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au版ニッカン★バトル

夏の絵日記2018

チンギスハン名言「許す」相撲にも通じる/8月26日 白鵬

最終回は白鵬関(33=宮城野)です。描いてくれたのはモンゴルの英雄チンギスハン。

有名な肖像画がモデルですが、本来は背景が暗い色。「あえて背景を青にした。チンギスハンの名言に『許す、切る、愛があって国がある』というものがある。相撲は『許す』というのが大事。広い心をイメージして空と同じ青を選んだ」。横綱だからといって遠慮せず、どんな取り口でも受け止めるという、対戦力士へのメッセージであり、付け人らのミスも水に流す思いを表しました。

色鉛筆で描き始め、輪郭など随所でサインペンを使うこだわりで、仕上がるまでに30~40分を要したといいます。「けっこう時間をかけて描いたよ。モンゴルの人々にとって目標とする人物ですから」。納得の出来栄えのようです。例年描いているだけに「オレの絵は人気あるの?」と逆質問も。実績を積み上げてきた土俵に続き、新たな分野への挑戦も前向き。強さの源を垣間見ることができました。(おわり)

一緒にラウンド…まだです!?/8月25日 勢

勢関(31=伊勢ノ海)は自ら旬な話題を提供するように、ゴルフクラブを描いてくれました。

好きな紫色のグリップがまぶしいピッチングウエッジ。「小学5年生のころからゴルフが好きでした。ゴルフはお金もかかるので『(給料がもらえる)関取になってゴルフをするぞ』というのが1つの目標でした」。最近はコースを回る機会が少なく、自宅でのパター練習や素振り程度とのこと。それでもたまにコースに出れば、スコアは90前後にまとめ、腕前は衰え知らずのようです。

もちろん勢関とゴルフといえば、婚約を公表した比嘉真美子プロの存在は切っても切れません。当然、一緒にラウンドしているかと思いきや1度もないそうです。「彼女は『一緒に回ろう』と言ってくれますが、向こうはプロですから。仕事としてやっている世界に軽々しく入ってはいけないので、一緒に回るのは互いに引退してからですね」。一緒の時間は仕事のことは忘れさせたいという、深い愛情を語ってくれました。

愛にあふれた「EYE」/8月24日 玉鷲

絵日記企画常連の玉鷲関は、今年も特徴的な作品に仕上げてくれました。

さまざまなハートを描いて「愛」を表現してきた例年とは違って、今年はアイはアイでも「EYE」。目です。誰の目をモデルにしたのか気になるところ。「それはナイショ。フフフッ」と、当初は意味深な回答。でも、よくよく話を聞いていると、エルデネビレグ夫人のようです。巡業中のため、しばらく会っていませんでしたが、夫人の左目を思い出しながら、ものの数分で描いてくれました。やはり今年も、愛にあふれた作品でした。

では、なぜ目を描いたのか。もう1つの大きな疑問には「目はすべてを表すからね」と、答えになっているような、なっていないような回答。モデルこそ夫人ですが、相手の目を見れば考えが分かるのは相撲も同じという考え。「だから取組前に相手の目をずっと見る」。威嚇するような取組前のにらみは、勝負への強い気持ちの表れでした。

熊谷だから「錦木ベアー」/8月23日 錦木

この企画で常連の錦木関が、3年連続で描いてくれました。

さて、この絵はクマなのかパンダなのか。でも眼鏡をかけているということは人間なのか…。正体を聞くと「錦木ベアーです」と誇らしげに教えてくれました。

実はこの絵、3年前に作った反物の模様だそうです。毎年、この模様で紺、緑、オレンジと色違いの反物を作っています。そしてなぜ、クマの模様にしたかというと「本名が熊谷だからね。それに眼鏡を足して」と、まるで自画像。知り合いにイメージを伝えると、この絵になったそうです。愛くるしい模様だけに「LINEのスタンプとか巾着袋にもよさそうですよね」と、想像を膨らませていました。

夏になると思い出す沖縄の海/8月22日 美ノ海

美ノ海関(25=木瀬)はしこ名の通り、出身の沖縄県の美しい海を描いてくれました。

カモメに熱帯魚、スイカ、パラソルの下でゆっくりする自分―。「沖縄の海はきれいで、夏になると思い出しますね。海ではバーベキューとか、得意ではないけどビーチバレーをよくやっていました。スイカは食べるよりも、スイカ割りの方が楽しい思い出があります。沖縄の海でボーッとしていたいです」。沖縄で行う冬巡業のPRで、地元には7月の名古屋場所後、1度戻ったがとんぼ返り。関取衆として臨む初の巡業の疲れもあり、願望が強く出た絵となりました。

また絵の中で特徴的なのが、右上に描かれた太陽。「沖縄の太陽は強い赤というイメージ。晴れの日の太陽が好きなので、大きく真っ赤に描きました」。じりじりと照りつける中で「よく釣りをしました。釣れればラッキーという感じですけど」。幼少期から忍耐強さを養っていたようです。

装束に猛暑も雨も敵/8月21日 木村庄太郎

さすがは小学生のころ、漫画が趣味だったという三役格行司の木村庄太郎さん(54=春日野)。

毎年、巧妙なペンさばきで描いているが、今年も日本列島を象徴する「夏」を端的に描いてくれた。「この巡業期間中の天気ですね。暑いのは嫌だし、かといって大雨も困るし」。巡業につきもののバス移動では「ついさっきまでは、かんかん照りと思ったら、バケツをひっくり返すような土砂降り。と思ったらピタッとやんだりね」。秋場所で入門から40年目を迎える庄太郎さん。先場所は初日前日の土俵祭で祭主も務めたベテランは「この暑さも昔は若かったから耐えられたのかも。疲れる度合いが違う」と笑いつつ猛暑の中、今日も装束をまとい軍配を振る。

手放せません!携帯扇風機/8月19日 正代

これは自分の分身同様、絶対に手放せません―。正代関(26=時津風)が描いてくれたのは、携帯扇風機の「HAND FAN」。

汗かきで暑がりの力士が多いとあり、常に携帯している関取衆も多く「コレがなかったら、ここまで巡業はもたなかった」と話すほどの逸品だ。筋肉が冷えすぎるのは良くない。さりとて暑さで睡眠が浅くなるのも避けたい。「寝汗をかくのも良くないから、クーラーは適度にかけてます」と体調管理に気を配りながら3000円台で購入できる、この携帯扇風機をうまく使いこなしている。かつて〝ネガティブ〟が代名詞だった? 正代関だが、この猛暑は「それだけ自分の相撲も熱い ! ということです」とプラス思考で乗り切る。

名古屋でもらった誕生ケーキ/8月18日 北勝富士

 毎年名古屋場所で誕生日を迎える北勝富士関(八角)が、今年後援会からもらった誕生日ケーキを描いてくれました。

 26歳となった7月15日は8日目で、平幕の栃煌山に負けて4年連続バースデー白星とはならず。それでも終わってみれば11勝で「名古屋場所は誕生日もあり、特別で気合の入る場所」と4年連続で勝ち越すなど相性はバッチリです。

 26歳の目標は「三役に上がること」。学生時代からのライバルで名古屋場所では初優勝した同期の関脇御嶽海に、追いつけ追い越せの精神で新三役を狙います。意気込みを語って話を締めたと思いきや「場所中だから忘れられがちなので…」とポツリ。来年はたくさんの祝福をお待ちしているようです。

夏はスイカよりメロン/8月16日 朝乃山

メロンへの愛情を、目いっぱい表現したのは朝乃山関(24=高砂)です。

「自分にとっては、夏といえばスイカよりもメロンです。特に夕張メロンが大好きです」。こう断言したのは7月の名古屋場所千秋楽、取組後の支度部屋でした。11勝して敢闘賞を受賞し、表彰式などまでにできた時間を利用。依頼してから30分足らずで完成した絵を見ながら話してくれました。終盤まで優勝争いの渦中にいるなど、連日の緊張から解放された直後。それだけに、好物の甘いメロンを食べてリラックスしたいという、深層心理を表していたのかもしれません。

「メロンは昔から好きでした。(名古屋)場所中も4玉分ぐらい食べて、メロンパワーで乗り切りましたね」。連日の猛暑で食が細くなりがちな名古屋場所。体重を減らす力士も多くいました。好調を支える要因にもなった、好物への感謝も込めた絵になりました。

芸術家肌の問題作!?/8月15日 大翔丸

大翔丸関(27=追手風)は「バーベキューの帰り」というタイトル付きで、力強くサインペンで描いてくれました。

「絵の上の水色部分が川で、右にあるのが太陽、夕日です。その下のオレンジ色部分が河原。さらに下にある緑色は原っぱです」。川の中に太陽があるということ? そんな質問をすると「川と河原と原っぱを横から見たと思えば、川と同じ青い空の中の太陽ですし、上から見たと思えば川に映った太陽。見る人によってとらえ方が違っていいと思います」との回答。描いている最中は、周囲の関取衆に「これは問題作」と、いじられていましたが実は芸術家肌でした。

「小学生のころに、よく親戚とか知人とバーベキューに行っていたので、その景色です。おいしかったですし、川で遊んで楽しかったですね」。まだ帰りたくないという、当時の思い出が詰まった1枚でした。

家族で行った北海道の海/8月14日 旭大星

 故郷北海道の海を思い出して描いたのは、旭大星関(28=友綱)です。「網走とか留萌(るもい)の海には、小さいころから家族とよく行きました。海では釣りやバーベキューをやっていましたね」。釣りは父浩さんが好きだった影響で、サケやタラ、カレイまで釣っていたという本格的なもの。「今も釣りが好きなのは、北海道でおいしい魚をたくさん釣っていたから」と、海岸で釣った魚を一家だんらんで食べたのも、良い思い出と明かしました。

 「どこの海というのはないですけど、とにかく北海道の海をイメージして描きました。母とも一緒に行っていましたからね」。中学2年時に、母真由美さんをがんで亡くした旭大星関にとって、海で過ごした家族との時間は特別なものだったようです。同時に、6月に挙式・披露宴を行ったばかりの芳恵夫人と、海での新たな思い出ができることを心待ちにしていました。

大好物のスイカだけど1枚で我慢/8月13日 豊山

 7月の名古屋場所で12勝を挙げて優勝次点、初の敢闘賞を獲得した豊山関(24=時津風)は、夏らしいスイカを描きました。

 「名古屋場所の時に、後援者の方から何度も差し入れでいただき、ちゃんこの後に毎日食べていたのがスイカでした。スイカは子どものころから好きです」と、うれしそうに話してくれました。

 好物だけにたくさん食べるのかと思いきや、そうではなかったそうです。絵では左側に描かれている、薄めにカットされたサイズのものを連日1枚。「おなかを壊さないよう、食べ過ぎに注意していました」。コンディション維持を優先して自制し、自己最多の12勝を挙げる好調の源となったようです。

 「名古屋は名古屋なので、また次は一生懸命頑張るだけです」。スイカの季節ではなくなる秋場所(9月9日初日、東京・両国国技館)は、スイカの思い出を封印して切り替える決意も語っていました。

楽しみは出店のおいしいもの/8月12日 千代丸

 癒やされると話題の笑顔と、大きな腹で人気の千代丸関(27=九重)が描いたのは、今年の巡業先の出店で購入した食べ物です。

 レモン味のかき氷にフランクフルト、焼き鳥。「巡業では出店で、おいしいものを見つけて食べるのが何よりも楽しみ。だから自分で買いに行きます。多い日は、付け人の分も合わせて8000円分ぐらい買ってしまいます。他にも焼きそばとかフライドポテトも好き。昔から地元のお祭りでも、小遣いを握りしめて買いに行くのが好きでした」と、目を輝かせていました。

 どれだけの量を食べるのかたずねると「自分は部屋でも1、2を争うぐらい食べないです」と、半笑いで回答。すかさず隣にいた千代の海関から「これ完全にウソですから」と、ツッコミを入れられると、たまらず大笑いしていました。真偽のほどは最後まで明言しませんでしたが、あのおなかを見れば一目瞭然です。

ブラジルと気候似てるハワイ最高/8月11日 魁聖

 関取衆屈指の美術センスを誇る魁聖関(31=友綱)が描いたのは、ハワイのワイキキビーチです。「先代の(友綱)親方(元関脇魁輝=現大島親方)のころから4、5回、部屋のみんなでハワイに行ったことがあって、毎回楽しかったですね。暑いけど風が吹くと涼しくて(出身の)ブラジルに気候が似ていて最高でした」。海では泳ぐよりも、ビーチでのんびりしているのが大好き。パラソルの下で寝ているのが魁聖関で、横には大好物のコーラもしっかり描かれています。

 部屋のハワイ旅行は数年に1度のペースで、巡業のない2月か6月に、毎回5日程度の滞在で行われていたとのことです。「今年はハワイ旅行がなかったので残念です。行きたかったなぁ」。暑い季節が大好きな魁聖関でも今年は「暑すぎる」と苦笑い。暑すぎず湿気もなく、快適に過ごせるハワイへの、強い憧れを込めた1枚となりました。

石垣島に行きたかった/8月10日 御嶽海

今年最初に絵を披露するのは、7月の名古屋場所で長野県出身力士として初優勝した、関脇御嶽海関(25=出羽海)です。

 

注目度上昇中の若手実力派が描いたのは、笑顔の太陽が印象的な海。「優勝のご褒美に、(沖縄)石垣島に行きたかったという今の気持ちを描きました」。絵にはパラソルの下でのんびり過ごす人がいますが、現在の願望が込められているとのこと。それだけ初優勝までの道のりが険しく、心身ともにリフレッシュしたい気持ちが伝わる1枚になりました。

出身の長野県には海がなく、自分が長野県の人々にとって海のような、大きな存在になるという決意を込めて、しこ名に「海」を入れたといいます。「海にはあこがれというか、特別な思いがあります。そこから昇る太陽。夕日じゃなくて朝日です」。名古屋場所に続き、朝日のようなまぶしいほどの勢い、海のような大きな存在感を、早くも夏巡業から発揮しています。