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久保隼お祝い殺到「携帯見るの怖い」前歯は即日復活

王座奪取を報じる新聞を手にする久保(撮影・実藤健一)

 WBA世界スーパーバンタム級新王者となった久保隼(27=真正)が10日、神戸市内のジムで一夜明け会見に臨んだ。

 「まだ実感は湧かない。(お祝いの連絡は)携帯を見るのが怖いぐらいの数がきてましたね」と笑顔を見せる口元には、前夜の試合で折られたはずの前歯が。「この会見があるんで」。歯が抜けたまま新王者として姿を見せるわけにはいかないと、早朝に歯医者に駆け込み、仮歯を入れてもらったという。初防衛戦は指名試合が濃厚だが未定。「どっか行きたいですね」とメキシコ旅行を計画している。

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尾川堅一処分軽減も資格停止6カ月、現役続行を希望

会見を終え深々と頭を下げる、手前から帝拳ジム浜田代表、尾川(撮影・足立雅史)


 昨年12月に米ラスベガスで行われたボクシングのIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦で新王者となった尾川堅一(30=帝拳)が、米ネバダ州コミッションから6カ月間の資格停止処分を受けた。19日に帝拳ジムが記者会見を開き、発表した。1月、試合前の薬物検査で2種類の合成テストステロンに陽性反応を示していたことが判明していた。無効試合となり、王座獲得の事実がなくなる。

 尾川は「プロとしての自覚のなさでご迷惑をおかけしました。すみませんでした」と深く頭を下げた。故意ではないと主張も、摂取経路を明確に示せなかった。当初はアトピー性皮膚炎を抑える塗り薬が該当薬ではないかと考えてきたが、証明できなかった。

 米国滞在中の12月5日の検査で陽性反応だったが、テビン・ファーマー(米国)に判定勝ちした同9日の試合後の検査では陰性だった。調査に全面的に協力した経緯なども考慮され、通常1年間の停止処分が半年に軽減され、6月9日に解除される。通常30%の罰金もファイトマネーの20%1万4000ドル(約154万円)に減額された。同州で再び試合を行うには追加の薬物検査は求められる。

 IBF、JBC(日本ボクシングコミッション)からの処分通知は今後となる。尾川は現役続行を望み、「リングに戻りたい。しっかり反省して、2度と起こさないようにする」と険しい表情で決意を述べた。

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尾川堅一に6カ月資格停止処分、昨冬世界戦無効試合

会見を終え深々と頭を下げる、手前から帝拳ジム浜田代表、尾川(撮影・足立雅史)


 昨年12月に米ラスベガスで行われたボクシングのIBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチで新王者となった尾川堅一(30=帝拳)が、米ネバダ州コミッションから6カ月間の資格停止処分を受けることになった。19日に帝拳ジムが記者会見を開き、発表した。

 尾川は今年1月、試合前の薬物検査で2種類の合成テストステロンに陽性反応を示していたこと判明した。ラスベガス滞在中の12月5日に行われた検査で陽性反応を示していた。テビン・ファーマー(米国)に2-1の判定勝ちを収めた王座決定戦(12月9日)の試合後の検査では陰性だったが、処分が下された。 試合結果は無効となり、タイトル獲得の事実も消える。同州コミッションは試合日から出場停止期間を6カ月としたため、処分は6月9日に解除される。本来は1年の停止だが、調査に全面協力したことなどが考慮されたという。また、ファイトマネーの20%となる罰金1万4000ドル(約150万円)も科せられ、同州で再び試合を行うには追加の薬物検査が求められた。

 会見で尾川は「このたびは自分のプロとしての自覚のなさでご迷惑をおかけしました。重く受け止め、今後このようなことがないようにします。すみませんでした」と深く頭を下げた。陽性発覚後の聞き取り調査などでも故意に摂取したものではないと主張してきたが、最終的には禁止薬物の摂取経路を明確に示すことができなかった。当初はアトピー性皮膚炎を抑える塗り薬が該当薬ではないかと考えてきたが、証明することができなかったという。

 IBFからの通知はこれからで、JBC(日本ボクシングコミッション)も今後処分が下る見込み。尾川は現役続行を望み、「リングに戻りたい。しっかり反省して、2度と起こさないようにしなければ」と険しい表情で決意を述べた。

 IBFは既に暫定王座決定戦として、尾川に敗れたファーマーと同級4位ビリー・ディブ(32=オーストラリア)に対戦交渉を指令していたが、今回の処分を受けて正規王座決定戦になる見込みだ。

厳しい表情で会見に臨む尾川(後方)。手前は帝拳ジム浜田代表(撮影・足立雅史)
記者からの質問に答える帝拳ジム浜田代表(手前)の横で厳しい表情を見せる尾川(撮影・足立雅史)

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マチャド1号がサヨナラ弾、タイガース勝利

<タイガース6-5オリオールズ>◇18日(日本時間19日)◇コメリカパーク


 タイガースは5-5の同点で迎えた9回裏、先頭のディクソン・マチャド二塁手が1号ソロ本塁打を放ち、サヨナラ勝ちを収めた。

 過去メジャーで1本塁打のマチャドは試合後、打席に入る前に「ここで一発打ったらどうなるだろうか」と頭に浮かんだとし、「外角の速球は頭にあったので、とにかく強くバットを振った」と語った。

 この試合は悪天候の予報でナイトゲームからデーゲームに急きょ変更され、1万5000人強の観衆だったが、両軍合計6発の本塁打が飛び交う空中戦となった。

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亀田興毅復帰&引退戦は「公式戦として開催したい」

亀田興毅(18年3月21日撮影)


 協栄ジムの金平会長が18日に都内で会見を開き、亀田興毅が5月5日に東京・後楽園ホールで行う現役復帰&引退試合で対戦する、元WBC世界フライ級王者ポンサクレックの選手ライセンス申請について、脳のCTスキャンの結果が届き次第、必要書類一式を日本ボクシングコミッションに提出すると明言した。

 ポンサクレックは8日にタイで約4年7カ月ぶりに復帰戦を行い、「最終試合から3年以内」とのライセンスの再交付規定を満たした。金平会長は「一両日中に届くでしょう。私たちは公式戦として開催したい」と語った。

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矢吹純、亀田前座出場も「日本人が戦ってくれない」

会見で対戦相手がいないと訴えた矢吹純(撮影・村上幸将)


 ボクシングの女子日本ミニフライ級チャンピオンの矢吹純(27=協栄)が18日、都内の協栄ジムで会見を開き、ボクシング元世界3階級制覇王者の亀田興毅(31)が、5月5日に東京・後楽園ホールで1日限りで現役復帰し、臨む引退試合の前座で、サオワラック・ナリーペンシー(タイ)と対戦すると発表した。

 矢吹は17年11月に同級初代王者となり、18年元日にはヨックカオ・セーンチャイジム(タイ)に1回1分32秒TKO勝ちした。2戦続けてタイ人選手との対戦となった裏には、15位まである同級日本ランカーのうち、挑戦資格のある3選手、挑戦資格まであと1勝必要な4選手に声をかけたものの対戦を拒否され、やむなくタイ人選手との対戦になったと明かした。「元旦の試合から防衛戦と聞いていたんですけど、日本人が(試合を)組んでくれず、タイ人選手との試合になった」と不満をあらわにした。

 金平桂一郎会長(52)に、今後について語るよう促されると「日本チャンピオンになったので、東洋(タイトル)を照準に、取って、実力を上げて今年、来年に世界に挑めるようにしたい」と語ったが、言葉の歯切れは悪く、表情も曇ったままだった。

 それを受けて、金平会長は「(日本ランカーに)話をしているんだが、誰も受けてくれない。誰も受けてくれない日本ランキングなら、辞めたら? 資格ないじゃん」と日本女子ランキングのあり方に疑問を呈した。「いやいや『(矢吹が)強いから出来ません』って言ったって、ランキングがあるんじゃないですか? 考え方が古いかも知れないけれど、日本の女子を盛り上げようとランキング作って(ランキングに)入ったにも関わらず、声をかけてもやらせてくれない。違和感を覚えますよね」と怒りをあらわにした。

 一方で、金平会長は「中南米や南米の強豪選手とやるというのは、なかなか今の状況で予算的な意味もあって厳しい」と台所事情もにじませた。その上で「プロだから最高の試合をお見せしたいが、矢吹が目指しているところはもっと上だし、レベルの高い選手とテストマッチをしたい。ベルトを巻いて、コールがかかって、防衛戦がしたいのに出来ない…どうしましょうね」と、日本タイトルマッチが出来ない無念を吐露した。

 それを聞いていた矢口も、スイッチが入ったように語気を強めた。「(日本ランカーが試合を)やってくれないんだったら日本、やらなくてもいいと思うし。元旦の試合の後、もっと強い選手とやりたいと言っても、またタイ人…印象が悪い。日本人の誰もが知っている選手とやった方が喜ばれるのに。ランカーは、試合を受けてくれないなら転級して欲しい。防衛戦をやりたかった」と怒りをにじませた。

 5月5日の前座試合には、亀田興のいとこ亀田京之介(19)も出場し、渡辺和幸(上滝)と対戦する。元日のデビュー戦では、木元紳之輔(ワタナベ)とフェザー級4回戦で対戦し、2回TKO負けした。それでも「あれ(負けたのは)俺じゃない。(試合は)やってないですから。次のデビュー戦は倒しに行く亀田とKOはセットなので、1回からボコボコにしたい」とデビュー戦の黒星がなかったかのように意気込んだ。【村上幸将】

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金平会長ポンサクの申請書類一両日中にそろうと示唆

協栄ジムで会見を開いた、左から矢吹純、亀田京之介、金平桂一郎会長(撮影・村上幸将)


 協栄ジムの金平桂一郎会長(52)が18日、都内の同ジムで会見を開いた。同会長は、ボクシング元世界3階級制覇王者の亀田興毅(31)が5月5日に東京・後楽園ホールで1日限りで現役復帰し、臨む引退試合で対戦する元WBC世界フライ級王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(40=タイ)の選手ライセンスの申請について、書類がそろい次第、日本ボクシングコミッション(JBC)に申請する考えを明らかにした。

 現在、ポンサクレックのメディカル関連の書類が届くのを待っているという。金平会長は「申請に必要な書類を、取りそろえております。時間がかかっているのもある。そろい次第、なるべく早く(JBC)に行って相談を申し上げたい」と語った。書類が到着するめどについては「今日、明日くらいにくるんじゃないですか?」との見通しを語った。

 ポンサクレックは8日、タイの首都バンコクで約4年7カ月ぶりに復帰戦を行い、マノット・コンプット(35=タイ)と同国スーパーバンタム級暫定王座決定戦8回戦を戦い、判定勝ちで王座を獲得した。亀田興はJBCから選手ライセンスの再交付を受けているが、ポンサクレックも「最終試合から3年以内」とのライセンス再交付規定を満たしたことになる。

 金平会長は「もちろん、私たちはJBCルールの元での、バンタム級の公式戦の開催を求めています。書類がそろい次第、JBCに行き、協議します」と明言した。一方で「私たちは、ポンサクレックに試合しろとか言った覚えはない。ポンサクレック側が(亀田興との試合に向けて)チューンアップ試合をしたと認識している」とも語った。その上で「それくらいの勢いで向かってくると思います」とポンサクレックの動向に警戒感を強めた。【村上幸将】

亀田興毅(14年8月撮影)

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小浦13連勝のV2「WBAかWBC」世界をにらむ

小浦翼(18年4月16日撮影)

<ボクシング:東洋太平洋ミニマム級タイトルマッチ12回戦>◇17日◇東京・後楽園ホール


 ボクシングの東洋太平洋ミニマム級王者小浦翼(23=E&Jカシアス)が、逆転TKOでV2に成功した。

 17日に東京・後楽園ホールで同級11位田中(三迫)と対戦。初回に左フックでダウンしたが、5回に右で大きくぐらつかせるとラッシュ。5回TKOでデビューから13連勝(9KO)を飾った。すでに3団体で世界ランク入り。「ダウンも逆転KOも初めてで、これからへいい経験。WBAかWBCのベルトがいい」と世界挑戦のチャンスを待ち望んだ。

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井上尚弥が強烈左ボディー 仮想マクドネルを圧倒

マクドネルと同じ身長178センチの英国人ボクサー、ハムザ(右)と井上尚弥


 3階級制覇を狙うボクシングの前WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(25=大橋)が、WBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル(英国)を想定した練習相手との初スパーリングで派手なダウンを奪った。

 5月25日のマクドネル挑戦を控え、17日に横浜市内の所属ジムで、王者と同じ身長178センチで10戦全勝のラザ・ハムザ(英国)とスパーリングを開始。強烈な左ボディーを打ち込み、ひざまずかせるなど、上々の滑り出しをみせた。

 3月には身長175センチでWBA世界フェザー級2位のチャン・ウー(中国)とスパーリングを重ね、対策を練った。その上で今回マクドネルと同じ英国人と拳を交えた井上は「日本人やアジア人では、ああいった体形はいないので練習になります」と手応え十分だ。

 ハムザは「今まで多くのスパーリングをしてきたが、ボディーでダウンしたのは初めて」と驚きの表情。母国ボクシング界で英雄のマクドネルだが「井上の方が若いし、勝つだろう」と予測した。16日から所属ジムから徒歩圏内にあるホテルに宿泊。過去の世界戦よりはホテル生活を約1週間早めた。「完全に集中したいので」。早くも世界戦モードに入った。【藤中栄二】

身長178センチの英国人ボクサー、ハムザ(右)とスパーリングに臨んだ井上尚弥

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井上尚弥、比嘉に「メンタル作り直して復帰して」

身長178センチの英国人ボクサー、ハムザ(右)とスパーリングに臨んだ井上尚弥


 3階級制覇を狙うボクシングの前WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(25=大橋)が、17日に横浜市内の所属ジムで、WBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル(英国)を想定した練習相手との初スパーリングを開始した。

 井上が、体重超過で王座剥奪となった前WBC世界フライ級王者比嘉に再起のエールを送った。自らも最大で12キロの減量を経験しながら2階級制覇してきたこともあり「やると決めた以上、ウエートを作れない責任はある。ただ、まだ若いしメンタルを作り直して復帰してほしい」と口にした。

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和気慎吾が再起4連勝「世界の準備はできている」

和気慎吾(奥)(2017年12月31日撮影)

<プロボクシング:フェザー級8回戦>◇17日◇東京・後楽園ホール


 IBF世界スーパーバンタム級8位和気慎吾(30=FLARE山上)が再起4連勝を飾った。

 フィリピンのスーパーフェザー級7位ローマン・カント(28)を相手に切れのあるパンチでリード。4回に左ボディーでダウンさせたが、レフェリーはスリップと判断。この時にパンチで左目上もカットしていて流血。ドクターチェックを受けてレフェリーストップとなり、4回2分50秒TKO勝ちした。

 16年の世界初挑戦では11回TKO負けを喫した。ジム移籍して再起し、世界再挑戦が見えるところまできた。「世界の準備はできている。すぐにもやりたい」と宣言したが、すでに次戦が設定されている。世界前哨戦と言える一戦だ。

 7月27日に後楽園ホールで、日本同級王者久我勇作(27=ワタナベ)に挑戦する。久我が3月に初回KOでV2に成功し、両陣営とも対戦に乗り気だった。「用意された試合はやる。100%勝つ自信はある。明確に世界への切符がほしい」。久我も世界を狙っているだけに、生き残りをかけた決戦を見据えた。

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小浦翼逆転TKOでV2 ダウンも「足は生きてた」

<ボクシング:東洋太平洋ミニマム級タイトルマッチ12回戦>◇17日◇東京・後楽園ホール


 同級王者小浦翼(23=E&Jカシアス)が、逆転TKOでV2に成功した。

 同級11位田中教仁(33=三迫)を迎え撃ち、初回に左フックを浴びて初のダウンを喫した。2回からは徐々にペースを上げて、5回に右一発で大きくぐらつかせるとラッシュ。横倒しになるとレフェリーが即座にストップ。5回2分38秒TKOでデビューから13連勝(9KO)を飾った。 最軽量級とは思えぬ、初回から激しい打撃戦になった。小浦は右アッパーでぐらつかせると、ロープに追い込んで連打。そこへ右フックをもらってダウンした。「人生初のダウンも、フラッシュだった。びっくりしたが足は生きていた」とダメージは少なかった。

 2回からはリーチとスピード生かしてペースをつかみにいく。2度目のタイトル挑戦だった田中も、冷静にパンチを打ち込んできて白熱した。4回の公開途中採点では田中が1ポイント差で3-0とリードも「焦りはなかった」と小浦。言葉通りに5回に右の打ち下ろしがきれいにこめかみにヒット。田中は大きくぐらついて後ろ向きに。小浦はここぞとロープを背負わせて連打で横倒しにした。

 すでに3団体で世界ランク入りしている。3月には沖縄で走り込んだ。「合宿のおかげで、ダウンしても足も止まらなかった。チャンスを生かしきれた。結果良しで、初のダウンも逆転KOもこれからへいい経験」と前向きに捉えた。IBFは京口(ワタナベ)が世界王者だが「日本になじみのあるWBAかWBCのベルトがいい」と世界挑戦のチャンスを待ち望んだ。

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新王者の矢田良太、負ければ夫人実家の農園継いだ

新王者になった矢田良太は腰にベルト巻くと大泣き

<ボクシング:日本ウエルター級タイトルマッチ10回戦>◇16日◇東京・後楽園ホール


 ボクシングの日本ウエルター級王座戦が16日に東京・後楽園ホールであり、同級1位矢田良太(28=グリーンツダ)が新王者になった。

 同級王者有川稔男(33=川島)のV3戦で、8回に左フックでダウンを奪い、レフェリーストップでTKO勝ちした。大泣きの矢田は「目立ててよかった。まだ続けられる」。鹿児島・樟南ではDeNA大和の2年後輩。投手もケガで挫折し、脱サラしてボクサーになった。負ければ夫人の実家の農園を継げと言われていたが生き延びた。

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長谷川穂積氏「底辺拡大」ジム開業、王者の練習見て

ミット打ちを披露する長谷川穂積氏(右)(撮影・加藤裕一)


 ボクシングの元世界3階級王者長谷川穂積氏(37)が16日、神戸市灘区にジム「長谷川穂積 フィットネス&ボクシング」をオープンさせた。

 目的はプロ、アマ養成でなく「底辺拡大」。同氏も極力、同所で体を動かす予定で、リングはほぼ公式サイズ、フィットネス機器も、こだわりの“穂積仕様”でそろえた。「世界王者の練習ってどんなもんか、を見てもらいながら、一緒に体を動かしてくれたらうれしい」と話した。

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村田諒太「理想的な目標」最強ゴロフキン戦視察も

初防衛から一夜明け、紙面を手に笑顔を見せる村田(撮影・林敏行)


 WBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が、最強王者を直接視察する可能性が浮上した。エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)に9回TKOで圧勝し、同級日本人初の防衛を果たして一夜明けた16日、都内で会見。勝利のリングで標的に掲げた3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)に対し、「チャンスがあれば見たい」と望んだ。

 ゴロフキンは来月予定の世界戦が、相手のアルバレスのドーピング違反で辞退し、代替案を模索中。他選手と試合となれば、米国へ渡るかもしれない。14年夏には合同練習を行い、「理想的な目標」と尊敬する男のいまを見る好機になる。

 この日、「珍しく体を休めたい。先を見据えて休んだ方がいいから」と述べた。次戦は秋に米ラスベガス、その先にゴロフキンとの大一番を描くからこそ、休みを重視する。「家族と過ごします。ゴールデンウイークもくるし、一番ハードな仕事がきますね」と笑いを誘った。

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比嘉は脱水症状続く 復調後リポート提出、処分検討

15日、8回に比嘉(右)はロサレスの攻撃に苦しむ


 ボクシングの前WBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が16日、師匠の元WBA世界ライトフライ級王者具志堅用高会長(62)と一緒に受賞した沖縄県民栄誉賞の辞退を同県に伝えた。同日に同県が発表したもので、2人そろって辞退したいとの意向を示しており、今日17日午後に県庁で予定されていた表彰式も取りやめになった。

 翁長雄志知事は「2人の気持ちにも配慮した。ぜひ受けてもらいたいと考えており、相談しながら進めたい」とコメントした。14日の前日計量で体重超過による王座剥奪、15日の試合もプロ初黒星で日本新記録の16連続KO勝利を逃した比嘉に向け、同知事は「さらに精進し、これまで以上に活躍されることを期待している」とエールを送った。

 関係者によると、比嘉は15日の試合後、神奈川県内の病院に直行してあらためて検査を受けた。点滴などの治療を受けたものの、まだ脱水症状が続いている状態だという。日本ボクシングコミッションは16日、比嘉の体調が落ち着いた後にヒアリング、あるいは所属ジムからの体重超過に至るまでのリポート提出を要請する方針。その後、今回の世界戦での体重超過に対する処分を検討するという。

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比嘉大吾と具志堅会長、謝罪文を掲載/コメント全文

比嘉大吾(右)、具志堅用高会長


 体重超過で王座を剥奪されたプロボクシングWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)と師匠の具志堅用高会長(62)が16日、所属ジムの公式サイトで謝罪文を掲載した。

<具志堅会長のコメント>

 この度のWBC世界フライ級タイトルマッチ 比嘉大吾(白井・具志堅)対クリストファー・ロサレス(ニカラグア)におきまして、比嘉が規定体重に至らず、正式なタイトルマッチとして行うことが出来なかったことを深くお詫び申し上げます。

 適性体重でないにもかかわらず対戦を望んでくださったロサレス選手、陣営の皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいです。そして、何より今回の試合を楽しみにして下さったボクシングファンの皆様にも心よりお詫びいたします。

 2月の試合が1ラウンドで終了しダメージもなかったことから、今回の試合の出場を決定いたしました。結果的にこのような事態を招いた全責任は会長である私にあります。

 ボクシング界に与えてしまった影響を厳粛に受け止め、JBCの処分を待ちたいと思います。

 多大なるご迷惑をおかけしましたことを、改めて心よりお詫び申し上げます。

白井・具志堅スポーツジム

会長 具志堅用高

<比嘉大吾のコメント>

 4月15日のタイトルマッチで体重調整が上手くいかず、計量をクリアすることができませんでした。

 対戦相手のロサレス選手はもちろん、この試合に携わってくださったすべての皆様、ファンの方々に心からお詫び申し上げます。

 試合をするための大前提である、体重を作るという事が出来なかったのはプロとしてとても恥ずかしいことです。今回このような結果になってしまった事を深く反省しています。

 今は体調回復に努め、今後の事はJBCの処分に従います。

 本当に申し訳ございませんでした。

白井・具志堅スポーツジム

比嘉大吾

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矢田良太「目立ててよかった」8回TKOで新王者

<ボクシング:日本ウエルター級タイトルマッチ12回戦>◇16日◇東京・後楽園ホール


 同級1位矢田良太(28=グリーンツダ)が8回TKOで新王者になった。同級王者有川稔男(33=川島)の3度目の防衛戦で指名挑戦。激しい打撃戦になったが、8回に左フックでダウンを奪った。有川が立ち上がって再開も、1発を打ち込むとレフェリーがストップ。8回58秒TKO勝ちを収めた。

 初回に矢田が右ストレートで先手をとった。ぐらついた有川が逆襲して、今度は矢田がぐらつく。初回から激しい打ち合い。有川がペースを取りかけたが、5回の途中採点では矢田が3-0でリード。これで矢田が息を吹き返した。8回に左フックを浴びせてついにダウンを奪う。有川が立ち上がったもののダメージは大きかった。

 勝利の瞬間に矢田は大の字になり、ベルトが腰に巻かれると大泣きした。元は野球少年で鹿児島・樟南ではDeNA大和の2年後輩だった。投手だったが肘を痛めて挫折し、サラリーマンになった。「何かやりたい。腕っぷしには自信あった」と、3年で脱サラしてプロボクサーを目指した。

 尼崎ジムからデビューも2勝2敗でパッとせず。グリーンツダジムに移籍し、昨年のWBOアジア太平洋王座に次ぐ2度目の王座挑戦で花を咲かせた。「目立ててよかった。センスはないから1日4時間練習した。拾ってもらってよかった」と話した。今回負ければ、夫人の実家の農園を継げと言われていた。「まだボクシングを続けられよかった」とホッとしていた。

 有川は6連続KO中だったが、まさかの王座陥落となった。初回にいいパンチをもらい、川島会長は「引きづったかもしれない。調整はよかったが動きが悪かった」と話した。有川は「パンチは効いていた。ジャブも出ていたし。相手のパンチはパワフルだが思ったほどでは。いけると思ったが息を吹き返してこられた」。納得がいかないようだった。

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長谷川穂積氏が「フィットネス&ボクシング」を設立

神戸市にオープンした「長谷川穂積 フィットネス&ボクシング」でミット打ちを披露する長谷川穂積氏(撮影・加藤裕一)


 ボクシングの元世界3階級王者長谷川穂積氏(37)が16日、神戸市灘区に自身が会長を務める「長谷川穂積 フィットネス&ボクシング」をオープンさせた。目的はプロ、アマ養成ではない。「フィットネス目的。ボクシングをやったことない人が、僕と一緒に体を動かす中で、それが底辺拡大につながっていけば、と思っています」と設立理由を説明した。

 ジムでは同氏が指導に当たるわけではない。引退後も「生涯ボクサー」として現役時と変わらぬ練習を続ける同氏が、自分の練習場所として、他の仕事などがない限り、毎日顔を出して体を動かす予定という。「世界王者の練習ってどんなもんか、を見てもらって、一緒に体を動かしてほしい」と話した。

 施設内は、ほぼ公式サイズのリングとサンドバッグなどだけのフロアと、ランニングマシンなどのフィットネス機器があるフロアがある。置いてある機材は、同氏が「自分が使いたい」と思ったものに限られてあり、すべてが「長谷川穂積仕様」だ。

 会員制で「ボクシングに興味がなく、体を動かしたいだけ、という人も大歓迎」という。入会希望などの問い合わせは同ジム電話078・822・1216まで。

神戸市に「長谷川穂積 フィットネス&ボクシング」を開いた長谷川穂積氏(中央)。左はトレーナーの中辻啓勝氏、右は同じく奥田翔平氏(撮影・加藤裕一)

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武井壮「ルール変えなきゃ」比嘉体重超過問題で持論

左から比嘉大吾、武井壮


 武井壮(44)が16日、文化放送で放送された特番「武井壮のガッとしてビターン!」で、親交が深いプロボクサーの比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が、体重超過でWBC世界フライ級王座を剥奪された揚げ句、級2位クリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)に9回TKO負けした件に触れ「ルールを変えなきゃいけない」と訴えた。

 武井は、「比嘉選手は、日本の世界王者として初めて世界戦で体重超過をやってしまったことは汚点を残したなと思います。僕は普段かわいがっている後輩だし、仲の良い友人でもあるけれど『やっちゃったな、やってはいけないミスを犯したな』と思っています」と比嘉を厳しく批判した。

 その上で、山中慎介さんがWBC世界バンタム級タイトルマッチで、前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(メキシコ)と再戦し2回TKO負けした件と比較し、比嘉の今回の体重超過は「最大級の迷惑をかけなかったことが救い」と語った。

 武井 (山中さんとネリの試合は)体重超過してかなり重い状態で作ってきて、体力を消耗していない選手と試合をして2ラウンドでKOされてしまうっていうようなことが起きてしまった。まともに体を作って絞って削れた状態で試合会場にきてたった1日リカバーした分で戦う、という今のボクシングのルールを守らなかった選手にメリットがあるということなんですよ。(中略)ただ今回の比嘉選手は負けたから。調整に失敗して、パワーもなくて、しかも相手も強くて。だから、やられちゃった側がデメリットを被っていないからまだ良かった。比嘉選手が最大級の迷惑をかけなかったことが救いだったと僕は思っていて。

 その上で「きちっと作った挑戦者がチャンピオンを打ち負かすということ以外に幸せなゴールが何一つないということになっちゃう。だからルールを変えなきゃいけないんじゃないかなあと」とルール改正を訴えた。そのポイントは

 (1)初日の計量でオーバーしちゃったらその時点でハンディマッチにする。例えば12ラウンドある中を3分割して4ラウンド分、4ポイント減点した状態からスタートするとか。そしたら例えば、数百グラムのオーバーを2回目の計量までに落として来たら、そのポイントだけで済む。4ラウンド取れているんだからもう無理して攻める必要ないし、しっかりパンチを見られるし、一方相手はしっかり攻めていかないと取り戻せないから体力も使うだろうし。フラット(平等)にはならないけれど、そこでちょっと少しやってしまった側にハンディキャップを与えられるじゃないですか。

 (2)2回目の計量もだめでした、そして当日の何キロまでに抑えてくださいというところまでを守った。つまり今回の比嘉選手のように、1日目の計量が全部だめだったら、もうその時点で、王座移動でいいと思う。相手がチャンピオンでいい。それでも興業の問題で試合を行わなくてはいけないんだったら、まずチャンピオンが入れ替わった状態で、比嘉選手がチャレンジャーとして挑戦することになる。しかもそこにハンディキャップがもうある。しかも初日のハンディキャップよりも二日目の方が大きくて、判定になったらもう勝てない。KOして勝った場合だけ無効試合になる。チャンピオンを奪った選手はチャンピオンのまま。

 武井は「賛否あると思うんですけど、けどまあ危険性をはらんだ試合を行う、体重超過をしていない選手にメリットを与えるという意味ではこのくらいないといけないと思う」と持論を展開した。

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小浦翼、2度目の防衛戦へ自信「できれば倒したい」


 ボクシングの東洋太平洋ミニマム級タイトル戦の前日計量が、16日に都内で行われた。同級王者小浦翼(23=E&Jカシアス)は47・5キロ、同級11位田中教仁(33=三迫)はリミットの47・6キロで一発クリアした。試合は17日に東京・後楽園ホールで行われる。

 小浦は14年プロデビューから12連勝中(8KO)で、すでにWBCとIBFで4位、WBAで9位と3団体で世界ランク入りしている。「コンディション、調整も今までで一番いい。世界に行ってもいいと言われる試合をしたい」と意気込んだ。

 2度目の防衛戦となるが、前回は僅差の2-0判定勝ちだった。「前回よりも強くなったところを見せたい。ファイター相手だが、スピードの切れで、もらわずに打ち、できれば倒したい」と気合十分だった。

 田中は2度目のタイトル挑戦となる。05年にプロデビューし、11年には元世界3階級王者八重樫が日本王者時代に挑戦も判定負け。2戦後に1度は引退したが「やり切らないと次の人生へ行けない」と、17年にジムを移籍して再起した。

 4戦目にして訪れたチャンスに「こんな早くやれると思わなかった。ありがたい」と、ジムへの恩返しも期す。「勢いとスピードのある相手。空間をつぶして冷静に戦いたい」。ホープに臨むベテランは落ち着きある表情で決意を口にした。

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ロサレス新王者「比嘉のパンチに力は感じなかった」

6回、比嘉(右)はロサレスから連打を浴びる(撮影・足立雅史)

<プロボクシング:WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 体重超過で王座を剥奪された前王者比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が9回1分14秒、TKO負けでプロ初黒星を喫し、日本新記録の16連続KO勝ちも逃した。当日計量を規定体重内でパスし、同級2位クリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)と対戦。左ボディーなど軸に攻め続けたが、公開採点でも劣勢となっていた9回、具志堅用高会長(62)の棄権要請でレフェリーストップとなった。

 ロサレスはリーチの長さを生かしたパンチを次々と繰り出した。比嘉の攻撃を受けてもひるまず、連打でお返し。9回が始まって相手の手数が減り、勝利を確信したという。「大変幸せ。待ちに待った瞬間が訪れた」と歓喜に浸った。試合前日に比嘉が体重超過で王座を剥奪された。想定外の事態だったが、ロサレス自身は集中を乱さなかった。「比嘉のパンチに力は感じなかった。だから攻撃的にいくことができた」と誇らしげに話した。

比嘉(右)はロサレスに9回TKO負けを喫し観客に頭を下げる。後方左は具志堅会長

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JBC比嘉陣営聞き取り調査へ「悪質ではないが…」

具志堅会長(左)が見守る中、当日計量をパスした比嘉


 JBCの安河内剛事務局長は15日、体重超過で世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王座を剥奪された比嘉大吾の陣営に対して16日から聞き取りなどの調査を行うことを明らかにした。

 報告書の提出も求めるとし「悪質ではないが、しっかり精査しないといけない」と話した。出場停止などの処分が予想される。比嘉と同じ沖縄県出身で、日本記録の15戦連続KO勝利で並ぶ元世界チャンピオンの浜田剛史氏は「特に世界王者が体重オーバーをやってはいけない。処分を受け入れ反省してほしい」と指摘した。

 ◆比嘉の前日計量VTR 14日午後1時、都内のホテルで開かれた計量で、リミット(50・8キロ)よりも900グラムオーバー。再計量へ2時間の猶予を与えられたものの、1時間半後となる午後2時半過ぎ、具志堅会長が再計量することなくギブアップを発表。同会長は「あってはならないことがあった。申し訳ありません。一生懸命努力したが、とにかく汗が出ません。選手を信用していた。まさかという…。短期間でもってきて…。最終的に私の最大の責任」と頭を下げて謝罪した。

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山中慎介氏、村田諒太は「トップレベルでできる」

試合を観戦する山中氏(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 前人未到の防衛を飾った。王者村田諒太(32=帝拳)が6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)から8回にダウンを奪い、2分56秒TKO勝ちした。ミドル級では日本勢で初、最も重い階級での防衛に成功した。世界王者となっても己を冷静に見つめ、また経歴に偉業を加えた。標的に3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)を掲げ、さらなる頂に挑む。

 ◆山中慎介氏(元WBCバンタム級王者) パンチもあり、迫力もあった。ミドル級のトップレベルでできると思う。今後も楽しみ。

 ◆長谷川穂積氏(元世界3階級王者) 素晴らしいボクシング。圧倒していた。次の試合が楽しみ。倒しにくい相手を、よく倒した。

 ◆帝拳プロモーション・浜田剛史代表 村田は最後まで落ち着いていた。無理に攻めて前のめりにならず、12ラウンドのうちに倒せばいいという闘いだった。

8回、ブランダムラ(手前)に強烈な右ストレートを打ち込む村田(撮影・狩俣裕三)

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比嘉大吾、出場直訴も9回限界 処分待ち長期休養へ

9回、ロサレス(左)に破れ、引き揚げる比嘉(撮影・林敏行)

<プロボクシング:WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 体重超過で王座を剥奪された前王者比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が9回1分14秒、TKO負けでプロ初黒星を喫し、日本新記録の16連続KO勝ちも逃した。当日計量を規定体重内でパスし、同級2位クリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)と対戦。左ボディーなど軸に攻め続けたが、公開採点でも劣勢となっていた9回、具志堅用高会長(62)の棄権要請でレフェリーストップとなった。日本ボクシングコミッション(JBC)による処分を待ちながら、比嘉は長期休養に入る。

 力尽きた、ふらついた体で、比嘉は頭を下げながらリングから下りた。WBCの公開採点でジャッジ3人中2人がロサレスを支持した8回終了時、具志堅会長からJBCに棄権の要請が入った。接近戦で打ち合っていた途中に試合はストップ。控室に戻ると涙を流し、そして泣き続けた。「ごめんなさい」と同会長に謝罪。「心配するな、よくやった」と褒められ、心が救われた。

 当日朝の計量で、試合実施のために設定された55・3キロを下回る54・7キロでパスした。しかし脱水症状になるまで極限まで追い込んだ肉体のダメージは大きかったが、周囲の心配を振り払い、自ら出場を直訴。落ち込んだ気持ちを奮い立たせるため、通常よりもウオーミングアップし、顔を紅潮させてリングに立った。試合後は「何も出てこない。改めて話します。ごめんなさい」とだけ話した。

 当日朝に計量パスした後には「世界王者にもかかわらず、計量をミスして申し訳ありません。ロサレス陣営に申し訳ないです。ボクシングファンのみなさま、プロモーションの方々に謝りたいです」と深々と頭を下げた。リングで拳を交え、来日した挑戦者に敬意を表したかったようだ。具志堅会長も「2~3回で止めることも考えていた」。ギリギリの状態だった。

 体重超過の原因について具志堅会長は「今回(の減量ミス)は短期間だったこと。体重を落とすにはもう少し余裕が必要だった」と分析。その上で「2カ月ぐらいで試合をさせた本当に私の責任。甘かったです」とあらためて謝罪した。今月中にもJBCから体重超過に対する比嘉への処分が決まる見通し。長期間の出場停止も想定されるため、同会長は「今後のことは全く考えていない。JBCの処分があるので、しっかりと決定を待ちたい」と神妙な面持ちだった。

 まずは長期休養で疲労が蓄積し続けた心身を癒やす方向。22歳と若いものの、試合できない状態が続けば誰でも実戦感覚は鈍る。比嘉の再起は、いばらの道になりそうだ。【藤中栄二】

9回、クリストファー・ロサレスにTKO負けする比嘉(右端)。右から3人目は具志堅会長(撮影・狩俣裕三)
8回、ロサレス(左)に左フックを食らう比嘉(撮影・狩俣裕三)

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村田諒太の「強さ」の資質 頭で追い込み右で決める

8回、ブランダムラ(手前)に強烈な右ストレートを打ち込む村田(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 難関とされるミドル級で日本人初防衛を果たした村田諒太(32=帝拳)には、絶対的な自信を持つ資質がある。それは「頭」。観察眼と記憶の蓄積に裏付けられたその必勝法に迫った。

<試合前>

 「アマ時代からやっていることで、まず相手の良さを見る。得意なパンチなど。それと弱いところを見る。シンプルにその2つ。良いところはもらってはいけないので対応する。じゃあ悪いところで特徴を探す。長いこと見ていればわかるんです」

 映像分析に注力する。今回で言えば、ブランダムラの長所は「フットワークの速さ」「右ストレートのかぶせからの左ジャブ」「序盤は右を振ってくる」、短所は「スタミナがない」。 的確な気付きは記憶が支える。自身のアマ138戦、プロ14戦は細部まで状況を思い出せる。他選手の試合は数千試合を見ているが、その蓄積が材料として生き、観察眼を生む。試合の解説でも、他人が気付かないわずかな変化に目がいく。「序盤よりガードがわずかに低い、とか。疲労でパンチが見えなくて、見たいから下げ始めるんです」。

<試合中>

 「いまの嫌がったと思った瞬間に、相手が一息つかない瞬間にいくとか。ちょっとしたことは工夫している。呼吸を読むというか、間を読むというか」

 ここにも観察眼が生きる。よく「プレッシャーをかける」という言葉を使うが、村田の解釈は「相手が嫌がっているということ。されることを嫌がっているかどうか」。これが抜群にうまい。「例えば息の使い方ですね。ボディーを打って効いたかは分からないが、呼吸が乱れ、その後の1アクションが少し遅れたり」。聴力も駆使し、プレッシャーのかけ時を逃さない。

 この日は「作戦は実行できた」と完封した。序盤の右はもらわず相手の長所であるフットワークはジャブで制した。そして、持続力が落ち、ガードが緩んだところを右で仕留めた。「頭でやっているから」。この日も、「頭」で勝ちを引き寄せた。【阿部健吾】

ブランダムラにTKO勝ちして防衛に成功し、関係者らと握手しながら引き揚げる村田(撮影・林敏行)

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村田諒太「心のピョン吉」操りさらなる頂を目指す

6回、ブランダムラ(左)に強烈な右ストレートを食らわす村田(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 前人未到の防衛を飾った。王者村田諒太(32=帝拳)が6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)から8回にダウンを奪い、2分56秒TKO勝ちした。ミドル級では日本勢で初、最も重い階級での防衛に成功した。世界王者となっても己を冷静に見つめ、また経歴に偉業を加えた。標的に3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)を掲げ、さらなる頂に挑む。

 自分でも驚く一撃だった。「こんなパンチを打てるのか」。8回、残り15秒、村田はまた進化を証明した。ブランダムラを捉えた右ストレートは、直線ではなく鋭角にガードを抜けて右から顔面を捉え、ひざまずかせた。レフェリーが手を交差する。ミドル級、日本人初の防衛成す。瞬間、右拳を掲げた。「ホッとしました。KOという形で期待に応えられた」「初防衛戦なので及第点」。自然に白い歯がこぼれた。

 初回から重圧をかけ、ロープを背負わせた。相手の背中はこすれてすぐに赤くなった。フットワーク自慢を、滑らかな足取りで追い込み続けた。「体が開いていた右ストレートのズレを5回から修正できた」。倒したい欲を抑え、焦らず、「違った右」で仕留めた。

 2日前、調印式にベルトを忘れてきた。自宅に置いたままだった。うっかり、というより、防衛戦に臨む心持ちがそうさせた。「王者なんてとんでもない。圧倒する才能はない」。客観的に実力を見つめ、挑戦者の気概で成長を目指した。

 「ピョン吉の扱い方がうまくなった。2匹目の」。漫画「ど根性ガエル」の主人公のTシャツの胸にすみ着いたカエル。気ままに引っ張り回す存在を、世界王者という肩書に重ねる。1匹目は五輪金メダル。「これだけのことをしたんだから認めてくれ」。高慢だった。振り回された。

 戴冠後、2匹目が誕生したが「また1つのブームがきたな」と思えた。だから行動も変わらない。昨年のクリスマス前、30人分のケーキを手に都内の福祉施設へ。5度目の訪問。「王者になったら来るって言っていたけど、本当に来たね」の声にうれしくなった。

 5年ぶりの多忙な日々も今度は糧にした。CM共演したJ2横浜FCのFWカズが撮影中にあんぱんを食べていた。「練習し過ぎて、栄養取らないと体重が減っていく、と」。飽くなき向上心に感化された。

 1カ月前、取材時間に1時間遅れてきた。理由は「すみません、スパーが良くなくて…」。居残り練習が長くなった。「できないのは悔しいし、できたらうれしい。やりたてのような気持ちもある。そう思うとまだ続けられるなと」。新たに「できた」フィニッシュの右はそのたまものだ。

 「ゴロフキンとやりたい」。V2戦は米国、その先には最強王者を見据える。偉業にのまれず、偉業を成し続ける。【阿部健吾】

村田諒太対エマヌエーレ・ブランダムラ 村田(右)は8回TKOでブランダムラを破り、初防衛に成功する(撮影・足立雅史)
防衛に成功し、チャンピオンベルトを巻いて勝ち名乗りを受ける村田諒太(撮影・林敏行)

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比嘉大吾、栄誉賞辞退も「沖縄行ける状態ではない」

9回、クリストファー・ロサレスにTKO負けする比嘉(右端)。右から3人目は具志堅会長(撮影・狩俣裕三)


 体重超過で王座を剥奪された前王者比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が9回1分14秒、TKO負けでプロ初黒星を喫し、日本新記録の16連続KO勝ちも逃した。

 比嘉が、明日17日に故郷沖縄県庁で予定される県民栄誉賞の授賞式に出席できない見通しとなった。2月に地元沖縄での2度目の防衛戦で勝利後、具志堅会長と一緒に受賞することが発表されていた。15日の試合でのダメージが大きいためで、同会長は航空便での移動は難しいと判断した様子。「本人は沖縄に行ける状態ではない。受賞も辞退した方がいいのではないかと思っている。明日、相談してから決めたい」と明かした。なお翌18日に比嘉、具志堅会長の2人で出席予定だった東京シティ競馬(東京・大井競馬場)のトークショーも中止が発表された。

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村田諒太、今冬にもゴロフキン戦 アラム氏私案披露

ブランダムラにTKO勝ちして防衛に成功し、関係者らと握手しながら引き揚げる村田(撮影・林敏行)


 初防衛した村田諒太(32=帝拳)が、3団体統一王者ゴロフキン戦に前進した。帝拳の本田会長は今秋のV2戦について「次はラスベガスで。どうせ向こうでやるならアメリカ人とやりたい」。会場は「聖地」MGMグランドガーデンアリーナを予定。「いい勝ち方ができれば(次は)ゴロフキンというのがある。ゴロフキンとはなるべく早くやりたい」と、今冬にも実現する可能性が浮上した。

 米興行大手トップランク社のアラムCEOもV2戦を挟み「東京ドームでゴロフキンとやらせたい」。村田が勝つ可能性を問われ「私はプロモートする選手が勝つと思わない試合はさせない」と断言。その上で日本の日曜朝に試合をすれば、米東海岸の土曜夜に当たり、ペイ・パー・ビューで多くの契約が見込めるという私案も披露していた。

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手出さず相手下げる重圧が村田の武器/大橋秀行の目

8回、ブランダムラ(手前)に強烈な右ストレートを打ち込む村田(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 前人未到の防衛を飾った。王者村田諒太(32=帝拳)が6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)から8回にダウンを奪い、2分56秒TKO勝ちした。

  ◇  ◇  ◇

 開始30秒で勝負ありだった。村田はガードを固めて、手も出さずにプレッシャーをかけていった。それでブランダムラをロープまで下がらせた。ヘビににらまれたカエル状態。あのプレッシャーは村田の武器といえ、勝負は見えていた。

 あとは追い込むだけで、右を警戒されていたが、左ジャブがストレートのように効いた。左ボディーは少なかったが、右のボディーストレートも良かった。

 ブランダムラは攻撃2割、防御8割で、足も使ってきた。村田が負けることはなくても、倒すのが難しいタイプ。それを最後にワンツーから右で倒した。判定とKOでは全然違う。このKO防衛は大きい。

 初防衛戦は硬くなるものだが、村田は笑いながらのびのびと試合していた。一時スランプのような時もあったが、世界を取って吹っ切れた感じだ。

 この階級は強敵ぞろいで見応えある。次はファルカン戦も面白いが、すぐにでもゴロフキン戦を見たい。ゴロフキンといえども全盛期は過ぎている。あのプレッシャーで下がらせることができれば、チャンスは十分にある。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)

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ブランダムラ、村田が王者の理由「あれで分かった」

試合後、ブランダムラ(左)と健闘をたたえ合う村田(撮影・林敏行)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 前人未到の防衛を飾った。王者村田諒太(32=帝拳)が6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)から8回にダウンを奪い、2分56秒TKO勝ちした。

 村田の強烈な右の一撃で沈められたブランダムラは「村田選手は世界チャンピオンになるべくしてなった選手であるということが“あれ”で分かった。何時間も『右』対策を重ねてきたが(想像以上に)すごかった」と、うなるしかなかった。「競技を取り巻く環境は良くない」というイタリアにあって、陣営として並々ならぬ思いで臨んだ一戦。「世界チャンピオンと拳を交えられて誇りを感じている」と瞳を潤ませた。

6回、ブランダムラ(左)に強烈な右ストレートを食らわす村田(撮影・狩俣裕三)

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村田諒太、らしさ発揮「普段のノリになってますね」

防衛に成功し、笑顔でインタビューに答える村田(撮影・林敏行)

<プロボクシング:ダブル世界戦>◇15日◇横浜アリーナ


 初防衛に成功したWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が、またもや持ち前のユーモアセンスを発揮した。同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)を右ストレートを軸にして攻め立て、8回にダウンを奪ってTKO勝ちした直後。勝利者インタビューでおどけてみせた。

 フジテレビの田中大貴アナウンサーがマイクを向けて「たたかい…、戦いたい相手は?」とかみながら聞くと、ニヤリ。即座に「たたかい相手は…」と切り返して、会場にはすぐに暖かい笑いが広がった。「あ、普段のノリになってますね」と自分へのツッコミも入れると、きちんと「ゴロフキンを目指してやりたい」とミドル級3団体統一王者の名前を挙げて、再び会場を沸かせてみせた。

 振り返れば、昨年10月のタイトルマッチのアッサン・エンダム戦でもユーモアは光っていた。7回終了時に棄権によるTKO勝ちでベルトを手にすると、直後のインタビューでは田中アナから「初めて泣いている姿を見ました」と聞かれると、「泣いてません」と赤い眼でニヤリとして見せた。なんとも絶妙なセンスある切り返しは、競技だけでない村田の魅力を見た人に伝えた。

 初防衛戦の舞台でもきっちり「持ち味」を披露した。この先もどんな勝利者インタビューが聞けるか楽しみだ。

初防衛を果たし、笑顔で車に乗り込む村田(撮影・足立雅史)

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挑戦者ブランダムラ、TKO負けに「拳交えて誇り」

試合後、ブランダムラ(左)と健闘をたたえ合う村田(撮影・林敏行)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 村田諒太(32=帝拳)に8回TKOで敗れた挑戦者の同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)は「世界チャンピオンと拳を交えられたことに誇りを感じている」と最大限の敬意を表した。

 「村田選手は世界チャンピオンになるべくしてなった選手であるということが“あれ”で分かった」。村田の強烈な一撃で倒された場面を振り返った時、衝撃を物語るように口調は熱を帯びた。「ジムでも彼の『右』を想定した訓練をかなり重ねてきた。何時間も何時間も、彼の『右』対策に費やしてきた。だけど、やっぱり(想像以上に)すごかった」とうなるしかなかった。

1回、エマヌエーレ・ブランダムラ(右)のパンチをガードして防ぐ村田諒太(撮影・林敏行)

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村田諒太、初防衛成功で旅行券100万円を獲得

ボートレース振興会の小高幹雄会長(左)から旅行券の目録を送られた村田諒太(撮影・林敏行)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 8回TKO勝ちでミドル級世界戦では日本人初の初防衛に成功した王者村田諒太(32=帝拳)は、勝利者賞としてボートレース振興会の小高幹雄会長から旅行券100万円を贈られた。

 黒いWBAベルトなどの返還セレモニー後、リング上で旅行券の目録が手渡された。満面の笑みで小高会長とガッチリと握手を交わし、一緒に記念撮影に応じた。ボートレース振興会が今回のタイトル戦に協賛しており、村田が家族と一緒に旅行できる大きなボーナスとなりそうだ。

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王者村田は探求心の鬼!想像絶する坂道トレ課しV1

8回、ブランダムラ(後方右)をTKOで破り初防衛を果たした村田は右拳を掲げる(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:ダブル世界戦>◇15日◇横浜アリーナ


 WBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が初防衛に成功した。同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)と対戦。開始から得意の右ストレート中心の連打を決め、優位に立つ。8回TKO勝利。日本人の同級王座の防衛成功は初となった。

 村田 (王者として)今回は見られる立場だった。気が引き締まった。より自分と向き合う時間が多かった。(今後は世界同級3団体統一王者の)ゴロフキンを目指してやっていきたい。

 飽くなき探求心が世界王者となった後も村田を成長させていた。1月に沖縄で1週間行ったフィジカル強化の合宿。中村トレーナーにリクエストしたのは「ラウンド中のしんどくてという状態に似通った疲れがほしい」。これまであまりやってこなかったメニューを依頼した。

 これまで取り組んできた内容の1つに、重いトレーニング用そり(スレッド)を一気に押すメニューがある。「ほぼ無呼吸の状態で30秒くらいやるんですが、普通人間は息を吸って平衡を保っているんですけどそれが崩れるんです。酸素負債といって、借金なんですよ。本来息をしてないといけない時の借金状態。その負債を抱えたのを、押し終わった後に、はー、はー、と返す。その時に一気に心拍数が上がる。トレーニング中、やっている中に息が上がるかというと、そうではないんです」。その状態はボクシングで言えばラッシュをかける疲れに似ているが、それでは不十分と感じていた。

 そこで新メニューを求めた。「後で返すのではなく、やっている最中にしんどいもの」。用意されたのは2キロ以上長く続く坂道を走り続ける、それを3セット。沖縄の海を背景にしながら、肩で激しく息をしながら駆け上がる姿があった。「しんど!」と走り終わった後に叫びながら、また新たなチャレンジに充実感に浸った。さらに上を、その上を目指し続ける姿勢。坂道を登るように向上を目指し続ける心が、偉業を支えた。

3回、ブランダムラ(左)に右フックを食らわす村田(撮影・狩俣裕三)
6回、ブランダムラ(左)に右ストレートを打ち込む村田(撮影・狩俣裕三)

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村田諒太が初防衛、比嘉TKO負け/W世界戦詳細

<プロボクシング:ダブル世界戦>◇15日◇横浜アリーナ

 2012年ロンドン五輪金メダリストでWBAミドル級王者の村田諒太(32=帝拳)が同級6位のエマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)を8回TKOで下し初防衛戦に成功した。

 WBCフライ級では体重超過で王座剝奪となった比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が同級2位のクリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)に9回TKO負けを喫した。連続KO勝利は15でストップし日本新記録はならなかった。ロサレスが新王者となった。

8回、ブランダムラ(後方右)をTKOで破り、初防衛を果たす村田(撮影・狩俣裕三)

WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦

王者村田諒太(32=帝拳)8回TKO同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)

【1回】村田は相手の様子を見ながら徐々に間合いを詰める。2分30秒すぎ、左ジャブから右ストレートが有効、2分50秒すぎ、右ストレートが相手のボディーにクリーンヒット

【2回】1分20秒すぎ、村田の右フックから左ボディーがヒット。2分10秒すぎ、ガードの隙間から村田は白いマウスピースをのぞかせニカッと笑う。相手も左ボディーから左フックのコンビネーションで応戦

【3回】1分30秒すぎ、村田は相手のガードの上から右ストレートを3発。相手はロープを背に動き回ってかわす。2分30秒すぎ、フットワークで距離を詰めさせない相手に村田はガード越しに右ストレートを断続的に見舞う

【4回】1分30秒すぎ、村田の左ジャブがヒット。1分45秒すぎ、村田は相手のガードの上から右ストレートを何度も繰り出す

【5回】相手は左右体を振って村田に的を絞らせない。村田は2分30秒すぎ、右ボディーを立て続けにヒットさせる

【6回】50秒すぎ、右ストレートが顔面を捉える。1分10秒すぎに村田の右ボディーに相手は顔をしかめる。2分すぎ、村田の強烈な右ストレートをもらい相手の足元がふらつく。2分45秒すぎ、村田のラッシュ。右ストレートで追い詰める

6回、ブランダムラ(左)に右ストレートを打ち込む村田(撮影・狩俣裕三)

【7回】2分10秒すぎ、村田の右ストレート。2分30秒すぎにも右ストレートを村田が繰り出すも単発。相手はのらりくらりと村田のハードパンチをかわす

7回、村田(右)はブランダムラをロープ際に追い詰める(撮影・足立雅史)

【8回】2分10秒すぎ、村田は左ジャブの連打から間合いを詰めて右ストレートをヒットさせる。2分40秒すぎ、村田は左ジャブから右ストレートをクリーンヒット。相手の足元がぐらついた2分44秒すぎ、村田の得意の右ストレートが相手の顔面をとらえダウンを奪う。そのままTKO勝ちで初防衛成功

8回、ブランダムラ(右)を右フックでダウンを奪い、TKO勝ちする村田(撮影・狩俣裕三)

8回、ブランダムラ(手前)に強烈な右ストレートを打ち込む村田(撮影・狩俣裕三)

村田諒太対エマヌエーレ・ブランダムラ 村田(右)は8回TKOでブランダムラを破り、初防衛に成功する(撮影・足立雅史)

◆村田のコメント

「みなさん早く倒せよと思っていたと思うけど僕も早く(KOにもって)いきたかった。ラッキーでした。(前回は試合後に号泣も)泣いていません。見たら分かるじゃないですか。今回は(王者として)見られる立場だった。気が引き締まった。より自分と向き合う時間が多かった。(今日は)もっと行けよと言われるかもしれないけど、初防衛戦ということで及第点というところ。戦いたい相手は(3団体統一王者)ゴロフキン目指してやりたい。今のままなら勝てる気がしないので、しっかり練習したい」

WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦

前王者比嘉大吾(22=白井・具志堅)9回TKO同級2位クリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)

9回、ロサレス(右)にTKO負けする比嘉(撮影・狩俣裕三)

【1回】比嘉は相手のジャブをガードしながら、ステップインジャブで様子を見る。1分すぎ、比嘉は相手の左ジャブにカウンター気味に左を合わせる。相手も負けじとコンビネーションでパンチを積極的に繰り出す

【2回】比嘉は1秒すぎに左ボデイーをヒットさせる。相手も比嘉の左ボディーに左フックを合わせ、1分20秒すぎには比嘉の顔面をヒットさせる

2回、比嘉(左)はロサレスに強烈な左ストレートを見舞う(撮影・足立雅史)

【3回】1分25秒すぎ、比嘉は左ボデイーをヒットさせる。ボディーを嫌う相手は前傾姿勢の比嘉に左右のアッパーで応戦。2分すぎ、比嘉の強烈な左ボデイーがヒット。2分10秒すぎ、比嘉は左ボデイーをフェイントに左フックを顔面にヒット

【4回】相手が積極的にパンチを繰り出し2分10秒すぎ、右ストレートを比嘉の顔面にヒット。2分20秒すぎ、比嘉は相手の右フックをもらう

◆4Rまでの公開採点=比嘉1-2ロサレス

【5回】両者壮絶な打ち合いを展開。2分すぎ比嘉の左右のボディーが相手をとらえる。残り10秒、相手も比嘉の右ボディーを捉える

【6回】10秒すぎ、相手の左右のフックをもらった比嘉の足元がふらつく。2分30秒すぎ、比嘉は左ボディーから右フックをヒット。2分40秒すぎ、相手の左右のフックに比嘉は左ボディーを連打で応戦

6回、ロサレス(左)に強烈な右フックを食らわす比嘉(撮影・狩俣裕三)

6回、比嘉(右)はロサレスから連打を浴びる(撮影・足立雅史)

【7回】1分40秒すぎ、比嘉の左ボディーがヒット。2分すぎ、比嘉の左ボディーに相手が顔をゆがめ、動きが鈍くなる。比嘉は左ボディから左フックをヒットさせる

【8回】2分すぎ、比嘉の左右のフックが相手の顔面をヒット。相手も負けじと左右のフックで応戦し壮絶な打ち合いに。2分45秒すぎ、比嘉は左右のボディーから左右顔面にフックをヒット

◆8Rまでの公開採点=比嘉0-2ロサレス、ドロー1

【9回】相手の猛攻でパンチを浴びる比嘉サイドからタオルが投入され、比嘉のTKO負け

試合を観戦する山中氏(撮影・狩俣裕三)

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比嘉大吾と具志堅会長の大井競馬イベントが中止に

前日計量を前に険しい表情の比嘉大吾(左)と具志堅用高会長(2018年4月14日撮影)


 大井競馬を運営する特別区競馬組合は15日、具志堅用高会長と比嘉大吾が18日に大井競馬場で出演予定だった「レジェンドトークショー」とメインレース「東京スプリント」の表彰式プレゼンテーターの実施を中止すると発表した。出演者の意向だという。

 なお当日は、松村邦洋、神奈月らものまねタレントによる「東京スプリント TCK ものまねライブ!」を開催する。

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体重超過の比嘉TKO負け、日本新16KOならず

8回、ロサレス(右)にパンチを出すもかわされる比嘉(撮影・林敏行)

<プロボクシング:WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 前王者・比嘉大吾(22=白井・具志堅)が、挑戦者のクリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)に9回TKO負けを喫した。

 9回に相手のパンチを浴びる中で棄権の意思を示し、初黒星。日本新の16連続KOもならなかった。

 比嘉は14日の前日計量で51・7キロとリミットを900グラム超過。2時間の猶予も1時間半後にギブアップして王座を剥奪された。15日の当日計量を規定内の54・7キロでパスして臨んでいた。

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王座剥奪の比嘉、当日計量パス 頼みは16連続KO

当日計量にパス後、ロサレス陣営(左端)に謝罪し、握手を求められた前WBC世界スーパーフライ級王者比嘉(右)


 14日の前日計量で体重超過し、王座剥奪されたボクシング前WBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅)が15日、東京・文京区の日本ボクシングコミッションで当日計量に臨み、規定内の54・7キロでパスした。

 会場の横浜アリーナでの健康診断は残るものの、同級2位クリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)との試合は成立となった。これでロサレスが勝った場合、王座獲得、引き分けか負けならば王座は空位になる。

 当日計量パス後、比嘉は具志堅用高会長、野木丈司トレーナーとともに謝罪。日本人初の世界戦体重超過での王座を剥奪を受けて「世界王者にもかかわらず、計量ミスして申し訳ありません。ロサレス陣営に申し訳ないです」と深々と頭を下げた。さらに「体重オーバーしてまでも試合をオッケーしてくれたロサレス陣営の方々に感謝しています。ボクシングファンのみなさま、試合を組んでいただいたプロモーションの方々に謝りたいです」と神妙な面持ちで口にした。

 比嘉は14日に都内で開かれた前日計量で51・7キロとリミットを900グラム超過した。2時間の猶予も1時間半後にギブアップ。試合開催は当日計量で55・3キロが設定されていた。これで日本新の16連続KOの可能性は残った。

具志堅会長(奥)が見守る中、当日計量をパスした前WBC世界フライ級王者比嘉

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「もっと強いんですよ」“神の左”山中氏が村田語る

前日計量をクリアしポーズを取る村田(撮影・河野匠)


 村田の強みは何か。先月現役を引退した元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏(35)は南京都高(現京都広学館高)帝拳ジムで長く先輩、後輩の間柄で過ごした。間近で見てきた「神の左」が語るすごみとは?【聞き手=阿部健吾】

     ◇  ◇

 肉体面、精神面のスタミナが村田のボクシングを支えていると思います。

 出会いは僕が専大1年、村田が高校に入学した年の夏でしたね。合同練習のロードワークで断トツ。大学生もいたんですけどね。プロでも一緒の合宿もありましたが、長距離走は追いついてやると思わないくらい速い。ちょっと速いくらいなら追いついてやろうと思うんですが。

 ボクサーは単純に手数、動きが多いから疲れるわけではないんです。思うように手が出なかったり、思い通りにいかない時こそ疲労感が増す。周りから見えない戦いづらさがあったり。それがスタミナに大きく影響する。その状況でもいかに耐えて、折れずに戦い続けられるか。村田の強さはその耐性にこそある。生来のずばぬけた持久力に支えられ、精神的にも枯渇することがない。昨年のエンダムとの試合2回でもそう感じました。

 体力面は日頃の練習でも強さを培っている。通常は練習の終わりにやる腹筋練習をした後に、またグローブをはめるのをよく見ます。「いや、もう無理やろっ」て思うくらいですよ。決まった練習パターンはなくて、自分で考えている。それにはあれだけの練習をできる体の強さもないと無理ですね。

 その試行錯誤で、ここ数戦で良くなっているのは左ジャブですね。独特のタイミングが良い。相手の呼吸を見て、ちょっとずらし、分からないタイミングで打つ。ジャブが当たるかはスピードではないんです。どんなパンチでも来ると分かっていたら反応できたり、よけたりガードできたりできる。僕が一番大事だと思うのはタイミングで、初防衛戦でも成長が見られると思う。

 本当の意味では、ミドル級の超一流とやった時に村田の実力が評価されると思っている。もちろんいまは世界王者、金メダルも取り言うことないでしょうけど、もったいない。もっと強いんですよ。もっと上とやっても負けるとは思わない。そのためにも初防衛戦をクリアしてほしい。楽しみですね。

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村田諒太は「慣れているので大丈夫」計量1発でパス

前日計量をパスし記念撮影に納まる村田(左)と挑戦者のブランダムラ(撮影・河野匠)


 WBA世界ミドル級タイトルマッチで初防衛戦に臨む王者村田諒太(32=帝拳)は「これが(プロ)15戦目。慣れているので大丈夫です」と平然と前日計量を終えた。リミットいっぱいの72・5キロの体には張りがあり、直後にスッポンスープで腹を満たすとすぐに汗が出た。額を手でぬぐいながら「昨日は出なかったけど、不思議ですね」と好気配をうかがわせた。

 挑戦者ブランダムラ(イタリア)と向き合ったが「いい体をしていた。ただフレームは僕のほうがでかい」と想像の範囲内だった。前日には契約するトップ・ランク社の世界的プロモータ-、アラム氏が今冬に東京ドームでゴロフキンと対戦するプランを披露したが「良いんじゃないですか」と前向き。「焦らないこと。倒したいという邪念を抑えて試合に臨めるかどうか」と自ら勝負の鍵を冷静に分析した。

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浜田剛史氏「減量は当たり前…大きく裏切った」

険しい表情の帝拳ジム浜田代表(撮影・河野匠)


 ボクシングWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅)が、日本人初の世界戦体重超過で王座を剥奪された。15日の横浜アリーナでのダブル世界戦前日計量が14日に都内で行われた。比嘉は51・7キロとリミットを900グラム超過し、2時間の猶予も1時間半後にギブアップ。試合開催は当日計量で55・3キロが設定された。日本新の16連続KOの可能性は残るも、減量失敗頻発の中で大きな汚点を残した。同級2位ロサレス(ニカラグア)が勝った場合は王座獲得、引き分けか負けならば王座は空位になる。

 同じ沖縄出身で元WBC世界スーパーライト級王者浜田剛史氏 間隔が2カ月で逆に増やさずいいのかと思っていた。想定外でまさか。減量は何キロ落としても自慢ではなく当たり前。沖縄ファイターが出て盛り上がっていたが、大きく裏切った。技術、根性すべてが飛んだ。

比嘉の再計量断念を報道陣に伝え、頭を下げる具志堅会長(撮影・河野匠)
前日計量で900グラムオーバーとなる比嘉(撮影・河野匠)

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比嘉に挑戦のロサレス心痛「夢を失うのと同じ」

前日計量をパスする挑戦者のロサレス(撮影・河野匠)


 ボクシングWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅)が、日本人初の世界戦体重超過で王座を剥奪された。15日の横浜アリーナでのダブル世界戦前日計量が14日に都内で行われた。比嘉は51・7キロとリミットを900グラム超過し、2時間の猶予も1時間半後にギブアップ。試合開催は当日計量で55・3キロが設定された。日本新の16連続KOの可能性は残るも、減量失敗頻発の中で大きな汚点を残した。同級2位ロサレス(ニカラグア)が勝った場合は王座獲得、引き分けか負けならば王座は空位になる。

 50・5キロでパスしたロサレス すごく残念で悲しい。夢を失うのと同じで心を痛めている。試合できることを祈っている。世界を取りに来たので、王者になって国に帰る。(試合時に体重差があったとしても)リスクだとは思っていない。私は順調に回復して力強い。

1回目の計量で900グラムオーバーとなり、うなだれる比嘉(左)と具志堅会長(2018年4月14日撮影)
前日計量で900グラムオーバーとなる比嘉(撮影・河野匠)

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比嘉に「厳格な処分」ネリはJBC永久追放/解説

比嘉の再計量断念を報道陣に伝え、頭を下げる具志堅会長(撮影・河野匠)


 ボクシングWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅)が、日本人初の世界戦体重超過で王座を剥奪された。15日の横浜アリーナでのダブル世界戦前日計量が14日に都内で行われた。比嘉は51・7キロとリミットを900グラム超過し、2時間の猶予も1時間半後にギブアップ。試合開催は当日計量で55・3キロが設定された。

<解説>

 3月の山中-ネリ戦以来、国内外で計量失格へ批判の声が強まる中、日本人選手が絡んだ世界戦の計量失敗は10例目で、日本人のミスは初めてだ。再計量で1・3キロオーバーのネリはJBCから永久追放の処分が下った。比嘉は900グラムで減量ミスの原因はさまざまだが、結果的には同じ体重超過。JBC安河内事務局長は「出場停止や罰金など厳格な処分を考えざるを得ない」と話した。JBCと日本プロボクシング協会が体重超過に関する独自ルールを検討し始めた直後の不名誉な出来事だった。

 本来は当日計量だったプロボクシングが健康上の理由で前日計量に変更されたのは90年代初頭から。それを逆手に取り、大幅な減量で階級を下げて戦う流れが海外選手の主流になった。水分や吸収の良い食物で体重を一気に戻し、パワーで優位に立つ方法だ。日本勢も負けじと同じ方法を導入してきたが、無理な減量を伴う階級設定はそろそろ転換期にきているのではないか。健康面も考慮に入れ、選手たちの「適正階級」を見直す時期だろう。【藤中栄二】

前日計量で900グラムオーバーとなる比嘉(撮影・河野匠)

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王座剥奪の比嘉、統一戦など夢プランすべてが霧散

前日計量で900グラムオーバーとなる比嘉(撮影・河野匠)


 ボクシングWBC世界フライ級王者比嘉大吾(22=白井・具志堅)が、日本人初の世界戦体重超過で王座を剥奪された。15日の横浜アリーナでのダブル世界戦前日計量が14日に都内で行われた。比嘉は51・7キロとリミットを900グラム超過し、2時間の猶予も1時間半後にギブアップ。試合開催は当日計量で55・3キロが設定された。日本新の16連続KOの可能性は残るも、減量失敗頻発の中で大きな汚点を残した。同級2位ロサレス(ニカラグア)が勝った場合は王座獲得、引き分けか負けならば王座は空位になる。

 まさかの900グラムオーバー。計量会場が1度沈黙し、ざわついた。比嘉には再計量へ2時間の猶予を与えられた。涙を流し自室へ戻ったが、1時間半後に具志堅会長がギブアップを発表した。再計量しないまま、比嘉は王座を剥奪された。王座は空位となった。具志堅会長は「あってはならないことがあった。申し訳ありません」と神妙な面持ちで頭を下げた。「一生懸命努力したが、とにかく汗が出ません」。

 リミット(50・8キロ)まで、比嘉は11・2キロの減量が必要だった。2月4日の故郷沖縄での2度目の防衛戦から約1週間で体重は62キロまで増えた。3度目の防衛戦まで試合間隔は70日。今回は自炊をやめ、野木丈司トレーナー夫人によるカロリー計算された弁当を3月9日から毎日2食分を手渡され、食事制限してきた。もっとも重要視してきた減量のミスは痛恨だった。

 昨年5月の世界王座奪取前、比嘉はつらい減量でパニック症候群に陥った。同10月の初防衛戦は計量後の食事でおう吐し、体調を崩した。昨年2月のV2戦は約1カ月前に風邪でダウン。今回も1週間前のロードワークで倒れたという。世界戦前に減量苦が原因と思われるアクシデントが続き、同会長は「選手を信用していた。まさかという…。短期間でもってきて…。最終的に私の最大の責任」と再び頭を下げて謝罪した。

 試合開催について、WBCは管轄する日本ボクシングコミッション(JBC)に従うとした。JBCは両陣営が開催を望んだことから、午前8時に当日計量を設定。リミットの50・8キロから10ポンド上回る55・3キロをオーバーしなければ、コンディションも見て開催を決める。検診した中村ドクターは「脱水症状はあるが試合するには健康上問題はない」と話した。

 日本新記録がかかったV3戦の大一番が、一転して国内で日本人初の世界戦計量失格。比嘉が17年に王座奪取の一戦も王者が体重超過した末と、皮肉な巡り合わせの王座陥落だ。次戦は海外進出、統一戦などのばら色のプランも霧散してしまった。【河合香】

 ◆比嘉大吾(ひが・だいご)1995年(平7)8月9日、沖縄・浦添市生まれ。宮城小-仲西中まで野球部。中学3年時、具志堅用高会長の現役時代のKO動画に触発され、宮古工に進学してボクシング部へ。アマは国体8強が最高成績。具志堅会長に誘われ、プロ転向。14年6月にプロデビューし、1回KO勝ち。15年にタイでWBCユース・フライ級王者、16年に東洋太平洋同級王者に。昨年5月にWBC世界同級王者となり2度防衛。今年2月に沖縄県民栄誉賞を受賞。家族は両親と兄。身長160・8センチの右ファイター。

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久高寛之が16年目の初日本王座、5度目世界戦意欲

デビュー16年目で初の日本タイトルとなる日本スーパーフライ級王座を手にした久高寛之(撮影・加藤裕一)

<プロボクシング:日本スーパーフライ級王座決定戦10回戦>◇14日◇エディオンアリーナ大阪第2競技場


 同級2位久高寛之(33=仲里)が同級1位翁長吾央(37=大橋)を2-0判定で破り、日本タイトル初戴冠に成功した。

 老練なサウスポーの手数の多さに苦しんだが、腰の入った重いパンチがポイントにつながった。過去4度の世界戦を経験したが、王座奪取はなし。今回は日本タイトルだったが、11年前に日本フライ級王座奪取に失敗しており、喜びは格別。リングで勝者のコールを受けると歓喜の涙を流した。

 「(ベルトは)すごい重たいです。必ず、何が何でも、と思ってました。(デビュー)16年目でやっと日本が取れました」。33歳のベテランは夢をあきらめず、5度目の世界挑戦の機会をうかがっていく。

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薄氷V3久田哲也にオカンがツッコミ「ふがいない」

3度目の防衛に成功した王者久田(中央)は母恵子さん(左)の叱咤(しった)に苦笑い(撮影・加藤裕一)

<プロボクシング:日本ライトフライ級タイトルマッチ10回戦>◇14日◇エディオンアリーナ大阪第2競技場


 デビュー42戦目の王者久田哲也(33=ハラダ)が同級1位板垣幸司(34=広島三栄)を2-1の判定勝ちで退け、3度目の防衛に成功した。

 序盤は相手の出方を見てしまう悪癖が出て、リーチで勝る挑戦者に距離を支配されたが、中盤以降に巻き返した。7回に偶然のバッティングで左上まぶたが腫れ上がり、視界が制限される中、終盤はポイントを奪うことに徹した。

 「今日は反省しかないです。自分がイメージしていた戦い方はあったけど、うまく実践できなかった。油断とは言いたくないけど、しっかり対策されてましたね」。試合後のリングでは、4日前に誕生日を迎えた母恵子さん(63)を招き入れ、感謝の言葉を伝えて“親孝行”をしたものの、母から「ちょっとふがいなかったですね」と突っ込まれると、苦笑いを浮かべるしかなかった。

 それでも、ベルトという“世界戦の切符”は死守した。世界ランクは現在主要4団体とも10位内で、陣営は今後、世界初挑戦の交渉を本格化する構え。最優先ターゲットは、ランク1位で指名試合の権利を有するWBAでスーパー王者田口良一ではなく、正規王者カニサレスに定める。このほどカニサレス側から母国ベネズエラでのマッチメークを提案されたが、年内の日本開催を目指す。

 久田は「こんな試合をして言うのも何ですが(世界王座を奪う)自信はあります。自分のことを信じたい」と話した。この日の入場曲はアントニオ猪木の「INOKI-BOM-BA-YE」。前日に友人らの勧めで急きょ決定し、ファンの「ヒサダ! ボンバイエ!」の大声援を受け、リングに上がった。快勝ならリング上で「1、2、3、ダーッ!」をやるつもりだったが、さすがに遠慮したとか。歓喜の“ダーッ!”は、デビュー43戦目か44戦目の大舞台で世界のベルトを手にした時までお預けだ。

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井上尚弥が3階級制覇へ決意「今がピークと感じる」

自身が描かれた単行本「怪物」の発売記念サイン会に出席した井上尚弥(左)と共著の作家中村航氏(撮影・藤中栄二)


 5月25日にボクシングWBA世界バンタム級王座挑戦を控える元2階級制覇王者井上尚弥(25=大橋)が14日、横浜市内の書店で、作家中村航氏との共著で自らのボクシング人生を描いた単行本「怪物」(3月28日発売、定価1400円+税)の発売記念サイン会に臨んだ。抽選で決まったファン100人限定で、中村氏とともにサイン入りの単行本を手渡した。

 井上は「自分のストーリーなので、読むと変な感覚がありますね」と苦笑いで前置きしつつ「今後、結果を残すことによって、この本のみどころが出てくると思います」とキッパリ。3階級制覇がかかるWBA世界同級王者ジェイミー・マクドネル(32=英国)への挑戦(東京・大田区総合体育館)を見据え「5月にしっかり結果を出して、この本を際立たせたいですね。いいプレッシャーです」と気合を入れた。

 今月10日に25歳の誕生日を迎え「選手寿命は延びていますけれど、もっとやらなくてはいけないことがでてきた。今が1番、自分でもピークを感じているので。いい時に良い試合したいなと思っています」と決意を新たにした。

 また共著の作家中村氏は取材を重ねてきた1年間を振り返りながら「尚弥選手と話をしながら、すごくまじめで素直な選手なのだろうと、いい方向に裏切られました」と、人柄を明かしていた。

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比嘉が日本人初の計量失格で王座剥奪、試合は開催

1回目の計量で900グラムオーバーとなりうなだれる比嘉(左)は具志堅会長から声を掛けられる(撮影・河野匠)


 ボクシングのダブル世界戦(15日、横浜アリーナ)の前日計量が14日、都内で行われ、16連続KO勝利の日本記録がかかるWBC世界フライ級王者の比嘉大吾(22=白井・具志堅)は午後1時からの1回目で制限体重の50・8キロを900グラムオーバーした。2時間の猶予の間にパスすればクリアとなったが、午後2時半過ぎに計量会場に具志堅用高会長が1人で現れ、ギブアップする意志を伝えた。この時点で王座剥奪となった。過去、日本人王者が計量失格となったケースはない。具志堅会長は「本当に申し訳ございません」と頭を下げた。

 3度目の防衛戦だった比嘉は軽量級では際立つ筋肉の持ち主で、ここ数戦は毎試合で減量苦があった。13日の公式会見では「今回も1ラウンドから全力で倒しにいきます」と述べていたが、ひげを伸ばした表情に覇気はなく、体調面での心配が募っていた。この日も生気がない顔つきだった。

 挑戦者の同級2位クリストファー・ロサレス(ニカラグア)は50・5キロで一発パスした。WBC、JBC(日本ボクシングコミッション)、両陣営で協議した結果、試合は行う方針。当日午前8時からリミットから10ポンド超えの122ポンド(55・3キロ)を上限にした当日計量を設け、比嘉がクリアした場合はタイトル戦が行われる。その場合は比嘉が勝利すれば王座は空位、ロサレスが勝利した場合のみベルトが移動する。

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比嘉が体重オーバー 猶予2時間ダメなら王座剥奪

1回目の計量で900グラムオーバーとなる比嘉。左後方では具志堅会長が心配そうに見つめる(撮影・河野匠)


 ボクシングのダブル世界戦(15日、横浜アリーナ)の前日計量が14日、都内で行われ、16連続KO勝利の日本記録がかかるWBC世界フライ級王者の比嘉大吾(22=白井・具志堅)は1回目で制限体重の50・8キロを900グラムオーバーした。

 2時間の猶予の間にパスしなければ、王座剥奪となる。過去、日本人王者が計量失格となったケースはない。挑戦者の同級2位クリストファー・ロサレス(ニカラグア)は50・5キロで一発パスした。

 3度目の防衛戦だった比嘉は軽量級では際立つ筋肉の持ち主で、ここ数戦は毎試合で減量苦があった。13日の公式会見では「今回も1ラウンドから全力で倒しにいきます」と述べていたが、ひげを伸ばした表情に覇気はなく、体調面での心配が募っていた。この日も生気がない顔つきだった。

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村田初防衛戦に勝利の鍵は「邪念をいかに抑えるか」

チャンピオン村田と挑戦者ブランダムラ(2018年4月13日撮影)


 ボクシングのダブル世界戦(15日、横浜アリーナ)の前日計量が14日、都内で行われ、初防衛戦に臨むWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)はリミット72・5キロちょうどで一発パスした。

 挑戦者で同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)は72・3キロで終え、勝負の舞台が整った。

 はかりから降りて水を飲み、いつものスッポンスープを飲んだ村田は「昨日はなかなか汗が出にくかったけど、もう汗が出てきました。不思議ですね」と笑顔で額に手をやった。「加齢とともに少しずつ体重は増えている」と減量への影響も変わってきたが、きっちりと仕上げて好気配が漂った。

 相手はカメレオンと呼ばれる技巧派の元欧州王者。「ガードを固めてプレッシャーかけて、強いパンチを打ち込む。焦らないで、倒したい欲、邪念がでるのをいかに抑えるかですね」と試合の鍵を口にした。

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