アルバレス対ゴロフキン、ウシク対ジョシュア…この夏から秋にかけて注目カードが目白押し
サウル・カネロ・アルバレス(32=メキシコ)やアンソニー・ジョシュア(32=英国)ら、直近の世界戦で敗北を喫したトップ選手たちが8月から10月にかけて相次いで再起戦やリベンジマッチを予定している。彼らにとっては背水の陣で臨む戦いだが、決して楽観視できないカードが並んでいる。
先陣を切るのはライト級の元4団体統一王者、テオフィモ・ロペス(24=アメリカ)だ。今月13日(日本時間14日)、アメリカのネバダ州ラスベガスでWBO世界スーパー・ライト級11位のペドロ・カンパ(30=メキシコ)と対戦する。ロペスは2020年10月にワシル・ロマチェンコ(34=ウクライナ)を破って王座統一(WBCはフランチャイズ王座)を果たしたが、昨年11月にジョージ・カンボソス(29=オーストラリア)に不覚の判定負けを喫して4本のベルトを失った。無冠に戻ったのを機に1階級上のスーパー・ライト級に転向することになり、今回は新階級でのテストマッチでもある。戦績はロペスが17戦16勝(12KO)1敗、カンパが36戦34勝(23KO)1敗1分。
8月20日(日本時間21日)、サウジアラビアのジッダではオレクサンダー・ウシク(35=ウクライナ)対ジョシュアのWBAスーパー、IBF、WBO世界ヘビー級タイトルマッチが行われる。両者は昨年9月、今回とは逆の立場で対戦し、技巧派サウスポーのウシクが12回判定勝ちで3団体王座を奪った。中盤から後手にまわったジョシュアは最終回にはスタミナも切れてダウン寸前に追い込まれるほどの完敗だった。その印象が強いためか再戦のオッズは8対5でウシク有利と出ている。戦績はウシクが19戦全勝(13KO)、ジョシュアが26戦24勝(22KO)2敗。
9月17日(日本時間18日)にはアルバレスがラスベガスでゲンナジー・ゴロフキン(40=カザフスタン)との第3戦に臨む。両者は2017年と2018年にミドル級で2度拳を交え、初戦は引き分け、再戦はアルバレスが判定勝ちを収めた。しかし、「2試合ともゴロフキンが勝っていた」という意見も多く、長いこと決着戦が待たれていた。現在、アルバレスはスーパー・ミドル級の4団体統一王者だが、5月に1階級上のライト・ヘビー級で判定負けを喫しており、これが再起戦となる。一方、4月に村田諒太(36=帝拳)に9回TKO勝ちを収めたゴロフキンはミドル級のWBAスーパー王座とIBF王座を持ったままアルバレスの持つスーパー・ミドル級王座に挑むことになる。戦績はアルバレスが61戦57勝(39KO)2敗2分、ゴロフキンが44戦42勝(37KO)1敗1分。オッズは4対1でアルバレス有利に傾いている。
今年2月、フェルナンド・マルチネス(31=アルゼンチン)に判定負けを喫し、5年5カ月の長期政権に終止符を打つことになった前IBF世界スーパー・フライ級王者のジェルウィン・アンカハス(30=フィリピン)は、マルチネスとの直接再戦に臨むことになった。試合は10月8日(日本時間9日)、アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで予定されている。戦績はアンカハスが37戦33勝(22KO)2敗2分、マルチネスが14戦全勝(8KO)。
ロペスの項で名前が出てきたカンボソスは6月、WBC王者のデビン・ヘイニー(23=アメリカ)に12回判定負けを喫し、WBCフランチャイズ王座を含め4本のベルトを失った。その試合契約に再戦条項があったため、10月16日にヘイニーとダイレクトリマッチに臨む。初戦ではヘイニーのスピードと技巧の前に闘志を空転させられて完敗を喫しているだけに、カンボソスにとっては厳しい戦いが予想される。戦績はヘイニーが28戦全勝(15KO)、カンボソスが21戦20勝(10KO)1敗。試合は初戦と同じくオーストラリアのメルボルンで行われる。
ロペス対カンパ、ウシク対ジョシュア、アルバレス対ゴロフキン、マルチネス対アンカハス、ヘイニー対カンボソス-これら夏から秋にかけて組まれているカードに要注目だ。