーパーウエルター級王者になっているアルバレスにとっては3階級制覇を狙っての挑戦となる。大方の予想は「アルバレスのKO勝ち」だが、体格で大きく勝るフィールディングは「スーパーミドル級は私の階級だ」と強気だ。

アルバレスは身長173センチ、リーチ179センチで、72・5キロが体重リミットのミドル級でも小柄な部類に入る。その分、胸板は厚く耐久力もあるが、身長183センチ、リーチ184センチの前WBA王者、村田諒太(32=帝拳)らと比較しても体格面での不利は否めない。以前は70キロ弱のスーパーウエルター級が主戦場だったほどだ。それでも最近の3戦は74・3キロ、72・5キロ、72・3キロと72キロを超す体重で戦い、馴染んできた印象が強い。

こうしたなか9月にはゴロフキンに競り勝ち、ミドル級で2度目の戴冠を果たした。1年前の初戦ではゴロフキンの馬力に押され気味だったが、再戦では体力負けすることなく戦い抜き、自信を深めた様子だ。戴冠後、アルバレスはDAZN(ダゾーン)と「5年間に11試合、合計3億6500万ドル(約412億円)」という“驚額”の契約を結んだ。いま最も稼ぐプロボクサーといってもいいだろう。その初戦として今回のフィールディング戦が組まれたことになる。

今回の試合は、ゴロフキンにも勝ち戦績を53戦50勝(34KO)1敗2分に伸ばしたアルバレスが圧倒的有利とみられているが、これはフィールディングが世界王者でありながら知名度が低いためともいえる。身長185センチ、リーチ190センチと大柄なフィールディングは今年7月にドイツで戴冠を果たしたが、それまでは英国外で戦ったことがなかった。もちろん今回が初の米国のリングとなる。戦績は28戦27勝(15KO)1敗と高い勝率を誇るが、唯一の敗北が3度のダウンを喫して1回TKO負けで、耐久力に課題を抱えている。それでもアルバレス戦の打診を受けた際は迷わず「イエス」の返事をしたという。相手は世界的なスター選手だが、フィールディングは「彼が優れたボクサーであることは認めるが、ミドル級よりも4キロ重いスーパーミドル級では私の方が強い」と自信をみせる。長い左ジャブで突き放しておき、それをかいくぐって相手が懐に入ってきたところを得意の左右アッパーで迎え撃つつもりだ。

だが、オッズは14対1で挑戦者のミドル級王者有利と出ている。アルバレスが左右に動きながら揺さぶりをかけて飛び込み、ボディと顔面に強打を打ち分けて攻め落としてしまうとみられているのだ。

アルバレスが超大型契約の初戦を華々しく飾るのか、それともフィールディングが大番狂わせを起こすのか。15日(日本時間16日)、ニューヨークのリングに要注目だ。

御嶽海の今年の1字「魅」を物語った九州場所千秋楽

九州場所の千秋楽で高安を下した御嶽海(右)(2018年11月25日撮影)

今年の漢字が「災」に決まった。関脇御嶽海(25=出羽海)に「今年の1字」を聞くと、10秒近く熟慮して「『魅』ですかね」と答えた。「今年は自分の魅力を存分に出せた年だったと思う。優勝も経験できたし、何も言うことないんじゃない。最後の一番とかもそうだしね」。

確かに、九州場所での千秋楽は「魅」を象徴していた。すでに負け越しが決まっている中、小結貴景勝(22=千賀ノ浦)を1差で追う大関高安(28=田子ノ浦)をすくい投げで破った。貴景勝の優勝が決まるか、優勝決定戦にもつれるか、そんな一番で1分近いせめぎ合いを制した。「最後の最後に、来年につながる相撲を取れて良かった」。満員の福岡国際センターを魅了させ、表情を和らげた。

今年は世間の厳しい目にさらされ、神経質になる部分があったかもしれない。名古屋場所では初日から11連勝と快進撃を続け、13勝で初優勝。周囲からは否応なく、秋場所での大関とりの期待が高まった。「(大関とり)は気にしていない」と繰り返したが、朝稽古では取材に応じず、付け人を通して記者にコメントを伝えることもあった。

取組では「御嶽海」と書かれたタオルが会場を埋め尽くす人気者。7月の七夕の短冊には「イケメンになりたい」と書くなど、土俵外でもファンを喜ばせる。九州場所の千秋楽を終え、支度部屋で見せた表情は気負いとは無縁だった。九州場所を制した貴景勝とは、初場所の番付で東西の関脇として肩を並べそうだ。18年の最後は話題をさらわれたが、19年はどちらが若手の筆頭と呼ばれるのだろうか。はたまた新鋭が出てくるのか。いずれにせよ、土俵外の暗い話題を拭い去る活躍に期待したい。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

輪島功一氏、袴田さん支援する会で怒り「この野郎」

会見に出席した輪島功一氏(撮影・村上幸将)

1966年に静岡県で発生した強盗殺人事件で死刑確定後、14年の静岡地裁の再審開始決定で釈放も、6月に東京高裁から再審開始を認めない決定を受けた、元プロボクサー袴田巌さん(82)を支援する会の会見が12日、都内で行われた。

検察側が再収監を認めるよう最高裁に強く求める中、元WBAスーパーウエルター級王者の輪島功一氏は「検察も死ぬまで判断を待っているのか、この野郎!!」と怒りをあらわにした。

「袴田さん再収監を許さない」集会に参加した輪島功一氏(右)(撮影・村上幸将)

棚橋弘至MVP「元号またいで」2年連続受賞宣言

MVPを受賞しポーズする棚橋(撮影・鈴木正人)

東京スポーツ新聞社制定18年度プロレス大賞の選考が12日に都内で行われ、新日本の棚橋弘至(42)が4年ぶり4度目のMVPに選ばれた。

リング内外でプロレス界を盛り上げた功績が評価され「今までの中で一番うれしい」と感慨ひとしお。平成最後の勲章と受賞回数歴代2位タイに満足せず、「元号をまたいで1発目もとる」と自身初の2年連続受賞を宣言した。

棚橋が記念すべき平成最後のMVPに輝いた。8月のG1クライマックスで3年ぶり3度目の優勝を果たし、完全復活をアピール。9月には映画「パパはわるものチャンピオン」で主演。NHK「クローズアップ現代+」、TBS「情熱大陸」など人気番組への出演で自身の知名度を上げるのみならず、プロレスの魅力を広く社会に伝えた。充実の1年を評価されての4度目の受賞に「今までの中で1番うれしいです」としみじみと喜んだ。

「クソ有名になります」。06年以降、リング上で言い続けてきた願いが「成就した年だった」。棚橋が思い描くのは、昭和のプロレス黄金期の風景だ。お茶の間で試合がテレビ中継され、老若男女がプロレスラーの名前を知り、近くに興行に来れば喜々として試合を見に行く-。そんな風景を再びつくるため、「自分が有名になればいいんじゃん」とずっと自らを鼓舞してきた。「道半ばですけど」と謙遜しながらも、その努力が開花した1年を満足そうに振り返った。

4度目の受賞は天龍源一郎、武藤敬司と並ぶ歴代2位タイ。「すごいとこ、入ってきましたね」と笑いながらさらなる野望も口にした。オカダ、内藤ら過去5人が達成している2年連続受賞はまだなし。「元号をまたいで、新しい元号の1発目をとれれば2年連続もできる。19年はのっけからとりに行きます」。“100年に1人の逸材”の名にふさわしく、史上初の元号またぎの連続受賞を狙うつもりだ。

来年1月4日のメインでIWGP王者オメガに挑む。「(ベルトを)巻いたら、新しい扉が開かれるような気がする」。年明け1発目の勝利で太陽がまた昇る。【高場泉穂】

以下、各賞

▽最優秀選手賞(MVP) 棚橋弘至(新日本プロレス)

▽年間最高試合(ベストバウト) ケニー・オメガ対オカダ・カズチカ(6月9日、新日本プロレス大阪城ホール大会、IWGPヘビー級3本勝負)

▽最優秀タッグチーム賞 諏訪魔(全日本プロレス)、石川修司(フリー)

▽殊勲賞 丸藤正道(プロレスリング・ノア)

▽技能賞 内藤哲也(新日本プロレス)

▽新人賞 林下詩美(スターダム)

▽女子プロレス大賞 藤本つかさ(アイスリボン)

▽レスリング特別表彰 ブダペスト世界選手権金メダリスト須崎優衣、奥野春菜、向田真優、川井梨紗子、乙黒拓斗

偉ぶらずまじめでユニーク 19年波乱の男だ松鳳山

大相撲九州場所6日目 琴奨菊を上手ひねりで破る松鳳山

今、最も観客を沸かせる力士は、松鳳山(34=二所ノ関)だろう。11月の九州場所は西前頭7枚目で10勝5敗の好成績。中でも、個人的に最も印象に残ったのが6日目、東前頭9枚目の琴奨菊との一番だ。ともに福岡県出身のご当所。さらには、ともにあと2カ月ほどで35歳となる同級生で、初対決は19年前の高校1年時という関係だけに、気合が入るのも当然だ。立ち合いから攻勢に出たのは松鳳山だった。一気に土俵際まで押し込んだが、琴奨菊に粘られ、押し戻された。ならばと再び土俵際まで寄るが、まだまだ決着はつかず。逆に琴奨菊の反撃にあったが、今度は松鳳山がこらえる。休むことなく1分半近くも攻防が続いた熱戦を、最後は松鳳山が上手ひねりを決めて決着をつけた。

松鳳山にとって、九州場所での琴奨菊戦は5度目で初白星となった。通算では7勝14敗となった。幕内前半戦の最後の取組とあって、水をつけて支度部屋に戻るまでに時間は空いていた。それでも肩で息をしていた。風呂から出てきても、まだ呼吸は整わない。それほど力の入った一番。「本当にきつかった。3番ぐらい相撲を取ったような感じ。終わった後に座りたかった。でも、よく我慢して相撲を取れたと思う。負けてたら地獄の苦しみだった」と笑って振り返った。ベテランが無我夢中で取る姿はすがすがしい。観衆が拍手喝采、大盛り上がりだったのは言うまでもなかった。

ある相撲協会幹部は、この一番を振り返り「全盛期だったら、松鳳山が立ち合いから一気に持っていっていたかもしれない。それは琴奨菊にも言えること。全盛期だったら、残した後に寄り切るだけの力があったと思う。互いに1番よかった時よりも、力が少しずつ落ちていることで、結果的には名勝負が生まれた。相撲というのは分からんもんだね」と話していた。パワーだけに頼りがちな20代とは違い、技術や駆け引き、心理戦-。あらゆるものを駆使して、白星への道筋を探っていく。一方で、松鳳山は「余計なことを考えなかったのがよかった」と、琴奨菊戦の勝因を挙げてもいる。いざとなったら後先考えず、前に進み続ける相撲っぷりの良さも、観客を引きつけてやまない。

そんな相撲内容の良さに審判部も期待を込めて、千秋楽は結び前で大関栃ノ心戦を組まれた。その期待に応え、九州場所の優勝を左右する高安-御嶽海戦の直前に、またまた会場を沸かせた。怪力大関を相手に素早い動きで2度も背後を取って、まず歓声。それでも、強引に押しつぶされて敗れたかに見えたが、立ち合い直後に審判から「待った」がかかっていた。命拾いした格好で再び歓声。次は行司が「待った」をかけ、3度目の立ち合いの時には、大きく肩で息をしていた。その3度目も寄り切られたかに見えたが、物言いの末、その前に栃ノ心の右足が土俵を割っていた。2度も命拾いした格好の松鳳山を、最後は大歓声が包み込んだ。

現役力士では屈指のこわもてで、一見すると親しみやすさとはほど遠い。だが取組後の支度部屋では、勝っても負けても常に、松鳳山は多くの報道陣に囲まれる。ユニークな人柄は、多くの人を引きつける。何よりも、部屋では午前6時台には稽古を始め、巡業では申し合いのスタイルで稽古していた夏巡業までは必ず、錦木とともに幕内力士の中で最初に土俵に立つ、まじめな姿勢を貫いている。その錦木とは7歳も違い、自身は大卒、錦木は中卒で角界入りしたが「同期」と呼ぶ。常に偉ぶるようなこともない。来年1月の初場所では再び、上位総当たりとなる地位まで番付を上げると予想される。その中でも松鳳山が観衆を沸かせるようなことになれば-。ベテランが2019年最初の場所で、波乱を演出する可能性は十分だ。

【高田文太】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

大相撲九州場所6日目  栃ノ心対松鳳山は取り直しとなる

「最重量力士」となった250キロ謙豊は愛嬌抜群

新最重量力士の序二段謙豊

角界で最も重い力士は? 歴代最重量は292・6キロの元大露羅のミハハノフ・アナトーリ・ワレリリエチェ氏(35)だが、引退して勢力図が変わった。新たに「最重量力士」の称号を手にしたのは、歴代4位の250キロ、西序二段60枚目謙豊(29=時津風)だ。「ついに1位になりましたか。わははっ。ちょっとうれしい」。その効果なのか、今場所は1番相撲から無傷の6連勝と絶好調だ。

ワレリリエチェ氏とはすれ違えば談笑する仲だった。同じようなシルエットに親近感がわいたのか、引退前には浴衣を譲ってくれた。「今まで同じサイズの人がいなかったので、お下がりは人生初でした」とうれしそうに話した。

今の体形は「不自由しかない」と爆笑する。移動は全てタクシー。好物のうどんは1日多くて3玉と、他の力士と比べて多いわけじゃない。太るコツは「動かないこと」だという。

7年前に210キロで入門。1年足らずで幕下まで昇進したが、重さに耐えかねたのか左膝前十字靱帯(じんたい)が切れた。その後は5場所に1回休場するペース。今年の7月は蜂窩(ほうか)織炎で3カ月入院し「死ぬ手前だったらしいです」と豪快に笑い飛ばした。綱渡りの力士人生を歩むが、口調はどこまでも明るかった。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

18日、琴真鍋(左)を激しく攻める謙豊

栃ノ心かど番脱出を後押しした師匠春日野親方の叱責

秋場所14日目、栃ノ心(左)は下手投げで阿炎を下す

稀勢の里に沸き、白鵬が全勝優勝で締め、大団円と思ったら、貴乃花親方の年寄引退騒動…。いい悪いはさておき、これだけ話題が続く業界も珍しい。そんな中、ひっそり窮地を脱した男がいる。

大関栃ノ心である。

夏場所に昇進を決め、新大関場所の名古屋も5連勝。こりゃ優勝か? 今度は綱取りか? てな空気が漂い始めた6日目、玉鷲戦で右足親指付け根の靱帯(じんたい)を損傷し、急転、休場に追い込まれた。で、いきなりかど番で秋場所を迎えることになった。

天国から地獄ですな。相撲は取れても完治はしていない患部、療養優先による稽古不足の影響で思うように動けない。星が伸びず、気持ちがへこむ。場所中に「どうしても“負けたら、落ちちゃう”と考えちゃうね」とボソボソしゃべる姿は、優勝後の春場所で「負けるイメージが全然ないんだよ」と、ごく普通に話していた人間と同一人物とはとても思えんかった。

怪力自慢の大男がしょぼくれてると、おせっかいとわかっていても声を掛けたくなる。5勝3敗で稀勢の里戦を迎える9日目の朝。失礼を承知で聞いてみた。

万が一でっせ、今場所がダメで関脇に落ちても“ふん、来場所10勝したる”ぐらいに考えるとか…。できませんか?

「今場所8勝できないヤツが、来場所10勝できるわけないでしょ」

ま、まあ、そらそうかもしれませんが、気持ちの持ち方っちゅうかね…。

「今場所8勝の方が近いでしょ。簡単でしょ」

あかん、逆効果や…。

栃ノ心は最終的に14日目の阿炎戦で8勝目を挙げ、かど番脱出を決めた。そこは本人の踏ん張りが1番だったことは間違いない。ただ、最後に背中を押したものがあったとすれば、何だったのか?

13日目は正代に負けて、7勝6敗。あと2番で1勝すればいい状況にもかかわらず「もうダメですね」と禁句を口走った。心は折れる寸前だった。

14日目の朝稽古。土俵の栃ノ心に、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)が怒鳴った。

「なにをデレ~っとやってんだ! 落ちたら(大関を)クビなんだぞ! わかってんのか?」

「はい」「はい」と答えた栃ノ心の表情がピリッとしたように見えたのは、気のせいか。知る限り、秋場所中の朝稽古で、親方が激しく叱責(しっせき)したのは、この1度だけ。

師弟や。恐れ入りました。

【加藤裕一】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

元貴乃花親方最後の弟子貴正樹「貴の字変えません」

貴正樹(18年10月3日撮影)

「この子は強くなります。信念がただ者ではない子です」。先月1日、日本相撲協会退職が決まった元貴乃花親方(元横綱)が、自身の応援会サイト内のブログを更新。最後の弟子となる東序ノ口16枚目貴正樹(19=千賀ノ浦)を褒めた。

ブログを見た貴正樹は、困惑しながらも「うれしかった」と回顧する。師匠の言葉で印象に残っているのは「よく食べてよく寝ること」と、部屋頭の小結貴景勝と同じ回答。規則正しい生活が、成長への最大の近道だと教わってきた。

千賀ノ浦部屋での初稽古で、初めて三番稽古(同じ相手と続けて相撲を取る)を行った。3月に初土俵を踏んでから、旧貴乃花部屋での稽古は四股やすり足など基礎運動だけ。新師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「相撲を取らずに場所に出ていたのか」と仰天した。体ができるまでは相撲を取らせないという前師匠の方針だったという。中学時代はソフトテニス部で昨年まで体重は約70キロ。師匠の教えを守り、白米をかき込んだ。数日前、体重計に乗るとメーターは120キロ近くまで揺れていた。

今場所は2勝1敗と白星が先行する。出世を続けても「貴の字は変えません」。「平成の大横綱」23人目の教え子は、力強く言い切った。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

琴奨菊、ソフトバンク内川から「日本一のバトン」

琴奨菊の勝利を喜ぶソフトバンク内川(2018年11月12日撮影)

福岡出身で地元場所の琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)が、日本一になったプロ野球ソフトバンク内川聖一内野手(36)から刺激を受けた。2日目の12日。観戦に訪れた内川と、会場を去る前にがっちり握手を交わした。琴奨菊は「力をもらった」と感謝。内川から「日本一のバトンを渡したと思っている」と2度目の優勝を求められたという。

不定期ながら連絡を取り合う間柄だ。日本シリーズ開幕前日の10月26日。広島市内で平幕嘉風、ソフトバンク上林を交えて食事した。内川の「短期決戦は勝率5割以上が求められるけど、打率は3割で十分」という話にヒントをもらった。相撲は番付上昇に最低限勝ち越しが必要だが、野球はどんな好打者でも失敗が成功を上回る。そこから星勘定に頓着しすぎないことを学んだ。

さらに「会場の盛り上がりや演出は相撲も見習うところがある」とも言う。ヤフオクドームで行われた同月31日の日本シリーズ第4戦を一塁側で観戦し、スタメン発表の演出やイニングごとのMCは、取組ごとに間合いが空く大相撲でも参考になるという。「これからも長く付き合いたい仲だよね」。互いに刺激し合って、角界と球界を盛り上げていく。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

井上尚弥弟の拓真、世界初挑戦は王者の緑コーデで

4回のスパーリングを消化したWBC世界バンタム級5位井上拓真(左)(撮影・藤中栄二)

ボクシングWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25)の弟で、WBC世界同級5位拓真(22=ともに大橋)が同団体ベルトを意識した緑でコスチュームを統一する。30日に東京・大田区総合体育館で同級2位ペッチ・CPフレッシュマート(25=タイ)との同暫定王座決定戦を備え、8日は横浜市の所属ジムで4回のスパーリングを消化。トランクス、ガウンともにWBCのグリーンとホワイトを選択したことを明かした。

兄尚弥に続く世界王者を目指す30日の世界初挑戦に備え、井上拓はトランクス、ガウンともにグリーン、ホワイトを選択したことを明かした。「もちろんWBCベルトが緑なので。それが理由です」と声を弾ませた。9月のWBC指名挑戦者決定戦では緑色のラインを入れたヘアで臨み「今回はどうしようかと。緑も考えています」。既にWBCベルトを巻くイメージが出来上がっている。

この日は尚弥が動画撮影を担当する中で、4回のスパーリングに取り組んだ。テーマは「気持ちに余裕を持って冷静にいくこと」(井上拓)。ペッチと同じ長身サウスポーの練習パートナーに対し、自身の距離を保ちながら、強烈な右、左右の連打を打ち込んだ。「ペッチとはかみ合うスタイル。いい調整ができています」と自信にあふれた表情を浮かべた。

マッチメークが6カ月近く難航していた同級1位ウバリ(フランス)と同級3位ウォーレン(米国)による正規王座決定戦は今月22日に米ニューヨークで開催されることが決まった。井上拓が暫定王座をつかめば、いずれ正規王者との統一戦が待ち構える。「その先の戦いがあるだけ。目の前の試合に勝ちます」とクールな井上拓は今月に入って本格的な減量も開始し「飢えた感じになってきています」。心身とも充実した状態で、緑のWBCベルトに照準を合わせている。【藤中栄二】

弟拓真(右手前)のスパーリングを動画撮影しながらアドバイスを送るWBA世界バンタム級王者井上尚弥