チャベスら一時代築いた名王者たちが今夏リングに帰ってくる
フリオ・セサール・チャベス(メキシコ)にミゲール・コット(プエルトリコ)、そしてマルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)-。
1980年代から2010年代にかけて一時代を築いた名王者たちが、この夏、エキシビションマッチで続々とリングに戻ってくる。
コロナ禍の影響で昨年からボクシング界も大きなイベントの開催が難しい状況が続いている。そうしたなか昨年11月、元世界ヘビー級王者のマイク・タイソン(54=アメリカ)対元4階級制覇王者のロイ・ジョーンズ(52=アメリカ)のエキシビションマッチが注目され、有料配信で大成功を収めた。要は50歳を超えた元世界王者同士のスパーリングなのだが、抜群の知名度がある選手同士の“レジェンド対決”という付加価値が加わり好評を博したようだ。
これに触発されたのか、かつての大物たちが続々とリングに戻ってくることになった。6月12日、アメリカのフロリダ州マイアミでは元4階級制覇王者のコット(40)と、同じく4階級制覇の実績を持つファン・マヌエル・マルケス(47=メキシコ)がスパーリングで拳を交える予定だ。ラストファイトからコットは3年半、マルケスは7年が経っているが、どんなパフォーマンスを披露するのか注目される。
その1週間後の6月19日、メキシコのグアダラハラでは、89連勝や3階級制覇など記録にも記憶にも残るメキシコの英雄、チャベス(58)が、かつて拳を交えたこともある故ヘクター・カマチョの息子、カマチョ・ジュニア(42=プエルトリコ)とスパーリングを披露する予定だ。チャベスはWBC世界スーパー・ライト級王者時代の92年にカマチョ父に12回判定勝ちを収めている。因縁含みのカードだけに、こちらも注目を集めそうだ。
7月16日にはアメリカ(開催地は未定)でバレラ(47)対エリック・モラレス(44=メキシコ)のライバル対決PART4が予定されている。両者はスーパー・バンタム級、フェザー級、スーパー・フェザー級でいずれも世界王座をかけて対戦し、初戦はモラレス、2戦目と3戦目はバレラが勝利を収めている。いずれの試合も激闘で、どちらが勝ったか分からない僅差の勝負だった。すでにバレラは引退して10年、モラレスも8年以上が経っているが、エキシビションマッチとはいえ決着戦としての意味を持つだけに両者の士気も高いものがあるという。
このほかタイソン対イベンダー・ホリフィールド(58=アメリカ)のエキシビションマッチも計画に上がっている。また、元6階級制覇王者のオスカー・デラ・ホーヤ(49=アメリカ)はエキシビションではなく公式試合での現役復帰を目論んでいると伝えられる。
こうした趣向のイベントはなかなか興味深いものではあるが、やはり現役バリバリのスター選手たちのビッグマッチが見たいものだ。
そういった意味でもコロナ禍の収束が待たれる。