上へ戻る

au版ニッカン★バトル

新着ニュース

横審、稀勢の里Vに感動 白鵬には「衰えた」の声も

稀勢の里

 大相撲の横綱審議委員会が27日、東京・両国国技館で開かれ、春場所で優勝した横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)に称賛の声が上がった。北村正任委員長は「大変ドラマチックな結果だった。委員の中で批判はなかった。私もそう思う。普段相撲を見ない人も感激していた」と左肩付近を負傷してでも土俵に立ち、逆転優勝した姿に感嘆した。都倉俊一委員も「鶴竜に負けたけど出てきた。終始右でいったところに彼の覚悟を感じました。(横綱に)推薦して本当によかった」と話し「肩を治してもらって、あと4年ぐらいは大いに暴れてもらわないと困る」と、さらなる活躍に期待した。

 優勝同点だった大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)についても言及。北村委員長は「最後まで優勝争いをしたのは照ノ富士だけ。膝が悪い中で頑張った。ケガをきちっと治して欲しい」と話した。夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)での綱とりについて都倉委員は「年間勝率も考えるべきだという話も出た。今場所が起点。前は4勝だったからね」と安定した成績を求める声が上がったことを話した。

 17年ぶりの4横綱時代を迎えた春場場所で唯一、休場した横綱白鵬(32=宮城野)に北村委員長は「若干衰えたんじゃないか、と言う人もいる。まだまだきちっと体調整えて出てくれば、成績をあげられる横綱だと思うので頑張って欲しい」と話した。

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里V一夜明け「忘れられない場所になった」

一夜明け会見に臨む稀勢の里(撮影・岡本肇)

 大相撲春場所で左上腕の負傷を乗り越え逆転優勝を果たした横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が千秋楽の激闘から一夜明けた27日、大阪市内の宿舎で会見した。

 約100人の報道陣が集まり、宿舎到着時には待ち構えたファンから「横綱おめでとう」と祝福を受けた稀勢の里は「忘れられない場所になった。初めての土俵入りもそう。まったく違うことがたくさんあった。一生の思い出になる」と語った。

 千秋楽の照ノ富士との2番については「上がだめなら下でやろうと。下半身の出来はすごい良かったから。疲れもなかったですし、下で動き回ろうという気持ちだった」と明かした。

 痛みについては「ほぼほぼない」と話し、今後については「維持することじゃなく、1つ1つ今までやって来た通り、階段を上っていくような気持ちで、追い求めてやり続けていきたい」と、さらなる高みを目指す決意を語った。

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里、春巡業の出場熱望「出るのも僕の使命」

逆転優勝を報じる日刊スポーツを手にする稀勢の里(撮影・岡本肇)

 大相撲春場所で左上腕の負傷を乗り越え逆転優勝を果たした横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が千秋楽の激闘から一夜明けた27日、大阪市内の宿舎で会見した。

 4月2日の三重・伊勢市から始まる春巡業については、けがの状態次第で出場する意向を示した。「痛みがないから多分大丈夫だと思うけど。なるべくなら巡業に出るのも僕の使命だと思う。行けるなら出る方向で、だめならしっかり休む」と話した。負傷箇所については近日中に検査を受ける。

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里涙の歴史的逆転V!瞬間最高は33・3%

優勝した稀勢の里は、君が代斉唱の時に涙ぐむ(撮影・鈴木正人)

 26日にNHKが放送した大相撲春場所千秋楽の平均視聴率が、24・4%(関東地区、関西地区は21・6%)の高視聴率だったことが27日、ビデオリサーチの調べで分かった。

 13日目の取組で左肩付近を痛めた新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が95年初場所の貴乃花以来22年ぶり、史上8人目の新横綱優勝を飾った千秋楽。初優勝から2場所連続の優勝は史上7人目の快挙を達成した稀勢の里が、君が代斉唱の場面では観客総出の大合唱に男泣きする場面も見られた。瞬間最高視聴率は、午後6時、稀勢の里が優勝を決めて大歓声の中、花道を引き揚げる瞬間の33・3%(関東地区)だった。

 稀勢の里が初優勝を飾った今年1月の初場所千秋楽の視聴率も21・5%の高視聴率を記録していた。

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里、逆転V2に男泣き!左腕は全治3カ月か

稀勢の里(右)は優勝決定戦で小手投げを決め照ノ富士を下した(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 歴史に残る逆転優勝が生まれた。13日目の取組で左肩付近を痛めていた新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が95年初場所の貴乃花以来22年ぶり、史上8人目の新横綱優勝を飾った。1差で直接対決となった大関照ノ富士を本割で突き落として13勝2敗で並び、決定戦でも逆転の小手投げ。初優勝から2場所連続の優勝は史上7人目の快挙で、君が代斉唱の場面では観客総出の大合唱に男泣きした。

 激しく乱れた息など気にしなかった。肩はいからせたまま。大歓声を背に支度部屋に戻った稀勢の里は、血走った目でテレビを見つめた。それは1分前の決定戦の映像だった。逆転の小手投げが決まり、勝った。その瞬間に「ヨッシャー!!」と声を張り上げた。形相はまるで鬼だった。16年前の01年夏場所の貴乃花のように。「苦しかった分、うれしい」。激しい呼吸音の中で、言葉にならない喜びの声。目が潤んでいった。

 試練の土俵だった。13日目に負ったけが。関係者によれば、上腕二頭筋の筋肉の損傷だった。幸い断裂はしていないが、見立ては全治3カ月。その夜、静岡から治療の先生を呼び寄せた。休む選択は最初からなかった。だが、弱音を吐かずに出場した14日目は完敗。そこで覚悟を決めた。「気持ちだけぶつける」。

 上腕の内出血をテーピングで隠した左手は使えない。だが、何が何でも勝つと挑んだ。最初の本割。1度目の立ち合いで右に動いた。変化だった。不成立で作戦は露呈したが「違うことをしよう」と、次は左に動いた。不器用な変化は決まらない。それでも懸命にもがき、動いた。回り込み、右手で突き落とした瞬間、館内が大きく揺れた。

 迎えた20分後の決定戦。今度はもろ手で立ったが、もろ差しを許した。絶体絶命の体勢。後ろに下がる。それでも、あきらめなかった。左ははなから捨てていた。体を開いて狙ったのは、得意とは反対の右小手投げ。「やったことなかったけどね」。左腕から土俵下に落ちようが構わなかった。奇跡の逆転優勝に館内はまた沸いた。22年ぶりの新横綱優勝。神風が吹いた。

 あの日もそうだった。1月27日。第72代横綱として推挙式に臨んだ東京・明治神宮。青空の下、推挙状を受け取る際、普段とは反対の本殿の方角から風が吹いた。人が振り向くほどの温風が舞った。横綱土俵入りの際も2度、同じ風が吹いた。宮司は「50年に1度吹く風です。神風ですね」と言ったという。土俵の神が与えた試練に、鬼の気迫で応えた稀勢の里。その姿だから、神風はまた吹いた。

 大合唱の君が代斉唱。多くの観客が泣いていた。稀勢の里の目も涙であふれた。「今までの相撲人生15年間とは全く違う場所。見えない力を感じた15日間でした。あきらめないで、最後まで力を出して良かった」。稀勢の里の時代が確かに幕を開けた。【今村健人】

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里感謝の号泣「見えない力感じた」/一問一答

優勝した稀勢の里は、君が代斉唱の時に涙ぐむ(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 13日目のけが後は、言葉数が少なくなった新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)。弱みを見せたくないためだった。逆転での2連覇が決まった後で見せた涙に、苦しさは表れた。苦しみから解放された新横綱の言葉には、これまでと違う苦労と、感謝の思いがにじんだ。

 -今の気持ちは

 「この応援のおかげと、支えてくれた人のおかげ」

 -先場所と喜びの違い

 「苦しかった分、うれしいですね」

 -賜杯の重みは

 「先場所と違う感じでした。違うものというか」

 -昨日は満足に取れず、今日はどんな気持ちで

 「気持ちだけぶつけようと思って…やりました」

 -最初の立ち合いは

 「同じことはできないから、違うことをしようと思った。後は気持ちだった」

 -決定戦は

 「自分の力以上のものが最後は出ました。本当にあきらめないで、最後まで力を出して良かった」

 -最後の小手投げ

 「やったことがなかった。いろんな人に来てもらった。治療もそう。昨日以上に動けるようになったし、いろんな人のおかげ。やっぱりこれは自分1人ではないと思います」

 -君が代で涙を流した

 「すみません。今回は泣かないと決めたんですけど…。見苦しい姿をお見せして申し訳ない」

 -けがの状態は

 「しっかり治して、また5月場所に元気な姿を皆さんに見せられるように、明日からしっかり治療に専念してやっていきたい」

 -出るからには勝たないと、という思いだったか

 「こうならないのが一番いいが、ケガしたのは自分だから」

 -先代師匠の元横綱隆の里と同じ新横綱優勝

 「新横綱で全勝となると、ものすごいことだと思った。(新横綱優勝に)なってみたらなってみたで、すばらしい」

 -勝因は

 「支えです」

 -新横綱の15日間は

 「今までの相撲人生15年間とはまったく違うような場所だった。横綱土俵入りも初めてやって、今は疲れたというか…。疲れたというのが、一番ですけど、何か見えない力を感じた15日間でした」

 -痛みは

 「想像に任せる(笑い)」

内閣総理大臣杯を受け取る時、顔をゆがめる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

閉じる

高安、兄弟子Vに感動号泣 大関昇進で恩返しだ

オープンカーに高安(左)と乗り、ファンに手を振りパレードする稀勢の里(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 関脇高安(27=田子ノ浦)が、大関取りへの強力な足固めになる12勝目を挙げた。関脇玉鷲を寄り切り、3度目の殊勲賞を獲得。初場所の11勝を加えると、大関昇進の目安となる「三役で直近3場所33勝」へ、あと10勝。夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)での悲願成就に近づいた。

 涙が止まらなかった。取組を終え、西の支度部屋で高安がむせび泣いた。目の前のテレビに映っていたのは、痛みに耐え奇跡の逆転優勝を遂げた兄弟子の姿。誰よりも近くで、その苦闘を見てきた。「すごいのひと言です。報われて良かった…」。目を真っ赤にしてこぼした。初場所に続いて稀勢の里の優勝を目の当たりにして「本当に感動しました。もう1回、いい景色を見させてもらった。ありがたいです」。声を震わせ、言葉を絞り出した。

 本割を前にした兄弟子へ、勇気を与える白星だった。稀勢の里が土俵下で見守る中、前に前に攻めて玉鷲を撃破した。「勝って終われて良かった」。来場所後に大関の座をつかむためには、この日の結果が重要になることも十分に分かっていた。

 初日から10連勝も11日目から3連敗。だが、終盤の連勝で白星を上積みした。昨年秋場所では10勝しながら最後に3連敗し、翌九州での昇進失敗につながった。「今場所もズルズルいったら今までと変わらないから、絶対に止めたい気持ちがあった」。強い覚悟で盛り返し、精神的な成長を示した。大きな感動をもらった兄弟子へ、夏場所では高安が大関昇進で恩返しする。【木村有三】

関連するニュースを読む

閉じる

照ノ富士V逸、連日ブーイング「やっと終わった」

本割で稀勢の里に突き落としで敗れる照ノ富士(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)は、15年夏場所以来の賜杯を逃した。手負いの稀勢の里に本割と優勝決定戦で連敗。2度の好機をものにできなかった。

 相手は大きなケガを負っていた。やりづらさについて聞かれると「特になかった。自分の問題です」と言い訳はしなかった。自身4度目のかど番を自己最速の9日目に脱出。力強い相撲が戻り、左膝の故障から復活したように見えた。しかし13日目の鶴竜戦で負傷。それからは稽古も思うようにできず、治療に専念していた。

 流れも悪かった。14日目の琴奨菊戦で変化して勝った影響が残った。観客からは、この日も厳しい声を浴びせられた。連日の異様な雰囲気に「目に見えるつらさと目に見えないつらさがあるんだよね。それを表に出すか出さないかです」とたまっていた気持ちをはき出すように話し「やっと終わった」とつぶやいて支度部屋を後にした。

 15年春場所以来、自己最多タイの13勝を挙げ、優勝次点で幕を閉じた春場所。しかし、審判部などから来場所での綱とりの声は上がらなかった。ここ1年で4度のかど番と、14日目の変化が印象を悪くした。平成生まれ初の横綱への挑戦は、一からのスタートとなった。【佐々木隆史】

関連するニュースを読む

閉じる

地元牛久も号泣!興奮!「日本のヒーローだ」

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の地元、茨城県牛久市の市役所ではパブリックビューイングが行われ、応援に駆け付けた住民ら約120人が大逆転劇の感動を分かち合った。優勝が決まった瞬間は一斉に立ち上がって喜びを爆発させ、目に涙を浮かべる人も。「勝つと信じていた」「日本のヒーローだ」。たたえる声がやまなかった。

 市役所では2階ロビーに大型テレビを設置。「茨城の星」と描かれた横断幕が掲げられ、住民らは「絶対勝てる」などと言い聞かせ合いながら取組を見つめた。優勝を信じ、うちわを自作してきた無職斉藤哲司さん(71)は「けがをしていても真っ向勝負。これでこそ横綱だ」と興奮を抑えきれない様子だった。

 牛久市の根本洋治市長は横綱初優勝を受け「再び日本国中に感動と喜びを与えてくれた。ありがとう、おめでとう」とのコメントを出した。

関連するニュースを読む

閉じる

白鵬「いいもの見せてもらった」春巡業前半は休場へ

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 春場所を右脚などの負傷のため途中休場した横綱白鵬は、大阪市内で行われた宮城野部屋の千秋楽パーティー後に取材に応じ、稀勢の里の逆転優勝をたたえ「感動しました。4横綱になって新横綱が引っ張ってくれた。いいものを見せてもらって気合が入った」と話した。

 稀勢の里がけがを押して出場したことについては「ここまで来たんだから(出る)というのがあったんだろう。無理はしたと思う」と心中を察した。白鵬自身のけがについては「なかなか痛みが取れない」と述べた。4月の春巡業の前半は休場する意向で、回復を優先させる方針を示した。

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里、横綱の責任感 休場危機も迷わず出場決断

祝勝会で、満面の笑みで鯛を持ち上げる稀勢の里(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 19年ぶりに誕生した日本出身の新横綱が、歴史に残る奇跡の優勝を成し遂げた。稀勢の里が本割、優勝決定戦で大関照ノ富士に2連勝。2日前に負った左肩付近のけがで休場危機に陥りながら逆転した背景には、驚異的な回復力と土俵に向き合う真剣な姿勢があった。

 春場所13日目の24日。初黒星の一番で負傷し、激痛に苦しみながら救急車で病院へ運ばれた。東京など遠方からかかりつけの整体師らを呼び寄せ、24日夜には迷うことなく出場を決断。関係者によると、付け人たちに「出るから。準備を頼む」と告げたという。治療を施した柔道整復師は「普通の力士なら休場でしょう。でも横綱の選択肢には全くなかった。責任感と気持ちの大きさだと思う」と声を震わせる。

 稀勢の里の頑丈な肉体を支えるのは回復力だ。2014年秋場所10日目の宝富士戦。左四つとなった土俵中央で左肩を脱臼し、動けなくなった。長い相撲の末に敗れ「立っているのがやっとだった。土俵上で脂汗が止まらなかった」と吐露する。翌日は珍しく患部にテーピングを施して、完敗。しかし取組後に東京都内の治療院へ直行すると、肩は元通りになった。

 15歳で力士になり、先代師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)に限界を超えた朝稽古で連日鍛えられた。血がにじむ傷口は夜にふさがってかさぶたとなり、当時の兄弟子は「天才的な細胞だ」とうなった逸話も残るほどだ。

 愚直に歩み続ける根性も見逃せない。たった1日の休場となった14年初場所千秋楽を今も悔やみ、「決めたことをやり続ける。簡単なようで、実はこれが難しい」と言う。幼稚園から中学卒業まで一度も欠席がなかったという男にとって、休むことは屈辱だった。新横綱場所で訪れた大きな試練を打破。土俵人生にまた1つ、大きな勲章が加わった。

関連するニュースを読む

閉じる

白鵬「新横綱が引っ張ってくれた」稀勢逆転Vに感激

白鵬

 大相撲春場所を右脚などの負傷のため途中休場した横綱白鵬は26日、大阪市内で行われた宮城野部屋の千秋楽パーティー後に取材に応じ、新横綱稀勢の里の逆転優勝をたたえ「感動しました。4横綱になって新横綱が引っ張ってくれた。いいものを見せてもらって気合が入った」と話した。

 稀勢の里がけがを押して出場したことについては「ここまで来たんだから(出る)というのがあったんだろう。無理はしたと思う」と心中を察した。

 白鵬自身のけがについては「なかなか痛みが取れない」と述べた。

 4月の春巡業の前半は休場する意向で、回復を優先させる方針を示した。

関連するニュースを読む

閉じる

鶴竜「横綱の意地を見せた」稀勢の里逆転Vに刺激

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 横綱鶴竜(31=井筒)は取組後、支度部屋の風呂から上がると、優勝決定戦をテレビで観戦した。

 稀勢の里の歴史的な逆転優勝を目の当たりにして「横綱の意地を見せたと思う。刺激になった」と鼓舞された様子だった。

 千秋楽は日馬富士を寄り切り、前日の稀勢の里戦に続いて横綱同士の対戦を制した。

 それでも10勝5敗と不完全燃焼の場所となった。「(白星を)取りこぼしたところが良くなかった」と肩を落とした。

関連するニュースを読む

閉じる

八角理事長「語り継がれる逆転優勝」稀勢の里を絶賛

八角理事長(右)から優勝賜杯を受け取る稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 後世にまで残る一番で連続優勝を果たした横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の相撲に、協会関係者も賛辞を惜しまなかった。

 役員室で見届けた協会トップの八角理事長(53=元横綱北勝海)は、優勝決定戦で勝負が決まった後、開口一番で「今後、語り継がれる逆転優勝だ」とテレビ画面にくぎ付けになった。もろ差しを許しながらの逆転勝ちに「最後まであきらめないことが大切だということ。稀勢の里は本当に大したもんだね。きのう、おとといのことを考えたら、こんなことが起こるとは」と話し、敗者にも「右足が送れなかった。やりづらかったと思うけど、照ノ富士もよくやったと思う」と労をねぎらった。

 6月に65歳の定年を迎え、審判部も春場所が最後の友綱副部長(64=元関脇魁輝)は、この歴史的一番を幕内後半戦の審判長として土俵下から見届けた。「自分にとって最後の最後に、こんな相撲を見られるなんて、審判をやってきて良かった」と巡り合わせに感謝。「稀勢の里に勝てる要素はなかったのにビックリした。体勢は良くなかったけど、動き続けた分、照ノ富士はついて行けなかった。決定戦もうまく逃げ回るようにして、最後は(ケガをしていなくて)使える手の方に回った」と逆転の投げを打ったシーンを述懐した。

 2場所連続で稀勢の里に優勝旗を渡した二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)も「みんな泣いていた。本人は特に(目が)真っ赤だった。感動的だったよね。(お客さんも)2番勝つとは思わなかったんじゃないの」と間近で号泣した新横綱の姿に驚いた様子。稀勢の里の横綱昇進には「2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる成績」という横綱審議委員会(横審)の内規に満たないなど、多少の物議はあった。審判部のトップとして自信をもって推薦しただけに「これで納得でしょう」と笑みを浮かべて話した。

関連するニュースを読む

閉じる

貴景勝11勝で敢闘賞「自分が成長している証し」

殊勲賞の高安(左)、敢闘賞の貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 入幕2場所目で東前頭13枚目の貴景勝(20=貴乃花)が、うれしい初の三賞を受賞した。

 勝てば敢闘賞の条件付きで臨んだ千代翔馬(25=九重)との一番。持ち味である突き押しの応酬で一進一退の攻防も、最後は重い腰で耐えた貴景勝が押し出して11勝目。貴乃花部屋としては先場所、殊勲賞を受賞した貴ノ岩(27)に続き、2場所連続の三賞受賞となった。

 よもや自分が三賞候補とは知らずに場所入り。支度部屋で「誰からかは忘れたけど」(貴景勝)関係者から「勝てば敢闘賞」と聞かされ「少し緊張した」と言う。それも「緊張して力を出せたら自分が成長している証し。楽しみだと思って取りました」と前向きにとらえて臨んだ。

 千代翔馬には幕下時代から3連敗中だった。8人による優勝決定戦で敗れるなど、相性は良くなかったが「精神的に負けないように頑張ろうと思った」と強気な性格そのままに真っ向から挑んだ。

 来場所は幕内中位に上がり、上位戦が組まれる可能性もある。「若さを武器に強い心で挑みたい。通用するとは思わないけど、とにかく気持ちで負けない。負けるにしても全部、出し切って」と抱負を語った。

関連するニュースを読む

閉じる

V逸照ノ富士に厳しい声「目に見えないつらさある」

優勝決定戦で稀勢の里に敗れた照ノ富士は、土俵に座ったままぼうぜんとする(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 1敗で単独トップに立っていた大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)が、左肩付近の負傷から強行出場した横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)に本割と優勝決定戦で連敗し、15年夏場所以来2度目の優勝を逃した。手負いの相手との一番にやりづらさを聞かれると「特になかった。自分の問題です」と言い訳はしなかった。

 14日目の琴奨菊戦で変化で勝った影響からか、この日も観客からは厳しい声が浴びせられた。

 「目に見えるつらさと目に見えないつらさがあるんだよね。それを表に出すか出さないかです」とたまっていた気持ちをはき出すように話した。

関連するニュースを読む

閉じる

勢、右腕筋肉断裂も15日間完走「左手でマイクを」

勢は突き落としで魁聖を破った(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 大阪出身で西前頭筆頭の勢(30=伊勢ノ海)が、東前頭8枚目の魁聖(30=友綱)を下して5勝10敗で、ご当所場所を終えた。右四つで攻め込まれたが、左から突き落としを決めた。

 金星を獲得した4日目の白鵬戦で右上腕の筋肉を断裂し、苦しい相撲が続いたが、終盤5日間で4勝と意地を見せた。「15日間取り切らせてもらった。周りの人たちに感謝です。勝ち越し以上にいい経験になりました」とすがすがしい表情で話した。

 場所後は、得意のカラオケでリフレッシュするのが通例だが、今場所後も「右腕は治療して、左手でマイクを握ります」と早くも歌う気満々。4月2日の三重・伊勢市から始まる春巡業についても「出ますよ」と出場を明言した。

関連するニュースを読む

閉じる

宇良が新入幕で8勝「短いようで詰まった15日間」

宇良(左)はすくい投げで逸ノ城を下した(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 西前頭12枚目の宇良(24=木瀬)が、新入幕場所を勝ち越して終えた。

 東前頭7枚目の逸ノ城(23=湊)に攻め込まれたが、土俵際でうまく体を開いてすくい投げ。軍配は逸ノ城に上がるも物言いがついて、行司軍配差し違えで宇良の勝利になった。

 地元大阪での入幕1場所目で8勝目を挙げ「うれしいです」。15日間の戦いについては「短いようで詰まった15日間でした。稽古場でも押しを磨いてきて、技だけでなくそういう部分も発揮できて良かった」と、成長を実感。さらに番付を上げる来場所以降に向けては「課題もたくさん見つかって、これからも厳しい戦いになるけど、また頑張りたい」と話した。

関連するニュースを読む

閉じる

嘉風「すげえ、すげえ」稀勢の里の劇的勝利に興奮

稀勢の里(右)は優勝決定戦で小手投げを決め照ノ富士を下した((撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 東前頭4枚目の嘉風(35=尾車)が、同じ二所ノ関一門の新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の劇的勝利に仰天した。本割りの一番を支度部屋で見届けると「すげえ、すげえ」と連呼して、目を丸くした。

 嘉風はこの日、琴奨菊(33=佐渡ケ嶽)に敗れたものの、場所中に35歳となった年齢を感じさせない動きの良さで、勝ち越して終えた。「後半は背中が痛かったけど、よくやりました。自分で自分を褒めてやりたい」と話した。

関連するニュースを読む

閉じる

高安、稀勢の里Vに涙止まらず「報われて良かった」

オープンカーに高安(左)と乗り、ファンに手を振りパレードする稀勢の里(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 関脇高安(27=田子ノ浦)が、兄弟子の新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の劇的な逆転優勝に感動の涙を流した。

 関脇玉鷲(32=片男波)を寄り切りで下した後、西の支度部屋で兄弟子の激闘をテレビ観戦。優勝決定戦を制すると、おえつして号泣し「すごいのひと言です。報われて良かった」と感激した。

 自身もこの日の白星で12勝目となり、夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)での大関取りに弾みをつけた。「今場所もけがなく、しっかり相撲を取りきって終われたんで。また来場所も序盤からいい気持ちで取れると思います」とやる気を見せていた。

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里、横綱初&2連続V 照ノ富士と決定戦制す

内閣総理大臣杯を受け取る時、顔をゆがめる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 手負いの新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が優勝決定戦で、大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)を小手投げで下し2場所連続優勝を果たした。

 稀勢の里は照ノ富士を1差で追う展開だったが、本割で照ノ富士を突き落として13勝2敗で並んで優勝決定戦へ持ち込んだ。

 稀勢の里は13日目、日馬富士戦で左肩付近を痛めながら強行出場。横綱昇進後最初の場所で意地を見せ、昇進後初優勝を決めた。新横綱の優勝は貴乃花以来22年ぶりとなる。

 また、関脇高安(27=田子ノ浦)が3度目の殊勲賞。貴景勝(20=貴乃花)は11勝を挙げ、初の三賞となる敢闘賞を獲得した。技能賞は6場所ぶりに該当者なしだった。

 十両は元幕内の豊響(32=境川)が3人のともえ戦による優勝決定戦を制して3度目の優勝。序二段は若山(阿武松)、幕下は元十両の阿炎(錣山)、三段目は玉金剛(片男波)、序ノ口は一山本(二所ノ関)が優勝を決めている。

関連するニュースを読む

閉じる

手負いの稀勢の里が号泣V「苦しかった分うれしい」

優勝した稀勢の里は、表彰式での君が代斉唱の時に涙ぐむ(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 手負いの新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が優勝決定戦で大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)を下し、2場所連続2度目の優勝を果たした。

 表彰式に臨んだ稀勢の里は、君が代を聞きながら涙をこらえられなかった。賜杯を受け取ると、左肩の痛みに顔をしかめた。

 「本当に、この応援のおかげ、支えてくれた人のおかげです。すみません。今日は泣かないと決めていたんですが、すみません。苦しかった分、うれしいですね」と声を震わせた。本割については「気持ちだけぶつけようと思って土俵を出ました」。決定戦は「自分の力以上のものが出た。あきらめないで、最後まで力を出せて良かった」と振り返った。

 横綱として初めて迎えた15日間を振り返り「今までの相撲人生、15年間とは全く違う場所でした。横綱土俵入りも初めて務めて、疲れたというのが一番ですが、何か見えないものを感じた15日間でした」と話した。来場所へ向けて「ケガをしっかり治して、5月場所に元気な姿を見せられるように、明日から治療に専念したい。今日の千秋楽は見えない力で勝てた。もっと力をつけたいと思います」と話した。

 稀勢の里は照ノ富士を1差で追う展開だったが、本割で照ノ富士を突き落とし優勝決定戦へ持ち込んでの優勝。横綱昇進後最初の場所で意地を見せ、昇進後初優勝を決めた。

八角理事長(右)から優勝賜杯を受け取る稀勢の里(撮影・鈴木正人)
内閣総理大臣杯を受け取る時、顔をゆがめる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里、照ノ富士に勝って優勝決定戦に持ち込む

横綱稀勢の里

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)を破り、13勝2敗で並んで、同じ顔合わせでの優勝決定戦へ持ち込んだ。

 優勝争いは1敗の照ノ富士と、2敗で追う稀勢の里に絞られていたが、直接対決で稀勢の里が勝ち追いついた。稀勢の里は13日目、日馬富士戦で左肩付近を痛めながら強行出場している。

関連するニュースを読む

閉じる

三段目で珍事 まわしの前垂れ土俵につき負け通告

西山(左)のまわしがゆるみ土俵に接地したため翠富士に軍配が上がる。左は式守友和(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 三段目で珍事が起きた。

 西三段目17枚目の西山(22=尾上)のまわしの前垂れが、同19枚目の翠富士(20=伊勢ケ浜)との取組中に土俵についた。すると、審判団は西山に対し「負け」を通告。翠富士の勝利が決まった。だが、規定では前垂れが土俵についても負けにはならない。その後、二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)と春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「審判の認識不足で申し訳ない。審判部として勉強し直して対応に当たってもらう。負けた西山には申し訳ない」と陳謝。取組時に担当していた審判団にも厳重注意したことを明かした。

 幸運な5勝目を挙げた形になった翠富士は、勝った直後は「(相手が)重かった。これで幕下に上がれると思うので頑張りたい」と喜んだものの、不思議な勝利に「えっ、なんで? と思った」と驚きを隠せなかった。

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里強行出場も左差せず…師匠「信じている」

鶴竜に寄り切りで敗れた稀勢の里は、唇をかみしめながら花道を引き揚げる(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 13日目の日馬富士戦で左肩付近を痛めながら強行出場した新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)は、横綱鶴竜にあっけなく寄り切られて2敗に後退した。左肩から上腕にかけてテーピングを施し、意を決して臨むも、いつもの相撲は取れなかった。それでも、千秋楽の出場も明言。大関照ノ富士にトップの座を明け渡したが、千秋楽の直接対決で逆転優勝に望みをかける。

 強い責任感と、断固たる決意で臨んだ土俵のはずだった。それでもまだ、覚悟は足りなかったのか。それ以上に重傷なのか。あっけなく俵を割った直後、稀勢の里は顔をしかめた。左腕を力なく下げた格好で。優勝争いの先頭を照ノ富士に明け渡し、自身は2敗に後退した。短く「まあ明日。大丈夫です」と言った。

 13日目に負った左肩付近のけが。周囲は「肩の付け根付近を痛めたのでは」という。朝は稽古場に姿を現さなかった。それでも出場を直訴した。15年間の相撲人生で、1度だけ休場した14年初場所千秋楽。この日を「今までで一番つらかった」と振り返るほどに強い出場への思い。これに、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)も「本人は大丈夫だ、出ると。そういう強い意志がある」と承諾した。事実、肩から上腕にかけてテーピングを施しただけ。土俵入りでは、かしわ手こそ音は小さかったが、手を高々と上げた。「いつもと変わらなかった」と露払いの松鳳山。公の場で、表情は少しも崩さなかった。

 ただ、出番前の稽古で1度だけ、うめき声を上げる場面があった。試した形も、もろ手でぶつかったり左を固めたり、組んだり…。1つに決めきれない。迎えた鶴竜との結びで選んだのは張り差しだったが、痛めた左は差せなかった。もろ差しを許し、わずか2秒5で寄り切られた。審判員として土俵下で見守った師匠は「ちょっと消極的だった」と心配しつつ「本人を信じている」と言い切った。

 引き揚げた支度部屋。弱みは見せたくなかったのだろう。先に日馬富士が入っていた風呂には向かわず、トイレでテーピングを外した。けが関連の質問には答えず「やるからには最後までやりたい。明日、しっかりやる」と言った。49年夏場所以降、千秋楽直接対決から1差逆転優勝を飾ったのは9例。出るからには横綱の責任が生まれる。覚悟を決めたときにだけ、10例目も生まれる。【今村健人】

 ◆おしん横綱 83年に30歳10カ月の遅咲きで第59代横綱に昇進した隆の里(先代鳴戸親方)は「おしん横綱」と言われた。糖尿病を患うも、栄養学を独学で学び、徹底した節制で克服。その困苦に耐える姿が当時大ヒットしたNHK朝の連続テレビ小説「おしん」の主人公と重なったことから、そう呼ばれた。

関連するニュースを読む

閉じる

小泉首相絶叫「感動した」/主な横綱の強行出場

鶴竜(右)の立ち合いを左肩で受ける稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 13日目の日馬富士戦で左肩付近を痛めながら強行出場した新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)は、横綱鶴竜にあっけなく寄り切られて2敗に後退した。左肩から上腕にかけてテーピングを施し、意を決して臨むも、いつもの相撲は取れなかった。それでも、千秋楽の出場も明言した。

 ◆主な横綱の強行出場 73年九州では、輪島が12日目に右手人さし指と中指を裂創。13日目は北の富士に敗れたが、琴桜も敗れたため4度目の優勝が決定。14日目から休場した。99年秋は、若乃花が10日目に左太ももを肉離れ。11日目から5連敗し7勝8敗と負け越した。01年夏は、貴乃花が14日目に右ひざを亜脱臼。千秋楽に強行出場も武蔵丸に敗戦。だが、優勝決定戦を制し、小泉純一郎首相から「感動した」と絶叫された。03年初は、貴乃花が右ひざ不安を抱えて出場も、2日目に左肩鎖靱帯(じんたい)を損傷。3日目から休場も5日目から再出場したが、9日目に引退した。

関連するニュースを読む

閉じる

照ノ富士、V王手も立ち合い変化で理事長ら苦言

照ノ富士(右)は立ち合い右に跳び、はたき込みで琴奨菊を破る(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)が1敗を守り、単独首位に立った。大関復帰を目指す関脇琴奨菊(33=佐渡ケ嶽)をはたき込みで下し優勝次点だった15年春場所に並ぶ自己最多の13勝目を挙げた。15年夏場所以来2度目の優勝をかけ、今日26日の千秋楽で2敗の稀勢の里との直接対決に臨む。

 異様な雰囲気が会場を包んだ。大関復帰まで1敗も許されない琴奨菊相手に、照ノ富士は立ち合いで右に変化した。前のめりになった相手の頭を右手で押してはたき込み、わずか0秒6で決着。「お前なんか応援しねーぞ」「そこまでして勝ちたいんか」「2度と横綱目指すなんて言うな」。まさかの展開にブーイングが飛び交った。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も「良くない」と苦言を呈した。

 誰も予想していなかった立ち合いの変化。「上がってから」と土俵の上で決めていた。1度立ち合いが合わなかったが「1度決めちゃったから」と気持ちは変わらなかった。だが、予兆はあった。初顔合わせとなった14年秋場所で、照ノ富士が右に変化してはたき込んで白星。15年夏場所の千秋楽では、今度は琴奨菊が左に動いてはたき込んで勝ち越しを決めた。ここ一番で互いに注文相撲を選ぶ因縁があった。

 今場所初めて昨年初場所を途中休場して手術した左膝のテーピングの上からサポーターを着けた。「大丈夫です」とあっけらかんと話すが、ダメージは確実に蓄積されている。この日の朝稽古は四股を数回踏んで終わり、足を引きずりながら引き揚げ、病院に向かった。場所中盤から「痛いのを我慢してる」と漏らしていた左膝で、立ち合いで踏み込むのは厳しかった。

 15年夏場所以来2度目の優勝をかけて今日26日の千秋楽で稀勢の里と直接対決する。「自分もケガして苦しいとき、ちょっとずつ良くなってきた。良くなってほしい」と回復を願ったが、土俵の上では関係ない。「全力でやるだけです」。真っ向勝負を挑む。【佐々木隆史】

 八角理事長(元横綱北勝海)のコメント (照ノ富士には)真っすぐ行ってほしかった。勝ちたい気持ちは分かるけど大関だからね。残念は残念。お客さんもいい相撲を見て満足してくれる。その見せるという認識がね。

関連するニュースを読む

閉じる

琴奨菊「前を向いて行けばいい」大関復帰の望み絶つ

照ノ富士に敗れ6敗目を喫し、ガックリと引き揚げる琴奨菊(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 関脇琴奨菊(33=佐渡ケ嶽)は6敗目で、1場所での大関復帰を逃した。

 大関復帰への望みは、あっけなく絶たれた。1敗もできない中で迎えた照ノ富士戦。右に動いた相手についていけず、6敗目を喫した。10勝の復帰ラインに到達する可能性が消滅した。

 大関から陥落した初場所後、師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)に誘われ焼き肉店へ出向いた。酒は飲めないのに「何かしら自分を変えていかないと」と、おちょこ2杯の日本酒を口にした。出稽古も志願した。「結果はどうなるか分からないけど、持ってるものを出せたらいい」。気持ちを新たに臨んだ春だったが、結果を残せなかった。

 それでも、土俵人生が終わるわけではない。「前を向いて行けばいい。自分なりに考えてきた結果やから。明日も、しっかり相撲を取る」。自分に言い聞かせるようにして、引き揚げた。

関連するニュースを読む

閉じる

変化の照ノ富士に「勝負しろよ」「取り直せ」と怒号

単独トップに立った照ノ富士は、記者の質問に答える(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)が優勝争いで単独トップに立った。ただ、大関復帰を目指し真っ向勝負を挑んできた琴奨菊に対し、立ち合いで右に変わっての勝利。館内では「勝負しろよ」「取り直せ」と怒号が飛び、騒然となった。

 照ノ富士が突っかけて待ったとなり、2度目の立ち合いだった。厳しい声を浴びた大関は「その(待ったの)時に何か気持ちが…。一度(変化すると)決めたら迷ったらあかん」と13勝目を解説した。

 千秋楽は手負いの稀勢の里と当たる。勝てば23歳だった2年前の夏場所以来、2度目の優勝が決まる。来場所の綱とりまで見えてくるが、昇進を預かる日本相撲協会審判部の二所ノ関部長(元大関若嶋津)は「規定はそうだが、内容もある」と慎重だった。

関連するニュースを読む

閉じる

鶴竜、稀勢下すも複雑「こんなやりづらいものない」

鶴竜(右)の立ち会いを左肩で受ける稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 負傷を押して出場した稀勢の里を2秒余りで寄り切った横綱鶴竜(31=井筒)は「こんなやりづらいものはない」と伏し目がちに言った。立ち合いは頭で当たり「当たった瞬間に(相手の)力が抜けていた」。勝負がついた後、相手の腰に手をやり、気遣うようなしぐさを見せた。

 自らもけがと闘いながら横綱を務めてきた。「自分も同じ立場だったら出たかもしれない。悪くなる恐れもあるが、ここまできたら諦めきれない」と思いを代弁した。

関連するニュースを読む

閉じる

八角理事長「残念は残念」照ノ富士の変化に注文

立ち合いに右へ変化した照ノ富士は、琴奨菊をはたき込みで破り13勝目を挙げる(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 立ち合いの変化で勝負をつけ、館内に大ブーイングと落胆の嵐を巻き起こした大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)の相撲に、協会関係者も残念そうな言葉を口にした。

 役員室のテレビで見守った協会トップの八角理事長(53=元横綱北勝海)は「真っすぐ行ってほしかった。勝ちたい気持ちは分かるけど、大関だからね」と、穏やかな口調ながら注文をつけた。満員御礼が続くファンあっての大相撲。「いい相撲を見て、お客さんは満足してくれる。残念は残念だね。(ファンに)見せるという認識がね」と、大関の意識不足を指摘した。

 幕内後半戦の審判長として正面土俵下から見守った審判部の二所ノ関部長(60=元大関若嶋津)も「上(=横綱)を狙う人がガッカリだね」とチクリ。照ノ富士が今場所優勝すれば「2場所連続優勝もしくは、それに準ずる成績」という横綱審議委員会の内規に照らせば、来場所は綱取りになるが「今日みたいな相撲だと印象がね」と、昇進問題に影響しかねないことも示唆した。

関連するニュースを読む

閉じる

日馬富士4敗目…照へのブーイング余波で集中できず

玉鷲に寄り倒しで敗れ土俵に座る日馬富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 横綱日馬富士(32=伊勢ケ浜)が、関脇玉鷲(32=片男波)に寄り倒されて、4敗目を喫した。

 集中力が武器の日馬富士だが、この日は異様な場内の雰囲気に心が乱れた。直前の取組で変化して琴奨菊を下した照ノ富士へのブーイングが止まらず「オレが土俵に上がってるのに、すごい言葉を言ってくるから」と戸惑った。

 「相撲を取るどころじゃなかった。集中してるけど耳に入ってしまう。次の一番に集中してる人のことも考えてほしい。大けがにもつながるから」と、ヤジを続けた観客に苦言を呈した。一方で、優勝に近づいた弟弟子の照ノ富士にも「今日の内容は悪いよ」とチクリ。前日の対戦で左肩から胸付近を負傷しながら強行出場した稀勢の里については「(思うことは)ないよ。勝負だから」と多くを語らなかった。

関連するニュースを読む

閉じる

琴奨菊、来場所の大関復帰消滅「結果論…仕方ない」

琴奨菊(手前)を、はたき込みで下した照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 大関から転落した関脇琴奨菊(33=佐渡ケ嶽)が、大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)に敗れて6敗目を喫し、場所後の大関復帰の望みを絶たれた。

 立ち合いで右に変化した相手の動きにまったくついていけずに、でんぐり返し。過去にも変化されて黒星を喫していた相手に、またもやられて「自分との戦いだと思った。結果論だから仕方ない」と悔やんだ。痛恨の敗戦になったが「前向いて行けばいい」と話した。

関連するニュースを読む

閉じる

二所ノ関部長、稀勢気遣う「かわいそうなぐらい…」

鶴竜に寄り切られ2連敗の稀勢の里(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 手負いで臨んだ横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の土俵態度には、協会関係者の胸を打つものがあったようだ。

 幕内後半戦の審判長として正面土俵下から見守った審判部の二所ノ関部長(60=元大関若嶋津)は「かわいそうなぐらい(稀勢の里は)何も出来なかった。拍手を打つのもパチンという音がしなかった。相撲も左が使えず一方的だったね」と、目の当たりにした稀勢の里の姿を口にした。

 田子ノ浦部屋も属する二所ノ関一門の総帥でもある同部長は、自らの経験も踏まえ「大丈夫と思っても無意識のうちにかばってしまうものなんだよね」と、横綱の胸中を推し量るように話した。

関連するニュースを読む

閉じる

貴景勝、ご当所で初の10勝目も「満足はしてない」

栃煌山(左)を、はたき込みで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 東前頭13枚目の貴景勝(20=貴乃花)が、西前頭10枚目の栃煌山(30=春日野)を破り、入幕2場所目で初の10勝目を挙げた。

 押し合いで後退したが、土俵際で何とかはたき込みを決めた。相撲内容に納得せず「普通に負けてる感じ。満足はしてないです」と笑顔はなし。それでも、兵庫・芦屋市出身でご当所場所での好成績に「あんまり人気はないっすけど、応援して頂いてる人もいるので。1月は負け越したので、今場所は勝ち越したい気持ちがあった」と明かした。

関連するニュースを読む

閉じる

八角理事長「気持ちがいい」稀勢の男気に胸打たれた

声援に応えられず花道を引き揚げる稀勢の里(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 手負いで臨んだ横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の土俵態度には、協会関係者の胸を打つものがあったようだ。

 左が使えず、横綱対決で鶴竜(31=井筒)にあっさりと土俵を割った一番を、会場の役員室で見守った八角理事長(53=元横綱北勝海)は、しばしの間を置いて「思うように使えないね。(ケガをしたのが得意の)左だからね」と発した後に「出来ることを精いっぱいやってる」と新横綱の必死さを評価した。この状態で出場した以上は、千秋楽も「出るでしょう。精いっぱい取るでしょう。今の精いっぱいを出せばいいんじゃないか。必死にね」と見通した。

 この日、出場に踏み切ったことにも「土俵に立ちたいという気持ちがいい。力を出し切れず本人は残念だろうが明日一日ある。それに期待したい。(今場所)最後の一番、と思えばまた力も違うだろう」と触れた。

関連するニュースを読む

閉じる

小結御嶽海、三役の壁突破し勝ち越し「まだまだ」

千代の国(右)と激しい取り組みをする御嶽海(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 小結御嶽海(24=出羽海)は、2度目の三役で初の勝ち越しを決めた。

 前頭6枚目千代の国(26=九重)を押し出して8勝目、昨年11月、小結で初三役となった九州場所では6勝9敗で無念の負け越しとなったが、今場所は「三役の壁」を突破した。 

 「ほっとしています。(勝ち越しは)うれしい。自分の相撲が取れたので良かった。体が動いている。前に出る気持ちを忘れずにやっているのがよかったのかな」と声をはずませた。

 下位力士には星を取りこぼすことはなかったが、横綱、大関戦での勝ち星がなかったとあり「まだまだです。横綱、大関に勝てるようにやってきたい」と気を引き締め直していた。

関連するニュースを読む

閉じる

関脇玉鷲8勝!満面インタビュー「夢の部屋みたい」

日馬富士(下)を寄り倒しで破る玉鷲(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 関脇玉鷲(32=片男波)が、横綱日馬富士(32=伊勢ケ浜)を破り三役で3場所連続の勝ち越しを決めた。

 立ち合い突き放してから右四つとなり、そのまま前に出て上から押し潰すように寄り倒した。

 今場所は2横綱1大関(大関豪栄道戦は不戦勝)から白星をもぎとっての8勝目。インタビュー室に呼ばれた玉鷲は満面の笑みで「気持ちよかった。このインタビューは夢の部屋みたいです。(横綱が下からくるので)上から(体を相手に)乗せていこうと思っていた」としてやったりの表情だった。

関連するニュースを読む

閉じる

強行出場の稀勢の里2連敗「明日しっかりやります」

鶴竜(右) に寄り切りで破れた稀勢の里(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 13日目の日馬富士戦で左肩から胸付近を負傷し、強行出場となった新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)は、横綱鶴竜(31=井筒)に寄り切られ手痛い2敗目を喫した。

 立ち合い右の張り差しを試みたが、差し手争いで左を差せなかった。鶴竜にもろ差しを許すと、そのまま力なく土俵を割った。

 負傷した左肩付近を広範囲のテーピングで固定し、満身創痍(そうい)の状態だったが、本来の実力を発揮できなかった。

 千秋楽は逆転優勝の望みを懸けて、1敗で優勝争いのトップを走る大関照ノ富士と対戦する。稀勢の里は「明日(千秋楽)しっかりやります」と厳しい表情で話し、会場を引き揚げた。

 前日13日目に負傷した際はうめき声を上げるなど、痛々しい姿を見せていたがこの日は終始ポーカーフェイスを貫いていた。

関連するニュースを読む

閉じる

強行出場の稀勢の里2連敗!照ノ富士トップ1敗守る

鶴竜(右)の立ち会いを左肩で受ける稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 13日目の日馬富士戦で左肩から胸付近を負傷し、強行出場となった新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)は、横綱鶴竜(31=井筒)に立ち合いもろ差しを許し、寄り切られて2敗目を喫した。稀勢の里は逆転優勝の望みを懸けて千秋楽で1敗の大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)と対戦する。

 横綱日馬富士(32=伊勢ケ浜)は、関脇玉鷲(32=片男波)に寄り倒され4敗目。玉鷲は5場所連続の勝ち越しを決めた。

 大関照ノ富士は、立ち合い右に変化する注文相撲で関脇琴奨菊(33=佐渡ケ嶽)をはたき込んで13勝目。琴奨菊は6敗目で10勝に届かず、来場所の大関復帰はなくなった。

 関脇高安(27=田子ノ浦)は、前頭3枚目宝富士(30=伊勢ケ浜)を押し出して11勝目、自身の連敗を3で止めた。宝富士は8敗目で負け越し。

 小結御嶽海(24=出羽海)は、前頭6枚目千代の国(26=九重)を押し出して8勝目、昨年11月の九州場所以来、2度目の三役で初の勝ち越しとなった。

 前頭10枚目栃煌山(31=春日野)は、同13枚目貴景勝(20=貴乃花)にはたき込まれて12日目から3連敗で10勝4敗。貴景勝は2桁10勝目。

 人気力士の前頭5枚目遠藤(26=追手風)は、同9枚目輝(22=高田川)に押し出され7敗目。同じく新入幕の前頭12枚目宇良(24=木瀬)も、同16枚目錦木 (26=伊勢ノ海)に押し出されて7敗目、ともに千秋楽に勝ち越しを懸ける。

 14日目を終え1敗は照ノ富士、2敗で稀勢の里となった。

関連するニュースを読む

閉じる

幕下筆頭の貴源治、7番相撲敗戦も新十両昇進確実

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 4勝2敗で既に勝ち越しを決め、10代関取を確実にしている西幕下筆頭の貴源治(19=貴乃花)が、今場所最後の7番相撲に登場。同7枚目の大翔鵬(追手風)に右四つの体勢から寄り切られ4勝3敗。有終の美は飾れなかった。

 前日の13日目終了時点で、富士東と北はり磨の2人が十両から幕下に陥落することが確定的になった。この時点で、幕下から十両への昇進は、優先順で貴源治と西3枚目で5勝2敗の明生(立浪)の2人が有力候補だった。この日、東筆頭で3勝3敗の阿夢露(阿武松)が敗れ負け越したため、貴源治は1番手候補としての昇進が確実になった。

 本人も「昨日、みんなに(昇進確実を)言われました。今日は気を抜いたわけではありません」と、あっけなく敗れた一番も集中力は維持して臨んだことを明かした。

 師匠の貴乃花親方(元横綱)が育てた3人目の関取として、夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)は晴れて関取で臨む。初日前日の5月13日に20歳の誕生日を迎えるが、番付発表の5月1日は10代で迎える。「ファンの方に夢や勇気を与えられるような力士になりたいです」と貴源治。

 横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が強行出場を決めたことには「きのう、テレビで横綱がケガをしたのを観ていて『師匠(貴乃花親方)だったら出るんだろうな』と思ったら(稀勢の里も)出ることになりました。(2人は)似ているものがあります。自分も受け継ぎたいです」。土俵の鬼の継承者として、将来の横綱候補が新たなスタートを切る。

関連するニュースを読む

閉じる

横綱稀勢の里が出場 師匠「出たいと言っている」

24日の日馬富士戦で土俵下に転落した稀勢の里は、左肩付近を押さえ苦痛に顔をゆがめる

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 13日目の横綱日馬富士戦で左肩から胸付近を負傷した新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)は、14日目も出場することになった。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が25日午前、大阪市内の宿舎前で報道陣に対応して「今朝、本人といろんな話をしました。本人は出る、出たいと言っている。本人の強い意志がある」と出場することを明かした。

 症状の詳細については「動く。まだ2日間あって相手の力士もいるので」と明かさなかったが「これから先も長いが、今日の様子は、昨日よりまだ少しマシになっている」と話した。

 「今日の相撲を見て、ダメなら(再考するの)だが、大丈夫なら2日間ある。土俵入りももちろん含めて、体は動く」と説明した。テーピングなどで固めて出場するとみられる。

 稀勢の里は初日から12連勝で迎えた13日目の相撲で日馬富士に寄り倒された際に、左肩から胸付近を負傷。左腕を動かせず、土俵に上がれないほどの痛みに襲われた。打ち出し後は三角巾でつって、救急車で大阪市内の病院に搬送されていた。

 現在は12勝1敗で、大関照ノ富士とともに優勝争いのトップに並んでいる。14日目は横綱鶴竜との対戦が組まれている。

稀勢の里の出場を明言する田子の浦親方(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里が緊急搬送 きょう出場は親方「相談して」

日馬富士に寄り倒しで敗れ土俵下に転落した稀勢の里は、左胸付近を押さえ苦痛に顔をゆがめる(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇13日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪

 ただ1人勝ちっ放しだった新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)に、まさかの悪夢が襲いかかった。初めての横綱対決で日馬富士に寄り倒されて、初日からの連勝が12で、初場所10日目からの連勝が18で止まった。その際に左肩から胸付近を負傷し、救急車で大阪市内の病院へ直行した。新横綱優勝の可能性が一転、出場すら危ぶまれる事態に陥った。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は14日目の出場について「明日、相談して決めたい」と話すにとどめた。

 痛がるそぶりをめったに見せない男が、何度もうめき声を上げた。そのことが異常事態を物語っていた。

 稀勢の里は左腕を動かせなかった。右手は左胸にあてる。痛みをこらえ、歩いて中に入った支度部屋で気を抜いた瞬間に「ウゥーッ!!」「アァッ!!」と表情をゆがめた。「フー、フー」と呼吸も荒い。親方衆も駆けつけるほど緊迫した空気。全勝街道を走っていた新横綱が、悪夢に襲われた。

 同格の地位に立って初めて迎えた日馬富士との横綱戦。左足から踏み込み、おっつけた左手が、空を切った。八角理事長(元横綱北勝海)も藤島審判長(元大関武双山)も、負傷したのは「立ち合いで左がすっぽ抜けたときではないか」(同審判長)と推察した。

 上体を起こされ、もろ差しを許すと、下がりながら左から振る。その直後から顔がゆがんだ。寄り倒されて、転げ落ちて土俵下に打ちつけたのも左肩から。すぐに左胸を押さえ、土俵に戻ることもできなかった。

 12連勝で止まった以上に大きな代償。支度部屋で応急的に触診した医師の「音がしたか」の問いにうなずき「動かない。動かすと痛みがあって怖い」と漏らした。医師は「外れている感じでも、骨が折れている感じでもない。『外れた』とも『切れた』とも言っていなかった」と説明した。肩か、それとも大胸筋か。新横綱は三角巾で患部を固定し、氷で冷却。午後6時19分に救急車に乗り込んだ。問いかけにも無言だった。

 大阪市内の搬送先の病院に駆けつけた師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は負傷箇所について「テレビで見たようなところ」と左肩から胸付近を指して「まだ場所があるので」と詳細は明かさなかった。鶴竜と対戦する14日目の出場についても「今日は様子を見る。明日、相談して決めたい」と話すにとどめた。

 単独トップで新横綱優勝も見えてきた矢先。朝には先代師匠の隆の里だけが成し得た新横綱全勝優勝に向けて「1日1日、しっかり力を出し切ることが大事」と話していた。そこからの暗転。八角理事長は「緊張感のある中で痛がるんだから、よほどだろう。軽傷であってほしい」と願った。【今村健人】

 ◆稀勢の里のけが 綱とりだった14年初場所12日目の琴欧洲戦で敗れた際に右足親指を負傷。「右母趾(ぼし)MP関節靱帯(じんたい)損傷で約3週間の安静加療」と診断され、7勝7敗で迎えた千秋楽を休場して負け越した。02年春場所の初土俵から初めての休場で通算連続出場は953回で途切れ、14年春場所は初めてのかど番となった。これまで稀勢の里の休場はこの1日だけ。

救急車で大阪市内の病院に向かう稀勢の里(右)(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

閉じる

照ノ富士びっくりトップタイ「最後まで頑張るだけ」

鶴竜(左)を寄り切りで破った照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇13日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪

 大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)が、15年秋場所の優勝決定戦を含めて過去11戦3勝と合口の悪かった横綱鶴竜(31=井筒)を破って12勝目を挙げ、兄弟子の横綱日馬富士が土をつけた横綱稀勢の里と1敗で並んだ。関脇の高安と平幕の栃煌山がともに3敗目を喫して後退し、15年夏場所以来2度目の優勝の好機が到来した。

 止められる者はもういないのか。照ノ富士は立ち合いで鶴竜に踏み込まれてもろ差しを許した。いったん外四つから巻き替えて左四つになるも巻き替えられ、再びもろ差しを許した。だが、今場所は不利な体勢からでも強い。足を踏み出して両上手を引き、体を密着させて強引に寄り切った。

 過去11戦3勝と合口の悪かった横綱に完勝。支度部屋で「全力でやってるだけなので何とも言えないでず。精いっぱいやるだけです」と息を切らしながら話した。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「前かがみになって圧力をかけられた」と勝因を分析した。

 髪を結ってもらっている時に、テレビの大相撲中継の音声で結びの一番での異変に気がついた。「あれどうしたの?」と記者に質問し、負傷した稀勢の里の状況をうなずきもせずに聞いた。「最後まで頑張るだけです。一番一番ですよ」と浮かれなかった。

 15年夏場所以来の優勝が手の届くところにきた。兄弟子の十両安美錦が優勝パレードの旗手を務めたい、と話していたと伝え聞くと「やってもらいたいです」。だが、すぐに「まだそこまでは」と全く気を緩めなかった。【佐々木隆史】

関連するニュースを読む

閉じる

日馬富士「稀勢は大丈夫ですか?」土つけるも心配

日馬富士(左)は稀勢の里を寄り倒しで破る(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇13日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪

 横綱日馬富士がすさまじい集中力で稀勢の里を寄り倒した。

 立ち合いから低く鋭く突き刺さると一気に土俵下へと持っていった。相手がうずくまる間に勝ち名乗りを受け、支度部屋では「稀勢は大丈夫ですか?」と心配。弟弟子の照ノ富士を援護する白星に「お客さんが沸いてくれるような激しい相撲を取ろうと思った」と振り返った。

関連するニュースを読む

閉じる

琴奨菊8勝目「自分らしさ出す」大関復帰望みつなぐ

琴奨菊(左)は押し出しで正代を下す(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇13日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪

 琴奨菊が大関復帰ラインの10勝へ、何とか望みをつないだ。鋭い踏み込みから正代を押し出し8勝目。「一番大事な部分で自分が勝った」と精神力を強調し「まあ、いい相撲」と納得した。

 今日14日目は1敗の照ノ富士戦。負けた瞬間に大関復帰はなくなるが「残りもしっかり自分らしさを出したい」と力を込めた。

関連するニュースを読む

閉じる

豊ノ島、現役続行宣言「あきらめてない」初白星

<大相撲春場所>◇13日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪

 元関脇で東幕下2枚目の豊ノ島(33=時津風)が現役続行を明言した。

 西幕下45枚目の出羽鳳(31=出羽海)を下して今場所初白星を挙げ、1勝5敗1休みで終えた。

 「来場所につながる白星にしたいか」と問われると、豊ノ島は「もうちょっと白星が欲しかったけど、まだあきらめてないし。時間がかかった方が(関取に)戻ったときに話題性があるでしょ。そう思うしかない」と来場所以降も現役を続ける考えを示した。

 初日を4日後に控えた今月8日の稽古中、右ふくらはぎを痛め、1番相撲が不戦敗で2番相撲が休場扱いになった。

 「運がなかった」と振り返るが「これも試練。乗り越えていかないといけない」と言い訳はなし。「連敗した時は気持ちが切れそうになったけど、それでもいろいろと声をかけてもらった。『待ってます』『必ず復活してください』と。今日も(相撲の前に)1勝もしていないのに、温かい拍手、声援をもらった。何とか応援してもらってる方に関取に復帰することで恩返しをしたい。気持ちを切らさず、頑張りたい」と、復活への決意を表明した。

 帰り間際も「幕下という場所に慣れないようにして、早く上に戻って、関取衆と大銀杏(おおいちょう)を結って、土俵に上がって、相撲を取りたいと思ってます」と、熱い言葉を残して車に乗り込んだ。

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里負傷に八角理事長「軽傷であってほしい」

<大相撲春場所>◇13日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪

 2場所連続優勝に向けて単独首位を走ってきた新横綱稀勢の里がまさかの負傷に見舞われ、大詰めを迎えた春場所は一転して荒れ模様となった。

 日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、横綱日馬富士との結びの一番で寄り倒され、土俵下で左肩付近を押さえて苦痛に耐える稀勢の里の姿を役員室のテレビで見つめ、しばらく絶句。「どういう状況か。軽傷であってほしい」と言葉を絞り出した。

 土俵下の藤島審判長(元大関武双山)は左大胸筋負傷の可能性に言及し、「立ち合いで左(の攻め)がすっぽ抜けた時かもしれない。相当な痛がり方だった」と話す。新横綱が近くに落ちてきた片男波審判委員(元関脇玉春日)は「かなり痛そうだった。私にもたれかかってきて、なかなか立てなかった」と語った。

 左腕を三角巾でつった稀勢の里が救急車に乗り込む際、駆け付けた大勢のファンから「頑張って!」の声が飛ぶなど周囲は騒然。田子ノ浦部屋付きの西岩親方(元関脇若の里)は「本当に心配だ。大胸筋が切れていたとしたら長引くかもしれない」と視線を落とした。

関連するニュースを読む

閉じる

稀勢の里、左肩押さえうめき…三角巾で固定し病院へ

日馬富士(左)に寄り倒しで敗れた稀勢の里(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇13日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪

 ただ1人、勝ちっ放しだった新横綱の稀勢の里(30=田子ノ浦)にまさかの悪夢が襲いかかった。

 横綱日馬富士(32=伊勢ケ浜)に寄り倒されて初黒星を喫した。さらに土俵下に転げ落ちた際、左肩から胸付近を押さえて起き上がれなかった。支度部屋では何度もうめき声を上げて、苦悶(くもん)の表情。左腕は動かせなかった。

 土俵下に落ちたときに左肩を打ちつけた。その前には、左から強引に振る場面もあった。どこで、どの箇所を痛めたのかは不明だが、支度部屋で応急的に診察した医師は「『動かない』『動かすと痛みがあって怖い』と言っていた。肩が外れている感じじゃないし、骨が折れている感じでもない。鎖骨が折れているというのではない」と話した。

 患部を三角巾で固定し、救急車で大阪市内の病院に運ばれた新横綱。搬送先の病院に駆けつけた師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は、負傷箇所について「テレビで見たようなところ」とし、脱臼かという問いかけにも「ちょっとまだ…」と言葉を濁した。横綱鶴竜戦が組まれた14日目の出場についても「明日、様子を見て」と言うだけだった。

 12連勝で突っ走っていた浪速の春に、まさかの事態が起こった。

日馬富士に寄り倒しで敗れた稀勢の里は左肩をおさえ、苦悶の表情(撮影・外山鉄司)
左肩を痛め支度部屋で痛がる稀勢の里(撮影・鈴木正人)
左手を布で、つりながら着替える稀勢の里(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

閉じる

安美錦、2場所ぶり勝ち越し「意味が違ってくる」

北太樹(左)を、はたき込みで破る安美錦(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇13日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪

 西十両12枚目の安美錦(38=伊勢ケ浜)が、2場所ぶりに勝ち越した。東十両11枚目の北太樹(34=山響)に当たってすぐのはたき込み。前半戦は白星がいい薬だと話していたが「勝ち越しは特効薬だね」と笑顔を見せた。

 「内容は褒められたもんじゃないけど。当たろうと決めていたが、足に力が入っているんだか、いないんだか…。ここ(12枚目)で勝ち越しと負け越しでは意味が違ってくるし、普段より取りきりたい思いが出るから、より緊張を感じちゃうんだよね」。

 百戦錬磨のベテランをしてもやはり、勝ち越しを意識して緊張があったという。それでも、我慢して取り続けてきたかいがあった。ただ、これで楽になるかという問いかけには「8番じゃ大して(番付が)上がらないから、みんなが安心できるように残り頑張っていかないと」と気を緩めなかった。

 幕内では弟弟子の大関照ノ富士が優勝争いを演じ、横綱日馬富士は13日目に稀勢の里と対戦する。そんな部屋の状況を踏まえて「後は照ノ富士と横綱に頑張ってもらって。で、オレが(優勝パレードの)旗手。良いところを持って行く。そのためにも、負け越すわけにはいかなかったからね」と、安美錦流のエールを送っていた。

関連するニュースを読む

閉じる