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あと1回… 床鳴「稀勢の里の大銀杏」思う

18年9月、稀勢の里(手前)と床鳴

年寄荒磯を襲名した元横綱稀勢の里の引退に、入門以来、まげを結ってきた床山の床鳴(43=田子ノ浦)は、人一倍さみしそうにしていた。引退から数日後の朝稽古後のこと。「横綱の大銀杏(おおいちょう)を結うのも、あと1回か…」とつぶやいた。原則として、9月29日の断髪式が今後唯一の大銀杏になる。こみ上げるものがあった。

荒磯親方が初めて大銀杏を結った日のことは、今も鮮明に覚えているという。「まだ幕下でしたが、巡業で初めて十両の土俵に上がる時でした。当時から、すごく大銀杏の似合う人でした」。当時から風格が漂っていたという。当時は17歳、四股名は本名の「萩原」だった。

同親方が入門したころは「剛毛というか、髪の量が今の2倍ほどあった」と振り返る。だが「激しい稽古ですり切れて、量も少なくなって、髪質も細くなる。でも、それが出世にはつきものですから」。2度の優勝時も、引退を決断した今場所3日目も、稀勢の里は常に物静かな床鳴にまげを結ってもらい、取組後の興奮を抑えてきた。荒磯親方になった今も、名残惜しそうに毎日、まげを整えに部屋に現れている。【高田文太】

白鵬「休場明けの相手」頭にあった/大ちゃん大分析

御嶽海(右)に押し出しで敗れ、驚いた表情を浮かべる白鵬(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇11日目◇23日◇東京・両国国技館

左膝付近の負傷で7日目から休場していた小結御嶽海(26=出羽海)が、全勝で42回目の優勝へ突っ走っていた横綱白鵬を押し出した。休場明け最初の取組で、横綱を倒すのは52年初場所の横綱東富士以来67年ぶり。

  ◇   ◇   ◇  

白鵬からすれば、御嶽海があんなに前に出てくるとは思わなかっただろう。休場明けの相手だ。変化はないだろうし、そこまでの圧力もない、というのが頭にあったはず。あれやこれやと気を回しすぎたのかな。それが、ここまでの立ち合いの踏み込みを奪った。突き返した時は上体が起こされて突っ張りきれない。前傾姿勢の御嶽海に防戦一方では、いくら運動神経のいい白鵬でも対応できない。気がつけば土俵を割っていた、という感覚だろう。元気いっぱいの御嶽海とやっていたら、また違う展開になったはずだ。

これで玉鷲が1差。よもや1差で今日の白鵬戦を迎えるとは思わなかったろうが、ここは欲を出さず関脇として10勝、11勝と星を伸ばすための一番、という気持ちで向かってほしい。34歳でケガなく突き押しに徹する相撲は尊敬に値する。最年長大関を目指すつもりで土俵を沸かせてほしい。(日刊スポーツ評論家・高砂浦五郎=元大関朝潮)

白鵬(左)を押し出しで破る御嶽海(撮影・河田真司)

井上岳志が絶対王者候補ムンギア挑戦「勝つイメージできている」

WBO世界スーパー・ウェルター級3位の井上岳志(29=ワールドスポーツ)が26日(日本時間27日)、米国テキサス州ヒューストンで同級王者のハイメ・ムンギア(22=メキシコ)に挑戦する。近い将来のスーパースター候補と目されているムンギアが相手だけに、井上にとって厳しい戦いが予想されている。しかし、井上は「超接近戦を仕掛けてタイトルを持ち帰る。勝つイメージはできている」と自信をみせている。

154ポンド(約69.8キロ)を体重上限とするスーパー・ウェルター級は世界的な選手層が厚いことで知られる。80年代以降、シュガー・レイ・レナード、トーマス・ハーンズ、オスカー・デラ・ホーヤ、フロイド・メイウェザー(いずれも米国)、サウル・カネロ・アルバレス(28=メキシコ)といった歴史に残るような名王者たちもベルトを保持していた階級だ。また、マニー・パッキャオ(40=フィリピン)が6階級目の王座獲得を果たしたクラスでもある。

現在、そんな階級でムンギアはWBO王座に君臨しているわけだが、この22歳は世界王者でありながら成長途上にあるとみられている。このまま伸びていけば2~3年後には手のつけられない絶対王者になる可能性があると期待されているのだ。

ムンギアは11歳でボクシングを始め、アマチュアで120戦111勝9敗を記録。13年7月に16歳でプロデビュー後は5年半に31戦して全勝(26KO)をマークしている。約84パーセントのKO率が示すとおりの強打者で、183センチの長身から繰り出す右ストレートに加え左フックの上下打ちなど攻撃は多彩だ。昨年5月の戴冠試合では4回TKO勝ちを収めるまでに4度のダウンを奪い、元王者を相手にしての初防衛戦は判定勝ちに留まったが、6回にはダウンを奪っている。V2戦では3回TKO勝ちを収めている。右を顔面に決めて倒したあと左フックをボディにめり込ませてダウンを追加するという圧勝だった。

対する井上はアマチュアで55戦(39勝21KO16敗)したあと14年8月にプロに転向。日本王座、東洋太平洋王座とWBOアジアパシフィック王座を獲得した試合を含め、4年半で14戦13勝(7KO)1分の戦績を収めている。身長は174センチで、その体を低く構えて接近、ボディから顔面にパンチを打ち分けるスタイルを持つ。

井上は「ムンギアは体にバネがあってパンチは群を抜いて強い。中間距離の戦いでは相手の方が上なので、体をつけた超接近戦に持ち込みたい」と話す。ワールドスポーツジムの齊田竜也会長は「相手が左を打ってくるところに右を合わせる。そして接近戦でボディを攻めたい」と策の一端を明かす。陣営は「ヒット&ジョロウ蜘蛛作戦」と名付けた近距離での戦いに活路を見出すつもりだ。

16対1というオッズが出ているように、飛ぶ鳥を落とす勢いのムンギア有利は動かしがたいが、若い王者は攻防ともにまだ粗削りでもある。そこに井上が付け入るスキがありそうだ。

日本人ボクサーとしては昨年7月、伊藤雅雪(28=伴流)が37年ぶりに米国(フロリダ州キシミー)で世界王座(WBOスーパー・フェザー級)を獲得したが、1カ月後にはアリゾナ州グレンデールでWBOスーパー・バンタム級王座に挑んだ大竹秀典(37=金子)が1回TKO負け。10月には村田諒太(33=帝拳)がネバダ州ラスベガスでWBA世界ミドル級王座を失い、今年1月19日には高橋竜平(29=横浜光)がニューヨークでIBFスーパー・バンタム級王座に挑んで11回TKO負けと、日本勢は伊藤以降、米国のリングで結果を残せていない。井上はその流れをも止め、世界王座を持ち帰ることができるか。井上が勝てば日本では輪島功一(三迫)、工藤政志(熊谷)、三原正(三迫)、石田順裕(金沢)に次いで5人目のスーパー・ウェルター級世界王者となる。

ブライアン「この世の寄生虫だ」ビンス会長ら罵倒

リング上にいるマクマホン会長、挑戦者AJスタイルズを罵倒するWWEヘビー級王者ブライアン (C) 2019WWE,Inc.AllRightsReserved

<WWE:スマックダウン大会>◇22日(日本時間23日)◇米カンザス州ウィチタ・イントラスト・バンク・アリーナ

WWEヘビー級王者ダニエル・ブライアン(37)が、ビンス・マクマホン会長、挑戦者AJスタイルズ(41)を罵倒した。

27日のPPV大会ロイヤルランブル(米アリゾナ州フェニックス・フェイス・フィールド)で前王者AJスタイルズとの防衛戦を控える。リング上でビンス・マクマホン会長(73)、AJスタイルズが待ちかまえるにもかかわらず、ベルトを肩にかけたブライアンは場外に居座り「AJスタイルズと同じリングに上がりたくない」と罵倒した。

AJスタイルズからは「それは『恐れ』が原因だ、ブライアン。お前は今日、そしてロイヤルランブルで何が起こるか恐れているんだ」とメンタル面を指摘され、同会長がリングに上がるように命令されても、まったく聞く耳を持たず。ブライアンは「ビンスやベビーブーム世代はこの世の寄生虫だ!」とWWE最高権力者が会場のファンまでも敵視し、侮辱した。

「リングでにらみ合いする必要はない」としびれを切らした挑戦者に場外で追い回された。たまらずリングに上がったブライアンは、同会長を盾にしてフェノメナル・フォアアームを回避。カウンターでニープラスを打ち込んでAJスタイルズを迎撃した。一撃を食らわしたブライアンは場外へと逃げ込み、ベルトを持ってその場を後にした。

リング上にいるマクマホン会長(右奥)と挑戦者AJスタイルズ(左奥)をリング下で見つめるWWEヘビー級王者ブライアン (C) 2019WWE,Inc.AllRightsReserved

「これはワシのもん」王者アスカが挑戦者と殴り合い

挑戦者リンチ(右手前)にベルトを誇示するスマックダウン女子王者アスカ (C) 2019WWE,Inc.AllRightsReserved

<WWE:スマックダウン大会>◇22日(日本時間23日)◇米カンザス州ウィチタ・イントラスト・バンク・アリーナ

スマックダウン女子王者アスカ(37)がドスのきいた大阪弁で挑戦者ベッキー・リンチ(31)を挑発し、殴り合いを展開した。27日のPPV大会ロイヤルランブル(米アリゾナ州フェニックス・フェイス・フィールド)で両者は激突する。

男前な振る舞いで「ザ・マン」の愛称を持つ前王者のリンチから「『ザ・マン』にとって(最大の祭典)レッスルマニア35のメインイベントが重要だ! あと5日でロイヤルランブル。私はまだアスカにフォールを奪われたわけではない。タイトルを取り戻すぞ」とほえると、ベルトを持ってアスカが登場した。

ホワイトのスマックダウン女子王座ベルトを左手で掲げながら「これはワシのもんじゃ。お前には無理じゃ」で大阪弁でまくし立てた。さらに入場口には、27日のPPV大会で30人出場の女子ロイヤルランブル戦への参戦を表明した元王者シャーロット・フレアー(32)も姿をみせ「ロイヤルランブル戦優勝が楽しみだわ! 昨年のレッスルマニアでは私が(王者として)アスカのWWE連勝記録を止めたわね」と余裕の表情を浮かべた。

王者経験者2人の挑発に耐えかねたアスカはリングにいたリンチを背後から襲撃。パンチを見舞った後、バリケードや解説席を使った乱闘にまで発展。PPV大会での一騎打ちを前に、さらに遺恨を深めていた。

玉鷲トップに並ぶぞ!白鵬戦へ「思い切っていく」

琴奨菊(左)を押し出しで破る玉鷲(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇11日目◇23日◇東京・両国国技館

玉鷲が対戦成績6連勝中だった琴奨菊を下し、2敗を守った。

土俵際に追い込まれてから体を入れ替え、しゃにむに反撃、最後は右肩の“ショルダータックル”で押し出した。「しっかり残ったのは覚えてるけど、その後は覚えてない」。12日目は、自分の取組後に初黒星を喫した白鵬と直接対決。優勝争いの意識は「頭から外して」と言い「明日はもう思い切っていきたい」。対戦成績13戦全敗の相手から初白星となれば、V戦線でトップに並ぶ。

琴奨菊(右)の攻めを土俵際でこらえる玉鷲(撮影・丹羽敏通)

御嶽海、北勝富士ら「花のヨン組」が盛り上げる

 若武者が名古屋の土俵を盛り上げている。初日に横綱を倒した24歳の御嶽海と大関初挑戦で初勝利を挙げた24歳の北勝富士、自己最高位の東前頭4枚目で2連勝の25歳宇良は、いずれも平成4年生まれで、しかも15年春場所に初土俵を踏んだ同期だ。

 「花の○○組」といえば「ロクサン組」を思い浮かべる方は少なくないだろう。昭和63年春場所で初土俵を踏んで活躍した力士たちの総称だ。元横綱の曙、3代目若乃花、貴乃花、元大関魁皇らを中心に一時代を築いた。他にも昭和28年生まれの元横綱の北の湖、2代目若乃花、関脇麒麟児らの「花のニッパチ組」なども知られている。

 今まさに「花のヨン組」が盛り上げている。2日目には、御嶽海と北勝富士の元学生横綱同士の対決が組まれた。勝った関脇御嶽海は「(北勝富士は)強いです。(対戦は)うれしい。いい方向に気合が入っている」とうなずいた。自己最高位の西前頭2枚目の北勝富士は「意識しないようにしたけど」と唇をかんだ。

 平成4年生まれには、新十両翔猿や十両大奄美ら他にも有望株がいる。20代半ばで脂が乗ってきた彼らが、近い将来の相撲界を引っ張っていくような気がしている。【佐々木隆史】

井上岳志が公開練習で万全「戦う用意はできている」

井上岳志

ボクシングWBO世界スーパーウエルター級3位井上岳志(28=ワールド)が、23日に米ヒューストン市内のジムで公開練習に臨んだ。26日に王者ハイメ・ムンギア(22=メキシコ)のV3戦で世界初挑戦する。

井上はシャドーを披露するにとどまったが、20日に現地到着後は現地のジムで最終調整してきた。前日までに会場となる1万8000人収容のトヨタセンターを視察、メディカルチェックも終えた。「時差ぼけもなくなり、いい仕上がりになった。戦う用意はできている」と準備は万全とした。

井上は173センチで身長差は10センチ差ある。フェイスオフでは見上げる格好になったが「昔から近い距離で戦ってきた。うまくかみ合うと思う。米国デビューができ、世界にも中継されることは光栄でうれしい。日本のファンの期待に応えたい」と意欲を示した。

ムンギアはリングに上がったが、体を動かすことはなく、写真撮影に応じただけだった。インタビューには「すばらしいショーを見せて防衛する。今年は4試合したい」と答えた。

セミではWBA世界フェザー級タイトルマッチで、王者ヘスス・ロハス(プエルトリコ)がツァン・シュー(中国)の挑戦を受ける。

出場停止中のヴェウドゥムが海で溺れた男児を救助

ファブリシオ・ヴェウドゥム(2006年5月5日撮影)

PRIDEにも参戦した元UFCヘビー級王者ファブリシオ・ヴェウドゥム(41=ブラジル)が海で人命救助を行ったと、22日に複数の米メディアが報じた。

米カリフォルニア州トーランスの自宅近くのビーチで家族とくつろいでいた時、波にのまれた子供を助けたという。「消防隊の車が家の前で止まった。海を見ると、2人の子供がおぼれていた。すかさず『助けに行くぞ』と叫んだ。妻は止めたが、男の子を救助できた」と振り返った。ヴェウドゥムは昨年4月のドーピング検査で陽性反応を示し、20年5月22日まで2年間の出場停止処分を受けている。

イタミ3WAY前哨戦を制す、必殺技でフォール奪う

クルーザー級王座前哨戦で戸沢陽(右)を裸絞めで攻め込むヒデオ・イタミ (C) 2019WWE,Inc.AllRightsReserved

<WWE:205 Live大会>◇22日(日本時間23日)◇米カンザス州ウィチタ・イントラスト・バンク・アリーナ

WWEクルーザー級次期挑戦者3人による前哨戦は、元ノアKENTAことヒデオ・イタミ(37)が制した。

27日のPPV大会ロイヤルランブル(米アリゾナ州フェニックス・フェイス・フィールド)で、同級王者バディ・マーフィー(30)に戸沢陽(33)、カリスト(32)とともに挑戦者として4WAY形式の王座戦に臨む。

この日は挑戦者3人による3WAY前哨戦が組まれ、王者マーフィーが見守る中で開催された。めまぐるしく攻防が入れ替わり、マーフィーも試合途中に加入する荒れた展開だった。戸沢がトペ・スイシーダで介入した王者を粉砕。必殺技を巡る攻防ではカリストの雪崩式フランケンシュタイナーをすかした戸沢がダイビング・セントーンをかわされて自爆。その隙を突いたイタミが串刺しドロップキックでカリストを蹴散らすと、最後は戸沢に飛龍裸絞めの体勢から強烈なヒザを顔面にたたき込む必殺のサクラ・ニーストライクを成功させてフォールを奪った。試合前に「誰のためでもないぞ。自分のためにクルーザー級タイトルはもらう」と意気込んでいたイタミが、3WAY前哨戦を制してはずみをつけた。

カリスト(左端)に串刺しドロップキックを狙うイタミ(中央)。右下は戸沢 (C) 2019WWE,Inc.AllRightsReserved