里村明衣子WWEの熱気を故郷新潟でも 社長兼レスラー、視線の先にはジャイアント馬場さん

女子プロレスのセンダイガールズ主催「女子プロレスBIGSHOW in新潟」が30日、新潟市体育館で行われる。新潟市出身でセンダイガールズの社長兼トップレスラー里村明衣子(42)は、不参加だがプロデューサーとして大会の盛り上げに尽力する。現在、米国の人気団体WWEと契約し、英国ロンドンに拠点を置きながら欧州のマットに上がっている。今回は1歩引いた立場で地元ファンに熱戦を提供する。
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「私の原点。年に1回の新潟開催は大切です」。里村にはリングで見せる険しさはない。温和なまなざしで故郷への思いを言葉にする。
09年の初開催から参戦していた新潟大会だが、今回初めて出場しない。WWEとの契約で日本のマットには立てない。21年6月にWWEの欧州でのタイトルNXT・UK王座獲得後に新潟市体育館で試合をしたのが国内の最後。今回はプロデューサーに専念する。仙台から車で新潟に通い、関係各所にあいさつ回り。メディア出演も数多くこなす。
今年がデビュー28年目。11年にセンダイガールズの社長に就任してから11年が過ぎた。昨年2月からはWWEの選手兼コーチ。英国ロンドンに在住して試合、指導に励む。複数の立場でプロレスに関わるようになった今、「姿が浮かぶ」。視線の先に全日本プロレスの社長兼選手だった県人レスラーの大先輩、故ジャイアント馬場さんを見据える。
目標は大きい。「日本で女子プロレスのマーケットを巨大なものにしたいんです」と言う。18年に米国のメイ・ヤング・クラシックトーナメントに出場後、海外のプロレスに本格的に参戦。米国でWWEはNFL、NBA、MLBと肩を並べる人気スポーツ団体だ。日本でのマーケット拡大に、自身が世界から吸収することを重視した。
それでも貫く部分はぶれない。海外の試合でも日本にいた時と同様に、「かかと落とし」を決め技にした自身の戦い方を通す。1日に亡くなったアントニオ猪木さんから受けたアドバイス「1つの技を磨け」が常に頭にある。
キャリアは大ベテランの域に達した。「練習がしたいと思えるうちは頑張る」。そして「常に若い選手が周囲にいて、彼女たちが人間的に成長する姿を見たい」。新潟大会、1歩離れて後輩を見守る。【斎藤慎一郎】
◆里村明衣子(さとむら・めいこ)1979年(昭54)11月17日生まれ、新潟市出身。黒埼中では2年から柔道部所属。94年に長与千種が立ち上げたGAEA JAPANの入門試験に合格し、95年4月15日の加藤園子戦でデビュー。01年にAAAWシングル王座獲得。05年、センダイガールズの立ち上げに参加。15年にセンダイガールズワールドシングル初代王座に就く。11年8月に社長就任。19年に英国の団体プログレスに初参戦。21年6月にNXT・UK王座を獲得。157センチ、68キロ。
◆女子プロレスBIGSHOW in新潟 メインイベントは橋本千紘・優宇組、アジャコング・朱崇花組のタッグマッチ。セミファイナルのDASH・チサコ、尾崎魔弓のシングルマッチなど全6試合を予定。チケット予約等はセンダイガールズ公式HP(https://sendaigirls.jp/)
- 5月、NXT・UK王座を防衛した里村(WWE提供)
- センダイガールズ「女子プロレスBIGSHOW in新潟」のポスター