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最年長40歳の安美錦900勝と勝ち越しかけ千秋楽

安美錦

<大相撲春場所>◇14日目◇23日◇エディオンアリーナ大阪

関取衆最年長の40歳、西十両11枚目安美錦(伊勢ケ浜)が、史上8人目の通算900勝に王手をかけて千秋楽に臨む。

この日は徳勝龍に押し出されて7勝7敗となったが「あと1日。勝ってきたような相撲で集中できれば」と、落ち着いて話した。4場所ぶりの勝ち越しがかかる節目の900勝には「来場所に持ち越しかな」と冗談っぽく話しつつ、まだ現役生活を続けたい心の内をかいま見せた。

今場所の安美錦は特に、取組後に大勢の報道陣に囲まれる。横綱貴乃花の最後の対戦相手で、自身も兄弟で幕内を務め、師匠で元横綱旭富士の伊勢ケ浜親方は父のいとこ。今場所6勝未満なら幕下陥落が濃厚、引退も-。そんな中で初日から4連敗したが、5連勝と立て直し「前半を考えれば引退発表していてもおかしくない」と笑っていた。

一方で東日本大震災から8年の2日目には「みんな一生懸命頑張っている。星があがらないぐらいで落ち込んでいる場合じゃない」と、故郷青森と同じ東北地方の仲間を思った。十両残留が濃厚な6勝目を挙げた11日目には「40歳にもなって、まだ緊張する」と、胸中を明かした。力士という特殊な環境にいながら、一般に近い感覚を持つ。40歳でなお、存在感は増している。【高田文太】

母校勝山高は実質部員ゼロ、若佐竹奮闘

記者の質問に答える若佐竹(撮影・河田真司)

<大相撲春場所>◇12日目◇21日◇エディオンアリーナ大阪

大関とりに挑む貴景勝の千賀ノ浦部屋が場所前稽古を行った勝山高。その相撲部OBでただ1人の大相撲力士が、大阪市平野区出身、東序二段16枚目若佐竹(20=西岩)だ。この日は敗れ1勝5敗となったが「学校も応援してくれているし、期待に応えたいです」。表情は明るかった。

高校相撲は埼玉栄、鳥取城北などが有名だが、競技人口は少ない。全国で相撲部がある高校は154校で総部員数は917人。ちなみに男子サッカー部は4058校、16万5351人(いずれも日本高体連HPから、昨年8月現在)。同相撲専門部の川村久夫事務局長は「小中学生らが相撲をとる各地域の道場などが頑張ってくれて、この10年間ほどは横ばい」という。大阪の公立高で唯一相撲部がある勝山高は今春、部員2人が卒業してマネジャー1人となり、実質0に。大谷登部長らが毎週土曜日、地域の子どもたちに土俵を開放して競技普及に励む。

若佐竹は高卒以上の新弟子入門基準ギリギリの身長167センチで角界入り。「これといってやりたいことがなく、でも相撲なら“やりきれるかな”と思って」。大きなことは言わないが、昨年2月にできた若い西岩部屋で、部屋頭として黙々と頑張る。その姿が母校に入部希望者を呼び込むかもしれない。【加藤裕一】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

元貴公俊の貴ノ富士、同じ過ちはしない精神面が成長

春場所8日目、水戸龍を寄り倒しで破る貴ノ富士(撮影・上田博志)

「付け人とのコミュニケーションで、去年と同じ間違いはしたくなかった」。今場所の初日を出した3日目の支度部屋。西十両13枚目貴ノ富士(21=千賀ノ浦)は、間を置きながら、淡々と決意を語った。付け人は、もともと千賀ノ浦部屋に在籍していた幕下舛東欧、1年前に入門した序二段貴正樹らがつき、サポートに徹している。貴ノ富士は「初めてついてくれたけど、ちゃんとついてくれている」と感謝した。

あれから1年がたった。昨年初場所で新十両を決めながら、この日と同じ春場所8日目の同年3月18日に付け人を暴行。謹慎処分を受け、幕下に陥落した。貴公俊(たかよしとし)から改名した1月の初場所で再十両を決めた。1年ぶりとなる十両の舞台は、ここまで3勝5敗。「全ての力を使ってもいいくらい、相撲だけに集中したい」と意気込んでいる。

場所前の2月23日には双子の弟、十両貴源治との「貴源治・貴ノ富士双子後援会」の発起会が行われるなど、背負うものが増えた。「自分のことよりも、応援してくれるいろんな人の思いも背負っている」。21歳。1年前より、精神面の成長を実感している。【佐藤礼征】

双子の弟・貴源治(左)と貴公俊時代の貴ノ富士(2017年4月30日撮影)

オカダ6年ぶりV、米でホワイトを「ぶっつぶす」

ニュージャパン杯で優勝しテープを浴びるオカダ・カズチカ(撮影・中島郁夫)

<新日本:長岡大会>◇24日◇新潟・アオーレ長岡

オカダ・カズチカ(31)がSANADA(31)との激闘を制し、13年以来2度目の優勝を果たした。新日本初の米ニューヨーク・マディソンスクエアガーデン(MSG、4月6日)大会では、メインでIWGPヘビー級王者ジェイ・ホワイト(26)に挑戦する。

オカダに歓喜の雨が降り注いだ。新潟出身SANADAコールが起こるアウェー。30分を超え、とどめを刺そうとコーナーに駆け上がるSANADAの足に必死にしがみついた。互いにツームストンパイルドライバーをかけ合い、いったんかわされた後、レインメーカーを発射。さらにもう1発完璧に決め、勝利をもぎとった。マイクを取ると「MSGでジェイ・ホワイトのクソ野郎をぶっつぶしてきます! 」と宣言。1月4日東京ドーム大会で敗れた借りを、プロレスの聖地で返す。

試合後、解説席にいた柴田勝頼のもとへ近寄った。ちょうど2年前の17年4月。IWGPヘビー級王者だったオカダは、ニュージャパン杯を制した挑戦者の柴田と両国大会で対戦。オカダが勝利し、試合後柴田は病院に搬送され、硬膜下血腫の重症を負った。以来長期欠場し、現在は新日本ロサンゼルス道場で指導を続ける。その柴田に勝利を報告すると「おめでとう。ニューヨーク行くから」と声をかけられ、目が潤んだ。バックステージで再び柴田について問われると、はなをすすり、流れる涙を何度も拭った。「勝てよ、と言ってくれた。しっかり、柴田さんに送り出してもらったんで」。思いを背負ってニューヨークの舞台に立つ。

昨年6月にIWGPヘビー級のベルトを失って以来、風船を持って入場したり、髪色を赤にしたりと迷走しながらも新しい自分の姿を探してきた。オカダはチャンピオンだった自分を「悪い意味でかっこつけているオカダカズチカだった」と振り返る。泥臭く、石井智宏らCHAOSの仲間も下して勝ち取った優勝で、さらに強さを身につけた。「チャンピオンになって日本に帰ってくる」。満を持して、5度目の戴冠に挑む。

ニュージャパン杯優勝トロフィーを前に記念撮影するオカダ・カズチカ(撮影・中島郁夫)
SANADA(左)にリバースネックブリーカーを決めるオカダ・カズチカ(撮影・中島郁夫)
SANADA(左)にレインメーカーを決めるオカダ・カズチカ(撮影・中島郁夫)

内藤哲也「好きなので」MSGでの飯伏幸太戦快諾

内藤哲也(右)と飯伏幸太(2019年3月8日撮影)

<新日本:長岡大会>◇24日◇新潟・アオーレ長岡

新日本プロレス初のマディソンスクエアガーデン(MSG)大会での内藤飯伏戦が浮上した。

IWGPインターコンチネンタル王者内藤哲也(36)と飯伏幸太(36)は8人タッグで対戦。

試合後、内藤への挑戦を希望している飯伏が「(内藤が昨日)場所を選べ、と。僕が選んでいいんですか。じゃあ、この先1番のビッグマッチ、僕もやったことのないMSGでぜひ試合をしたい」と要求。直後にそれを伝え聞いた内藤は「俺は想像のななめ上、つくばカピオを選択してくれるかと思ったけどね」とまっとうな会場チョイスにがっかりしつつも、「飯伏がMSGでやりたいというなら、断る理由はないね。基本的に飯伏と試合するのは好きなので」と快諾した。

この日はキレのある連続攻撃で攻められただけに「2倍、3倍にしてお返ししますよ。飯伏をしっかり沈めてやるよ、カブロン」と宣言。3月10日のニュージャパン杯1回戦に続く激戦となりそうだ。

井岡一翔が世界2位浮上、王座決定戦の可能性高まる

井岡一翔(2018年12月30日撮影)

ボクシング元世界3階級制覇王者の井岡一翔(30)がWBO世界スーパーフライ級2位に浮上した。22日(日本時間23日)、同団体の最新ランキングが発表され、4位から2ランクアップした。同級王者だったドニー・ニエテス(フィリピン)が王座返上しているため、同級1位アストン・パクリテ(フィリピン)との王座決定戦指令がWBOから出る可能性が高まった。

なお4月26日にWBC王者シーサケット・ソールンビサイ(タイ)に挑戦するフアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)は同級2位から名前が外れ、5月4日にIBF王者ジャーウィン・アンカハス(フィリピン)に挑戦する船井龍一(ワタナベ)は3位を維持。5位だった石田匠(井岡)が4位、6位だった江藤光喜(白井・具志堅スポーツ)が5位と、それぞれランクアップした。

照ノ富士が一緒にゲームなどした天風と序二段で対戦

序二段の取組で土俵に上がった照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇4日目◇13日◇エディオンアリーナ大阪

最高位が大関の照ノ富士(伊勢ケ浜)と前頭13枚目の天風(ともに27=尾車)が、序二段で対戦した。昭和以降、幕内経験者同士が序二段で対戦するのは初。幕内から序二段以下に番付を落とした力士は9人いるが、これまで対戦はなかった。結果は照ノ富士に軍配。左四つから右を抱えた照ノ富士が、最後は小手投げで2連勝とした。

観衆もまばらな午前10時半ごろの取組だったが、取組前から大きな拍手と歓声が起きた。西序二段48枚目の照ノ富士は両膝の手術や内臓疾患で5場所連続、同50枚目の天風は右膝の手術で4場所連続で休場していた。4度目の対戦で1勝3敗とされた天風は「パワーがある」と完敗を認めた。

実は2人は15歳から知り合いだった。鳥取城北高入学前の照ノ富士が、モンゴルから初来日した際に1週間、相撲部屋体験として尾車部屋で寝泊まりし、一緒にゲームなどもした間柄。照ノ富士は「相撲部屋はこういうものと教えてくれた友だち。そういうのを当たるたびに思い出す」と、しみじみ語った。天風も「楽しかった。思い出の一番になった」と笑顔だった。

2人を超える序ノ口まで番付を落とした元幕内の舛乃山は今場所、幕下まで戻っている。「お互いケガなく、一緒に上がっていきたい」。照ノ富士は、土俵下まで落ちた天風に手を差し伸べていた。【高田文太】

天風(手前)を小手投げで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

貴景勝人気うなぎ上りグッズ売り上げも懸賞もトップ

貴景勝タオルを掲げて応援するファン(2019年3月10日撮影)

土俵に上がると、会場内は「貴景勝」の名前が書かれた薄いブルーのタオルで染まる。準ご当地場所で大関とりの貴景勝。実力はもちろんのこと、人気もうなぎ上りだ。エディオンアリーナ大阪では相撲グッズの売店が全部で7店。しこ名が書かれたタオル、ボールペン、キーホルダーなど…全ての売店で貴景勝関連のグッズが売れ行き1位だ。

特にタオルは応援グッズの中でも花形になる。最も規模の大きい2階の売店では、1日200枚以上を入荷して、そのうち半数以上が貴景勝のタオルだという。女性販売員は「新しく届いたなと思ったらすぐになくなる。圧倒的1番人気です」と明かした。

広告塔としても台頭しつつある。力士を指定する懸賞も初場所前の58本から約4倍の約250本で全体トップ。「甲子園記念館」で貴景勝に懸賞を出した阪神電鉄では、大相撲に懸賞を出すのは初めての試みという。同社広報部は「プロモーションの一環として出しました。貴景勝関は阪神地域に位置する芦屋市出身。甲子園と大相撲は長い歴史という意味でもつながりがあるので」と説明した。ちなみに春のセンバツ甲子園は春場所14日目の13日に開幕する。球春到来が先か、昇進当確が先か。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

ファンにサインする貴景勝(撮影・清水貴仁)

母校、実質部員ゼロ若佐竹が奮闘 入部者呼び込む 

記者の質問に答える若佐竹(撮影・河田真司)

大関とりに挑む貴景勝の千賀ノ浦部屋が場所前稽古を行った勝山高。その相撲部OBでただ1人の大相撲力士が、大阪市平野区出身、東序二段16枚目若佐竹(20=西岩)だ。この日は敗れ1勝5敗となったが「学校も応援してくれているし、期待に応えたいです」。表情は明るかった。

高校相撲は埼玉栄、鳥取城北などが有名だが、競技人口は少ない。全国で相撲部がある高校は154校で総部員数は917人。ちなみに男子サッカー部は4058校、16万5351人(いずれも日本高体連HPから、昨年8月現在)。同相撲専門部の川村久夫事務局長は「小中学生らが相撲をとる各地域の道場などが頑張ってくれて、この10年間ほどは横ばい」という。大阪の公立高で唯一相撲部がある勝山高は今春、部員2人が卒業してマネジャー1人となり、実質0に。大谷登部長らが毎週土曜日、地域の子どもたちに土俵を開放して競技普及に励む。

若佐竹は高卒以上の新弟子入門基準ギリギリの身長167センチで角界入り。「これといってやりたいことがなく、でも相撲なら“やりきれるかな”と思って」。大きなことは言わないが、昨年2月にできた若い西岩部屋で、一番弟子として黙々と頑張る。その姿が母校に入部希望者を呼び込むかもしれない。【加藤裕一】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

土俵に上がり四股を踏む若佐竹(撮影・河田真司)

「与之吉さんは大丈夫ですか?」両陛下が驚きの質問

大相撲初場所8日目をご観戦に訪れ取組後に拍手をされる天皇、皇后両陛下。後方は八角理事長(撮影・小沢裕)

この日は平成では23回目にして最後の天覧相撲。ロイヤルシートに着席された天皇陛下は、説明役の八角理事長(元横綱北勝海)に「今日はありがとう」と切り出され、皇后陛下は「お元気でしたか」と声をかけられた。この言葉に同理事長は「頭の中が真っ白になりました」。昨年は不祥事もありご招待を取り下げ。2年の空白を皇后陛下の温かなお言葉が埋めてくれた。さらに両陛下の、関心の高さをうかがわせる質問に驚いた。「与之吉さんは大丈夫ですか?」。神経疾患のギラン・バレー症候群で5場所連続休場し、昨年11月の九州場所で復帰した幕内格行司の式守与之吉の病状さえも把握されていた。

御嶽海や鶴竜ら休場中の力士のケガを案じ、外国人力士の出身地も熟知され、一番一番に拍手を送られた両陛下。元横綱稀勢の里の荒磯親方についても「今後はどうするのですか」「お元気ですか」と興味を示され同理事長から「今年中に断髪式をして(将来的に)部屋を興すと思います」と説明された。結びのふれで立行司の式守伊之助が敬語を使う意味で「この相撲一番にて本日の結びにござります」と発した。藤島審判長(元大関武双山)は「感激しながらやらせていただいた」と感無量の様子。江戸時代に徳川将軍が観戦した上覧相撲が始まりとされ、昭和天皇は51回のご観覧があった天覧相撲。新元号になっても国技大相撲には、切っても切り離せない行事として存続するだろう。

式守与之吉 えっ! 陛下が気にしてくださったんですか? ありがたいです。びっくりですね。光栄で…、今日は眠れないですよ。

八角理事長(元横綱北勝海) (両陛下は)ひじょうに楽しまれていた感じを受けました。力士のケガ、健康面を心配してくださるのは本当にありがたい。来ていただいて本当に感謝しています。力士は緊張からか熱戦よりアッサリした相撲が多かった。

式守与之吉