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新十両美ノ海「締め込み」に四苦八苦

名古屋場所2日目、翔猿(右)を押し出しで破る美ノ海(撮影・鈴木正人)


 幕下以下の力士が関取になるには壁がある。新十両美ノ海(25=木瀬)も今場所、それを味わった。11日目で決まった負け越し。3日目からの6連敗が響いた。パワー、スピード、技術…。いろんな敗因はあるが、思わぬ悩み? もあった。「締め込みにやっと慣れてきました。最初は息ができないほど苦しくて…。ガチッと締まりすぎて動きにくいんです」-。

 幕下までは本場所も、素材が木綿で価格1万5000円前後の「稽古まわし」を使う。関取が締めるのが「締め込み」だ。相場は100万円前後。一般的には後援者らが業者を通じて、関取に贈る。問題は素材だ。絹100%。フィット感がアバウトな綿素材と違い、体に張り付き、締まる。

 西幕下2枚目炎鵬(23=宮城野)も新十両だった春場所、締め込みに大苦戦した。「僕は15日間、締め方が決まらなかった。腰が入りづらく、動きがすごく制限される。特に小兵力士はみんな、苦労するんじゃないですか?」。十両復帰が有力な来場所では、巻く回数を4周から3周にすることを考えている。

 勲章が“難敵”になることもある。関取になるのは大変だ。【加藤裕一】

ワースト陥落も前向く希善龍

希善龍(2017年1月16日撮影)


 東十両13枚目の希善龍(33=木瀬)が、屈辱的な記録樹立が濃厚な状況にも、前を見続けている。今場所は元十両の須磨ノ富士の8度を抜き、史上最多9度目の十両昇進で迎えた。過去8度の十両では1度も勝ち越しがなく、初の勝ち越しを目指して臨んだが、10日目に早々と負け越し。12日目には9敗目を喫し、来場所は史上単独1位となる9度目の幕下陥落が濃厚だ。だが「(39歳の)安美錦関を見ていて、まだまだやれるという気持ちはあるし、幕内という目標は持ち続ける」と、力強く話した。

 十両と幕下の間には、待遇に大きな違いがある。十両以上には給料が発生し、部屋では個室が与えられ、付け人が同行。一人前として扱われる。稽古でも、幕下以下は黒まわし、十両以上は白まわしを着ける。希善龍は「(十両以上が本場所や巡業で着ける)締め込みや、白まわしの方がパリッと気持ちも引き締まる」と、誇りを持っていた。

 だからといって、陥落を屈辱とは思っていない。「大部屋だろうが個室だろうが気にしない。今場所は9敗してから変な硬さがなくなって連勝。そう考えると、まだ成長の余地がある。9回落ちることより、それでも諦めない気力が持ち味だと考えたい」と笑顔。10度目の十両昇進は遠くはなさそうだ。【高田文太】

不覚!ショーグンが代役出場選手にKO負け UFC

スミス(左)に打撃で追い込まれたショーグンPhoto by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images 

<UFCファイトナイト134大会>◇22日(日本時間23日)◇ドイツ・ハンブルク・バークレイカード・アリーナ


 メインイベントのライトヘビー級5分5回で、同級8位マウリシオ・ショーグン(36=ブラジル)が代役出場の選手に1回KO負けを喫する不覚を取った。

 2週間前に出場が決まったアンソニー・スミス(29=米国)を迎え撃ったが、試合開始直後、スミスの軽く振り上げた前蹴りをアゴに浴びてダメージが蓄積。反撃に出ると相手のカウンターパンチを側頭部に受けてふらつき、そのまま連打を浴びて倒れたところで、レフェリーストップとなった。1回1分29秒、KO負け。元UFCライトヘビー級王者で、PRIDE時代は「踏みつけ大将軍」の愛称で活躍したショーグンが、まさかの89秒で敗れる波乱だった。

 当初は同級2位ヴォルカン・オーズデミア(28=スイス)と対戦予定だったが、ビザの問題で試合不可能となり、対戦相手がスミスに変更となっていた。

スミス(右端)とグータッチするショーグン(左端)Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images 

井上尚弥が帰国、WBSSの「目標は優勝しかない」

ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)での優勝を目指し1本指を立てポーズを決める井上尚(撮影・横山健太)


 ボクシングWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が23日、階級最強を決める賞金争奪トーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)抽選会の開催されたロシア・モスクワから帰国した。

 抽選会では元WBAスーパー王者で同級4位のフアンカルロス・パヤノ(34=ドミニカ共和国)を自ら指名し、対戦が決定。現地でパヤノと交流し「キャリアがあるし、オーラもありました。1つ1つのコメントにも気持ちと覚悟を感じましたね」と、拳を交える元WBAスーパー王者に敬意を表した。

 所属ジムの大橋秀行会長によれば、初防衛戦となるパヤノとのWBSS1回戦の開催日時、会場などは8月に入って発表するという。日本人で初参戦となるWBSS。今トーナメントにはWBO、IBF、WBAスーパー王者が出場しており、優勝すれば3団体統一王者になれる。

 井上は「ボクシング=トーナメントのイメージはわかないと思いますが、次、次と決まっているし、モチベーションは上がりっぱなしですね。目標は優勝しかないです。内容にもこだわっていきたい」と決意を口にした。

 また抽選会翌日の21日にモスクワで開催されたクルーザー級4団体王座統一戦も約2万人の観衆とともにリングサイドで視察した。WBO王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)に勧められ、一緒にポテトチップスを口にしながら試合チェックしたという。

 テテに加え、WBAスーパー王者バーネット、IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)とも会場で顔を合わせ「自分への期待も高まりましたね」とやる気満々だった。

ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)での優勝を目指し1本指を立てポーズを決める井上尚(左)と大橋会長(撮影・横山健太)
モスクワからの移動疲れを感じさせないやわらかな笑顔を見せる井上尚(撮影・横山健太)
対戦相手が決まり力強い表情で意気込みを語る井上尚(撮影・横山健太)

英乃海、翔猿、海猿…えっ3兄弟!?

英乃海


 某インターネット大相撲中継チャンネルが初日の8日、十両英乃海は「実の弟に十両の翔猿と序二段の海猿がいる」と紹介した。ん? 翔猿は確かに弟だが、海猿は…。早速、海猿に話を聞くと「今日で10回以上は言われてますよ」と苦笑いした。続けて「正也(翔猿)さんが詳しく知っています」。

 取組後、翔猿に事情を聴くと笑顔で明かしてくれた。海猿は16年初場所で、「海渡」のしこ名で初土俵を踏んだ。涼しげで切れ長の目が、自分と似ているということもありかわいがった。時にはツーショット写真を撮って、自身のインスタグラムなどに「弟です」などと投稿。伏線は張られていた。

 そして、春場所後の春巡業で翔猿が、芸人のゆんぼだんぷ藤原らに海渡を三男だと冗談で紹介。タイミング良く? 春場所で海渡は「海猿」に改名。「英乃海の海と翔猿の猿を取って海猿にしたんです」と、作り話をした。それをゆんぼだんぷ藤原が、ツイッターで拡散して冗談話が独り歩きしてしまい世に広まった。

 間違いではあるが、翔猿は全く気にする様子はなく「今度は3人で写真撮ります」と今後も“3兄弟”をアピールするという。皆さん、間違わないようお気を付け下さい。【佐々木隆史】

翔猿
新弟子検査時の海猿(2016年1月6日撮影)

横審「責任を感じてほしい」3横綱と栃ノ心に注文

横綱審議委員会を終えて会見に臨んだ北村正任委員長は、休場が続く稀勢の里について「本人が言っているように次の場所での出場に期待したい」との見解を述べた。右は芝田山理事(撮影・小沢裕)


 大相撲の横綱審議委員会(横審)の定例会が23日、東京・両国国技館で開かれた。

 22日に千秋楽を迎えた名古屋場所では、19年ぶりに3横綱全員と大関1人が休場。北村正任委員長は「非常に異常な場所」と前置きした上で、休場した3横綱と新大関栃ノ心について「相撲界を背負っている立場の人間として反省してほしい。責任をそれなりに感じてほしい」と注文をつけた。

 横綱として史上単独1位の8場所連続休場となった、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)については、激励、注意、引退勧告などの決議はなかった。実は「激励の決議をしたらどうかという話もあった」(北村委員長)という。だが北村委員長は「激励することによって、何か意味があるのか、あまり意味がないのでは、ということになった。それなりの土俵を、きっちりと務めてほしい。何勝何敗ならいいというものではない」と、重圧ばかりかける可能性がある決議は「なし」となった。

 北村委員長の「本人が次の場所『やる』と言っているのだからそれを尊重したい。何とか気力を持続して、復帰を実現してほしい」というコメントをはじめ、横審の各委員からは、稀勢の里の復活に期待する声が相次いだ。山内昌之委員は「人の地位、職域については慎重に進める(べき)もの。横綱の地位、考えを決断するのは横綱自身。(そういう)大変重い地位なんです」と語り、宮田亮平委員も「次回は期待に応える仕事をしてもらいたい。それは優勝しかないでしょ」と話していた。

大相撲名古屋場所後に行われた横綱審議委員会。左から2人目が北村正任委員長、右から2人目が八角理事長(撮影・小沢裕)

ファンの声に「いいよ」二所ノ関親方の写真

10日、名古屋場所の会場に姿を見せた二所ノ関親方


 昨年10月に頭部を手術した二所ノ関親方(61=元大関若嶋津)が、3日目に取材に対応した。一時は意識不明の重体で、安否を気遣うファンの声は多数。名古屋場所の会場内を、つえなどを使わず自力で歩く中、そんなファンの声を伝えると、二所ノ関親方は「そうか、いいよ」と、写真撮影に快く応じた。手術後、初めての取材対応だった。

 実は3月の春場所前の時点で、会話もできるほど回復していた。だが、それが知れ渡ると、見舞客が後を絶たなくなる可能性があった。当時、ある部屋関係者に「話せるとはいっても、まだ流ちょうではないし、体力を使うので、その情報を出すのは控えてほしい。親方は気を使う人。見舞いに来てくれた方には、一生懸命応対してしまうから」と言われた。見舞客の応対で体調を悪化させては本末転倒。記者失格かもしれないが静観することにした。

 今回、二所ノ関親方が取材に応じたと複数の部屋関係者に伝えると、いずれも「ぜひ報じてください」と返答された。自転車で転倒した際に左脳を強く打ち、右半身はやや反応がにぶいという。だが補助付きではない普通のはしも使いこなし、家族との散歩が日課で稽古にも顔を出すという。部屋関係者の明るい対応に、今後のさらなる回復を確信した。【高田文太】

K1卜部弘嵩、婚約者食事サポートが大将戦勝利導く

卜部弘嵩(左)と婚約者の高橋ユウさん(C)M-1 Sports Media


 第2代K-1スーパー・フェザー級王者の卜部弘嵩(29)が、婚約者・高橋ユウさんと共にK-1王座返り咲きを目指す。「Krush・90」の一夜明け会見が23日、都内で行われ、決意表明した。

 前日、東京・後楽園ホールで行われた大会では、日本-中国・7対7全面対抗戦の大将戦を勝利で締めくくった卜部弘。婚約者の高橋さんがリングサイドで観戦し、試合終了直後には日本テレビのバラエティー番組「行列のできる法律相談所」でプロポーズの模様が放送された。

 高橋さんがK-1の試合を見に来たことがきっかけで交際を始めた2人。この日の会見で卜部弘は「今回の試合も階級を落とすということで、けっこう食事面で神経質になるところがあった。でも、そういう食事や細かいルーティンのこともしっかり理解して、すごくサポートしてくれた」と結婚前に早くも”内助の功”があったことを明かした。

 試合と番組の放送日が重なったことについては「K-1をより多くの人に広められたと思う」とする一方、「僕も年齢が29歳で、しっかりケジメをつける良いタイミングだったと思う」と話した卜部弘。今回は階級を変えて心機一転、「また行くぞ!って気持ちもあった。昨日の相手(シュエ・シェンジェン)は本当にタフで強い選手だったが、勝ちに対する執念で僕が上回った。それだけ僕にとって大事な試合だったので、今は勝ててホッとしている」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 そして、今後の目標として「昨日のリング上でも話した通り、K-1フェザー級のタイトルだけを見て突っ走っていく」と王座返り咲きを改めて誓った。

井上尚弥初戦はパヤノ オールKOで「最強証明」だ

自ら1回戦の相手に指名したパヤノ(右)と向き合うWBA世界バンタム級王者井上(左)


 ボクシングWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が今秋開幕する、階級の最強選手を決める賞金争奪トーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)1回戦で、元WBA同級スーパー王者の同級4位フアンカルロス・パヤノ(34=ドミニカ共和国)と対戦(初防衛戦)することが決まった。20日(日本時間21日)、ロシア・モスクワで開催されたWBSS抽選会に出席し、自らパヤノを指名した。試合日時、会場は後日発表となる。

 現地時間午後9時にモスクワのロシア・シアターで始まった華やかな抽選会。レッドカーペットを歩いて会場入りしたグレーのスーツ姿の井上は「モンスター」と紹介され、他7選手とともに登壇した。先に第1シードのWBAスーパー王者バーネットに元5階級制覇王者ドネアを指名されたため、第2シードとしてパヤノを相手に選択した。

 「一番戦いたかったのはドネア選手だったがバーネット選手に先に選択されてしまったので、元スーパー王者で実績のあるパヤノ選手を指名した」と振り返るが、相手にとって不足ない。井上よりもリーチが5センチも長い169センチで「ベビー・パッキャオ」の愛称を持つ。「キャリアはある選手なので、そこは気を抜かずにしっかり戦いたい」と、まず初戦突破への意識を高めた。

 空位となるWBC以外の世界王者がそろったトーナメント。1回戦は現役王者がシードされたが、準決勝以降の組み合わせ方法は未定で、団体統一戦になる可能性が高い。「日本では統一王者も、トーナメントに出る選手も少ない。他の日本人王者とは違うステージに来られたことを誇りに思います」と感慨深げ。WBSSが世界のファンから注目されていることを肌で感じた抽選会でもあった。

 井上 ファンが望むKO決着はもちろん、さらに評価を上げるような試合を世界中に発信したい。また準決勝、決勝とすべてKOで優勝を果たしてバンタム級最強を証明したい。

 「天下一」の称号を手にするため、まずはパヤノ戦に集中する。

 ◆ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ 昨秋からスーパーミドル級とクルーザー級で初開催された各階級の最強選手を決める賞金争奪トーナメント。リチャード・シェイファー氏、カレ・ザワーランド氏の米独両プロモーターが企画し2階級とも8選手が出場。ファイトマネーが高額な中・重量級のため、賞金総額5000万ドル(約55億円)、優勝賞金1000万ドル(約11億円)だった。シーズン2として今秋からバンタム級、スーパーライト級で開催。

貴乃花親方、貴ノ岩の十両Vにも「力強さが必要」

十両優勝した貴ノ岩(右)は師匠の貴乃花親方に報告する(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇22日◇ドルフィンズアリーナ


 復帰3場所目の貴ノ岩(28=貴乃花)が、13年以来2度目の十両優勝を果たした。本割の旭秀鵬戦で敗れ、2敗で並んだ隆の勝との優勝決定戦で、相手の押しに負けず引き落としで勝った。「肩の力を抜いて思い切りやれた」と胸をなで下ろした。29日から始まる夏巡業にも、昨年10月の秋巡業以来の参加予定だ。

 昨年10月に元横綱日馬富士関に酒席で暴行を受け、九州場所と初場所を休場した。相撲協会からの特別措置で、春場所は十両最下位格に据え置かれた。春場所は8勝7敗。夏場所は11勝4敗と、本来の状態へ上げてきた。

 休場以前から現在の体重の増減は2~3キロで「(休場前から状態は)ほとんど変わらない。場所前の稽古をしっかりやれた証拠」と、胸を張った。師匠の元横綱貴乃花親方は「結果は良かった」とうなずく一方で「以前の力強さは戻っていない。70%くらいですかね。28歳といい年なので今までにない力強さが必要」と注文を出した。

 秋場所で5場所ぶりの幕内復帰が確実となった。「基本の稽古を心掛けてきた。1枚でも上を目指して精進し、次は三役を目指して頑張る」と意気込んだ。【佐藤礼征】