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リングにかける男たち

アイスリボン女性ファン獲得へサービスも試合も魅力

アイスリボン弓李生誕祭のメイン「お菓子デスマッチ」。酢いかのボトルを星いぶきの鼻におしつける柊くるみ(撮影・高場泉穂)

「リングにかける男たち」という題のコラムコーナーですが、今回は女子プロレスと女性ファンについて記したいと思います。

先月28日、プロレス好きの女性の友人に誘われ、女子プロレス団体「アイスリボン」の道場マッチを見に行きました。プロレス担当となり半年がたちましたが、これまで取材機会はなく、道場へも行ったことがありませんでした。一人の客として、3000円のチケットを購入し、参りました。

JR西川口駅を降り、線路沿いの暗い道を10分ほど歩くと、道場入り口の蛍光灯の光が見えてきます。平日の夜。悪さをしているようなワクワクした気持ちで中に入りました。驚いたのは、私たち女性2人組に対する並々ならぬおもてなしでした。見渡すところ大半が常連とみられる男性ファン。その中で受け付けを済ますと、スタッフの方が「女性の方が通ります!」と通路を空け、最前列へと通してくれました。

試合が始まっても、サービスは続きます。第1試合のタッグマッチでは見目麗しいジュリア選手、テキーラ沙耶選手とハイタッチ。大量の菓子を凶器に使用したメインの「お菓子デスマッチ」では、セコンドの星ハム子選手が近くにいる私たちにふ菓子やじゃがりこを「食べます?」と分けてくれました。狭い道場だからこそだったかもしれませんが、選手との距離の近さにぐっと心をつかまれました。

そうしたサービス抜きで、試合自体も見応えあるものでした。試合形式は、3分ごとにタッグパートナーを入れ替えるという「変則タッグマッチ」、出場3人が弓李選手の衣装を着て試合する「弓李なりきりマッチ」など多才。特に前述の「お菓子デスマッチ」は、特に面白く、菓子がリングに散らばるさまは前衛的ですらありました。酢いかのボトルを鼻に押しつける攻撃は本来のデスマッチに勝るとも劣らない激しさがありました。魅力的な選手も多く、雪妃真矢選手の美しさにほれぼれし、入場曲に戸川純を使う松本都選手のアングラ感と素晴らしい受けにも感銘を受けました。美人、かわいい、キッチュ、ぽっちゃりなどさまざまなキャラの選手がそろい、推し選手を見つけるのもいいと思います。

私自身は、アイスリボンの道場マッチはコアなファンが多いと以前から耳にしていたため、身構えて道場に乗り込みました。しかし、排他的な雰囲気は一切なく、むしろ楽しめました。

まるで「覆面調査」のようになってしまいましたが、ぜひ記事にしたいと思い、女性ファンへのサービスについてアイスリボンに問い合わせると広報の方から以下、丁寧な返答が送られてきました。

「道場マッチは自由席となります。基本は、チケットの購入順の整理番号で、好きな席に座れます。早く前売りを買った方が、好きな席を確保出来る。その中で、女性、女性を伴う男性(1人に1人)、中学生以下のお子様をお連れの方は整理番号に関係なく、優先的に着席が可能となっています。これは、今の道場が出来る前から(09年道場設立以前から)行っています。その他、後楽園ホールや横浜文体といった大箱での大会では、レディースシートとして、割引(&記念品進呈の場合もあり)を行っています。女性ファンの割合は1割に満たない状態です。(ニコニコの動画視聴などでも、女性2割に満たないなど、圧倒的に男性が多い状況)。そのために、女性に来て欲しいと、ずっと(サービスを)行っていますが…。(客席の雰囲気もありますし、またレスラーに憧れて目指す女性が出て来ないとダメなので)。ここ数年のプ女子もあり、若干増えましたが、劇的な増加は無いです。以前にTBSの番組企画で、女性限定の興行を行ったのですが、その時の会場の盛り上がりなどすごかったので、コンテンツ的には、女性(プ女子)にも受け入れられるとは思っています。とにかく、見てもらう、会場に来て欲しいと思います」

確かに、新日本、全日本、ノアなど男性のプロレス団体の客席には女性ファンが多数いますが、アイスリボンに限らず女子プロレスの興行で女性ファンの割合は私の見た目でかなり少ないです。

美しく、激しく戦う女性を見て燃える(萌える?)心情は男性、女性関係ありません。かつて長与千種とライオネス飛鳥の「クラッシュギャルズ」は、熱狂的な女性ファンに支えられていました。アイスリボンの方が言うように、とにかく一度見ればはまる方も少なくないでしょう。「リングにかける女たち」に女性が熱狂する。そんな風景がもっと増えることを期待します。【高場泉穂】

アイスリボン弓李生誕祭のメイン「お菓子デスマッチ」の途中で、セコンドの星ハム子からもらったふ菓子(撮影・高場泉穂)

大相撲裏話

白鵬破ってこそ世代交代 若手とのせめぎ合い楽しみ

横綱白鵬

大関貴景勝(22=千賀ノ浦)がケガから復帰してかど番脱出なるか、番付発表前の現時点で三役候補の阿炎(25=錣山)、竜電(28=高田川)、朝乃山(25=高砂)ら上位総当たりの有望株がどんな活躍を見せるか、小兵の炎鵬(24=宮城野)は土俵狭しと動き回り幕内の座を守れるのか-。大相撲名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)も見どころは満載。その中の1つに、横綱白鵬(34=宮城野)の復活優勝成るか-もある。現時点で出場の明言はないが、名古屋に向け前向きに調整を進めている。

史上最多を独走する42度の優勝を誇る白鵬だが、最近5度の優勝のうち4度は、前場所を休場(途中休場3)して成し遂げている。本来なら1度しか使われないであろう「復活劇」の言葉も、白鵬の場合、毎度おなじみのフレーズになっている。白鵬の強さを如実に表しているのか、蛇ににらまれたカエルのような他力士の力のなさか-。どちらとも言えるような状況だ。

“勤続疲労”もあり、若い頃よりケガをしやすくなり、また回復が遅くなることもあり、無理を避けている。結果が求められる横綱として土俵に上がる以上、ぶざまな姿は見せられないから慎重にもなるだろう。しっかり治して土俵復帰するのは当然。その上で賜杯を手にし続けている。

こんなデータもある。昨年1月の初場所から、令和最初の場所となった今年5月の夏場所までの9場所で何と、初優勝力士が5人も誕生した。栃ノ心、御嶽海、貴景勝、玉鷲、朝乃山で、いずれも関脇以下。そして全てに共通するのは、白鵬が休場している場所ということだ(全休2、途中休場3)。鬼の居ぬ間の何とやら…ではないが、白鵬不在の場所は何かが起こる。逆に言えば残された横綱、大関陣のふがいなさが浮き彫りになっている。

私が以前に相撲担当だったころにも、同じような展開があった。91年名古屋場所から93年春場所までの11場所で、いずれも三役以下の6人もの初優勝力士を輩出した。ただしこの間、番付上からも不在の場所もあるなど、千代の富士のような絶対的な壁となる横綱がいなかった。

休場が相次ぐとはいえ、依然として孤高の横綱として君臨し、若手の壁として立ちはだかり続ける白鵬。その壁をブチ破ってこそ、真の世代交代はやってくる。並み居る挑戦者たちを蹴散らすのか、絶対王者の牙城を崩すのか、そのせめぎ合いが見たい。【渡辺佳彦】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

原功「BOX!」

井上はドネアと WBSS3階級の全決勝カード決定

15日(日本時間16日)にラトビアの首都リガでクルーザー級のダブル世界戦が行われ、WBOタイトルマッチでマイリス・ブリエディス(34=ラトビア)が3回TKO、IBF暫定王座決定戦ではユニエル・ドルティコス(33=キューバ)が10回KOでそれぞれ勝利を収めた。この2試合は最強決定トーナメント、「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」のクルーザー級準決勝も兼ねていた。これにより井上尚弥(26=大橋)が勝ち残っているバンタム級を含め、実施されている3階級の全決勝カードが決まった。

WBSSは17年9月に欧米の有力プロモーターが提携してスタートした賞金トーナメントで、シーズン1ではクルーザー級とスーパー・ミドル級の2階級で実施された。両階級とも世界王者を含む実力者8選手がエントリー。クルーザー級では3試合を勝ち抜いて4団体王座を統一したオレクサンデル・ウシク(32=ウクライナ)、スーパー・ミドル級では決勝でWBA王座を獲得したカラム・スミス(29=英国)が優勝した。

シーズン2はバンタム級、スーパー・ライト級、そしてクルーザー級の3階級で実施され、昨年10月に始まった。そのオープニング・イベントでは井上が元王者のファン・カルロス・パヤノ(35=ドミニカ共和国)を芸術的な右一発で70秒KO。今年5月の準決勝ではIBF王者のエマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)から3度のダウンを奪って2回KO勝ち、決勝に駒を進めている。このバンタム級では、もう一方の櫓を5階級制覇王者のノニト・ドネア(36=比)が勝ち上がってきた。

この井上対ドネアを含む決勝3カードは以下のとおりだ。

<バンタム級>

WBA&IBF王者井上尚弥(26歳=大橋 18戦全勝16KO)対WBAスーパー王者ノニト・ドネア(36歳=比 45戦40勝26KO5敗)

<スーパー・ライト級>

WBA王者レジス・プログレイス(30=米国 24戦全勝20KO)対IBF王者ジョシュ・テイラー(28=英 15戦全勝12KO)

<クルーザー級>

WBO王者マイリス・ブリエディス(34=ラトビア 27戦26勝19KO1敗)対IBF王者ユニエル・ドルティコス(33=キューバ 25戦24勝22KO1敗)

3階級とも世界王者同士の統一戦となる。井上対ドネアは新旧スター対決、プログレイス対テイラーは米英の全勝対決、クルーザー級はラトビア出身者対キューバ出身者のカードとなる。

決勝戦は10月~12月の間に行われる可能性が高いが、時期だけでなく開催地も未定だ。

主催者側の発表が待ち遠しい。

リングにかける男たち

39年前フレーズだけで高揚「熊殺し」に感謝の意

80年2月、異種格闘技戦でアントニオ猪木(左)にハイキックを浴びせるウィリー・ウィリアムスさん

空手家ウィリー・ウィリアムスが他界した。

80年2月、39年前か。中学の教室は大騒ぎやった。

「そんなん猪木が勝つに決まってるやんけ」

「アホ! 極真が負けるか」

ウィリー・ウィリアムスVSアントニオ猪木の格闘技世界一決定戦を前に、クラスメートのテンションは異常に高かった。私はプロレスに目覚める前で、どちらかと言えば“空手派”やったけど、別にどっちゃでも…という程度で話に加わってた。ただ、あのフレーズには仰天した。

「ウィリーは熊殺しやねんぞ」

熊? ウソやろ?

「知らんの? 映画見てへんの?」-。

いや、見てへんけど…。

極真空手の創始者・大山倍達が“牛殺し”で“ゴッドハンド”と呼ばれていることを、その後に知った。「牛と来て、熊かい」と思った。後年、漫画「グラップラー刃牙」でフルコンタクト空手「神心会」総帥愚地独歩(おろち・どっぽ)に“虎殺し”いうエピソードが登場するけど、これは完全に牛→熊の流れでしょう。

熊殺し。異名としては最強クラスやがな。要は人間離れ。愚地独歩かて「誰も信じちゃくれねえって」と言いふらしてませんから…あ、漫画やけど。ただ、ほんまならすごい、とんでもない。当時はインターネットがなかった。検索サイトも、動画サイトもなくて、情報源と言えばほぼ活字。それも東スポ以外は月刊雑誌やった。「どうやって殺したんや。とどめは拳? ひじ? 膝か?」と想像がふくらんだもんです。

だから、おもしろかった。フタを開けてみんとわからんから、テレビ中継をドキドキして見た。リングサイドは、新日本プロレスと極真空手の両陣営が殺気立って一触即発状態やった。「こんなん公開げんかやないか」と見てる方も興奮する。ほんまに手に汗握ってました。

これから先、あんな思い、ときめきはもうないでしょうね。情報があふれかえって、スマートフォン(多機能携帯電話)をちょちょっと触ったら、何でもわかる。それはそれで便利やけど、どっちが幸せなんかは微妙ちゃいますかね。昔話で、うなぎを焼くにおいをかぐだけで、飯を食うっちゅうのがありますが、それと似てるかな。その試合があるという情報だけで楽しむ。推理して、イマジネーションを妄想レベルに膨らませ、堪能する。それは超絶のエンターテインメントです。

昭和を生きたオッサンをワクワクドキドキさせてくれた。「熊殺し」なるフレーズは、ロマンの極み。ウィリー・ウィリアムスさん、ありがとうございました。(敬称略)

【加藤裕一】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

80年2月、アントニオ猪木(左)と握手をかわすウィリー・ウィリアムスさん
大相撲裏話

「土俵でしっかり相撲を取る」旬な明生は上位陣狙う

明生(2019年3月12日撮影)

日刊スポーツが行った人気力士アンケート「第8回大相撲総選挙」が終わった。トップ5に「稀勢の里」世代のベテラン3人が入ったが、旬な若手力士も軒並み上位にランクインした。貴景勝、炎鵬、朝乃山…。その中で、明生(23=立浪)が9位と躍進した。西前頭7枚目だった5月の夏場所で、自身幕内初となる2桁白星を挙げたホープには「真っ向勝負が好き」「豪快で正攻法な取り口に好感が持てる」など読者の声が寄せられている。きれいな四股を評価する声や、故郷の奄美大島からも多数の票が集まった。

11年夏場所で初土俵を踏んだ中卒たたきあげ。茨城・つくばみらい市の部屋から「つくばエクスプレス」を利用して会場入りする。電車では「座れることもあるし立ってることもある」。今場所、15日間で稽古場に降りた回数は片手で数えるほど。部屋から会場まで片道1時間半かかる移動負担を考慮しているという。師匠の立浪親方(元小結旭豊)の指導は「自分のやりたいようにやって伸び伸びやらせてもらっている。ありがたい」と明生。一方で巡業では毎回のように土俵に上がり、激しい稽古を行う。「自分は稽古で強くなってきた。普段はめったにできない方ばかり。体を休めることも大事だけど、毎日やり続けることが1番大事」。夏場所前は千賀ノ浦部屋に出稽古して、1歳年下の大関貴景勝と肌を合わせた。10番以上取って1勝も挙げられなかったが「強い人とやることに意味がある」と言い切った。

たたき上げらしく、派手な発言を口にしない。「(取組直後の)支度部屋で(記者に)『今日の狙いは?』と聞かれても、正直答えたくないときもある。そこは勝負の世界なので。いろんなことをしゃべって…という力士もいるけど、自分はそうじゃなくて、まずはしっかり土俵でしっかり相撲を取るタイプだと思うし、そういう力士でありたい」。

名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)では前頭5枚目以内に番付を上昇させることが濃厚。「もっと番付を上げて、もっと強い相手とやりたい」。上位陣との対戦が予想される来場所へ、23歳のホープは野心を隠さなかった。

【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

原功「BOX!」

風雲急告げるヘビー級 フューリーは存在感示せるか

ヘビー級の元3団体統一王者、タイソン・フューリー(30=英)が15日(日本時間16日)、米国ネバダ州ラスベガスでWBO2位、IBF8位のトム・シュワルツ(25=独)とノンタイトル12回戦で拳を交える。フューリーは昨年12月、WBC王者のデオンタイ・ワイルダー(33=米)に挑戦したが、2度のダウンを喫して引き分けという結果に終わっている。試合後、フューリーは米国のトップランク社とプロモート契約を交わしており、これが新たな環境での再出発戦となる。3団体統一王者のアンソニー・ジョシュア(29=英)が敗れるなど風雲急を告げる状況の最重量級で、フューリーは存在感を示すことができるのか。

つい1カ月前まで、ヘビー級は41戦40勝(39KO)1分けのWBC王者ワイルダー、WBA、IBF、WBO3団体の王座を持つ22戦全勝(21KO)のジョシュア、そして28戦27勝(19KO)1分の元3団体王者フューリーが「3強」と呼ばれ、近い将来の頂上決戦が期待されていた。

そうしたなか5月18日、ワイルダーが12年ロンドン五輪戦士のドミニク・ブリージール(33=米)を右一発で137秒KOに仕留め、9度目の防衛を果たした。V8戦ではフューリーと引き分けたワイルダーだが、スピードと強打が健在であることを強烈にアピールした試合だった。6対1のオッズ以上の力量差を示したといえる。

ところが、その2週間後の6月1日、米国ニューヨークのリングで大番狂わせが起こった。米国初登場のジョシュアは16対1という賭け率で圧倒的有利と見られていたが、なぜか初回から慎重をとおり越して自信のなさそうな戦いぶりだった。3回に先制のダウンを奪ったが、33戦32勝(21KO)1敗のアンディ・ルイス(29)の反撃を受けて同じ回にジョシュア自身が2度ダウン。7回、再び2度のダウンを奪われてTKO負けを喫したのだ。主役の王座陥落でヘビー級は一気に混乱状態に陥ったといっていいだろう。

口の悪さに定評のあるフューリーだが、自身が薬物やアルコールに逃げた過去を思い出したのか「俺らはみんな行ったり来たり(勝ったり負けたり)なんだ。ヘビー級だからこういうこともある。いったん休んで、それから戻ってくればいいさ」とライバルを思いやった。

次は、そのフューリーの出番だ。フューリーは身長206センチ、体重125キロという巨漢だが、意外にも動きは軽快で構えを左右にチェンジする器用さも持っている。ワイルダー戦ではポイントでリードしていながら最終回にダウン。立ち上がって最後まで戦い抜いたが、王座を取り戻すことはできなかった。それでも「フューリーが勝っていた」という声は多く、本人も「リマッチが実現すれば間違いなく俺が勝つ」と息巻いている。

相手のシュワルツは24戦全勝(16KO)のレコードを持つホープで、地域王座を防衛しながら上位に進出してきた。正面から圧力をかけながら飛び込んで放つ右はなかなかパワフルだ。しかし、世界的な強豪との対戦経験に乏しく、米国のリングは今回が初めてとなる。体格やスピード、経験、テクニックなどで勝るフューリーが圧倒的有利と見られており、オッズは33対1と出ている。

フューリー対シュワルツはノンタイトル戦だが、注目度は世界戦に準じたものといっていいだろう。ジョシュア対ルイスのような歴史的番狂わせが再び起こるようだとヘビー級は大混乱状態に陥ることになる。それをフューリーが止めるのか、それともシュワルツがトップ戦線に割って入るのか。15日(日本時間16日)、ラスベガスのリングに要注目だ。

リングにかける男たち

拳王と人生の師弟対決 浮かび上がるそれぞれの人生

宮本を下し2度目の防衛に成功したGHCヘビー級王者拳王(2018年2月2日撮影)

プロレスリング・ノアの拳王(34)が、5月28日の後楽園大会で、恩師・新崎人生と対戦した。明大の日本拳法部で、全日本選手権2連覇と活躍した拳王を、プロレス界に導いたのが人生だった。同じ徳島県の出身で、人生のスカウトによって拳王はみちのくプロレスに入団。プロレス人生のスタートを切った。

拳王というリングネームをつけてくれたのも、人生だった。みちのく入門前に拳王から相談を受けた人生は、みちのくではなく、新日本、全日本、ノアなどのメジャー団体入団を勧めたという。拳王の将来性を高く買っていたからだ。その後、拳王がノアへ移籍するときも、背中を押してくれた。17年に拳王がGHCヘビー級王者になったときも喜んでくれたという。拳王にとって、ノア入団後初めてとなる人生との対戦は、その成長ぶりを恩師に見せるリングでもあった。

対戦が決まってから拳王は「人生の首を取る」などと挑発を繰り返した。リング上では、ゴングが鳴る前から拳王が人生の元に歩み寄り、胸を反らせて一触即発の緊張感を醸し出した。試合が始まると、拳王の左ハイキックと人生の地獄突きの応酬が、会場を熱狂させた。

試合後は、人生が珍しくマイクを握り「拳王、オレの首を取るとか、取らないとか言っているらしいじゃないか。まだ、52歳なんだよ。あと20年ぐらい待ってくれ」と拳王を挑発。拳王は「今すぐにでも、倒してやるからな」と気持ちを高ぶらせた。

インタビューが終わった後、拳王に話を聞いた。「人生さんは自分をプロレスの世界に入れてくれた人。みちのく時代以来、5年ぶりぐらいの対戦ですかね。これこそ、プロレスの醍醐味(だいごみ)ですよ。お客さんにも、プロレスってこんなに面白いというところが見せられたと思います」と、晴れ晴れとした顔で話していた。師匠の人生との対戦を心の底から喜んでいた。戦いの中に人生があるから、プロレスは多くの人を引きつける。拳王と人生の師弟対決はこれからも続く。【桝田朗】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

「拝み渡り」を決める新崎(2018年06月24日撮影)
大相撲裏話

トランプ氏“狂騒曲”で気になった幕内力士土俵入り

国技館入りした米国のドナルド・トランプ大統領にカメラを向ける観客たち(2019年5月26日撮影)

酒屋の息子です。40年ほど前、中学生のころからお中元、お歳暮の季節には手伝いで店に出たり、軽トラの助手席に乗って配達にも出てました。

「いらっしゃいませ」「毎度おおきに」「またよろしくお願いします」。おやじも、おふくろも何かにつけて腰を折って頭を下げる。それをまねてたけど、時には頭に来るお客さんもおって、あいさつもそこそこにブーたれた顔をすると、きまってしかられた。

「おまえな、お客さんやぞ。お金払ってウチのもんを買ってくれるねんぞ」

三波春夫さんやないけど「お客様は神様です」を知らん間にたたき込まれてた気がします。

夏場所の千秋楽は騒がしかった。場所の締めくくりやし、振り返りと、来場所に向けての抱負を聞きたいから、それだけでもバタバタする。加えてトランプさんが来たりしたもんやから、いつもと段取りがちょっと違ったりして、妙にテンポが悪かった。

しかしまあ、それは内輪の話です。なんと言っても「国賓」「米国大統領」やから、取組の進行とかに少々影響があっても仕方ない。一緒に来た安倍首相が入場時に笑顔で手を振ってたんは政治宣伝みたいでどうか、と思ったけど、トランプさんの米国大統領杯授与、「アサノヤマ、ヒデッキ」「レイワーワン」は確かに盛り上がった。興行的にも見せ場でした。そんな“狂騒曲”の中で、とても気になったことがあります。中入り前、幕内力士土俵入りを多くのファンが見れんかったことです。

ちょうど支度部屋にいました。テレビ画面を見たら、国技館の入り口から隣のJR両国駅方面へ、まだ長蛇の列ができとった。気温は30度超。季節外れの猛暑の中ですわ。「あの人ら、土俵入りを見れんがな」。米国大統領が来るから、入場時のセキュリティーチェックがけた違いに厳重になって、時間がかかった影響でしょうが、来場客への事前告知はそれほどなかったように思う。

満員御礼続きのプラチナチケットを必死に入手した人もおるやろうに。地方から出てきて、最初で最後になるかもしれん人もおるやろうに。もし、自分が客やったらどうやろう。「お金、返してもらえるんでしょ?」と入り口で嫌みの1つも口をついたんやないか。

日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、トランプさんと安倍首相の観戦に対して「光栄の至り」などとする談話を発表しました。相撲を広める使命を持つ公益財団法人のトップとしては、当然のことでしょう。ただ、もうひと言欲しかった。お客さんに「ご不便をおかけして、申し訳ありませんでした」と。それさえあれば、スッキリしたんですが。【加藤裕一】

原功「BOX!」

無冠となったゴロフキン 8日の再起戦は要注目

2010年から18年までの8年間に20度の防衛を果たした前世界ミドル級王者、ゲンナディ・ゴロフキン(37=カザフスタン)が8日(日本時間9日)、米国ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでIBF同級8位、WBC15位のスティーブ・ロールズ(35=カナダ)と対戦する。昨年9月、サウル・カネロ・アルバレス(28=メキシコ)との再戦で微妙な判定負けを喫して無冠になったゴロフキンにとっては、重要な再起戦となる。

ゴロフキンは40戦38勝(34KO)1敗1分の戦績が示すとおりの強打者で、アマチュア時代に04年アテネ五輪で銀メダルを獲得したように高度な攻防のテクニックも備えている。10年にWBAの暫定王座を獲得し、のちに正規王者からスーパー王者へと昇格。14年にWBC王座(当時は暫定王座)、15年にはIBF王座もコレクションに加え通算20度の防衛に成功した。これはバーナード・ホプキンス(米)と並ぶミドル級歴代最多防衛記録だ。また10年から17年にかけてマークした17連続KO防衛は、ウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)と並ぶ史上最長記録でもある。

3団体統一王者として一時代を築いたゴロフキンだが、4月で37歳になった。アルバレスに惜敗したことで商品価値は若干落ちたものの強打と知名度の高さは変わらない。こうしたなか今年3月、ゴロフキンは動画配信サービスのDAZNと3年契約を交わした。その金額は6試合で1億ドル(約109億円)と伝えられる。アルバレスとの第3戦が実現した場合は3000万ドル(約32億7000万円)の報酬が保証されるという。今回のロールズ戦は再起戦であると同時にDAZNと契約後の初戦となる。

相手のロールズは全米王座を獲得した試合を含め19戦全勝(10KO)の戦績を残しているが、世界的な強豪との対戦経験は少ない。両ガードを高めに置いて戦う右構えのボクサーファイター型で、パワーは平均の域を出ない。「ゴロフキン陣営がこの試合をチューンナップと考えていたら痛い目に遭う」とロールズ側は息巻いているが、よほどのことがない限り33対1のオッズはひっくり返らないだろう。極論をいえば、ゴロフキンがどんな勝ち方をするのか-それがこの試合の最大の焦点といえるかもしれない。

ただ、かつての無敵王者にとっても気の抜けない試合であることは間違いない。ゴロフキンはDAZNとの契約と前後して、戴冠試合と王座陥落試合を含め22度の世界戦をともに戦ってきたアベル・サンチェス・トレーナーと決別。新たにジョナサン・バンクス・トレーナーとコンビを組んだ。これが吉と出るか、あるいは凶と出るのか。コーナーの指示とチームワークに要注目だ。また、今回の試合がミドル級よりも4ポンド(約1・8キロ)重い164ポンド(約74・3キロ)契約で行われる点にも注目したい。これはスーパー・ミドル級(168ポンド≒76・2キロ)のWBA王座も持つアルバレスを意識してのことと思われる。ゴロフキンにとっては13年のプロ生活で最重量のウェートとなるが、はたしてパフォーマンスに影響があるのかどうか。

ミドル級では今月29日(日本時間30日)に米国ロードアイランド州プロビデンスでデメトリアス・アンドレイド(31=米)対マチエイ・スレツキ(30=ポーランド)のWBOタイトルマッチが組まれており、来月12日には大阪でロブ・ブラント(28=米)対村田諒太(33=帝拳)のWBAタイトルマッチが予定されている。それらの試合を前にゴロフキンはどんな戦いをして存在感を示すのだろうか。

リングにかける男たち

長期防衛王者の相次ぐ引退 井上尚弥と明暗くっきり

WBSSバンタム級準決勝で勝利した井上尚弥(2019年5月18日撮影)

今年に入って、ボクシング界の明暗がくっきりとなった。

井上尚弥が世界中から絶賛され、脚光を浴びる。一方で田中恒成と田口良一の日本人新旧王者対決を除くと、残りの日本人世界戦10試合はすべて負けた。井上岳志が敵地で強打王者に健闘といえたが、唯一の防衛戦の伊藤雅雪を含めて完敗。7試合が海外と敵地の壁を痛感させられた。

長谷川、内山、山中と、長期防衛王者が近年相次いで引退した。それとともにテレビ局のボクシング離れ傾向が顕著になった。そのため、王者を日本に呼んで挑戦する資金力が不足する事態になり、海外で挑戦が増えることとなった。

関東開催は後楽園ホールだけで、令和初開催は黒田雅之の6年ぶり世界再挑戦だった。観客は1930人。最近は1000人を切る興行も多い中で熱気はあった。ジムのある川崎、黒田の出身地稲城の両市長らが観戦し、Jリーグ川崎Fサポーターの応援歌熱唱にキャラクターも参戦。tvkで生中継もされた。

黒田が所属の川崎新田ジム新田■世会長は、試合ギリギリまで場内を動き回っていた。地域密着を掲げ、10年にはジム名に川崎をつけ、さまざま活動している。13年の黒田の世界初挑戦は、地元川崎市のとどろきアリーナで実現した。

今回は再挑戦に会場は小さくなったが、精力的にPR活動を繰り広げた。師弟の母校訪問、川崎FにBリーグ川崎の試合でもPRし、盛大に壮行会も開催した。黒田も初挑戦時の3倍近いあいさつ回りに同行したという。

会長は87年の横浜国大2年時にプロデビュー。学生結婚で子供2人を抱え、6年で卒業後に4度目の挑戦で東洋太平洋バンタム級を制し、国立大卒で初の王者になった。引退後は家族で米留学、会社勤めもへて、03年に学生時代に住んだ登戸にジムを開いた。

インテリボクサー上がりの苦労人。選手にあった目標を定め、私生活も含めて親身に指導する。低迷していた黒田には「最後はオレが見る。墓場担当」と担当トレーナーになった。12年からは日本プロボクシング協会事務局長も務め、袴田事件支援の中心でもある。練習に顔を出すのは週2、3日と多忙も、18番目に入門した黒田にかけた再挑戦だった。

黒田は今後について「からっぽ」と言った。隣にいた会長が「プロモーターは引退します」とつぶやいたのが耳に残る。井上のようなきらびやかさとは無縁で、まさに手作り感覚の世界戦。今も師弟でお礼のあいさつ回りが続く。リングでは見えない世界戦の難しさ、大変さ。令和の新王者はいつになったら生まれるのかと心配になる。【河合香】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

※■は渉の歩の「、」を取る

大相撲裏話

トランプ氏に見せたかった真の相撲とは何だったのか

19年5月26日、優勝した朝乃山(左)に「アメリカ合衆国大統領杯」を授与するトランプ大統領

「相撲はスポーツではない」。相撲界の人が、五穀豊穣(ほうじょう)を願う神事として、こう主張するのは納得できる。ただ、第三者からこのように指摘されると話は別だ。意味合いは違うが、例えば自分で「私なんかは未熟者です」と言うのと、人から「お前は未熟者だ」と言われるのでは、まったく異なる。それと同じような違和感を覚えたのは5月の夏場所千秋楽だ。

スポーツの枠を超えて、ニュースとして取り上げられたのが、国賓として来日していたトランプ米大統領の観戦。幕内最後の5番を観戦するため、ゆっくりと手を振りながら入場してきたシーンは大々的に報じられた。NHK総合の平均視聴率も、関東地区で26・3%と、最近10年間で最も高い数字をたたき出した。升席に置かれたイスで安倍首相と並んで観戦し、表彰式の土俵に上がる際には、特製の階段も用意された。初めて見る光景が続いた。米国大統領杯も新設され、トランプ大統領は「スモー グランドチャンピオン」と、優勝した前頭朝乃山をたたえた。日付に「レイワ、ワン」と、新元号を入れて表彰状を読み上げていた。

千秋楽の様子で、日米の友好関係はアピールされた格好となった。だが一方で、多くのスポーツが関係する「オリンピック憲章」では「オリンピック・エリアにおいては」と前置きしているものの「いかなる種類のデモンストレーションも、いかなる種類の政治的、宗教的もしくは人種的な宣伝活動は認められない」と記されている。スポーツにおける憲法ともいえる、オリンピック憲章で禁じている政治的な宣伝活動。オリンピック・エリアではないとはいえ、今回の観戦における一連の動きが、それに該当するのではないかと指摘する人は少なくないと思う。ただし「相撲はスポーツではない」という位置づけであれば、批判の声もかわせるかもしれないが…。

力士は早朝から稽古し、厳しい集団生活に身を置いて、時にはケガを負いながらも鍛錬を続けている。それでも五輪種目のアスリートとは別だと、政府のお墨付きで言われてしまうと、何ともいえない、やるせない思いを、部外者の私でさえ感じてしまう。どちらが偉いという問題ではなく、第三者が、今回の場合は政府が、平等に扱っていないことに、多くの国民も違和感を覚えているのではないだろうか。

トランプ大統領に見せたかったのは、伝統に裏付けられた相撲という日本独自の文化だったはずだ。伝統を支える様式美を、そのまま見せることが、最高のもてなしだったように思う。今後、もしも米国大統領の観戦が続くなら、または米国以外の国賓が大相撲観戦を希望するなら、そのたびにマイナーチェンジを繰り返し、元に戻ることができなくなるかもしれない。

千秋楽では、厳重なチェックにより、入場するのに長蛇の列ができた。入場に1時間半以上かかるなど、お目当ての取組を生観戦できなかった観衆は数知れない。政治的な話はしたくないが、今回のことで、その分、観戦できなかった相撲ファンがいたことは、国民一人一人に寄り添うという主張とはかけ離れている。多くのファンや関係者からは「もう、これっきりにしてほしい」と、ため息が漏れていた。【高田文太】

大相撲夏場所千秋楽 国技館に登場したトランプ米大統領(中央左)と安倍晋三首相(同右)(撮影・加藤諒)

原功「BOX!」

ジョシュア米国初登場 KOで頂上決戦へアピールだ

ヘビー級のWBA(スーパー王座)、IBF、WBOの3団体統一王者、アンソニー・ジョシュア(29=英)の通算7度目の防衛戦が6月1日(日本時間2日)、WBA5位、IBF15位、WBO11位にランクされるアンディ・ルイス(29=米)を相手に米国ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われる。5月18日には同じニューヨークでライバルのデオンタイ・ワイルダー(33=米)が右一発で1回KO勝ち、WBC王座9度目の防衛を果たしたばかり。近い将来に実現が期待されるワイルダーとの頂上決戦をアピールするためにも、米国初登場のジョシュアは豪快なKO勝ちを狙っていくことになりそうだ。

もともとジョシュアは、元キックボクサーで体重140キロ超の巨漢、ジャレル・ミラー(30=米)の挑戦を受ける予定だったが、4月になってミラーのドーピング違反が発覚。そのため対戦相手を変更する必要に迫られた。複数の候補が挙がるなか白羽の矢が立ったのが世界挑戦経験者のルイスだった。メキシコ系米国人のルイスは4月20日に元世界ランカーに5回終了TKO勝ちを収めたばかりだったが、降って湧いたチャンスに「YES」と返答。試合まで1カ月を切った5月初旬になって主催者から正式発表された経緯がある。

12年ロンドン五輪スーパーヘビー級金メダリストでもあるジョシュアはスピードとパワーを併せ持った正統派の強打者で、22戦全勝(21KO)のレコードを誇る。16年4月にIBF王座を獲得し、3度目の防衛戦では元V18王者のウラジミール・クリチコ(ウクライナ)に11回TKO勝ち。この勝利でWBAスーパー王者に認定され、さらに昨年3月にはWBO王者との統一戦で12回判定勝ち、3本目のベルトを手に入れた。クリチコ戦では約9万人の観衆を集めるなど英国では絶大な人気を集めているが、米国のリングは今回が初めてとなる。

挑戦者のルイスは身長とリーチが188センチ、体重は約118キロという寸胴体型で、ジョシュアよりも身長で10センチ、リーチでは20センチ劣るが体重では逆に5キロほど重い。全体的なスピードでは王者に及ばないが、繰り出すパンチは意外に速い。戦績も33戦32勝(21KO)1敗で、勝率、KO率とも高い。唯一の敗北は16年12月のWBO王座決定戦で惜敗(12回判定負け)したもので、以後は3連勝(2KO)を収めている。

「デストロイヤー(破壊者)」の異名を持つルイスを侮ることはできないが、体格に加え総合的な戦力で大きく勝るジョシュアが圧倒的に有利であることは間違いない。オッズは16対1と大差がついている。長くて正確な左ジャブで王者が距離を測り、得意の右ストレートでKO勝ち、という可能性が高い。ワイルダーとの対決に向け、ジョシュアがどうアピールするかがこの試合の最大の注目ポイントといえる。

なお、この日はダブル世界戦としてWBAスーパー・ミドル級タイトルマッチ、カラム・スミス(29=英)対アッサン・エンダム(35=カメルーン/仏)が組まれている。17年5月と10月に村田諒太(33=帝拳)とWBA世界ミドル級王座をかけて2度戦った元王者のエンダムは、勝てば2階級制覇となる。しかし、第1回「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」で優勝したスミスの牙城を崩すのは難しそうだ。戦績はスミスが25戦全勝(18KO)、村田との再戦で7回終了TKO負け後、再起戦で12回判定勝ちを収めているエンダムは40戦37勝(21KO)3敗。

リングにかける男たち

仕打ち騒動のその後 井上尚弥は最後まで模範的行動

父の真吾さん(左)がロドリゲス陣営に突き飛ばされたことを厳しい表情で振り返る井上尚弥(2019年5月21日撮影)

頭で思っていることを、そのまま態度に出すのは早計だろう。

18日に英スコットランド・グラスゴーで開催されたワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)準決勝で対戦した両陣営の言動が、試合結果に反映されていたように思う。

21日に帰国したWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)は日本に到着し、ほっとしたのだろう。羽田空港での取材で本音を口にした。

「グラスゴーではひと言も言わなかったですけど、メッチャ腹が立っていました。ぶっ倒してやると思いました」

決戦の4日前だった。IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)の公開練習中、井上の父真吾トレーナー(47)が写真撮影。その際、ロドリゲス陣営のウィリアム・クルストレーナー(28)から小突かれた。井上自らは公開練習前のため、その場に居合わせていなかったが、状況の報告を受けていた。ルール違反をしていない父への“仕打ち”に怒りを覚えていたことを明かした。

小突かれた真吾トレーナーは当時、相手陣営からのさらなる「プレッシャー」を警戒したという。「もしも」のことを想定し、同行していたWBC暫定王者拓真(23=大橋)にめがねを預けていたという。「試合に影響してはいけないので、自分がカリカリしないように心掛けていましたね。(井上が怒っていたとは)知らなかったです」。

公開練習での出来事のため、海外メディアも目撃。世界中にロドリゲス陣営の言動が拡散されていた。

試合当日。ロドリゲスの入場時、1万人近く集まったSSEハイドロの観客から大きなブーイングが巻き起こった。中立地のグラスゴーにもかかわらず、想像以上のヒールになってしまった。対照的に井上が入場すると、大歓声とイノウエコールが響き渡った。ベビーフェースVSヒールのコントラストが会場に浮かび上がった瞬間だった。

ゴング後、井上はロドリゲスからグイグイとプレッシャーをかけられた。前に出られた井上は珍しくロープ際まで追い詰められたが、ある意味、単調な攻撃でもあった。「会場の期待の大きさで力んでいた」井上は父の「リラックスして」という助言を受け、1分間のインターバルで対策を練りなおした。2回、カウンター気味の左フックでダウンを奪ってTKO勝利への流れをつかんでいった。

最初のダウンを奪った時の気持ちを、井上は冗談交じりに振り返る。

「相手トレーナーにアピールをしかけたぐらい。スポーツなので思いとどまりましたね」

胸にわき起こっていた気持ちは最後まで態度に出さなかった。

そして真吾トレーナーが総括する。

「(公開練習で)怒らせたり、試合でも(ロドリゲスが)前に出てきたり。あれが向こうの作戦ミスじゃないですか。だからあんなに早く終わっちゃった」

試合直後のバックステージ。ロドリゲス陣営のクルストレーナーから「グッドファイト」と真吾トレーナーは握手を求められたそうだ。お互いの健闘をたたえ合ったという。

「最後に仲直りできて良かったですよ」

WBAとIBFの無敗王者対決。たった1つのミスが流れを変え、現地ムードまでも一変させてしまう。そこを含めて高いステージの勝負だったのだろう。

帰国し、そう、あらためて感じる。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

リングにかける男たち

昨年は犬にかまれ欠場、中邑真輔胸躍る2年ぶり凱旋

WWE日本公演で乱入し、サモア・ジョーに松葉づえで襲いかかる中邑真輔(2018年6月30日撮影)

11カ月前とは、違っていた。6月28、29日に迫ったWWE東京公演(両国国技館)のPRのため、スマックダウン所属の元US王者中邑真輔(39)が一時帰国。26日に都内のホテルで日本メディアの取材に応じた。

4月に日清食品のCM撮影で帰国しており、開口一番に「今年、もう2回も帰国して家族からブーイングですよ。かむかむレモンのぶどう味を買ってってこいと。なぜにレモンなのにぶどう味みたいな(本当の商品名はかむかむ巨峰)」と笑わせた。

前回の帰国取材は昨年6月28日。WWE東京公演当日朝だった。その3日前の25日、米ベイカーズフィールド大会前、警察犬にかまれるアクシデントに見舞われ、ハウスショーとテレビ収録大会を欠場。当時は松葉づえ姿で帰国した。ドクターストップで東京公演は試合できなかったものの、リングに上がってサモア・ジョーやAJスタイルズらと絡み、日本のファンを満足させた。日本メディアの取材を受けたのも、中邑のプロ魂だった。当時はアクシデントの詳細は語らず、かまれた部分も足以外は最後まで口にしなかった。「らしくない」ピリピリ感に事態の深刻さを感じていたが、やはりその通りだった。今回の取材で、中邑は明かした。

「大変でしたよ。犬の件では。真剣ですよ。みます?」。そういって左足首裏などに刻まれた犬にかまれた傷痕をみせた。「この件も解決しました。ようやく。最近ですけれど」。

“訴訟の国”とも言われる米国。負傷の治療代をはじめ、今後の保障の問題など解決には相当な時間がかかった模様だ。「あれ以来、本当にジャーマンシェパードが怖くなちゃって。空港によくいるんですよ。なかなかの大きさなので。大人3人がかりでようやく口を開きましたからね」。

すべてが解決し、もう元通りの中邑に戻っていた。

「直前に今度は猫にでもかまれようかなあ」。

17年5月、NXTからスマックダウンに昇格してから初めて両国国技館で試合に臨む。第1日の28日にはユニバーサル王者セス・ロリンズに挑戦。29日の第2日にはWWE傘下のNXT時代にNXT王座を争ったロバート・ルードとのシングル戦が組まれた。

「両国はホームみたいなもの。楽しみでしようがないですね。控室でてっぽう柱を突いてから試合に出ますから」

実に2年ぶりとなる中邑の日本凱旋(がいせん)公演での試合に胸を躍らせていた。元通りに戻った「黒いアーティスト」が久しぶりにホーム両国国技館で王座に挑戦する。中邑だけでなく、こちらも楽しみでしようがない。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

6月のWWE東京公演に向けての意気込みを語る中邑真輔

大相撲裏話

富山県出身の朝乃山と横綱太刀山…どちらも温厚

優勝を決め関係者に拍手され鯛を持つ朝乃山、前列右は高砂親方(撮影・鈴木正人)

103年前、富山県出身力士で最後に優勝を果たした第22代横綱の太刀山(1941年、63歳没)は明治初期から大正初めまで「無敵の名をほしいままにしてきた」と、相撲博物館の資料に残されている。立ち合いから2発以内に土俵外へ持っていく猛烈な突っ張りは「四十五日」(1突き半=1月半)と表された。

圧倒的な実力を誇る一方で朝乃山と同様、温厚な性格だった。趣味は富士山を描くこと。好きなお酒は大正時代につくられていた「サクラビール」で、桜が日本の国花として武士道精神を表していると聞き、たしなむようになったという。

朝乃山にとっても縁のある名横綱だ。小4から2年間、太刀山の寄付で建てられた太刀山道場に通った。朝乃山の母校、呉羽小には廊下に、呉羽中では体育館内に優勝額が飾られるなど、地元の英雄的存在。初優勝を果たした25歳のニューヒーローは「優勝して飾ることになったらわくわくする」と、まんざらでもなさそうに話した。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

大相撲裏話

横綱DNA持つ琴鎌谷、重圧から逃げず新十両に前進

支度部屋へ引き揚げる琴鎌谷(撮影・河田真司)

横綱のDNAを持つ逸材が、新十両へ前進した。東幕下2枚目琴鎌谷(21=佐渡ケ嶽)が7番相撲で勝ち越しを決めて4勝3敗。3連勝から3連敗したが「師匠に『十両とか考えずラクにいけ』と言われて吹っ切れた」。父は師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)で、母方の祖父は元横綱琴桜。3代にわたって関取の座をつかむ勢いだ。

「先代は雲の上の存在だと思っている」と、偉大な祖父に敬意を払う。5歳から相撲を始めたが、小4で祖父が亡くなると、意識が一変。師匠は「先代が亡くなった直後に『埼玉栄中にいきたい』って言い出したんだよな」と明かす。親元を離れて、高校相撲の名門、埼玉栄高の付属中学への進学を決意。小5から自発的に地元のサッカークラブに入り、将来の角界入りに向けて下半身を強化した。

血筋を重圧に感じることもあった。中学、高校、入門当時と常に注目を浴びる日々。「勝つたびに周囲から言われて気にすることもあった。今は、他の人にはできない経験だと思えている。自分の実力で、自分を押し上げたい」。将来的な目標は、師匠と先代の番付に追いつくこと。道半ばだが、1歩前進した。【佐藤礼征】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

琴鎌谷(左)は押し出しで美ノ海を下す(撮影・小沢裕)
大相撲裏話

幕内初の「送り掛け」決まり手係も必要なプロの判断

大相撲夏場所9日目 照強は送り掛けで千代丸を下す(2019年5月20日撮影)

快挙の裏で、動揺も走っていた。9日目に照強が決めた「送り掛け」。01年初場所で決まり手として導入されて以降、十両以上では初めて飛び出した。

場内アナウンスを担当する行司は取組直後、「後ろに回り込んだから『送りなんとか』なのは間違いないんだけど…」と決まり手を決めかねていた。その時、幕内の決まり手係を務めていた甲山親方(元前頭大碇)から内線がかかってきた。「送り倒しでよろしく」。しかし、2番後に「送り掛け」と訂正。同親方はスロー映像を確認して、思い直した。「僕の完全な勘違いでした。その後、柔軟に対応できたのは良かったですけどね」。決まり手は、力士が勝ち名乗りを受け、土俵を下りた時に発表する。瞬時の判断が求められる。

甲山親方は決まり手係を務めて12年。幕内担当に就いて丸8年となる。約1時間30分、審判部内のビデオ室に1人で閉じこもり、4つの角度から映し出したスクリーンを凝視。協会が定める82手の決まり手が集約された本を、目の前に置いているが「全て頭に入っている」。1度は間違えたものの、プロフェッショナルを垣間見た。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

大相撲夏場所9日目、照強(左)は送り掛けで千代丸を下す(2019年5月20日撮影)
原功「BOX!」

伊藤雅雪、日本人初「米国で王座獲得&防衛」なるか

WBO世界スーパー・フェザー級王者の伊藤雅雪(28=伴流)が25日(日本時間26日)、米国フロリダ州キシミーで2度目の防衛戦に臨む。挑戦者は同級9位のジャメル・ヘリング(33=米)。12年ロンドンオリンピック(五輪)に米国代表として出場した経験を持つ長身のサウスポーだ。昨年7月に今回と同じキシミーで戴冠を果たした伊藤が王座を守れば、「米国で王座獲得&防衛」という日本人初の快挙となる。

これまでJBC(日本ボクシングコミッション)公認の日本のジム所属選手として91人の男子世界王者が誕生(5月18日現在)しているが、ボクシングの本場、米国で王座奪取を成し遂げた選手は5人しかいない。西城正三(協栄)、柴田国明(ヨネクラ)、上原康恒(協栄)、三原正(三迫)、そして伊藤だ。

このうちハワイで王座を獲得した柴田は同じ地で前王者との再戦に臨んだが、1回KO負けという結果に終わった。西城、上原、三原は日本でベルトを失っている。

一方、JBC傘下の日本人世界王者が米国で防衛戦を行った例は先の柴田を含めて7度あり、結果は3勝(1KO)4敗となっている。ちなみに3勝のうちの1KO勝ちは17年9月の井上尚弥(26=大橋)が記録したものだ。このほか亀田和毅(27=現協栄)が米国で2度の防衛を果たしているが、当時、亀田はJBCのライセンスを所持していなかった。

米国で世界王座の防衛に失敗した例として記憶に新しいのは昨年10月の村田諒太(33=帝拳)であろう。村田はボクシングの聖地ともいえるネバダ州ラスベガスでV2戦を行ったが、伏兵ロブ・ブラント(28=米)に大差の判定負け、WBA世界ミドル級王座を失った。なお、ブラントと村田は7月12日、舞台を大阪に移して再び拳を交えることになっている。

ところで、村田の防衛戦失敗を含め日本人ボクサーはこのところ米国で世界戦5連敗中でもある。今年に入ってからは高橋竜平(29=横浜光)がニューヨーク、井上岳志(29=ワールドスポーツ)がテキサス州ヒューストン、船井龍一(33=ワタナベ)がカリフォルニア州ストックトンのリングに上がったが、それぞれ11回TKO、12回判定、7回TKOで敗れている。伊藤には連敗ストッパーの期待もかかっているわけだ。

戦績は、V2を狙う伊藤が27戦25勝(12KO)1敗1分、初挑戦のヘリングが21戦19勝(10KO)2敗。KO率はともに48パーセントだ。ちなみにヘリングが喫した2敗はいずれもサウスポーが相手で、右構えの選手にはプロでは負けていない。これに対し伊藤の唯一の敗北は対サウスポーである。サンプルとしては少ないものの伊藤側にとっては嬉しくないデータといえる。勢いのある伊藤に分のあるカードとみるが、このあたりの相性が試合でどう出るか。

伊藤対へリングの前座では、江藤光喜(31=白井・具志堅)対ジェイビエール・シントロン(24=プエルトリコ)のWBO世界スーパー・フライ級挑戦者決定戦も組まれている。

伊藤、江藤の健闘を期待したい。

リングにかける男たち

エロとボケで…いつのまにか藤原組長ペース

インタビュー中、笑顔を見せる藤原喜明(撮影・垰建太)

下ネタは会話の潤滑油であるといわれるが、その日は油どころか、ほぼメインだった。先日、インタビューしたのは藤原組長ことプロレスラーの藤原喜明(70)。著書「刷新藤原ノート」(新紀元社)が発売されたのに合わせ、本のメインテーマである関節技や、趣味の絵、陶芸などについて話を聞いたのだが、会話しているうちにいつのまにか組長のペースに引き込まれ、猥談(わいだん)になってしまう。まぁ、いいかと思いながら、約1時間楽しく話を聞かせていただいた。20日に紙面に掲載した記事でおさめきれなかったものを、ここで少し紹介したい。

取材の場所は、都内にある組長の事務所。引き戸をあけると左右の棚にびっしりと手作りの陶芸作品が並んでいた。40代半ばから本格的に始めた作陶のレベルは予想以上だった。造形のうまさはもちろん、ユーモア満点のアイデアに魅了された。多数ある香炉の中でも目をひいたのは、リアルに再現された男性の大事な部分の先から香の煙が出るもの。よくよく眺めていると、組長は「あげないよ」と笑い、うれしそうに「これも好きだろ?」と同じモチーフの文鎮を見せてくれた。

次に奥の部屋から持ってきてくれたのは、裸婦の入浴姿をモチーフにしたおちょこ。肌色、体形などさまざまなタイプがある中で、白肌で腹がややたるんだ美しい熟女の杯が気に入った。「これが特にすてきですね」と話すと、「いいよ。持っていって。こうやってどんどん無くなっちゃうんだよな」と笑いながら、プレゼントしてくれた。あまりに貴重なものであるため恐縮したが、欲しい気持ちにあらがえず、頂くことにした。

持ち帰って酒をついでみると、女性がアルコールの液体に浸って、より気持ちよさそうにみえた。

組長は絵も上手で、過去の作品をたくさん見せていただいた。これも例によってエロチックものが多かった。「おれは大きな尻が好きなんだ」と20代に描いた女性の素描はほとんどがふっくらした体形で、尻を強調した後ろ姿がいくつかあった。過去に陶芸の展覧会は開いているが、絵はまとめて公開したことはないという。今回の著書にいくつか絵は掲載されているが、ほんの一部にすぎない。プロレスラーの趣味にとどまらない素晴らしい作品の数々を、ぜひどこかで公開展示して欲しいと思った。

インタビューの最後には、最近抱えていた疑問を組長にぶつけてみた。岩手県出身のプロレスラーには藤原組長はもちろん、石川修司(全日本)、伊東竜二(大日本)ら体の大きい人が多い。野球界でも、大谷翔平、大船渡の佐々木朗希ら恵まれた体形を持つ選手が目立つ。「なにか岩手に秘密があるんでしょうか」と質問すると、組長は「あぁ、あれはね」と分かった表情で、「昔ずいぶん、大きい遺伝子をまいたから」。続けて、「みんな岩手山の雪男の子孫なんだな。いるんだよ、雪男」。最後までエロとボケを忘れない元気っぷりだった。【高場泉穂】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

インタビュー中、「藤原ノート」に目を通す藤原喜明(撮影・垰建太)
大相撲裏話

トランプ大統領の千秋楽観戦備え気をもむ角界関係者

満員御礼となった両国国技館

千秋楽にトランプ米大統領が観戦に訪れるため、角界関係者が気をもんでいる。

相撲愛好会の1つ、溜会(たまりかい)は夏場所中日に会議を開き、「千秋楽は臨時で誰かに座らせることは遠慮しよう」と決めた。溜会は、升席よりも土俵に近い溜まり席を保持する維持員の集まり。日本相撲協会に維持費(東京の場合6年に1度、390万円以上)を払い、理事会の審査で認められないと資格を得られない。住所、氏名などを登録済みのため協会からの信頼も厚く、木村本治会長は千秋楽の観戦について「溜まりはOKと言われました」と話した。今回は混乱を避けるため、代理観戦NGを申し合わせた。

大統領の座席を確保するため、日本相撲協会は千秋楽の正面升席をすべて確保し、トランプ側の警備体制決定を待っている。向正面の升席を購入した、ある好角家は「1カ月くらい前かな、書類を渡されて、住所、氏名、生年月日を記入するように言われた。詳しい事情は教えてくれない。向正面なのに…」と明かす。ある協会関係者は「すでに協会が独自に判断できるレベルを超えている」と声をひそめ、備えている。(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)