東洋太平洋王座獲得の桑原拓、来月から井上尚弥の練習パートナー「勝利の力に」指名に意気込む

<プロボクシング:東洋太平洋フライ級タイトルマッチ12回戦>◇25日◇東京・後楽園ホール
東洋太平洋フライ級13位桑原拓(27=大橋)が同級王座奪取に成功した。
同級王者ジーメル・マグラモ(28=フィリピン)に挑み、3-0の判定勝ちでプロ初のタイトルをつかんだ。序盤から足を使いつつ、左ジャブ、ワンツー、左ボディーなどでマグラモと勝負し、ポイントで競り勝った。昨年7月、ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)に挑戦し、10回TKO負けを喫して以来、2度目のタイトル挑戦でベルトをつかんだ。
試合前夜、12月13日に東京・有明アリーナで4団体王座統一戦を控える同門の先輩、WBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29)からの“熱烈オファー”を知った。WBO世界同級王者ポール・バトラー(33=英国)と身長やスタイルが似ていることから「東洋太平洋王者になった桑原を練習パートナーにしたい」と激励を込めて指名されていた。
桑原は「おしゃれな激励だなと思いました」と感謝。大橋秀行会長(57)から「1週間休んだら(井上の練習パートナーに)いけるか?」と問われると「少し休めばいけます。明後日から走ります。井上選手にご指名いただいているので、4団体統一に向け、少しでも勝利の力になれるように頑張っていきたい」と意気込んだ。
愛称の「スピードスター」通り、速さを残しつつ、動きに緩急をつけ、パンチにも強弱をつけるスタイルを目指している。まだ発展途上の段階ではあるが、コンビを組む松本好二トレーナーは「結果が出て、生きててくれてよかった。貪欲なので(トレーナーとして)やりがいはあるし、うれしい」と成長を続ける桑原に期待を寄せた。
これで東洋太平洋王座ベルトとともに、世界ランキングも手にできる見通しだが、桑原は「今日の内容では世界(挑戦)はまだまだだと思う」と謙虚な姿勢を貫いた。大橋会長は「ダメかなと思ったら2度、盛り返して成長していると感じた。世界ランキングにも入るだろうし、来年以降、チャンスがあれば考えていきたい」との方針を示していた。
- 5回、パンチを浴びる桑原拓(左)(撮影・横山健太)
- ラウンドガールを務めるCYBERJAPANのRIONA(撮影・横山健太)
- 12回を終え笑顔を見せる桑原(撮影・横山健太)
- 東洋太平洋フライ級新王者となり涙を流す桑原(撮影・横山健太)
- 東洋太平洋フライ級新王者となりファンに感謝の言葉を贈る桑原(左)(撮影・横山健太)