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ボクシングニュース

久田哲也が最も遅い世界初挑戦か 京口と対戦希望

世界前哨戦を5回KO勝ちで飾った前日本ライトフライ級王者久田哲也(撮影・加藤裕一)

<プロボクシング:50キロ契約8回戦>◇20日◇エディオンアリーナ大阪第2競技場

前日本ライトフライ級王者久田哲也(34=ハラダ)が、9月に世界王座に初挑戦する方向で交渉を進めていることが分かった。

陣営の原田実雄会長は「ようやくですが、大丈夫と思う。基本は国内。やっぱり大阪府立(体育会館=エディオンアリーナ大阪)でやりたい」と手応えを口にした。

久田はライトフライ級でWBA1位、WBO1位、WBC3位、IBF9位。主要4団体すべてで世界ランク上位に名を連ねており、世界挑戦に向けて、昨年12月5日に5度防衛した日本王座を返上した。この日は世界前哨戦でKO勝ち。インドネシア・フライ級王者スティヴァヌス・ナナ・ブー(28=インドネシア)を右ボディー2発から、左ロングフックで追い詰め、5回3分1秒、マットに沈めた。リング上のインタビューでは「やりたい選手はたくさんいます。(WBA王者の)京口選手や(WBC王者の)拳四朗選手。自信はあります」と意気込みを語った。

戦績は45戦34勝(20KO)9敗2分け。世界戦が実現すれば、平成以降ではリック吉村の45戦目(01年2月、WBAライト級王者畑山隆則に挑戦し、ドロー)を上回る日本ジム所属選手の“最も遅い世界初挑戦”になる。「それは希望を与えられますよね。10月で35歳。正直、何度か諦めかけましたけど…。僕はチャレンジャー。強みのフックをもっと強化して、コンビネーションの中で出せるようにしていきたい」。昨年11月5日には妻淳子さん(34)が長女一歌ちゃんに続き、双子の女児(朱莉ちゃん、乙葉ちゃん)を出産。守る家族も増えた。03年11月のデビューから16年目。遅咲きの男に、待望の舞台がやってくる。

世界前哨戦を5回KO勝ちで飾った前日本ライトフライ級王者久田哲也(撮影・加藤裕一)

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クロフォードが五輪メダリストのカーン戦に闘志

ボクシングのWBO世界ウエルター級タイトルマッチ12回戦は20日(日本時間21日)、米ニューヨーク州ニューヨーク・マディソンスクエアガーデンで開催される。

パウンド・フォー・パウンド(階級を超越した最強選手)ランキングで2位につける34戦全勝の同級王者テレンス・クロフォード(31=米国)が、元2団体統一スーパーライト級王者で挑戦者の同級2位アミル・カーン(32=英国)との2度目の防衛戦に臨む。19日には同地で両者とも前日計量に出席し、クロフォードが146・4ポンド(約66・4キロ)、カーンも146・6ポンド(約66・5キロ)でそれぞれクリアした。

04年アテネ・オリンピック(五輪)銀メダリストとして鳴り物入りでプロ入りし、世界王者になった挑戦者に対し、クロフォードは闘志をむき出し。「カーンは甘やかされた。オレはゼロからやってきた」と自信満々。一方のカーンは「クロフォードという選手がどれほどタフであるか、そしてどれほど危険かを知っているが、私は何をすべきかを分かっている」と自信に満ちていた。

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井上尚弥 昭和の王者を超え世界的ヒーローの可能性

18年5月、3階級制覇を果たしベルトを掲げる井上尚弥

<平成とは・バトル編(3)>

5月18日(日本時間19日)、英国のグラスゴーでWBA世界バンタム級王者の井上尚弥(26=大橋)が、IBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)との統一戦に臨む。4人の現役世界王者らが参戦するバンタム級最強を決めるトーナメントの準決勝。無敗の王者対決は今、世界の注目を浴びている。

所属ジム会長で元WBC、WBA世界ミニマム級王者の大橋秀行(54)は「新しい時代にふさわしい試合になる。今は国内だけで防衛戦を重ねていく時代ではない。だから世界に出て勝負をかけた」と、90年2月に平成初の世界王者になった自身の頃と比較しながら、今回の試合の意義を力説する。

90年代まで世界王者になれば、国民的ヒーローになれた。ファイティング原田、具志堅用高、辰吉丈一郎……街を歩けば人が群がった。「世界王座を奪取した翌日に首相官邸に招待されて、海部俊樹首相にネクタイピンをいただきました」と大橋も現役時代を振り返る。しかし、近年は街で囲まれる世界王者は少ない。

「自分の頃はJリーグもなかったし、大リーガーもいなかった。プロスポーツの世界王者はボクシングだけ。今はテニスをはじめあらゆる競技のプロ選手が海外で活躍するようになった。その分、国内で興行を続けてきたボクシングへの注目度が薄れた。自分も責任を感じていた」。日本プロボクシング協会の会長も務めた大橋は自戒も込めて分析する。平成に入ってスポーツ界は海外への門戸が大きく開かれた。イチローや松井秀喜、錦織圭や大坂なおみの活躍で、選手に世界的な評価が求められる時代になった。

現在、日本の男子の世界王者は7人。昨年は一時11人もいた。13年に日本ボクシングコミッション(JBC)がWBAとWBCに加えて、IBFとWBOの王座も承認し、ベルトも倍増した。元WBC世界スーパーライト級王者の浜田剛史(58)は「昔は世界王者が最終目標だった。今は王者になってから何を残すかが問われる時代になった」と話す。

一方で日本選手の技術レベルは飛躍的に伸びた。08年に日本プロボクシング協会がU-15(15歳以下)全国大会をスタート。小中学生から全国規模で活躍できる場ができた。井上尚弥、拓真兄弟、田中恒成らの現役世界王者はこの大会の優勝者。「技術は始めた年齢に比例する。世界のリングでボディーで倒されていた日本選手が、今はボディーで倒すようになった。技術は世界でもずぬけている」と、同大会を協会会長として主導した大橋は言う。11年7月にはWBC世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃(帝拳)が、日本人で初めて米国の本場ラスベガスで防衛に成功するなど、世界でも日本選手の評価は高まっている。

井上はプロわずか16戦で世界3階級制覇を達成。卓越したボクシングセンスと強打は、海外でも注目され、日本人ボクサーで初めて米ボクシング誌「リングマガジン」の表紙にもなった。あの昭和の王者を超える、世界的なヒーローになる可能性を秘めている。「日本から世界へ。そのレールを井上が敷く」と大橋は力を込める。

世界ヘビー級王者マイク・タイソンの東京ドーム防衛戦(90年)という「ビッグバン」で始まった平成がまもなく終わる。昭和の時代に26人だった世界王者は、平成の約30年間をへて91人まで増えた。今や日本は世界屈指のボクシング大国に躍進した。

令和の時代の幕開けを前に、大橋がこんな予言をした。

「平成はタイソンで盛り上がり、あのミドル級で村田諒太が世界王者になった。そして井上が世界で勝負をかける。日本ボクシング界は大きく変わった。あとはヘビー級。令和の時代に日本人の世界ヘビー級王者が誕生するかもしれない。そうしたら再びビッグバンが起きる」。【首藤正徳】(敬称略)

90年2月、WBC世界ストロー級王座に就いた大橋秀行

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井岡一翔「こんなことない」再起戦が4階級制覇戦に

夢の4階級制覇に向けて、パリクテとの、WBO世界Sフライ級王座決定戦を発表した井岡一翔(撮影・酒井清司)

ボクシングWBO世界スーパーフライ級2位井岡一翔(30=Reason大貴)の4階級制覇への再挑戦が決まった。6月19日に千葉・幕張メッセのイベントホールで、同級1位アストン・パリクテ(28=フィリピン)との王座決定戦に臨む。19日に埼玉・越谷市内のジムで発表した。昨年大みそかに失敗からの再起戦で、日本人男子初の偉業へ再びチャンスを得た。20日には渡米し、直前まで約2カ月間の合宿に突入する。

   ◇   ◇   ◇

井岡には2年2カ月ぶりの国内復帰戦で、再び大きなチャンスを得た。「負けた後の再起戦でタイトルに挑戦できるとは、びっくりした。こんなことはない」。素直に喜びながら「後がない。背水の陣だと思っている。最後のチャンスと思って挑む気持ち。負けられない。勝つしかない」と力を込めた。

17年の大みそかに引退を発表したが、昨年9月に米国で現役復帰した。その大みそかにマカオで同級王座決定戦に臨んだが、ニエステ(フィリピン)に1-2で判定負けし、4階級制覇に失敗した。だがニエステが王座を返上したことで、またして日本人初の偉業がかかる舞台へと上がる。

復帰時は米国で4階級制覇を目標に挙げ、国内ライセンスは持っていなかった。このため3月に再申請し、国内復帰も実現した。関東地区では3試合目で初の世界戦となる。「日本のファンに成長した姿を見せ、やってきた結果を見せたい」と、会見後は新たなジムでの練習を披露した。

パリクテは昨年9月の同級王座決定戦が世界初挑戦だったが、ニエステと引き分けている。井岡は「アグレッシブで勢いがあり、パンチ力もある」と評した。6センチの身長差もあり、簡単な相手でない。

3月には30歳になった。「人として、ボクサーとして大きな節目。偉業を成し遂げ、次につなげたい」。20日にはラスベガスに出発。試合直前まで約2カ月間滞在し、体を仕上げる。【河合香】

夢の4階級制覇に向けて、パリクテとの、WBO世界Sフライ級王座決定戦を発表した井岡一翔(撮影・酒井清司)

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井岡一翔「日本人初の4階級制覇を」6月王座決定戦

サンドバックで汗を流す井岡一翔。同級1位のアストン・パリクテとの、WBO世界スーパーフライ級王座決定戦を発表した=2019年4月19日

ボクシングWBO世界スーパーフライ級2位井岡一翔(30=Reason大貴)の4階級制覇再挑戦が決まった。6月19日に千葉・幕張メッセで、同級1位アストン・パリクテ(28=フィリピン)との王座決定戦に臨む。19日に埼玉・越谷市内のジムで発表した。

井岡は昨年9月に米国で現役復帰し、大みそかにマカオでの同決定戦で、ドニー・ニエステ(36=同)に1-2で判定負けした。「再起戦で世界戦ができるとは、びっくりした。こんなチャンスはない。久しぶりの日本の地で、日本人初の4階級制覇をしたい」と意欲を示した。

4階級制覇へ初挑戦は失敗も、ニエステが王座を返上したことで、続けて日本初の記録達成のチャンスを得た。それも2年2カ月ぶりで国内の舞台。「海外でもよかったが、日本のファンに成長した姿を見せたい。やってきた結果を見せたい。背水の陣と思っている。勝つしかない。勝って次につなげたい」。本来の目的である海外でのビッグマッチへのステップを期す。

パリクテは25勝(21KO)2敗1分で、昨年9月に同決定戦で世界初挑戦ではニエステと引き分けている。「すごいアグレッシブ。若く勢いがあり、パンチ力もある」と簡単な相手でない。今後は20日に渡米して、直前まで現地で約2カ月調整して仕上げる。

夢の4階級制覇に向けて、パリクテとの、WBO世界Sフライ級王座決定戦を発表した井岡一翔(撮影・酒井清司)

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久保隼、右目負傷の引退危機乗り越え2階級制覇挑む

WBA世界フェザー級タイトルマッチで2階級制覇に挑む前同スーパーバンタム級王者久保隼。右は真正ジムの山下会長(撮影・加藤裕一)

前WBA世界スーパーバンタム級王者で、同フェザー級10位の久保隼(29=真正)が5月26日に中国・撫州市でWBA世界フェザー級王者徐燦(シュ・チャン、25=中国)に挑戦することが決まり、19日、神戸市内で会見した。久保は昨秋に右目を負傷し、3月8日に手術した。引退危機を乗り越えて、世界2階級制覇に挑む。前WBOフライ級王者木村翔がWBAライトフライ級王者カルロス・カニサレスに挑む試合と合わせ、ダブル世界戦となる。

久保は17年9月にダニエル・ローマンに9回TKO負けを喫し、スーパーバンタムの王座を陥落。減量苦の軽減を狙い、昨年4月に階級をフェザーに上げて再起したが、同10月のスパーリングで右目を負傷した。診断は眼筋を痛めた滑車神経マヒ。「ものが上下に2重に見える状態」。最もショックだったのは、水差しからコップに注ごうとして机にこぼしたこと。「本音を言えば(引退を)考えました」-。

ジムの後輩、元WBO世界ミニマム級王者山中竜也さん(24)が同7月の防衛戦で硬膜下血腫になり、引退していた。最も心の通い合った“戦友”の“悲劇”を目の当たりにしていた。手術直前にはジムの山下正人会長に「目が見えへんようになっても構わないから(世界戦を)やらせてください」と訴えた。ところが、そんな怖さ、不安は手術から一夜明けて一気に晴れた。包帯を取ると「ものがちゃんと1つに見えた。あれはほんまにうれしかった」と安堵(あんど)した。

世界挑戦に山中さんも喜んでくれた。「珍しく“絶対”という言葉を使って“勝ってください”と言われました」。場所は完全アウェーの中国だが「どこでも一緒です」と気にしない。「チャンスをいただいた感謝の気持ち。応援してくださる皆さんのためにも、自分のためにも。竜也の分までと言えば何ですが、頑張ります」。また戦える、世界に挑める喜びを胸に、久保はリングに立つ。

WBA世界フェザー級タイトルマッチで2階級制覇に挑む前同スーパーバンタム級王者久保隼(撮影・加藤裕一)

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異質な飯田覚士 TV企画、部活の延長から世界王者

平成のボクシング界について語る飯田覚士さん

<平成とは・バトル編(2)>

平成が幕を開けて間もなく、日本ボクシング界に異質なボクサーが現れた。後にWBA世界スーパーフライ級王者になる飯田覚士である。90年(平2)、日本テレビのバラエティー番組「天才たけしの元気が出るテレビ!!」の“ボクシング予備校”という企画に、プロテストを目指す練習生の1人に選ばれた。

当時、飯田は岐阜経済大3年。「ボクシング部でしたが、ツアーコンダクターになりたかったので、プロになるつもりはなかった。練習に物足りなさを感じていたのと、テレビに出れば思い出になると思って応募した」。どこにでもいる普通の大学生で、ボクサーらしからぬ甘いマスクにきゃしゃな体形。そのギャップがボクシングと無縁の若い女性のハートに響いた。

日曜の夜に放送される平均視聴率15%の人気番組で、定期的に成長ぶりが紹介されると、飯田の人気は沸騰した。90年9月の大阪城公園での公開スパーリングには1万人を超えるファンが殺到した。テレビ局の意向に応じて番組内で「チャンピオンになる」と公言していたため「引くに引けなくなった」と飯田。翌91年3月にプロデビュー。翌年の全日本新人王決勝戦には8000人の大観衆が詰めかけた。

昭和の時代、ボクシングには怖い、痛い、危ないというイメージが根強くあった。その象徴が昭和40年代に大ヒットした漫画「あしたのジョー」。貧しい不良少年が拳ひとつでのし上がっていくストーリーで、実際に漫画を地でいくボクサーも多かった。飯田はそんな近寄りがたかったボクシングを、部活の延長のような身近な存在に変えた。飯田自身「パンチパーマなどのいかつい格好で相手を威嚇するのは嫌だった」という。

この頃から飽食の時代に敬遠されつつあったボクシングジムに「僕も挑戦してみよう」と若者が足を向け始めた。飯田が全日本新人王になった翌年度には、100人台だった新人王のエントリーが265人と急増。マイク・タイソンの2度(88、90年)の東京ドーム防衛戦など複合的な要素も重なり、89年に1200人だったプロボクサーは年々増加し、06年には3200人にまで膨れあがった。

もうひとつの要因が89年から現在まで続く「少年マガジン」(講談社)の人気漫画「はじめの一歩」(森川ジョージ著)。いじめられっ子の主人公がボクサーに救われ、自らボクサーとして成長していくストーリーが、平成の若者に圧倒的な支持を受けた。元WBA、IBF世界ライトフライ級王者の田口良一をはじめ、この漫画に刺激を受けてボクシングに興味を持った世界王者も多い。

彼らは根性論が主流だったジムの練習にも新風を吹き込んだ。「根性で勝つんじゃないと自分に言い聞かせてサプリメントをとったり、インナーマッスルや動体視力も鍛えた」と飯田は回想する。元WBC、WBA世界ミニマム級王者で大橋ボクシングジム会長の大橋秀行は「今は昭和の時代と練習方法も食事も180度違う。八重樫東(世界3階級制覇王者)は科学的な筋トレを取り入れて、脂を抜いた食事を心がけている」と明かす。

飯田は世界挑戦2度失敗後の97年12月、ヨックタイ・シスオー(タイ)を判定で下してついに世界王座を奪取。2度の防衛にも成功した。普通の大学生が世界王者にたどりついて気付いたことがある。「根性論が嫌いで、科学的なトレーニングを存分にやった。でも結局、ボクシングは最後はど突き合いなんです。流血しようが構わず打ち合う。行き着いた先は、ストイックで己の身を削らないと勝てない過酷なスポーツでした」。時代は移ってもボクシングの本質、世界の頂点への厳しい道のりに変わりはない。【首藤正徳】

(敬称略)

97年12月、ヨックタイ・シスオーにパンチを放つ飯田(左)

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斉藤裕太が5回TKO初防衛「呪われた階級」で再起

斉藤裕太(左)は夫人に3人の子供とリング上で王座統一を誇示。右端は花形進会長

<ボクシング日本バンタム級王座統一10回戦>◇18日◇東京・後楽園ホール

王者斉藤裕太(31=花形)が5回TKOで、王座統一の初防衛に成功した。昨年9月の王座獲得直後に潰瘍性大腸炎を発症。闘病中に暫定王者となった木村隼人(29=ワタナベ)と対戦。激しい打撃戦もアッパーで攻勢となり、3回には木村の右目がふさがった。5回に右を突き上げると木村陣営がタオル投入。5回2分8秒TKO勝ちを収めた。

初回から木村が積極的に攻めてきた。2回からは打ち合いになったが、斉藤が左右のアッパーで何度も突き上げた。「前に出て来てくれたのがよかった。足ではさばかれちゃうので」。さらに練習したボディーやワンツーに続くアッパーが有効打になった。「右は自信あったが、こんなにうまくいくとは思わなかった」と笑みが浮かんだ。

2度目の挑戦で王座を獲得したが、2週間後に血便が出て、潰瘍性大腸炎と診断された。「呪われた階級」と言われていただけに「引退か」と落ち込んだ。12月に走り始め、1月から練習再開。2月にスパーリングを始めると「4回戦にもやられたが、簡単にベルトは渡したくなかった」。そこから前回以上に仕上げた。

花形会長が4月から日本プロボクシング協会会長となった。就任後の初の試合だった。「負けたら一生言われる。会長のためにも負けるわけにはいかない。顔を立てられた」と安堵(あんど)した。花形会長も「お祝いをもらいました」と感謝した。

試合後には昨年9月王座獲得時と同様に夫人と3人の息子をリングに上げた。5月には待望の長女が誕生する。毎試合シューズに子供の名前を入れ、4人目を加えたシューズを履くために「まだまだ頑張る」。

次戦ではセミで3回KOした同級1位鈴木悠介(30=三迫)との指名試合となる。12日には山中慎介同級トーナメント開催が発表されたが、斉藤は「ぜひ出たい」。相手次第だがトーナメントで異例の防衛戦へも意欲を示した。

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タイソン東京Dの衝撃 日本ボクシングのビッグバン

90年2月、WBA・IBF・WBC世界ヘビー級タイトルマッチの10回、マイク・タイソン(右)はジェームス・ダグラスの強烈パンチでダウンを喫しKO負けする

<平成とは・バトル編(1)>

日本ボクシング界は7人の世界王者を抱えて、令和時代の幕開けを迎える。現役世界王者不在で始まった平成元年から30年。日本は世界屈指のボクシング大国に躍進した。「平成とは」バトル編のスタートはボクシングで3回連載する。第1回は元統一世界ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)の東京ドーム防衛戦から平成の時代を検証する。

  ◇   ◇   ◇  

昭和から平成に変わるころ、日本ボクシング界は冬の時代だった。88年(昭63)、89年(平元)の年間最優秀選手は該当者なし。89年は1年を通して現役世界王者がいなかった。日本のジム所属選手の世界挑戦は、88年1月から実に21連続失敗。世界戦のテレビ中継も夜から休日の昼間の時間帯へと移行しつつあった。

そんな時代に世界ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)は、日本にやってきた。88年3月21日、東京ドームでトニー・タッブス(米国)との防衛戦が実現した。興行した後楽園スタヂアム(現東京ドーム)の当時の興行企画部長で、日本ボクシングコミッション理事長の秋山弘志(81)は「最高10万円のチケットが2、3日で完売した。衝撃的だった」と回想する。会場は5万1000人の大観衆で埋め尽くされた。試合はタイソンの2回KO勝ち。総売上15億円は1日の興行として今も最高という。

デビューからKOの山を築き、無敗のまま3団体の世界王座を統一したタイソンは、あのムハマド・アリと並び歴代最強と評されていた。1試合の報酬が10億円を超える世界で最も稼ぐスポーツ選手で、試合はカジノでも収益が見込めるラスベガスなど米国内の一部に限られていた。タッブス戦は初めて米国以外で開催された防衛戦だった。

「完成した東京ドームを世界に広めるため、こけら落とし興行として企画したのでそれなりの資金は用意した」と秋山は振り返る。それでも交渉は難航した。暗礁に乗り上げかけた時、業界に人脈を持つ帝拳ジムの本田明彦会長がプロモーターに名乗り出た。「失敗したら私は辞職する覚悟だったが、交渉を本ちゃん(本田)に任せたら、とんとん拍子にうまくいった」。

90年2月11日、再び東京ドームでタイソンの防衛戦を実現させた。しかし、最高15万円に設定したチケットは伸び悩んだ。勝って当たり前の試合に、財布のひもが固くなった。ところが、この試合でボクシング史に刻まれる「世紀の大番狂わせ」が起きる。挑戦者ジェームス・ダグラス(米国)に、タイソンが10回KOで初めて負けたのだ。

中継した日本テレビで解説をした元WBC世界スーパーライト級王者の浜田剛史(58)は「タイソンは練習でダウンするなど調子が悪かった。アナウンサーの“時代が変わった”という言葉を覚えている。その試合を日本から発信したことは大きいと思った」と今も鮮明に記憶している。試合は米国をはじめ世界50カ国以上に放送されていた。

国内の視聴率は昼間の試合にもかかわらず38・9%(ビデオリサーチ調べ)。KO負けの瞬間は51・9%を記録。その衝撃が冬の業界に“ビッグバン”を起こした。国内の試合にも観客が押し寄せ、ジムの練習生が急増。91年のプロテスト受検者が88年の1・5倍に増えた。「タイソンはボクシングファンも、そうじゃない人も引きつけた」と浜田は言う。タイソン敗戦の4日前にWBC世界ミニマム級王座を奪取して、平成初の世界王者になった大橋秀行(54)は「タイソン戦の前後、普通の10回戦の興行でも後楽園ホールが超満員になった。ブームが来たと思った」と証言する。

一方で日本の国際的な評価も高まった。「世界の日本を見る目が変わった。試合の解説で米国に行くと対応も全然違った」(浜田)。海外との太いパイプができたことで日本選手の世界戦の興行数も急増。87年には年間5試合まで落ち込んでいたが、辰吉丈一郎が「浪花のタイソン」の異名で一気にスターに駆け上がるなど、92年には19試合に増えて世界王者も5人になった。94年12月の辰吉-薬師寺戦の視聴率は39・4%。タイソンの数字も超えた。

タイソンが東京で王座を失った半年後、日本初の民間衛星テレビ(WOWOW)の放送衛星が打ち上げられた。91年4月に本放送を開始する同局が、開局PRの目玉に選んだのがタイソンだった。復帰第2戦から独占契約で生中継した。チーフプロデューサーの大村和幸(59)は「ビジョンは世界最高峰を伝える。そこでタイソンに目をつけた。負けたとはいえ、知名度と実力は圧倒的だった」と振り返る。

番組名は「エキサイトマッチ」。タイソン戦のほか、毎週2時間枠で、世界で年間約120試合開催されていた世界戦のうち100試合以上を放送した。「当時、ドン・キングら米国3大プロモーターは、それぞれテレビ局が分かれていた。本田会長に交渉をお願いしたらその壁を超えて放送権を獲得できた。これは世界初の画期的なこと。タイソンをプロモートした信頼と人脈のおかげです」と大村は話す。

現在も続くこの同局最長寿番組は、日本人ボクサーのレベル向上に大きく貢献した。「あの番組で日本選手のレベルが飛躍的に上がった。毎週、世界一流の技術を映像で見て、選手がまねするようになった。日本のボクシングを強くした一番の要因」と大橋は分析する。「学生時代から番組を見ていた村田諒太が、俺のトレーナーはエキサイトマッチでしたと言ってくれた」と大村も明かす。

現在、日本の男子の現役世界王者は7人。王座が2団体から4団体に増えたとはいえ、世界王者の数で世界のトップ3に入るボクシング大国へと躍進を遂げた。選手のレベルも向上したが、浜田は「力があるときにチャンスがなければ王者になれない。世界戦という舞台を数多くつくれるようになったプロモートの力も大きい」と話す。

昨秋、元世界ヘビー級王者が東京ドームを訪れた。彼の名はジェームス・ダグラス。あの「世紀の大番狂わせ」を振り返る、米国のテレビ番組の収録だった。インタビュー出演した秋山がしみじみと言った。「いまだに世界で語り継がれている。タイソンの試合を日本で興行した効果は計り知れない」。あのビッグバンの衝撃波は今、令和の時代に達しようとしている。【首藤正徳】(敬称略)

平成のボクシング界について語る元WBC世界スーパーライト級王者の浜田剛史さん
日本ボクシング界の歩み

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元王者の山中竜也さん、あだ名がつないだ第2の人生

大阪・北新地のおにぎり店店主として再出発する元WBO世界ミニマム級王者山中竜也さん(撮影・加藤裕一)

ボクシングの元WBO世界ミニマム級王者山中竜也さん(24)が店主を務めるおにぎり専門店「おにぎり竜」は19日、大阪・北新地にオープンする。

その試食会が17日に行われた。

山中さんは「場所が新地でしょ? 怖いです。人生をかけてるという意味では、世界戦と同じ。みんながくつろげて、お客さんの途絶えない店にしていきたい。今度はおにぎりのチャンピオンを目指します」と、緊張気味に抱負を語った。

山中さんは昨年7月、2度目の防衛戦で硬膜下血腫を負い、現役を引退。第2の人生を探していた昨年10月に神戸・真正ジムの先輩、元世界3階級王者長谷川穂積さんがインスタグラムに、山中さんの画像を「おにぎりマン」としてアップ。これを見た山中さんの後援者から「おにぎり店はどう?」とオファーを受けて「現役の時から、頭の形や顔の感じで周りに『おにぎり』と言われていたし…。ぜひやりたいと思った」。そこから、とんとん拍子で話が進んだ。

開店に当たっては飲食店を運営・サポートする「RETOWN」炊飯器メーカー「タイガー魔法瓶」米穀卸メーカー「幸南食糧」が運営する「おにぎりで向上委員会」がサポート。山中さんは約半年前から“修業”をはじめた。

「包丁の持ち方から勉強しました。僕は本当に不器用やし、人よりも覚えが悪くて大変でした。一番、苦労したのは、おにぎりの握り加減ですね」。今では、店のおにぎりメニュー23種類のほとんどの具材を自分で準備できるまで腕を磨いた。

使用する米は、おにぎりに最適な山形県産「つや姫」。山中さんのイチオシは「乱王しょうゆ漬け」(1個300円)。現役時代から高タンパクな食材として卵黄をよく食べていたといい、店では濃い黄身が特長の大分県産「蘭王」を4日間、だししょうゆにつけ込んだ具材を使っている。またメニューにはおでん、季節ものもある。

「おにぎり竜」の所在地は大阪市北区曽根崎新地1丁目1-16 クリスタルコートビル103号。営業時間は午後6時半~深夜、定休日は日曜・祝日。

大阪・北新地のおにぎり店店主として再出発する元WBO世界ミニマム級王者山中竜也さん(撮影・加藤裕一)

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斉藤裕太が病乗り越え「呪われた階級」KO統一宣言

計量をクリアした正規王者斉藤裕太(左)と暫定王者木村隼人

ボクシング日本バンタム級王者斉藤裕太(31=花形)が、呪いを振り払う王座統一で初防衛を誓った。前日計量が17日に都内であり、18日に東京・後楽園ホールで対戦する暫定王者木村隼人(29=ワタナベ)ともリミットの53・5キロで一発クリアした。

同級は計量失敗やケガで3度流れた末に、斉藤が昨年9月に2度目の挑戦で王座を獲得した。ところが2週間後に血便が出て、潰瘍性大腸炎と診断された。「呪われた階級」と言われていただけに「引退か」と落ち込んだ。3カ月は何もできなかったが、投薬と魚中心の食生活に切り替え、12月に走り始めることができた。

初防衛戦だけはやって引退も考えたが「最初は仕上げきれないと思ったが、前回以上に調子も体調もいい」。病を乗り越えた斉藤には発奮材料も事欠かない。ジムの花形会長が4月に日本プロボクシング協会会長就任後の初の試合になる。「会長のためにも負けるわけにはいかない」。

さらに5月には第4子の長女が生まれる。毎試合シューズに子供の名前を入れている。4人目を加えたシューズを履くために「勝ってもう1試合やらないわけにはいかなくなった」と気合が入る。

12日には山中慎介同級トーナメント開催が発表された。斉藤は「ぜひ出たい。100万円の賞金もあるが、どんな相手でも逃げない。井上尚弥以外なら誰とでもいい」。現役王者でも出場制限はなく、意欲は満々だ。「キャリアは向こうが上だが、挑戦者のつもりで倒しにいく」とKO防衛で王座統一を狙う。

木村は16歳の時にタイでデビューし、韓国で王座も獲得した。13年に日本に帰国してジムを移籍し、昨年12月に4度目のタイトル挑戦で、ようやく王座に就いた。ただし暫定王座だけに「中途半端」と譲るつもりはない。

井上トレーナーに代わり、練習では全パンチを思い切り打ち込む指導を受けてきた。「練習に達成感あり、スタミナもついた。ロープを背負わずに攻めやすくなった」と手応えがある。実は2月に斉藤と川崎市を表敬訪問した。「いい人なんでやりづらいが、リングでは倒しにいく」と自信を見せた。

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ゴロフキンが19勝無敗ロールスと6・8に再起戦

ボクシングの元3団体統一ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(37=カザフスタン)が6月8日、米ニューヨーク市のマディソンスクエアガーデン(MSG)で再起戦に臨むことが16日(日本時間17日)、発表された。

18年9月にサウル・アルバレス(メキシコ)との再戦でプロ初黒星を喫して以来の試合で、対戦相手は19勝無敗のIBF世界同級9位スティーブ・ロールス(35=カナダ)に決まった。

スポーツ動画ネット配信のDAZNと3年6試合の契約を結んだ後の初試合となるゴロフキン。17年3月以来となるMSGのリングに向け「MSGのリングに再び戻ることができて非常に興奮している」とコメントした。

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堀池雄大、元王者山中氏との練習でパンチ力アップ

凱旋(がいせん)試合に向けて意気込む帝拳ジム堀池雄大(右)と舟山大樹(2019年4月12日撮影)

毎春恒例となるプロボクシング興行「駿河男児Desafio8」が5月19日、富士市のふじさんめっせで開催される。

名門の帝拳ジムに所属するスーパーバンタム級の県勢2人が3年連続で参戦。浜松市出身の日本同級18位堀池雄大(34)はランク上位の日本同級6位古橋岳也(31=川崎新田)と、島田市出身の舟山大樹(25)は6連勝を目指し、三宅寛典(30=ビッグアーム)との8回戦に臨む。

   ◇   ◇   ◇

昨年10月以来、7カ月ぶりの試合となる堀池は、日本歴代2位の世界王座12回防衛を誇った偉大な先輩に刺激を受けてきた。近所に住む元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏と一緒にロードワークし、助言を受けているという。「タイミングが合う時は山中さんと走っています」。同氏を担当した大和心(やまと・しん)トレーナーの指導でレベルアップを図ってきた。

上京して約5年。山中氏と同じ環境で練習を続け、下半身の力を利用したパンチ力の向上にも手応えが出てきた。「体が強くなりました。大和さんからもパンチが強くなったと言われます」と自信の笑み。昨年大みそかの長男誕生もあり、ランク上位との対決に向けて集中力も高まる。「キャリアがある格上が相手ですが、自分のボクシングを出せば勝てます。倒し切ることにこだわりたいです」と気合十分だ。

自身初の8回戦を迎える舟山は昨年11月以来、約6カ月ぶりの試合で6連勝を狙う。地元試合では過去3戦ともに判定勝ちのため、「今回はKOを狙いたいです」と目標を掲げる。昨年から元世界3階級制覇王者ホルヘ・リナレス(帝拳)の弟カルロス氏が担当トレーナーとなり、「日本人とは違う独特のリズム、柔らかさを教えてくれます。吸収したものを試合で出したいです」と胸を躍らせた。

日ごろは聖地・後楽園ホールのリングで戦う県勢2人が、派手な勝利をイメージしながら、凱旋(がいせん)試合に備えている。【藤中栄二】

◆堀池雄大(ほりいけ・ゆうた)1985年(昭60)1月16日、浜松市生まれ。20歳でボクシングを始め、浜松市の西遠ジムから10年4月、4回判定勝ちでプロデビュー。12年には全日本スーパーバンタム級新人王に輝く。15年から上京して都内ジムでの出げいこを始め、16年に帝拳ジムへ移籍。通算戦績は15勝(3KO)6敗3分け。家族は有咲夫人、長男扇矢君。身長168センチの右ボクサーファイター。血液型O。

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伊藤雅雪がトップランクと契約 最強との対戦へ1歩

2団体統一ライト級王者ロマチェンコ(中央)と会見したトップランク社アラムCEO(右端)に紹介された伊藤

ボクシングのWBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪(28)が12日(日本時間13日)、米プロモート大手トップランク社と複数年契約を結んだことが発表された。

同日に米ロサンゼルスのステープルズセンターで開催されたWBA・WB0世界ライト級王座統一戦後、同社のボブ・アラムCEOらとともに会場内で記者会見。年間3試合の3年契約を交わした。2団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)やアラムCEOらが着席する目の前に立ち、ホワイトのパンツに黒いジャケット姿で登場した伊藤は英語であいさつした。

会見を前に伊藤は「未来に向けての第1歩」と声をはずませていた。ボクシング界のトップスターとなるロマチェンコと階級が近いこともあり、将来的な対戦を熱望している。これで同じプロモート会社になったことの意味も大きい。アラムCEOが同席した日本人ボクサーの契約発表会見は前WBA世界ミドル級王者村田諒太以来で、トップランク社からの期待の大きさもうかがわせた。

現在、米ロサンゼルスで合宿中の伊藤は5月25日(同26日)、米フロリダ州(キシミー予定)で、元五輪代表の同級11位ジャメル・ヘリング(33=米国)との2度目の防衛戦を控えている。

トップランク社のボブ・アラムCEO(左)とインタビューに応じるWBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪

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ロマチェンコTKO防衛 M・ガルシアとの対戦希望

防衛に成功したロマチェンコ(AP)

<プロボクシング:世界WABスーパー&WBOライト級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇米ロサンゼルス

3階級制覇の2冠王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)が、圧勝TKOで防衛に成功した。

元WBA王者アンソニー・クローラ(32=英国)を一方的に攻め、3回にダウンを奪った。4回に右フックで2度目のダウンを奪うとレフェリーストップ。4回59秒TKO勝ちし、WBAは2度目、WBOは初防衛となった。

初回こそ様子見したが、2回にはエンジン全開で攻めまくった。3回にはロープにくぎ付けにして連打を浴びせると、レフェリーがダウンを宣告した。ロマチェンコは試合が決したと思い、コーナーでロープに上がってアピール。インスペクターも試合終了と間違えてリングインしたが、ロープダウンだった。

試合は再開されて3回は終了となったが、4回もゴングから攻め立てた。右フックをテンプルに見舞うと、クローラは前のめりに頭から崩れ落ちて2度目のダウン。レフェリーがカウント4でストップした。

オッズは18-1の差があったが、それ以上の圧倒的勝利だった。クローラはガードするだけしかできなかった。その相手にあらゆる角度からさまざまなパンチを打ち込み、倒しきった。

昨年5月にはWBA王者だったホルヘ・リナレス(33=帝拳)を10回TKOで、12戦目の世界最速で3階級制覇した。この試合で右肩を痛めて手術を受け、12月の2団体統一戦は判定に終わっていた。ロマチェンコは「右肩を100%回復させてくれた医師にありがとうといいたい」と感謝した。

入場時のガウン、トランクスにグローブは黄色と紫色で統一していた。会場はNBAレイカーズが本拠とするステープルズ・センター。2年ぶりのロサンゼルスで初めての会場だったが、レイカーズ・カラーでファンにもアピールした。

次の試合を問われると、WBC王者マイキー・ガルシア(31=米国)の名を挙げた。3月にウエルター級に挑戦してIBF王者エロール・スペンスJr.(29=同)に初黒星を喫しているが「この階級でできるだけ頑張りたい。王座を統一したい」と改めて宣言。年内にもIBF王者リチャード・コミー(32=ガーナ)と対戦しての史上5人目の4団体統一を狙う。

防衛に成功したロマチェンコ(AP)

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元世界王者久保隼と木村翔が5・26に2階級制覇だ

計量をパスしてポーズをとる久保(右)とローマン(撮影・宮崎幸一)

ボクシングで日本人の元世界王者2人が、5月26日に中国で2階級制覇を狙う。主催者が12日に北京市内で発表した。

メインはWBAフェザー級10位で元WBAスーパーバンタム級王者久保隼(29=真正)が、中国人3人目の世界王者徐燦(25)のV1戦で挑戦する。セミは前WBOフライ級王者木村翔(30=青木)が階級を下げ、WBAライトフライ級2位で王者カルロス・カニサレス(26=ベネズエラ)のV2戦で挑戦する。久保は17年、木村は昨年王座を陥落したが、いずれも階級を変更して王座返り咲きを期す。徐の地元である江西省撫州市内で開催される。中国での日本人ダブル世界戦は昨年大みそかのマカオでのトリプル戦以来となる。

地元テレビ局の生放送中に、WBO世界フライ級タイトルマッチの前日計量を終えた王者木村翔(左)と挑戦者田中恒成(撮影・加藤裕一)=2018年9月23日、名古屋市のCBC放送センター

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バキバキの肉体!ロマチェンコ、クローラ計量クリア

計量をクリアしたロマチェンコ(左)、クローラ(ロイター)

ボクシング世界ライト級2冠戦の前日計量が11日に米ロサンゼルス市内で行われた。

WABスーパー&WBO王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)は60・9キロ、元WBA王者アンソニー・クローラ(32=英国)は61・1キロと、ともにリミット61・2キロ以下でクリアした。12日に当地で、ロマチェンコにはWBAは2度目、WBOは初防衛戦となる。

にらみ合うロマチェンコ(左)、クローラ(ロイター)
ロマチェンコ(ロイター)

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世界への登竜門に、山中慎介氏の冠トーナメント開催

山中慎介氏(左)とDANGAN古沢将太代表(撮影・河合香)

ボクシング元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏(36)の冠大会が開催される。主催するDANGANが12日に都内で、山中慎介バンタム級トーナメント(仮称)の開催を発表した。優勝賞金100万円を国内のA級8選手で争う。

東京・後楽園ホールで予選は6回戦で7月23日、10月の準決勝から8回戦で、来年1月に決勝となる。優勝者には世界ランカーと対戦のチャンスを与える計画という。5月15日まで出場者を募集し、現王者の出場にも制限はない。

DANGAN古沢代表は「日本の歴史ある階級で、若手を育成し、ファンも注目するよう、ボクシングを盛り上げていきたい」と開催理由を説明した。同級の名王者の象徴として、同級国内最多の12度防衛した山中氏をアンバサダーに迎えた。

山中氏も現役時には07年にA級トーナメントで優勝して、日本王者、世界へとステップアップした。「あれは大事なトーナメントになった。思い入れある階級でもあり、開催はうれしい。注目されて人気につながれば」と話した。大会を盛り上げるために、開会セレモニーなどのアイデアも提案している。

近年は競技人口が減少し、マッチメークが難しくなっている裏事情もある。アマ実績のある選手は国内で敬遠され、外国人しか相手がいない例が増加している。古沢代表は「トーナメントだと選手も開き直れ、選手も集まりやすい。どしどし応募して」と話す。

組み合わせはランクと戦績などを考慮するが、抽選のプランもあり、応募が8人を超えた場合はリザーブ戦も想定しているという。山中氏も「この階級は今国内で抜けた選手はいない。面白い大会になるはず。世界の登竜門になれば」と期待した。

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村田諒太 7月に王座奪われたブラントと再戦と米紙

村田諒太、ブラント(2018年10月19日撮影)

ボクシング前WBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が7月12日、大阪で昨年10月に王座を奪われた現正規王者ロブ・ブラント(28=米国)と再戦するプランが明らかになった。

11日(日本時間12日)、米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)が報じたもので、村田をプロモートする米プロモート大手のトップランク社のボブ・アラムCEOが明かしたという。再起戦がダイレクトリマッチになる可能性が出てきた。

昨年12月に現役続行を表明した村田は同級3位にランクされ、次戦に向けてのジムワークを続けている。先月19~25日には、千葉・成田で同門の元3階級制覇王者ホルヘ・リナレスと走り込み合宿を行い、今夏の再起戦を想定した調整に入っていた。なお王者ブラントは今年2月、バイサングロフ(ロシア)を11回TKOで下し、初防衛に成功している。

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ロマチェンコ2冠戦に自信「面白い試合見せる」

ロマチェンコ(左)、クローラ(ロイター)

ボクシング世界ライト級2冠戦の会見が10日に米ロサンゼルスで行われた。WABスーパー&WBO王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)が、12日に当地で元WBA王者アンソニー・クローラ(32=英国)の挑戦を受ける。WBAは2度目、WBOは初防衛戦となる。

3階級制覇を達成して、ハイテクで最先端で最強と言われるロマチェンコは、当地で2年ぶりの試合となる。「守備的な相手をいかに崩すか。アグレッシブに攻めて、多くのパンチを打ち込んでいく。面白い試合でファンにショーを見せる」と自信をみせた。

4団体統一を目標に掲げている。WBC王者マイキー・ガルシア(31=同)は、3月にウエルター級に挑戦してIBF王者エロール・スペンスJr.(29=同)に初黒星を喫している。IBF王者はリチャード・コミー(32=ガーナ)。ロマチェンコは「ガルシアがライト級の体を作れるなら、こちらの準備はできている。今年末には王座を統一して歴史に名を残したい」と意欲を示した。

クローラは44戦目で16年以来の王座返り咲きがかかる。14年には強盗と格闘して頭と足首を骨折し、世界戦をキャンセルした逸話を持つ。「ボクシング人生で最も重要な試合。リングですべてをぶつける」と番狂わせを狙う。

クローラ(左)、ロマチェンコ(ロイター)

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