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新着ニュース

御嶽海の大関昇進が完全消滅「もうない」阿武松部長

稀勢の里に敗れ引き揚げる御嶽海(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館


関脇御嶽海が横綱稀勢の里に寄り切られて、6勝6敗となり場所後の大関昇進が完全に消滅した。

2桁勝利に届かないことが決まり、昇進問題を預かる日本相撲協会審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)は「(昇進は)もうないです」と明言した。

先場所に13勝を挙げて初優勝した御嶽海は、8日目から5連敗と白星を伸ばせなかった。阿武松部長は来場所の大関とり継続について「最後まで見てだが、また一からやり直し。積み重ねていってもらいたい」と振り出しになるとの私見を述べた。

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稀勢の里が日馬富士超え713勝、慌てず御嶽海下す

御嶽海(左)を寄り切って下した稀勢の里(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館


横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、先場所優勝の関脇御嶽海を破り、9勝目を挙げた。立ち合いは右で張った。だが頭をつけて右上手を引きながら左回りに動き続ける御嶽海に、上体を起こされた。不利な体勢に、稀勢の里は左からのすくい投げを連発。徐々に体勢を整え、勝機を待った。万全の形になるまで27秒3を要した。最後は左を差して右上手を引き、土俵際に追い詰めると、身動きが取れず観念したような御嶽海を、静かに寄り切った。

日馬富士を超える幕内通算713勝目。落ち着いて取れたか問われると「まあそうですね」と静かに語った。2ケタ白星をかけて、13日目は全勝の横綱白鵬と対戦。昨年3月の春場所で稀勢の里が横綱に昇進し、優勝したが、同場所は白鵬が休場。横綱同士で初めて対戦することになる。

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豪栄道10勝、3横綱と3連戦も「1日一番、集中」

豪栄道(右)は阿炎を引き落としで下す(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇両国国技館


大関豪栄道(32=境川)が、西前頭4枚目阿炎(24=錣山)の挑戦を退け、10勝2敗とした。

3度目の立ち合いで、阿炎のもろ手がわずかに上ずり、突っ張って前に出た豪栄道。土俵際で左にいなされ、阿炎の突きに後退したが、左へかわして引き落とし。

何とか勝ちを拾う内容に「立ち合いは悪くなかったけど…。体をつけるのが早すぎた。もう少し落ちついてやれば」と、反省が多い白星となった。

13日目から千秋楽まで、3横綱との3連戦が予想される。得意の秋場所で無敗の横綱白鵬(33=宮城野)に食らいついていけるか。「1日一番、集中してやります」と、表情を崩さず支度部屋を後にした。

阿炎(右)を引き落とす豪栄道(撮影・河野匠)

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白鵬貫禄12連勝!稀勢の里戦へ「明日は特別だね」

報道陣に囲まれる白鵬(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、大関栃ノ心(30=春日野)を下して単独トップを守った。もろ差しを許さないように、両脇をがっちりと締めながら立ち合いでぶつかり、右を差してすくい投げで転がした。

怪力栃ノ心に左上手を許したが「上手が深い分対応できた。流れが良かったというか反応が良かった」と実は好機だった。

13日目は、横綱稀勢の里戦が組まれた。これまで数々の名勝負を繰り広げてきた一番で、稀勢の里の横綱昇進後は初めて本土俵で相まみえることになった。直近の対戦は、負けた昨年初場所で「明日は特別だね。頑張ります」と感慨にふけった。

栃ノ心(手前)をすくい投げで下す白鵬(撮影・河野匠)

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高安V戦線残った「体を開いて振った」1敗鶴竜撃破

鶴竜(右)は上手投げで高安に敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館


大関高安(28=田子ノ浦)が、1敗の横綱鶴竜(33=井筒)に土をつけて10勝2敗で優勝戦線に残った。

立ち合いで狙い通り左四つになったが、巻き替えられて左上手になった。

「あそこで黙っていたら中に入られるから、体を開いて振った」

巻き替えた鶴竜が体勢を整える前に、右に振り回して鶴竜を土俵に転がした。

「中途半端にならないように、それだけだった。しっかり体を起こして胸を合わせられた。そこが勝因」

兄弟子の稀勢の里が進退をかけた場所として注目されるが、12日目時点で10勝に到達するのは昨年の夏場所以来と好調。わずかに可能性が残る初優勝へ「しっかり自分のスタイルを貫く。悔いが残らないようにやるだけ」と、自分に言い聞かせるように語った。

支度部屋から引き揚げる高安(撮影・河田真司)

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かど番栃ノ心5敗…因縁の正代戦へ「大事な3日間」

白鵬に敗れた栃ノ心(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館


大関栃ノ心(30=春日野)が横綱白鵬にすくい投げで敗れ、7勝5敗。かど番脱出を決められなかった。立ち合いから左でまわしを引いたが、前に出た瞬間を狙われ、土俵に落ちた。

「左でいいとこ、とれたんだけどな」と残念そうだ。

それでも、残り3日で1勝すれば勝ち越しが決まる。13日目は正代戦。因縁の相手だ。合口は5勝4敗1不戦敗とほぼ五分で、昨年初場所は5日目に負け、右膝を痛めて途中休場した。今年も春場所で負け、右肩を負傷。夏場所も負け、右手首を痛めた。「大事な3日間です」。死力を尽くし、白星を取りに行く。

白鵬(左)にすくい投げで敗れる栃ノ心(撮影・河田真司)
栃ノ心(手前)をすくい投げで下す白鵬(撮影・河野匠)

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鶴竜2敗「集中してないんですよね」V争い1歩後退

高安に敗れ土俵から引き揚げる鶴竜(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇両国国技館


横綱鶴竜(33=井筒)が不用意な取り口で、優勝争いから1歩後退した。

大関高安に上手投げで敗れて10勝2敗。立ち合いすぐ、左まわしをとったが切られ、右手はまわしにかかってものの、取り切れず、そこから後手に回った。「いや~当たった感じがないんですよね。何となくふわっと立って、何となく巻き替えにいったところを投げられて…。集中してないんですよね」。前日の11日目に栃ノ心に初黒星を喫し、2連敗となった。高安とは直近5戦で1勝4敗。やりにくさもあったのか、表情は終始さえなかった。

鶴竜(左)は上手投げで高安に敗れる(撮影・小沢裕)
2敗を喫し支度部屋でがっくりする鶴竜(撮影・小沢裕)

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白鵬12連勝、稀勢9勝目/12日目写真ライブ特集

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館

12日目を終え、優勝争いは以下の通り。

【全勝】白鵬

【2敗】鶴竜、豪栄道、高安

稀勢の里(9勝3敗)寄り切り御嶽海(6勝6敗)

御嶽海(左)を寄り切る稀勢の里(撮影・河野匠)

御嶽海(左)を寄り切って下した稀勢の里(撮影・河野匠)


鶴竜(10勝2敗)上手投げ高安(10勝2敗)

鶴竜(左)を上手投げで下す高安(撮影・河田真司)

鶴竜(右)を上手投げで下す高安(撮影・河野匠)

鶴竜(右)を上手投げで下す高安(撮影・河野匠)


栃ノ心(7勝5敗)すくい投げ白鵬(12勝0敗)

栃ノ心(手前)をすくい投げで下す白鵬(撮影・河野匠)

栃ノ心(手前)をすくい投げで下す白鵬(撮影・河野匠)

栃ノ心(手前)をすくい投げで下す白鵬(撮影・河野匠)


豪栄道(10勝2敗)引き落とし阿炎(6勝6敗)

阿炎(右)を引き落とす豪栄道(撮影・河野匠)

阿炎(手前)を引き落とす豪栄道(撮影・河野匠)

阿炎(手前)を引き落とす豪栄道(撮影・河野匠)


魁聖(5勝7敗)上手投げ逸ノ城(5勝7敗)

魁聖(左)を攻める逸ノ城(撮影・河田真司)

魁聖(右)を上手投げで下す逸ノ城(撮影・河野匠)

魁聖(右)を上手投げで下す逸ノ城(撮影・河野匠)


正代(5勝7敗)突き出し貴景勝(6勝6敗)

正代(左)を突き出す貴景勝(撮影・河野匠)

正代(左)を突き出す貴景勝(撮影・河野匠)

正代(左)を突き出す貴景勝(撮影・河野匠)


玉鷲(3勝9敗)引き落とし千代大龍(4勝8敗)

玉鷲(手前)を引き落とす千代大龍(撮影・河野匠)

玉鷲(手前)を引き落とす千代大龍(撮影・河野匠)

玉鷲(手前)を引き落とす千代大龍(撮影・河野匠)


勢(2勝10敗)押し出し遠藤(1勝11敗)

遠藤(右)を押し出す勢(撮影・河野匠)

遠藤(右)を押し出す勢(撮影・河野匠)


豊山(1勝9敗2休)押し出し栃煌山(5勝7敗)

豊山(左)を押し出す栃煌山(撮影・河野匠)


松鳳山(6勝6敗)押し出し貴ノ岩(9勝3敗)

貴ノ岩(奥)を押し出しで下す松鳳山(撮影・河野匠)

貴ノ岩(奥)を押し出しで下す松鳳山(撮影・河野匠)


嘉風(8勝4敗)寄り切り琴奨菊(6勝6敗)

琴奨菊(左)を寄り切る嘉風(撮影・河野匠)


千代翔馬(7勝5敗)押し出し明生(8勝4敗)

千代翔馬(左)を押し出す明生(撮影・河野匠)

千代翔馬(左)を押し出す明生(撮影・河野匠)

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白鵬12連勝、鶴竜2連敗、豪栄道と高安2敗で追走

栃ノ心(手前)をすくい投げで下す白鵬(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館


昨年11月の九州場所以来、5場所ぶり41度目の賜杯を狙う横綱白鵬(33=宮城野)は、大関栃ノ心(30=春日野)をすくい投げで下し無傷の12連勝とした。かど番の栃ノ心は7勝5敗となった。

11日目に初黒星を喫した横綱鶴竜(33=井筒)は、大関高安(28=田子ノ浦)の上手投げをくらって痛恨の2敗目。高安は10勝2敗。

8場所連続休場からの復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)は、関脇御嶽海(25=出羽海)を寄り切って9勝4敗。稀勢の里は幕内勝利数を713勝とし並んでいた元横綱日馬富士を抜いて単独6位となった。御嶽海は6勝6敗と五分の星となった。

大関豪栄道(32=境川)は、前頭4枚目阿炎(24=錣山)を引き落として10勝2敗とした。阿炎は6勝6敗。

平幕で唯一2敗だった前頭13枚目貴ノ岩(28=貴乃花)は、同7枚目の松鳳山(34=二所ノ関)に押し出され3敗目を喫した。松鳳山は6勝6敗。

12日目を終え全勝は白鵬、2敗で鶴竜、豪栄道、高安が追っている。

鶴竜(右)を上手投げで下す高安(撮影・河野匠)
阿炎(手前)を引き落とす豪栄道(撮影・河野匠)

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白鵬全勝、単独トップ「綱総崩れ」阻止

立ち合いで白鵬(右)の指が目に入る高安(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、1敗の大関高安を押し倒しで下して全勝を守り、単独トップに立った。前の一番で全勝の鶴竜、2敗の稀勢の里が負けたため、自身が負ければ84年春場所以来となる3横綱総崩れを、結びの一番で阻止。今年初の優勝、残り3勝に迫った幕内1000勝へ突き進む態勢は整った。

異様な雰囲気が結びの一番を包み込んだ。前の取組で2横綱が連敗。負ければ84年春場所以来34年ぶりの3横綱総崩れだっただけに、白鵬にかかる重圧は大きかった。1度目の立ち合いは高安につっかけられて、2度目の立ち合いは呼吸が合わず、互いに手を着けられないでいると自ら嫌った。3度目の立ち合いは成立。右の張り手は高安の顔をかすめたが、動きが止まった相手を両腕でかち上げるようにして一押しで押し倒した。

土俵の上での雰囲気を引きずるかのように、支度部屋では口数が少なかった。質問に対して「そんな感じ」「かなぁ」と相づちを打つ返事ばかり。モヤモヤしたか? と問われると「まぁ、勝ちは勝ちですから」と声を振り絞るように言った。

浮かない白鵬だったが、世界的ストライカーが元気づけてくれた。帰り際、観戦に訪れたサッカーJ1神戸の元ドイツ代表FWポドルスキと談笑した。昨年10月の大阪巡業で初対面して以来2度目の対面で「神戸牛はいっぱい食べた?」などと笑顔で質問するなど、終始穏やかな表情。サイン入りのドイツ代表のセカンドユニホームをもらうと、がっちり握手を交わした。約5分間の談笑後には「(今日は)良いところを見せられたな」と満足感たっぷりの表情だった。

秋場所は15年途中休場、16、17年は全休で「暑いのが苦手」と、名古屋場所での疲れと残暑に毎年苦労した。それでも今場所は「先場所途中休場の勢いがあるから」と力が有り余っているという。それだけに昨年九州場所以来、今年初の優勝へ闘志を燃やす。唯一の全勝横綱は「一番一番、今度は引っ張っていくだけです」と責任感を口にした。【佐々木隆史】

観戦に訪れた神戸FWポドルスキ(右)からユニホームをプレゼントされ笑顔を見せる白鵬(撮影・河野匠)

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阿武松グループが二所ノ関一門合流へ 今場所後にも

審判長を務める阿武松親方(撮影・河田真司)


2月の役員候補選挙で阿武松親方(元関脇益荒雄)に投票した8人の親方が、二所ノ関一門に移籍の意向であることが19日、分かった。

阿武松親方を含む阿武松部屋の親方衆3人と、千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)大嶽親方(元十両大竜)の旧貴乃花一門5人に加え、無所属の錣山親方(元関脇寺尾)立田川親方(元小結豊真将)湊親方(元前頭湊富士)の3人。計8人は秋場所後にも二所ノ関一門の親方衆と接触し、加入を要請する見通しだ。

相撲協会は7月下旬の理事会で、全ての親方は五つある一門のいずれかに所属することを決めた。旧貴乃花一門は阿武松グループとして活動してきたが、所属するある親方は「グループは認められないので、元々いた二所ノ関一門に戻らせてもらおうとしているが、まだ認められたわけではない」と現状を明かした。時津風一門から無所属となった3人も行動を共にする。

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白鵬全勝で単独トップ、観戦ポドルスキに白星贈る

観戦に訪れた神戸FWポドルスキ(右)からユニホームをプレゼントされ笑顔を見せる白鵬(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、大関高安(28=田子ノ浦)を下して全勝を守り、単独トップに立った。

全勝の横綱鶴竜、2敗の稀勢の里が負けて、異様な雰囲気となった結びの一番。2度立ち合いが合わず、成立した3度目の立ち合いで右の張り手は高安の顔をかすめたものの、動きが止まった相手を両腕でかちあげるように当たって一押しで押し倒した。「三度目の正直というのがあった」と力が入っていた。

唯一の全勝を守り、昨年九州場所以来となる今年初優勝が見えてきた。それでも「まだ今日が終わったという感じです」と焦る気持ちを抑えた。

帰り際には、観戦に訪れたサッカーJ1神戸の元ドイツ代表FWポドルスキと談笑。「本場所に来てくれてありがたい。(今日は)いいところを見せられたな」と笑顔を浮かべた。

立ち合いで高安(左手前)の顔を右手で張る白鵬(撮影・河野匠)

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かど番栃ノ心7勝「もう1丁だな」怪力で鶴竜撃破

鶴竜(左)を持ち上げて寄り切る栃ノ心(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇両国国技館


大関栃ノ心(30=春日野)が豪快な相撲で、全勝だった鶴竜に土をつけ、かど番脱出に王手をかけた。

過去の対戦2勝22敗という合口最悪の横綱に、得意の右四つを許してもらえず、逆に両差しを許した。

「でも、まわしは取れたからね。もう出るしかないでしょう」

深々と両上手でまわしをつかむと、土俵中央で強引につり上げ、土俵際へ。両腕にこん身の力を込め、左が勇み足になりかけるほど勢いよく、寄り切った。

7勝4敗。残り4日で、1勝すれば、大関残留が決まる。まだ「緊張するよ」と言いつつも「もう1丁だな。あと4番でね」と表情は明るい。

名古屋場所は新大関として5連勝で迎えた6日目、初黒星を喫した玉鷲戦で右脚親指付け根の靱帯(じんたい)を損傷し、休場を余儀なくされた。体調が万全でないまま迎えた今場所も苦しみ抜いてきたが、ようやくトンネルの出口が見えてきた。

鶴竜(左)を寄り切りで破った栃ノ心(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里が突き3発に撃沈、逸ノ城に完敗…無言貫く

逸ノ城(右)に押し込まれる稀勢の里(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


勝ち越しを決めている横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、関脇逸ノ城に完敗した。立ち合いから突き3発で、一気に押し出された。

前日10日目の平幕遠藤戦で勝ち越しを決め、この日は7敗と後がない相手だけに、精神面では優位に立てる要素がそろっていた。

だが幕内最重量227キロの相手に、重さを感じる暇もなく土俵を割り、首をかしげた。支度部屋に戻ると、終始無言を貫いた。

12日目は関脇御嶽海の挑戦を受け、その後は鶴竜、白鵬の両横綱との対戦も控えている。

逸ノ城に押し出され首をかしげる稀勢の里(撮影・河野匠)

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石浦「しょっぱい相撲」負け越し決定で十両陥落濃厚

石浦(奥)を寄り切りで下す錦木(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇両国国技館


西前頭16枚目で幕尻の石浦(28=宮城野)が西前頭12枚目錦木に寄り切りで敗れ、負け越しが決定。昨年九州場所以来の十両陥落が濃厚となった。

「立ち合いの当たりも悪くなくて、途中までは良かったのに、中途半端なまま無理に出ようとして…。自分で勝手に相撲をとって、勝手に負けちゃった感じ。しょっぱい相撲です」

173センチ、116キロは幕内で最も小兵。スピードを生かした、躍動感ある取り口で人気を集めるが、これで4場所連続の負け越し。

「もう1回、ちょっと自分の相撲を見つめ直さないとダメですね。全部中途半端。幕内で戦う体の力をつけないと。時間はかかりますけど、目標とする自分の相撲を作っていきたいです」と現実を受け止めていた。

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北勝富士が連敗止め給金、久々インタビュー室に感激

松鳳山(奥)を押し出す北勝富士(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


東前頭9枚目北勝富士(26=八角)が勝ち越しを決めた。

東前頭7枚目松鳳山(34=二所ノ関)を押し出し。「前に出るしかない。今日はイメージがよくできていた」。頭を終始くっつけ、得意の突っ張りを封じた。

初日から7連勝のロケットスタートも、その後は3連敗。「このまま千秋楽まで全部負けちゃうんじゃないかと思った」と、連敗中の胸中を吐露した。今年に入って東京場所では初の勝ち越し。取組後はNHKのインタビュールームに呼ばれた。初場所で横綱白鵬(33=宮城野)から金星を獲得して以来で「またあの部屋に入れる!」と心の中で叫んだ。

残り四番。「もう(番付が)落ちることはないので、けがだけはしないように自分の相撲を取る」と、重圧が弱まる残り4日へ意気込んだ。

松鳳山(左)に押し出しを仕掛ける北勝富士(撮影・河田真司)

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豪栄道2敗死守V戦線残った「踏み込みが良かった」

正代(手前)を寄り切る豪栄道(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


大関豪栄道(32=境川)が連敗を回避し、2敗を守って優勝戦線に残った。

東前頭3枚目正代(26=時津風)に対して頭で激しくぶつかり、浅く左を差した。十分に腰を落とし、立ち止まることなく寄り切り。前日(18日)の大関高安(28=田子ノ浦)との一番では、立ち合いを敗因に挙げていた。この日は相手よりも低く速い出足。「踏み込みが良かったね」と納得顔だった。

今場所の正代は土俵際での投げ、引き技で白星を積み重ねてきた。「相手が逆転の相撲が多いだけに集中していた」と豪栄道。正代が土俵を割るまで、密着させた頭を上げることはなかった。

横綱鶴竜(33=井筒)が敗れ、全勝は横綱白鵬(33=宮城野)のみ。2差で追う豪栄道は「とりあえず明日しっかり集中して、立ち合いだけはしっかりね」と、自身に言い聞かせるように語った。

正代(右)を寄り切りで下す豪栄道(撮影・河田真司)

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白鵬全勝、鶴竜、稀勢に土/11日目写真ライブ特集

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館

11日目を終え、優勝争いは以下の通り。

【全勝】白鵬

【1敗】鶴竜

【2敗】豪栄道、高安、貴ノ岩

高須院長も祝福?

高安(9勝2敗)押し倒し白鵬(11勝0敗)

観戦に訪れた高須氏(右)と握手を交わす白鵬(撮影・河野匠)

高安(左)を押し倒す白鵬(撮影・河野匠)

高安(左)を押し倒す白鵬(撮影・河野匠)

記者の質問に答える白鵬(撮影・河田真司)


稀勢の里(8勝3敗)押し出し逸ノ城(4勝7敗)

稀勢の里(左)を押し出す逸ノ城(撮影・河野匠)

逸ノ城に押し出され首をかしげる稀勢の里(撮影・河野匠)

取組後、歯を食いしばり悔しそうな表情を見せる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

記者の質問に答える逸ノ城(撮影・河田真司)

支度部屋で歯を食いしばり悔しそうな表情を見せる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

支度部屋を引き揚げる稀勢の里(撮影・鈴木正人)


鶴竜(10勝1敗)寄り切り栃ノ心(7勝4敗)

鶴竜(左)を持ち上げて寄り切る栃ノ心(撮影・河野匠)

鶴竜(左)を寄り切る栃ノ心(撮影・河野匠)


豪栄道(9勝2敗)寄り切り正代(5勝6敗)

正代(手前)を寄り切る豪栄道(撮影・河野匠)


御嶽海(6勝5敗)寄り倒し魁聖(5勝6敗)

御嶽海を応援する子どもたち(撮影・河野匠)

御嶽海(下)を寄り倒しで下す魁聖(撮影・河田真司)

魁聖に敗れ悔しそうな表情の御嶽海(撮影・河野匠)


輝(6勝5敗)押し出し遠藤(1勝10敗)

遠藤(奥)を押し出す輝(撮影・河野匠)

遠藤(奥)を押し出す輝(撮影・河野匠)

遠藤(左)を押し出しで下す輝(撮影・河田真司)

今場所2度目の珍手、とっくり投げ

豪風(5勝6敗)とっくり投げ安美錦(6勝5敗)

豪風(左)をとっくり投げで破る安美錦(撮影・鈴木正人)

豪風(左)をとっくり投げで下す安美錦(撮影・河田真司)

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元日馬富士関が絵画展「作品を稀勢の里にあげたい」

絵画展を開いた元横綱日馬富士関(左)と日動画廊の長谷川徳七社長


大相撲の元横綱日馬富士関(34)による「日馬富士絵画展」が19日、東京・銀座の日動画廊で始まり、油彩作品23点が披露された。

開催に先立ってプレス発表会が行われ、元日馬富士関は「去年の12月から(今年の)5月まで描いた絵が十何作かあります。その時の気持ちを色にして描きました」と話した。絵のタイトルは「横綱」「てっぺん」「両ふるさと」「スタート」「目標」「信じる」など独特。「横綱」というタイトルの絵は色違いで4作品あり、青い「横綱」については「去年の名古屋で初日から2連敗して、どうやって戦ってきたか、力が出なくなった。自分自身を取り戻すために描きました。11勝4敗で終わったのですが、1日1日集中していけば、いい結果が出る。この絵に力をいただいた」と説明した。

また「力士に絵をあげるとすれば?」という質問には、赤い「横綱」を指さし「稀勢の里関にあげたいと思います。10代からずっとライバルとして稽古してきた仲なので。今までは(自分が)勝つことが大事だったけど、これからは応援する。ずっと長く続けて欲しい。国民に勇気と感動を与えて欲しい」とエールを送った。

30日には、自身の断髪式を両国国技館で行う。「18年間続けてきたことを誇りに思うし、これからもずっと、相撲で学んだこと生かして、一生懸命真っすぐ前向きに生きていきたい」と話した。

絵画展は20日まで。売り上げは、元日馬富士関が出資してウランバートルに開校した新モンゴル日馬富士学園に贈られる。

絵画展を開いた元横綱日馬富士関(左)と日動画廊の長谷川徳七社長

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白鵬全勝で単独トップ、鶴竜が初黒星、稀勢の里3敗

高安(左)を押し倒す白鵬(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


初日から10連勝していた横綱鶴竜(33=井筒)に土がつき、横綱白鵬(33=宮城野)が全勝で単独トップに立った。

白鵬(33=宮城野)は、1敗で追っていた大関高安(28=田子ノ浦)を右から張って押し倒した。鶴竜は、大関栃ノ心(30=春日野)につり上げられて寄り切られた。栃ノ心は7勝目で、かど番脱出に王手をかけた。

8場所連続休場からの復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)は、関脇逸ノ城(25=湊)に一方的に押し出されて3敗目を喫した。

大関豪栄道(32=境川)は前頭3枚目正代(26=時津風)を寄り切って連敗を免れ、2敗を守った。

関脇御嶽海(25=出羽海)は前頭筆頭の魁聖(31=友綱)に寄り倒されて5敗目を喫し、今場所後の大関昇進は絶望的になった。

11日目を終わって全勝は白鵬、1敗で鶴竜、2敗で豪栄道、高安、前頭13枚目貴ノ岩(28=貴乃花)が追っている。

稀勢の里(左)を押し出す逸ノ城(撮影・河野匠)
鶴竜(左)を持ち上げて寄り切る栃ノ心(撮影・河野匠)

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逸ノ城4勝、稀勢の里に完勝「前に出るだけと集中」

稀勢の里(左)を押し出す逸ノ城(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


関脇逸ノ城(25=湊)が、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)を押し出して4勝目を挙げた。

立ち合いの突き放しから、そのまま突っ張って横綱の反撃を許さず完勝だった。

すでに7敗している逸ノ城は「前に出るだけだと思って集中していました。これから良くしていきたい。明日からまた頑張ります」と浮かれる様子もなく引き締まった表情だった。

逸ノ城(奥)に押し出しで敗れる稀勢の里(撮影・河田真司)

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稀勢の里3敗目、逸ノ城に押し出され悔しさあらわ

稀勢の里(左)を押し出す逸ノ城(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が関脇逸ノ城に押し出され痛恨の3敗目を喫した。

立ち合い逸ノ城に突き放され、そのままつっぱりに後退しあっけなく土俵を割った。まさかの黒星に首をかしげて土俵を下りた稀勢の里は、厳しい表情で悔しさをあらわにしていた。

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豪風「またやられました」引き技警戒→とっくり投げ

豪風(右)をとっくり投げで下す安美錦(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


再入幕を目指す十両豪風(39=尾車)が安美錦に敗れ、5勝6敗となった。2人合わせて78歳の大ベテラン対決で立ち合い、顔を張られ、前に出る勢いを利用され、とっくり投げを食った。「(相手は)右でまわしをとったら強い。(立ち合いで)下手に見て、とられたら…と思ったので、攻めて攻めての気持ちでいったんですが」。

十両、幕内の土俵で実に38度目の顔合わせ。対戦成績は豪風の18勝20敗になった。「(引き技が)また来るかな、と思って、またやられましたけどね。自分のことに集中した。まずそこでしょう」と言い、特別というより、平常心で臨んだことを強調していた。

豪風(左)をとっくり投げで下す安美錦(撮影・河田真司)

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鶴竜が初黒星、もろ差しも栃ノ心のパワーに屈す

鶴竜(左)を持ち上げて寄り切る栃ノ心(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


横綱鶴竜(33=井筒)に今場所初めて土がついた。

大関栃ノ心(30=春日野)に頭で当たってもろ差しとなったが、怪力栃ノ心の両上手からのつりで一気に土俵際まで追い込まれ、寄り切られた。

白鵬と並び優勝争いのトップを走っていた鶴竜にとっては手痛い1敗となった。

鶴竜(左)を寄り切る栃ノ心(撮影・河野匠)

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御嶽海、痛恨5敗目、今場所後の大関昇進厳しく

魁聖に敗れ悔しそうな表情の御嶽海(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


関脇御嶽海(25=出羽海)が、魁聖に寄り倒されて5敗目を喫し、今場所後の大関昇進が厳しい状況となった。

立ち合い当たって左に体を開き右四つなったが、魁聖の鋭い出足に屈した。

中日から7日目まで6勝1敗と上々の滑り出しをみせたが、中日からまさかの4連敗となった。

御嶽海(下)を寄り倒しで下す魁聖(撮影・河田真司)

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珍技再び!安美錦とっくり投げで6勝、トークは不発

豪風(左)をとっくり投げで下す安美錦(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


西十両筆頭安美錦(伊勢ケ浜)が、西十両6枚目豪風(尾車)との39歳ベテラン対決を、自身今場所2度目のとっくり投げで制して6勝目を挙げた。

立ち合いで土俵際まで押し込まれたが、両手で頭を挟み込み、右に回り込みながら豪風を転がした。04年夏場所での初顔合わせから38度目の対戦で、初めての決まり手となり「何でやったことない技を使わないといけないのかな」と笑みを浮かべながらも頭をかしげた。

今場所8日目の平幕の琴勇輝戦では、史上初めて幕内の土俵でとっくり投げを決めて白星を挙げた。その際は「とっくりは投げるものじゃない。飲むもの。投げたらお母さんに怒られる」などど冗談を言って報道陣を笑わせた。今回も面白コメントを期待する報道陣から「2度目ですが」と問われると「たまたまです。…。何も思い浮かばないよ」と言いながらも、再び少し考えて「…何も出てこないよ」と苦笑いしてさじを投げた。

連敗を2で止めて白星を先行させた。「稽古場では楽しく取ってるから、稽古場のイメージで相撲を取りました」と考え方を変えて白星を手にした。

豪風(右)をとっくり投げで下す安美錦(撮影・河野匠)
豪風をとっくり投げで下す安美錦(撮影・河田真司)

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豊ノ島5勝で再十両確信!絶口調「泣きましょうか」

蒼国来(右)を寄り切りで破る豊ノ島(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇両国国技館


2年間の苦労が報われそうだ。13場所ぶりの関取復帰を有力にしている、関脇経験者で西幕下筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、今場所の6番相撲に登場。4勝1敗同士の対戦で、やはり幕内経験者で東幕下9枚目の蒼国来(34=荒汐)と対戦。一気の出足で左を差し、最後は右を抱えながら寄り切りで勝ち、貴重な5勝目を挙げた。

再十両には、十両からの陥落者と、幕下上位の星取の兼ね合いになる。11日目を終え、十両から幕下への陥落は2人となりそうだ。一方、幕下から十両への昇進で、豊ノ島を上回る可能性があるのは、東幕下5枚目で6戦全勝の極芯道(錦戸)ただ1人。取組後、再十両を確信したのか、豊ノ島は「これで決まりですかね」とホッとひと息つきながら発した。

4戦全勝とした時に、思わず涙を流してしまい、5番相撲で初黒星。この時は「有力」止まりの状況で、フライング気味の早合点を猛省。気持ちを切り替えて臨んでいた。「本来は、ここで泣くべきでしたね。泣きましょうか」とタオルを顔にあてるジョークで笑った。余裕からか、しばし談笑の後、幕下生活が続いたこの2年間を振り返り「自分自身を強くさせてくれた2年間だった。惨めな姿もあったし、やめたらどうだ、という時期もあった。この2年でやめなかったんだから、これから先も簡単にはやめたくないなと強く思うようになった」と、しみじみ話した。

帰り際の通路で取材に応じている時、思わず来客が。共通の知人を通して知り合った、元ドイツ代表でサッカーJ1神戸のFWポドルスキだった。通訳を挟んで旧交を温めた後、ドイツ代表のサイン入りユニホームをプレゼントされた豊ノ島。「お返しをしないと」という問いかけに「(この日の)白星」と、胸を張って答えていた。再十両は、秋場所後の26日に開かれる大相撲九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)の番付編成会議で正式に決まる。

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大鵬孫の納谷が五分に戻す 恩師のげきで「気合」

隠岐の浜(右)に激しく攻める納谷(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


元横綱大鵬の孫、東幕下60枚目納谷(18=大嶽)が六番相撲に臨み、押し出しで星を五分に戻した。

東三段目3枚目隠岐の浜(21=八角)を押し出しで下した。立ち合いで「弾くように突き放せなかった」と反省するが、一歩も引かず常に前へ出た。

五番相撲で敗れた夜、埼玉栄高の恩師、山田道紀監督から電話で「攻めきらなきゃ」とげきを飛ばされた。「気合が入った」と納谷。3勝3敗。七番相撲で勝ち越しを目指す。負け越せば三段目陥落が決まるが「しっかり気負うことなく自分の相撲を取れるようにしたい」と、番付は意識しなかった。

隠岐の浜を下し、記者に囲まれた納谷は笑顔を見せる(撮影・河野匠)

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元朝青龍おい豊昇龍3連敗 勝ち越しは7番相撲に

藤田(右)にはたき込みで敗れる豊昇龍(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇両国国技館


元横綱朝青龍のおい、東幕下56枚目豊昇龍(19=立浪)が3連勝後の3連敗で、勝ち越しは7番相撲に持ち越された。

西三段目筆頭藤田(22=錣山)に立ち合い直後にはたかれ、落ちた。「相手が引くとわかっていたけど、足が出ませんでした」。それでも、倒れ際に相手の両足首にしがみつき、倒れた後は右手で土俵をたたくなど、勝負への執念は相変わらずだった。

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稀勢の里、勝ち越しは最低ライン「これから」師匠

遠藤(右)を寄り切りで破る稀勢の里(撮影・狩俣裕三)

<大相撲秋場所>◇10日目◇18日◇東京・両国国技館


横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、優勝した昨年3月の春場所以来、9場所ぶりの勝ち越しを決めた。西前頭3枚目の遠藤と3度立ち合いが合わなかったが、今場所最短2秒3で寄り切り快勝。元横綱日馬富士と並ぶ、歴代6位タイの幕内通算712勝目を挙げた。年6場所制となった1958年(昭33)以降の横綱では、歴代最長の8場所連続休場から進退を懸けて出場した場所で、引退危機回避へ最低ラインは死守した。

立ち合い不成立が3度も続き、緊張感は極限に達していた。4度目の立ち合いで、稀勢の里は不成立の3度目に続いて右で張って前に出た。遠藤の出足を鈍らせると、すかさず左を差して胸を合わせ、一気に寄った。相手に何もさせず、わずか2秒3で快勝。1年半ぶりの勝ち越しを決めた勝ち名乗りは、口を真一文字に結んでかみしめた。

取組後は遠藤とともに審判部に呼ばれ、手つき不十分な立ち合いについて口頭で注意された。立ち合いのたびに緊張感が増す状況にも「集中して、しっかりと相撲を取ろうと思っていました」と振り返った。5連勝した序盤戦は逆転での辛勝が多かったが、大関栃ノ心に快勝した前日9日目に続き、内容も伴ってきた。

15歳で入門後、間もなく付け人を務めた兄弟子の西岩親方(元関脇若の里)から、休場中にかけられた言葉を胸に復活を目指してきた。「稽古場でかっこつけたらダメだ。横綱でも泥だらけになって、頭をぐちゃぐちゃにして稽古するのが一番かっこいいんだ」。夏巡業、今場所前の出稽古などで、時にはボロボロになりながら精力的に上位と相撲を取った。その間、関取衆と203番(156勝47敗)。大関豪栄道に3勝8敗など、不安を残す日もあった。それでも初日の3日前に「しっかり準備ができた」と言い訳せず、退路を断って出場を表明した。

西岩親方は故人の先代鳴戸親方(元横綱隆の里)の言葉を思い出していた。入門当初、稀勢の里について師匠は「あれは将来、大物になる。お前が稽古をつけてやれ」と語ったという。当時の西岩親方はその後、約3年も三役に定着。西岩親方は「三役と新弟子だから力の差は歴然。その中で1日100番近く、泣きながら稽古しても絶対に弱音を吐かなかった」と振り返る。苦しくても黙って耐えて逃げ出さない。進退を懸けると明言して出場した今場所の姿と重なっていた。

これで日馬富士と並ぶ幕内通算712勝目。終盤戦5連敗などでなければ引退危機は回避といえる状況となった。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「まだまだこれから。勝ち越しが目標じゃないので」と、口数の少ない本人の思いを代弁した。引退危機の完全消滅へ、さらに勝ち続けるつもりだ。【高田文太】

取組後、審判部に呼ばれ藤島親方を待つ稀勢の里(左)と遠藤(撮影・鈴木正人)

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