上へ戻る

au版ニッカン★バトル

新着ニュース

白鵬-阿武咲、稀勢の里-貴景勝 初日取組決まる 

稀勢の里


 日本相撲協会審判部は12日、東京・両国国技館で大相撲初場所(14日初日、両国国技館)の取組編成会議を開き、初日と2日目の取組を決めた。

 連続優勝で通算41回目の優勝を目指す横綱白鵬(32=宮城野)は、初日に小結2場所目の阿武咲(21=阿武松)と結びの一番で対戦する。

 4場所連続休場からの再起をかける横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)は初日に新三役の小結貴景勝(21=貴乃花)、2日目は東前頭筆頭の北勝富士(25=八角)と勢いのある若手の挑戦を受ける。

 やはり4場所連続休場中の横綱鶴竜(32=井筒)は初日に北勝富士、2日目は貴景勝と、やはり難敵との対戦が組まれた。

 なお十両以上の初日からの休場者は、いずれも十両で東3枚目の貴ノ岩(貴乃花)、西9枚目の豊響(境川)、東11枚目の宇良(木瀬)の3人。貴ノ岩は昨年10月、元横綱日馬富士関に暴行された際に負った頭部外傷などのため。手術した宇良は、右膝前十字靱帯(じんたい)断裂で加療中の診断書を提出。豊響は不整脈のため休場を届け出た。初日、2日目の三役以上の取組は以下の通り。

 【初日】(左が東)

 千代大龍-玉鷲

 御嶽海-琴奨菊

 嘉風-高安

 豪栄道-逸ノ城

 鶴竜-北勝富士

 貴景勝-稀勢の里

 白鵬-阿武咲

 【2日目】(左が西)

 千代大龍-御嶽海

 玉鷲-嘉風

 阿武咲-豪栄道

 高安-琴奨菊

 逸ノ城-白鵬

 貴景勝-鶴竜

 稀勢の里-北勝富士

関連するニュースを読む

千代丸3勝目「強い同年代」好調の千代大龍から刺激

千代丸

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇ドルフィンズアリーナ


 東前頭10枚目千代丸(27=九重)が、西前頭7枚目大栄翔(24=追手風)を破り、3勝5敗で中日を終えた。

 立ち合いでぶつかると、相手の両肩をつかんで前後に揺さぶり、体勢を崩したところで引き落とした。「良いタイミングだった。相手との距離間隔が良かったと思う」と勝因を挙げた。

 前日の14日に会場の冷房設備が不具合を起こし、土俵も熱気に包まれたという。「汗でテーピングがずれたんですよ。こんなの初めて。普段汗かかないのに」と異例の暑さだったようだ。

 黒星が先行した前半戦を「本調子ではなかった。体が伸び上がってしまう場面が多かったので」と振り返り、「(6勝2敗と好調の西前頭6枚目)千代大龍とか同年代が強いので頑張ろうとなっている」と同部屋の力士に刺激を受けていた。

関連するニュースを読む

朝乃山が1敗守る、好調の要因は十分な睡眠時間

碧山(右)を寄り切りで破り、1敗を守った朝乃山(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇ドルフィンズアリーナ


 西前頭13枚目の朝乃山(24=高砂)が、碧山を破り、1敗を守った。

 立ち合いこそ相手の突きに上体をのけぞらせたが、構わず前に出て左上手を取ると、右も差して寄り切った。「突っ張られても起こされても落ち着いて取れた。足がそろってしまったので怖かったけど、珍しく最後も投げにいかずに寄り切れたのでよかった」と、取り口にも納得の様子だった。

 師匠の高砂親方(元大関朝潮)も「左の上手を取ることができているから、前に攻めることができているし、気持ちも前に向いている」と、得意の形に持ち込み、積極的に攻める姿勢をほめた。

 連日8~9時間ほどの睡眠を取り、体調管理に努めていることも好調の要因と分析する。「夢は見ない。それだけ熟睡できているということだと思う。でも、賜杯、賜杯…って想像しながら寝ようかな」と、冗談半分ながら、夢の幕内優勝を、一足早く夢の中で達成できることを願っていた。

関連するニュースを読む

安美錦、大鵬に並ぶ通算872勝「光栄なこと」

豪風(左)をはたき込みで破った安美錦(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇ドルフィンズアリーナ


 西十両4枚目安美錦(39=伊勢ケ浜)が、東十両筆頭豪風(39=尾車)を破って、元横綱大鵬に並ぶ歴代8位の通算872勝を挙げた。

 1度目の立ち合い、先に右手を着いて待ったが豪風がなかなか動かず、1度離して再び右手を着けたがそれでも豪風は立ち上がらず、しびれを切らして立った。2度目も先に手を着いたが相手は動かず、離したとたんにつっかけてきた。3度目で成立すると、鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように右手で張って出て、そのまま右で頭を抱えてはたき込んだ。

 心理戦となった立ち合い。「向こうが立ってこないし何考えてんだろうなと。はたきを警戒しているのかな」と、いろいろなことを考えていたという。前みつを取りにいこうとしたが「構えているのも楽じゃないからね」と、多少フラストレーションがたまり、つい張って出てしまったようだ。

 また1つ記録を更新した。「そんなにやってたのかと思っちゃうね」と、積み上げてきたものを振り返った。大鵬に並んだことについて「肩を並ばせていただいたのは光栄なことだなと思います。テレビで見たことしかない神様みたいな存在。数多くいる力士の方々に並んで不思議な気持ちです」とありがたがった。

豪風をはたき込みで破る安美錦(撮影・岡本肇)

関連するニュースを読む

遠藤2年ぶり7勝折り返し「最後まで集中切らさず」

物言いがついた遠藤(奥)と妙義龍の取り組み(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇ドルフィンズアリーナ


 東前頭6枚目遠藤(27=追手風)が、7勝1敗で中日を折り返した。

 優勝戦線に残る遠藤が、取り直しの一番を制した。東前頭9枚目妙義龍(31=境川)との投げの打ち合いの末、妙義龍に軍配が上がったが物言いがつき、同体と見て取り直し。その一番では左四つ、右おっつけで妙義龍の体勢を崩すと、腰を落として寄り切り。支度部屋では「勝ち切れて良かった。良い相撲がとれた」と淡々と語った。

 8日目を7勝で終えるのは、優勝次点だった2年前の秋場所以来。「最後まで集中を切らさずやりたい」と気を引き締めた。

物言いがついた遠藤(奥)と妙義龍の取り組み(撮影・前岡正明)
妙義龍(奥)と遠藤戦で、審判協議の後取り直しとなる(撮影・岡本肇)

関連するニュースを読む

豊ノ島「足が運べなかった」立ち合いで迷い2勝2敗

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 関脇経験者で西幕下7枚目の豊ノ島(35=時津風)が、2勝1敗で迎えた今場所の4番相撲に登場。日体大出身で、一回り年下の東幕下10枚目・友風(23=尾車)に、はたき込みで敗れ星は再び2勝2敗の五分に戻った。

 立ち合いで迷いがあった。最初は呼吸が合わず、友風が突っかける形で不成立。仕切り直して右から張って立ったが、いつもの出足の鋭さがなく、左を何とかこじ入れようとして出た瞬間、その左から突くようにはたき込まれ、土俵にはった。

 立ち合いから「考えすぎた」といい、その表れとして「前に出る気持ちはあるけど、張り差しに行っている分、受けに回ってしまった。張ったのは余計だった」と敗因を分析した。最後に勝負を決められたところは「うまく足が運べなかった」と分析。その際に、右足の親指が返ってしまったというが「栃ノ心みたいな大ごと(なケガ)じゃないから」と大事には至らなかったようだ。

 2番相撲で初黒星を喫した時点で、今場所後の十両復帰は絶望的となった。あとは少しでも番付を上げ、来場所後の再十両の可能性を高めるためにも、最低でも勝ち越し、さらに白星を重ねたいところ。「もちろん5番を」と残る3番を連勝しての5勝を目標に据えた。

 発奮材料はある。やはり幕内上位経験者で幕下に陥落している西14枚目の豊響(33=境川)が、この日勝って4戦全勝。残り3連勝なら、十両復帰となり先を越されてしまう。「豊響が元気だからね、置いていかれないように僕も頑張らないと。年も1つしか(1学年)違わないから」と刺激にするようだ。

関連するニュースを読む

豪栄道が逆転の投げ技で5勝目「内容は良くない」

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇ドルフィンズアリーナ


 かど番大関の豪栄道(32=境川)が中日を3敗で終え、優勝戦線に踏みとどまった。巨漢の魁聖に左上手でまわしを引かれ、押し込まれたが、体を開き、すくい投げを決めた。

 しばしば土俵際で繰り出す逆転の投げ技。しかし、納得いく様子は皆無で「今日のような相撲では、内容はあまり良くない」と反省が口を突いた。「振り返ってもしょうがない。明日からのことを考えます」と、残り7番に目を向けた。

関連するニュースを読む

御嶽海、単独トップ 初の中日勝ち越しも満足せず

御嶽海(左)は千代の国を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇ドルフィンズアリーナ


 関脇御嶽海(25=出羽海)が、西前頭2枚目千代の国(28=九重)を下して自身初の中日勝ち越しを決めた。

 立ち合いでまわしが取れずに距離ができ、突っ込んだところでうまくいなされた。体が泳いだがなんとか耐えて土俵際で残り、攻めに転じたところで再びいなされた。しかし次はその場で耐えると、すぐに体を密着させて右を差して一気に寄り切った。

 支度部屋に戻ると開口一番に「危なかった。足出なかったね」とつぶやいた。前に出る意識はあったというが、初の中日勝ち越しがかかっていただけに多少の緊張があった。「今日から初日という感じ。これからという気持ちだったけど、どうしても足が出なかった」と反省した。

 初場所は初日から7連勝したが、その後5連敗を喫し、終わってみれば8勝7敗とギリギリの勝ち越しだった。そのイメージがあるのか「やっぱり失速した、と言われたくないので」と、中日勝ち越しに満足するつもりは毛頭ない。

 単独トップに立っている優勝争い。1差で迫ってきている平幕力士への意識を問われると「全然。自分もいつ負けるか分からない」と気を引き締めた。

笑顔で引き揚げる御嶽海(撮影・前岡正明)

関連するニュースを読む

千代大龍、2敗目も笑顔「10秒悔しがればいい」

豊山(背中)に突き出しで敗れた千代大龍(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇ドルフィンズアリーナ


 西前頭6枚目千代大龍(29=九重)が豊山に敗れ、2敗に後退した。

 立ち合いで持ち前の強い当たりを見せながら、はたいて後退。突き出しを食った。支度部屋に戻ると最初は「当たり負けしなかったのに、引いたのがすべて。そこだけです」と険しい表情だったが、そのうち「落ち込んでるように見えます?」といきなり笑顔に。

 切り替えの速さには自信があるようで「悪いとこはわかってるんで、全部風呂場で済ませてきますから。“10秒悔しがればいい”んです。昔、格闘家がそう言ってたのか、小説で読んだのか…。でも、その通り。僕はそういう単純な男なんで」と言い、ケロリとしていた。

関連するニュースを読む

栃煌山、珍し巻き落としで北勝富士との2敗対決制す

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 東前頭13枚目栃煌山(31=春日野)が北勝富士との2敗対決を制した。立ち合いは五分だったが、体をずらされて押し込まれ、粘った末に巻き落としを決めた。

 16年秋場所8日目の照ノ富士戦以来、自身2度目の珍しい決まり手を「たまたまです」。むしろ「初めは腰が決まっていたのに、浮いてきて(体勢が)高くなった。やっぱり押し出し、寄り切りで勝たないと」と反省した。

 2敗で中日を終えたが、関脇経験のある実力者は喜んでいられない。「昨日から前に攻める相撲が取れてきた。明日からも踏み込んで、前に攻めていきたい」と話した。

関連するニュースを読む

朝青龍おい豊昇龍が勝ち越し王手「自分のペースで」

豊昇龍は横江を下手投げで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇ドルフィンズアリーナ


 元横綱朝青龍のおいで、東三段目42枚目豊昇龍(立浪=19)が3勝1敗とし、勝ち越しに王手をかけて前半戦を終えた。

 東三段目45枚目横江(21=武蔵川)を鮮やかに右下手投げ。相手の上手投げにも、おじ譲りの粘り強い足腰で耐えた。報道陣の質問を待たず「良かったんじゃないですか」と開口一番振り返った。

 中日を終え「体も徐々に動いている。これからも自分のペースで」と後半戦に意識を向けた。

ファンの声援を受け引き揚げる豊昇龍(撮影・前岡正明)

関連するニュースを読む

御嶽海が無傷の8連勝で単独首位、1敗遠藤、朝乃山

松鳳山(右)を押し出しで破る御嶽海(撮影・鈴木正人)(2018年7月12日)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇ドルフィンズアリーナ


 関脇御嶽海(25=出羽ノ海)が西前頭2枚目千代の国(28=九重)を寄り切って、自己最長となる無傷の8連勝を決め、単独首位を守った。3横綱、1大関が欠場した主役不在の場所で、連日奮闘している。 

 西前頭6枚目千代大龍(29=九重)は2敗目。 東前頭6枚目遠藤(27=追手風)西前頭13枚目朝乃山(24=高砂)は1敗を守った。

関連するニュースを読む

貴公俊が勝ち越し、貴乃花親方を追いかけて報告

對馬洋(右)を送り出す貴公俊(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇ドルフィンズアリーナ


 春場所中の付け人への暴力行為により夏場所出場停止処分を受けた西幕下49枚目貴公俊(21=貴乃花)が、西幕下52枚目對馬洋(25=境川)を下して勝ち越しを決めた。

 立ち合いで低く中に潜られたが、左を深く差して動きを止めた。上手投げを仕掛けられたが耐えて、体を正面に持っていき左四つに。そのまま一気に土俵際まで押し込んで、送り出しで勝負を決めた。予想していた立ち合いではなかったというが「慌てなかったのがよかった」と土俵上では冷静だった。

 囲み取材を受けている途中、師匠の貴乃花親方(元横綱)が目の前を通り過ぎると取材を一時中断して追いかけて、勝ち越しのあいさつをした。特別なことは言われなかったというが「やるべきことは決まっている。言われなくても変わらない」と言葉はいらなかった。

 謹慎明けの場所で、無傷で勝ち越しと奮闘している。「日に日に集中力は高まっている。今まで以上に、みんなのためにと思っている。攻めきることだけを考える」と、ますます気合を入れた。

質問に笑顔で答える貴公俊(撮影・前岡正明)

関連するニュースを読む

八角理事長「お客さんに申し訳ない」休場相次ぎ

引き揚げる八角理事長(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ


 新大関栃ノ心が7日目から休場した。前日の玉鷲戦で右足親指付け根を痛め、日本相撲協会に「右母趾(ぼし)MP関節側副靱帯(じんたい)損傷で約1カ月の加療を要する見込み」との診断書を提出した。

 八角理事長(元横綱北勝海)のコメント (栃ノ心も休場し)残念だしお客さんに対して本当に申し訳ない。ケガは一生懸命にやっての結果。ただ、上(横綱、大関陣)は言い訳できない。(3敗は優勝圏外かの問いに)いやいや、今場所に限ってはまだまだ。(どの力士も)粘り強くやってほしい。

関連するニュースを読む

冷房不調に逸ノ城ぐったり、北勝富士「おかしい」

ドルフィンズアリーナの空調問題について説明する芝田山親方(撮影・前岡正明)


 日本相撲協会は名古屋場所7日目の14日、会場のドルフィンズアリーナの空調設備が不具合を起こしていたと発表した。打ち出し後に執行部が会議し、空調が壊れたままだった場合などを協議。同時に代替の扇風機や簡易クーラーなどの確保に当たった。約2時間半後、今日15日以降の運営に問題なく修理されたことを確認し、会議を終了。

 十両の取組あたりから土俵周りの呼び出しらから異変を伝える声があがり、北勝富士は「クーラーがおかしい」と報道陣に漏らしていた。幕内最重量225キロの逸ノ城は取組後「暑い~」と連呼し、ぐったりしていた。

関連するニュースを読む

朝乃山、優勝争いに決意「上位とやっても勝ちたい」

朝乃山(右)は明生を突き落とす(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ


 朝乃山が新入幕の明生を破り、1敗を守った。立ち合いすぐに左上手を取ると、流れるように突き落とし。「新入幕の人には絶対に負けたくなかった。何が何でも勝ちたかった」と胸を張った。

 この日は出身地の富山市呉羽町から約20人がバス1台で、日帰りで応援に駆けつけ、帰り際には「優勝だぞ」と声援が飛んだ。朝乃山は「上位とやっても勝ちたい」と、優勝争いに加わる決意を示した。

関連するニュースを読む

千代大龍1敗守るも控えめ宣言「邪魔者になりたい」

千代大龍(奥)は妙義龍を寄り切る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ


 千代大龍が日体大の2年先輩、妙義龍との1敗対決を制した。「こんなの久しぶり」という7日目を終えて6勝1敗は、12年九州場所以来の快ペースだ。

 横綱、大関計4人の休場で賜杯争いは大混戦だが、自分の可能性を「絶対ない!」と声を大にして否定。「もし優勝したら『千代大龍が…』と、全力士が希望を持てます」と笑う。「優勝は大関か、御嶽海。僕はそのうち1人に砂をつける邪魔者になりたい」と、とことん控えめだった。

関連するニュースを読む

栃ノ心、苦渋の休場 再出場に含みも状況は厳しく

朝稽古の途中、師匠の春日野親方(右)と話す栃ノ心(撮影・加藤裕一)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ


 新大関栃ノ心が7日目から休場した。前日の玉鷲戦で右足親指付け根を痛め、日本相撲協会に「右母趾(ぼし)MP関節側副靱帯(じんたい)損傷で約1カ月の加療を要する見込み」との診断書を提出した。

 栃ノ心は朝稽古で四股を約70回踏み、最後まで出場の可能性を探った。苦渋の決断に「痛い。(足が)踏めない。靱帯が全部じゃないけど、ちょっと切れてる。名古屋のみなさんに申し訳ないです」。5勝のまま今場所を終えれば、来場所はかど番。栃ノ心は「出られるなら、やりたい」と言い、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)も「症状が激変すれば」と再出場に含みを持たせたが、状況は厳しそうだ。

 ◆新大関の休場 現行のかど番制度となった69年名古屋以降、00年夏場所の武双山以来18年ぶり7人目。翌場所も負け越して大関陥落したのは、過去に武双山だけ。11年春場所で千代大海が休場、翌場所全休したが、公傷制度(当時)により陥落しなかった。

関連するニュースを読む

御嶽海、攻め続け7連勝 好物うなぎで猛暑乗り切る

御嶽海(右)は琴奨菊を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ


 関脇御嶽海(25=出羽海)が西前頭筆頭琴奨菊を寄り切った。初日からの無傷7連勝は初場所以来、自己最長タイで、優勝争いの単独首位を守った。前夜は、好物のうなぎを食べてエネルギーを蓄えた。3横綱に加えて新大関栃ノ心までもが休場した主役不在の場所を、初優勝に向けて引っ張っている。

 狙った右差しが外れても、御嶽海は動じなかった。右上手を取り、相手十分の左四つになって土俵中央で止まった。だが寄ったのは御嶽海。右上手をがっちりと引き、大関経験者を力ずくで寄り切った。立ち合いこそ狙い通りではなかったが「前に出られたのに変わりはない。攻め続けることが大事」と勝因を分析した。

 上位陣が休場する中、元気な相撲で単独トップに立っている。今場所「先に体が動いている」と調子がいいのは、好物のうなぎのおかげだ。場所前からすでに5回ほど食べたといい、昨日に限っては朝、昼と2回も食べた。米は少なめで丼にはせず、うなぎと別々で食べるのがこだわりだとか。「うなぎのおかげですね」と名古屋名物で猛暑を乗り切っている。

 まずは今日、自身初の中日勝ち越しを目指す。そうすれば自然と優勝もちらつくはずだが、その意識を問われても「なし」と一刀両断。上位陣の中で唯一、安定している相撲を取る期待のホープに自然と注目されるが「じっくりいく」とかわした。主役不在となった今場所でじっくりではなく、うなぎ上りで一気に優勝を狙う。【佐々木隆史】

関連するニュースを読む

名古屋場所で空調問題発生、今後の運営には支障なし

ドルフィンズアリーナの空調問題について説明する芝田山親方(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ


 日本相撲協会は名古屋場所7日目の14日、会場のドルフィンズアリーナの空調設備が不具合を起こしていたと発表した。

 打ち出し後に執行部が約2時間30分にわたって会議し、空調が壊れたままだった場合の対策などを協議。同時に業者らに修理を依頼しつつ、代替の扇風機や簡易クーラーなどの確保に当たった。その後、修理が無事に終わり、8日目の15日以降の運営に問題なく修理されたことを確認し、会議は終了した。

 芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「(故障箇所と交換する)新しい部品は3連休のため、週明けにならないと届かないが、猛暑なので、万が一に備えてメンテナンスの人も常駐してもらえるよう手配できた」と、今後の運営に支障はないことを強調した。

 この日の十両の取組あたりから、土俵回りにいる呼び出しらから異変を伝える声があがっていたという。

空調問題で理事室に入るドルフィンズアリーナの関係者(撮影・岡本肇)

関連するニュースを読む

臥牙丸驚き「今日電話します」同郷栃ノ心の休場心配

朝稽古の途中、師匠の春日野親方と話す栃ノ心(撮影・加藤裕一)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ


 ジョージア出身の西十両9枚目臥牙丸(31=木瀬)が、この日から休場した同郷の大関栃ノ心(春日野=30)を心配した。

 臥牙丸は東十両14枚目誉富士(伊勢ケ浜=33)を押し出し3勝4敗としたが、支度部屋で親友の悲報に仰天した。栃ノ心が日本相撲協会に「右母趾MP関節側副靱帯(じんたい)損傷で約1カ月間の休業、加療を要する見込み」との診断書を提出したことを初めて知り「え! 本当に!? 知らなかった…」と驚きを隠せなかった。

 場所前は毎日のように連絡を取っていたが、新大関で多忙の栃ノ心を気遣い、場所中は支度部屋で顔を合わせる程度だった。「今日電話します。心配ですね…。栃ノ心の親指はこのくらいあるんだけどね」と、自らの右手親指と人さし指で8センチ弱の幅をつくってみせ、休場を残念がった。

関連するニュースを読む

高安5勝「立ち合いが良かった」初顔合わせ阿炎下す

阿炎(右)を寄り倒しで破った高安(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 大関高安(28=田子ノ浦)が、東前頭3枚目阿炎を下し、5勝2敗とした。

 5日目に横綱鶴竜(32=井筒)から金星を挙げた阿炎との一番。初顔合わせだったが出稽古で肌を合わせたことがあり「その時よりは強くなっていると思う」と警戒して臨んだ。

 立ち合いで勢いよくぶつかると、そのまま一方的に寄り切り。「立ち合いが良かったですね。しっかり踏み込めた」と納得した表情で振り返った。

 2敗を守ったまま中日を迎える。前日の6日目に西前頭3枚目貴景勝(21=貴乃花)に完敗したが「完璧にやられたことをしっかりと受け止めたい」と切り替えていた。

 19年前に3横綱が休場した1999年春場所では、当時大関だった武蔵丸(現在の武蔵川親方)が優勝している。同じ大関として高安にも良い風が吹くなか「モチベーション、励みになる。ここからが勝負じゃないですか」と、自身初優勝へ意欲を見せた。

関連するニュースを読む

御嶽海7連勝、豪栄道3敗、栃ノ心休場 名古屋場所

御嶽海(右)は琴奨菊を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 3横綱1大関が休場する中、優勝争いの先頭を走る関脇御嶽海(25=出羽海)は、前頭筆頭の琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)を寄り切って無傷の7連勝と星を伸ばした。

 先場所途中休場でかど番の大関豪栄道(32=境川)は、前頭3枚目貴景勝(21=貴乃花)に突き落とされ4勝3敗となった。貴景勝は6日目の高安に続き2日連続の大関撃破で4勝3敗と白星を先行させた。

 全休明けでかど番の大関高安(28=田子ノ浦)は、前頭3枚目阿炎(24=錣山)を寄り倒して5勝目を挙げた。阿炎は2勝5敗。

 人気力士の前頭6枚目遠藤(27=追手風)は、同6枚目旭大星(28=友綱)を押し出して6勝目。

 7日目を終え、勝ちっ放しは御嶽海1人、1敗で遠藤、前頭6枚目千代大龍(29=九重)同13枚目朝乃山(24=高砂)の3人となった。

 また、新大関栃ノ心(30=春日野)は、6日目玉鷲戦で右足親指付け根を痛め「右母趾MP関節側副靱帯(じんたい)損傷」でこの日から休場となった。

御嶽海(右)は琴奨菊を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

関連するニュースを読む

関取衆が裏口から場所入り、入場待ち客の熱中症懸念

ドルフィンズアリーナ(2018年7月11日撮影)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ


 日本相撲協会はこの日から、関取衆が場所入りする入り口を、観客と同じだった正面側から、関係者しか立ち入ることができない裏口にあたる関係者駐車場側に変更した。

 ごひいきの力士の入場を、炎天下の屋外で待つ来場者が体調不良を訴え、会場内を含め熱中症で病院に搬送されるケースが発生しているための緊急措置となった。

 この告知を周知させるため、正面入り口付近では「ご来場の皆さまにご案内致します。熱中症にかかる危険度が高い中、力士の入場待ちをされるお客様の体調を考慮し、正面からの力士の入場を中止することに致しました。ご理解くださいますよう、お願いいたします」というアナウンスが終日、流された。気象庁の発表によると、名古屋ではこの日、午前9時には30・9度を観測。午後2時24分には、この日の最高気温37・5度に達する猛暑日となっている。

関連するニュースを読む

栃ノ心が右足親指付け根痛め休場「痛い。踏めない」

朝稽古の途中、師匠の春日野親方と話す栃ノ心(撮影・加藤裕一)


 新大関栃ノ心(30=春日野)が名古屋場所7日目の14日、休場を決めた。前日の玉鷲戦で敗れた際、右足親指付け根を痛め、この日の朝稽古で四股を踏むなど状態を確認の上、決断。日本相撲協会に「右母趾MP関節側副靱帯(じんたい)損傷で約1カ月間の休業、加療を要する見込み」との診断書を提出した。この日の正代戦は不戦敗となる。

 栃ノ心は「残念だけど、痛い。(足が)踏めない。変な相撲は取れない。みなさんに申し訳ない。悔しいね」と無念そうに話した。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)は「(朝稽古の途中に)どうだ、と聞くと『痛い』と。痛みをあまり口にしない人間が痛いと言うのは相当のこと。横綱3人が休んで“オレが-”という気持ちもあったと思うけど、名古屋のファンに申し訳ないです。本人もその気持ちが強いのではないか」と話した。

 栃ノ心によると前日の取組後、病院でMRIなどを撮り、右足親指付け根の裏側の「靱帯(じんたい)が全部じゃないけど、ちょっと切れてる」という。今後は患部を冷やし、腫れを引かせる措置をとる一方、東京に戻ってかかりつけの医師にも診察してもらう予定。新大関場所で6日目を終えて5勝1敗。このまま千秋楽まで休めば、いきなりかど番となる。栃ノ心は「それは考えたくない。まだ出られるかもしれないし」と再出場への意欲も見せるが、状況は厳しそうだ。

関連するニュースを読む

納谷、全勝対決制し4連勝「しっかり足が出た」

勝ち越しに笑顔を見せる納谷(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ


 元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力を父に持つ西三段目50枚目の納谷(18=大嶽)が初日から4連勝で、早くも勝ち越しを決めた。

 東三段目55枚目福ノ富士(19=伊勢ケ浜)を寄せ付けなかった。立ち合いから突っ張りで攻め立て、5秒足らずで押し出し。「若干腰が高くなったけどしっかり足が出た」とうなずいた。

 全勝対決を制し「(相手も強く)良い意味で多少の緊張感があった」と振り返った。連日丁寧に報道陣の質問に答え「強くなっても威張ったりしないようにしたい」と納谷。師匠の大嶽親方(元十両大竜)にも「謙虚にいけ」と指導されているという。「今日はあごが引けていたけど、あごが上がって力が伝わっていない時もある。頭も体もすごく軽いので、一番でも多く勝てるようにしたい」と語った。

福ノ富士(右)を押し出し、勝ち越しを決めた納谷(撮影・岡本肇)

関連するニュースを読む

玉鷲、懸賞14本「袋の中にしっかり入ってましたね」

栃ノ心(左)を小手投げで破った玉鷲(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ


 玉鷲が新大関から白星を奪った。立ち合いから突っ張りの応酬で、最後は栃ノ心の左腕をとらえ小手投げ。「突っ張ったら滑ったので、逆に突っ張らずに手を伸ばして下から押した」。

 審判を務めた師匠の片男波親方(元関脇玉春日)が土俵下から見守り「倍の力が出た」と玉鷲。14本の懸賞を手に取り「袋の中にしっかり入ってましたね」と笑顔で勝利の重みをかみしめた。

関連するニュースを読む

御嶽海、単独トップに「面白くなってきたじゃん」

正代(左)を豪快に押し出し6連勝の御嶽海(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ


 御嶽海が3連敗中と苦手にしていた正代を下し、6連勝とした。

 立ち合いすぐに左前みつを取って頭をつけると、相手に何もさせずに押し出した。「流れるようないい相撲だった」と自画自賛。帰り際に支度部屋のテレビで、並走していた栃ノ心が負けるのを見て単独トップに立つと「いいじゃん。面白くなってきたじゃん」とニヤリとした。3横綱休場も追い風に、初優勝に向けてひた走る。

関連するニュースを読む

相撲協会、西日本豪雨被災地支援の募金箱を設置


 日本相撲協会は13日、名古屋場所が開催中のドルフィンズアリーナに募金箱を数カ所設置し、西日本豪雨の被災地支援活動を開始した。

 被害の大きい高知県出身の新十両千代の海は、帰り際に募金。この日から地元企業贈呈による故郷の名物カツオが描かれた化粧まわしを着用した。本来は初日から着ける予定だったが、豪雨の影響で名古屋市内の宿舎へ到着が遅れたという。「本当に大変な中でも皆さんが応援してくれている。地元のためにも、何とか勝ち越したい」と話した。

関連するニュースを読む

名古屋場所は高温対策、関取衆の入場を裏口に変更

熱中症対策のために出された日本相撲協会のリリース


 日本相撲協会は熱中症対策として、名古屋場所での関取衆の入場を7日目の今日14日から、これまでの正面でなく一般ファンが立ち入れない裏側の関係者入り口に変更する。

 初日から真夏日が続き、14日は最高気温38度が予想される名古屋地方。関取衆の入場を間近で見ようと炎天下で待つ間に倒れ、担架で運ばれるファンが続出していた。これを避けるための措置で八角理事長(元横綱北勝海)は「ファンサービスの一環だったのに残念だが、来ていただいたのに救急車で運ばれるようなことがあってはいけない」と説明した。

関連するニュースを読む

3横綱不在、八角理事長「お客さんには申し訳ない」

鶴竜の休場で19年ぶりに3横綱が休場に(撮影・岡本肇)


 19年ぶりに3横綱全員が不在という異常事態に陥った。3場所連続優勝を目指していた横綱鶴竜(32=井筒)が、名古屋場所6日目の13日、日本相撲協会に「右肘関節炎で13日より2週間の安静休務を要する見込み」との診断書を提出して休場。初日からの稀勢の里、4日目からの白鵬に続き、3横綱が全員不在。1999年春場所で曙、若乃花、貴乃花が相次いで休場して以来、昭和以降5度目の事態となった。

 ファンにとっては、さびしい場所となった。午前7時30分ごろ、愛知・東浦町の部屋宿舎を出発した鶴竜は、名古屋市の病院経由で帰京した。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)は「靱帯(じんたい)とか筋肉の炎症。だいぶ状態が悪く、力が入らないということだった。場所前から悪かった」と取組ではなく、6月下旬の名古屋入り後の負傷と明かした。今後は都内の病院で再検査を予定している。

 今年に入って稀勢の里は4場所すべて、白鵬は3場所休場。鶴竜は皆勤してきたが、今場所は4、5日目と平幕に連敗。3連覇が遠のいたタイミングで決断した。井筒親方は「先場所は晴天だったのに今回は嵐になってしまった。天国から地獄。つらいですな」と、無念の思いを代弁した。

 突如、結びの一番となって臨んだ新大関栃ノ心は初黒星を喫した上に、休場危機に陥った。阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「(横綱が)いなくなって初めて分かる」と、横綱不在が影響した可能性を指摘した。

 ファンからは厳しい声も上がった。静岡・浜松市から訪れた鈴木智久さん(59)は冗談半分ながら「ちょっとお金を返してほしいよね」と漏らした。「お金を払う以上、厳しい目で見ていきたい」(20代女性)という意見も多数あった。八角理事長(元横綱北勝海)は「お客さんには申し訳ない」と話し、力士の奮闘に期待した。

 若貴、曙以来19年ぶりの3横綱不在。横綱の本場所不在も、1人横綱の朝青龍が3日目から休んだ2006年夏場所以来になる。複数の横綱が全員不在となるのは、朝青龍と武蔵丸がともに途中休場した03年名古屋場所以来15年ぶりだ。昨年からの不祥事に続いて「本丸」の土俵が充実しなければ、再び相撲界は不遇の時代を迎えかねない。

関連するニュースを読む

栃ノ心は休場せず、右足親指負傷で治療も「大丈夫」

玉鷲の小手投げで右足親指を痛めた栃ノ心(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 新大関栃ノ心(30=春日野)が初黒星を喫した。小結玉鷲との対戦で左上手でまわしをとった直後、小手投げを食い、土俵に崩れる際に右足親指を痛めた。

 支度部屋では言葉少なだった。「は~っ」とため息をついた後「ちょっと(右)ひざが曲がった。それより指がちょっとね」。そばに来た部屋付きの岩友親方(元前頭木村山)の問い掛けに「(骨が)折れてはいないけど、多分外れたと思う」と答えた。

 会場から病院に行き、治療を受けた。部屋の関係者は「大丈夫です」と語り、休場せず、引き続き出場する意向を明かした。

関連するニュースを読む

千代大龍が辛勝「この考えで」勝ち越し手前7勝狙う

千代大龍(右)は輝をはたき込みで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ


 西前頭6枚目千代大龍(29=九重)が、西前頭4枚目輝(24=高田川)を破り、5勝1敗とした。

 支度部屋では開口一番「立ち合いからだめでしたね」と反省を口にした。輝に押し込まれたが左にいなし、はたき込みで辛勝。首をひねりながら「内容は悪かったけど白星なんで」と語った。

 まず目指すのは勝ち越しではなく、1歩手前の7勝目。「7番取ると(番付が)落ちるのも少ないので」と千代大龍。5年前の名古屋場所で6勝2敗から負け越し、そこから7勝を目標に据えるようになったという。「良いか悪いか分からないけど、僕はこの考えで。平気で(連勝から)連敗するタイプなんで」と、謙虚に構えた。

関連するニュースを読む

玉鷲が栃ノ心を撃破 師匠の目の前で「倍の力出た」

栃ノ心を破り支度部屋で笑顔を見せる玉鷲(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ


 小結玉鷲(33=片男波)が新大関栃ノ心(春日野=30)を撃破し、3勝3敗とした。

 横綱がいない支度部屋で、玉鷲が満開の笑顔を見せた。「とりあえずまわしを取られないようにした」と立ち合いから突っ張りの応酬で、最後は栃ノ心の左手を小手投げ。師匠の片男波親方(元関脇玉春日)が審判として見つめる中で「倍の力が出ました」と発奮した。14本の懸賞を手に取り「袋の中にしっかり入ってましたね」と、勝利の重みを実感した。

栃ノ心(左)を小手投げで破った玉鷲(撮影・前岡正明)

関連するニュースを読む

日本相撲協会、熱中症対策で名古屋場所の入り変更

熱中症対策のために出された日本相撲協会のリリース

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 入り待ちはなさらないでください-。日本相撲協会は13日、大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)での一般ファンの熱中症対策として、関取衆の入場を7日目の14日から、これまでの正面でなく一般ファンが立ち入ることができない、関係者駐車場がある裏口(裏木戸)に変更することを発表した。

 東京場所では三役以下、地方場所では全関取が、一般客が間近で見られる会場入り口(両国国技館は南門、その他は正面入り口が基本)から入場する。力士を至近距離から写真撮影できるなどファンサービスの一環として行っている。

 ところが名古屋場所は初日から連日の真夏日で、13日は34度を超え、14日には最高気温38度が予想される。力士を間近で見ようとするファンは、日よけがないため炎天下での待機となり、ここまで担架や救急車で運ばれる人が館内での観戦者も含め続出している。

 同協会では、名古屋場所の出羽海担当部長(元前頭小城ノ花)の名前で「名古屋場所における力士場所入りの変更について」というリリースを発表。力士の入場待ちするファンが体調不良を訴えたり、熱中症で運ばれる事例が多数、起きているため、力士は駐車場から直接、場所入りする説明があり、ファンには「大変申し訳ありませんが、入り待ちはなさらないようにお願いいたします」としている。

 協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「正面(入り口)から力士がファンの目の前を通る。ファンサービスの一環だったし残念だけど、せっかく来ていただいたのに救急車で運ばれるようなことがあってはいけない」と説明した。

関連するニュースを読む

御嶽海が単独トップ「流れる相撲」自画自賛の6連勝

御嶽海(左)は正代を押し出しで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ


 関脇御嶽海(25=出羽海)が、東前頭筆頭正代(26=時津風)を下して無傷の6連勝を飾った。その後、並走していた新大関栃ノ心が敗れて優勝争いで単独トップに立った。

 流れるような相撲で正代を圧倒した。立ち合いですぐ左前みつを取って、頭を相手の胸につけた。右上手を取って投げを打ち、体勢を入れ替えて相手を土俵際に追い込むと、一気に押し出した。「流れるような相撲だった。いい動きだった」と自画自賛。左前みつについては「いろいろな展開を考えて」と、ここ最近3連敗中と苦手にしていた相手への対策の1つだった。

 まげを結い終わり支度部屋を出ようとすると、テレビに栃ノ心の取組直前の場面が映し出されていた。無言で栃ノ心の取組を見届けて、単独トップに立ったことについて報道陣から振られると「いいじゃん。おもしろくなってきたじゃん」とニヤリとした。

 鶴竜が休場して、3横綱全員が休場。大関陣にも全員土がつき、6日目とはいえ優勝争いの先頭に立った。師匠の出羽海親方(元前頭小城ノ花)が担当部長を務める名古屋場所での初優勝に向けて「盛り上げられたらいい。これからです」と気合を入れた。

関連するニュースを読む

妙義龍1敗守る 場所前完敗の碧山にこてんぱん返し

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 東前頭9枚目妙義龍(31=境川)が東前頭11枚目碧山(32=春日野)を下し、1敗を守った。

 場所前の出稽古ではこてんぱんにやられたという。「散々でしたよ。めちゃくちゃにやられたので良いイメージは全くなかったです」。それでも体重200キロ近い碧山に立ち合いからひるまずぶつかった。相手の左手をはね上げ、右下手を深く刺し、そのまま寄り切った。「まあ集中力です。たまたま(右手が)入って、そのままぱぱっと攻められた。狙い通り? 狙ってやるほど器用じゃないっすよ」と汗をぬぐった。

 東前頭16枚目だった先場所は10勝を挙げ、今場所も好調を維持している。「勝てれば気分は良いですよ。良い気分で土俵に向かうのも大事っすね」と口角をつり上げた。

関連するニュースを読む

栃ノ心が右足負傷し休場危機「折れてはいないけど」

栃ノ心

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 新大関栃ノ心(30=春日野)が休場の危機に見舞われた。

 小結玉鷲との対戦で左上手でまわしをとった直後、小手投げを食って、初黒星。土俵に崩れる際に、右足の指を痛めたようで支度部屋では言葉少なだった。「は~っ」とため息をついた後「ちょっと(右)ひざが曲がった。それより指がちょっとね」。そばに来た部屋付きの岩友親方(元前頭木村山)の問い掛けに「(骨が)折れてはいないけど、多分外れたと思う」と答えた。

 新大関として快調に白星を重ねてきたが、まさかの展開に表情は暗い。会場を去り際「明日(の出場)は分からないか?」との質問に無言でうなずいた。

関連するニュースを読む

栃ノ心に土、御嶽海6連勝で単独トップ 名古屋場所

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 新大関の栃ノ心(30=春日野)に土がつき、関脇御嶽海(25=出羽海)が6連勝で単独トップに立った。

 栃ノ心は小結玉鷲(33=片男波)に左からの小手投げで敗れ、初黒星を喫した。御嶽海は、前頭筆頭の正代(26=時津風)の前回しを引きつけて出て押し出した。

 先場所途中休場でかど番の大関豪栄道(32=境川)は、前頭3枚目阿炎(24=錣山)を右四つに組みとめ、左からの上手投げで4勝2敗とした。

 全休明けでかど番の大関高安(28=田子ノ浦)は、前頭3枚目貴景勝(21=貴乃花)に一方的に押し出されて2敗目を喫した。

 3連勝後に2連敗していた横綱鶴竜(32=井筒)は右肘関節炎で、この日から休場した。3横綱全員不在は貴乃花、3代目若乃花、曙の99年春場所以来19年ぶりで、昭和以降5度目となった。

 人気力士の前頭6枚目遠藤(27=追手風)は、同4枚目魁聖(31=友綱)を押し倒して5勝目を挙げた。

 6日目を終わって勝ちっ放しは御嶽海1人、1敗で、栃ノ心、遠藤、前頭6枚目千代大龍(29=九重)同9枚目妙義龍(31=境川)同13枚目朝乃山(24=高砂)の5人が追う展開となった。

関連するニュースを読む

豊ノ島が試行錯誤で白星先行、関取復帰へ前に出た

豊ノ島(2018年1月15日撮影)

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ


 関脇経験者で西幕下7枚目の豊ノ島(35=時津風)が、1勝1敗で迎えた今場所の3番相撲に登場。

 十両経験のある同9枚目の出羽疾風(29=出羽海)を突き落としで破り、再び白星を先行させた。

 立ち合いの出足でまさった。鋭い踏み込みから相手を土俵際まで押し込む。相手が粘ろうとするところを、反動を効かすように右から突いて前のめりに倒れさせた。

 白星発進から前回の2番相撲は、前に出たものの、はたかれて負けた。「前に出ての負けなら悔いはない」と話していたが、部屋に戻ると思考がグルグル頭の中を駆けめぐった。自分が発した言葉に、強くこだわる必要はないと1度は思い「前に出るばかりでなく慌てないのも大事かも。考えてみれば、前に出る相撲は自分らしさではないし」という考えが頭をよぎった。

 だが、その考えに待ったをかけ、思いとどまったのも自分だった。「(考えが頭の中で)1周、回ってね。もう瀬戸際なんだから、受けた相撲で負けたら悔いが残るだろうと。ここに来て、相撲の基本に戻って前に出れば結果が出ると信じようと。そうすれば今日みたいに結果が出る。相撲人生、1周回って、そこに立ち戻りました。それが大事だと。いい勉強ですよ」。試行錯誤しながら、関取復帰への道を切り開く。

関連するニュースを読む

鶴竜が右肘関節炎で休場、19年ぶりに全3横綱不在

12日、阿炎に敗れ座布団が舞う中、引き揚げる鶴竜


 大相撲の横綱鶴竜(32=井筒)が名古屋場所6日目の12日、日本相撲協会に「右肘関節炎で2週間の安静急務を要する見込み」との診断書を提出して休場した。前夜は応急処置をせず、この日朝に名古屋市内の病院で検査した。今後帰京して都内の病院で再検査をする。

 師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)によると、昨日の一番によるけがではなく、場所前から慢性的な痛みを抱えていたという。井筒親方は「力士なので本人は大丈夫と言っていますが、だいぶ状態は悪い。突っ張れない、力が入らないみたいです」と説明。3連覇がかかる今場所だっただけに「先場所は晴天だったのに、今回は嵐になっちゃいましたね。天国から地獄といいますか」と残念がった。

 最大の懸念材料は、肘に遊離軟骨(通称ねずみ)が見つかり、除去手術にまで発展しないかという点。ただ、井筒親方は長期の離脱は心配しておらず「夏巡業は本人も出たいと言っているし私も出られると思っている」と語った。

 鶴竜のほかに、初日から稀勢の里、4日目から白鵬が休場。19年ぶりに全3横綱不在の事態に井筒親方は「お客さんに申し訳ない」と一言。「寂しいし、興行なので協会員として責任を感じる部分がある」と語った。

関連するニュースを読む

新大関栃ノ心 鶴竜休場に両目をむいて「まじで?」

栃ノ心


 大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)6日目の13日、新大関栃ノ心(30=春日野)は鶴竜休場を朝稽古終了後に知った。一報を報道陣に聞かされると、両目をむいて「まじで?」。続けて「いつ?」と逆質問するなど驚きを隠せなかった。

 場所前の稀勢の里、4日目からの白鵬に続き、3横綱全員が消えた場所では、御嶽海と並んで全勝とトップを走る自分に、嫌でも注目が集まる。この日の朝稽古ではいつも通り若い衆に胸を出し、汗を流していた。

 3横綱全員不在は貴乃花、3代目若乃花、曙の1999年春場所以来19年ぶり。

関連するニュースを読む

遠藤、輝と「ゴールド対決」制す 序盤4勝1敗好調

輝(左)を寄り切りで破る遠藤(撮影・鈴木正人)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 遠藤が輝との「ゴールド対決」を制した。ともに土俵に映える、金色の締め込みが特徴。その締め込みを相手に使わせず、寄り切って快勝した。

 もろ差しの展開にも「結果的に」と、自然と体が動いたことを強調。序盤を終えて4勝1敗と好調で、声援も大きくなっているが「これからじゃないですか。声援に応えられるように頑張ります」。

関連するニュースを読む

栃ノ心自信漂う全勝 焼き肉は「まだまだ食べれる」

栃ノ心(右)は琴奨菊を寄り切りで下す(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 栃ノ心が琴奨菊を寄り切り全勝を守った。左上手がとれず、右下手で3度投げを打ち、流れを作った。先場所痛めた右手首をフルに使った取り口にも「痛みは全然なかった」という。

 序盤戦を終え、得意の右四つに持ち込めたのは初日だけだが「それでも、勝ってるからね」という言葉に自信が漂う。前日11日は春日野親方、栃煌山、碧山と焼き肉の外食。「まだまだ食べれるよ」と元気いっぱいをアピールした。

関連するニュースを読む

御嶽海“準ご当地”で大声援力に5連勝「ここから」

松鳳山(右)を押し出しで破る御嶽海(撮影・鈴木正人)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 “準ご当地”の御嶽海が、初日から無傷の5連勝を飾った。立ち合いで松鳳山につっかけられて、1度目は待ったがかかった。「特に」と気にはせず、2度目の立ち合いは出遅れることなく正面からぶつかって一気に土俵際まで運んで押し出した。「うまく体が動いてくれました。ちゃんと相手を分析しながら相撲が取れている」と振り返った。2場所連続で負けていた相手を、ものともしない相撲で圧倒した。

 小結だった夏場所で勝ち越して、関脇返り咲きで挑む今場所。隣県の長野出身だけに連日送られる大声援を力に、8連勝した初場所以来の初日から5連勝だ。序盤戦とはいえ、優勝争いのトップを栃ノ心と並走している。「ここからじゃないですかね。辛抱強くやりたい。もう1回気持ちを切り替えたい」。2横綱休場場所を若い力が引っ張る。

関連するニュースを読む

元付け人阿炎に金星配給の鶴竜「自分で負けた感じ」

阿炎に敗れ座布団が舞う中、引き揚げる鶴竜

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 鶴竜は元付け人だった阿炎に負けて、まさかの2日連続金星配給に支度部屋では終始うつむいていた。突き合いの中で我慢しきれずに引いてしまい「自分で引いて自分で負けた感じ」。

 白鵬が4日目から途中休場して1人横綱となったが、結びの一番を締めることができなかった。阿炎に恩返しされた感じか? と問われ「そんな感じじゃないですかね」と話すのがやっとだった。

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)のコメント 引いてはだめだということは鶴竜本人が一番、分かっているだろう。昨日の負けが影響したのか勝ちたい気持ちが強すぎて、相手に突っ張らせ続けるぐらいの余裕がなかった。御嶽海は内容もいい。5連勝は力をつけている証拠だ。

 ◆幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)のコメント 攻めをしのげば鶴竜は引いてくるというのは全力士の頭にあるでしょう。攻め方を間違えて最後に墓穴を掘った。優勝争いは栃ノ心が軸になるだろうが鶴竜にもまだチャンスはある。

関連するニュースを読む

阿炎“心の師”鶴竜破り思わず涙「夢かないました」

鶴竜(左)を突き出しで破る阿炎(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 東前頭3枚目の阿炎(あび、24=錣山)が“心の師”と仰ぐ横綱鶴竜を破る金星で、涙を流して喜んだ。立ち合いから、攻めに攻めて突き出す快勝。5月夏場所の横綱白鵬撃破に続く、2場所連続の金星となった。16年九州場所から約1年間、付け人を務める中で、今も尊敬してやまない存在となった鶴竜を2度目の対戦で破り、恩返しを果たした。

 わずか1年余り前まで、横綱と付け人の幕下力士という関係だった。それが結びの一番で、座布団を舞わせる強敵となって立ちはだかった。阿炎が、究極の下克上をやってのけた。「鶴竜関には感謝しかない」。取組後、鶴竜と土俵に向かって深々と頭を下げた。座布団の1枚が顔面を直撃したが、痛みなど感じている暇はなかった。金星は、すでに先場所で経験しているが格別だった。遠い存在を超え、こみ上げるものがあった。「人前では我慢したけど」と、花道を過ぎると涙をこらえられなかった。

 「とにかく攻めようと思っていた。攻めて負けたら仕方ない」。もろ手突きの立ち合いから突っ張り続けた。1度は押し込まれたが「夢中だった。(内容は)よく覚えていない。下は向かず、ずっと横綱だけを見ていた」と、構わず前に出続けた。付け人となってすぐに、鶴竜から1日300回の腕立て伏せを命じられ「300回も!?」と驚いたこともあったが、その成果をまざまざと見せつけた。

 十両から陥落し、幕下でくすぶっていた時に付け人を務めることが決まった。当時は負け越しが続き「オレなんか続けていても意味がない」と、実は知人を介して再就職先が内定していた。「師匠から勉強してこいと言われ『何が勉強だ』と思っていた」。だが人にあたることも、人のせいにすることもなく、黙々と努力を続ける鶴竜の人柄に触れて人生が変わった。鶴竜のようになりたい、認めてもらいたい、戦いたい。そして、勝ちたいという夢ができた。「あの時代がなかったら相撲をやめていたかもしれない」と振り返る。

 今場所前も部屋に稽古をつけに来てもらった。7番取って全敗と歯が立たなかったが、一番一番が勉強になった。いつも阿炎の成長の陰には鶴竜がいた。「1つの夢がかないました」。対戦できただけで満足だった初顔合わせの先場所。そこから大きな大きな1歩を踏み出した。【高田文太】

関連するニュースを読む

阿炎「自分にとっては大きな人」鶴竜破って涙を流す

座布団が舞う中、引き揚げる阿炎(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 東前頭3枚目の阿炎(あび、24=錣山)が、横綱鶴竜を破り、先場所の横綱白鵬撃破に続き、2場所連続で金星を挙げた。もろ手突きの立ち合いから、1度は押し込まれながらも、回転の速い突っ張りで前に出続けて突き出し。16年九州場所から約1年間、付け人として身の回りの世話をしていた鶴竜を破った。

 「とにかく攻めようと思っていた。攻めて負けたら仕方ないと思って。負けることは想像していなかった。ずっと勝つイメージを持ってやってきた」と胸を張った。

 付け人を務める直前には、幕下で負け越しが続き、引退も考えていたという。そんな中で、鶴竜のまじめな性格などにふれ「鶴竜関を越えることはできないので、戦って勝つことが夢の1つになった」と、目標ができた。鶴竜の付け人だった当時を振り返り「あの時代がなかったら相撲をやめていたかもしれない。鶴竜関には感謝しかない」と尊敬する。それだけに花道やテレビのインタビューなど、人目にふれる場面ではこらえたが、花道の先で「こらえきれなくて」と、涙を流したことを明かした。

 「白鵬関に勝った時もうれしかったけど、また少し違ううれしさがある。(鶴竜は)自分にとっては大きな人なので」と、普段の破天荒な言動は控えめに、喜びをかみしめていた。

鶴竜(左)を突き出しで破り金星を挙げた阿炎に館内では座布団が乱れ飛ぶ(撮影・岡本肇)
金星を挙げた阿炎は、支度部屋で口もなめらか(撮影・岡本肇)

関連するニュースを読む

豪栄道3勝「今日の相撲忘れずに」力勝負で寄り切り

千代の国(右)を寄り切りで下す豪栄道(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 大関豪栄道(32=境川)が西前頭2枚目千代の国(九重=28)を寄り切りで下し、3勝2敗とした。

 まわしを触らせず、力勝負で寄り切った。「内容は良かった」と納得の様子。千代の国とは3戦3勝と相性は良いが、3日目に大関高安(28=田子ノ浦)を破るなど、波に乗る相手に警戒心を抱いていた。

 「前に出るしかなかった。向こうが突き放してくるから、こっちは(体を)つかせるようにした」

 先場所は、3勝5敗の9日目に「左足関節離断性軟骨炎で約4週間の加療を要する見込み」との診断書を提出して休場。西の大関高安とともに、今場所をかど番で迎えている。

 大関陥落の重圧が掛かる中、5日目にしてようやく白星を先行させ、「今日の相撲を忘れずにやっていきたい」と気を引き締めた。

関連するニュースを読む

栃ノ心、焼き肉パワーで5連勝!今夜もゴチなります

5連勝に笑顔の栃ノ心(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 新大関栃ノ心(30=春日野)が5連勝で序盤戦を終えた。大関経験者の琴奨菊に頭をつけられ、左上手がとれなかった。それでも、右下手で3度投げを打ち、相手の体勢を崩すと最後は左上手でまわしをつかみ、危なげなく寄り切った。

 先場所に痛めた右手首にテーピングをして臨んでいるが、患部に不安を感じさせない。「まわしをつかんでる時は、全然痛くないよ」。序盤5戦で得意の右四つから勝負を決めたのは、初日だけだ。「それでも、勝ってるからね」。慌てず騒がずの相撲には、大関の風格が漂う。

 前日の4日目は自分、碧山、栃煌山と部屋の関取3人とも勝ち、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)とともに後援者から夕食の招待を受け、焼き肉をほおばった。この日も3人そろって白星。「2日連続なんて、珍しいんじゃない? 焼き肉、まだまだ食べれるよ」。2日連続の“お呼ばれ”へ、ご機嫌で場所を後にした。

栃ノ心(右)は琴奨菊を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

関連するニュースを読む

鶴竜連敗に八角理事長「勝ちたい気持ちが強すぎた」

鶴竜(左)を突き出しで破る阿炎(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 今年の初場所、春場所に続き再び「一人横綱」の重責を背負うことになった横綱鶴竜(32=井筒)が、悪癖の引きで墓穴を掘ってまさかの連敗。かつて自分の付け人を務めていた東前頭3枚目の阿炎(24=錣山)に金星を配給してしまった。協会幹部も本人の心中を察するように戦況を分析した。

 八角理事長(55=元横綱北勝海)は「(引きを)やってはいけないということは、本人がいちばん分かっているだろう」と鶴竜の胸中を察するように話した。前日の勢戦と同じ引いて墓穴を掘ったが「昨日の負けの影響が出たのか? 勝ちたい気持ちが強すぎたな」と分析。「相手がもろ手で来ることも、その後の攻めも分かっているはず。相手が引くぐらいに、ずっと突っ張らせておけば良かったのに、その余裕がなかった」と前日の負けが尾を引いていたと推察した。

 正面土俵下で審判長を務めた審判部の藤島副部長(元大関武双山)は、鶴竜の攻めが「(阿炎には)土俵際で突き落としとかがあるからか、ちゅうちょしながら出ていた。思っていたより攻めきれなかった」と中途半端だったと指摘。「最後は悪い癖が出ました」とし、その鶴竜の引きは「鶴竜の攻めをしのげば引いてくる、というのは全力士の頭にあるでしょう」と、今や共通認識の弱点とした。ただ、優勝争いについては「栃ノ心が軸になるでしょうが、まだ10日ある。2横綱が休場しているし、鶴竜にもまだチャンスはあると思います」と、立て直しに期待した。

関連するニュースを読む