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大相撲ニュース

千代大龍5勝目「錦に行く必要ない」繁華街断ち節制

千代大龍(左)は松鳳山を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ

東前頭6枚目の千代大龍(30=九重)が、同9枚目の松鳳山(35=二所ノ関)を寄り切り、5勝目を挙げた。左四つで互いの動きが止まったが、相手の投げに乗じて、一気に体を寄せた。「あのタイミングは出し投げか、足を蹴ってくるか。どっちがくるか。そこから自分の足がついていった。内容は悪いけど、(結果は)良かったです」と振り返った。

「酒を飲まないので、錦に行く必要がない」と言い、午後9時には寝ているという。「今は番付を下げているので、上位に戻りたい。横綱大関ともやりたいし、結びの一番で立っていたい。そのためにも勝ち星を挙げたい。最近は暴飲暴食もない。先場所は200キロ近くだったけど、今は192キロないくらい。いい感じできています」。勝ち越しまであと3勝とした。

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「4大関休場」の可能性、高安1敗キープも左肘負傷

支度部屋で、神妙な面持ちで左肘のアイシングをする高安(撮影・河田真司)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ

初優勝を狙う大関高安(29=田子ノ浦)に暗雲が垂れこめた。関脇玉鷲を押し倒しで破り、全勝の鶴竜、白鵬の両横綱を追って、ただ1人1敗をキープ。

だが取組中に左肘を痛め、取組後は無言だった。今場所の大関陣は初日から貴景勝、6日目から栃ノ心、さらにこの日から豪栄道が休場。唯一残った高安も休場となれば、史上最多の4大関休場という事態に陥る可能性まで出てきた。

   ◇   ◇   ◇

取組直後に、高安は痛めた左肘を押さえて下を向いた。必死に胸を張ったが、土俵を下りるまでに何度も口をふくらませ、大きく息を吐いた。支度部屋に戻るとアイシング。左肘の位置を固定して風呂に向かい、そのまま引き揚げた。その間、終始無言。もともと勝っても口数は少ないが事態の深刻さを物語っていた。田子ノ浦部屋関係者によれば、打ち出し後は治療に努め、9日目の朝に出場の可否を決める。

立ち合いから左を差しにいった。相手の圧力に突き放されそうになったが、体を寄せて再び差しにいった瞬間に左肘をきめられた。玉鷲が小手に振ってきた際に、左肘の関節が逆方向に曲がった。その後は左腕を使えず、右で張り、さらに右から攻める中で、相手が足を滑らせた格好で押し倒し。1敗を守った。全勝の両横綱と直接対決を残し、自力で初優勝の可能性を残す中、負傷に見舞われた。

追い風は吹いていた。初日の10日前に腰を痛めたが復調。この日の朝稽古後は「とてもいい感じで来ている。充実している」と、体調面の不安はなくなっていた。稽古でも普段とは違う動作を取り入れた。腰下ろしのような動きで体幹バランスなどを確認し、体を「く」の字に曲げた状態からの押しなども繰り返した。順調だからこその試みだったが、一気に暗転した。

昨年5月の夏場所で全休し、59年ぶりに大関不在という不名誉な記録をつくったが、当時の大関は豪栄道と2人だけだった。左肘の痛みが深刻で、4大関休場となれば史上初の事態となる。【高田文太】

玉鷲(左)に左腕を捕まれる高安(撮影・河田真司)

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御嶽海2差死守 2大関休場の一門「自分が背負う」

逸ノ城(左)を攻める御嶽海(撮影・河田真司)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ

昨年名古屋場所で初優勝した関脇御嶽海(26=出羽海)が、6勝2敗で折り返した。平幕の逸ノ城とV戦線生き残りをかけて激突。

3度目の立ち合いで、左上手でまわしを引かれたが、粘り強く右はず押しを続けてまわしを切り、幕内最巨漢226キロの巨体を押し出した。

「冷静に(まわしを)しっかり切って、中に入ろうと思った」と取り口を振り返ったが、相撲内容には「自分から攻めていかないとダメです」と納得しなかった。「(前半戦の)内容は悪くないけど、反省して、リセットして、もう1度体を作りたい」とさらに調子を上げていく構えだ。

全勝の両横綱と2差を守った。豪栄道がこの日から休場、栃ノ心に続いて同じ出羽海一門の大関2人が土俵から消えた。「自分が(一門を)背負うつもりでいきたい。場所を盛り上げたい」。三役在位連続15場所目の実力者が、強い自覚を口にした。

御嶽海(左)は逸ノ城を押し出しで破る(撮影・前岡正明)

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友風13場所連続勝ち越しへあと2「一番一番です」

友風(背中)は琴奨菊を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ

西前頭7枚目友風(24=尾車)が、13場所連続の勝ち越しへあと2勝とした。

琴奨菊をもろ差しから寄り切り。尊敬する兄弟子の嘉風から、この日の取組前も電話で助言をもらった。「馬力もすごいし重さもあるから、押されても土俵際で慌てるな」という言葉通り、押し込まれた土俵際から逆転した。

学生時代からテレビで見ていた大関経験者が相手だっただけに、気持ちも自然と高ぶった。「緊張してしまった。悪い緊張じゃない。元大関なので。嘉関の紹介でアドバイスももらったことがある。今日は胸を借りるつもりだった」。残り2番勝って勝ち越しを決めれば、年6場所制となった58年以降の初土俵力士では、元大関琴欧洲らに並ぶ史上2位タイの13場所連続の記録となるが「(勝ち越しを)意識したことはない。一番一番です」と、地に足をつけていた。

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吉田沙保里氏「結婚みたい」白鵬と旧交温め記念撮影

取組終了後、NHK中継のゲストで訪れた吉田沙保里さんと記念撮影をする白鵬(撮影・森本幸一)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ

元五輪レスリング女子フリースタイル55キロ級3大会連続金メダリスト吉田沙保里さん(36)がNHK中継のゲストで来場、横綱白鵬と旧交を温めた。

中継終了後、支度部屋前まで足を運び報道陣の要望に応えて2ショット撮影に応じ、シャワーのようなフラッシュを浴び「結婚みたいですね」と驚きの笑みを浮かべた。

白鵬を「安定した強さなどお手本になる」と評し、勝ち越しを決めたこの日の正代戦を「今日は気持ちが先走ったところがあったと思いますが、止められる強さ、足腰の強さがあります」と分析した。

現役時の交流だけでなく、引退後に取材もした。「30歳を超えてからの練習は、質と量のどちらが大事かという話で、私は質と思っていて、白鵬関も同じように考えていた」という。

「レスリングは3分あるけど、相撲は一瞬。手も膝も着いちゃいけない。マットより狭い土俵で、大きな体で戦う。それが2週間(15日間)続く。勝ち続ける大変さはすごく分かるし、共感しますが、私より大変だと思います」。一方で年齢の近さにシンパシーを感じており「女性の私でも(34歳まで)頑張った。辞めるのはいつでも辞められるから、今しかできないことを頑張っていただきたい」とエールを送った。

取り組み終了後、テレビ解説で訪れた吉田沙保里と話をする白鵬(撮影・森本幸一)

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明生「相手が誰でも自分貫く」初の横綱戦に向け闘志

大相撲夏場所8日目、豪栄道休場のため明生の不戦勝(撮影・河田真司)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ

今場所を自己最高位で迎えた東前頭4枚目明生(23=立浪)が、初の横綱戦に向けて闘志を燃やした。

この日の取組は大関豪栄道の休場により、幕内では自身初となる不戦勝。初日を出した前日7日目から2連勝となり「白星を拾ったことは良かったけど、相撲を取りたかった」と、初の大関戦を実現できず複雑な心境を明かした。

9日目は結びの一番で横綱戦が組まれた。相手は全勝の鶴竜。結びも横綱戦も、初めての経験になる。「1つの目標だった。変わらず集中して、相手が誰でも自分を貫きたい」。今場所は初日から6連敗と苦しんだが、気鋭の23歳は「誰とやってもどんな結果でもマイナスなことはない。成長できる場所にしたい」と、力強く話した。

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新十両木崎海4勝「自分の相撲取れた」得意押し出し

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ

西十両13枚目木崎海(24=木瀬)が中日に星を五分に戻した。圧力のある大奄美に3度、土俵際まで押し込まれたが、諦めずに押し返し、押し出した。

得意の決まり手での白星に「ちょっと重かったですね。でも、今日は自分の相撲が取れたと思います」と満足そう。

初日から星が黒、白と交互に続いて4勝4敗。新十両の疲れ、重圧も序盤より抜けてきた。「何とか抜け出したい」。9日目に初の連勝で白星を先行させたい。

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元横綱琴桜の孫・琴ノ若が連敗止める「楽しむこと」

千代の海(左)を押し出しで破る琴ノ若(撮影・河田真司)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ

祖父が元横綱琴桜、父が現師匠で元関脇琴ノ若の佐渡ケ嶽親方、西十両14枚目琴ノ若(21=佐渡ケ嶽)が連敗を3で止め、3勝5敗とした。千代の海を押し出しで破った。

「突っ張られると苦しくなるので、思い切っていこうと。体が勝手に動きました」。連敗中は修正点にこだわりすぎ、自分から相撲を崩した。

「土俵際で逆転されるようなもったいない負けがあって、それをなくそうと考えすぎていた。昨日、師匠と話をして今場所の目標、勝ち負けに関係なく、15日間楽しむことを確認しました」

黒星2つ先行で中日を終えた。「1日1番しかない。今日のように毎日出し切っていきます」。吹っ切れたように話した。

琴ノ若(左)は千代の海に押し出しで破る(撮影・前岡正明)

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納谷3敗、寄り倒され左足首ひねったが「大丈夫」

納谷(右)は千代鳳に寄り倒しで敗れ(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ

元横綱大鵬の孫、西幕下6枚目納谷(19=大嶽)にアクシデントが降りかかった。

4番相撲で東幕下4枚目千代鳳(26=九重)に寄り倒されると、起き上がる際に左足を気にする素振りを見せた。引きずるように歩きながら花道を引き揚げ、報道陣に左足の状態を問われると「大丈夫です」と一言。その後、風呂から上がると左足首を「ひねった」と明かした。

敗れた一番については「立ち合い高かったけど、その後に引いたりしなかったのが良かった」と、黒星を喫しながらも前向きに話した。星は1勝3敗と勝ち越しに後がなくなり、今場所後の新十両昇進は極めて難しい状況になった。

納谷(左)は千代鳳に寄り倒しで敗れ(撮影・前岡正明)

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鶴竜、白鵬が8連勝、豪栄道は休場/8日目写真特集

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ

43度目の賜杯を狙う横綱白鵬(34=宮城野)は、前頭3枚目正代(27=時津風)を下し8連勝でストレート給金を決めた。正代は4勝4敗。

横綱鶴竜(33=井筒)も前頭3枚目大栄翔(25=追手風)をはたき込んで、無傷の8連勝。大栄翔は3勝5敗。

大関高安(29=田子ノ浦)は、関脇玉鷲(34=片男波)を押し倒して7勝1敗。玉鷲は1勝7敗。

3勝4敗の大関豪栄道(33=境川)は、この日から休場。対戦相手の前頭4枚目明生(23=立浪)は不戦勝で2勝6敗。

優勝争いは全勝で白鵬、鶴竜。1敗で高安が追う。


正代(4勝4敗)引き落とし白鵬(8勝0敗)

白鵬(奥)は正代を突き落としで破る(撮影・前岡正明)

白鵬(奥)は正代を突き落としで破る(撮影・前岡正明)

白鵬(奥)は正代を突き落としで破る(撮影・前岡正明)


鶴竜(8勝0敗)はたき込み大栄翔(3勝5敗)

鶴竜(右)は大栄翔をはたき込みで破る(撮影・前岡正明)

大栄翔(手前)をはたき込みで破る鶴竜(後方)(撮影・森本幸一)


玉鷲(1勝7敗)押し倒し高安(7勝1敗)

高安(奥)は玉鷲を押し倒しで破る(撮影・前岡正明)

玉鷲(奥)を押し倒しで破った高安は左腕を気にする(撮影・前岡正明)


豪栄道(3勝5敗)不戦勝明生(2勝6敗)


御嶽海(6勝2敗)押し出し逸ノ城(5勝3敗)

御嶽海(左)は逸ノ城を押し出しで破る(撮影・前岡正明)

御嶽海(左)は逸ノ城を押し出しで破る(撮影・前岡正明)


阿炎(3勝5敗)引き落とし竜電(3勝5敗)

阿炎(左)は竜電を引き落としで破る(撮影・前岡正明)

阿炎(左)は竜電を引き落としで破る(撮影・前岡正明)


朝乃山(3勝5敗)上手投げ遠藤(3勝5敗)

朝乃山(手前)は遠藤を上手投げで破る(撮影・前岡正明)

朝乃山(手前)は遠藤を上手投げで破る(撮影・前岡正明)


琴奨菊(4勝4敗)寄り切り友風(6勝2敗)

友風(背中)は琴奨菊を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)


豊ノ島(3勝5敗)すくい投げ貴源治(4勝4敗)

豊ノ島(左)は貴源治をすくい投げで破る(撮影・前岡正明)

豊ノ島(左)は貴源治をすくい投げで破る(撮影・前岡正明)


千代丸(4勝4敗)押し倒し炎鵬(5勝3敗)

千代丸(上)に寄り倒しで敗れた炎鵬(撮影・森本幸一)

千代丸(左)は炎鵬を押し倒しで破る(撮影・前岡正明)

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両横綱8連勝、高安1敗追走も肘痛める 名古屋場所

高安(奥)は玉鷲を押し倒しで下す(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ

全勝の両横綱が、無傷のままストレートで勝ち越しを決めた。

先に土俵に上がった鶴竜(33=井筒)が大栄翔(25=追手風)を、はたきこみで破り全勝を守った。結びの一番で正代(27=時津風)の挑戦を受けた白鵬(34=宮城野)は、引き落としで勝ち48度目の8日目勝ち越しで続いた。

大関陣は、この日から豪栄道(33=境川)が休み3人が休場。ただ1人、残された高安(29=田子ノ浦)は過去12勝12敗と五分の関脇玉鷲(34=片男波)と対戦。押し倒しで勝ち7勝目を挙げたが、左肘を痛めたもようだ。

2敗同士の対戦は、関脇御嶽海(26=出羽海)が平幕の逸ノ城(26=湊)を押し出して6勝目を挙げた。新三役同士の阿炎(25=錣山)と竜電(28=高田川)の小結対決は、阿炎が引き落としで勝ち、ともに3勝5敗と星が並んだ。夏場所優勝で東前頭筆頭の朝乃山(25=高砂)は、遠藤(28=追手風)を上手投げで破り、3勝目(5敗)を挙げた。

高安とともに1敗だった幕尻の照強(24=伊勢ケ浜)は、輝(25=高田川)に引き落とされ2敗に後退。最小兵ながら幕内前半戦の土俵を盛り上げている西前頭14枚目の炎鵬(24=宮城野)も、千代丸(28=九重)に押し倒され3敗目(5勝)を喫した。新入幕で同10枚目の貴源治(22=千賀ノ浦)も豊ノ島(36=時津風)に、すくい投げで屈し3連敗。4勝4敗の五分に戻された。

8日目を終え全勝は鶴竜、白鵬の両横綱の2人。1敗は高安1人となり、2敗で御嶽海、妙義龍(32=境川)、友風(24=尾車)、照強が追う展開となった。

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豪栄道が休場「右肩腱板不全損傷」との診断書提出

豪栄道(18年1月撮影)

大相撲の大関豪栄道(33=境川)が名古屋場所8日目の14日、日本相撲協会に「右肩腱板(けんばん)不全損傷で約1カ月間の休養加療を要する見込み」との診断書を提出し、休場した。これで貴景勝、栃ノ心に続き、3人目の大関の休場となった。

豪栄道は初日に朝乃山に敗れた後も、北勝富士、正代、遠藤と平幕に4敗を喫し、7日目まで3勝4敗と黒星先行の不振だった。再出場の見込みはなく、9月の秋場所は8度目のかど番で迎えることになる。8日目に対戦予定だった明生は不戦勝となる。

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高安は左前まわし取れたのが勝因/大ちゃん大分析

碧山(右)を攻める高安(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ

大関高安(29=田子ノ浦)が、苦手の前頭碧山を破り、1敗を守った。碧山には取組前まで幕内で7勝11敗。兄弟子で部屋付きの荒磯親方(元横綱稀勢の里)が「前半戦のヤマ場」と位置づけた難敵との一番を、終始攻めて快勝した。他の3大関が黒星先行や休場と存在感を見せられない中、全勝の鶴竜、白鵬の両横綱を追って初優勝を目指す。

  ◇   ◇   ◇  

ふがいない大関陣の中で高安が1人、1敗で気を吐いている。過去7勝11敗と分の悪かった碧山戦の勝因は、立ち合いの当たりから左前まわしを取ったこと。碧山に巻き替えられ上手になったが、初めに前まわしを取り体を密着できたことで、辛抱ができて碧山に突き起こされなかった。このまわしを取れた一連の流れで、体勢が崩れずヒザが曲がった前傾姿勢がとれた。だから回り込まれても密着して前に出られる。もし、まわしを切られて起こされたら、体重が後ろにかかり動けず、後退するばかりだから、これまで碧山に負けた相撲はそんなシーンが多かったのではないかな。全勝の両横綱とは最終盤でぶつかる。勝ちたい勝ちたいでは、肩に力が入ってしまう。優勝経験がないことを逆にプラスに考えて「何かを起こしてやろう」ぐらいの、楽な気持ちで後半戦も臨めばいいのではないか。(日刊スポーツ評論家・高砂浦五郎=元大関朝潮)

懸賞金の束を手に、土俵から引き揚げる高安(撮影・河田真司)

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輝「懐かしい」炎鵬と初顔合わせ中学同級生対決制す

炎鵬(右)を押し倒しで破る輝(撮影・河田真司)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ

中学の同級生対決が、大相撲で実現した。西前頭12枚目輝(25=高田川)と、西前頭14枚目炎鵬(24=宮城野)の初顔合わせ。同学年で金沢市立西南部中の相撲部に所属していた間柄だ。相撲は輝に軍配。潜り込もうと飛び込む炎鵬を、下から突き起こして最後は押し倒した。

中卒で193センチ、143キロの「白鵬並みの体格」として鳴り物入りで入門した輝に対し、168センチの炎鵬は高校、大学を経由。中学の稽古場以来、約10年ぶりの手合わせだった。「懐かしいと思った」と輝。対戦前の朝稽古後、炎鵬は「中学の時『頑張れよ』と送り出して1人のファン、友達として応援していた。(対戦が実現し)全く想像してなかった」と声を弾ませていた。巡業先で食事に行く仲で、中学時代から変わらず互いを「りょうや」「ゆうや」と呼ぶ。炎鵬が「一番負けたくない相手」と言えば、輝は「これから何回でも取っていけたら」と再戦を心待ちにした。

輝(左)に押し倒しで敗れ、肩を落とす炎鵬(撮影・河田真司)

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白鵬またも若手の挑戦はねのけ、はたき込み7連勝

白鵬(右)は大栄翔をはたき込みで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ

白鵬がまたも若手の挑戦をはねのけ、48度目のストレート給金に王手をかけた。

回り込みながら何度もはたいたが、粘り腰の大栄翔に耐えられる展開。距離を取りながら、両手ではたき込んで7連勝を決めた。支度部屋では「昨日ナーダム(モンゴルの祭典)が終わって(ネットで)見るものがなくなって、気を落としていた。(気持ちは)乗らないけど体は動いていたね」と話した。

大栄翔との取組を終え、息を整える白鵬(撮影・河田真司)

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角界の常識破る豊ノ島「続けようか」稽古前朝食採用

豊ノ島(手前)は佐田の海をとったりで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ

東前頭14枚目の豊ノ島(36=時津風)が、西前頭13枚目の佐田の海(32=境川)を破り、連敗を止めて2勝目を挙げた。得意のもろ差しを振りほどかれたが、とったりで仕留めた。

本来ならもろ差しのまま寄り切りたいところだが「今は連敗を止めて白星を取ることが一番の薬だと思う」と内容よりも結果を重視した。

「昨日寝て、起きてから来るまでの流れが良かった。気持ち良く場所に入れた」と振り返った通り、朝からの過ごし方を少し変えた。今場所初めて、起床してから、体を動かす前に軽めに朝食を取った。実は東京では約1年前から、朝稽古前に自宅で食事を取っていた。「地方に来るとめんどくさくなってしまって…。奥さんのありがたみを感じます」と振り返り、本来の流れを取り戻した。

朝稽古前に食事を取るのは角界では異例だが、「このリズムを続けていこうかな」。常識にとらわれない調整法を、前向きに取り入れている。

佐田の海(左)を攻める豊ノ島(撮影・前岡正明)

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矢後がぬるぬる巻き替え合戦制す「体が滑りました」

大相撲名古屋場所7日目 矢後(左)は栃煌山をはたき込みで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ

東前頭15枚目の矢後(25=尾車)が、同12枚目の栃煌山(32=春日野)を破った。

もろ差しに入られてヒヤリとしたが、動きを止めずに巻き返し、最後は左に開いてはたき込んだ。「最後はあきらめないで、粘れたんで良かったです」と話した。

本来の四つ相撲には持ち込めず、互いに巻き替える展開。「栃煌山関の体がぬるぬると滑りました。自分の体もぬるぬるだったかも。ぬるぬる相撲でした。得意な四つに組めなかったけど、ぬるぬるだから決まったのかもしれない」と振り返った。

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鶴竜が稽古仲間の正代退け7連勝「本場所は違う」

会場を引き揚げる鶴竜(撮影・河田真司)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ

横綱鶴竜(33=井筒)が危なげなく正代を破って7連勝を飾った。立ち合いから左前まわしを取ると右上手もガッチリ。同じ時津風一門で、普段は一緒に稽古しているが「稽古場と本場所は違うから」と、油断せず5秒3で退けた。

場所前に腰を痛めたが「(今場所の)最初は負担がかからないように速い相撲を取ろうと考えていたけど、日に日に落ち着けるようになった」と、状態も上向きで自信をのぞかせた。

鶴竜(左)は正代を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

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高安が鬼門突破で1敗守る「落ち着いて出られた」

碧山(右)を攻める高安(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ

大関高安(29=田子ノ浦)が、苦手の前頭碧山を破り、1敗を守った。

碧山には取組前まで幕内で7勝11敗。兄弟子で部屋付きの荒磯親方(元横綱稀勢の里)が「前半戦のヤマ場」と位置づけた難敵との一番を、終始攻めて快勝した。他の3大関が黒星先行や休場と存在感を見せられない中、全勝の鶴竜、白鵬の両横綱を追って初優勝を目指す。

   ◇   ◇   ◇

執念で鬼門を突破した。高安は前まわしに狙いを定め、立ち合いから左を差しにいった。碧山のリーチを生かした押しに苦しんだこれまでとは違い、体を密着させた。相手がのど輪、さらには巻き替えてから力任せのすくい投げで、距離を取ろうとしているのもお見通し。自身は低い姿勢、相手は腰高のまま休まず突いて押し出した。「落ち着いて出られた。じっくり取れたのがよかった」と、内面は冷静だったと明かした。

碧山には取組前まで、7勝11敗と苦手にしていた。この日の朝稽古後、荒磯親方も勝負のポイントを「密着感」と挙げていた。同時に「今日(7日目)が前半戦のヤマ場」と断言。従来通りに相手に付き合えば初優勝は遠い。逆に「優勝する時はあっさり優勝するもの」と、日々の課題をクリアしていけば、初優勝も見えてくると予想していた。

高安は初日10日前に腰を痛め、稽古できない日が続いた。だが同親方は「彼の場合、オーバーワークでやってしまうから、いい休養になった。状態はこの1年で一番いい」と分析。加えて高安が「大嫌い」と公言する夏の暑さも、今年は30度に満たない日も多く「いいコンディションでできている」と好調を自覚する。

今場所は2、3日目と取り直しが続き、特に2日目は竜電に敗れた。それでも「切り替えができている。地に足がついている」と、落胆はしていない。むしろ「詰めだけはしっかりと取りたい」と、勝負に厳しくなった。昨年から5度も、関脇以下に初優勝で先を越された。簡単に「目標は優勝」と公言する若手にも、今場所前「幕内にいる以上は当然」と話していた。1人の幕内力士として挑戦者を強調する今場所、予感が漂い始めた。【高田文太】

懸賞金の束を手に、土俵から引き揚げる高安(撮影・河田真司)

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明生やっと今場所初白星「折れてもいいやと前に」

明生(右)は宝富士を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇13日◇ドルフィンズアリーナ

幕内の出場力士で唯一初日が出ていなかった東前頭4枚目明生(23=立浪)が、今場所初の白星を挙げた。関脇経験者の西前頭5枚目宝富士(32=伊勢ケ浜)に両腕を極められながら、左前ミツを取り、頭をつけて寄り切った。狙い通り差し手を与えず「最後はいい体勢になることができた。(腕を極められたが)あそこで止めたらいけないので、(腕が)折れてもいいやという気持ちで前に出た」と、捨て身の覚悟で1勝をつかみ取った。

宝富士を寄り切ると、思わず天を仰いだ。「あんまり勝ち負けは意識しないようにしていたけど、やっとだな、という感じです」。幕下時代も含めて6連敗は自身最長だったものの「自分のことをそんなに弱いと思っていないので。結果はどうであれ、マイナスなことにはならない」と、気持ちは一切腐らなかった。場所前の6月には大阪・堺市で行われた伊勢ケ浜部屋の合宿に参加。明生にとっては3年ぶりの参加で「師匠に勧められた。先輩の関取衆に胸を借りることができた」と、この日の相手だった宝富士、7日目を終えて1敗と好調の照強と激しい相撲を取ったという。

1勝を挙げて風向きを変えられるか。気鋭の23歳は「一番一番です」と、短い言葉に力を込めた。

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