イギリスでフェザー級世界戦が同日2試合 メキシコ人王者がイギリス出身者を迎え撃つ構図
27日(日本時間28日)、イギリスでフェザー級の世界タイトルマッチが2試合行われる。マンチェスターではマウリシオ・ララ(25=メキシコ)対リー・ウッド(34=イギリス)のWBAタイトルマッチが組まれており、北アイルランドのベルファストではルイス・アルベルト・ロペス(29=メキシコ)対マイケル・コンラン(31=イギリス/アイルランド)のIBFタイトルマッチが挙行される。2試合ともメキシコ人王者がイギリス出身者を迎え撃つ構図だ。
ララとウッドは今年2月にノッティンガム(イギリス)で拳を交え、6回までは58対56、58対56、59対55とジャッジ三者ともウッド優勢と採点していた。そんななか7回にララが相打ちの左フックでダウンを奪い、カウント途中でウッド陣営が棄権のタオルを投入したため試合終了となった経緯がある。ダウンから立ち上がって戦闘意欲を見せていたウッドはもちろんのこと、観客も消化不良だったはずだ。
リマッチは初戦から100日足らずで実現するわけだが、今回もララは相手国に乗り込むことになった。それでも初戦で奪った鮮やかなダウンがファンの目に焼き付いているのか、オッズは5対2でララ有利と出ている。中近距離で持ち味を発揮する攻撃型のララ、左で牽制しておいて右に繋げる正統派のウッド。今回も序盤から熾烈な主導権争いが展開されそうだが、パワーで勝るララが打たれ脆い前王者を返り討ちにする可能性が高そうだ。戦績はララが29戦26勝(19KO)2敗1分、ウッドが29戦26勝(16KO)3敗。
ララ対ウッド戦が行われるマンチェスターから北西に300キロほど離れた北アイルランドのベルファストでは、ロペス対コンランのIBF世界フェザー級タイトルマッチが組まれている。昨年12月、イギリスのリーズで地元のジョシュ・ウォーリントン(イギリス)に競り勝って王座を獲得したロペスにとっては初防衛戦となる。こちらも2試合続けてイギリスのリングに上がるわけだ。戦績は29戦27勝(15KO)2敗。
挑戦者のコンランは2012年ロンドン五輪で銅メダルを獲得するなど輝かしいアマチュア実績を誇り、プロでも19戦18勝(9KO)1敗の戦績を残している。唯一の敗北は昨年3月、WBA王者だったウッドに逆転の12回TKO負けを喫したもの。このときは初回にダウンを奪ったものの終盤にガス欠に陥り、最終回にリング外に叩き出されるダウンを喫して敗れている。以後は古豪相手に2連勝を収めている。左右どちらの構えでも戦えるスイッチヒッターで、攻撃的なスタイルだけでなく迎え撃つ戦法もとれるのが強みだ。
ロペスは変則的な動きから振りの大きな左右フックで迫るものと思われるが、これに対しコンランが打撃戦を挑むのか、それとも迎撃スタイルを採るのか注目される。地の利があるコンランが試合10日前の時点のオッズでは20対19の微差で有利と出ている。
ふたりのメキシコ人王者が今回も逞しさを見せつけるのか、それともイギリス出身者が地元のファンの前でベルトを獲得するのか。特にIBFでは阿部麗也(KG大和)が指名挑戦者として控えているだけに気になるところだ。