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大相撲ニュース

芝田山広報部長「7月の始めには何とか出稽古を」

芝田山広報部長(元横綱大乃国)(2019年8月31日撮影)

日本相撲協会の芝田山広報部長が25日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が東京を含む5都道県で解除される見通しとなったことを受けて、報道陣の電話取材に応じた。

新規感染者が過去1週間で1桁にとどまるなど、都内の感染状況は徐々に好転しているが「コロナが全面的になくなったわけじゃない、ワクチンができましたよ、ということじゃない。陽性の人が陰性になって、また再陽性になった人もいる。難しい。協会としては引き続き、不要不急の外出は避けて自粛を続けていこうということ」と、慎重な姿勢を崩さなかった。

協会は現在、出稽古を禁止している。7月場所(7月19日初日、東京・両国国技館)まで2カ月を切っており、同広報部長も「7月の始めには何とか出稽古解禁になればいい」と祈るように話す。「今のところは厳しい状況。(出稽古解禁が)7月初めでも(調整の期間は)通常の番付発表と同じくらい。それまでに(ウイルスの)第2波があるのか、結局このまましぼんでいくのか」と、感染状況を注視する構えだ。

感染が終息に向かえば、無観客開催を予定している7月場所で観客を入れる選択も考えられるが「今の状況、段階では話し合いに出ていない。まずはお客さんなしでもすることにこぎつけたいのが目標」と話した。

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鶴竜「7月場所でいい相撲が取れるように」準備する

鶴竜(2020年1月13日撮影)

大相撲の横綱鶴竜(34=陸奥)が25日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が東京を含む5都道県で解除される見通しとなったことを受けて、日本相撲協会を通じて「7月場所でいい相撲が取れるように、力士として引き続きいい準備をするだけ」とコメントした。7月場所(19日初日、東京・両国国技館)では昨年名古屋場所以来7度目の優勝を目指す。

4月に生まれた第3子となる次女を「エネルレン」と名付けたことも明かした。外出自粛生活が続き「子どもたちと一緒に遊んだり、下の子にはミルクをあげたりして過ごしている」と、家族と過ごす時間を充実させているという。

7月場所まで2カ月を切った。鶴竜は「基礎運動を中心にじっくり鍛えることができている。7月場所に向けて、自分のペースで徐々にやっていく」とマイペースを強調した。

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小兵宇良、初々しい関取初白星/夏場所プレイバック

大相撲夏場所2日目、鏡桜(手前)を押し出し初白星を挙げた宇良(2016年5月9日撮影)

コロナ禍により大相撲夏場所が中止になり、本場所開催まで待ち遠しい日々が続きます。そんな中、日刊スポーツでは「大相撲夏場所プレイバック」と題し、初日予定だった24日から15日間、平成以降の夏場所の名勝負や歴史的出来事、話題などを各日ごとにお届けします。2日目は、個性派力士の関取初勝利です。

   ◇   ◇   ◇

<大相撲夏場所プレイバック>◇2日目◇16年5月9日◇東京・両国国技館

満員のファンからアクロバティックな取組を期待された173センチ、127キロのの小兵。立ち合いで幕内経験者の西十両12枚目の鏡桜を突き上げると、技を警戒して足が止まった相手を、一気に押し出した。真新しいピンク色の締め込みを着けた新十両の宇良は「良かった。勝てて良かった」。土俵下では力水をつける位置が分からずに戸惑うなど、初々しく、関取のスタートを切った。

強豪校ではない関学大で、奇手・居反りの使い手として注目された。小柄な体で大きな相手の懐に潜り込むスタイルは、幼少時に習ったレスリングをほうふつさせ、アマチュア時代から観客の興味をひきつけてきた。低い体制の足取りなどで惑わせ、当時では史上4位となる所要7場所で新十両昇進。まだ大銀杏(おおいちょう)も結えないちょんまげ姿がスピード出世の証しだった。

64キロまで絞って体重別大会に出場していた関学大2年時から、4年で体重は倍増した。ボディービルダーを参考に胸、足、背中の筋肉を鍛え、卒業前にはベンチプレス160キロを記録。白飯にスクランブルエッグをかけ、食事代を抑えてタンパク質を補給するなど、たゆまぬ努力が関取初白星につながった。

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大嶽親方、怒りの平手打ち/記者が振り返るあの瞬間

06年7月15日、大相撲名古屋場所7日目で土俵下でにらみ合う千代大海(右)と露鵬

<スポーツ担当記者 マイメモリーズ>(36)

政府の緊急事態宣言が延長され、スポーツ界も「自粛」状態が続いている。

日刊スポーツの記者が自らの目で見て、耳で聞き、肌で感じた瞬間を紹介する「マイメモリーズ」。サッカー編に続いてオリンピック(五輪)、相撲、バトルなどを担当した記者がお届けする。

   ◇   ◇   ◇

はじめはよく見えなかった。大関千代大海の盛り上がった肩の筋肉から腹へ、細くて赤い筋が何本も流れていた。

06年名古屋場所。打ち出し後の役員室に怒髪天をつく形相の千代大海がバスタオル姿で入ってくる。目が慣れてきて分かった。上半身に小さいガラスの破片が数え切れないほど刺さっていた。粉々になったガラスを浴びたのだ。

すぐにロシア出身の平幕の露鵬も来る。師匠の大嶽親方(元関脇貴闘力)がこわばった顔で付き添う。本割で感情的になった2人が風呂場でもめ、露鵬がドアを破壊した。

帰り支度で騒がしかった役員室が無音になった。お互いにいつでも襲いかかりそうな殺気だ。北の湖理事長(元横綱)は事情を聴き「いつまでも遺恨を残すな。握手して仲直りしなさい」と言った。

露鵬が千代大海に「これからも頑張って」と言う。番付上位の先輩力士に対して、何より加害者としては間違った言葉遣いだった。

直後、大嶽親方が「お前は~」と怒鳴りながら顔面を平手で打った。すさまじかった。記者だったら失神、いや、脳振とうは免れない。張り手で千代の富士、小錦、曙に挑んだあの貴闘力の平手打ちだ。その一撃を受けても露鵬は顔をそむけず正面を向いたまま。映画のようだった。

この時、露鵬はフラッシュを嫌がり、カメラマンに暴力をふるい、出場停止処分になった。

後日、巡業先の体育館で寂しそうに座っていた。目があった。「カメラマンの人には悪いことをしました。大関にも悪い態度、反省しています」と言った。気まずい空気が流れ、話をつなごうと焦り「(平手打ち)ものすごかったね。痛かったでしょ」と聞いた。すると「あんなの痛くない。それよりも悔しかった。俺は強いんだって、みんなに分かってほしかった」。顔の前を太い右腕で振り払うようにした。よみがえった記憶を払いのけようとしているようだった。屈辱に顔はゆがんでいた。

番付が力を示す相撲社会を取材して、こんなきわどい瞬間にはほとんど出会えなかった。ただ、ケンカ沙汰はいたるところにあるとはうすうす感じていた。相撲界は時津風部屋での力士暴行死事件、元横綱日馬富士の暴行問題という不祥事から暴力追放を目指してきた。現在は暴力への問題意識も格段に広まっているだろう。記者が遭遇したあの瞬間は、もう過去のものであると信じている。【井上真】

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新大関の朝乃山「まだ慣れていません」一問一答

朝乃山(右)(2020年4月1日撮影)

新型コロナウイルス感染拡大のため、予定されていながら中止となった大相撲夏場所の、本来なら初日を迎えるはずだった24日、新大関の朝乃山(26=高砂)が日本相撲協会を通じてコメントを出した。

夏場所の中止は、既に約3週間前の今月4日に決まっていた。同時に7月19日初日の7月場所は「特別開催」として、会場を愛知県体育館から両国国技館に変更し無観客での開催を目指すことも決まった。そんな状況下、朝乃山は質問に答えた。

Q本来なら延期して開催を目指した夏場所の初日だった。この日を迎えた心境は

朝乃山 寂しい気持ちはありますが、この世の中の状況ですので、仕方のないことだと思っています。

Qぶつかり稽古や申し合いも部屋によっては師匠の判断で再開されている。今の稽古状況は

朝乃山 基礎運動、筋トレを中心に、ぶつかり稽古も少し取り入れています。

Q昨年の夏場所で初優勝を飾ってから1年。振り返ってどう感じるか

朝乃山 初優勝することが出来たので、ここまで頑張ってこれました。

Qこの1年は長かったか短かったか。理由も合わせてお願いします

朝乃山 長かったです。優勝したり、三役に上がったりと、色々な経験をさせてもらいました。

Q1年前から成長を感じている部分は

朝乃山 自分の相撲が取れているところです。

Qこれまで休場がなかった。1場所空くことで心配していることはないか

朝乃山 本場所で自分の相撲を取りきれるかどうかが重要になってくると思います。

Q大関に上がったことで部屋の雰囲気が変わった実感を感じる場面は

朝乃山 呼ばれ方が変わりましたので、そこが一番実感するところです。

Q本場所まで時間ができたことで、重点的に強化しているところは

朝乃山 下半身と体幹を中心に強化しています。

Qステイホームの中で、どんなことをして息抜きしているか

朝乃山 ゲームをしたり、睡眠を取ることが息抜きに繋がっています。

Q大関という立場に慣れてきたか

朝乃山 まだ慣れていません。

Q7月場所への思いを

朝乃山 2桁以上を目指して頑張ります。

Qここから2カ月弱の調整で大事になるものは

朝乃山 引き続き、体調管理をしっかりと行っていきます。

Q2カ月に1度のペースが狂うが難しい部分は

朝乃山 初めての経験なので、まだ分かりません。

Q世界中に相撲を見たいファンがいる。その方たちにメッセージを

朝乃山 自分だけじゃなく、力士全員が一生懸命、頑張りますので、応援よろしくお願いします。

Q本場所が再開したら、力士としてどんな姿を見せたいか

朝乃山 自分らしい相撲を見てもらいたいです。

Qトランプ大統領に1年たち伝えたいことは

朝乃山 大関に昇進したことを伝えたいです。

Q新大関としてなかなか土俵に立てない。率直な思いは

朝乃山 早く土俵に立ちたい気持ちはありますが焦らずに、しっかりと良い準備をしていきたいです。

Q浦山先生、伊東勝人監督、天国の2人の恩師にいま、どんな思いがあるか

朝乃山 2人の夢をかなえたいです。

Q(7月場所は)また無観客での場所となる心境は

朝乃山 テレビの前で応援してくださる皆さんに、良い相撲を見てもらいたいです。

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新大関朝乃山「優勝で自信に」昨年の夏場所振り返る

朝乃山(右)(2020年4月1日撮影)

大相撲の横綱鶴竜(34=陸奥)と新大関の朝乃山(26=高砂)が24日、NHKで放送の「大相撲特別場所~テレビ桟敷へようこそ~」にリモート出演して近況などを語った。

本来ならこの日は延期となった夏場所の初日予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止に。日本相撲協会が無観客での実施を目指す7月場所(19日初日、東京・両国国技館)に向けて、朝乃山は「コロナは落ち着いてきたけど、見えない病気で油断はできない。(それでも)自分はどこが弱いのか見直して稽古したい」と意気込んだ。夏場所といえば、昨年に初優勝した場所。「去年の5月場所の優勝で自信に変わったので、ここまで来れたと思う。自分の右四つの相撲が取れるようになってから(大関に)結び付いた」と振り返った。

鶴竜は、恐縮した様子で「こんな大変な時期ですけど、先月に3人目の子どもが生まれました」と4月に次女が誕生したことを明かした。自粛生活が続く中、貴重な家族との時間を大切にしているといい「またこの子のために、という気持ちです」と気合を入れた。また力士会会長として「『ステイホーム』を守って乗り切って、大相撲を見に来てもらいたい」とファンに呼び掛けた。

鶴竜(2019年8月26日撮影)

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横綱鶴竜に3人目となる次女誕生「家族喜んでいる」

鶴竜(2020年1月13日撮影)

大相撲の横綱鶴竜(34=陸奥)が24日、NHK放送の「大相撲特別場所~テレビ桟敷へようこそ~」にリモート出演し、4月に自身3人目の子どもとなる次女が誕生していたことを明かした。

太田雅英アナウンサーの問い掛けに答える形で、番組終盤にリモート出演。同アナウンサーから自宅での過ごし方を問われて「こんな大変な時期ですけど先月に3人目の子どもが生まれて、家族と一緒にいて家族は喜んでくれていると思います。いつも巡業とかでいないので、そういう意味では喜んでくれていると思います。(性別は)女の子です」と明かした。

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北の富士氏、夏場所は「中止でよかったと思った」

北の富士勝昭氏(19年撮影)

大相撲解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)が24日、NHKの「大相撲特別場所~テレビ桟敷へやようこそ~」に電話出演した。

本来ならこの日が初日予定だった夏場所が、新型コロナウイルスの影響で中止になったことについて持論を展開。「寂しいですけどね。大阪から帰ってきてもコロナがありましたから。でも力士も稽古不十分だったでしょう。(ファンらに)いい相撲を見せられないなと危惧していました。申し訳ないけど、本場所は中止でよかったと思った」と話した。

電話出演の前には1987年(昭62)放送の「燃える九重 名コンビ」の映像が紹介された。自身が九重親方だった頃に、弟子の横綱千代の富士と横綱北勝海(現八角理事長)との対談映像が流れた。千代の富士と北勝海によるぶつかり稽古の映像なども流れ「しかし稽古しましたね2人は。ぶつかり稽古見ましたか? 今の力士もやってもらいたいよね。やっぱりぶつかり稽古は大事ですよ」と現役力士に向けてぶつかり稽古の大切さを説いた。

しかし現在は新型コロナの感染防止のため、出稽古は禁止で、接触を伴う稽古は各師匠の判断となっている。これにはさすがに「よその部屋への出稽古は無理でしょうね。同じ部屋だったら同じ生活でしょうから、感染の危険性は少なくなるかもしれませんけど、外部に出ると分かりませんからね」と同情した。

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朝乃山、ぶつかり稽古「部屋ではボチボチやってる」

記者の質問に笑顔を見せる朝乃山(2020年3月30日代表撮影)

新大関の朝乃山(26=高砂)が24日、NHKに出演し近況などを語った。

NHKは同日午後3時15分から「大相撲特別場所~テレビ桟敷へようこそ~」を放送。中止になった夏場所にかわり、この日から毎週日曜日に、3週にわたり放送するもので、1回目のこの日は「歴史彩る横綱全盛期」と題して、元横綱千代の富士や北勝海(現八角理事長)らを特集した87年放送の「燃える九重 名コンビ」の映像を前半に紹介。後半は朝青龍や白鵬らを特集した04年放送の「激闘 新たな夢へ」の映像などを元に、相撲解説者・北の富士勝昭氏が電話出演するなどして番組が編成された。

その番組冒頭で芝田山広報部長(元横綱大乃国)が、角界の現状や今後の見通しなどについて太田雅英アナウンサーの質問に答える形で説明。その後、朝乃山がリモート出演。同アナウンサーの問い掛けに答えた。

Q新大関として臨むはずだった夏場所が中止になって現在は

朝乃山 次の7月場所に向かって体を作っています。(夏場所中止は)協会が決断したこと。僕らはそれに従い(気持ちは)7月場所に切り替えています。

Q毎日の稽古は

朝乃山 基礎練習に自主練習、それに筋トレをして(あとは)自粛して生活しています。

Q接触する稽古は

朝乃山 部屋ではボチボチやっていて、人とぶつかるようにはしています。自分もぶつかり(稽古)で胸を出したりはしています。

Q感染への不安は

朝乃山 不安ですが、7月場所があると思って稽古していかなくてはいけませんから。

Q夏場所といえば1年前に優勝した

朝乃山 去年の5月場所の優勝で自信に変わったので、ここまで来れたと思う。自分の右四つの相撲ができるようになってから(大関に)結び付いた。

Q大関はどんな地位か

朝乃山 プロに入って大関、横綱を目指してやってきた。(ただ)ここまで来れたことは自分でも驚いている。

Qどんな大関になりたいか

朝乃山 下の子から尊敬、目標とされる大関になりたい。

Q次に横綱がある

朝乃山 そこはまだ気が早いけど(笑い)、ここまで来たら自分を信じて1つ上の番付を目指したい。

Q世代交代の声もある。次の時代は自分が…という気持ちは

朝乃山 それ(気持ち)はあるし、大関から落ちたくないという気持ちもある。上に立って角界を盛り上げたい。

Qあらためて7月場所に向けて

朝乃山 コロナは落ち着いてきたけど、見えない病気で油断はできない。(そんな中でも)自分はどこが弱いのか見直して稽古したい。

Qファンへ

朝乃山 7月場所もテレビの前で自分だけでなく、力士全員への応援をよろしくお願いします。

稽古で若い衆に胸を出す朝乃山(2020年4月1日撮影)

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千代の富士が貴花田に五重丸/夏場所プレイバック

初日に千代の富士を破る貴花田(貴乃花)。18歳9カ月の史上最年少金星(1991年5月12日撮影)

コロナ禍により大相撲夏場所が中止になり、本場所開催まで待ち遠しい日々が続きます。そんな中、日刊スポーツでは「大相撲夏場所プレイバック」と題し、初日予定だった24日から15日間、平成以降の夏場所の名勝負や歴史的出来事、話題などを各日ごとにお届けします。初日は、あの歴史的大一番です。

◇   ◇   ◇

<大相撲夏場所プレイバック>◇初日◇91年5月12日◇東京・両国国技館

午後5時46分。歴史が動いた。「角界のプリンス」の称号が、昭和の大横綱千代の富士から、後に平成の大横綱となる貴花田(のちの貴乃花)に受け継がれた瞬間だった。

新十両昇進など最年少記録を次々と更新し、初の上位総当たりで迎えた西前頭筆頭の貴花田。翌月に36歳を迎える優勝31回の千代の富士は、ケガによる休場続きで118日ぶりの土俵。午前6時には当日券を求める約300人の行列ができた。協会あいさつで当時の二子山理事長(元横綱初代若乃花)が「進境著しい新鋭と古豪の激突をお楽しみに」と、あおった18秒3の濃密な一番。終始、攻めきった貴花田が黒房下、さながらラグビーのタックルのように左から渡し込むように寄り切った。18歳9カ月の史上最年少金星だった。

「勝負は勝つか負けるか2つに1つ。特別な気持ちはありません」。“大将”に勝っても平然と話す本人をよそに、記者クラブにいた父で師匠の藤島親方(元大関貴ノ花)は「100点満点あげていい」と30分で6本目となるタバコの煙をくゆらせて言った。

「三重丸って言っておいてよ。いや五重丸だ」。世代交代劇の引き立て役となった千代の富士は最上級の言葉を贈った。入門のための上京前日の70年8月、故郷の北海道・福島町での巡業で「頑張れ」と一文書かれた菓子折りをもらったのが当時大関の藤島親方。79年の秋巡業で禁煙を強く勧められ、体重増のきっかけを作ってくれたのも藤島親方だった。恩人の実子にバトンを渡し、千代の富士は3日目の貴闘力戦後に引退を表明した。

貴花田(貴乃花)は千代の富士から金星をあげる(1991年5月12日撮影)

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夏場所代替のNHK特番、要望受け「歴史楽しんで」

元横綱千代の富士(1990年3月12日説明)

NHKは中止となった夏場所に替わり、24日から3週にわたって「大相撲特別場所~テレビ桟敷へようこそ~」を放送する。第1回の24日は午後3時5分から。夏場所の初日、8日目、千秋楽の日程に合わせ、過去にNHKが制作した名勝負や名力士のドキュメンタリー番組を放送するほか、本場所再開を待つ現役力士が、3週連続でリモート出演をする予定だ。大相撲ファンが本場所の再開を心待ちにする中で、NHK広報部の担当者は23日までに「さまざまなスポーツが中止や延期となる中、NHKではプロ野球やJリーグなど過去の名勝負をお伝えしております。同様に、日本相撲協会から夏場所の中止が発表された後に、毎場所、大相撲中継を楽しみにしている視聴者の皆様に楽しんで頂ける番組を放送できないか考えてきました」と、放送の経緯を説明した。

夏場所の中止が発表された今月4日以降、NHKにも多数の声が届いているという。「夏場所の中止が発表された後から、電話、ハガキ、ツイッターなどで『柏鵬時代の映像を流してほしい』などといった声が、多数ございました」。無観客で開催された春場所から2カ月以上が過ぎ、視聴者も大相撲中継を渇望しているようだ。

24日放送の第1回(24日放送)は「歴史彩る横綱全盛期」と題して、元横綱千代の富士や北勝海(現八角理事長)、朝青龍らのドキュメンタリー番組が放送される。「現在の小中学生のような若い大相撲ファンに少しでもなじみのある親方や力士の懐かしい映像を見て頂くことで、大相撲の長い歴史のつながりを楽しんで頂ければ」。

立ち止まって歴史を振り返る。この自粛期間が、大相撲の魅力を再確認するきっかけになるかもしれない。

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白鵬「早くぶつかりたい、体は覚えてる」稽古自粛に

横綱土俵入りに臨む横綱白鵬(2019年7月18日撮影) 

大相撲の横綱白鵬(35=宮城野)が23日、AbemaTV放送の「大相撲ABEMA場所~記憶に残る名勝負100連発~」にリモートで生出演した。24日初日予定だった夏場所が中止となり、接触を伴う稽古は自粛中だといい「こんなにぶつからないのは不思議な感じ。早くぶつかりたいという気持ちがある。本場所で不安はあるかもしれないけど、体は覚えていると思う」と率直な気持ちを語った。

現在はウエートトレーニングやゴムチューブを使った運動で、体を鍛えているという。協会が無観客での実施を目指す7月場所(19日初日、東京・両国国技館)を意識しつつ「3日やって1日休む。4日やって1日休んでと、オーバーワークにならないようにしている」と稽古パターンを明かした。

放送中に集まった、視聴者からの質問にも答えた。「対戦したい過去の名力士は誰ですか」という問いに「双葉山関ですよ」と尊敬の念を抱いている双葉山を挙げた。そして横綱土俵入りの際には、双葉山と大鵬の両横綱の土俵入りを参考にしていると明かした。「双葉山関の四股の踏み方、徳俵でそんきょする所。大鵬関は四股を踏むときに沈むのをマネしている。沈むとバランスが取れるんですよ」と話した。横綱に昇進して10年以上たつが、横綱土俵入りを「1回もうまくいったと思ったことはない」と話し、出演者を驚かせた。

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晴れ舞台中止の朝乃山が吐露「通常開催で大関」望む

朝乃山(2019年11月24日)

大相撲の大関朝乃山(26=高砂)が23日、AbemaTV放送の「大相撲ABEMA場所~記憶に残る名勝負100連発~」にリモートで生出演した。都内の高砂部屋から出演したといい、部屋での生活について「(他の力士らとの)濃厚接触はできるだけ避けるようにしている。(稽古は)今は基礎と筋トレをやっている」と、近況を明かした。

番組の解説を務める3代目元横綱若乃花、花田虎上氏とは初共演だった。視聴者からの質問で「部屋住まいはいつまで続けるのか」と問われると、朝乃山は「結婚するまで」と回答。花田氏からは矢継ぎ早に「嫁取りと綱取りはどちらが早いんですかね?」と質問され、朝乃山は照れ笑いを浮かべながら「できたら一緒くらいがいいですね」と答えた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、新大関として晴れの舞台となるはずだった5月場所は中止になった。「こういう状況なので」と現実を受け止めつつ「通常開催で“大関”と呼ばれるようになりたい」と本音を吐露。日本相撲協会が無観客での開催を目指している7月場所(7月19日初日、東京・両国国技館)に向けて、調整を進めている。

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朝乃山「嫁取りと綱取りどっち早い?」に照れ笑い

朝乃山(2019年11月24日)

大相撲の横綱白鵬(35=宮城野)と新大関の朝乃山(26=高砂)が23日、AbemaTV放送の「大相撲ABEMA場所~記憶に残る名勝負100連発~」にリモートで生出演した。

都内のトレーニングルームから出演した白鵬は、7月場所(7月19日初日、東京・両国国技館)に向けて「いい状態できている。オーバーワークにならないようにやっている」と近況を明かした。視聴者からの質問で気になる若手力士を問われると「四つになっていい勝負ができる力士というのはいない気がします」と発言。貫禄たっぷりの回答で、解説の花田虎上氏(元横綱若乃花)らの感嘆を誘った。

白鵬と別時間帯で、都内の部屋から出演した朝乃山は花田氏と初共演。花田氏に「嫁取りと綱取りはどっちが早いんですかね?」と質問され「できたら一緒がいいですね」と照れ笑いを浮かべながら答えた。

白鵬

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芝田山親方、7月場所は「保持しながら向かいたい」

芝田山広報部長(元横綱大乃国)(2019年8月31日撮影)

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が23日、AbemaTV放送の「大相撲ABEMA場所~記憶に残る名勝負100連発~」にリモートで生出演した。自宅の書斎からリモート出演したといい、中止となった5月場所について「我々は最後まで諦めずに予防策を徹底して、何とか開催にこぎつけようとしたが、国からの緊急事態宣言もあり断念した」と話した。

番組進行の清野茂樹アナウンサーから、7月場所(19日初日、東京・両国国技館)開催の目安を問われると「世の中の感染状況にもよるが、緊急事態宣言が解除されても相撲協会は今の状態を保持しながら向かいたい」と話した。その中で今、最も心配していることは「稽古」だという。協会は接触を伴う稽古は、各師匠の判断に任せ、出稽古は禁止にしている。その方針は今後も変わらないという。

自身の部屋を持つ芝田山広報部長の部屋では、徹底した体調管理の下、3週間前から接触を伴うぶつかり稽古や申し合い稽古を再開したという。「部屋の力士らは全く外に出させていません。コンビニも行かせていないし、体調が悪い子はいません」と自身の部屋の予防策を明かした。

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白鵬ら生出演で近況語る、Abemaで大相撲名勝負

23日から3回にわたって放送される大相撲ABEMA場所(C)AbemaTV,Inc.

AbemaTVは23日午後4時から、「大相撲LIVEチャンネル」で「大相撲ABEMA場所~記憶に残る名勝負100連発~」を放送する。兼子功プロデューサーは22日、23日の放送分に横綱白鵬、大関朝乃山、芝田山広報部長(元横綱大乃国)がリモートで生出演することを明かした。「今(協会員個人の)SNS発信が禁止されている中、個々の動静があまり映像で出ていません。近況をうかがったりする予定です」と話した。

番組進行は清野茂樹アナウンサー、解説は元横綱三代目若乃花の花田虎上さんが務める。2時間の生放送で、第1回は「土俵際の大逆転劇集」、第2回は「豪快な取組」(30日放送)、第3回は「イケメン力士集」(6月6日放送)を予定。兼子プロデューサーは「自社の素材だけでなく、協会の映像部からも借用しました。白黒の映像もあります」と説明。「来週以降も三役以上の力士の出演を調整中で、自分の印象に残っている取組を振り返ってもらう予定もあります」と話した。

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週明け緊急事態解除でも大相撲は「独自の予防線」

芝田山広報部長(2020年4月3日撮影)

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は22日、報道陣の電話取材に応じ、この日に協会執行部による定例会議を行ったことを明かした。

政府発令の緊急事態宣言が週明けにも全面解除となった場合について話し合ったといい「政府の緊急事態宣言が解除されても協会は独自の予防線をひいていく。力士の健康と安全管理、次の場所への大きな予防策ということ。解除されたとしても、コロナが収まったわけではない」と説明した。

稽古内容については、あらためて出稽古は禁止、ぶつかり稽古などの接触を伴う稽古は各部屋の師匠判断に任せるとした。また6月の相撲教習所での授業の中止も決定。再開は未定とした。

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出稽古再開へ慎重、抗体検査は毎日2、3部屋ずつ

芝田山広報部長(2020年4月3日撮影)

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が21日、報道陣の電話取材に応じた。政府発令の緊急事態宣言が都内で継続される見込みであることについて「こちらは引き続き、今の状況を継続していく。それしかない。しっかりと次の場所に向け、次の場所を迎えるために個人プレーではなく、1人1人の気の緩みを引き締めて次の場所に向けていくしかない」と話した。

協会は18日から、希望する力士ら協会員を対象に新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査を開始した。以降、毎日2、3部屋ずつ約40人を対象に検査が行われているという。検査方法については「検査する方々が数名で、いろんな機材を運んで来て風通しのいい所で行っている」と説明した。検査終了には1カ月要する見込みとなっている。

協会は現在、出稽古を禁止し、接触を伴うぶつかり稽古は各師匠の判断に任せている。その稽古内容については「状況によってどこまで稽古の内容を変えていけるのか。出稽古ができるのかできないのか、そういうことをこれから私たちも考えていかないと」と、新型コロナの感染拡大の状況を注視する構えを見せた。

また「抗体検査でどういう結果が出るかにもよる。これを待たずして、出稽古再開の形になるのかならないのか。先生方に聞かないと我々も分からない」と慎重な構えを見せた。政府は28日にも緊急事態宣言が解除できるのか、再判断する方針だが「それは国の問題であって、こちらはだからといって手綱を緩める訳ではない」と引き締めた。

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夏場所中止でNHKが「特別場所」名勝負など放送

鶴竜

NHKが20日、中止になった大相撲夏場所に替わって24日から3週にわたって放送する「大相撲特別場所~テレビ桟敷へようこそ~」の番組内容を発表した。夏場所の初日、8日目、千秋楽の日程に合わせ、過去にNHKが制作した名勝負や名力士のドキュメンタリー番組を放送するほか、本場所再開を待つ現役力士が、3週連続でリモート出演をする予定。3週ともに総合テレビで放送される。

第1回(24日放送)は「歴史彩る横綱全盛期」と題して、元横綱千代の富士や朝青龍らに焦点を当てる。1987年(昭62)の「燃える九重名コンビ ~大相撲この1年~」と、2004年(平16)の「激闘 新たな夢へ ~大相撲この1年~」を放送し、横綱鶴竜と、春場所で大関昇進を決めた朝乃山がリモート出演で今の生活の日々を語る。

第2回(31日放送)のテーマは「しのぎを削ったライバルたち」。88年(昭63)放送の「名勝負 栃錦・若乃花」、92年(平4)放送の「柔と剛 ~柏鵬の時代(大鵬・柏戸)~」、同年放送の「綱とり三つどもえの戦い ~北の富士・玉の海・琴桜~」が再放送され、現役力士では大関貴景勝と、序二段から史上初の再入幕を遂げた照ノ富士がリモート出演する予定。

第3回(6月7日放送)では横綱白鵬と前頭炎鵬の特集が再放送される。昨年放送の「目撃! にっぽん おそれず“前”へ ~炎鵬 ともに戦う日々~」と、08年放送の「スポーツ大陸 激突 朝青龍と白鵬」。その白鵬と炎鵬もリモート出演する予定で、本場所再開への思いを語る。

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礼儀欠かさなかった曙親方/記者が振り返るあの瞬間

曙太郎K−1入り会見 K−1参戦を表明し会見する曙親方(右)と谷川貞治プロデューサー=東京・帝国ホテル(2003年11月6日)

<スポーツ担当記者 マイメモリーズ>(32)

政府の緊急事態宣言が延長され、スポーツ界も「自粛」状態が続いている。

日刊スポーツの記者が自らの目で見て、耳で聞き、肌で感じた瞬間を紹介する「マイメモリーズ」。サッカー編に続いてオリンピック(五輪)、相撲、バトルなどを担当した記者がお届けする。

  ◇  ◇  ◇

その声が自分に向けられたものだとは、すぐには分からなかった。もう1度「オイッ!」という低い声が飛び、鋭い眼光は相撲担当になってまだ2日目の自分を見ている。03年10月31日。朝稽古の取材で東関部屋を訪れて、一礼だけして後方に座った直後、曙親方(元横綱)に呼ばれた。怒気をはらんだ口調だった。

前日、部屋の幕内高見盛が出稽古先で横綱朝青龍につり上げられ、バックドロップのようにたたきつけられて右肩を負傷した。様子を確認しに来た自分が気に食わないのかもしれない。テレビでしか知らなかった巨体に恐る恐る近づく中で、いろいろと考えた。首に下がる記者証をにらみつける親方の目が怖かった。

「お前、あいさつはどうした?」。そう言われて慌てて名乗ろうとした。すると「オレじゃない!」と語気が強まった。「師匠にだ。部屋に入ってきたらまず師匠にあいさつするのが礼儀だろ。それが日本人の心ってもんじゃないのか」。

分かる人も多いだろうが、稽古中は意外と静かな間が多い。体同士、時に頭と頭がぶつかり合う鈍い音が響き、呼吸の乱れもよく分かる。そんな空間で、相撲のすの字も分からないペーペーの担当記者ができることは、ひたすら存在を消すこと。物音を立てず、邪魔にならないよう隅っこで見ていようと思っていた。稽古を遮るあいさつすら失礼になると思い込んでいた。

その静寂を壊してまで「礼儀」を説いてくれた曙親方の思いを、今も感じることができる。慌てて師匠の東関親方(元関脇高見山)に頭を下げると、にこりと笑ってくれた。曙親方に戻り、一から名乗ると「それを忘れないようにな」と優しい声で言われた。ハワイ出身の親方に教わった「日本人の心」は、その後の記者生活の土台になった。

ところが話はまだ続く。

1週間後の11月6日の朝、日刊スポーツ1面に「曙親方 K-1参戦へ」の文字が躍った。スクープだった。部屋に行くと東関親方は明らかに落胆していて、退職の申し出は受けていたものの「気がついたら部屋に荷物がなかった。こういう言葉は使いたくないけど、裏切られた」と恨み節が出た。

稽古場で諭してくれた、あの「日本人の心」は一体どこに…。当時は自分もだいぶ混乱したものだった。

ただ、実際にK-1やプロレスに転向した曙はその後も部屋を訪れて師匠と肩を並べている。先日は闘病中の体を押して、東関親方として急逝した元幕内潮丸の葬儀に訪れた。非礼のままであれば、そうはいかないのがこの世界。礼儀を欠かさなかったからこそだと、曙の姿を見るたび、そう感じている。【今村健人】

福岡市の福岡国際センターで行われた前夜祭の支度部屋で、曙親方のKー1参戦を伝える本紙に目を通す小結高見盛(2003年11月6日撮影)

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