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照ノ富士4度目かど番脱出も「普通」付け人昇進が力

勢(手前)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・前田充)

<大相撲春場所>◇9日目◇20日◇エディオンアリーナ大阪

 大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)が前頭筆頭の勢を下し、自身4度目のかど番から脱出した。これまで8戦1勝と合口の悪かった相手を圧倒。9日目のかど番脱出は自己最速となった。平幕栃煌山とともに1敗を守り、15年夏場所以来2度目の優勝へ向けて、全勝の横綱稀勢の里と関脇高安を追いかける。

 照ノ富士に本来の勢いが戻ってきた。勢の左前みつを引いて深く上手を取り、投げは決まらなかったが、体を寄せて寄り切った。相性の悪い相手に完勝してのかど番脱出に「普通」と言ったが、笑みがこぼれた。

 今場所はいい刺激があった。付け人の駿馬が幕下に初昇進。35歳2カ月の最年長記録だった。照ノ富士が11年に間垣部屋に入門した時、兄弟子として指導を受けてきた。13年の部屋閉鎖に伴い現在の部屋に一緒に転籍し「頼りになります」と話す恩人。照ノ富士は「十両上がったら車買ってあげますよ」と大盤振る舞いかと思いきや「40万円のね」と照れ隠し。実際は場所前に祝い事を考えていたが「普段からお世話になっていますから。気持ちだけでも本当にありがたい」と駿馬から遠慮されていた。

 自己最速9日目でのかど番脱出。自身よりも3センチ身長が大きい195センチの勢を「土俵に上がったら自分より小さく見えた。小さく見えてきたら勝っちゃうよね」と調子の良さをアピール。駿馬は「取りあえず良かったです」と安心した。縁の下の力持ちに支えられながら、15年夏場所以来の優勝へ、ひた走る。【佐々木隆史】

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松本亮1回TKO勝ち「世界取る」昨年手術から復活

快勝にダメージがまったくない顔でポーズを決める松本(撮影・阿部健吾)

<プロボクシング:56・0キロ契約10回戦>◇27日◇東京・後楽園ホール◇1140人

 東洋太平洋スーパーフライ級王者で日本バンタム級4位松本亮(23=大橋)が「瞬殺KO」で魅了した。

 同10位坂本英生(31=フジタ)に対峙(たいじ)し、「相手の左ガードが下がっていた」と隙を見逃さずに得意の右ストレートをぶち込むと、一気に攻勢に。左フックで1度目、2度目はロープに詰めての右ストレートで顔面を打ち抜いてダウン。審判が試合を止めたのは1回1分57秒、見事なTKO勝ちで会場を沸騰させた。

 「入院中はずっと悔しい思いをしていた。すぐに練習を再開して、必ず世界を取ります」とリング上で勝利のあいさつ。この試合が昨年9月に受けた副甲状腺機能亢進(こうしん)症の手術明け2試合目だった。以前から練習で追い込むと吐き気などに襲われることが多々あった。17連勝の勢いがストップした昨年5月の敗戦後に手術を決断していた。

 ホルモンの分泌が正常になり、身長も2センチ伸びて175センチになった。さらに今回は栄養士もつけて、減量を管理してもらった。食生活のバランス改善を徹底し、「それが良かった」と効果も実感した。力強さを増した肉体に、大橋会長も「パワーが増している。今後が楽しみですね」と目を細めた。

 高校4冠、11年12月のプロデビューから17戦全勝(15KO)で駆け上ったホープ。病の不安が消え去り、再び世界の頂点を目指すには、十分に自信になる快勝劇だった。「年末にチャンスがあれば」と見据えた大橋会長の横で「1試合1試合、期待に応えればチャンスが来る。頑張ります!」と誓った。

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横審、稀勢の里Vに感動 白鵬には「衰えた」の声も

稀勢の里

 大相撲の横綱審議委員会が27日、東京・両国国技館で開かれ、春場所で優勝した横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)に称賛の声が上がった。北村正任委員長は「大変ドラマチックな結果だった。委員の中で批判はなかった。私もそう思う。普段相撲を見ない人も感激していた」と左肩付近を負傷してでも土俵に立ち、逆転優勝した姿に感嘆した。都倉俊一委員も「鶴竜に負けたけど出てきた。終始右でいったところに彼の覚悟を感じました。(横綱に)推薦して本当によかった」と話し「肩を治してもらって、あと4年ぐらいは大いに暴れてもらわないと困る」と、さらなる活躍に期待した。

 優勝同点だった大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)についても言及。北村委員長は「最後まで優勝争いをしたのは照ノ富士だけ。膝が悪い中で頑張った。ケガをきちっと治して欲しい」と話した。夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)での綱とりについて都倉委員は「年間勝率も考えるべきだという話も出た。今場所が起点。前は4勝だったからね」と安定した成績を求める声が上がったことを話した。

 17年ぶりの4横綱時代を迎えた春場場所で唯一、休場した横綱白鵬(32=宮城野)に北村委員長は「若干衰えたんじゃないか、と言う人もいる。まだまだきちっと体調整えて出てくれば、成績をあげられる横綱だと思うので頑張って欲しい」と話した。

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稀勢の里V一夜明け「忘れられない場所になった」

一夜明け会見に臨む稀勢の里(撮影・岡本肇)

 大相撲春場所で左上腕の負傷を乗り越え逆転優勝を果たした横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が千秋楽の激闘から一夜明けた27日、大阪市内の宿舎で会見した。

 約100人の報道陣が集まり、宿舎到着時には待ち構えたファンから「横綱おめでとう」と祝福を受けた稀勢の里は「忘れられない場所になった。初めての土俵入りもそう。まったく違うことがたくさんあった。一生の思い出になる」と語った。

 千秋楽の照ノ富士との2番については「上がだめなら下でやろうと。下半身の出来はすごい良かったから。疲れもなかったですし、下で動き回ろうという気持ちだった」と明かした。

 痛みについては「ほぼほぼない」と話し、今後については「維持することじゃなく、1つ1つ今までやって来た通り、階段を上っていくような気持ちで、追い求めてやり続けていきたい」と、さらなる高みを目指す決意を語った。

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稀勢の里、春巡業の出場熱望「出るのも僕の使命」

逆転優勝を報じる日刊スポーツを手にする稀勢の里(撮影・岡本肇)

 大相撲春場所で左上腕の負傷を乗り越え逆転優勝を果たした横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が千秋楽の激闘から一夜明けた27日、大阪市内の宿舎で会見した。

 4月2日の三重・伊勢市から始まる春巡業については、けがの状態次第で出場する意向を示した。「痛みがないから多分大丈夫だと思うけど。なるべくなら巡業に出るのも僕の使命だと思う。行けるなら出る方向で、だめならしっかり休む」と話した。負傷箇所については近日中に検査を受ける。

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稀勢の里涙の歴史的逆転V!瞬間最高は33・3%

優勝した稀勢の里は、君が代斉唱の時に涙ぐむ(撮影・鈴木正人)

 26日にNHKが放送した大相撲春場所千秋楽の平均視聴率が、24・4%(関東地区、関西地区は21・6%)の高視聴率だったことが27日、ビデオリサーチの調べで分かった。

 13日目の取組で左肩付近を痛めた新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が95年初場所の貴乃花以来22年ぶり、史上8人目の新横綱優勝を飾った千秋楽。初優勝から2場所連続の優勝は史上7人目の快挙を達成した稀勢の里が、君が代斉唱の場面では観客総出の大合唱に男泣きする場面も見られた。瞬間最高視聴率は、午後6時、稀勢の里が優勝を決めて大歓声の中、花道を引き揚げる瞬間の33・3%(関東地区)だった。

 稀勢の里が初優勝を飾った今年1月の初場所千秋楽の視聴率も21・5%の高視聴率を記録していた。

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稀勢の里、逆転V2に男泣き!左腕は全治3カ月か

稀勢の里(右)は優勝決定戦で小手投げを決め照ノ富士を下した(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 歴史に残る逆転優勝が生まれた。13日目の取組で左肩付近を痛めていた新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が95年初場所の貴乃花以来22年ぶり、史上8人目の新横綱優勝を飾った。1差で直接対決となった大関照ノ富士を本割で突き落として13勝2敗で並び、決定戦でも逆転の小手投げ。初優勝から2場所連続の優勝は史上7人目の快挙で、君が代斉唱の場面では観客総出の大合唱に男泣きした。

 激しく乱れた息など気にしなかった。肩はいからせたまま。大歓声を背に支度部屋に戻った稀勢の里は、血走った目でテレビを見つめた。それは1分前の決定戦の映像だった。逆転の小手投げが決まり、勝った。その瞬間に「ヨッシャー!!」と声を張り上げた。形相はまるで鬼だった。16年前の01年夏場所の貴乃花のように。「苦しかった分、うれしい」。激しい呼吸音の中で、言葉にならない喜びの声。目が潤んでいった。

 試練の土俵だった。13日目に負ったけが。関係者によれば、上腕二頭筋の筋肉の損傷だった。幸い断裂はしていないが、見立ては全治3カ月。その夜、静岡から治療の先生を呼び寄せた。休む選択は最初からなかった。だが、弱音を吐かずに出場した14日目は完敗。そこで覚悟を決めた。「気持ちだけぶつける」。

 上腕の内出血をテーピングで隠した左手は使えない。だが、何が何でも勝つと挑んだ。最初の本割。1度目の立ち合いで右に動いた。変化だった。不成立で作戦は露呈したが「違うことをしよう」と、次は左に動いた。不器用な変化は決まらない。それでも懸命にもがき、動いた。回り込み、右手で突き落とした瞬間、館内が大きく揺れた。

 迎えた20分後の決定戦。今度はもろ手で立ったが、もろ差しを許した。絶体絶命の体勢。後ろに下がる。それでも、あきらめなかった。左ははなから捨てていた。体を開いて狙ったのは、得意とは反対の右小手投げ。「やったことなかったけどね」。左腕から土俵下に落ちようが構わなかった。奇跡の逆転優勝に館内はまた沸いた。22年ぶりの新横綱優勝。神風が吹いた。

 あの日もそうだった。1月27日。第72代横綱として推挙式に臨んだ東京・明治神宮。青空の下、推挙状を受け取る際、普段とは反対の本殿の方角から風が吹いた。人が振り向くほどの温風が舞った。横綱土俵入りの際も2度、同じ風が吹いた。宮司は「50年に1度吹く風です。神風ですね」と言ったという。土俵の神が与えた試練に、鬼の気迫で応えた稀勢の里。その姿だから、神風はまた吹いた。

 大合唱の君が代斉唱。多くの観客が泣いていた。稀勢の里の目も涙であふれた。「今までの相撲人生15年間とは全く違う場所。見えない力を感じた15日間でした。あきらめないで、最後まで力を出して良かった」。稀勢の里の時代が確かに幕を開けた。【今村健人】

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稀勢の里感謝の号泣「見えない力感じた」/一問一答

優勝した稀勢の里は、君が代斉唱の時に涙ぐむ(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 13日目のけが後は、言葉数が少なくなった新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)。弱みを見せたくないためだった。逆転での2連覇が決まった後で見せた涙に、苦しさは表れた。苦しみから解放された新横綱の言葉には、これまでと違う苦労と、感謝の思いがにじんだ。

 -今の気持ちは

 「この応援のおかげと、支えてくれた人のおかげ」

 -先場所と喜びの違い

 「苦しかった分、うれしいですね」

 -賜杯の重みは

 「先場所と違う感じでした。違うものというか」

 -昨日は満足に取れず、今日はどんな気持ちで

 「気持ちだけぶつけようと思って…やりました」

 -最初の立ち合いは

 「同じことはできないから、違うことをしようと思った。後は気持ちだった」

 -決定戦は

 「自分の力以上のものが最後は出ました。本当にあきらめないで、最後まで力を出して良かった」

 -最後の小手投げ

 「やったことがなかった。いろんな人に来てもらった。治療もそう。昨日以上に動けるようになったし、いろんな人のおかげ。やっぱりこれは自分1人ではないと思います」

 -君が代で涙を流した

 「すみません。今回は泣かないと決めたんですけど…。見苦しい姿をお見せして申し訳ない」

 -けがの状態は

 「しっかり治して、また5月場所に元気な姿を皆さんに見せられるように、明日からしっかり治療に専念してやっていきたい」

 -出るからには勝たないと、という思いだったか

 「こうならないのが一番いいが、ケガしたのは自分だから」

 -先代師匠の元横綱隆の里と同じ新横綱優勝

 「新横綱で全勝となると、ものすごいことだと思った。(新横綱優勝に)なってみたらなってみたで、すばらしい」

 -勝因は

 「支えです」

 -新横綱の15日間は

 「今までの相撲人生15年間とはまったく違うような場所だった。横綱土俵入りも初めてやって、今は疲れたというか…。疲れたというのが、一番ですけど、何か見えない力を感じた15日間でした」

 -痛みは

 「想像に任せる(笑い)」

内閣総理大臣杯を受け取る時、顔をゆがめる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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高安、兄弟子Vに感動号泣 大関昇進で恩返しだ

オープンカーに高安(左)と乗り、ファンに手を振りパレードする稀勢の里(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 関脇高安(27=田子ノ浦)が、大関取りへの強力な足固めになる12勝目を挙げた。関脇玉鷲を寄り切り、3度目の殊勲賞を獲得。初場所の11勝を加えると、大関昇進の目安となる「三役で直近3場所33勝」へ、あと10勝。夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)での悲願成就に近づいた。

 涙が止まらなかった。取組を終え、西の支度部屋で高安がむせび泣いた。目の前のテレビに映っていたのは、痛みに耐え奇跡の逆転優勝を遂げた兄弟子の姿。誰よりも近くで、その苦闘を見てきた。「すごいのひと言です。報われて良かった…」。目を真っ赤にしてこぼした。初場所に続いて稀勢の里の優勝を目の当たりにして「本当に感動しました。もう1回、いい景色を見させてもらった。ありがたいです」。声を震わせ、言葉を絞り出した。

 本割を前にした兄弟子へ、勇気を与える白星だった。稀勢の里が土俵下で見守る中、前に前に攻めて玉鷲を撃破した。「勝って終われて良かった」。来場所後に大関の座をつかむためには、この日の結果が重要になることも十分に分かっていた。

 初日から10連勝も11日目から3連敗。だが、終盤の連勝で白星を上積みした。昨年秋場所では10勝しながら最後に3連敗し、翌九州での昇進失敗につながった。「今場所もズルズルいったら今までと変わらないから、絶対に止めたい気持ちがあった」。強い覚悟で盛り返し、精神的な成長を示した。大きな感動をもらった兄弟子へ、夏場所では高安が大関昇進で恩返しする。【木村有三】

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照ノ富士V逸、連日ブーイング「やっと終わった」

本割で稀勢の里に突き落としで敗れる照ノ富士(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)は、15年夏場所以来の賜杯を逃した。手負いの稀勢の里に本割と優勝決定戦で連敗。2度の好機をものにできなかった。

 相手は大きなケガを負っていた。やりづらさについて聞かれると「特になかった。自分の問題です」と言い訳はしなかった。自身4度目のかど番を自己最速の9日目に脱出。力強い相撲が戻り、左膝の故障から復活したように見えた。しかし13日目の鶴竜戦で負傷。それからは稽古も思うようにできず、治療に専念していた。

 流れも悪かった。14日目の琴奨菊戦で変化して勝った影響が残った。観客からは、この日も厳しい声を浴びせられた。連日の異様な雰囲気に「目に見えるつらさと目に見えないつらさがあるんだよね。それを表に出すか出さないかです」とたまっていた気持ちをはき出すように話し「やっと終わった」とつぶやいて支度部屋を後にした。

 15年春場所以来、自己最多タイの13勝を挙げ、優勝次点で幕を閉じた春場所。しかし、審判部などから来場所での綱とりの声は上がらなかった。ここ1年で4度のかど番と、14日目の変化が印象を悪くした。平成生まれ初の横綱への挑戦は、一からのスタートとなった。【佐々木隆史】

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三浦隆司「ブーイング上等」6月世界戦で返り咲きだ

ゲスト解説を務めた三浦

 ボクシング元WBC世界スーパーフェザー級王者三浦隆司(32=帝拳)が6月に海外で世界戦に臨むことが決定的となった。

 現王者ベルチェルト(メキシコ)の初防衛戦で、返り咲きを狙う。26日は同門のリナレスの試合をテレビ中継で解説。ブーイングが響く敵地での勝利に、「むしろ楽しんでいるようだった。気持ちよく戦っていた」と精神面に脱帽。「自分もブーイング上等です。ああいうところでやりたいですね」と刺激を受けていた。

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地元牛久も号泣!興奮!「日本のヒーローだ」

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の地元、茨城県牛久市の市役所ではパブリックビューイングが行われ、応援に駆け付けた住民ら約120人が大逆転劇の感動を分かち合った。優勝が決まった瞬間は一斉に立ち上がって喜びを爆発させ、目に涙を浮かべる人も。「勝つと信じていた」「日本のヒーローだ」。たたえる声がやまなかった。

 市役所では2階ロビーに大型テレビを設置。「茨城の星」と描かれた横断幕が掲げられ、住民らは「絶対勝てる」などと言い聞かせ合いながら取組を見つめた。優勝を信じ、うちわを自作してきた無職斉藤哲司さん(71)は「けがをしていても真っ向勝負。これでこそ横綱だ」と興奮を抑えきれない様子だった。

 牛久市の根本洋治市長は横綱初優勝を受け「再び日本国中に感動と喜びを与えてくれた。ありがとう、おめでとう」とのコメントを出した。

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白鵬「いいもの見せてもらった」春巡業前半は休場へ

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 春場所を右脚などの負傷のため途中休場した横綱白鵬は、大阪市内で行われた宮城野部屋の千秋楽パーティー後に取材に応じ、稀勢の里の逆転優勝をたたえ「感動しました。4横綱になって新横綱が引っ張ってくれた。いいものを見せてもらって気合が入った」と話した。

 稀勢の里がけがを押して出場したことについては「ここまで来たんだから(出る)というのがあったんだろう。無理はしたと思う」と心中を察した。白鵬自身のけがについては「なかなか痛みが取れない」と述べた。4月の春巡業の前半は休場する意向で、回復を優先させる方針を示した。

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オカダ・カズチカ「甘くない」前哨戦で柴田にチクリ

NJC優勝の柴田と前哨戦を戦ったIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ

<新日本:後楽園大会>◇26日◇後楽園ホール◇観衆 1743人(超満員札止め)

 IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカが、ニュージャパン・カップ優勝で王座挑戦を表明した柴田勝頼との前哨戦を戦った。

 4月9日の両国国技館大会での防衛戦を前に、この日から前哨戦がスタート。メインのタッグマッチに登場すると、いきなり2人が先発で激突した。最初は緊迫の探り合いに終始したが、場外乱闘では一気にヒートアップ。オカダが柴田を鉄柵に投げつけ、場内の通路の壁にたたきつけた。リング上では、柴田からコブラツイストを掛けられ、裸絞めでもん絶した。最後はオカダの相棒・YOSHIHASHIが柴田につかまり敗戦。柴田から挑発されると「柴田さん、根性だけでこのベルトが取れるほど甘くないよ」と、王者の余裕で言い放った。

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稀勢の里、横綱の責任感 休場危機も迷わず出場決断

祝勝会で、満面の笑みで鯛を持ち上げる稀勢の里(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 19年ぶりに誕生した日本出身の新横綱が、歴史に残る奇跡の優勝を成し遂げた。稀勢の里が本割、優勝決定戦で大関照ノ富士に2連勝。2日前に負った左肩付近のけがで休場危機に陥りながら逆転した背景には、驚異的な回復力と土俵に向き合う真剣な姿勢があった。

 春場所13日目の24日。初黒星の一番で負傷し、激痛に苦しみながら救急車で病院へ運ばれた。東京など遠方からかかりつけの整体師らを呼び寄せ、24日夜には迷うことなく出場を決断。関係者によると、付け人たちに「出るから。準備を頼む」と告げたという。治療を施した柔道整復師は「普通の力士なら休場でしょう。でも横綱の選択肢には全くなかった。責任感と気持ちの大きさだと思う」と声を震わせる。

 稀勢の里の頑丈な肉体を支えるのは回復力だ。2014年秋場所10日目の宝富士戦。左四つとなった土俵中央で左肩を脱臼し、動けなくなった。長い相撲の末に敗れ「立っているのがやっとだった。土俵上で脂汗が止まらなかった」と吐露する。翌日は珍しく患部にテーピングを施して、完敗。しかし取組後に東京都内の治療院へ直行すると、肩は元通りになった。

 15歳で力士になり、先代師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)に限界を超えた朝稽古で連日鍛えられた。血がにじむ傷口は夜にふさがってかさぶたとなり、当時の兄弟子は「天才的な細胞だ」とうなった逸話も残るほどだ。

 愚直に歩み続ける根性も見逃せない。たった1日の休場となった14年初場所千秋楽を今も悔やみ、「決めたことをやり続ける。簡単なようで、実はこれが難しい」と言う。幼稚園から中学卒業まで一度も欠席がなかったという男にとって、休むことは屈辱だった。新横綱場所で訪れた大きな試練を打破。土俵人生にまた1つ、大きな勲章が加わった。

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白鵬「新横綱が引っ張ってくれた」稀勢逆転Vに感激

白鵬

 大相撲春場所を右脚などの負傷のため途中休場した横綱白鵬は26日、大阪市内で行われた宮城野部屋の千秋楽パーティー後に取材に応じ、新横綱稀勢の里の逆転優勝をたたえ「感動しました。4横綱になって新横綱が引っ張ってくれた。いいものを見せてもらって気合が入った」と話した。

 稀勢の里がけがを押して出場したことについては「ここまで来たんだから(出る)というのがあったんだろう。無理はしたと思う」と心中を察した。

 白鵬自身のけがについては「なかなか痛みが取れない」と述べた。

 4月の春巡業の前半は休場する意向で、回復を優先させる方針を示した。

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鶴竜「横綱の意地を見せた」稀勢の里逆転Vに刺激

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 横綱鶴竜(31=井筒)は取組後、支度部屋の風呂から上がると、優勝決定戦をテレビで観戦した。

 稀勢の里の歴史的な逆転優勝を目の当たりにして「横綱の意地を見せたと思う。刺激になった」と鼓舞された様子だった。

 千秋楽は日馬富士を寄り切り、前日の稀勢の里戦に続いて横綱同士の対戦を制した。

 それでも10勝5敗と不完全燃焼の場所となった。「(白星を)取りこぼしたところが良くなかった」と肩を落とした。

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八角理事長「語り継がれる逆転優勝」稀勢の里を絶賛

八角理事長(右)から優勝賜杯を受け取る稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 後世にまで残る一番で連続優勝を果たした横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の相撲に、協会関係者も賛辞を惜しまなかった。

 役員室で見届けた協会トップの八角理事長(53=元横綱北勝海)は、優勝決定戦で勝負が決まった後、開口一番で「今後、語り継がれる逆転優勝だ」とテレビ画面にくぎ付けになった。もろ差しを許しながらの逆転勝ちに「最後まであきらめないことが大切だということ。稀勢の里は本当に大したもんだね。きのう、おとといのことを考えたら、こんなことが起こるとは」と話し、敗者にも「右足が送れなかった。やりづらかったと思うけど、照ノ富士もよくやったと思う」と労をねぎらった。

 6月に65歳の定年を迎え、審判部も春場所が最後の友綱副部長(64=元関脇魁輝)は、この歴史的一番を幕内後半戦の審判長として土俵下から見届けた。「自分にとって最後の最後に、こんな相撲を見られるなんて、審判をやってきて良かった」と巡り合わせに感謝。「稀勢の里に勝てる要素はなかったのにビックリした。体勢は良くなかったけど、動き続けた分、照ノ富士はついて行けなかった。決定戦もうまく逃げ回るようにして、最後は(ケガをしていなくて)使える手の方に回った」と逆転の投げを打ったシーンを述懐した。

 2場所連続で稀勢の里に優勝旗を渡した二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)も「みんな泣いていた。本人は特に(目が)真っ赤だった。感動的だったよね。(お客さんも)2番勝つとは思わなかったんじゃないの」と間近で号泣した新横綱の姿に驚いた様子。稀勢の里の横綱昇進には「2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる成績」という横綱審議委員会(横審)の内規に満たないなど、多少の物議はあった。審判部のトップとして自信をもって推薦しただけに「これで納得でしょう」と笑みを浮かべて話した。

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貴景勝11勝で敢闘賞「自分が成長している証し」

殊勲賞の高安(左)、敢闘賞の貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 入幕2場所目で東前頭13枚目の貴景勝(20=貴乃花)が、うれしい初の三賞を受賞した。

 勝てば敢闘賞の条件付きで臨んだ千代翔馬(25=九重)との一番。持ち味である突き押しの応酬で一進一退の攻防も、最後は重い腰で耐えた貴景勝が押し出して11勝目。貴乃花部屋としては先場所、殊勲賞を受賞した貴ノ岩(27)に続き、2場所連続の三賞受賞となった。

 よもや自分が三賞候補とは知らずに場所入り。支度部屋で「誰からかは忘れたけど」(貴景勝)関係者から「勝てば敢闘賞」と聞かされ「少し緊張した」と言う。それも「緊張して力を出せたら自分が成長している証し。楽しみだと思って取りました」と前向きにとらえて臨んだ。

 千代翔馬には幕下時代から3連敗中だった。8人による優勝決定戦で敗れるなど、相性は良くなかったが「精神的に負けないように頑張ろうと思った」と強気な性格そのままに真っ向から挑んだ。

 来場所は幕内中位に上がり、上位戦が組まれる可能性もある。「若さを武器に強い心で挑みたい。通用するとは思わないけど、とにかく気持ちで負けない。負けるにしても全部、出し切って」と抱負を語った。

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V逸照ノ富士に厳しい声「目に見えないつらさある」

優勝決定戦で稀勢の里に敗れた照ノ富士は、土俵に座ったままぼうぜんとする(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 1敗で単独トップに立っていた大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)が、左肩付近の負傷から強行出場した横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)に本割と優勝決定戦で連敗し、15年夏場所以来2度目の優勝を逃した。手負いの相手との一番にやりづらさを聞かれると「特になかった。自分の問題です」と言い訳はしなかった。

 14日目の琴奨菊戦で変化で勝った影響からか、この日も観客からは厳しい声が浴びせられた。

 「目に見えるつらさと目に見えないつらさがあるんだよね。それを表に出すか出さないかです」とたまっていた気持ちをはき出すように話した。

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勢、右腕筋肉断裂も15日間完走「左手でマイクを」

勢は突き落としで魁聖を破った(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 大阪出身で西前頭筆頭の勢(30=伊勢ノ海)が、東前頭8枚目の魁聖(30=友綱)を下して5勝10敗で、ご当所場所を終えた。右四つで攻め込まれたが、左から突き落としを決めた。

 金星を獲得した4日目の白鵬戦で右上腕の筋肉を断裂し、苦しい相撲が続いたが、終盤5日間で4勝と意地を見せた。「15日間取り切らせてもらった。周りの人たちに感謝です。勝ち越し以上にいい経験になりました」とすがすがしい表情で話した。

 場所後は、得意のカラオケでリフレッシュするのが通例だが、今場所後も「右腕は治療して、左手でマイクを握ります」と早くも歌う気満々。4月2日の三重・伊勢市から始まる春巡業についても「出ますよ」と出場を明言した。

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宇良が新入幕で8勝「短いようで詰まった15日間」

宇良(左)はすくい投げで逸ノ城を下した(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 西前頭12枚目の宇良(24=木瀬)が、新入幕場所を勝ち越して終えた。

 東前頭7枚目の逸ノ城(23=湊)に攻め込まれたが、土俵際でうまく体を開いてすくい投げ。軍配は逸ノ城に上がるも物言いがついて、行司軍配差し違えで宇良の勝利になった。

 地元大阪での入幕1場所目で8勝目を挙げ「うれしいです」。15日間の戦いについては「短いようで詰まった15日間でした。稽古場でも押しを磨いてきて、技だけでなくそういう部分も発揮できて良かった」と、成長を実感。さらに番付を上げる来場所以降に向けては「課題もたくさん見つかって、これからも厳しい戦いになるけど、また頑張りたい」と話した。

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嘉風「すげえ、すげえ」稀勢の里の劇的勝利に興奮

稀勢の里(右)は優勝決定戦で小手投げを決め照ノ富士を下した((撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 東前頭4枚目の嘉風(35=尾車)が、同じ二所ノ関一門の新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の劇的勝利に仰天した。本割りの一番を支度部屋で見届けると「すげえ、すげえ」と連呼して、目を丸くした。

 嘉風はこの日、琴奨菊(33=佐渡ケ嶽)に敗れたものの、場所中に35歳となった年齢を感じさせない動きの良さで、勝ち越して終えた。「後半は背中が痛かったけど、よくやりました。自分で自分を褒めてやりたい」と話した。

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高安、稀勢の里Vに涙止まらず「報われて良かった」

オープンカーに高安(左)と乗り、ファンに手を振りパレードする稀勢の里(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 関脇高安(27=田子ノ浦)が、兄弟子の新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)の劇的な逆転優勝に感動の涙を流した。

 関脇玉鷲(32=片男波)を寄り切りで下した後、西の支度部屋で兄弟子の激闘をテレビ観戦。優勝決定戦を制すると、おえつして号泣し「すごいのひと言です。報われて良かった」と感激した。

 自身もこの日の白星で12勝目となり、夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)での大関取りに弾みをつけた。「今場所もけがなく、しっかり相撲を取りきって終われたんで。また来場所も序盤からいい気持ちで取れると思います」とやる気を見せていた。

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稀勢の里、横綱初&2連続V 照ノ富士と決定戦制す

内閣総理大臣杯を受け取る時、顔をゆがめる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 手負いの新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が優勝決定戦で、大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)を小手投げで下し2場所連続優勝を果たした。

 稀勢の里は照ノ富士を1差で追う展開だったが、本割で照ノ富士を突き落として13勝2敗で並んで優勝決定戦へ持ち込んだ。

 稀勢の里は13日目、日馬富士戦で左肩付近を痛めながら強行出場。横綱昇進後最初の場所で意地を見せ、昇進後初優勝を決めた。新横綱の優勝は貴乃花以来22年ぶりとなる。

 また、関脇高安(27=田子ノ浦)が3度目の殊勲賞。貴景勝(20=貴乃花)は11勝を挙げ、初の三賞となる敢闘賞を獲得した。技能賞は6場所ぶりに該当者なしだった。

 十両は元幕内の豊響(32=境川)が3人のともえ戦による優勝決定戦を制して3度目の優勝。序二段は若山(阿武松)、幕下は元十両の阿炎(錣山)、三段目は玉金剛(片男波)、序ノ口は一山本(二所ノ関)が優勝を決めている。

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手負いの稀勢の里が号泣V「苦しかった分うれしい」

優勝した稀勢の里は、表彰式での君が代斉唱の時に涙ぐむ(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 手負いの新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が優勝決定戦で大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)を下し、2場所連続2度目の優勝を果たした。

 表彰式に臨んだ稀勢の里は、君が代を聞きながら涙をこらえられなかった。賜杯を受け取ると、左肩の痛みに顔をしかめた。

 「本当に、この応援のおかげ、支えてくれた人のおかげです。すみません。今日は泣かないと決めていたんですが、すみません。苦しかった分、うれしいですね」と声を震わせた。本割については「気持ちだけぶつけようと思って土俵を出ました」。決定戦は「自分の力以上のものが出た。あきらめないで、最後まで力を出せて良かった」と振り返った。

 横綱として初めて迎えた15日間を振り返り「今までの相撲人生、15年間とは全く違う場所でした。横綱土俵入りも初めて務めて、疲れたというのが一番ですが、何か見えないものを感じた15日間でした」と話した。来場所へ向けて「ケガをしっかり治して、5月場所に元気な姿を見せられるように、明日から治療に専念したい。今日の千秋楽は見えない力で勝てた。もっと力をつけたいと思います」と話した。

 稀勢の里は照ノ富士を1差で追う展開だったが、本割で照ノ富士を突き落とし優勝決定戦へ持ち込んでの優勝。横綱昇進後最初の場所で意地を見せ、昇進後初優勝を決めた。

八角理事長(右)から優勝賜杯を受け取る稀勢の里(撮影・鈴木正人)
内閣総理大臣杯を受け取る時、顔をゆがめる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里、照ノ富士に勝って優勝決定戦に持ち込む

横綱稀勢の里

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)を破り、13勝2敗で並んで、同じ顔合わせでの優勝決定戦へ持ち込んだ。

 優勝争いは1敗の照ノ富士と、2敗で追う稀勢の里に絞られていたが、直接対決で稀勢の里が勝ち追いついた。稀勢の里は13日目、日馬富士戦で左肩付近を痛めながら強行出場している。

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松本亮が計量パス「ばっちり」術後2戦目も体調万全

計量を終えて健闘を誓い合う坂本(左)と松本(撮影・阿部健吾)

 ボクシングの「フェニックスバトル59」(3月27日、東京・後楽園ホール)の前日計量が26日に都内のJBCで行われ、メインカードの56・0キロ契約10回戦に臨む元東洋太平洋スーパーフライ級王者で日本バンタム級4位松本亮(23=大橋)、同10位坂本英生(31=フジタ)ともに、リミットちょうどの56・0キロでパスした。

 松本は持病の副甲状腺機能亢進(こうしん)症の手術明け2試合目を迎える。昨年5月、吐き気などに苦しみ、5回TKOでビクトル・ロペス(メキシコ)に敗れた。その後、患部の摘出手術を受け、昨年末にはそのロペスに6回TKOで雪辱。再び飛躍を期す17年の初戦にもなる。

 手術前は追い込むと吐き気などの症状に襲われていたが、今はその不安も消えた。「ばっちりです」と体調は万全。ホルモンの分泌を制限していた症状がなくなり、身長も2センチ伸びて175センチになったという。「パンチの乗りが違う」と自慢の豪打に、さらなる自信も上積みされた。

 高校4冠、11年12月のプロデビューから17戦全勝(15KO)で駆け上ったホープ。世界の頂点が見えてきたところでの不運だったが、「病気のことは言い訳にしたくない。それも自分のせいなので」と潔い。プロボクサーにとって1度の黒星の重さは重々承知。だからこそ、「負ければ(昨年)5月みたいに振り出しに戻る」「倒せば評価は上がる」と語気を強めた。

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リナレス判定で初防衛「いま、最高の瞬間です」

クロラ(左)と打ち合うリナレス(ロイター)

<WBA世界ライト級タイトルマッチ12回戦>◇25日(日本時間26日)◇英国・マンチェスター、マンチェスター・アリーナ

 3階級制覇の王者ホルヘ・リナレス(31=帝拳)が前王者アンソニー・クロラ(30=英国)との再戦を3-0(118-109、118-109、118-109)の判定で快勝して、初防衛に成功した。

 「今回はすごいプレッシャーがあった。いま、最高の瞬間です。前回の3倍頑張ってきた。クロラは本当に強い選手です」と勝利の凱歌(がいか)を揚げた。両者は昨年9月24日に同会場で対戦し、リナレスが勝利してタイトル奪取に成功していた。

 初戦とは異なり、足を使うステップを踏んできたクロラだったが、リナレスは動じず。上下に打ち分ける突き刺すようなジャブでペースをつかむと、効果的にコンパクトで強いアッパーを打ち込んで消耗させていく。出色の一撃だったのは、ダウンを奪った7回の左アッパー。アゴに拳を突き上げて頭を縦に揺らすと、クロラは前のめりに倒れ込んだ。直後の8回こそ反撃を許したが、9回以降は再びペースを握り、盤石の出来で勝ちきった。

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三段目で珍事 まわしの前垂れ土俵につき負け通告

西山(左)のまわしがゆるみ土俵に接地したため翠富士に軍配が上がる。左は式守友和(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪

 三段目で珍事が起きた。

 西三段目17枚目の西山(22=尾上)のまわしの前垂れが、同19枚目の翠富士(20=伊勢ケ浜)との取組中に土俵についた。すると、審判団は西山に対し「負け」を通告。翠富士の勝利が決まった。だが、規定では前垂れが土俵についても負けにはならない。その後、二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)と春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「審判の認識不足で申し訳ない。審判部として勉強し直して対応に当たってもらう。負けた西山には申し訳ない」と陳謝。取組時に担当していた審判団にも厳重注意したことを明かした。

 幸運な5勝目を挙げた形になった翠富士は、勝った直後は「(相手が)重かった。これで幕下に上がれると思うので頑張りたい」と喜んだものの、不思議な勝利に「えっ、なんで? と思った」と驚きを隠せなかった。

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稀勢の里強行出場も左差せず…師匠「信じている」

鶴竜に寄り切りで敗れた稀勢の里は、唇をかみしめながら花道を引き揚げる(撮影・外山鉄司)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

 13日目の日馬富士戦で左肩付近を痛めながら強行出場した新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)は、横綱鶴竜にあっけなく寄り切られて2敗に後退した。左肩から上腕にかけてテーピングを施し、意を決して臨むも、いつもの相撲は取れなかった。それでも、千秋楽の出場も明言。大関照ノ富士にトップの座を明け渡したが、千秋楽の直接対決で逆転優勝に望みをかける。

 強い責任感と、断固たる決意で臨んだ土俵のはずだった。それでもまだ、覚悟は足りなかったのか。それ以上に重傷なのか。あっけなく俵を割った直後、稀勢の里は顔をしかめた。左腕を力なく下げた格好で。優勝争いの先頭を照ノ富士に明け渡し、自身は2敗に後退した。短く「まあ明日。大丈夫です」と言った。

 13日目に負った左肩付近のけが。周囲は「肩の付け根付近を痛めたのでは」という。朝は稽古場に姿を現さなかった。それでも出場を直訴した。15年間の相撲人生で、1度だけ休場した14年初場所千秋楽。この日を「今までで一番つらかった」と振り返るほどに強い出場への思い。これに、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)も「本人は大丈夫だ、出ると。そういう強い意志がある」と承諾した。事実、肩から上腕にかけてテーピングを施しただけ。土俵入りでは、かしわ手こそ音は小さかったが、手を高々と上げた。「いつもと変わらなかった」と露払いの松鳳山。公の場で、表情は少しも崩さなかった。

 ただ、出番前の稽古で1度だけ、うめき声を上げる場面があった。試した形も、もろ手でぶつかったり左を固めたり、組んだり…。1つに決めきれない。迎えた鶴竜との結びで選んだのは張り差しだったが、痛めた左は差せなかった。もろ差しを許し、わずか2秒5で寄り切られた。審判員として土俵下で見守った師匠は「ちょっと消極的だった」と心配しつつ「本人を信じている」と言い切った。

 引き揚げた支度部屋。弱みは見せたくなかったのだろう。先に日馬富士が入っていた風呂には向かわず、トイレでテーピングを外した。けが関連の質問には答えず「やるからには最後までやりたい。明日、しっかりやる」と言った。49年夏場所以降、千秋楽直接対決から1差逆転優勝を飾ったのは9例。出るからには横綱の責任が生まれる。覚悟を決めたときにだけ、10例目も生まれる。【今村健人】

 ◆おしん横綱 83年に30歳10カ月の遅咲きで第59代横綱に昇進した隆の里(先代鳴戸親方)は「おしん横綱」と言われた。糖尿病を患うも、栄養学を独学で学び、徹底した節制で克服。その困苦に耐える姿が当時大ヒットしたNHK朝の連続テレビ小説「おしん」の主人公と重なったことから、そう呼ばれた。

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